JP3184591B2 - インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法およびその記録物 - Google Patents

インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法およびその記録物

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    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録ヘッドが記録媒体
上を移動走査しながらインクジェット方式により画像記
録を行う記録装置であって、複写機、ファクシミリ、コ
ンピュータ等の出力に好適に用いられるインクジェット
記録装置及びインクジェット記録方法ならびにその記録
物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、紙、OHP用シート等の記録媒体
(以下、記録紙ともいう。)に対して記録を行う記録装
置は種々の記録方式による記録ヘッドを搭載した形態で
提案されている。この中でも、特にインクジェット記録
方式は、記録ヘッドから記録紙に直接インクを噴射する
ものであり、ランニングコストが安く、記録動作が静か
である等の利点を有した記録方式として注目されてい
る。また近年のインクジェット記録装置、とりわけ記録
ヘッドにあっては、その製造が半導体ディバイスにおけ
る製膜技術やマイクロ加工技術によって行われるように
なり、より小型でかつ廉価な記録ヘッドが実現されつつ
ある。
【0003】このようなインクジェット記録方式による
記録装置においては、記録ヘッドとしてノズルの先端に
位置する微細なインク吐出口を多数配列したものが用い
られる。また、インクジェット記録装置としては、記録
紙を間欠的に搬送(ステップ送り)しながら記録ヘッド
を記録紙上において記録紙の搬送方向とは直角方向に往
復走査(主走査あるいはスキャンともいう。)させて画
像を形成していくいわゆるシリアル型がある。この方式
において、記録ヘッドの吐出口は前記主走査方向とは直
角方向に列状に配設され、その吐出口列の長さ(1走査
の記録幅)が記録時間に大きく影響し、吐出口列が長い
記録ヘッドになる程、その時間を短縮することができ
る。
【0004】しかし記録ヘッドを製造する上では、吐出
口列が長いもの程、所定の精度あるいは性能を維持しよ
うとすると非常な困難を伴うことになる。また仮にその
ような記録ヘッドが製造できたとしても、記録動作中に
吐出口に目詰まりなどの不良が発生した場合、それが僅
かな数であっても記録ヘッドの全体を一度に交換しなけ
ればならず、不経済であるという問題がある。またこの
ような記録ヘッドは、使用中の安定性や信頼性を確保す
るという点でも大きな課題を残している。
【0005】これに対し、吐出口列が短い記録ヘッド
程、その製造も容易であり、また使用中の信頼性も高
い。また記録ヘッドの単価も低いことから、交換時の無
駄が少ないというメリットがある。以上のことから、実
際上、記録ヘッドの吐出口列の最適な長さは、使用時に
おける信頼性、記録時間ならびにコスト等を総合的に考
慮した上で決定されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
インクジェット記録装置においては解像度あるいは階調
性の面で高性能化への対応が容易でないという問題があ
る。その理由は、ヘッドを製造する上で吐出口配列の密
集度に限界があり、解像度を容易には上げることができ
ないという点と、インクジェット方式による記録画像は
基本的にインクを吐出するか吐出しないかの2値画像で
あるという点が挙げられる。
【0007】この問題を解決するために次に述べるよう
な手段が考えられている。それは、各ノズルから1回当
りに吐出されるインク滴の量を少なくして、従来1つの
インクドットで表されていた1単位画素の中をさらに複
数の微小ドットで表現しようとするものである。これに
より解像度を低下させることなく単位画素内のドット数
に応じて階調性を向上させることができる。ところがこ
れを実施するためには記録ヘッドのインク吐出周波数
(単位時間当りのインク吐出回数)を上げる必要がある
が、容易ではない。そのため記録ヘッドの主走査スピー
ドを下げることでこれに対処しなければならず、その
分、記録時間が長くなるという問題が生ずる。そして、
これを防ぐために記録ヘッドの吐出口列を長くして1回
の主走査で記録する幅を長くする方法が考えられるが、
このような記録ヘッドを採用することはすでに述べたよ
うにコストや信頼性の面から問題が多い。このようなこ
とから、現状のインクジェット記録装置において記録画
像の高画質化を図るとともに記録時間の短縮を図ること
は容易ではない。
【0008】さらにこのようなシリアル型のインクジェ
ット記録装置には、吐出口からのインク不吐出ならびに
吐出インク濃度ムラという2つの課題がある。このうち
インク不吐出とは、何らかの原因で記録ヘッド内のある
吐出口に不吐出が生じた場合に、記録紙上に白く線が抜
けたような画像が発生する、白抜けといわれる現象であ
り、これにより画像品位は著しく低下する。また吐出イ
ンク濃度ムラとは、記録紙上に記録されたインク濃度が
対応する吐出口によって異なるという現象である。これ
は、成形される各吐出口の形状が微妙に異なること、イ
ンク吐出力の発生源の性能がノズルによりばらついてし
まうこと、また、各ノズルの温度が異なることなどによ
りインクドットの吐出量が各吐出口によって異なること
が原因である。この中でも、ノズルに熱エネルギーを与
えてインクを吐出する方式のインクジェット記録装置に
おいては、ノズル温度がインク吐出性能に与える影響は
大きいため、通常、記録ヘッドにヒーターを設け、常に
一定の温度になるよう調整している。
【0009】ところが、このように温度調整を行っても
記録ヘッド中の場所による温度勾配は避けられず、例え
ば記録ヘッドの中央部と端部とを比べると端部の方がわ
ずかに低い。それゆえ、吐出口列の端部付近はインク吐
出量が少なく、記録されたインクの濃度が低下する傾向
にあり、画像濃度ムラが発生して画像品位を低下させて
しまう。これらについては、前記した階調性を向上させ
るための方法を用いたとしても依然解決することが困難
な重要な課題である。
