JP3179132B2 - 非粘着性皮膜形成法 - Google Patents

非粘着性皮膜形成法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はマイクロカプセルの製造
工程におけるマイクロカプセルの皮膜形成法、この方法
を含むマイクロカプセル製造方法およびこの方法により
製造したマイクロカプセルに関する。さらに言えば医
薬、化粧品および食品などの分野で利用しうる、エマル
ジョンの再生に適したマイクロカプセルに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】マイ
クロカプセルは、固体、液体、溶液または懸濁液などの
微小な粒子または微小滴を高分子の薄膜で包んだもので
あり、液状有効成分を固体化した形の製剤、また不安定
な薬物でも環境から防御できる製剤などとして注目され
ている。マイクロカプセル製造方法は、(1)機械的お
よび物理的方法および(2)化学的方法および物理化学
的方法に大別され、物理化学的方法の範疇に属するコア
セルベート形成によるマイクロカプセル製造方法は、一
般にコアセルベーション法と言われるが、(1)コアセ
ルベートによる皮膜形成工程、(2)膜安定化(硬化)
工程および(3)粉末化(乾燥)工程の3工程から成り
立っている。上記(3)の粉末化に際しては、カプセル
皮膜が安定化されていなければならないが、その安定化
は、一般にカプセル皮膜の硬化処理により行われてき
た。
【0003】従来一般に行われてきた硬化処理方法とし
ては、加温、冷却などの物理的処理、およびホルマリン
などの化学的処理による硬化処理がある。しかし、この
ような処理方法によるときは、膜が不溶化するため、生
体内のような緩和な条件下では膜の崩壊が起こりにく
く、内包物の速やかな放出には適さないものとなる。ま
た硬化処理には時間がかかることや硬化処理に使用した
試薬の残留など問題点が多くあり、この硬化処理工程が
コアセルベーション法によるマイクロカプセル製造の問
題点の1つとなっていた。カプセル皮膜を硬化させない
かまたは完全には硬化させずに、マイクロカプセルを粉
末として得る方法としては、特開昭59−36540号
に開示されている方法がある。しかしながら、この方法
では、(2)の膜安定化(硬化)工程は省略できるもの
の、粉末化剤として澱粉等の粉末を用いるため、(3)
の粉末化工程の前に(1)で用いたコアセルベート形成
媒体を除去してスラリー状態とした上で、大過剰量の粉
末化剤を添加することが必要である。その上、当然の事
ながら、この操作によって得られたマイクロカプセル
は、さらに乾燥工程に付された後、過剰の粉末化剤をふ
るい分けて粉末状マイクロカプセルの形とするが、形成
されたマイクロカプセルの粒径は不ぞろいでありまた、
流動性が悪いという欠点があった。以上の理由から、上
記の方法は実用化に多くの難点があった。したがって、
上記のような欠点がなく、内包物を体温程度の緩和な条
件下で容易に放出させうる、即ち、エマルジョンの再生
に適したマイクロカプセルの開発が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
した結果、マイクロカプセルの粉末化において、粉末化
剤として、ある種の無機化合物を用いれば、(2)の膜
安定化(硬化)工程を必要とせず、容易に凝集しない、
流動性に優れたマイクロカプセルを製造しうることを見
出し本発明を完成した。
【0005】
【発明の構成】本発明は、粘着性皮膜をもったマイクロ
カプセルを含む水もしくは有機溶媒またはそれらの混合
物中に、水および有機溶媒に不溶、かつ医薬上許容され
得る無機化合物の微粉末を加えて、上記微粉末を粘着性
皮膜のほぼ全面にわたって付着させることを特徴とする
マイクロカプセルに非粘着性皮膜を形成する方法、およ
