JP3180466B2 - 電界放出素子及びその製造方法 - Google Patents

電界放出素子及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電界放出素子(Field
Emission Cathodes,以下FECと呼ぶ。)と、その製造
方法に関するものである。本発明のFECは、蛍光表示
装置、CRT、電子顕微鏡、電子ビーム露光装置等の各
種電子ビーム応用装置の電子源として有用である。
【0002】
【従来の技術】図2は、特開平1−154426号で開
示されたFECである。基板100の上にはカソード導
体101が形成され、その上には抵抗層102が形成さ
れている。抵抗層102の上には絶縁層103とゲート
104が順に積層されている。絶縁層103とゲート1
04にはホールが形成され、ホール内の抵抗層102上
にはコーン形状のエミッタ105が形成されている。
【0003】上記の構造において、前記抵抗層102は
多数形成されたエミッタ105について共通に設けられ
るものであり、カソード導体101上に連続して形成さ
れている。
【0004】図3は、前記FECの製造工程を示してい
る。まず、基板100上に、カソード導体101と抵抗
層102と絶縁層103とゲート104を、順次積層さ
せる。次に、同図(a)に示すように、エッチングによ
ってゲート104と絶縁層103にホール106を形成
する。
【0005】図3(b)に示すように、基板100に対
して所定角度θをなす斜め上方の位置から、ゲート10
4の表面にNi又はAlを斜め蒸着させ、剥離層107
を形成する。Ni又はAlはゲート104の表面のみに
蒸着し、絶縁層103のホール106内には入らない。
【0006】そして、図3(c)に示すように、上方か
らエミッタ材料を蒸着してホール106内にコーン形状
のエミッタ105を形成し、その後、図3(d)に示す
ように剥離層107とともに剥離層107上のエミッタ
材料を除去する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図4に示す従来の電界
放出素子においては、抵抗層として105 Ω・cm、2μ
m 厚のa−Si(アモルファスシリコン)層が用いられ
ていた。これにより駆動電圧は少し増加し、各エミッタ
の電子放出特性は抵抗層の付加によって決定される。こ
れを用いれば、80Vで10μAを放出するエミッタ
が、抵抗層による電圧降下のため、0.2〜0.3μA
/Tipのレベルにまで低下する。しかし、画素表示を
行った場合の点発光ではない安定した発光を呈する。そ
の1画素内の輝度分布は各20μm内で10%以下であ
る。しかし、技術的な困難さや、駆動中のエミッタの爆
発により、エミッタとゲートがショートした場合、全て
のゲート電圧が抵抗層に印加される。その結果生じる電
界が抵抗層を破壊し、カソードラインとゲートとのショ
ートを発生させた場合には、他のエミッタには電流が流
れなくなり、マトリックス駆動ができなくなるという問
題があった。
【0008】そこで図5及び図6に示すように、カソー
ドラインを格子状に形成し、その上にa−Si抵抗層を
形成する構造が考案された。各エミッタは格子枠内に形
成される。放出電子は、カソードラインからガラス基板
に平行に抵抗層の中を流れ、エミッタに入る。従って、
一つのエミッタとゲートがショートした場合、一つの格
子枠内のエミッタが影響を受けるだけで、一画素はおろ
か、一行や一列への影響も受けない。しかし、この構造
にも以下のような問題点がある。
【0009】即ち、格子内の各エミッタの2次元的配置
から、格子枠の中央部及び周辺部では抵抗層の抵抗値が
必然的に異なり、エミッタの均一性が上がる程、中央部
より周辺部のエミッション放出が多くなり、逆に抵抗層
がグループ内のエミッタのエミッション特性に分布をも
たせる結果となる。
【0010】この問題を解決するためには、図7に示す
ように、1格子枠内のエミッタ数を4個又は1個とする
ことが理想的であるが、その場合には格子状のカソード
ラインの電極幅がカソード面に占める専有面積が増える
ため、エミッタの高集積化が困難になり、結果として最
大エミッタ電流値の低下となる。例えば、1格子内6×
6個のエミッタと図7に示す4×4個の場合では、0.
