JP2011247389A - 減速機用プラネタリギヤ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】動作中において、ピニオンシャフトに設けられている止めピン穴に圧入されているピンが破損しない減速機用プラネタリギヤ装置を提供することにある。
【解決手段】ピニオンシャフト5は、端部に止めピン穴5aが設けられ、高炭素クロム軸受鋼SUJ2であり、そして、前記ピニオンシャフト5の軸線方向中央部の表面層の残留オーステナイト量が16体積%未満である。これにより、ピニオンシャフトに設けれられているピンの破損を防止することが可能となる。
【選択図】図1
【解決手段】ピニオンシャフト5は、端部に止めピン穴5aが設けられ、高炭素クロム軸受鋼SUJ2であり、そして、前記ピニオンシャフト5の軸線方向中央部の表面層の残留オーステナイト量が16体積%未満である。これにより、ピニオンシャフトに設けれられているピンの破損を防止することが可能となる。
【選択図】図1
Description
本発明は、油圧ショベルやクレーン等の建設機械の走行減速機や旋回減速機に使用される減速機用プラネタリギヤ装置に関する。
プラネタリギヤ装置は、サンギヤ,リングギヤ,及びキャリヤを備えており、これらの回転要素は出力軸の周りに同心に配されている。また、サンギヤ及びリングギヤに噛み合うピニオンギヤが、キャリヤに固定されたピニオンシャフトに、ニードルローラのような軸受用ころを介して回転自在に支持されている。ピニオンシャフトは、その軸方向一端部に形成された止めピン穴にピンを圧入することで、キャリヤに固定されている。
しかし、プラネタリギヤ装置において、ピニオンシャフトにはギア反力が作用し曲がりが発生する。そのため、ピニオンシャフトとニードルローラの間にエッジロードが発生し、ピニオンシャフトには、はく離が発生するおそれがある。
ピニオンシャフトの曲がりを防止するため、ピニオンシャフトには、ズブ焼入れをした高炭素クロム軸受鋼二種(SUJ2)が用いられている(例えば、特許文献1)。
ピニオンシャフトの曲がりを防止するため、ピニオンシャフトには、ズブ焼入れをした高炭素クロム軸受鋼二種(SUJ2)が用いられている(例えば、特許文献1)。
しかし、特許文献1に記載されているピニオンシャフトおいて、プラネタリギヤ装置動作中に、ピニオンシャフトに負荷するギア反力によって、ピニオンシャフトに発生した応力は、残留オーステナイトからマルテンサイトへの変態を起こすので、ピニオンシャフトは塑性変形を起こす。そのため、ピニオンシャフトに設けられている止めピン穴に圧入されたピンは破損するおそれがあり、プラネタリギヤ装置は故障するおそれがある。
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、動作中において、ピニオンシャフトに設けられている止めピン穴に圧入されているピンが破損しない減速機用プラネタリギヤ装置を提供することにある。
発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1)同心に配されたサンギヤ及びリングギヤに噛み合うピニオンギヤと、前記ピニオンギヤの中心に挿通され、キャリアに固定され、かつ、前記ピニオンギヤを回転自在に支持するピニオンシャフトと、前記ピニオンギヤの内周面に形成された軌道面と前記ピニオンシャフトの外周面に形成された軌道面との間に転動自在に配された複数のころと、を備える減速機用プラネタリギヤ装置において、前記ピニオンシャフトは、端部に止めピン穴が設けられ、高炭素クロム軸受鋼SUJ2であり、そして、前記ピニオンシャフトの軸線方向中央部の表面層の残留オーステナイト量が16体積%未満であることを特徴とする減速機用プラネタリギヤ装置。
(2)前記ピニオンシャフトの前記軌道面が形成された部分のうち少なくとも一部分は、その表面層の残留オーステナイト量が15体積%以上40体積%以下であることを特徴とする(1)に記載の減速機用プラネタリギヤ装置。
(3)前記ピニオンシャフトには、潤滑穴が形成されていることを特徴とする(1)または(2)に記載の減速機用プラネタリギヤ装置。
(1)同心に配されたサンギヤ及びリングギヤに噛み合うピニオンギヤと、前記ピニオンギヤの中心に挿通され、キャリアに固定され、かつ、前記ピニオンギヤを回転自在に支持するピニオンシャフトと、前記ピニオンギヤの内周面に形成された軌道面と前記ピニオンシャフトの外周面に形成された軌道面との間に転動自在に配された複数のころと、を備える減速機用プラネタリギヤ装置において、前記ピニオンシャフトは、端部に止めピン穴が設けられ、高炭素クロム軸受鋼SUJ2であり、そして、前記ピニオンシャフトの軸線方向中央部の表面層の残留オーステナイト量が16体積%未満であることを特徴とする減速機用プラネタリギヤ装置。