【0010】本発明は上述の課題に鑑みてなされたもの
であって、その目的は、記録時間を延ばすことなく記録
画像の高画質化を図ることが可能なインクジェット記録
装置およびインクジェット記録方法ならびにその記録物
を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本願
発明は、同一色のインクを吐出するための吐出口を複数
配列した吐出口列であって、各々が等しい数の吐出口を
有する吐出口列を複数個、前記吐出口の配列方向に配列
した記録手段を、前記吐出口列方向とは異なる方向に被
記録媒体に対して相対的に主走査しながら前記被記録媒
体上にインクを吐出することにより記録を行うインクジ
ェット記録装置であって、前記複数の吐出口列の全吐出
口を前記吐出口列方向に等しい長さに分割してなる複数
のブロックであって、前記各ブロックの両端に位置する
吐出口のうち少なくとも一方が前記吐出口列の端部以外
の吐出口となるように分割されたブロックを用い、記録
データに応じて主走査毎に異なるブロックの吐出口から
記録媒体上の同一画素に同一色のインクが重なるように
吐出することで異なる濃度を有する複数の画素からなる
多値画像を記録するように制御する記録制御手段と、前
記主走査毎に、前記分割された長さと同じ量だけ前記記
録手段と前記被記録媒体とを相対的に略前記吐出口列方
向に副走査させる副走査手段と、を備えることを特徴と
するものである。
【0012】ここで、前記記録手段の具体例としては、
吐出口列を備える記録ヘッドを複数備えている場合が挙
げられる。また、前記記録手段の各吐出口列は、主走査
方向に対して直角方向に、あるいは傾斜して配列するこ
とができる。また、前記記録手段は、熱エネルギーによ
ってインクに状態変化を生起させ、該状態変化に基づい
てインクを吐出口から吐出させるものであり、対応する
吐出口毎に、インクに熱による状態変化を生起させる熱
エネルギー発生手段を有するものであることが好まし
い。
【0013】また、本願発明は、同一色のインクを吐出
するための吐出口を複数配列した吐出口列であって、各
々が等しい数の吐出口を有する吐出口列を複数個、前記
吐出口の配列方向に配列した記録手段を、前記吐出口列
方向とは異なる方向に被記録媒体に対して相対的に主走
査しながら前記被記録媒体上にインクを吐出することに
より記録を行うインクジェット記録方法であって、前記
複数の吐出口列の全吐出口を前記吐出口列方向に等しい
長さに分割してなる複数のブロックであって、前記各ブ
ロックの両端に位置する吐出口のうち少なくとも一方が
前記吐出口列の端部以外の吐出口となるように分割され
たブロックを用い、記録データに応じて主走査毎に異な
るブロックの吐出口から記録媒体上の同一画素に同一色
のインクが重なるように吐出することで異なる濃度を有
する複数の画素からなる多値画像を記録するように制御
する工程と、前記主走査毎に、前記分割された長さと同
じ量だけ前記記録手段と前記被記録媒体とを相対的に略
前記吐出口列方向に副走査させる工程と、を備えること
を特徴とするものである。
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【作用】本発明により記録を行うには、被記録媒体にイ
ンクを吐出するための吐出口を配列した記録ヘッドを複
数個、前記吐出口列方向に配列した記録手段を、前記吐
出口列方向とは異なる方向に被記録媒体に対して相対的
に主走査しながら被記録媒体上にインクを吐出する。そ
して該主走査毎に前記複数の吐出口列の全体の長さより
小なる量だけ前記記録ヘッドと前記被記録媒体とを相対
的に前記吐出口列方向に副走査することにより記録を行
う。これにより、記録ヘッドの吐出口列の長さ(1走査
の記録幅)を長くできるため、記録時間を従来よりも短
縮することができる。また吐出口列の短い記録ヘッドを
組み合わせたものであるため、製造が容易であり信頼性
も高い。さらに記録ヘッドの交換は記録ヘッド毎に行う
ことができるので無駄が少ない。
【0018】また、他の記録方法として、被記録媒体に
インクを吐出するための吐出口を複数配列した吐出口列
を複数個、前記吐出口列方向に配列した記録手段を、前
記吐出口列方向とは異なる方向に被記録媒体に対して相
対的に主走査しながら被記録媒体上にインクを吐出す
る。そして該主走査毎に前記複数の吐出口列の全体の長
さより小なる量だけ前記記録手段と前記被記録媒体とを
相対的に前記吐出口列方向に副走査することにより記録
を行う。このとき記録データに応じて記録媒体上の同一
画素に対し複数回の前記主走査で記録を行うに際し、前
記同一画素に対する記録を前記吐出口列の2つ以上の端
部の吐出口を用いては行わない。これにより、吐出口列
における吐出口の位置に起因する画像濃度ムラが発生し
ても記録画像への影響を少なくすることができ、高い画
像品位を得ることができる。したがって、記録時間を延
ばすことなく記録画像の高画質化を図ることが可能とな
る。
【0019】
【実施例】
(実施例1)以下、図面を参照して本発明の実施例を具
体的に説明する。図2は本発明に係るインクジェット記
録装置の断面図である。装置は大別して、記録系100 、
記録系ユニット搬送系200 、記録紙搬送系300 、制御系
(不図示)などからなる。また、記録系100 は、インク
ジェット記録ヘッド部101 及びインクタンク(不図示)
から記録ヘッドへ連通するインク供給チューブ103 、さ
らに記録ヘッドの駆動を制御する記録ヘッドドライバー
(不図示)などからなる。ここで記録ヘッドのインク吐
出方法は、各ノズル内部に配設されたインク吐出用の電
気熱変換体に通電して発熱させ、その熱エネルギーによ
りインクに状態変化を生起させ、該状態変化に基づいて
インクを吐出口から吐出させる方法が好適に使用され
る。ただしインク吐出方法としてはこれに限られず、各
ノズル内部に配設されたインク吐出用の電気機械変換体
を用いてインクの吐出を行ういわゆるピエゾ型の記録ヘ
ッドを用いることもできる。
【0020】次に、本発明における記録手段として本実
施例のインクジェット記録装置に用いられる記録ヘッド
の吐出原理について詳述する。インクジェット記録装置
に適用される記録ヘッドは、一般に微細な液体吐出口
(オリフィス)、液路およびこの液路の一部に設けられ
るエネルギー作用部と、該作用部にある液体に作用させ
