JP3175869B2 - 長期の被熱による色調悪化が抑制されたポリフェニレンエーテル樹脂の製造方法 - Google Patents

長期の被熱による色調悪化が抑制されたポリフェニレンエーテル樹脂の製造方法

Info

Publication number
JP3175869B2
JP3175869B2 JP04509293A JP4509293A JP3175869B2 JP 3175869 B2 JP3175869 B2 JP 3175869B2 JP 04509293 A JP04509293 A JP 04509293A JP 4509293 A JP4509293 A JP 4509293A JP 3175869 B2 JP3175869 B2 JP 3175869B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyphenylene ether
ether resin
resin
solvent
based resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP04509293A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06256501A (ja
Inventor
昭 三井
茂樹 高山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Corp filed Critical Asahi Kasei Corp
Priority to JP04509293A priority Critical patent/JP3175869B2/ja
Publication of JPH06256501A publication Critical patent/JPH06256501A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3175869B2 publication Critical patent/JP3175869B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyethers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、色調に優れたポリフェ
ニレンエーテル系樹脂粉体の製法に関する。さらに詳し
くは、繰り返し、または長期にわたって熱をうける場合
のポリフェニレンエーテル系樹脂において、長期の被熱
による色調悪化が抑制されたポリフェニレンエーテル系
樹脂の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にポリフェニレンエーテル系樹脂は
式(3)
【0003】
【化1】
【0004】(式中R1 ,R2 ,R3 ,R4 はそれぞれ
水素、アルキル基、置換アルキル基、ハロゲン基、炭化
水素オキシ基、置換炭化水素オキシ基、アルケニル基、
置換アルケニル基、アリル基、置換アリル基、フェニル
基、置換フェニル基を表す)で表される様なフェノール
類を、金属の塩と各種アミンとの組み合わせからなる触
媒を用いて、酸化重合する方法(特公昭42−3195
号公報、特公昭45−23555号、特開昭64−33
131号公報等)が良く知られている。
【0005】このようなフェノール類を酸化重合して得
られるポリフェニレンエーテルは機械的性質、電気的性
質、耐熱性などに優れ、その上吸水性が低く近年熱可塑
性エンジニアリングプラスチックとして注目を集めてい
る。しかし、これらの長所と共に熱酸化劣化を受け易
く、色調の悪化が著しいという欠点をあわせ持っている
ために、熱酸化劣化を受けやすい用途に対しては使用が
制限されるという問題がある。この問題を回避するため
に、アミンや有機燐酸化合物等の種々の安定剤を用いる
提案がなされている。
【0006】これとは別に、ポリフェニレンエーテル樹
脂自体を改質する方法も提案されている。例えば、特公
昭49−17679号公報、特公昭49−48197号
公報、特公昭53−12553号公報等は、ポリフェニ
レンエーテルのフェノール性水酸基を、エステルやエー
テル化等の方法で封鎖する事によって、熱酸化劣化性の
改良を提案している。
【0007】しかし、これらの方法によって改質された
ポリフェニレンエーテル樹脂は、溶媒にポリフェニレン
エーテル樹脂を溶解した溶液から、キャスト成形によっ
て製造したフィルムでは、ある程度の改質効果が認めら
れるものの、溶融成形した試験片やフィルムで評価する
と、充分な安定効果が認められない。また、特開平2−
276823号公報にはポリフェニレンエーテル樹脂の
末端構造を6−クロマン環骨格とし、対熱酸化劣化の改
良法が開示されている。しかしかかる構造にしても繰り