びこの方法により形成した非粘着性皮膜をもったマイク
ロカプセルの製造方法およびこのマイクロカプセル製造
方法により製造されたマイクロカプセルを提供するもの
である。
【0006】本発明で使用する無機化合物は、水および
有機溶媒に不溶または難溶であり、医薬上使用し得る無
機化合物である。これには、シリカ(酸化けい素)など
の無機酸化物、水酸化アルミニウムなどの無機水酸化
物、無機酸のアルミニウム、カルシウム、マグネシウム
などの塩、例えば、メタケイ酸アルミン酸マグネシウ
ム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム等が例示され、
特に好ましいのは、シリカ粉末などのケイ素含有化合物
である。微粉末の粒径は、0.01−10μm、好まし
くは0.05−5μm、最も好ましくは0.1−1μmで
ある。また、その添加量は皮膜物質に対して、約1〜1
00重量%、好ましくは約5〜50重量%である。無機
化合物は非粘着性皮膜が形成されるに十分な量を添加す
る。
【0007】本発明はまた、必要に応じて、タンニン
酸、カリミョウバンなど、通常用いられる硬化方法によ
り、カプセル皮膜を一部だけ硬化させた後、本発明の無
機化合物の微粉末を少量添加することによっても実施す
ることができる。無機化合物の微粉末は、未硬化マイク
ロカプセル皮膜形成過程または形成後のいずれか一方
で、または両方で添加すれば良い。
【0008】本発明の皮膜形成法は、マイクロカプセル
の製造工程が、未硬化マイクロカプセルの皮膜形成工
程、皮膜の安定化(硬化)工程および乾燥工程からなる
場合のようにその製造工程中に、皮膜の安定化(硬化)
工程を有するマイクロカプセルの製造法に適用すること
ができる。従って、本発明でいうコアセルベーション法
には、コンプレックスコアセルベーション法で代表され
る水溶液相からのコアセルベート相生成によるもののみ
ならず、高分子/良有機溶媒/相分離誘起用液体高分子
の組み合わせによる、例えば、アセトン、メチルエチル
ケトンなどの有機溶媒相からのコアセルベート相生成、
pHを調整して水溶液中の高分子の溶解度を減少させて
コアセルベート相を形成させるpHコントロール法、複
合エマルジョンから水または溶媒を除去し、コアセルベ
ート相の界面沈澱による二次エマルジョン法(界面沈澱
法)などによるコアセルベート相生成によりマイクロカ
プセルの皮膜が形成される方法が含まれる。また、本発
明で言う非粘着性皮膜を持つマイクロカプセルには、w
/o型またはw/o/w型エマルジョンから液中乾燥法
により形成されるゼラチンまたはその他の高分子を素材
とするマイクロスフィアやマイクロビーズも含まれる。
【0009】本発明においては、未硬化マイクロカプセ
ルを含む媒体中ににシリカ等の無機化合物の微粉末を添
加し、マイクロカプセル皮膜上のほぼ全面に付着させた
後、公知の乾燥法で媒体を除去すれば均一で流動性に優
れた粉末状マイクロカプセルが得られる。この乾燥工程
は、濾過、遠心分離、デカンテーションで水分を除去し
たのち、イソプロパノールなどの低級アルカノールによ
る脱水や、フリーズドライまたはスプレードライなど、
高温によりカプセルが崩壊しないような公知の方法によ
り乾燥し、粉末化するのが好適であるのは言うまでもな
い。
【0010】マイクロカプセル内包物としては、油状形
態を取りうるものであれば全て用いられる。それ自身が
油状物質であれば、そのまま用いても良いし、固形状の
難水溶性物質であれば、適当な油状物に溶解または懸濁
して用いれば良い。医薬用途として用いる場合、上記要
件を満たす薬物は全て用いうるが、例えば、ビタミン
A、D、EもしくはKなどのビタミン類、プロスタグラ
ンジン類、抗生物質、抗炎症剤、血圧降下剤、ステロイ
ド類、抗癌剤もしくは抗動脈硬化剤などが例示される。
適当な油状物としては、例えば、ゴマ油、大豆油、流動
