JP3125029B2 - 末端が変性されたポリフェニレンエーテル樹脂 - Google Patents
末端が変性されたポリフェニレンエーテル樹脂Info
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Description
エーテル樹脂、およびその製法に関する。更に詳しく
は、ポリフェニレンエーテル樹脂を構成するポリフェニ
レンエーテル鎖が一般式(a)で表される重合末端基を
特定量有し、溶融加工時、特に高温下での低臭気性に優
れた新規なポリフェニレンエーテル樹脂、およびその製
法に関する。
は、一般式(d)
に水素、アルキル基、置換アルキル基、ハロゲン基、ア
リール基、置換アリール基である。)で表されるフェノ
ール類を、金属の塩と各種アミンとの組み合わせからな
る触媒を用いて、酸化重合する方法(特公昭42−31
95号公報、特公昭45−23555号、特開昭64−
33131号公報等)が良く知られている。
アミンをポリフェニレンエーテル樹脂の重合末端である
フェノール性水酸基のオルソ位のベンジル位に結合させ
た構造をポリフェニレンエーテル樹脂が含有する事によ
り、機械的特性等が改善され、かつ色調も優れると言う
ことが示されている。しかし、これらのアミンを用いて
得られたポリフェニレンエーテル樹脂には、溶融操作を
伴う造粒や射出成形時に悪臭を発し、作業環境を著しく
悪化させるという問題があった。悪臭の原因は、ポリフ
ェニレンエーテルの重合末端に一般式(b)
ルキル基、置換アルキル基、ハロゲン基、アリール基、
置換アリール基である。R7 ,R8 は各々独立に水素、
アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリー
ル基を表すが、同時に水素であることはない。)で表さ
れるように、重合に使用されたアミンが化学結合した構
造が一部存在し、これが溶融操作の際に熱分解し揮散さ
れるためであると推定される。
レンエーテル樹脂における悪臭の改善のために、特定の
アミンを用いる方法(特開昭62−131022号公
報)や、特定のアルミナ・シリカ系無機配合剤や、マグ
ネシア・シリカ系無機配合剤を特定の割合で配合する方
法(特開平2−265960号公報)が提案されている
が、いまだ不十分であり、優れた機械的特性や色調を保
持し、かつ溶融操作時に悪臭を発生しないポリフェニレ
ンエーテル樹脂が望まれていた。
(a)
ルキル基、置換アルキル基、ハロゲン基、アリール基、
置換アリール基である。R6 はアルキル基、置換アルキ
ル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アリール基、
置換アリール基である。)で表される末端基を樹脂を構
成するフェニレンエーテルユニットの100単位あたり
に対して平均0.01個以上含有するポリフェニレンエ
ーテル樹脂とすることにより、低臭性に優れたポリフェ
ニレンエーテル樹脂を提供できることを見い出し、本発
明に到った。
一般式(a)の構造末端を持つポリフェニレンエーテル
樹脂の容易に実行し得る製造方法を提供することにあ
る。即ち、本発明は、一般式(b)
したものと同じである。R7 ,R8 は各々独立に水素、
アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリー
ル基を表すが、同時に水素であることはない。)で表さ
れる末端基を樹脂を構成するフェニレンエーテルユニッ
トの100単位あたりに対して平均0.01個以上含有
するポリフェニレンエーテル重合体を一般式(c)
る。)で表される化合物の存在下、100〜250℃の
範囲で加熱処理することを特徴とするポリフェニレンエ
ーテル樹脂の製造方法である。
る重合末端を一般式(c)で表される化合物との反応に
より、一般式(a)で表される重合末端へ、容易にしか
も定量的に変性する事ができる。
おけるポリフェニレンエーテル樹脂とはその末端基を除
き、繰り返し単位としてフェニレンエーテルユニットを
含有するものとして定義され、特に限定はない。その代
表的なものは一般式(e)
に水素、アルキル基、置換アルキル基、ハロゲン基、ア
リール基、置換アリール基である。)で表されるフェニ
レンエーテルユニットからなっている。
独重合体の代表例としては、ポリ(2,6−ジメチル−
1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6
−エチル1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6
−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2
−エチル−6−n−プロピル−1,4−フェニレン)エ
ーテル、ポリ(2,6−ジ−n−プロピル−1,4−フ
ェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−n−ブチ
ル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル
−6−イソプロピル−1,4−フェニレン)エーテル、
ポリ(2−メチル−6−クロロエチル−1,4−フェニ
