JP3182845B2 - ごみ選別装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はごみ選別装置に関する。

【０００２】

【従来の技術及びその問題点】都市ごみや建設系廃棄物
ごみ中には、塩化ビニールのようなプラスチックからな
るシート状のごみが混在している場合があるが、現在こ
れらは他の可燃物と共に焼却するようにしており、これ
らプラスチックでなるシート状のごみは焼却時に高温を
発生し、焼却炉を損傷したり、あるいはこれから発生す
る焼却ガスは毒性であり、大気汚染の原因となってい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする問題点】本発明は上述の問題
に鑑みてなされ、都市ごみや建設系廃棄物のごみ中か
ら、プラスチックでなるシート状のごみを選別して回収
し、再生利用又は減容化に貢献することのできるごみ選
別装置を提供することを目的とする。

【０００４】

【問題点を解決するための手段】以上の目的は多数の開
口を有する移送床を張架させたトラフを振動させること
により、前記移送床上のごみを搬送させる振動搬送機
と、前記移送床の下方から上方へと空気流を流して前記
移送床上のごみを流動化させるための流動化手段と、前
記移送床の下流側上方に近接して配設され、多数の開口
を形成させた孔あきベルトを巻回させているベルトコン
ベヤと、該ベルトコンベヤのベルト上方走行部とベルト
下方走行部との間に配設され、前記ベルト下方走行部の
一部に対向して多数の開口を形成させた吸引部を有する
空気吸引手段とから成り、前記移送床上で流動化され搬
送されているごみ中のシート状のごみが前記吸引部の下
方に至ると前記ベルト下方走行部に吸着されて、該ベル
ト走行部と共に搬送され、前記吸引部に対向しない位置
で下方へと落下させるようにしたことを特徴とするごみ
選別装置によって達成される。

【０００５】

【作用】振動搬送機内の移送床上を振動により、プラス
チックでなるシート状のごみを混在させた都市ごみ又は
建設廃棄物のごみが一定方向に移送されるのであるが、
この移送途上で下方から上方へと空気流が流されて、移
送床上のこれらごみは流動化状態となっている。移送床
の下流側領域に至ると、この上方に近接して配設された
ベルコンベヤの下方走行部分に対向するようになり、こ
のある領域において多数の開口を形成させた吸引部を有
する空気吸引手段により、流動化したごみ中からプラス
チックでなるシート状のごみが吸引、吸着され、移送床
上の他のごみから分離される。吸着されたプラスチック
でなるシート状のごみは、ベルトコンベヤのベルトで所
定方向に移送され、吸引部の領域から離脱すると、該ベ
ルトコンベヤから重力により下方へと落下する。他方、
振動搬送機の移送床上を振動により移送されてきた他の
ごみは、移送床の端部から外部に排出される。よって、
他のプラスチックでなるシート状のごみと、他のごみと
が分離選別される。

【０００６】

【実施例】以下、本発明の実施例によるごみ選別装置に
ついて、図面を参照して説明する。

【０００７】図１は本実施例の装置全体を示すものであ
るが、主として振動搬送機１、この下流側に近接対向し
て配設されるベルトコンベヤ２及びベルトコンベヤ２の
下方及び振動搬送機１の排出口に近接して配設された、
ごみ収容器３とからなっている。

【０００８】振動搬送機１は公知の構成を有するが、ケ
ーシング４の側壁部には圧縮空気を導入するための吸気
口部５が設けられており、これにはダクト７が接続され
ている。なお、吸気口部５とダクト７との間には図示せ
ずとも蛇腹のような振動緩衝材が設けられているものと
する。

【０００９】ケーシング４は下方のバランス・ウエイト
１０とレバー１２及びコイルばね１３により結合されて
おり、またレバー１２の中心部はゴムブッシュ１５を介
在させて、支柱１４に支持されている。基台１１は防振
ばね２３により地上に支持されている。上述の支柱１４
は基台２２上に固定されている。

【００１０】基台１１にはモータ１６が固定されてお
り、この回転力はベルト１８を介して、プーリ１７に伝
達される。プーリ１７にはクランク軸が図示されていな
くとも固定されており、これに結合される駆動ロッド１
９は公知のゴムブッシュなどからなるショックアブソー
バ２０に接続される。該ショックアブソーバ２０のゴム
ブッシュの他面側がケーシング４に固定されている。