る液滴形成エネルギーを発生するエネルギー発生手段と
を備え、交換可能である。このようなエネルギーを発生
するエネルギー発生手段としてはピエゾ素子等の電気機
械変換体を用いたもの、レーザ等の電磁波を照射して、
そこにある液体に吸収させて発熱させ、該発熱による作
用で液滴を吐出、飛翔させるようにしたもの、あるいは
電気熱変換体によって液体を加熱して液体を吐出させる
ようにしたもの等がある。その中でも熱エネルギーによ
って液体を吐出させるインクジェット記録方式に用いら
れる記録ヘッド部は、記録用の液滴を吐出して飛翔用液
滴を形成するための液体吐出口(オリフィス)を高密度
に配列することができるために高解像力の記録をするこ
とが可能である。
【0021】また、電気熱変換体をエネルギー発生手段
として用いた記録ヘッド部は、記録ヘッド部として全体
的なコンパクト化も容易で、かつ、最近の半導体分野に
おける技術の進歩と信頼性の向上が著しいIC技術やマ
イクロ加工技術の長所を十二分に活用でき、長尺化及び
面状化(2元化)が容易であること等から、マルチノズ
ル化、高密度実装化が容易で、しかも大量に生産性よ
く、製造コストも安価なインクジェット記録用ヘッド部
を提供することが可能である。
【0022】このようにエネルギー発生手段に電気熱変
換体を用い、半導体製造プロセスを経て製造されたイン
クジェット用記録ヘッド部は、一般には各インク吐出口
に対応した液路を設け、該液路ごとに該液路を満たす液
体に熱エネルギーを作用させて、対応するインク吐出口
から液体を吐出して飛翔用液滴を形成する手段としての
電気熱変換体が設けられ、各液路には、各液路に連通し
ている共通液室から液体が供給される構造となってい
る。なお、インク吐出部の製造方法としては、第1の基
板上に少なくとも液路を形成するための固体層と、少な
くとも液路の壁の形成に利用する活性エネルギー線硬化
性材料層と、第2の基板を順次積層した後、該第2の基
板上にマスクを積層し、該マスクの上方から活性エネル
ギー線を照射して、活性エネルギー線硬化性材料層の少
なくとも液路の壁を構成部分として硬化させ、更に固体
層と活性エネルギー線硬化性材料層の未硬化部分を二つ
の基板間から除去し、少なくとも液路を形成する方法が
ある(特開昭62−253457号公報参照)。
【0023】記録系ユニット搬送系200 は、記録ヘッド
や記録ヘッドドライバーを搭載し、所定方向(ここでは
図面に直交する方向)に延在させたガイドレール221 に
沿って移動することにより記録ヘッドを記録紙に対して
走査させるキャリッジ201 その他を含む系である。記録
紙搬送系300 は、記録紙RP,CS の搬送路P,PC,PR,PI及び
各部ローラーなどからなる。制御系は、装置全体の動作
シーケンスを制御するコントローラーと出力画像の画像
信号に関する各種処理を行う画像処理部などを含む。CS
はカットシート状の記録紙であり、カセット7上に載置
されている。RPはロール状の記録紙であり回転軸RPA の
まわりに回転可能である。PC,PR 及びPIはそれぞれカッ
ト紙CS、ロール紙RP及び手差し口9に挿入された記録紙
の搬送路であり、搬送ローラー301 の挟持位置の上流側
近傍で合流する。
【0024】搬送路PCには、ピックアップローラー311
と分離部材(不図示)との協動でカセット7より分離さ
れたカット紙が導入され、経路上に設けた各部ローラー
316、315、314 により挟持されつつ搬送路PC上を案内され
て、搬送ローラー301 に導かれる。搬送路PRには、ロー
ル紙を引き出しつつ経路上に導入するためのセットロー
ラー324 、搬送ローラー301 に向けて経路上を搬送する
ためのローラー325 の他、所定寸法にロール紙を裁断す
るためのカッター326 を設けてある。また321はロール
紙RPを保持するホルダーである。各経路を経て搬送ロー
ラー301 に導入された記録紙は、レジストローラー331
を介してプラテン401 に導かれ、さらに搬送路Pにおけ
るプラテン401 の下流側にある搬送ローラー341 に挟持
される。すると記録紙はプラテン上に、エア吸引など不
図示の機構により吸着される。
【0025】その後、キャリッジがガイドレール上を1
回往復し、それにより記録ヘッドが記録紙上を走査する
ことになる。この走査に同期してヘッドの駆動信号が制
御系から送られ、それに応じてインク吐出が行われる。
このようにして1ライン分の画像が記録紙上に形成され
ると、搬送ローラー341 により、所定量記録紙が搬送さ
れ、再び記録ヘッドの走査が行われる。以上の動作が所
定の画像長さ分行われると、搬送ローラー341 により記
録紙を送り出し、排紙口11から排出される。
【0026】図3に記録系及び記録系ユニット搬送系の
構成を示す。201 及び203 は、それぞれ記録ヘッド部10
1 を搭載したキャリッジ及びインクタンクを収容したイ
ンクキャリッジであり、ガイドレール221 に沿って移動
走査される。219A及び219Bは、それぞれ、プーリー207A
とアイドラー208Aとの間及びプーリー207Bとアイドラー
208Bとの間に架設したワイヤーであり、各々キャリッジ
及びインクキャリッジに固着されている。モーター210A
及びモーター210Bは、それぞれプーリー207A及び207Bに
結合され、これらの回転により各キャリッジが走査され
る。ヘッドとインクタンクとは、インク供給管103 を介
して接続され、これを通してインクが供給される。230
はヘッドを駆動するための出力信号をヘッド側に伝える
ための信号ケーブルであり、一端は本体側に固定された
制御系(不図示)に接続されている。
【0027】ここで、記録ヘッドのインク吐出性能が記
録ヘッドの温度に大きく依存することから、記録ヘッド
ないしはその周辺にヒーターや冷却用ファンなどを設け
る必要性が生じるが、その場合はそれらの駆動用配線も
上記ケーブルに含まれる。制御系から出たケーブルはガ
イドレールと平行に延び、Uターンしてインクキャリッ
ジ203 の開口203Aに導かれる。ここでケーブルの曲げ内
側に沿って、金属性の板バネ材から成るガイド230Gが設
けられているが、これはケーブルの腰を助けて往復移動
中に座屈するのを防ぐ働きをしている。ケーブル及びガ
イドは本体側を固定部材231 で、インクキャリッジ側を
別の固定部材(不図示)でそれぞれ固定されている。ケ
ーブル230 は前記別の固定部材によって一旦インクキャ
