JP3180324U - 組立式個室 - Google Patents

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史郎 草野
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Abstract

【課題】カーテンレールを本体部から外れにくくすると共に、本体部の強度を向上させ、また、L字型の連結具が不要であって組立が容易な組立式個室を提供する。
【解決手段】組立式個室1は、ダンボール板の折り曲げにより平面視略コの字形状をなし、前方が開口した本体部10と、本体部10の開口の両側の上端部に配置され、カーテン4が吊り下げられるカーテンレール3とを備えている。本体部10の開口の両縁部には、側壁10a、10cの前端部を上端から下端に跨って筒状に折り曲げることで補強部16が形成されており、左右の補強部16の対向する面の上端には、溝部18が形成されている。カーテンレール3は、左右の溝部18内にその上方より挿入され、溝部18の幅よりも大きい幅を有する左右の先端部が、補強部16の内側に配置されている。
【選択図】図1

Description

本考案は、ダンボール板を用いて形成された本体部とカーテンレールとを有する組立式個室に関する。
従来から、例えば災害時の共同避難場所などにおいて、更衣所やトイレなどのプライバシー空間を確保するための臨時設備として、ダンボール板を用いた組立式の建屋が用いられている。
例えば、特許文献1の図16〜図19に示される組立式の更衣室は、プラスチック製のダンボール板からなる3枚の平板状側壁を、連結ベルト及び補強フレーム等の複数種類の連結具を用いて、平面視略コの字状に連結して形成された本体部と、本体部の開口を開閉するためのカーテンが吊り下げられたカーテンフレーム(カーテンレール)とを備えている。カーテンフレームは、カーテンが吊り下げられる直線状フレームと、直線状フレームの両端部に連結されたL字状の嵌合用フレームとで構成されている。嵌合用フレームは、下側が開口した断面コの字状に形成されており、この嵌合用フレームの内側に、側壁の開口側端部の上端部を嵌合させることで、カーテンフレームは本体部に取り付けられている。
特許第4167258号公報
しかしながら、特許文献1の組立式更衣室では、カーテンフレームと本体部との取付構造は、側壁の開口側端部の上端部に、L字状の嵌合用フレームの一端を嵌合させただけであるため、カーテンをカーテンフレームに直交する方向に更衣室の外側に向かって引っ張ると、カーテンフレームが本体部から外れる場合がある。
また、カーテン使用時には、カーテンフレームが設置される側壁の開口側端部には大きな負荷がかかるため、側壁を構成するダンボール板の強度が低いと、本体部の両側の側壁がたわんだり折れ曲がったりする場合がある。
さらに、本体部の角部は、平板状側壁の端部同士を突き合わせて形成されているため、角部を直角に保持するために(即ち、本体部を平面視略コの字形状に保持するために)、角部にL字状の補強フレームを取り付ける必要があり、複数種類の連結具が必要であった。
そこで、本考案は、カーテンレールが本体部から外れにくく、且つ、本体部の強度を向上させることができ、また、本体部を平面視略コの字形状に保持するためのL字状の連結具が不要な組立式個室を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段及び考案の効果
本考案の組立式個室は、ダンボール板の折り曲げにより平面視略コの字形状をなし、前方が開口した本体部と、前記本体部の前記開口の両側の上端部に配置され、カーテンが吊り下げられるカーテンレールとを備え、前記本体部の前記開口の両縁部には、左右側壁の前端部を上端から下端に跨って筒状に折り曲げることで補強部が形成されており、左右の前記補強部の対向する面の上端には、溝部が形成されており、前記カーテンレールは、左右の前記溝部内にその上方より挿入され、前記溝部の幅よりも大きい幅を有する左右の先端部が、前記補強部の内側に配置されていることを特徴とする。
この構成によると、本体部の開口の両縁部を構成する筒状の補強部の上端に溝が形成されており、この溝部内に、カーテンレールの両端付近が挿入されている、また、カーテンレールの左右両端は、溝部の幅よりも大きい幅であって、補強部の内側に配置されている。そのため、カーテンを前後方向に引っ張っても、カーテンレールは溝部から抜けることがなく、本体部から外れるのを防止できる。