レン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−ヒドロキシエ
チル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチ
ル−6−クロロエチル−1,4−フェニレン)エーテル
等のホモポリマーが挙げられる。
は、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメ
チルフェノールとの共重合体あるいはo−クレゾールと
の共重合体あるいは2,3,6−トリメチルフェノール
及びo−クレゾールとの共重合体等、ポリフェニレンエ
ーテル構造を主体としてなるポリフェニレンエーテル共
重合体等が挙げられる。
樹脂中には、本発明の主旨に反しない限り、従来ポリフ
ェニレンエーテル樹脂中に存在させてもよいことが提案
されている他の種々のフェニレンエーテルユニットを部
分構造として含んでいても構わない。少量共存させても
よい部分構造として提案されているものの例としては、
特開平1−297428号公報及び特開昭63−301
222号公報に記載されている、2−(ジアルキルアミ
ノメチル)−6−メチルフェニレンエーテルユニット
や、2−(N−アルキル−N−フェニルアミノメチル)
−6−メチルフェニレンエーテルユニット等が挙げられ
る。また、ポリフェニレンエーテル樹脂の主鎖中にジフ
ェノキノン等が少量結合したものも含まれる。
いては、一般式(a)で表される重合末端構造が樹脂を
構成するフェニレンエーテルユニットの100繰り返し
単位あたりに対し平均0.01個以上含有する必要があ
る。一般式(a)で表される重合末端構造が樹脂を構成
するフェニレンエーテルユニットの100繰り返し単位
あたりに対し平均0.01個未満の場合には、溶融操作
を伴う造粒や射出成形によって得られるポリフェニレン
エーテル樹脂の色調が極めて悪くなる。
脂の分子量としては、数平均分子量で1,000〜10
0,000であることが好ましい。より好ましい範囲
は、約6,000〜60,000のものである。本発明
中の数平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマト
グラフィーにより、標準ポリスチレンの検量線を用いて
求めたポリスチレン換算の数平均分子量である。このよ
うな分子量の場合、一般式(a)で表される重合末端構
造は樹脂を構成するフェニレンエーテルユニットの10
0繰り返し単位あたりに対し平均0.1個以上含有する
ことが好ましい。
表される重合末端構造を有するポリフェニレンエーテル
樹脂は、重合末端水酸基のオルソ位に少なくとも一つの
ベンジル位水素を有するフェノール化合物を、金属の塩
と各種アミンとの組み合わせからなる触媒を用いて、酸
化重合する方法(例えば特公昭42−3195号公報、
特公昭45−23555号、特開昭64−33131号
公報等)で得られる。
ルを重合体は、一般式(b)で表される重合末端構造を
有するポリフェニレンエーテル樹脂と、ベンジル位に一
級または二級アミンの結合していない末端構造を有する
ポリフェニレンエーテル樹脂との混合物として得られる
が、本発明においてはこれらを分離することなく用いる
ことができる。
ルユニットの100繰り返し単位あたりに対し一般式
(b)で表される重合末端構造を、これらの平均にして
0.01個以上有するポリフェニレンエーテル樹脂を原
料として用いることができる。
般式(c)で表される化合物とを、100〜250℃の
範囲で加熱処理することによりポリフェニレンエーテル
樹脂の一般式(b)で表される重合末端構造を一般式
(a)で表される重合末端構造へと定量的に変性するこ
とができる。
の例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノ
ール、イソプロパノール、n−ブタノール、クロチルア
ルコール、アリルアルコール等の脂肪族アルコール、フ
ェノール等の芳香族アルコールを挙げることができる。
反応性、操作性、経済性の面から炭素数にして1〜20
個の脂肪族アルコールが望ましい。
表される化合物を含む、ポリフェニレンエーテル樹脂に
対する良溶媒、もしくは貧溶媒、もしくは良溶媒と貧溶
媒の混合溶媒中で、一般式(b)で表される末端基を樹
脂を構成するフェニレンユニットの100単位あたりに
対して平均0.01個以上含有するポリフェニレンエー
テル重合体を、100〜250℃の範囲で加熱処理する
ことによってもポリフェニレンエーテル樹脂の一般式
(b)で表される重合末端構造を一般式(a)で表され
る重合末端構造へと定量的に変性することができる。
レンエーテル樹脂に対する良溶媒、もしくは貧溶媒、も
しくは良溶媒と貧溶媒の混合溶媒のいずれも用いる事が
できる。ポリフェニレンエーテル樹脂に対する良溶媒と
しては、例えば、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロ
ロホルム、1,2−ジクロルエタン、クロルベンゼン、
ジクロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ニトロベン
ゼンの様なニトロ化合物が使用できる。
る貧溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、