【００１１】ケーシング４内にはパンチメタル９が移送
床として張架されており、振動により図において右方へ
と移送されながら、吸気口部５から圧縮空気が供給され
る。これにより、パンチメタル９の下方空間Ａから、パ
ンチメタル９の多数開口ｈを介して上方へと空気が吹き
抜けることにより、この上のごみＭは流動化されるよう
になっている。

【００１２】パンチメタル９の下流側の上方にはこれに
近接して、ベルトコンベヤ２が配設されている。このベ
ルトコンベヤ２のベルト２４は、多数の小さな開口を有
するメッシュ状の網でなり、駆動ローラ２５及び従動ロ
ーラ２６に巻回されているのであるが、駆動ローラ２５
は図示せずとも電動機により矢印方向に回転駆動される
ものとする。このベルト２４の上方走行部と下方走行部
との間に空気吸引装置２７が設けられており、これは密
閉ケーシング状であるが、この一側壁部に吸引口２９が
形成されており、これにダクト３０を介して、空気吸引
ポンプへと接続されている。空気吸引装置２７の底壁２
８には図２に示すように多数の開口２８ａが形成されて
いる。

【００１３】また、振動搬送機１の排出口及びベルトコ
ンベヤ２の直下方に位置して、ごみ収容器３が配設され
るが、これは隔壁６０、６１、６２によりプラスチック
でなるシート状のごみ収容空間Ｃ及び他のごみ収容空間
Ｂを画成している。

【００１４】本発明の実施例によるごみ選別装置は以上
のように構成されるが、次にこの作用について説明す
る。

【００１５】モータ１６を駆動すると公知のようにプー
リ１７が回転し、これに固定されたクランクシャフトに
より、回転運動−直線運動変換が行われ、駆動ロッド１
９及びショックアブソーバ２０を介して、ケーシング４
がレバー１２の長手方向に対して垂直方向、すなわちコ
イルばね１３の延在方向に振動する。

【００１６】ケーシング４の左端部に図示せずとも配設
されたホッパから都市ごみが供給され、この都市ごみＭ
はパンチメタル９上を振動により移送されながら空間Ａ
から噴き上げる空気により流動化されながら、図におい
て右方へと移送され、下流側の所定の領域に至るまで、
同じく流動化される。例えば塩化ビニールのシート状の
ごみＳがベルトコンベヤ２内の空気吸引装置２７の底壁
面２８に形成された多数の小孔２８ａで吸引され、ベル
ト２４の下方走行部に図１で示すように吸着されて、こ
のベルトコンベヤ２の下方走行部と共に図において右方
へと移送され、排出側の吸引小孔２８ａが形成された底
壁部に対向しない位置に至ると吸引力がなくなるので、
重力によりごみ収容器３の空間Ｃへと排出される。

【００１７】他方、ケーシング４内に張架されたパンチ
メタル９上を移送されてきた他のごみは、パンチメタル
９の排出端からごみ収容器３の空間Ｂへと排出される。

【００１８】以上のようにして都市ごみＭを通常のごみ
とプラスチックでなるシート状のごみＳとを分離する。
したがって、この後にプラスチックでなるシート状のご
みＳを、例えば溶融してペレット状にすることにより減
容化して埋め立てや、その他プラスチック製品の成型に
利用することができる。通常のごみ空間Ｂに排出された
他のごみは、通常の焼却炉で燃やしても、プラスチック
でなるシート状のごみは存在しないので、炉を損傷させ
ることはなく、長期の使用に耐えるものとなる。あるい
は、空間Ｂに排出されたプラスチックでなるごみＳを特
殊な炉で焼却するようにして、毒性のガスを大気に放出
させないようにする特別な装置に供給するようにしても
よい。

【００１９】図３は本発明の第２実施例によるごみ選別
装置を示すものであるが、第１実施例と対応する部分に
ついては同一の符号を付し、その詳細な説明は省略す
る。

【００２０】すなわち、本実施例によれば振動搬送機１
００のケーシング４０は第１実施例と比べて更に長く、
ベルトコンベヤ２は第１実施例と同様に構成されるが、
この直下方に配設されているのではなくて、ケーシング
４０の排出口に近接して、ごみ収容器３００が配設され
ている。ケーシング４０内には第１実施例と同様に、パ
ンチメタル９０が張架されており、これの排出端はケー
シング４０の中間部より、やや右端側に偏位して設けら
れている。また、ベルトコンベヤ２内の空気吸引装置２
７から離脱する下方走行部の領域よりも、更に図３にお
いて右方にはパンチメタルは設けられずケーシング４０
の底壁９１上で直接シート状ごみＳが移送されるように
なっている。

