JP3184564U - 減速機用プラネタリギヤ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温下において高速回転で使用しても長寿命な減速機用プラネタリギヤ装置を提
供する。
【解決手段】減速機用プラネタリギヤ装置は、同心に配されたサンギヤ1及びリングギヤ2に噛み合うピニオンギヤ3と、ピニオンギヤ3の中心に挿通されピニオンギヤ3を回転自在に支持するピニオンシャフト5と、ピニオンギヤ3の内周面に形成された軌道面とピニオンシャフト5の外周面に形成された軌道面との間に転動自在に配された複数のころと、を備えている。ピニオンシャフト5には、複数のころが当接する軸方向において、潤滑用油穴5bが形成されており、且つ、ピニオンシャフト5は、高炭素クロム軸受鋼SUJ3によって構成され、ピニオンシャフト5の軸線方向中央部は、その表面層の残留オーステナイト量が20体積%未満である。
【選択図】図1

Description

本考案は、油圧ショベルやクレーン等の建設機械の走行減速機や旋回減速機に使用される減速機用プラネタリギヤ装置に関する。
プラネタリギヤ装置は、サンギヤ,リングギヤ,及びキャリヤを備えており、これらの回転要素は出力軸の周りに同心に配されている。また、サンギヤ及びリングギヤに噛み合うピニオンギヤが、キャリヤに固定されたピニオンシャフトに、ニードルローラのような軸受用ころを介して回転自在に支持されている。そして、各回転の遠心力によって各回転要素に潤滑油が供給されるように、油路が備えられている。
しかしながら、プラネタリギヤ装置の構造は、ピニオンギヤが自転しながら公転するという複雑なものであるので、十分な潤滑油をピニオンシャフト及びころに供給することは困難であった。また、各回転要素の中ではピニオンギヤの回転速度が最も高いので、ピニオンギヤを支持するピニオンシャフトには、ピニオンギヤに作用する遠心力を支えるために大きな荷重が負荷される傾向があった。
本出願人は、自動車の変速機等の異物混入環境下で使用されるプラネタリギヤ装置において、プラネタリギヤ装置の長寿命化を図るべく、ピニオンシャフトの残留オーステナイト量を規定することを考案している(例えば、特許文献1参照。)。即ち、ピニオンシャフトの軸線方向中央部は、その表面層の残留オーステナイト量を15体積%未満として、塑性変形しにくいようにすることで、ピニオンシャフト全体の塑性変形量を小さくする。また、ピニオンシャフトの軌道面が形成された部分のうち少なくとも一部分は、その表面層の残留オーステナイト量が15体積%以上40体積%以下とし、ピニオンシャフトの転動疲労寿命特性を保っている。
また、自動車のエンジンに使用されるニードル軸受としては、ころの軌道面としての支持軸をずぶ焼入れして必要な硬度を持たせ、また、支持軸の端部に、端面がかしめ可能な硬度を有するキャップを嵌着し、耐摩耗性と抜け止めを可能としたものが考案されている(例えば特許文献2参照。)。さらに、ラジアルニードル軸受の転動軸としては、高炭素クロム鋼二種(SUJ2)等のずぶ焼入れ鋼が使用されることが知られている(例えば、特許文献3参照。)。
特開2005−140275号公報 特開2006−105321号公報 特開2002−4003号公報
ところで、油圧ショベル等の建設機械は、高山等の凹凸した舗装されていない道を走行することが多く、プラネタリギヤ装置は、このような建設機械の走行減速機や旋回減速機用として使用される。油圧ショベルに使用されるプラネタリギヤ装置では、ギヤの摩耗粉などがピニオンシャフトとニードルローラとの転動面間に侵入たり、未舗装の道路による耐衝撃性のため、ギヤの摩耗粉などが転動面間に噛み込み、軸の軌道面に圧痕などがつき、剥離や焼付きの原因となる可能性があった。
また、建設機械に使用されるプラネタリギヤ装置は、サイズの大型化に伴い、ピニオンシャフトの径も一般的に30mm以上に大型化する。大径のピニオンシャフトを、従来のようなSUJ2によって製造した場合、焼入れしても内部まで硬くならず、表面付近から急激に硬さが低下する。このため、大型のプラネタリギヤ装置においても、長寿命な材料特性を有するピニオンシャフトが望まれている。
本考案は、上記事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、大型の走行減速機や旋回減速機用として使用され、異物混入環境下においても長寿命な減速機用プラネタリギヤ装置を提供することにある。
本考案の目的は、以下の構成によって達成される。