また、補強部は、ダンボール板を筒状に折り曲げることで形成されているため、強度が高くなっている。カーテンレールはこの補強部の上端部に設置されているため、カーテン使用時にカーテンレールに大きい負荷がかかっても、本体部がたわんだり折れ曲がったりするのを防止できる。
また、本体部の角部は、ダンボール板を折り曲げることで形成されているため、本体部には開口が広がろうとする力が働くが、開口の両縁部がカーテンレールで連結されているため、本体部を平面視略コの字形状に保持することができる。したがって、本体部の角部にL字状の連結具を取り付けることなく、本体部の角部を略直角に保持することができる。
また、本考案の組立式個室は、ダンボール板からなる天井板を備え、前記天井板は、前記本体部の左右側壁の上端との係合により当該上端間に架設されていることが好ましい。この構成によると、上方から視線を天井板によって遮断できる。また、天井板が本体部の左右側壁に連結されていることにより、本体部を平面視略コの字形状により確実に保持できる。
また、本考案の組立式個室では、前記天井板は、左右両端に、前記本体部の左右側壁の上端が入り込むスリットを有する突出部が切起こしにより形成され、前記本体部は、左右側壁の上端に、前記突出部の基部が入り込むスリットが形成されていることが好ましい。この構成によると、連結具を用いることなく、天井板を本体部に取り付けることができる。
また、本考案の組立式個室は、前記天井板と、前記本体部の後方側壁の上端または前記カーテンレールの少なくとも何れか一方との間に隙間が形成されていることが好ましい。この構成によると、天井板は、本体部によって形成される空間の一部分のみを覆っているため、天井板によって目隠しをしつつ、天井板で覆われていない部分から個室内に光を採り込むことができる。
また、本考案の組立式個室では、前記本体部は、複数枚のダンボール板を連結すると共に、前記ダンボール板を連結部分を避けた位置で折り曲げ、平面視コの字形状に形成されていることが好ましい。本体部を複数のダンボール板で構成することにより、ダンボール板1枚当たりの大きさを小さくでき、取り扱いが容易になるとともに、大きな金型や製造装置を必要とすることがない等製造上も好ましいものとなる。
本考案の実施形態に係る組立式個室の斜視図である。 本体部の斜視図である。 本体部の展開平面図である。 天井板の組み立て手順を示す斜視図である。 組立式個室の分解斜視図である。
以下、本考案の実施の形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態の組立式個室1は、紙製またはプラスチック製のダンボール板で形成された本体部10及び天井板2と、カーテン4が吊り下げられるカーテンレール3とで構成される。組立式個室1は、例えば、災害時の避難場所に設置されて、更衣室として使用される。以下、図1に示す前後左右方向を用いて、組立式個室1について説明する。
図2に示すように、本体部10は、上方から見てコの字状に配置された3枚の側壁10a、10b、10cからなる。本体部10は、前方が開口した空間を形成している。図3に示すように、本体部10は、それぞれ1枚のダンボール板からなる第1板部材11と第2板部材12とを連結して折り曲げることで形成されている。
第2板部材12は、右側壁10cと後方側壁10bを有しており、右側壁10cと後方側壁10bの境界となる折り目12aに沿って直角に折り曲げられる。第1板部材11は、左側壁10aと、第2板部材12の後方側壁10bに重ね合わされる重合部11aとを有しており、左側壁10aと重合部11aの境界となる折り目11bに沿って直角に折り曲げられる。
重合部11aには、複数の連結孔13aが上下に並んで形成されている。また、第2板部材12は、重合部11aの連結孔13aと対応する位置に、連結孔13bを有する。重合部11aと第2板部材12の端部とを重ね合わせた状態で、連結孔13a、13bに挿通される連結具5によって、第1板部材11と第2板部材12は連結されている。
左右側壁10a、10cの上端には、それぞれ、上下方向に延びる2つのスリット14が形成されている。このスリット14には、天井板2の後述する突出部2cが挿入される。また、左右側壁10a、10cの前端部は、それぞれ、上下方向に延びる4つの折り目15a〜15dに沿って折り曲げられて、矩形筒状の補強部16を構成している。
補強部16を構成する4面のうち、側壁10a、10cの本体部分(側壁10a、10cのうち補強部16を除く部分)に接する部分を、壁部16aとする。補強部16の壁部16aには、複数の連結孔17aが形成されている。また、側壁10a、10cの本体部分の連結孔17aに対応する位置には、連結孔17bが形成されている。連結孔17a、17bに取り付けられた連結具5によって、補強部16の壁部16aは、側壁10a、10cの本体部分に連結されている。