【００２１】第２実施例は以上のように構成されるが、
次にその作用について説明する。

【００２２】パンチメタル９０上を第１実施例と同様に
都市ごみＭが流動化されて、振動により移送され排出口
８０から落下する。この排出口８０に至るまでに、同じ
く流動化されて移送されてきたプラスチックでなるシー
ト状のごみＳは、ベルトコンベヤ２の上方走行部と下方
走行部との間に配設された空気吸引装置２７の底壁部２
８に対向するようになると、図示するように吸引され、
下方走行部に吸着されて図において右方に移送され、排
出口８０の上方を通過して、底壁９１の上方に至ると、
空気吸引部の領域から離脱する。すなわち、シート状の
ごみＳは下方走行部から離れて、ケーシング４０の底壁
９１上に落下し、以後ケーシング４０の振動により、ケ
ーシング４０の排出端からごみ収容器３００に排出され
る。なお、ケーシング４０の中間部より、やや排出口側
に偏位して設けられた排出口８０は明示せずとも、横方
向にダクトとして延びており、これからケーシング４０
の側方に設けられた、通常のごみ収容空間へと導かれ
る。

【００２３】第２実施例も第１実施例と同様な効果を奏
することは明白である。

【００２４】以上、本発明の実施例について説明した
が、勿論、本発明はこれに限定されることなく、本発明
の技術的思想に基いて種々の変形が可能である。

【００２５】例えば、以上の実施例では、振動搬送機に
はレバー及びコイルやクランク駆動部により振動駆動部
を構成したが、これに代えて他の振動駆動部、例えば電
磁石駆動部あるいは振動電動機を２個用いることによ
り、これを同期させて、直線振動力を発生させる駆動部
を用いてもよい。

【００２６】また、ベルトコンベヤ２においてはメッシ
ュ上のベルト２４を設けるようにしたが、これに代えて
薄手のパンチメタルを用いてもよい。

【００２７】また、空気吸引装置２７の底壁部２８には
多数の小孔を形成したが、これに代えて多数のスリット
を形成させてもよい。

【００２８】

【発明の効果】以上、述べたように本発明のごみ選別装
置によれば、都市ごみや建設系廃棄物のごみ中に含まれ
る、プラスチックからなるシート状のごみを確実に他の
ごみから分離、選別することができるので従来のよう
に、ごみ焼却炉を損傷させたり、大気を汚染することは
ない。また、分離されたプラスチックのごみを回収して
再生に供じることもできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例によるごみ選別装置の部分破断
側面図である。

【図２】同要部を図１において［２］−［２］線方向か
らみた背面図である。

【図３】本発明の第２実施例によるごみ選別装置の部分
破断側面図である。

【符号の説明】 １ 振動搬送機 ２ ベルトコンベヤ ４ ケーシング ５ 吸気口部 ９ パンチメタル ２７ 空気吸引装置 ２８ 底壁面 ２９ 吸引口 ４０ ケーシング ９０ パンチメタル １００ 振動搬送機

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 多数の開口を有する移送床を張架させた
   トラフを振動させることにより、前記移送床上のごみを
   搬送させる振動搬送機と、前記移送床の下方から上方へ
   と空気流を流して前記移送床上のごみを流動化させるた
   めの流動化手段と、前記移送床の下流側上方に近接して
   配設され、多数の開口を形成させた孔あきベルトを巻回
   させているベルトコンベヤと、該ベルトコンベヤのベル
   ト上方走行部とベルト下方走行部との間に配設され、前
   記ベルト下方走行部の一部に対向して多数の開口を形成
   させた吸引部を有する空気吸引手段とから成り、前記移
   送床上で流動化され搬送されているごみ中のシート状の
   ごみが前記吸引部の下方に至ると前記ベルト下方走行部
   に吸着されて、該ベルト走行部と共に搬送され、前記吸
   引部に対向しない位置で下方へと落下させるようにした
   ことを特徴とするごみ選別装置。