(1) 同心に配されたサンギヤ及びリングギヤに噛み合うピニオンギヤと、前記ピニオンギヤの中心に挿通され、前記ピニオンギヤを回転自在に支持するピニオンシャフトと、前記ピニオンギヤの内周面に形成された軌道面と前記ピニオンシャフトの外周面に形成された軌道面との間に転動自在に配された複数のころと、を備える減速機用プラネタリギヤ
装置において、
前記ピニオンシャフトには、前記複数のころが当接する軸方向において、潤滑穴が形成されており、且つ、
前記ピニオンシャフトは、高炭素クロム軸受鋼SUJ3によって構成され、
前記ピニオンシャフトの軸線方向中央部は、その表面層の残留オーステナイト量が20体積%未満であることを特徴とする減速機用プラネタリギヤ装置。
(2) 前記ピニオンシャフトの前記軌道面が形成された部分のうち少なくとも一部分は、その表面層の残留オーステナイト量が15体積%以上40体積%以下であることを特徴とする(1)に記載の減速機用プラネタリギヤ装置。
(3) 前記ピニオンシャフトは、ピンによってキャリアに固定されることを特徴とする
(1)または(2)に記載の減速機用プラネタリギヤ装置。
本考案の減速機用プラネタリギヤ装置によれば、ピニオンシャフトには、複数のころが当接する軸方向において、潤滑穴が形成されているので、複数のころの潤滑性能を向上することができ、異物混入環境下においても長寿命な大型のプラネタリギヤ装置を提供することができる。また、ピニオンシャフトを、高炭素クロム軸受鋼SUJ3によって構成し、ピニオンシャフトの軸線方向中央部を、その表面層の残留オーステナイト量が20体積%未満であるとすることで、ピニオンシャフトの全体の塑性変形量が抑制され、異物混入環境下においても長寿命な大型のプラネタリギヤ装置を提供することができる。
本考案の一実施形態である減速機用プラネタリギヤ装置の斜視図である。 図1のピニオンシャフト周辺の断面図である。 ピニオンシャフト及びニードルローラの斜視図である。
本考案に係る減速機用プラネタリギヤ装置の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示す減速機用プラネタリギヤ装置は、図示しない軸が挿通されたサンギヤ1と、該サンギヤ1と同心に配されたリングギヤ2と、サンギヤ1及びリングギヤ2に噛み合う複数(図1においては3個)のピニオンギヤ3と、サンギヤ1及びリングギヤ2と同心に配されピニオンギヤ3を回転自在に支持するキャリヤ4と、を備えている。
ピニオンギヤ3の中心には、キャリヤ4に固定されたピニオンシャフト5が挿通されており、また、ピニオンギヤ3の内周面に形成された軌道面とピニオンシャフト5の外周面に形成された軌道面との間には、ニードルローラ6が転動自在に配されていて、これによりピニオンギヤ3はピニオンシャフト5を軸として回転自在とされている。なお、ニードルローラ6は、単列であっても、複列であってもよい。
図2に示すように、ピニオンシャフト5は、その軸方向一端部に形成された止めピン用穴5aにピン8を圧入することで、キャリヤ4に固定されている。また、ピニオンシャフト5の軸方向他端部には、キャリヤギヤ9が形成されており、ニードルローラ6が当接する軸方向中間部には、潤滑性能を向上すべく、油浴からのギヤオイルをくみ上げる潤滑用油穴5bが形成されている。
図3に示すように、単列の複数のニードルローラ6は、保持器7によって円周方向に所定の間隔で配置されており、組み込み性が良好なケージアンドローラによって構成されている。
ニードルローラ6としては、日本工業規格に規定された高炭素クロム軸受鋼二種(SUJ2)や高炭素クロム軸受鋼三種(SUJ3)が採用されており、ピニオンシャフト5としては、高炭素クロム軸受鋼三種(SUJ3)が採用されている。
また、保持器7としては、鉄製(クロムモリブデン鋼SCM415や機械構造用炭素鋼鋼管STKM13A)や樹脂製(ポリアミド66やポリアミド46)のものが使用され、ピニオンギヤ3は、クロムモリブデン鋼(SCM420、SCr420、SNCM420)が使用される。
潤滑方式としては、潤滑油をギヤオイルとした油浴潤滑方式とし、油浴極圧剤(EP剤)を用いて軽い腐食を生じさせ、異常摩耗や焼付を防止している。
ここで、ピニオンシャフトは、高炭素クロム軸受鋼三種(SUJ3)からなる素材を仕上げ加工に必要な取り代を残した形状寸法に旋削加工した。その後、混合ガス(Rxガス+プロパンガス+アンモニアガス)を導入した炉内において820〜900℃の温度で2〜10時間加熱保持することで、浸炭窒化処理を施した。さらに、焼入れを施した後、引き続き焼戻しを施してもよく、或いは、調質処理を施してから高周波焼入れを施して、表面層の硬さ及び残留オーステナイト量を確保するようにしてもよい。その後、研磨加工によって仕上げ加工を行うことにより、ピニオンシャフト5を製造した。