リッジに固定された後、もう1つの開口(不図示)を通
って外に出る。そしてキャリッジ201 内に入って、ヘッ
ドドライバーに接続される。ヘッドドライバーはこのケ
ーブルからの信号に応じて記録ヘッドを駆動し、インク
を吐出させて所定の画像を形成する。
【0028】211 及び212 はそれぞれ、キャリッジ及び
インクキャリッジのホームポジションを検知するセンサ
ーである。例えばこの位置において、記録ヘッドのノズ
ルからインクが蒸発するのを防ぐためにヘッドをキャッ
ピングする機構(不図示)を設けている。213 及び214
はそれぞれ、記録紙PPに対しヘッドを繰り返し走査させ
て連続的に記録を行う場合に各キャリッジの走査方向の
反転位置を設定する反転ポジションセンサーである。ま
た、215 は、記録紙に記録を開始するタイミングを決め
るための画像先端センサーである。
【0029】本実施例では、ヘッドキャリッジ側とイン
クキャリッジ側とが殆ど同じ動きをしており、両者間の
距離が相対的に変化することはない。よって通常の動き
の中では、両者が離れたためにインク供給チューブ103
や後述のケーブル230 が引っ張られ、切断されるといっ
た事態は発生しない。しかし、何らかの原因、例えば異
常な外力が加わったり装置が誤動作したような場合で両
キャリッジが離間しようとしても、ワイヤー218 によっ
てある一定以上離れないように構成し、チューブなどに
影響を与えないようにしている。
【0030】次に、ヘッド部101 周りの構成及びその動
作について説明を加える。図4においてその構成を示
す。本構成は記録ヘッドを複数個、吐出口列方向に縦列
させて一走査時の記録幅をできるだけ広くとり、記録時
間の短縮を図ったものである。実際には記録幅がW1のヘ
ッドを4つ副走査方向に千鳥状にヘッドホルダー102 の
中に配列させている。これにより各ヘッド101A,101B,10
1C、101D による記録領域を隙間なくつなげることがで
き、全体で記録幅W(=W1x4) の長尺ヘッドとみなすこと
ができる。さらに本発明では、階調性を向上させるため
に1画素を3つのインクドットで表現するようにし、し
かもその3つのインクドットはすべて吐出ノズルを異な
らせるようにした。そのために記録幅Wを3分割して、
ブロックB1,B2,B3を形成させる。つまり、第1ヘッド10
1Aの全ノズルと第2ヘッド101Bの下部1/3 のノズルをブ
ロックB1に、第2ヘッド101Bの上部2/3 と第3101Cヘッ
ドの下部2/3 のノズルをブロックB2に、第3ヘッド101C
の上部1/3 と第4ヘッド101Dの全ノズルをブロックB3
に、それぞれ割り当てる。このブロックのノズル長をLs
とする(Ls=W/3となる)。
【0031】そして図5に示すように、あるスキャン
(A) においてブロックB1のノズルからのインクを用いて
1/3 の画像を記録する。次のスキャン(B) においてブロ
ックB2のノズルで次の1/3 の画像を1画素内をわずかに
ずらして記録する。さらに次のスキャン(C) においてブ
ロックB3のノズルで次の1/3 の画像を1画素内をさらに
わずかにずらして記録する。これにより、1画素当たり
従来の2値から4値による表現が可能になり、かつ特定
のノズルにインク吐出の不備が生じても異なるノズルで
重ね書きされるためにその影響は1/3 に減じられるとい
うメリットがある。ここで、ノズルから1回に吐出され
るインクの体積は約10plであるが、これは従来のほぼ1/
3 にあたる。以後このように複数回スキャンを繰り返し
て画像を重ねていく方式をマルチスキャン、それに対し
て1回のスキャンだけで画像を記録する方式をシングル
スキャンと呼ぶ。
【0032】次に本実施例における電気的な制御、動作
について説明する。図6にブロック図を示す。図6にお
いて804 は制御部であり、不図示のマイクロプロセッ
サ、プログラム格納用ROM,ワークRAM,I/Oポ
ート等から構成され、プリンタ全体のメカ駆動部803 の
制御や印字に関する制御を行う。また本実施例のプリン
タ装置はIEEE488、いわゆるGPIBインターフ
ェース等の汎用パラレルインターフェースの制御回路を
持っており、外部のコンピュータ等(不図示)からの画
像データを受け取りこれをプリントアウトする。図6の
802 がこのインターフェース制御部であり、805 は画像
データを記憶するバッファメモリである。制御部804 は
これらの制御も行う。
【0033】801 はオペレータの操作により本装置のリ
モート制御やオンライン時の用紙の吸排紙等の指示を行
うための操作部であり、制御部804 により制御される。
同期遅延メモリ806 〜809 は画像印刷時のメカ動作の時
間ばらつきの吸収と記録ヘッド101A,101B,101C及び101D
の機構上の並びによる遅延補正を行う。リード/ライト
制御部810 は後述の本実施例におけるマルチスキャン方
式に合わせて画像データをバッファメモリ805 から読み
出し、同期遅延メモリ806 〜809 に書き込むための制御
回路である。またリード/ライト制御部810 はメカ動作
に同期を取りながらヘッドドライバ811 〜 814に画像デ
ータを供給する。ヘッドドライバ811 〜814 は記録ヘッ
ド101A〜 101D を、それぞれドライブするドライバ部で
ある。
【0034】次に図7を使用して実際の記録シーケンス
について説明する。101A〜 101D は本実施例で使用され
る4個のヘッドを模式的に示したものであり、それぞれ
のヘッドを千鳥状に配置してある。各記録ヘッドは25
5ノズルで構成され、全部で1020ノズル分を1回の
スキャンで記録することになる。これに対して記録紙の
副操作方向へのフィード量は1回のスキャンに対して、
340ノズル分(1020/3)となっている。すなわ
ち最終的な画像はB1,B2,B3のブロックがそれぞ
れ同じ領域を3回スキャンすることによって得られる。
【0035】例えば図7で908 の領域の画像を形成する
場合は,まずブロックB1のノズルにより第1スキャン
が行われる。続いて340ノズル分だけ記録しが副走査
方向にフィードされブロックB2のノズルにより第2ス
キャン目が908 の領域にオーバーラップして記録され
る。同様にしてブロックB3のノズルによって第3スキ
ャン目が記録され、4値の多値画像が形成される。この
とき当然のことであるが他のブロックは次スキャンの画