返し溶融操作を繰り返すと、やはり熱酸化劣化による色
調の悪化を防ぐ事はできない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ポリフェニレンエーテ
ル系樹脂の優れた機械的性質、電気的性質、耐熱性等を
保持しつつ、ポリフェニレンエーテル系樹脂の熱酸化劣
化を目的に応じて抑制する必要がある。基本的には繰り
返し溶融操作を行う事による長期の熱酸化劣化を抑制す
る必要があり、しかもこの方法は簡単な方法で行ない得
る必要がある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成すべく鋭意検討した結果、本発明に至った。即ち、
本発明は、ポリフェニレンエーテル系樹脂をポリフェニ
レンエーテル系樹脂に対する良溶媒、貧溶媒もしくは良
溶媒と貧溶媒の混合溶媒中で、10〜220℃の範囲
で、該ポリフェニレンエーテル系樹脂に対して0.01
wt%以上の量の式(1)あるいは式(2)で表される
化合物とを接触加熱処理することを特徴とする熱酸化劣
化に優れたポリフェニレンエーテル系樹脂を製造する方
法である。この方法によれば対熱酸化劣化性に優れたポ
リフェニレンエーテル系樹脂を容易に製造する事が可能
である。またこの方法によって製造されたポリフェニレ
ンエーテル系樹脂は次の式(4)、
【0010】
【化2】
【0011】(式中RA は、水素、アルキル基、置換ア
ルキル基、アリル基、置換アリル基、フェニル基又は置
換フェニル基である。R1 ,R2 ,R3 はそれぞれ水
素、アルキル基、置換アルキル基、ハロゲン基、炭化水
素オキシ基、置換炭化水素オキシ基、アルケニル基、置
換アルケニル基、アリル基、置換アリル基、フェニル基
又は置換フェニル基を表す。またRB は水素またはフェ
ニレンエーテルユニットを表す)のような構造を有する
ものを含んだ共重合体ではないかと考えられ、対熱酸化
劣化性に優れたポリフェニレンエーテル系樹脂である。
以下に本発明を詳細に説明する。
【0012】本発明におけるポリフェニレンエーテル系
樹脂とは、その繰り返し単位としてフェニレンエーテル
ユニットを含有するものとして定義され、特に限定はな
い。その代表的なものは一般式(5)
【0013】
【化3】
【0014】(式中R1 ,R2 ,R3 ,R4 は各々独立
に水素、アルキル基、置換アルキル基、ハロゲン基、ア
リール基、置換アリール基、フェニル基又は置換フェニ
ル基である)で表されるフェニレンエーテルユニットか
らなっている。代表的なポリフェニレンエーテル樹脂の
単独重合体の代表例としては、ポリ(2,6−ジメチル
−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−
6−エチル1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,
6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ
(2−エチル−6−n−プロピル−1,4−フェニレ
ン)エーテル、ポリ(2,6−ジ−n−プロピル−1,
4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−n
−ブチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−
エチル−6−イソプロピル−1,4−フェニレン)エー
テル、ポリ(2−メチル−6−クロロエチル−1,4−
フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−ヒドロ
キシエチル−1,4−フェニレン)エーテルまたはポリ
(2−メチル−6−クロロエチル−1,4−フェニレ
ン)エーテルなどのホモポリマーが挙げられる。
【0015】ポリフェニレンエーテル共重合体は、2,
6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェ
ノールとの共重合体あるいはo−クレゾールとの共重合
体あるいは2,3,6−トリメチルフェノール及びo−
クレゾールとの共重合体等、ポリフェニレンエーテル構
造を主体としてなるポリフェニレンエーテル共重合体等
が挙げられる。また、本発明のポリフェニレンエーテル
系樹脂中には、本発明の主旨に反しない限り、従来ポリ
フェニレンエーテル樹脂中に存在させてもよいことが提
案されている他の種々のフェニレンエーテルユニットを
部分構造として含んでいても構わない。少量共存させて
もよい部分構造として提案されているものの例として
は、特開平1−297428号公報及び特開昭63−3
01222号公報に記載されている、2−(ジアルキル
アミノメチル)−6−メチルフェニレンエーテルユニッ
トや、2−(N−アルキル−N−フェニルアミノメチ
