JP3185354B2 - 半導体装置の製造方法及び半導体装置の樹脂封止装置 - Google Patents

半導体装置の製造方法及び半導体装置の樹脂封止装置

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  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、半導体装置、特に超
薄型化する半導体装置に用いて好適な半導体装置の製造
方法及び半導体装置の樹脂封止装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来技術の樹脂封止装置の主要構成要素
である成形金型及びこの成形金型を用いた樹脂封止方法
を、図3乃至図5を用いて説明する。図3はこの発明を
説明するための、一般的なQFP型半導体装置に使用さ
れている現用のリードフレームを成形金型に装着した状
態の、共にそれらの一部分を示す平面図であり、図4は
図3におけるAーA線上の拡大断面図であり、そして図
5は図4の矢印B部分における、更に拡大した断面図で
ある。
【0003】先ず、図3に一般的なQFP型半導体装置
に使用されている現用のリードフレーム1の一単位を一
部分だけで示した。このリードフレーム1は四辺形のダ
イパッド2と、このダイパッド2の各辺に沿って、所定
のピッチで配列された複数のインナーリード3と、これ
らのインナーリード3に対応して配列、接続されたアウ
ターリード4と、前記両リードを接続したタイバー6
と、前記ダイパッド2の各コーナーをステー及びまたは
フレーム(以下、単に「フレーム」と記す)7に接続す
る吊りリード5などから構成されている。そして各吊り
リード5は折り曲げ部5aの部分で下方に折り曲げられ
ているので、前記ダイパッド2はディプレスされた状態
になっている。なお、図3において、右方の2点鎖線L
aは一単位の成形金型10の外周縁であり、左方の2点
鎖線Lbは一単位の成形金型10のキャビティの外周
縁、即ち、パッケージラインである。
【0004】このように構成されたリードフレーム1
の、前記ダイパッド2に半導体チップ(図示していな
い)を銀ペーストなどを用いて接着、固定し、この半導
体チップの各電極と前記各インナーリード3の内端部と
を接続した後、その半導体チップをトランスファーモー
ルド法で樹脂封止される。
【0005】この樹脂封止を行うための成形金型10
は、図4及び図5に示したように、上金型11と下金型
21とから構成されている。それらの上金型11及び下
金型21の内面にはそれぞれキャビティ12及び22
と、その周辺部13及び23と、その周辺部13、23
の各コーナーに凹状溝14及び24で構成されたエアー
ベント30などが形成されている。
【0006】このような構成の成形金型の下金型21の
キャビティ22に前記半導体チップを搭載したダイパッ
ド2を収め、そのダイパッド2を支持している吊りリー
ド5が前記凹状溝24に収まるようにしてリードフレー
ム1を載置し、その後、同様に、前記下金型21と対に
なるように、対称的に前記上金型11をその下金型21
に被せて締結し、図示していないが、例えば、前記エア
ーベント30と対角線上にある下金型21の周辺部コー
ナーに形成されてある樹脂注入口から溶融した封止樹脂
を注入し、半導体チップなどを樹脂封止している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】最近、薄型化した樹脂
封止型半導体装置の要求が高まってきている。このよう
な薄型化の樹脂封止型半導体装置を得るため、半導体チ
ップを樹脂封止する場合に遭遇する問題点としては、次
のような点をあげられる。
【0008】即ち、半導体チップの上下を流動する封止
樹脂は、半導体チップの表面とキャビティ12の底面と
の深さ、ダイパッド2の裏面とキャビティ22の底面と
の深さとを等しく設計しても、上金型11と下金型21
との空間の差、半導体チップの厚さ、半導体チップとダ
イパッド2とを固定する接着剤の厚さ、リードフレーム
1のディプレス量などのばらつきにより、下金型21の
樹脂注入口から供給された封止樹脂が流れる半導体チッ
プの上下の通路に差が生じ、例えば、僅かであるが、下
側通路の深さが上側通路の深さよりも深くなると、半導
体チップの上方を流れる封止樹脂の流動が妨げられ、そ
の速度が半導体チップの上方を流れる封止樹脂の速度よ
り遅くなる。その結果、ダイパッド2を上下に移動させ
る、所謂ステーシフトが発生する。
【0009】このステーシフトを防ぐために、従来技術
では、 1.パッケージバランスの均一化 2.成形条件の精密な制御 3.封止樹脂のスパイラルフロー、ゲルタイム等の諸条
件の絞り込み などで対応している。
【0010】しかし、成形金型などの構造上、0.1〜
0.3mmのステーシフトは避けられない。薄型化した
樹脂封止型半導体装置では、この微小なステーシフトに
よって、半田付けを行う際の耐熱性の低下となり、また
金ワイヤが露出するなどの不良の原因になっている。こ
の発明はこのような不都合をなくすことを課題とするも
のである。
【0011】
【課題を解決するための手段】そのためこの発明は、ト
ランスファーモールド法で樹脂封止するに際し、前記上
下金型の成形部の周辺部に形成されたエアーベント
吊りリードを収め、前記ダイパッドが前記両金型内に流
入する溶融樹脂により移動しないように、前記エアーベ
ントには前記ダイパッドに接続された前記吊りリードを
固定する手段を形成し、この固定手段で前記吊りリード
を固定しながら、溶融樹脂を成形金型内に流し込み、前
記半導体チップを樹脂封止するようにした。
【0012】
【作用】従って、半導体チップの上下の通路を流れる封
止樹脂に速度差が生じても、ダイパッドが変動したり、
変形するようなことがない。
【0013】
【実施例】以下、この発明のQFP型の樹脂封止型半導
体装置の樹脂封止方法及びその装置を図1及び図2を用
いて説明する。図1は図3に相当する、この発明の成形
金型の要部拡大平面図であり、図2は図5に相当する、
図1のAーA線上における要部拡大断面図である。な
お、図1及び図2には、従来技術のリードフレーム及び
成形金型装置と同一の構成部分には同一の符号を付し
て、それらの詳細な説明を省略する。
【0014】図1に示した、この発明の成形金型10A
においては、エアーベント30を構成している上金型1
1Aの前記凹状溝14に、前記リードフレーム1のダイ
パッド2を支持している吊りリード5の表面に当接する
台形の固定突起15を形成し、この固定突起5と対向
して、下金型21Aの前記凹状溝24にも、前記吊りリ
ード5の裏面に当接する台形の固定突起25を形成し、
図2に示したように、これらの固定突起15及び25
で、エアーベント30内に収められた吊りリード5を挟
み、固定するようにした。
【0015】前記固定突起15及び25の幅はそれぞれ
それらを形成する所の凹状溝14及び24の溝幅より狭
くして、各固定突起15、25と各凹状溝14、24の
両壁の間に隙間を形成することが肝要である。このよう
に構成することにより、樹脂注入口から溶融樹脂を注入
した際に、両キャビティ12、22内の空気は前記隙間
を通り、成形金型の外へ排気することができる。
【0016】このような構成の成形金型である下金型2
1A上のキャビティ12に、半導体チップを搭載、固定
したダイパッド2を収め、そのダイパッド2を支持して
いる吊りリード5が前記凹状溝24の固定突起15の上
に収まるようにしてリードフレーム1を載置し、その
後、同様に、前記下金型21と対になるように、対称的
に前記上金型11をその下金型21に被せ、前記固定突
起25で前記吊りリード5を挟むようにして締結する
(図2)。
【0017】このような状態で、樹脂注入口から溶融し
た封止樹脂を注入すると、上金型11Aと下金型21A
との空間の差、半導体チップの厚さ、半導体チップとダ
イパッド2とを固定する接着剤の厚さ、リードフレーム
1のディプレス量などのばらつきにより、樹脂注入口か
ら供給された封止樹脂が流れる半導体チップの上下の流
路に差が生じても、エアーベント内に収められた吊りリ
ード5固定されているため、樹脂封止の際に、ダイパ
ッド2のステーシフトを低減することができる。
【0018】前記実施例ではQFP型半導体装置を採り
挙げて説明したが、この発明は四方向にアウターリード
が導出された半導体装置のみに限定されるものではな
く、一方向或いは二方向にアウターリードが導出された
樹脂封止型半導体装置にも適用できることは容易に理解
されよう。
【0019】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この発
明の成形金型によれば、上下金型のエアーベントを構成
する凹状溝にそれぞれ固定突起を設け、これらの固定突
起でエアーベント内の吊りリードを固定しながら半導体
チップの樹脂封止を行うようにしたので、成形金型内に
おいて、構成部品などのばらつきによる半導体チップの
上下の樹脂通路の深さの差で封止樹脂の流速に差が生じ
ても、ダイパッドのステーシフトや変形が低減でき、従
って、半田付け時の耐熱性の向上、金ワイヤの露出やボ
イドの発生も低減できて、樹脂封止型半導体装置の品質
を良好に維持でき、歩留りも向上するなど、数々の優れ
た効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図3に相当する、一般的なQFP型半導体装置
に使用されている現用のリードフレームを、この発明の
成形金型に装着した状態の、共にそれらの要部を示す拡
大平面図である。
【図2】図5に相当する、図1のAーA線上における要
部拡大断面図である。
【図3】この発明を説明するための、一般的なQFP型
半導体装置に使用されている現用のリードフレームを成
形金型に装着した状態の、共にそれらの一部分を示す平
面図である。
【図4】図3におけるAーA線上の拡大断面図である。
【図5】図4の矢印B部分における、更に拡大した断面
図である。
【符号の説明】
1 リードフレーム 2 ダイパッド 3 インナーリード 4 アウターリード 5 吊りリード 5a 折り曲げ部 6 タイバー 7 フレーム 10A 成形金型 11A 上金型 12 キャビティ 13 周辺部 14 凹状溝 15 固定突起 21A 下金型 22A キャビティ 23 周辺部 24 凹状溝 25 固定突起