像を同時に形成していく。
【0036】次に図8に基づき説明する。図8でA〜D
は前述の千鳥状に配置された4個の記録ヘッドである。
各ノズル番号は説明の都合上1〜1020までの連続し
た番号で記述してある。1008は説明のため1ライン分の
記録画像を各画素毎に模式的に示した図である。同図に
は各画像の濃度データが示してある。本実施例のマルチ
スキャンでは4値による表現を行っているため、1画素
に対して3回のスキャンを行い、1スキャンにつき1回
の吐出を行うことは前述の説明の通りである。第1スキ
ャンではブロックB1を使用し340ライン分の画像を
記録する。1008のラインは第1スキャンではブロックB
1の記録ヘッド101Aの1020番ノズル(1007)により
1値目の記録が行われる。第1スキャンが終了すると記
録紙は副走査方向に所定量だけフィードされる。そして
第2スキャン目が開始されるが第2スキャンにおいては
ブロックB2の記録ヘッド101Bの680番ノズル(100
6)により1008のラインの2値目の記録が行われる。同様
に第3スキャンでは、ブロックB3の記録ヘッド101Cの
340番ノズル(1005)により1008のラインの3値目の
記録が行われる。
【0037】1008のラインのうち、1011で示す第1画素
目は画像データの濃度が3でありインクは3回吐出され
るのでブロックB1、B2、B3が使用される。1012で
示す第2画素目は濃度2であるのでブロックB1、B
2、B3の中から2つのブロックが選択されて使用され
る。1013で示す第3画素目は濃度3であるのでブロック
B1、B2、B3を使用する。1014で示す第4画素目、
1015で示す第5画素目、1016で示す第6画素目は濃度1
であるのでブロックB1、B2、B3の中から1つのブ
ロックが選択されて使用される。以下同様にして記録が
行われる。
【0038】次に、図1に実際のヘッドの記録動作を示
すが、それは以下に述べるようにいくつかの段階に分か
れている。 (A) まず初めのスキャンにおいてはブロックB1のノズル
によって 1/3に間引かれた画像を記録する。 (B) 次に記録紙をLsだけステップ送りさせ、前回の記録
画像上にブロックB2のノズルによりさらに 1/3の画像を
重ねる。それと同時にブロックB1により次の画像の1/3
を記録する。 (C) 記録紙をさらにLsだけ移動させ、前回のブロックB2
で記録された画像上にブロックB3により最後の1/3 の画
像を重ね合わせる。それと同時に (B)と同様にブロック
B2、ブロックB1も各1/3 の画像を記録する。このうちブ
ロックB3で記録された部分は完成画像となる。
【0039】以下動作(C)を最後から2回前のスキャン
まで繰り返す。そして次のスキャンにおいてはブロック
B2、ブロックB3により記録を行い、最後のスキャンでは
ブロックB3のみで記録を行う。以上により全画像記録が
完成する。上述の方式により記録動作を行うことで解像
度を下げることなく階調性が向上し、かつ記録時間もノ
ズル長W1の1本ヘッドの2値による記録の場合とあま
り大差はない。また、本方式には次に述べるような利点
もある。あるノズルに不吐出が発生した場合でも、同一
画素に記録を行う他の2つのノズルが正常であれば白抜
けが発生することはなく、またその部分が画像濃度ムラ
になったとしても殆ど目立たない。
【0040】さらに本発明は、1ヘッド内の画像濃度ム
ラが発生した場合にもそれを画像に目立たせないという
効果を持つ。このことを図9に示す模式図を用いて説明
する。一般的に熱エネルギーによりインクを吐出させる
インクジェット記録ヘッドは前述したようにヘッドの温
度が吐出性能に与える影響は大きく、全ノズルを均一の
温度にすることが望ましい。そのために外部にヒーター
を設けて、動作時は常時温度調節をしている。しかしい
かなる調整機構であっても完全に均一化することは困難
であり、温度勾配が発生してしまう。特に端部に向かう
ほどノズル温度が低下する傾向にあり、その結果、例え
ばヘッド101Aの上下方向に図9(A)に示すようなイン
クの濃度勾配Dが発生し易い。
【0041】そのために例えば画像を重ね書きする場合
に、同一ヘッドの同一ノズルで重ねる、あるいは異なる
ヘッドであっても端部ノズル同士で重ねてしまうと、例
えば同一ヘッドの同一ノズルを3回重ね書きした場合、
図9(B)に示す様にインク濃度勾配がさらに強調され
た形(DS') で画像が記録されることになる。
【0042】そこでそれに対処するために、画像処理を
行う際に故意に端部の画像濃度を上げるような補正を行
うことが考えられる。しかしその補正量を予測すること
は難しく、いかなる画像においても完全に均一な濃度に
することは不可能に近い。それに対して本発明の場合、
図9(C)に示す様に重ねる各ブロックの濃度分布がそ
れぞれD1,D2,D3とすると、重ねられた結果DSはより均一
化される方向になり画像濃度ムラは目立たなくなる。そ
のため端部に関する特別な画像処理を省略することが可
能であり、電気的に簡略化することができる。ここで上
述の濃度ムラは温度勾配によるものに限らず、他の何ら
かの共通要因により発生するようなヘッド毎に類似した
規則的なものであれば、本発明によりそれを均一化する
ことが可能である。
【0043】その他に、ヘッド交換などを行う際に次に
述べるようなメリットもある。例えばヘッドによりノズ
ルの成形位置にばらつきがあるために交換後と交換前の
ヘッドのノズル位置がわずかに異なる、あるいはヘッド
の位置再現性が不完全であるような場合、他のヘッドの
隣接ノズルとの間隔が変化しそれが原因で画像のヘッド
接続部に当たる場所が濃度差となって現れることが考え
られる。しかし、本発明ではその上に他の正規のノズル
位置からの画像が重ねられるので、シングルスキャンの
場合に比べ画像上にそれほど顕著に現れてこない。
【0044】以上詳述したように、本発明によれば、記
録時間を延ばすことなく記録画像の高画質化を図る際
に、1つの長尺ヘッドを用いる場合よりもヘッドのコス
トを下げ、かつその信頼性を向上させることができる。
また、インクジェット記録装置特有の問題点であるノズ
ル不吐出やヘッドの吐出インク濃度ムラに関しても、そ
れにより発生する画像上のムラを殆ど気にならない程度
に抑えることが可能である。さらに、ヘッドホルダーに
対して記録ヘッドを交換する際に、記録ヘッドの挿入操