017個/μm2 が、0.01個/μm2 に減少する。
【0011】本発明は、均一な所定の抵抗値を有する抵
抗層を各エミッタごとに独立して備えており、しかもそ
の製造工程が簡単な電界放出素子を提供することを目的
としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の電界放出素子に
よれば、絶縁基板上に形成されたカソード導体と、前記
カソード導体上に形成されて多数の開口部を有する絶縁
層と、前記各開口部内の前記カソード導体の表面を酸化
してなる独立した抵抗層と、前記各抵抗層上に形成され
たコーン形状のエミッタと、前記絶縁層上に形成された
ゲートを有している。また前記発明において、前記カソ
ード導体が、陽極酸化法によって1×101〜1×10
6 Ω・cmの抵抗率を有する酸化膜を作る金属であって
もよい。
【0013】また本発明に係る電界放出素子の製造方法
は、陽極酸化法によって酸化膜を作る金属で所定のカソ
ード導体パターンを絶縁基板上に形成する工程と、前記
カソード導体上に絶縁層と金属薄膜を積層させる工程
と、前記金属薄膜及び絶縁層をエッチングしてゲート及
び多数の開口部を形成する工程と、前記基板の陽極酸化
を電解液中で行い、前記開口部内のカソード導体表面を
酸化させて抵抗層を形成する工程と、前記ゲート上に斜
め回転蒸着法で剥離層を形成する工程と、前記絶縁基板
に真上からエミッタ材料を正蒸着させて各開口部内の抵
抗層上にコーン形状のエミッタを形成する工程と、前記
剥離層上のエミッタ材料を剥離層と共に除去する工程か
らなる。絶縁基板上に形成されたカソード導体と、前記
カソード導体上に形成されて多数の空孔を有する絶縁層
と、前記各空孔内の前記カソード導体の表面を酸化して
なる独立した抵抗層と、前記各抵抗層上に形成されたコ
ーン形状のエミッタと、前記絶縁層上に形成されたゲー
トを有している。
【0014】
【作用】絶縁基板上に形成されたカソード導体の上に、
絶縁層とゲートを積層して形成する。この絶縁層とゲー
トに多数の開孔部を形成し、前記絶縁基板を電解液中に
浸し、前記カソード導体を陽極として陽極酸化を行な
う。酸化膜の膜厚を制御することにより、均一な所定の
抵抗値を有する抵抗層を各エミッタごとに独立して形成
できる。
【0015】
【実施例】一実施例の電界放出素子1の構造を、図1に
示す製造工程に従って説明する。図1(a)に示すよう
に、絶縁基板2上に金属薄膜をスパッタ法によって成膜
し、カソード導体3とする。ここで、前記カソード導体
3となる金属薄膜は、電解液中で陽極酸化することによ
り、抵抗率が1×101 〜1×106 Ω・cmの酸化膜
を作る金属を材料としている。例えば、Ta,Ti,S
i,Cr,Zr,Mo,Be,Al,Fe,In等を用
いることができるが、本実施例ではTaを利用してい
る。
【0016】前記カソード導体3の上に、SiO2 から
なる絶縁層4をスパッタ法又はCVD法等によって約
1.0μmの厚さに成膜する。この絶縁層4の上に、ゲ
ート材料であるTi,Cr,Nb,Mo層等からえらば
れた材料の金属薄膜をスパッタ法により約0.4μmの
厚さで成膜し、ゲート5を形成する。
【0017】フォトリソグラフィ法及びエッチングによ
り、前記ゲート層及び絶縁層4に開孔部6を多数形成す
る。開孔部6の径は1.0μm程度とする。本工程にお
いて、ゲート5はリアクティブイオンエッチング(RI
E)でドライエッチングし、絶縁層4はその後にバッフ
ァード沸酸(BHF)でウェットエッチングするか、又
はCHF3 等のガスを用いたRIEでドライエッチング
する。これにより開孔部6を形成する。
【0018】図1(a)に示した前記絶縁基板2を中性
〜塩基性の電解液中に入れる。前記カソード導体3を陽
極とし、Pt又はSUS等からなる不動態電極を陰極と
して、1〜25mA/cm2 の電流密度で陽極酸化を行
なう。これによって、図1(b)に示すように、絶縁層
4の各開孔部6内に露出しているカソード導体3の表面
が約0.2μmの厚さで酸化される。Taからなるカソ
ード導体3のうち、酸化物Ta2 5 に変質した各部分
が抵抗層7となる。なお、酸化すべきカソード導体が前
述したようなTa以外の金属である場合には、当該金属
の性質に応じて電解液を適宜選択すればよい。
【0019】図1(c)に示すように、前記ゲート5の