パラフィン、または中鎖脂肪酸トリグリセリド(OD
O、ミグリオール)などが例示される。
【0011】コアセルベート形成成分として、ゼラチン
またはゼラチン−アラビアゴムが好ましいが、特にこれ
らに限定されるものでなく、アルギン酸ソーダ、アルギ
ン酸プロピレングリコールエステル、カラギナン、寒
天、トラガント、カルボキシメチルセルロース、アミノ
アルキルメタアクリレートコポリマー、カルボキシビニ
ルポリマー、ポリビニルアセタール、ジエチルアミノア
セテート、カルボキシメチルエチルセルロース、スチレ
ンマレイン酸共重合体、ポリビニルスルホン酸ソーダ、
ポリ酢酸ビニル、セルロースアセテートブチレート、ベ
ンジルセルロース、エチルセルロース、ポリエチレン、
ポリスチレン、天然ゴム、ニトロセルロース、ケトン樹
脂、ポリメチレルメタクリレート、ポリアミドレジン、
アクリロニトリル−スチレン共重合体、エポキシ樹脂、
塩化ビニリデン−アクリロニトリリル共重合体、ポリビ
ニル−ホルマール、酢酸セルロース、ヒドロキシプロピ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、
ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシ
ネート、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビ
ニル、セラック、ポリエステル、ポリカーボネート、酢
酸プロピオン酸セルロース、ポリビニルピロリドン、ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メタア
クリル酸コポリマー、酢酸フタル酸セルロース、フェニ
ルシロキサンラダー高分子、ポリ乳酸、ポリグリコール
酸、ポリ乳酸・グリコール酸コポリマー、ポリグルタミ
ン酸、ポリリジンなど、コアセルベート形成成分として
公知のものを使用することができる。
【0012】本発明の方法によれば、マイクロカプセル
皮膜の安定化(硬化)工程を省略することができるばか
りでなく、乾燥に際し改めてマイクロカプセルをスラリ
ー化する操作も不要である。さらに本発明により製造し
たマイクロカプセルの崩壊によるエマルジョンの再生に
ついて検討した結果、他の製剤と比較して優れているこ
とが判明した。結果を第1−3図に示す。
【0013】
【実施例】以下に実施例を示すが、本発明はこれに限定
されるものではない。 実施例1 ビーカー(1リットル)の中の約50℃ゼラチン水溶液
(ゼラチン)10g、精製水340ml)にトコフェロー
ルアセテート30gを加えて、シルバーソンホモゲナイ
ザーにより乳化を行った。次に、この乳化系に約50℃
に加温したアラビアゴム水溶液(アラビアゴム10g、
精製水340ml)を加え、充分に撹拌しながら、5%酢
酸水溶液を添加して、系のpHを約4に調整した。次
に、撹拌を続けながら、ゆっくりと液温を下げていく。
そしてこの冷却過程においてホワイトカーボン(カープ
レックス#80(塩野義製薬(株))4gを添加し、系の液
温が10℃以下となったところで、撹拌をやめて静止
し、得られたマイクロカプセルのスラリーに対しイソプ
ロパノール1lを用いて脱水を行う。次にこの脱水マイ
クロカプセルを濾紙上で2日間風乾する。その結果、個
々に凝集のない流動性の良い粉末化マイクロカプセル
(粒径:100〜200μm)が得られた。
【0014】実施例2 トコフェロールアセテートの代わりにトリグリセリドの
一種であるODOを用い、ホワイトカーボン(サイロイ
ド244(富士デヴィソン(株))を使用して、実施例1
と同様にして、ゼラチン−アラビアゴムをカプセル膜と
し、ODOを芯物質とする硬化処理をしないマイクロカ
プセルを得た。
【0015】実施例3 実施例1の手順において、トコフェロールアセテートの
代わりにスダンIII(46mg/100ml)を含むゴマ油