n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノー
ル、sec−ブタノール、tert−ブタノール等のア
ルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン
類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルの様なエー
テル類等、さらには水等を使用することができる。更
に、これら良溶媒と貧溶媒の混合溶媒、例えば芳香族炭
化水素とアルコールの混合溶媒等が好ましく用いられ
る。
ている場合には、このアルコール類がそのまま一般式
(c)で表される構造を持つ化合物であるので、目的と
する一般式(a)で表される重合末端構造を所定量有す
るポリフェニレンエーテル樹脂を得るために、対応する
一般式(c)で表される構造を持つアルコールを貧溶媒
として用いればよい。このように基本的に溶媒は、一般
式(b)で表される重合末端構造を所定量有するポリフ
ェニレンエーテル樹脂と、一般式(c)で表される構造
を持つ化合物との反応性、経済性、操作性、安全性の面
から適切に選択されるべきである。
定量有するポリフェニレンエーテル樹脂と一般式(c)
で表される構造を持つ化合物との反応に使用する量は、
一般式(b)で表される重合末端構造の量に対し、一般
式(c)で表される構造を持つ化合物を当量以上用いれ
ば良いが、過剰量で用いても構わない。
表される重合末端構造を所定量有するポリフェニレンエ
ーテル樹脂の濃度は反応混合物に対し0.1〜80wt
%で行うことが好ましく、特に好ましくは5〜30wt
%の範囲である。また、反応混合物中には小量の重合に
使用した触媒や触媒除去、副生成物除去の目的で使用し
た試薬等が含まれていても構わない。
囲で行うことが好ましい。加熱処理する温度が100℃
より低いと実質的に反応は進行せず、また加熱処理する
温度が250℃より高いと副反応が起きるため好ましく
ない。基本的に加熱処理する温度は、加熱処理する容器
形状、反応混合物の混合状態、加熱処理できる時間的制
約等から加熱処理する温度を適切に選択すべきである。
撹拌機能または液循環装置の付いた容器を用いるのが好
ましい。加熱処理を行う時間は加熱処理を行う温度にも
より一概にはいえないが、末端が望みの量変性されるに
十分な時間だけ加熱処理すれば良い。一般的には数分か
ら一時間程度であり、あまり長くしても意味がない。加
熱処理を行う雰囲気は、安全性の面からなるべく不活性
ガス雰囲気で行うことが望ましいが、酸素、空気の存在
下でも反応は定量的に起こる。不活性ガスは一般に窒
素、アルゴン、ヘリウムが使用される。
(a)で表される重合末端構造を特定量有するポリフェ
ニレンエーテル樹脂を得ることができる。加熱終了後、
反応混合物から既知の方法を使用して末端の変性された
ポリフェニレンエーテル樹脂を回収することができる。
更に本発明の方法により一般式(c)で表される化合物
で置換されることにより脱離したアミン類は溶媒中に回
収する事ができる。また、一般式(a)で表される重合
末端構造や一般式(b)で表される重合末端構造の量
は、 1H−核磁気共鳴吸収スペクトルを用いて測定する
ことができる。
ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルついて本発明
を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの例によっ
てなんら制限されるものではない。なお測定は以下の条
件で行った。
0.5%クロロホルム溶液を30℃の条件下でウベロー
デ粘度管を用いて測定し、ηsp/cで表す。 1H
−核磁気共鳴吸収スペクトルは日本電子(株)製のGX
−270でCDCl3 を溶媒として測定し、テトラメチ
ルシランを基準として用いる。
ー・インデックスで定義し以下のように測定する。31
0℃で圧縮成形したポリフェニレンエーテル0.5gを
クロロホルムに溶解し、全量を10mlとし、25℃に
て480nmでの吸光度を測定し、下記式で算出する。
このカラー・インデックスの値は、ポリフェニレンエー
テルの熱酸化の程度を評価する手段として使用され、値
の低い方が加熱によるポリフェニレンエーテルの着色が
少なく色調に優れる事を意味する。
4−33131号公報に記載されている方法に従って、
ジブチルアミンの存在下で2,6−キシレノールを酸化
カップリング重合して製造した。得られたポリフェニレ
ンエーテルの粘度は0.52であった。
た結果、式(f)
が確認された。またこのポリフェニレンエーテルのカラ
ー・インデックスは3.1であった。このポリフェニレ
ンエーテルについて実施例1、3、4および比較例1、
2、3を行った。
からなる混合溶媒を用いて前述のポリフェニレンエーテ
ルの15wt%スラリーを調整した。これを300ml
オートクレーブにて撹拌しながら140℃で40分間加
熱処理を行った。加熱処理終了後室温まで冷却したのち
反応混合物を濾別し、真空下1時間乾燥させた。
た結果、式(f)の末端基に帰属されるシグナルが実質
上 1H−核磁気共鳴吸収スペクトル上から消失し、代わ
りに式(h)
(g)の100個につき0.29個生成したことが4.