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイパッド、インナーリード、アウター
    リード、フレーム、前記ダイパッドを前記フレームに接
    続する吊りリードを有するリードフレームの、前記ダイ
    パッドに半導体チップを固定し、この半導体チップの各
    電極を前記インナーリードの内端部に電気的に接続した
    後、前記半導体チップをエアーベントが設けられた成形
    金型を用い、トランスファーモールド法で樹脂封止する
    に際し、前記吊りリードを前記成形金型のエアーベント
    内に収めるとともに前記エアーベントに形成した固定
    手段で前記吊りリードを固定しながら、溶融樹脂を前記
    成形金型内に流し込み、前記半導体チップを樹脂封止す
    ることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 ダイパッド、インナーリード、アウター
    リード、フレーム、前記ダイパッドを前記フレームに接
    続する吊りリードを有するリードフレームの、前記ダイ
    パッドに半導体チップを固定し、この半導体チップの各
    電極を前記インナーリードに電気的に接続した後、前記
    半導体チップをトランスファーモールド法で樹脂封止す
    る上金型と下金型からなる半導体装置の樹脂封止装置
    の、前記金型に形成されたエアーベント内には、該エア
    ーベント内に収められた、前記吊りリードを固定する手
    段を形成したことを特徴とする半導体装置の樹脂封止装
    置。
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CN118156216B (zh) * 2024-05-10 2024-07-26 深圳市金誉半导体股份有限公司 一种用于qfp封装芯片的装置及方法

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