30gを用いて、硬化処理をしない粉末化マイクロカプ
セルを得た。
【0016】実施例4 トコフェロールアセテートの代わりに流動パラフィンを
用いて、実施例1と同様にして、ゼラチン−アラビアゴ
ムをカプセル膜とするマイクロカプセルを形成させた。
コアセルベート膜の形成後、そのまま撹拌を続けながら
冷却し、10℃以下になったところで撹拌を停止した。
一旦上清を捨て、残りのマイクロカプセルのスラリーに
対して、5%タンニン酸溶液500mlを加えて、撹拌し
ながら20分間処理を行った。次いで、デカンテーショ
ンにより、水で水洗を2回行った後、このマイクロカプ
セルスラリーにホワイトカーボン(カープレックス#8
0)4gを加え、後は、実施例1と同様の方法でイソプ
ロパノールを用いて脱水し、粉末化した。
【0017】実施例5 実施例4において、タンニン処理に続く水洗後のマイク
ロカプセルスラリー175ml(マイクロカプセルの堆積
量約100ml)にホワイトカーボン(カーブレックス#
80)1.5gを加え、スプレードライ(ヤマト、ミニス
プレー、モデルDL−21)にかけ、粉末化した。
【0018】実施例6 プロブコール(4,4'-[1-Methylethylidene-di(thio)]b
is-[2,6-bis(1,1-dimethylethyl)phenol])4gを中鎖脂
肪酸トリグリセリド(ODO)30gに溶解し、これを
ビーカー(1リットル)の中へ約50℃に加温したゼラ
チン水溶液(ゼラチン10g、精製水340ml)に加え
て、シルバーソンホモゲナイザーにより乳化を行った。
次に、この乳化系に約50℃に加温したアラビアゴム水
溶液(アラビアゴム10g、精製水340ml)を加えて
充分に撹拌しながら、5%酢酸水溶液を添加して、系の
pHを約4に調整した。次に、撹拌を続けながら、ゆっ
くりと液温を下げていく。そしてこの冷却過程において
ホワイトカーボン(カープレックス#80)4gを添加
し、系の液温が10℃以下となったところで、撹拌を止
めて静止し、得られたマイクロカプセルのスラリーに対
してイソプロパノール1リットルを用いて脱水を行う。
次にこの脱水マイクロカプセルを濾紙上で2日間風乾す
る。このようにして、硬化処理しないで得られたプロブ
コール含有マイクロカプセル粉末(後記の動物実験に使
用)の特性値を表1に示した。
【0019】実施例7 実施例6において、プロブコールの代わりにCaブロッ
カーであるS−312−d(Methyl (4S)-4,7-dihydro-3-i
sobutyl-6-methyl-4-(3-nitrophenol)thieno[2,3-b]pyr
idine-5-carboxylate)300mgを用いて、実施例6と
同様の操作で硬化処理をしないでS−312−d含有マイ
クロカプセルの粉末(後記の動物実験に使用)を得た。
そのマイクロカプセルの特性値を実施例6のマイクロカ
プセルとともに表1に示した。 表1 実施例6および実施例7のマイクロカプセル(MC)の特性値 主薬含量 収量 粒径 嵩密度 安息角 mg/g MC (%) (μm) (g/cc) deg. プロブコール(実施例6) 71.8 98 130〜200 0.53 19 S-312-d(実施例7) 5.1 90 100〜250 0.51 27
【0020】以下に、本発明マイクロカプセルが崩壊
し、エマルジョンを再生することを示す。即ち、実施例
1で得られたマイクロカプセル500mgを37℃で撹拌
中の第XI日本薬局方崩壊試験法第1液と第2液(900
ml)にそれぞれ加えて、その後の経過を光学顕微鏡で観
測したところ3分以内に膜が崩壊し、エマルジョンが再
生する様子が観察された。 第1液:塩化ナトリウム2.0gに希塩酸24.0mlおよ
び水を加えて溶かし1000mlとする。 第2液:0.2Mリン酸二水素カリウム液250mlに0.