53ppmのシグナル面積値から確認された。またこの
ポリフェニレンエーテルのカラー・インデックスは3.
0であった。
り込まれたアミンが実質上ポリフェニレンエーテルから
除去され、末端基が式(h)で示した構造で変性された
ことを示している。
した構造で変性されたポリフェニレンエーテル57重量
部にスチレン系樹脂(旭化成工業(株)製、商品名スタ
イロン)43重量部を配合し、ミキサーで混合した後3
0mm二軸押出機で溶融混練押出を行い、ストランドを
ペレタイザーで切断しペレット状の樹脂組成物を得た。
この溶融混練押出の際、悪臭の発生はほとんど認められ
なかった。
した以外は実施例1と同様に加熱処理を行った。加熱処
理終了後、室温まで冷却したのち、反応混合物の1重量
部に対して3重量部のメタノールを加えてポリフェニレ
ンエーテルを沈澱させ濾別し、真空下1時間乾燥させ
た。
た結果、実施例1と同様に式(f)の末端基に帰属され
るシグナルが実質上 1H−核磁気共鳴吸収スペクトル上
から消失し、代わりに式(h)の末端基が主たる繰り返
し単位である式(g)の100個につき0.26個生成
したことが4.53ppmのシグナル面積値から確認さ
れた。またこのポリフェニレンエーテルのカラー・イン
デックスは2.8であった。
されたポリフェニレンエーテルを用いて実施例2と同様
に溶融混練押出を行い、ストランドをペレタイザーで切
断しペレット状の樹脂組成物を得た。この溶融混練押出
の際、悪臭の発生はほとんど認められなかった。
1と同様に加熱処理を行った。加熱処理終了後、反応混
合物を濾別し、真空下1時間乾燥させた。 1H−核磁気
共鳴吸収スペクトルを測定した結果、実施例1と同様に
式(f)の末端基に帰属されるシグナルが実質上 1H−
核磁気共鳴吸収スペクトル上から消失し、代わりに式
(h)の末端基が主たる繰り返し単位である式(g)の
100個につき0.29個生成したことが4.53pp
mのシグナル面積値から確認された。またこのポリフェ
ニレンエーテルのカラー・インデックスは2.9であっ
た。
されたポリフェニレンエーテルを用いて実施例2と同様
に溶融混練押出を行い、ストランドをペレタイザーで切
断しペレット状の樹脂組成物を得た。この溶融混練押出
の際、悪臭の発生はほとんど認められなかった。
フェニレンエーテルを用いて、実施例2と同様に溶融混
練押出を行い、ストランドをペレタイザーで切断しペレ
ット状の樹脂組成物を得た。この溶融混練押出の際、悪
臭が著しく発生したことが認められた。
と同様に加熱処理を行った。加熱処理終了後、室温まで
冷却したのち、反応混合物の1重量部に対して3重量部
のメタノールを加えてポリフェニレンエーテルを沈澱さ
せ濾別し、真空下1時間乾燥させた。 1H−核磁気共鳴
吸収スペクトルを測定した結果、式(f)の末端基に帰
属される構造は、主たる繰り返し単位である式(g)の
100個につき0.12個に減少していることが確認さ
れた。またこのポリフェニレンエーテルのカラー・イン
デックスは5.1であり極めて色調が悪くなった。
例2と同様に同様に溶融混練押出を行い、ストランドを
ペレタイザーで切断しペレット状の樹脂組成物を得た。
ところがこの溶融混練押出の際、悪臭が著しく発生した
ことが認められた。比較例2は、一般式(c)で表され
る化合物を加えずに加熱処理を行ったために、ポリフェ
ニレンエーテルの色調が悪化し、またポリフェニレンエ
ーテル中からアミンが完全に除去されず、悪臭が発生し
たことを示している。
属される構造が、主たる繰り返し単位である式(g)の
100個につき0.12個に減少していることが確認さ
れたポリフェニレンエーテルの15wt%キシレン溶液
を、加熱処理温度を300℃にして、更に比較例2と同
様に加熱処理を行った。加熱処理終了後、室温まで冷却
したのち、反応混合物の1重量部に対して3重量部のメ