ル)−6−メチルフェニレンエーテルユニット等が挙げ
られる。また、ポリフェニレンエーテル樹脂の主鎖中に
ジフェノキノン等が少量結合したものも含まれる。さら
に、例えば特開平2−276823、特開昭63−10
8059、特開昭59−59724等に記載されてい
る、炭素−炭素二重結合を持つ化合物により変性された
ポリフェニレンエーテルも含むことができる。
【0016】本発明に用いるポリフェニレンエーテル樹
脂の分子量としては、数平均分子量で1,000〜10
0,000であることが好ましい。より好ましい範囲
は、約6,000〜60,000のものである。本発明
中の数平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマト
グラフィーにより、標準ポリスチレンの検量線を用いて
求めたポリスチレン換算の数平均分子量である。このよ
うな分子量をかかるポリフェニレンエーテル樹脂が持っ
ている場合、本発明の方法によるポリフェニレンエーテ
ル樹脂の対熱酸化劣化の効果は、よりいっそう顕著であ
る。
【0017】本発明においてはこのようなポリフェニレ
ンエーテル樹脂は該当するフェノール化合物を、金属の
塩と各種アミンとの組み合わせからなる触媒を用いて、
酸化重合する方法(例えば特公昭42−3195号公
報、特公昭45−23555号公報、特開昭64−33
131号公報等)で得られる。重合に使用する溶媒はポ
リフェニレンエーテル樹脂に対する良溶媒と貧溶媒の混
合物である場合が一般的であるが、これらの比によって
は重合の全般にわたってポリフェニレンエーテル樹脂粒
子の析出を伴わない溶液重合にもなるし、重合後期にポ
リフェニレンエーテル樹脂粒子が析出する沈澱重合にも
なる。
【0018】上記のポリフェニレンエーテル系樹脂をポ
リフェニレンエーテル系樹脂に対する良溶媒、貧溶媒も
しくは良溶媒と貧溶媒の混合溶媒中、10〜220℃の
範囲で該ポリフェニレンエーテル系樹脂に対して、0.
01wt%以上の量の式(1)あるいは式(2)で表さ
れる化合物とを接触加熱処理する。本発明に於いては、
ポリフェニレンエーテル系樹脂が溶液状態、スラリー状
態共に使用する事ができる。このような混合物を調製す
る際、沈澱重合の場合は重合混合物をそのまま、又はそ
れを触媒除去、副生成物除去の処理を施したスラリーを
用いる事ができる。溶液重合の場合には重合終了後、重
合溶液をそのまま、又はそれを触媒除去、副生成物除去
の処理を施した溶液を用いる事ができる。
【0019】また、既にポリフェニレンエーテル系樹脂
の粉体等として得られている場合には、これを本発明に
よるような有機溶媒中に溶解、もしくはスラリー状に分
散させ接触加熱処理を施す事ができる。本発明に使用で
きるポリフェニレンエーテル樹脂に対する良溶媒として
は例えば、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシ
レン等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロロホル
ム、1,2−ジクロルエタン、クロルベンゼン、ジクロ
ルベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ニトロベンゼンの
様なニトロ化合物が使用でき、またポリフェニレンエー
テル樹脂に対する貧溶媒としては例えば、水、メタノー
ル、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノー
ル、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−
ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチル
ケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジエチルエ
ーテルの様なエーテル類、酢酸エチル等のエステル類、
ジメチルホルムアミド等のアミド類等を使用する事が一
般的であるが、特にこれらの例に限定されない。更にこ
れら良溶媒と貧溶媒の混合溶媒を使用する事ができる。
【0020】本発明において、基本的に溶媒は溶媒を単
独で、もしくはポリフェニレンエーテル樹脂の良溶媒、
貧溶媒の組み合わせの中から、安全性、経済性、操作性
に優れる溶媒を使用すべきである。例えば芳香族炭化水
素とアルコールの混合溶媒等が好ましく用いられる。本
発明におけるポリフェニレンエーテル樹脂の濃度は混合
物重量中、0.1〜80wt%で行うことが好ましく、
特に好ましくは5〜30wt%の範囲である。
【0021】また、反応混合物中には、重合に使用した
触媒や触媒除去、副生成物除去の目的で使用した小量の
試薬等が含まれていても構わない。本発明に用いる式
(1)で表されるような化合物は例えば、ホルムアルデ