また、ピニオンシャフト5の軌道面が形成された部分(すなわちニードルローラが接触する部分)のうち軸線方向端部は、その表面層の残留オーステナイト量が15体積%以上40体積%以下とされている。15体積%未満では、表面疲労を緩和するダンパー効果が少なく、ピニオンシャフト5の疲労寿命が低下する。また、40体積%を超えると、表面硬さを減じてしまうので、耐摩耗性や耐表面疲労性がかえって損なわれる。
さらに、ピニオンシャフト5の軸線方向中央部(すなわち長手方向中央部)は、その表面層の残留オーステナイト量が20体積%未満とされている。20体積%を超えると、弾性限が低下し、耐衝撃性が損なわれて割れが発生する虞がある。
ここで、本考案における表面層とは、ころの直径をDaとすると、ピニオンシャフトの表面からDaの2%の深さ位置までの部分、または、表面から絶対深さで0.1mm(特に、0.05mm)までの部分を意味する。
なお、ピニオンシャフト5の軸線方向中央部は、焼入れ又は焼戻しの後に、軌道面に部分的に高周波焼戻しを施して残留オーステナイトを分解させることで行われる。ただし、残留オーステナイトを分解させるためにあまりに高温で焼き戻すと、表面層硬度が低下しすぎて転動部材としての強度が不足してしまうため、表面層硬度がHrc58以上(Hv650以上)となるように調整することが好ましい。また、高周波焼戻しを施す範囲を広範囲にしすぎると軌道面の表面疲労に対する耐性が低下し、かえって耐久性が低下してしまうおそれがある。よって、軌道面のうちの少なくとも一部分、特に軌道面の軸方向端部には高周波焼戻しを施さないようにする必要がある。
また、残留オーステナイトが存在すると、マルテンサイトへの変態によって塑性変形が生じる。表面層の残留オーステナイト量の影響も多少あるが、芯部はピニオンシャフト5の体積の大部分を占めることから、芯部に残留オーステナイトが存在すると、転動軸に塑性変形を生じやすく、ピニオンシャフト5の曲がりが大きくなり、結果としてピニオンシャフト5の疲労強度が低下する(曲げ応力などによる局所の表面疲労により)。すなわち、芯部の残留オーステナイト量を0体積%とすれば、表面層に残留オーステナイトが存在してもピニオンシャフト5の塑性変形はほとんど生じない。
以上説明したように、減速機用プラネタリギヤ装置によれば、ピニオンシャフト5には、複数のニードルローラ6が当接する軸方向において、潤滑用油穴5bが形成されているので、複数のニードルローラ6の潤滑性能を向上することができる。ピニオンシャフト5を、浸炭窒化処理を施した、日本工業規格に規定された高炭素クロム軸受鋼SUJ3によって構成し、ピニオンシャフト5の軸線方向中央部を、その表面層の残留オーステナイト量が20体積%未満とすることで、ピニオンシャフトの表面疲労が抑制され、異物混入環境下においても長寿命な大型のプラネタリギヤ装置を提供することができる。
なお、本考案は、上述した実施形態に限定されるものでなく、適宜、変更、改良などが可能である。
1 サンギヤ
2 リングギヤ
3 ピニオンギヤ
5 ピニオンシャフト
6 ニードルローラ

Claims (3)

  1. 同心に配されたサンギヤ及びリングギヤに噛み合うピニオンギヤと、前記ピニオンギヤの中心に挿通され、前記ピニオンギヤを回転自在に支持するピニオンシャフトと、前記ピニオンギヤの内周面に形成された軌道面と前記ピニオンシャフトの外周面に形成された軌道面との間に転動自在に配された複数のころと、を備える減速機用プラネタリギヤ装置において、
    前記ピニオンシャフトには、前記複数のころが当接する軸方向において、潤滑穴が形成されており、且つ、
    前記ピニオンシャフトは、高炭素クロム軸受鋼SUJ3によって構成され、
    前記ピニオンシャフトの軸線方向中央部は、その表面層の残留オーステナイト量が20体積%未満であることを特徴とする減速機用プラネタリギヤ装置。
  2. 前記ピニオンシャフトの前記軌道面が形成された部分のうち少なくとも一部分は、その表面層の残留オーステナイト量が15体積%以上40体積%以下であることを特徴とする請求項1に記載の減速機用プラネタリギヤ装置。
  3. 前記ピニオンシャフトは、ピンによってキャリアに固定されることを特徴とする請求項
    1または2に記載の減速機用プラネタリギヤ装置。
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