上面にAlからなる剥離層8を形成する。本工程はEB
装置を用いた斜め回転蒸着法によって行ない、その際開
孔部6内にAlが入らないように注意する。
【0020】図1(d)に示すように、剥離層8が形成
された前記絶縁基板2にMo9をEB装置によって正蒸
着させる。これによって開孔部6内の各抵抗層7上にコ
ーン形状のエミッタ10が形成される。
【0021】前記絶縁基板2をリン酸中に入れ、前記剥
離層8から上のMo9を除去する。これによって、図1
(e)に示すような電界放出素子1が得られる。
【0022】
【発明の効果】本発明のFECによれば、カソード導体
のうち絶縁層の開孔部にあたる部分のみを酸化させて抵
抗層を形成しているので、次のような効果が得られる。 (1)陽極酸化法によって抵抗層を作製するので、緻密
で同一の膜厚、均一な所定の抵抗値を有する抵抗層を各
エミッタごとに独立して形成できる。
【0023】(2)カソード導体の一部を酸化させて互
いに独立した複数の抵抗層を形成するため、抵抗層をカ
ソード導体とは別に設ける場合に比べ、製造工程が簡略
化される。
【0024】(3)各エミッタごとに抵抗層が独立して
いるので、あるエミッタがショートしても他のエミッタ
に影響することはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す製造工程図である。
【図2】従来のFECの一例を示す断面図である。
【図3】従来のFECの製造工程の一例を示す図であ
る。
【図4】従来のFECの断面図である。
【図5】カソードラインを格子状にした従来のFECの
平面図である。
【図6】図5に示すFECの断面図である。
【図7】カソードラインを格子状にした従来のFECの
平面図である。
【符号の説明】
1 電界放出素子(FEC) 2 絶縁基板 3 カソード導体 4 絶縁層 5 ゲート 6 開孔部 7 抵抗層 10 エミッタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大津 和佳 千葉県茂原市大芝629 双葉電子工業株 式会社内 (72)発明者 谷口 昌照 千葉県茂原市大芝629 双葉電子工業株 式会社内 (56)参考文献 特開 平4−155738(JP,A) 特開 平5−47296(JP,A) 特開 平5−94760(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 1/304 H01J 9/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁基板上に形成されたカソード導体
    と、前記カソード導体上に形成されて多数の開孔部を有
    する絶縁層と、前記各開孔部内の前記カソード導体の表
    面を酸化してなる独立した抵抗層と、前記各抵抗層上に
    形成されたコーン形状のエミッタと、前記絶縁層上に形
    成されたゲートを有する電界放出素子。
  2. 【請求項2】 前記カソード導体が、陽極酸化法によっ
    て1×101 〜1×106 Ω・cmの抵抗率を有する酸
    化膜を作る金属である請求項1記載の電界放出素子。
  3. 【請求項3】 陽極酸化法によって酸化膜を作る金属で
    所定のカソード導体パターンを絶縁基板上に形成する工
    程と、前記カソード導体上に絶縁層と金属薄膜を積層さ
    せる工程と、前記金属薄膜及び絶縁層をエッチングして
    ゲート及び多数の開孔部を形成する工程と、前記基板の
    陽極酸化を電解液中で行い、前記開孔部内のカソード導
    体表面を酸化させて抵抗層を形成する工程と、前記ゲー
    ト上に斜め回転蒸着法で剥離層を形成する工程と、前記
    絶縁基板に真上からエミッタ材料を正蒸着させて各開孔
    部内の抵抗層上にコーン形状のエミッタを形成する工程
    と、前記剥離層上のエミッタ材料を剥離層と共に除去す
    る工程からなる電界放出素子の製造方法。
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CN114496764B (zh) * 2022-04-01 2022-07-26 深圳市时代速信科技有限公司 一种半导体器件及其制备方法

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