ヒド、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、ブチル
アルデヒド、アクロレイン、ベンズアルデヒド等が挙げ
られる。また、式(2)で表されるような化合物として
は例えば、トリオキサン、ポリオキシメチレン等であ
る。好ましくはホルムアルデヒド、トリオキサン、ポリ
オキシメチレンを使用する事である。
【0022】更に本発明においては、本発明の目的を阻
害しない範囲においてポリフェニレンエーテル樹脂以外
に他種ポリマーを含有させる事ができる。この他種ポリ
マーとは例えば、無置換及び置換ビニルモノマーの重合
体、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエステル、ポリカ
ーボネート、ポリアリレート、ポリイミド等の熱可塑性
樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂等である。
【0023】接触加熱処理する温度は溶媒の種類、ポリ
フェニレンエーテル樹脂に対する良溶媒と貧溶媒の組成
にもよるが、10〜220℃の範囲で行うことが好まし
い。加熱処理する温度が10℃より低いと実質的に処理
したポリフェニレンエーテル樹脂の対熱酸化劣化は処理
前と比較して何等変化しない。また加熱処理する温度が
220℃より高いと対熱酸化劣化挙動は処理前に比較し
て悪くなる可能性がある。加熱処理する温度は望みの対
熱酸化劣化挙動が得られるように加熱処理する温度を適
切に選択すべきである。
【0024】加熱処理する容器は密閉系、解放系のどち
らでも良いが撹拌下で行うことが好ましく、撹拌機能ま
たは液循環装置の付いた容器を用いるのが好ましい。ま
たニーダーの様な反応機を用いる事もできる。加熱処理
を行う時間は加熱処理を行う温度にもより一概にはいえ
ないが、一般的には数分から一時間程度であり、あまり
長くしても意味がない。
【0025】加熱処理を行う雰囲気は、安全性の面から
なるべく不活性ガス雰囲気で行うことが望ましいが酸
素、空気の存在下で処理してもかまわない。不活性ガス
は一般に窒素、アルゴン、ヘリウム等が使用される。こ
のように加熱処理を行う、この方法によれば対熱酸化劣
化性に優れたポリフェニレンエーテル系樹脂を容易に製
造する事が可能であり工業的に多くの利点がある。
【0026】
【実施例】次に、工業的に非常に重要なポリ(2,6−
ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルについて本発
明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの例によ
ってなんら制限されるものではない。 (サンプルの調製)原料のポリフェニレンエーテルは特
開昭64−33131号公報に記載されている方法に従
って、溶媒にキシレンとメタノールを使用し、ジブチル
アミンの存在下で2,6−キシレノールを酸化カップリ
ング重合して製造し、エチレンジアミン4酢酸4ナトリ
ウム塩を含むメタノールをポリフェニレンエーテル樹脂
の約3倍量添加して40℃で温洗浄後濾別し、触媒と副
生成物を除去した。このウェットポリマーを適量のメタ
ノールとキシレン混合溶媒中に分散させ、ポリフェニレ
ンエーテル樹脂粒子を含むスラリーを得た。このスラリ
ー中の溶媒組成はキシレン:メタノール=60:40重
量比であった。また得られたこのポリフェニレンエーテ
ル樹脂スラリー中のポリフェニレンエーテル樹脂濃度は
20wt%であった。このポリフェニレンエーテル樹脂
スラリーをAとする。
【0027】次にAをいったん濾別しこのウエットポリ
マーにメタノールとキシレンを適量添加してポリフェニ
レンエーテルのスラリーを調製した。このスラリー中の
溶媒組成はキシレン:メタノール=43:57重量比で
あった。また得られたこのポリフェニレンエーテル樹脂
スラリー中のポリフェニレンエーテル樹脂濃度は20w
t%であった。このポリフェニレンエーテル樹脂スラリ
ーをBとする。
【0028】次にBをいったん濾別しこのウエットポリ
マーにメタノールとキシレンを適量添加してポリフェニ
レンエーテルのスラリーを調製した。このスラリー中の
溶媒含量はキシレン:メタノール=23:77重量比で
あった。また得られたこのポリフェニレンエーテル樹脂
スラリー中のポリフェニレンエーテル樹脂濃度は20w
t%であった。このポリフェニレンエーテル樹脂スラリ
ーをCとする。
【0029】これらA〜Cのサンプルの調製は約30℃
にて行った。次にCを濾別し真空下乾燥させたサンプル
を用意した。この乾燥ポリフェニレンエーテル樹脂粉体
をDとする。これらのサンプルについてホルムアルデヒ
ドとの接触加熱処理を次の実施例で行った。なお測定は
以下の条件で行った。
【0030】 1H−核磁気共鳴吸収スペクトルは日本