2N水酸化ナトリウム試薬118mlおよび水を加えて、
1000mlとする。
【0021】以上の結果より、本発明方法によって得ら
れるマイクロカプセルは、そのまま粉末状、あるいは他
の機能(例えば腸溶性など)を付加させた形、さらには
これをカプセルに充填したり、顆粒剤、細粒剤、錠剤な
ど種々の剤形に加工した形で投与でき、消化管内で容易
にエマルジョンを再生するという、新しい経口投与剤形
として極めて有用である。
【0022】ラットおよびビーグル犬を用いて、本発明
によるマイクロカプセル製剤の生物学的利用率を他の製
剤におけるそれらと比較した。 実験1 実施例6で得られたプロブコール含有マイクロカプセル
を用いて、一晩絶食と非絶食下のラット(雄slc-ウイス
ターラット、10週令)に経口投与実験(n=4あるい
は5)を行い、その消化管での吸収性を他の剤形、即
ち、ODO溶液製剤(プロブコール42mg/gOD
O)、O/Wエマルジョン製剤(プロブコール5.0%
(W/W)、ODO30%(W/W)、精製卵黄レシチ
ン3.6%(W/W))、顆粒剤(デンプン、乳糖を賦
形剤としポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル
を加え通常の方法で調製したプロブコール含有50%
(W/W)顆粒剤)と比較した。投与方法などの実験条
件は表2に示した。採血は、経口投与後0、1、2、
4、6、8、24時間後にエーテル麻酔下、各ラットの
尾静脈より採血した。
【0023】結果 結果を図1および図2に示した。生物学的利用率(Bioa
vailability)に関して、マイクロカプセル製剤は顆粒
剤をはるかに上回り、更に絶食下ではODO溶液製剤よ
りも良好である。一方、エマルジョン製剤とほぼ同等で
あることはマイクロカプセル製剤が消化管内でエマルジ
ョンを再生している可能性を示している。 表2 プロブコール含有マイクロカプセルのラット経口投与実験 投与製剤 (1) マイクロカプセル プロブコール含有 72mg/g (2) エマルジョン(O/W) 14mg/g (3) ODO溶液 42mg/g (4) 顆粒剤 500mg/g 使用動物 雄Slc-ウィスター系ラット、10週令、
絶食 または 非絶食 投与量 20mg/kg(プロブコールとして) 投与方法 エーテル麻酔下 (1)(4)はチューブに詰め1.
0mlの水で押し出す (2)(3)は注射筒(経口ゾンデ付)により投与
【0024】実験2 実施例7で得られたS−312−d含有マイクロカプセル
を用いて、24時間絶食した雄ビーグル犬(10.2k
g)に対して経口投与実験(n=6)を行い、その消化
管吸収性を他の剤形、即ち、ODO溶液製剤(S−312
−d0.3g/30gODO)、乳糖10倍散製剤と比較
した。投与は、いずれの製剤もS−312−dとして10m
g/匹になるようにカプセルに充填して、投与を行っ
た。
【0025】結果 結果を図3に示したが、マイクロカプセル製剤は、その
生物学的利用率が乳糖10倍散製剤をはるかに上回り、
更にODO溶液製剤よりも良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 絶食下ラットの血漿中のプロブコールの濃度
の経時的変化を示す折線グラフである。
【図2】 非絶食下ラットの血漿中のプロブコールの濃
度の経時的変化を示す折線グラフである。
【図3】 絶食下ビーグル犬の血漿中のs−312−d
の濃度の経時的変化を示す折線グラフである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−184431(JP,A) 特開 昭59−36540(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 13/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の工程を含むことを特徴とする、流動
    性の良好な粉末状態の、非粘着性皮膜を有するマイクロ
    カプセルの製造方法: (a)水もしくは有機溶媒またはそれらの混合物からな
    る媒質中で、コアセルベーション法により、マイクロカ
    プセルのスラリーを形成する; (b)当該スラリーに、上記媒質に不溶性であって、医
    薬上許容され得る無機化合物の微粉末を、上記マイクロ
    カプセルの皮膜を形成する物質に対して1〜100重量
    %の量で添加して、上記マイクロカプセルの皮膜の表面
    に付着させる; (c)工程(b)で得られたマイクロカプセルを上記媒
    質から分離する; (d)分離したマイクロカプセルを乾燥させる。
  2. 【請求項2】 工程(a)または(b)において硬化処
    理を行うことなく、工程(c)でマイクロカプセルを分
    離する、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 無機化合物が酸化ケイ素である、請求項
    1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】マイクロカプセルが医薬用である、請求項
    1〜3のいずれかに記載の方法。
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