作の仕方により他の記録ヘッドとの相対位置が変化した
場合であっても、その画像に対する影響を最小限に抑え
ることができる。またそのことから、ヘッド交換時に必
要以上に神経を使う必要がなく、交換作業を容易に行う
ことができる。
【0045】(実施例2)実施例1においては、4つの
ヘッドを用いて3回重ね書きを行うマルチスキャンと呼
ばれる方法について説明した。そこで実施例2として、
3つのヘッドを用いて2回重ねのマルチスキャンを行う
方法について説明する。前記実施例1のように高画質化
のみを狙うのではなく、装置の小型化及びヘッドの高信
頼性をより重視する場合に実施例2による方法は特に有
効である。
【0046】図10(A)にヘッド周りの構成を示し、
それに沿って以下に説明する。本実施例では、3つの記
録ヘッド501A,501B,501Cを副走査方向に対して傾けた形
で、一走査時の記録幅を長くする為に吐出口列方向にヘ
ッドホルダー502 内に配列させている。傾けて配列させ
ている理由は、各ヘッド間の記録領域のつなぎを無くし
つつ、できる限りヘッド周りのスペースを省くためであ
る。次に、全ノズルを2つに分割しそれをB4、B5 と表
す。つまり、2つのブロックによるインクを重ね合わせ
て画像を形成する2回のマルチスキャンであり、これに
より3値による画像の表現が可能である。4値と比較す
ればわずかに劣るものの、この方法によっても従来と比
べ充分な画質の向上を図ることができる。その他の装置
構成に関しては前記実施例1の記録装置と変わるところ
はないため、説明は省略する。また、電気的処理のうち
の画像信号の多値化処理の部分及びヘッド駆動のタイミ
ングの補正部分が実施例1と若干異なることになるが、
基本的な構成は変わらないため、説明は省略する。
【0047】記録動作は、実施例1において説明した動
作段階の内、図1 (A)及び(B) に示す段階が共通であ
り、その後は (B)を繰り返す。そして、最後の1ライン
をブロックB5のみで記録し、記録動作を終了する。ここ
で、記録紙のステップ送り量はW/2 とする。また吐出口
からの1回の吐出インク体積は、従来の約1/2 とする。
本実施例においてヘッド内インク濃度ムラが生じた場合
の模式図を図10(B)に示す。図10(B)におい
て、D1はブロックB4の場合のインクの濃度勾配であ
り、D2はブロックB5の場合のインクの濃度勾配であ
る。この例においてもD1とD2が重ね合わされる結果、イ
ンクの濃度勾配はDSのようになり、実施例1の場合と
同様にムラが均一化され、濃度ムラの少ない良好な画像
が得られる。以上述べたように実施例2によれば、次の
ような利点がある。
【0048】4値と比較すればわずかに劣るものの、従
来と比べ充分に画質の向上を図ることができる。また記
録時間に関しても、1つのヘッドで2値による記録を行
う場合に比べ約70%の時間で済み、使用ヘッドが全て同
一である場合、実施例1に比べてもわずかに短縮され
る。さらに実施例1と比較したときのもう1つの相違点
としてはヘッド数が3つであることである。これにより
ヘッドのコストが減少する上、故障率も減少することか
ら、信頼性が向上する。またヘッド部のスペースを減少
させることができるので、装置サイズを縮小させること
が可能である。
【0049】(実施例3)実施例1においては、4つの
ヘッドを用いて吐出口列の全体を3つのブロックに分割
して記録を行う方法について説明したが、他の実施例と
して、一つの記録ヘッドの全吐出口を使用して一つのブ
ロックを形成するか、あるいは複数の記録ヘッドの全吐
出口を使用して一つのブロックを形成することにより記
録を行うこともできる。例えば4つの記録ヘッドを用い
てブロック数を2つとし、同一画素に対する主走査回数
を2回とする。つまり第1記録ヘッドと第2記録ヘッド
で第1ブロックを形成し、第3記録ヘッドと第4記録ヘ
ッドで第2ブロックを形成する。これを実施例3とす
る。なお、被記録媒体にインクを吐出するための吐出口
を配列した記録ヘッドを複数個、吐出口列方向に配列し
た記録手段を用いる点は実施例1および実施例2と同様
である。
【0050】この実施例3によれば、吐出口列における
吐出口の位置に基づく画像濃度ムラが発生した場合に記
録画像への影響を少なくするという上記実施例1及び実
施例2の効果は得ることはできないが、記録の多値化が
可能であるため、シングルスキャンに比べ、階調性が向
上する。また一つの記録ヘッド内において、吐出口によ
って属するブロックが異なることがなく、記録ヘッド単
位で画像処理ができることから、電気的に単純化できる
という利点がある。さらに、吐出口列の短い記録ヘッド
を組み合わせたものであるため、製造が容易であり、信
頼性も高い。その他、記録ヘッドの交換は記録ヘッド毎
に行うことができるので無駄が少ないという効果を得る
ことができる。
【0051】尚、上述の実施例の説明においては一組の
記録ヘッドを使用した場合について説明してきたが、こ
れに限らず、複数組のヘッド列を並列させ、各組から異
なる色のインクを吐出することによりフルカラー画像を
形成するような装置としても、同様な効果を得ることが
できる。また、記録媒体としては紙の場合について説明
してきたが、本発明はこれに限らず例えばプラスチック
製フィルムや布材など、インクジェット方式で記録可能
なものであれば材質を問わず適用可能である。
【0052】本発明は、特にインクジェット記録方式の
中でも熱エネルギーを利用して飛翔的液滴を形成し、記
録を行うインクジェット方式の記録方法、記録装置にお
いて優れた効果をもたらすものである。
【0053】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
る電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越
える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号
を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギー
を発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさ
せて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体