電子(株)製のGX−270でCDCl3 を溶媒として
測定し、テトラメチルシランを基準として用いる。 ポリフェニレンエーテルの色調はカラー・インデック
スで定義し以下のように測定する。310℃で圧縮成形
したポリフェニレンエーテル0.5gをクロロホルムに
溶解し、全量を10mlとし、25℃にて480nmで
の吸光度を測定し、下記式で算出する。このカラー・イ
ンデックスの値は、ポリフェニレンエーテルの熱酸化の
程度を評価する手段として使用され、値の低い方が加熱
によるポリフェニレンエーテルの着色が少なく色調に優
れる事を意味する。
【0031】
【数1】
【0032】ここで、A480 : 480nmでの吸光度 a : セル長(cm) b : 溶液濃度(g/ml) またホルムアルデヒドと処理したポリフェニレンエーテ
ル樹脂は 1H−核磁気共鳴吸収スペクトル分析により
3.31ppm付近に特徴的なシングレットシグナルを
得るのでこれによって知ることができる。
【0033】また他のアルデヒド化合物を用いた場合で
も同様の効果を得ることができる。
【0034】
【実施例1】前述のポリフェニレンエーテルのスラリー
Aにポリフェニレンエーテル乾燥重量に対して1wt%
のホルムルデヒドを添加してこの混合物を300mlオ
ートクレーブにて撹拌しながら90℃で30分間加熱処
理を行った。加熱処理終了後室温まで冷却したのち反応
混合物を濾別し、真空下1時間乾燥させた。
【0035】該ポリフェニレンエーテル樹脂を310℃
で圧縮成形しカラー・インデックスを測定したところ
3.1であった(1回目の加熱)。1回目の加熱を施し
たポリフェニレンエーテルを凍結粉砕機で粉砕し、もう
一度310℃で圧縮成形しカラー・インデックスを測定
したところ、4.8であった(2回目の加熱)。2回目
の加熱を施したポリフェニレンエーテルを凍結粉砕機で
粉砕し、もう一度310℃で圧縮成形しカラー・インデ
ックスを測定したところ、6.1であった(3回目の加
熱)。これらの結果を表1に示した。又これらのポリフ
ェニレンエーテルの 1H−核磁気共鳴吸収スペクトル測
定を行い、3.31ppmにシングレットシグナルが存
在するかどうかを確認した。この結果も合わせて表1に
示した。
【0036】
【実施例2】前述のポリフェニレンエーテルのスラリー
Bにポリフェニレンエーテル乾燥重量に対して1wt%
のホルムルデヒドを添加してこの混合物を300mlオ
ートクレーブにて撹拌しながら120℃で30分間加熱
処理を行った。加熱処理終了後室温まで冷却したのち反
応混合物を濾別し、真空下1時間乾燥させた。
【0037】このポリフェニレンエーテルを310℃で
圧縮成形しカラー・インデックスを測定したところ3.
0であった(1回目の加熱)。1回目の加熱を施したポ
リフェニレンエーテルを凍結粉砕機で粉砕し、もう一度
310℃で圧縮成形しカラー・インデックスを測定した
ところ、4.1であった(2回目の加熱)。2回目の加
熱を施したポリフェニレンエーテルを凍結粉砕機で粉砕
し、もう一度310℃で圧縮成形しカラー・インデック
スを測定したところ、5.2であった(3回目の加
熱)。これらの結果を表1に示した。又これらのポリフ
ェニレンエーテルの 1H−核磁気共鳴吸収スペクトル測
定を行い、3.31ppmにシングレットシグナルが存
在するかどうかを確認した。この結果も合わせて表1に
示した。
【0038】
【実施例3】前述のポリフェニレンエーテルのスラリー
Cにポリフェニレンエーテル乾燥重量に対して1重量%
のホルムルデヒドを添加してこの混合物を300mlオ
ートクレーブにて撹拌しながら140℃で30分間加熱
処理を行った。加熱処理終了後室温まで冷却したのち反
応混合物を濾別し、真空下1時間乾燥させた。
【0039】このポリフェニレンエーテルを310℃で
圧縮成形しカラー・インデックスを測定したところ2.
9であった(1回目の加熱)。1回目の加熱を施したポ
リフェニレンエーテルを凍結粉砕機で粉砕し、もう一度
310℃で圧縮成形しカラー・インデックスを測定した
ところ、3.8であった(2回目の加熱)。2回目の加
熱を施したポリフェニレンエーテルを凍結粉砕機で粉砕
し、もう一度310℃で圧縮成形しカラー・インデック
スを測定したところ、4.9であった(3回目の加
熱)。これらの結果を表1に示した。又これらのポリフ
ェニレンエーテルの 1H−核磁気共鳴吸収スペクトル測
定を行い、3.31ppmにシングレットシグナルが存
在するかどうかを確認した。この結果も合わせて表1に
示した。
【0040】
【比較例1】サンプルDは本発明による加熱処理を行わ
ないで得たポリフェニレンエーテル樹脂粉体である。こ
のポリフェニレンエーテルを310℃で圧縮成形し、カ
ラー・インデックスを測定したところ3.0であった
(1回目の加熱)。1回目の加熱を施したポリフェニレ