タノールを加えてポリフェニレンエーテルを沈澱させ濾
別し、真空下1時間乾燥させた。
た結果、実施例1と同様に式(f)の末端基に帰属され
るシグナルが実質上 1H−核磁気共鳴吸収スペクトル上
から消失したことが確認されたが、このポリフェニレン
エーテルのカラー・インデックスは6.0であり極めて
色調が悪くなった。
テルからアミンが除去されるものの、本発明による変性
がなされていないために色調が著しく悪化してしまうこ
とを示している。比較例3は加熱処理温度を高くすれば
ポリフェニレンエーテルからアミンが除去されるもの
の、比較例2と同様に本発明による変性がなされていな
いために、色調が著しく悪化してしまうことを示してい
る。
ン含量の多いポリフェニレンエーテル樹脂を末端変性さ
せることにより、実質的にアミン含量の極めて少ないポ
リフェニレンエーテル樹脂へと変性させることができる
ため、溶融操作を伴う加工時において作業環境を損なう
こと無く作業することが可能となり、安全上非常に優れ
たポリフェニレンエーテル樹脂を提供できる。
Claims (4)
- 【請求項1】 一般式(a) 【化1】 (式中、R1 〜R5 は各々独立に水素、アルキル基、置
換アルキル基、ハロゲン基、アリール基、置換アリール
基である。R6 はアルキル基、置換アルキル基、アルケ
ニル基、置換アルケニル基,アリール基、置換アリール
基である。)で表される末端基を樹脂を構成するフェニ
レンエーテルユニットの100単位あたりに対して平均
0.01個以上含有することを特徴とするポリフェニレ
ンエーテル樹脂。 - 【請求項2】 一般式(a)においてR1 ,R3 がメチ
ル基、または水素であり、R4 ,R5 が水素であり、R
2 がメチル基でありR6 が炭素数にして1〜20個を有
するアルキル基もしくは置換アルキル基であることを特
徴とする、請求項1記載のポリフェニレンエーテル樹
脂。 - 【請求項3】 一般式(b) 【化2】 (式中、R1 〜R5 は一般式(a)で定義したものと同
じである。R7 ,R8 は各々独立に水素、アルキル基、
置換アルキル基、アリール基、置換アリール基を表す
が、同時に水素であることはない。)で表される末端基
を樹脂を構成するフェニレンエーテルユニットの100
単位あたりに対して平均0.01個以上含有するポリフ
ェニレンエーテル重合体を一般式(c) 【化3】 (式中R6 は一般式(a)で定義したものと同じであ
る。)で表される化合物の存在下、100〜250℃の
範囲で加熱処理することを特徴とする、請求項1記載の
ポリフェニレンエーテル樹脂の製造方法。 - 【請求項4】 ポリフェニレンエーテル樹脂に対する良
溶媒、もしくは貧溶媒、もしくは良溶媒と貧溶媒の混合
溶媒中で、加熱処理することを特徴とする、請求項3記
載のポリフェニレンエーテル樹脂の製造方法。
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JP03335945A JP3125029B2 (ja) | 1991-11-27 | 1991-11-27 | 末端が変性されたポリフェニレンエーテル樹脂 |
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JP03335945A JP3125029B2 (ja) | 1991-11-27 | 1991-11-27 | 末端が変性されたポリフェニレンエーテル樹脂 |
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1991
- 1991-11-27 JP JP03335945A patent/JP3125029B2/ja not_active Expired - Fee Related
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