(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この
気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(イン
ク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成する。こ
の駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成
長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(イン
ク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0054】このパルス形状の駆動信号としては、米国
特許第4463359号明細書、同第4345262号
明細書に記載されているようなものが適している。な
お、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許
第4313124号明細書に記載されている条件を採用
すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0055】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の
他に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開
示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第
4459600号明細書を用いた構成としてもよい。加
えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスリット
を電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭5
9−123670号公報や熱エネルギーの圧力波を吸収
する開孔を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭5
9−138461号公報に基づいた構成とすることもで
きる。
【0056】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けら
れたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いてもよい。
【0057】また、本発明の記録装置の構成として設け
られる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助
手段等を付加することは本発明の効果を一層安定できる
ので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、
記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング
手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこ
れとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによる
予備加熱手段、記録とは別の吐出を行う予備吐出モード
を行うことも安定した記録を行うために有効である。
【0058】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッ
ドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってで
もよいが、異なる色の複色カラー、または混色によるフ
ルカラーの少なくとも一つを備えた装置とすることもで
きる。
【0059】以上説明した本発明実施例においては、イ
ンクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で固
化するインクであって、室温で軟化するもの、もしくは
液体であるもの、あるいは上述のインクジェット方式で
はインク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調
整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温
度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与
時にインクが液状をなすものであればよい。
【0060】加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温
をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネル
ギーとして使用せしめることで防止するか、またはイン
クの蒸発防止を目的として放置状態で固化するインクを
用いるかして、いずれにしても熱エネルギーの記録信号
に応じた付与によってインクが液化し、液状インクとし
て吐出するものや、記録媒体に到達する時点では既に固
化し始めるもの等のような、熱エネルギーによって初め
て液化する性質のインクの使用も本発明には適用可能で
ある。このような場合インクは、特開昭54−5684
7号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載
されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状ま
たは固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対
して対向するような形態としてもよい。本発明において
は、上述した各インクに対して最も有効なものは、上述
した膜沸騰方式を実行するものである。
【0061】さらに加えて、本発明に係る記録装置の形
態としては、上述のようなワードプロセッサやコンピュ
ータ等の情報処理機器の画像出力端末として一体または
別体に設けられるものの他、リーダ等と組み合わせた複
写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置
の形態を採るものであっても良い。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば次