ンエーテルを凍結粉砕機で粉砕し、もう一度310℃で
圧縮成形しカラー・インデックスを測定したところ、1
3.3であった(2回目の加熱)。2回目の加熱を施し
たポリフェニレンエーテルを凍結粉砕機で粉砕し、もう
一度310℃で圧縮成形しカラー・インデックスを測定
したところ、19.2であった(3回目の加熱)。これ
らの結果を表1に示した。又これらのポリフェニレンエ
ーテルの 1H−核磁気共鳴吸収スペクトル測定を行い、
3.31ppmにシングレットシグナルが存在するか否
かを確認した。この結果も合わせて表1に示した。
【0041】
【実施例4】サンプルDのポリフェニレンエーテルの乾
燥粉末をトルエン/メタノール=90/10重量比の溶
媒に溶解させポリフェニレンエーテル樹脂が15wt%
の溶液とした。この溶液にポリフェニレンエーテル乾燥
重量に対して1wt%のホルムルデヒドを添加してこの
混合物を300mlオートクレーブにて撹拌しながら1
90℃で30分間加熱処理を行った。加熱処理終了後室
温まで冷却したのち反応混合物にメタノールを添加して
ポリフェニレンエーテルを沈澱させこれを濾別し、真空
下1時間乾燥させた。
【0042】このポリフェニレンエーテル樹脂を310
℃で圧縮成形しカラー・インデックスを測定したところ
3.4であった(1回目の加熱)。1回目の加熱を施し
たポリフェニレンエーテルを凍結粉砕機で粉砕し、もう
一度310℃で圧縮成形しカラー・インデックスを測定
したところ、5.1であった(2回目の加熱)。2回目
の加熱を施したポリフェニレンエーテルを凍結粉砕機で
粉砕し、もう一度310℃で圧縮成形しカラー・インデ
ックスを測定したところ、6.3であった(3回目の加
熱)。これらの結果を表1に示した。又これらのポリフ
ェニレンエーテルの 1H−核磁気共鳴吸収スペクトル測
定を行い、3.31ppmにシングレットシグナルが存
在するか否かを確認した。この結果も合わせて表1に示
した。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、長期の加熱による色調
の悪化を引き起こすことなく熱劣化に対して極めて安定
なポリフェニレンエーテル系樹脂を提供することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 65/38 - 65/48 CA(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリフェニレンエーテル系樹脂をポリフ
    ェニレンエーテル系樹脂に対する良溶媒、貧溶媒もしく
    は良溶媒と貧溶媒の混合溶媒中、10〜220℃の範囲
    で、該ポリフェニレンエーテル系樹脂に対して0.01
    wt%以上10wt%以下の量の式(1)又は(2) RA −CHO (1) (式中RA は水素、アルキル基、置換アルキル基、アリ
    ル基、置換アリル基、フェニル基又は置換フェニル基で
    ある。) (CH2 O)X (2) (式中xは2以上の整数でCH2 Oユニットは環化、非
    環化構造を有する)で表されるアルデヒド類化合物とを
    接触処理することを特徴とするポリフェニレンエーテル
    系樹脂を製造する方法。
  2. 【請求項2】 式(1)で表されるアルデヒドがホルム
    アルデヒドである特許請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 ポリフェニレンエーテル系樹脂が、ポリ
    −(2,6−ジメチル−1,4フェニレン)エーテルで
    ある特許請求項1記載のポリフェニレンエーテル系樹脂
    の製造方法。
JP04509293A 1993-03-05 1993-03-05 長期の被熱による色調悪化が抑制されたポリフェニレンエーテル樹脂の製造方法 Expired - Fee Related JP3175869B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04509293A JP3175869B2 (ja) 1993-03-05 1993-03-05 長期の被熱による色調悪化が抑制されたポリフェニレンエーテル樹脂の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04509293A JP3175869B2 (ja) 1993-03-05 1993-03-05 長期の被熱による色調悪化が抑制されたポリフェニレンエーテル樹脂の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06256501A JPH06256501A (ja) 1994-09-13
JP3175869B2 true JP3175869B2 (ja) 2001-06-11