補強部16の壁部16aの上端部(図3中の折り目15eよりも上方の部分)は、補強部16の内側に向かって折り曲げられており、補強部16の壁部16aと対向する面に接触または近接している。これにより、補強部16の上端部は、力を受けても角部を直角に保持できる。
補強部16のうち壁部16aと対向する壁部の上端には、上下に延びる2本の切れ目15fが形成されており、この2本の切れ目15fの間の部分を補強部16の内側に向かって折り曲げることで、溝部18が形成されている。したがって、2つの補強部16の対向する面の上端には、それぞれ溝部18が形成されている。
天井板2は、本体部10の左右側壁10a、10cの上端に架設されている。天井板2は、1枚の略矩形状のダンボール板によって形成されている。図4に示すように、天井板2の4隅には、切れ目2aと折り目2bによる切起こしによって、突出部2cが形成されている。突出部2cには、スリット2dが形成されている。図1及び図5に示すように、突出部2cのスリット2dと本体部10のスリット14とを係合させることで、天井板2は本体部10に取り付けられている。突出部2cのスリット2dには、本体部10のスリット14より下側の部分が挿入される。
天井板2の前後方向長さは、本体部10の前後方向長さよりも短く、天井板2は、本体部10の左右側壁10a、10cの前後方向略中央部に配置されている。そのため、天井板2の後端と後方側壁10bとの間、および、天井板2の前端とカーテンレール3との間には、隙間が形成されている。つまり、天井板2は、本体部10によって形成される空間の一部分のみを覆っている。
カーテンレール3は、本体部10の2つの補強部16の上端に取り付けられている。カーテンレール3には、カーテン4が移動可能に吊り下げられる。本体部10の開口はカーテン4により開閉される。図5に示すように、カーテンレール3は、断面円形の棒部材3aと、棒部材3aの両端部に取り付けられたT字状の端末具3bとで構成されている。なお、図5では、カーテン4を省略して表示している。
端末具3bのうち棒部材3aと同一方向に延びる部分(または棒部材3aの端部)は、補強部16の溝部18に配置されている。これにより、カーテンレール3は本体部10に取り付けられている。また、端末具3bのうち棒部材3aと直交する方向に延びる部分は、補強部16の内側に配置されている。端末具3bのうち棒部材3aと直交する方向に延びる部分の長さは、溝部18の幅よりも大きいため、カーテンレール3が補強部16から外れるのを防止できる。従って、カーテンレール3の利用により本体部10の平面視略コの字形状を保持できる。
本実施形態の組立式個室1では、本体部10の開口の両縁部を構成する筒状の補強部16の上端に溝部18が形成されており、この溝部18内に、カーテンレール3の両端付近が挿入されている。また、カーテンレール3の左右両端は、溝部18の幅よりも大きい幅であって、補強部16の内側に配置されている。そのため、カーテン4を前後方向に引っ張っても、カーテンレール3は溝部18から抜けることがなく、本体部10から外れるのを防止できる。
また、補強部16は、ダンボール板を筒状に折り曲げることで形成されているため、強度が高くなっている。カーテンレール3はこの補強部16の上端部に設置されているため、カーテン使用時にカーテンレール3に大きい負荷がかかっても、本体部10がたわんだり折れ曲がったりするのを防止できる。
また、本体部10の角部は、ダンボール板を折り曲げることで形成されているため、本体部10には開口が広がろうとする力が働くが、開口の両縁部がカーテンレール3で連結されているため、本体部10を平面視略コの字形状に保持することができる。したがって、本体部10の角部にL字状の連結具を取り付けることなく、本体部10の角部を略直角に保持することができる。
また、本実施形態の組立式個室1は、天井板2を有しており、この天井板2は、本体部10によって形成される空間の一部分のみを覆っている。そのため、天井板2によって目隠しをしつつ、天井板2で覆われていない部分から個室内に光を採り込むことができる。
また、天井板2は、本体部10の左右側壁10a、10cに連結されているため、本体部10を平面視略コの字形状により確実に保持できる。
また、天井板2に形成されたスリット2dと本体部10の上端に形成されたスリット14とを係合させることで、天井板2は本体部10に取り付けられている。したがって、連結具を用いることなく、天井板2を本体部10に取り付けることができる。