のような効果を奏することができる。 1) 記録時間を延ばすことなくまた解像度を維持しつ
つ、画像の階調性を向上させることが可能となる。
【0063】2) 記録手段のコストを上げることなく、
またその信頼性を損なうこともない。
【0064】3) 特定の吐出口に不吐出あるいはインク
濃度ムラが発生しても記録画像への影響を少なくするこ
とが可能であり、良好な画質を維持できる。
【0065】4) 記録ヘッド交換時などに生じ易い吐出
口の位置ずれなどに対しても、画質に与える影響を小さ
く抑えることができる。同時に、記録ヘッドの交換作業
も容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における記録ヘッドの記録
動作を表す説明図である。
【図2】本発明のインクジェット記録装置の断面図であ
る。
【図3】本発明のインクジェット記録装置の記録系及び
記録系ユニット搬送系の構成図である。
【図4】本発明の第1実施例における記録ヘッド周りの
構成図である。
【図5】本発明の第1実施例におけるインクの重ね合わ
せの説明図である。
【図6】本発明の第1実施例における電気的な制御ブロ
ック図である。
【図7】本発明の第1実施例における記録方法の説明図
である。
【図8】本発明の第1実施例における1ラインの記録方
法について説明する図である。
【図9】本発明の画像濃度ムラに関する効果を説明する
模式図である。
【図10】本発明の第2実施例における記録ヘッド周り
の構成を表す構成図である。
【符号の説明】
100 記録系 101A,101B,101C,101D,501A,501B、501C 記録ヘッド 102、502 ヘッドホルダー 200 記録系ユニット搬送系 300 記録紙搬送系 804 制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H04N 1/23 101 B41J 3/10 101E (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/01 B41J 2/05 B41J 2/13 B41J 2/51 H04N 1/034 H04N 1/23 101

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一色のインクを吐出するための吐出口
    を複数配列した吐出口列であって、各々が等しい数の吐
    出口を有する吐出口列を複数個、前記吐出口の配列方向
    に配列した記録手段を、前記吐出口列方向とは異なる方
    向に被記録媒体に対して相対的に主走査しながら前記被
    記録媒体上にインクを吐出することにより記録を行うイ
    ンクジェット記録装置であって、 前記複数の吐出口列の全吐出口を前記吐出口列方向に等
    い長さに分割してなる複数のブロックであって、前記
    各ブロックの両端に位置する吐出口のうち少なくとも一
    方が前記吐出口列の端部以外の吐出口となるように分割
    されたブロックを用い、記録データに応じて主走査毎に
    異なるブロックの吐出口から記録媒体上の同一画素に同
    一色のインクが重なるように吐出することで異なる濃度
    を有する複数の画素からなる多値画像を記録するように
    制御する記録制御手段と、 前記主走査毎に前記分割された長さと同じ量だけ前記
    記録手段と前記被記録媒体とを相対的に略前記吐出口列
    方向に副走査させる副走査手段と、 を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 前記記録手段は、吐出口列を備える記録
    ヘッドを複数備えていることを特徴とする請求項1に記
    載のインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 前記記録手段の各吐出口列は、主走査方
    向に対して直角方向に配列されていることを特徴とする
    請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記記録手段の各吐出口列は、主走査方
    向に対して傾斜して配列されていることを特徴とする請
    求項1記載のインクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 前記記録手段は、熱エネルギーによって
    インクに状態変化を生起させ、該状態変化に基づいてイ
    ンクを吐出口から吐出させることを特徴とする請求項1
    記載のインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 前記記録手段は、対応する吐出口毎に、
    インクに熱による状態変化を生起させる熱エネルギー発
    生手段を有することを特徴とする請求項5記載のインク
    ジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 同一色のインクを吐出するための吐出口
    を複数配列した吐出口列であって、各々が等しい数の吐
    出口を有する吐出口列を複数個、前記吐出口の配列方向
    に配列した記録手段を、前記吐出口列方向とは異なる方
    向に被記録媒体に対して相対的に主走査しながら前記被
    記録媒体上にインクを吐出することにより記録を行うイ
    ンクジェット記録方法であって、 前記複数の吐出口列の全吐出口を前記吐出口列方向に等
    い長さに分割してなる複数のブロックであって、前記
    各ブロックの両端に位置する吐出口のうち少なくとも一
    方が前記吐出口列の端部以外の吐出口となるように分割
    されたブロックを用い、記録データに応じて主走査毎に
    異なるブロックの吐出口から記録媒体上の同一画素に同
    一色のインクが重なるように吐出することで異なる濃度
    を有する複数の画素からなる多値画像を記録するように
    制御する工程と、 前記主走査毎に前記分割された長さと同じ量だけ前記
    記録手段と前記被記録媒体とを相対的に略前記吐出口列
    方向に副走査させる工程と、 を備えることを特徴とするインクジェット記録方法。
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