(2)前記ピニオンシャフトの前記軌道面が形成された部分のうち少なくとも一部分は、その表面層の残留オーステナイト量が15体積%以上40体積%以下であることを特徴とする(1)に記載の減速機用プラネタリギヤ装置。
(3)前記ピニオンシャフトには、潤滑穴が形成されていることを特徴とする(1)または(2)に記載の減速機用プラネタリギヤ装置。
本発明の減速機用プラネタリギヤ装置によれば、ピニオンシャフトを、高炭素クロム軸受鋼SUJ2によって構成し、ピニオンシャフトの軸線方向中央部を、その表面層の残留オーステナイト量が16体積%未満であるとすることで、ピニオンシャフトの全体の塑性変形量が抑制され、動作中において、ピニオンシャフトに設けられている止めピン穴に圧入されているピンが破損しない減速機用プラネタリギヤ装置を提供できる。
本発明に係る減速機用プラネタリギヤ装置の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示す減速機用プラネタリギヤ装置は、図示しない軸が挿通されたサンギヤ1と、該サンギヤ1と同心に配されたリングギヤ2と、サンギヤ1及びリングギヤ2に噛み合う複数(図1においては3個)のピニオンギヤ3と、サンギヤ1及びリングギヤ2と同心に配されピニオンギヤ3を回転自在に支持するキャリヤ4と、を備えている。
図1に示す減速機用プラネタリギヤ装置は、図示しない軸が挿通されたサンギヤ1と、該サンギヤ1と同心に配されたリングギヤ2と、サンギヤ1及びリングギヤ2に噛み合う複数(図1においては3個)のピニオンギヤ3と、サンギヤ1及びリングギヤ2と同心に配されピニオンギヤ3を回転自在に支持するキャリヤ4と、を備えている。
ピニオンギヤ3の中心には、キャリヤ4に固定されたピニオンシャフト5が挿通されており、また、ピニオンギヤ3の内周面に形成された軌道面とピニオンシャフト5の外周面に形成された軌道面との間には、ニードルローラ6が転動自在に配されていて、これによりピニオンギヤ3はピニオンシャフト5を軸として回転自在とされている。
図2に示すように、ピニオンシャフト5は、その軸方向一端部に形成された止めピン穴5aにピン8を圧入することで、キャリヤ4に固定されている。また、ピニオンシャフト5の軸方向他端部には、キャリヤギヤ9が形成されており、ニードルローラ6が当接する軸方向中間部には、潤滑性能を向上すべく、油浴からのギヤオイルをくみ上げる潤滑用油穴5bが形成されている。
図3に示すように、単列の複数のニードルローラ6は、保持器7によって円周方向に所定の間隔で配置されており、組み込み性が良好なケージアンドローラによって構成されている。
ニードルローラ6としては、日本工業規格に規定された高炭素クロム軸受鋼二種(SUJ2)や高炭素クロム軸受鋼三種(SUJ3)が採用されており、ピニオンシャフト5としては、高炭素クロム軸受鋼二種(SUJ2)が採用されている。
また、保持器7としては、鉄製(クロムモリブデン鋼SCM415や機械構造用炭素鋼鋼管STKM13A)や樹脂製(ポリアミド66やポリアミド46)のものが使用され、ピニオンギヤ3は、クロムモリブデン鋼(SCM420、SCr420、SNCM420)が使用される。
潤滑方式としては、潤滑油をギヤオイルとした油浴潤滑方式とし、油浴極圧剤(EP剤)を用いている。
ニードルローラ6としては、日本工業規格に規定された高炭素クロム軸受鋼二種(SUJ2)や高炭素クロム軸受鋼三種(SUJ3)が採用されており、ピニオンシャフト5としては、高炭素クロム軸受鋼二種(SUJ2)が採用されている。
また、保持器7としては、鉄製(クロムモリブデン鋼SCM415や機械構造用炭素鋼鋼管STKM13A)や樹脂製(ポリアミド66やポリアミド46)のものが使用され、ピニオンギヤ3は、クロムモリブデン鋼(SCM420、SCr420、SNCM420)が使用される。
潤滑方式としては、潤滑油をギヤオイルとした油浴潤滑方式とし、油浴極圧剤(EP剤)を用いている。
ここで、ピニオンシャフトは、高炭素クロム軸受鋼二種(SUJ2)からなる素材を仕上げ加工に必要な取り代を残した形状寸法に旋削加工した。その後、混合ガス(Rxガス+プロパンガス+アンモニアガス)を導入した炉内において820〜900℃の温度で2〜10時間加熱保持することで、浸炭窒化処理を施した。さらに、焼入れを施した後、引き続き焼戻しを施してもよく、或いは、調質処理を施してから高周波焼入れを施して、表面層の硬さ及び残留オーステナイト量を確保するようにしてもよい。その後、研磨加工によって仕上げ加工を行うことにより、ピニオンシャフト5を製造した。
また、ピニオンシャフト5の軌道面が形成された部分(すなわちニードルローラが接触する部分)のうち軸線方向端部は、その表面層の残留オーステナイト量が15体積%以上40体積%以下とされている。15体積%未満では、表面疲労を緩和するダンパー効果が少なく、ピニオンシャフト5の疲労寿命が低下する。また、40体積%を超えると、表面硬さを減じてしまうので、耐摩耗性や耐表面疲労性がかえって損なわれる。
さらに、ピニオンシャフト5の軸線方向中央部(すなわち長手方向中央部)は、その表面層の残留オーステナイト量が16体積%未満とされている。16体積%を超えると、弾性限が低下し、耐衝撃性が損なわれて割れが発生する虞がある。
ここで、本発明における表面層とは、ころの直径をDaとすると、ピニオンシャフトの表面からDaの2%の深さ位置までの部分を意味する。
以上説明したように、減速機用プラネタリギヤ装置によれば、ピニオンシャフト5を、日本工業規格に規定された高炭素クロム軸受鋼SUJ2によって構成し、ピニオンシャフト5の軸線方向中央部を、その表面層の残留オーステナイト量が16体積%未満とすることで、ピニオンシャフトの全体の塑性変形量が抑制され、動作中において、ピニオンシャフトに設けられている止めピン穴5aに圧入されているピンが破損しない減速機用プラネタリギヤ装置を提供できる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものでなく、適宜、変更、改良などが可能である。
本発明は、油圧ショベルやクレーン等の建設機械の走行減速機や旋回減速機に使用される減速機用プラネタリギヤ装置に好適である。
1 サンギヤ
2 リングギヤ
3 ピニオンギヤ
4 キャリア
5 ピニオンシャフト
6 ニードルローラ
2 リングギヤ
3 ピニオンギヤ
4 キャリア
5 ピニオンシャフト
6 ニードルローラ
Claims (3)
- 同心に配されたサンギヤ及びリングギヤに噛み合うピニオンギヤと、前記ピニオンギヤの中心に挿通され、キャリアに固定され、かつ、前記ピニオンギヤを回転自在に支持するピニオンシャフトと、前記ピニオンギヤの内周面に形成された軌道面と前記ピニオンシャフトの外周面に形成された軌道面との間に転動自在に配された複数のころと、を備える減速機用プラネタリギヤ装置において、前記ピニオンシャフトは、端部に止めピン穴が設けられ、高炭素クロム軸受鋼SUJ2であり、そして、前記ピニオンシャフトの軸線方向中央部の表面層の残留オーステナイト量が16体積%未満であることを特徴とする減速機用プラネタリギヤ装置。
- 前記ピニオンシャフトの前記軌道面が形成された部分のうち少なくとも一部分は、その表面層の残留オーステナイト量が15体積%以上40体積%以下であることを特徴とする請求項1に記載の減速機用プラネタリギヤ装置。
- 前記ピニオンシャフトには、潤滑穴が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の減速機用プラネタリギヤ装置。
Priority Applications (1)
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JP2010123746A JP2011247389A (ja) | 2010-05-31 | 2010-05-31 | 減速機用プラネタリギヤ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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JP2010123746A Pending JP2011247389A (ja) | 2010-05-31 | 2010-05-31 | 減速機用プラネタリギヤ装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN109027140A (zh) * | 2018-09-30 | 2018-12-18 | 杭州星河传动机械研究院有限公司 | 一种滚套行星减速机 |
-
2010
- 2010-05-31 JP JP2010123746A patent/JP2011247389A/ja active Pending
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CN109027140A (zh) * | 2018-09-30 | 2018-12-18 | 杭州星河传动机械研究院有限公司 | 一种滚套行星减速机 |
CN109027140B (zh) * | 2018-09-30 | 2023-12-19 | 杭州星河传动机械研究院有限公司 | 一种滚套行星减速机 |
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