また、本実施形態の組立式個室1では、複数枚のダンボール板(第1板部材11と第2板部材12)を連結すると共に、複数枚のダンボール板(第1板部材11と第2板部材12)を、連結部分を避けた位置(11b、12a)で折り曲げ、平面視コの字形状に形成されているため、ダンボール板1枚当たりの大きさを小さくでき、取り扱いが容易になるとともに、大きな金型や製造装置を必要とすることがない等製造上も好ましいものとなる。
以上、本考案の好適な実施の形態について説明したが、本考案は上述の実施形態に限られるものではなく、実用新案登録請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、カーテンレール3の先端部は、T字状に形成されているが、カーテンレール3の先端部の形状は、溝部18の幅より大きければ、これ以外の形状であってもよい。
上記実施形態では、補強部16の壁部16aは、側壁10a、10cの本体部分に連結具5によって連結されているが、連結されていなくてもよい。
上記実施形態では、補強部16は、矩形筒状に形成されているが、矩形以外の多角形状(例えば三角形状)の筒状に形成されていてもよい。補強部16が三角筒状の場合、溝部18は、三角形を構成する1つの面にのみ形成されていてもよく、2つの面にまたがって形成されていてもよい。
上記実施形態では、補強部16は、左右側壁10a、10cの前端部を内側に折り曲げることで形成されており、本体部10の内側に突出しているが、補強部16は、左右側壁10a、10cの前端部を外側に折り曲げることで形成され、本体部10の外側に突出していてもよい。
上記実施形態では、本体部10は、2枚のダンボール板(第1板部材11と第2板部12)を連結して折り曲げることで形成されているが、1枚のダンボール板を折り曲げて形成してもよい。また、3枚以上のダンボール板を連結して、連結部分を避けた位置で折り曲げて形成してもよい。
上記実施形態では、天井板2のスリット14と本体部10のスリット14とを係合させることで、天井板2を本体部10に取り付けているが、天井板2を本体部10に取り付けるための構成はこれ以外であってもよい。
上記実施形態では、天井板2は、本体部10によって形成される空間の一部分のみを覆っているが、上記空間を全て覆っていてもよい。また、天井板2は設けなくてもよい。
1 組立式個室
2 天井板
2c 突出部
2d スリット
3 カーテンレール
3a 棒部材
3b 端末具
4 カーテン
10 本体部
10a、10b、10c 側壁
14 スリット
16 補強部
18 溝部

Claims (5)

  1. ダンボール板の折り曲げにより平面視略コの字形状をなし、前方が開口した本体部と、
    前記本体部の前記開口の両側の上端部に配置され、カーテンが吊り下げられるカーテンレールとを備え、
    前記本体部の前記開口の両縁部には、左右側壁の前端部を上端から下端に跨って筒状に折り曲げることで補強部が形成されており、
    左右の前記補強部の対向する面の上端には、溝部が形成されており、
    前記カーテンレールは、左右の前記溝部内にその上方より挿入され、前記溝部の幅よりも大きい幅を有する左右の先端部が、前記補強部の内側に配置されていることを特徴とする組立式個室。
  2. ダンボール板からなる天井板を備え、
    前記天井板は、前記本体部の左右側壁の上端との係合により当該上端間に架設されていることを特徴とする請求項1に記載の組立式個室。
  3. 前記天井板は、左右両端に、前記本体部の左右側壁の上端が入り込むスリットを有する突出部が切起こしにより形成され、
    前記本体部は、左右側壁の上端に、前記突出部の基部が入り込むスリットが形成されていることを特徴とする請求項2に記載の組立式個室。
  4. 前記天井板と、前記本体部の後方側壁の上端または前記カーテンレールの少なくとも何れか一方との間に隙間が形成されていることを特徴とする請求項2または3に記載の組立式個室。
  5. 前記本体部は、複数枚のダンボール板を連結すると共に、前記ダンボール板を連結部分を避けた位置で折り曲げ、平面視コの字形状に形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の組立式個室。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2015037161A1 (ja) * 2013-09-13 2015-03-19 株式会社大貴 組立式ハウス
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