Family

ID=12709674

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04509293A Expired - Fee Related JP3175869B2 (ja) 1993-03-05 1993-03-05 長期の被熱による色調悪化が抑制されたポリフェニレンエーテル樹脂の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3175869B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06256501A (ja) 1994-09-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5268959B2 (ja) ポリ(アリーレンエーテル)の製造方法及び当該方法で製造したポリ(アリーレンエーテル)
JP3052256B2 (ja) 安定化ポリフェニレンエーテル樹脂とその組成物、フイルム及びその製法
US5288834A (en) Functionalized polyaryletherketones
KR102660658B1 (ko) 폴리페닐렌에테르 조성물
JPS6044548A (ja) 架橋フエニレンオキシド重合体
JP2523322B2 (ja) ポリフェニレンエ−テル共重合体
JP3175869B2 (ja) 長期の被熱による色調悪化が抑制されたポリフェニレンエーテル樹脂の製造方法
CN110387037B (zh) 聚苯醚及其制造方法
JP3125029B2 (ja) 末端が変性されたポリフェニレンエーテル樹脂
JP2009007586A (ja) ポリフェニレンエーテル樹脂の脱色方法及び分子量増大の最小化方法
JP2017179009A (ja) ポリフェニレンエーテルの製造方法
US3586736A (en) Vinyl ether modified polyphenylene oxide
JP2004339342A (ja) 自己架橋性ポリフェニレンエーテル
US3817919A (en) Stabilization of polyphenylene oxides
JP3166355B2 (ja) 粒子径が肥大化されたポリフェニレンエーテル樹脂粉体の製造方法
JP5311717B2 (ja) 多官能性ポリフェニレンエーテルの製造方法
JP5099805B2 (ja) 分子量分布のピークを2個有するポリフェニレンエーテルの製造方法
JP2004339343A (ja) ポリフェニレンエーテル
US5089091A (en) Odor removal from polyphenylene ether resins by steam distillation
EP0594249A2 (en) Process for preparing polyphenylene ethers with a low fines content
US4942222A (en) Method for removing odor components from polyphenylene ether resins with ketone
JP3910896B2 (ja) ポリフェニレンエーテルを製造する方法
JP4799015B2 (ja) ポリフェニレンエーテルの分子量増大方法
JP7021023B2 (ja) ポリフェニレンエーテル樹脂の製造方法
JPH06263870A (ja) ポリフェニレンエーテル樹脂

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20010313

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080406

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090406

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090406

Year of fee payment: 8

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090406

Year of fee payment: 8

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090406

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100406

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110406

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees