JP3125029B2 - 末端が変性されたポリフェニレンエーテル樹脂 - Google Patents

末端が変性されたポリフェニレンエーテル樹脂

Info

Publication number
JP3125029B2
JP3125029B2 JP03335945A JP33594591A JP3125029B2 JP 3125029 B2 JP3125029 B2 JP 3125029B2 JP 03335945 A JP03335945 A JP 03335945A JP 33594591 A JP33594591 A JP 33594591A JP 3125029 B2 JP3125029 B2 JP 3125029B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyphenylene ether
group
general formula
resin
alkyl group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP03335945A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05148357A (ja
Inventor
昭 三井
茂樹 高山
定雄 井部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Corp filed Critical Asahi Kasei Corp
Priority to JP03335945A priority Critical patent/JP3125029B2/ja
Publication of JPH05148357A publication Critical patent/JPH05148357A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3125029B2 publication Critical patent/JP3125029B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyethers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なポリフェニレン
エーテル樹脂、およびその製法に関する。更に詳しく
は、ポリフェニレンエーテル樹脂を構成するポリフェニ
レンエーテル鎖が一般式(a)で表される重合末端基を
特定量有し、溶融加工時、特に高温下での低臭気性に優
れた新規なポリフェニレンエーテル樹脂、およびその製
法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ポリフェニレンエーテル樹脂
は、一般式(d)
【0003】
【化4】
【0004】(式中R1 ,R2 ,R3 ,R9 は各々独立
に水素、アルキル基、置換アルキル基、ハロゲン基、ア
リール基、置換アリール基である。)で表されるフェノ
ール類を、金属の塩と各種アミンとの組み合わせからな
る触媒を用いて、酸化重合する方法(特公昭42−31
95号公報、特公昭45−23555号、特開昭64−
33131号公報等)が良く知られている。
【0005】更に、特開昭52−897号公報では2級
アミンをポリフェニレンエーテル樹脂の重合末端である
フェノール性水酸基のオルソ位のベンジル位に結合させ
た構造をポリフェニレンエーテル樹脂が含有する事によ
り、機械的特性等が改善され、かつ色調も優れると言う
ことが示されている。しかし、これらのアミンを用いて
得られたポリフェニレンエーテル樹脂には、溶融操作を
伴う造粒や射出成形時に悪臭を発し、作業環境を著しく
悪化させるという問題があった。悪臭の原因は、ポリフ
ェニレンエーテルの重合末端に一般式(b)
【0006】
【化5】
【0007】(式中、R1 〜R5 は各々独立に水素、ア
ルキル基、置換アルキル基、ハロゲン基、アリール基、
置換アリール基である。R7 ,R8 は各々独立に水素、
アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリー
ル基を表すが、同時に水素であることはない。)で表さ
れるように、重合に使用されたアミンが化学結合した構
造が一部存在し、これが溶融操作の際に熱分解し揮散さ
れるためであると推定される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このようなポリフェニ
レンエーテル樹脂における悪臭の改善のために、特定の
アミンを用いる方法(特開昭62−131022号公
報)や、特定のアルミナ・シリカ系無機配合剤や、マグ
ネシア・シリカ系無機配合剤を特定の割合で配合する方
法(特開平2−265960号公報)が提案されている
が、いまだ不十分であり、優れた機械的特性や色調を保
持し、かつ溶融操作時に悪臭を発生しないポリフェニレ
ンエーテル樹脂が望まれていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、一般式
(a)
【化6】
【0010】(式中、R1 〜R5 は各々独立に水素、ア
ルキル基、置換アルキル基、ハロゲン基、アリール基、
置換アリール基である。R6 はアルキル基、置換アルキ
ル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アリール基、
置換アリール基である。)で表される末端基を樹脂を構
成するフェニレンエーテルユニットの100単位あたり
に対して平均0.01個以上含有するポリフェニレンエ
ーテル樹脂とすることにより、低臭性に優れたポリフェ
ニレンエーテル樹脂を提供できることを見い出し、本発
明に到った。
【0011】また、本発明のもう一つの目的は、前出の
一般式(a)の構造末端を持つポリフェニレンエーテル
樹脂の容易に実行し得る製造方法を提供することにあ
る。即ち、本発明は、一般式(b)
【0012】
【化7】
【0013】(式中、R1 〜R5 は一般式(a)で定義
したものと同じである。R7 ,R8 は各々独立に水素、
アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリー
ル基を表すが、同時に水素であることはない。)で表さ
れる末端基を樹脂を構成するフェニレンエーテルユニッ
トの100単位あたりに対して平均0.01個以上含有
するポリフェニレンエーテル重合体を一般式(c)
【0014】
【化8】 (式中R6 は一般式(a)で定義したものと同じであ
る。)で表される化合物の存在下、100〜250℃の
範囲で加熱処理することを特徴とするポリフェニレンエ
ーテル樹脂の製造方法である。
【0015】この方法によれば、一般式(b)で表され
る重合末端を一般式(c)で表される化合物との反応に
より、一般式(a)で表される重合末端へ、容易にしか
も定量的に変性する事ができる。
【0016】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に
おけるポリフェニレンエーテル樹脂とはその末端基を除
き、繰り返し単位としてフェニレンエーテルユニットを
含有するものとして定義され、特に限定はない。その代
表的なものは一般式(e)
【0017】
【化9】
【0018】(式中R1 ,R2 ,R3 ,R9 は各々独立
に水素、アルキル基、置換アルキル基、ハロゲン基、ア
リール基、置換アリール基である。)で表されるフェニ
レンエーテルユニットからなっている。
【0019】代表的なポリフェニレンエーテル樹脂の単
独重合体の代表例としては、ポリ(2,6−ジメチル−
1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6
−エチル1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6
−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2
−エチル−6−n−プロピル−1,4−フェニレン)エ
ーテル、ポリ(2,6−ジ−n−プロピル−1,4−フ
ェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−n−ブチ
ル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル
−6−イソプロピル−1,4−フェニレン)エーテル、
ポリ(2−メチル−6−クロロエチル−1,4−フェニ
レン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−ヒドロキシエ
チル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチ
ル−6−クロロエチル−1,4−フェニレン)エーテル
等のホモポリマーが挙げられる。
【0020】ポリフェニレンエーテル共重合体として
は、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメ
チルフェノールとの共重合体あるいはo−クレゾールと
の共重合体あるいは2,3,6−トリメチルフェノール
及びo−クレゾールとの共重合体等、ポリフェニレンエ
ーテル構造を主体としてなるポリフェニレンエーテル共
重合体等が挙げられる。
【0021】また、本発明のポリフェニレンエーテル系
樹脂中には、本発明の主旨に反しない限り、従来ポリフ
ェニレンエーテル樹脂中に存在させてもよいことが提案
されている他の種々のフェニレンエーテルユニットを部
分構造として含んでいても構わない。少量共存させても
よい部分構造として提案されているものの例としては、
特開平1−297428号公報及び特開昭63−301
222号公報に記載されている、2−(ジアルキルアミ
ノメチル)−6−メチルフェニレンエーテルユニット
や、2−(N−アルキル−N−フェニルアミノメチル)
−6−メチルフェニレンエーテルユニット等が挙げられ
る。また、ポリフェニレンエーテル樹脂の主鎖中にジフ
ェノキノン等が少量結合したものも含まれる。
【0022】本発明のポリフェニレンエーテル樹脂にお
いては、一般式(a)で表される重合末端構造が樹脂を
構成するフェニレンエーテルユニットの100繰り返し
単位あたりに対し平均0.01個以上含有する必要があ
る。一般式(a)で表される重合末端構造が樹脂を構成
するフェニレンエーテルユニットの100繰り返し単位
あたりに対し平均0.01個未満の場合には、溶融操作
を伴う造粒や射出成形によって得られるポリフェニレン
エーテル樹脂の色調が極めて悪くなる。
【0023】本発明に用いるポリフェニレンエーテル樹
脂の分子量としては、数平均分子量で1,000〜10
0,000であることが好ましい。より好ましい範囲
は、約6,000〜60,000のものである。本発明
中の数平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマト
グラフィーにより、標準ポリスチレンの検量線を用いて
求めたポリスチレン換算の数平均分子量である。このよ
うな分子量の場合、一般式(a)で表される重合末端構
造は樹脂を構成するフェニレンエーテルユニットの10
0繰り返し単位あたりに対し平均0.1個以上含有する
ことが好ましい。
【0024】本発明の製造方法における一般式(b)で
表される重合末端構造を有するポリフェニレンエーテル
樹脂は、重合末端水酸基のオルソ位に少なくとも一つの
ベンジル位水素を有するフェノール化合物を、金属の塩
と各種アミンとの組み合わせからなる触媒を用いて、酸
化重合する方法(例えば特公昭42−3195号公報、
特公昭45−23555号、特開昭64−33131号
公報等)で得られる。
【0025】この場合、得られるポリフェニレンエーテ
ルを重合体は、一般式(b)で表される重合末端構造を
有するポリフェニレンエーテル樹脂と、ベンジル位に一
級または二級アミンの結合していない末端構造を有する
ポリフェニレンエーテル樹脂との混合物として得られる
が、本発明においてはこれらを分離することなく用いる
ことができる。
【0026】これら混合物において、フェニレンエーテ
ルユニットの100繰り返し単位あたりに対し一般式
(b)で表される重合末端構造を、これらの平均にして
0.01個以上有するポリフェニレンエーテル樹脂を原
料として用いることができる。
【0027】この原料ポリフェニレンエーテル樹脂と一
般式(c)で表される化合物とを、100〜250℃の
範囲で加熱処理することによりポリフェニレンエーテル
樹脂の一般式(b)で表される重合末端構造を一般式
(a)で表される重合末端構造へと定量的に変性するこ
とができる。
【0028】一般式(c)で表される構造を持つ化合物
の例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノ
ール、イソプロパノール、n−ブタノール、クロチルア
ルコール、アリルアルコール等の脂肪族アルコール、フ
ェノール等の芳香族アルコールを挙げることができる。
反応性、操作性、経済性の面から炭素数にして1〜20
個の脂肪族アルコールが望ましい。
【0029】更に、本発明においては、一般式(c)で
表される化合物を含む、ポリフェニレンエーテル樹脂に
対する良溶媒、もしくは貧溶媒、もしくは良溶媒と貧溶
媒の混合溶媒中で、一般式(b)で表される末端基を樹
脂を構成するフェニレンユニットの100単位あたりに
対して平均0.01個以上含有するポリフェニレンエー
テル重合体を、100〜250℃の範囲で加熱処理する
ことによってもポリフェニレンエーテル樹脂の一般式
(b)で表される重合末端構造を一般式(a)で表され
る重合末端構造へと定量的に変性することができる。
【0030】溶媒を使用する製造方法では、ポリフェニ
レンエーテル樹脂に対する良溶媒、もしくは貧溶媒、も
しくは良溶媒と貧溶媒の混合溶媒のいずれも用いる事が
できる。ポリフェニレンエーテル樹脂に対する良溶媒と
しては、例えば、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロ
ロホルム、1,2−ジクロルエタン、クロルベンゼン、
ジクロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ニトロベン
ゼンの様なニトロ化合物が使用できる。
【0031】また、ポリフェニレンエーテル樹脂に対す
る貧溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、
n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノー
ル、sec−ブタノール、tert−ブタノール等のア
ルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン
類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルの様なエー
テル類等、さらには水等を使用することができる。更
に、これら良溶媒と貧溶媒の混合溶媒、例えば芳香族炭
化水素とアルコールの混合溶媒等が好ましく用いられ
る。
【0032】この例のようなアルコール類を溶媒に用い
ている場合には、このアルコール類がそのまま一般式
(c)で表される構造を持つ化合物であるので、目的と
する一般式(a)で表される重合末端構造を所定量有す
るポリフェニレンエーテル樹脂を得るために、対応する
一般式(c)で表される構造を持つアルコールを貧溶媒
として用いればよい。このように基本的に溶媒は、一般
式(b)で表される重合末端構造を所定量有するポリフ
ェニレンエーテル樹脂と、一般式(c)で表される構造
を持つ化合物との反応性、経済性、操作性、安全性の面
から適切に選択されるべきである。
【0033】一般式(b)で表される重合末端構造を所
定量有するポリフェニレンエーテル樹脂と一般式(c)
で表される構造を持つ化合物との反応に使用する量は、
一般式(b)で表される重合末端構造の量に対し、一般
式(c)で表される構造を持つ化合物を当量以上用いれ
ば良いが、過剰量で用いても構わない。
【0034】溶媒を使用する方法では、一般式(b)で
表される重合末端構造を所定量有するポリフェニレンエ
ーテル樹脂の濃度は反応混合物に対し0.1〜80wt
%で行うことが好ましく、特に好ましくは5〜30wt
%の範囲である。また、反応混合物中には小量の重合に
使用した触媒や触媒除去、副生成物除去の目的で使用し
た試薬等が含まれていても構わない。
【0035】加熱処理する温度は100〜250℃の範
囲で行うことが好ましい。加熱処理する温度が100℃
より低いと実質的に反応は進行せず、また加熱処理する
温度が250℃より高いと副反応が起きるため好ましく
ない。基本的に加熱処理する温度は、加熱処理する容器
形状、反応混合物の混合状態、加熱処理できる時間的制
約等から加熱処理する温度を適切に選択すべきである。
【0036】加熱処理は撹拌下で行うことが好ましく、
撹拌機能または液循環装置の付いた容器を用いるのが好
ましい。加熱処理を行う時間は加熱処理を行う温度にも
より一概にはいえないが、末端が望みの量変性されるに
十分な時間だけ加熱処理すれば良い。一般的には数分か
ら一時間程度であり、あまり長くしても意味がない。加
熱処理を行う雰囲気は、安全性の面からなるべく不活性
ガス雰囲気で行うことが望ましいが、酸素、空気の存在
下でも反応は定量的に起こる。不活性ガスは一般に窒
素、アルゴン、ヘリウムが使用される。
【0037】このように加熱処理を行えば、一般式
(a)で表される重合末端構造を特定量有するポリフェ
ニレンエーテル樹脂を得ることができる。加熱終了後、
反応混合物から既知の方法を使用して末端の変性された
ポリフェニレンエーテル樹脂を回収することができる。
更に本発明の方法により一般式(c)で表される化合物
で置換されることにより脱離したアミン類は溶媒中に回
収する事ができる。また、一般式(a)で表される重合
末端構造や一般式(b)で表される重合末端構造の量
は、 1H−核磁気共鳴吸収スペクトルを用いて測定する
ことができる。
【0038】
【実施例】次に、工業的に非常に重要なポリ(2,6−
ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルついて本発明
を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの例によっ
てなんら制限されるものではない。なお測定は以下の条
件で行った。
【0039】 ポリフェニレンエーテルの粘度は、
0.5%クロロホルム溶液を30℃の条件下でウベロー
デ粘度管を用いて測定し、ηsp/cで表す。 1
−核磁気共鳴吸収スペクトルは日本電子(株)製のGX
−270でCDCl3 を溶媒として測定し、テトラメチ
ルシランを基準として用いる。
【0040】 ポリフェニレンエーテルの色調はカラ
ー・インデックスで定義し以下のように測定する。31
0℃で圧縮成形したポリフェニレンエーテル0.5gを
クロロホルムに溶解し、全量を10mlとし、25℃に
て480nmでの吸光度を測定し、下記式で算出する。
このカラー・インデックスの値は、ポリフェニレンエー
テルの熱酸化の程度を評価する手段として使用され、値
の低い方が加熱によるポリフェニレンエーテルの着色が
少なく色調に優れる事を意味する。
【0041】
【数1】 ここで、A480 : 480nmでの吸光度 a : セル長(cm) b : 溶液濃度(g/ml)
【0042】原料のポリフェニレンエーテルは特開昭6
4−33131号公報に記載されている方法に従って、
ジブチルアミンの存在下で2,6−キシレノールを酸化
カップリング重合して製造した。得られたポリフェニレ
ンエーテルの粘度は0.52であった。
【0043】 1H−核磁気共鳴吸収スペクトルを測定し
た結果、式(f)
【化10】 の末端基が主たる繰り返し単位である式(g)
【0044】
【化11】
【0045】の100個につき0.29個存在すること
が確認された。またこのポリフェニレンエーテルのカラ
ー・インデックスは3.1であった。このポリフェニレ
ンエーテルについて実施例1、3、4および比較例1、
2、3を行った。
【0046】
【実施例1】溶媒がキシレン10部、メタノール90部
からなる混合溶媒を用いて前述のポリフェニレンエーテ
ルの15wt%スラリーを調整した。これを300ml
オートクレーブにて撹拌しながら140℃で40分間加
熱処理を行った。加熱処理終了後室温まで冷却したのち
反応混合物を濾別し、真空下1時間乾燥させた。
【0047】 1H−核磁気共鳴吸収スペクトルを測定し
た結果、式(f)の末端基に帰属されるシグナルが実質
1H−核磁気共鳴吸収スペクトル上から消失し、代わ
りに式(h)
【0048】
【化12】
【0049】の末端基が主たる繰り返し単位である式
(g)の100個につき0.29個生成したことが4.
53ppmのシグナル面積値から確認された。またこの
ポリフェニレンエーテルのカラー・インデックスは3.
0であった。
【0050】実施例1はポリフェニレンエーテル中に取
り込まれたアミンが実質上ポリフェニレンエーテルから
除去され、末端基が式(h)で示した構造で変性された
ことを示している。
【0051】
【実施例2】実施例1で製造した末端基が式(h)で示
した構造で変性されたポリフェニレンエーテル57重量
部にスチレン系樹脂(旭化成工業(株)製、商品名スタ
イロン)43重量部を配合し、ミキサーで混合した後3
0mm二軸押出機で溶融混練押出を行い、ストランドを
ペレタイザーで切断しペレット状の樹脂組成物を得た。
この溶融混練押出の際、悪臭の発生はほとんど認められ
なかった。
【0052】
【実施例3】溶媒をトルエン95部、メタノール5部と
した以外は実施例1と同様に加熱処理を行った。加熱処
理終了後、室温まで冷却したのち、反応混合物の1重量
部に対して3重量部のメタノールを加えてポリフェニレ
ンエーテルを沈澱させ濾別し、真空下1時間乾燥させ
た。
【0053】 1H−核磁気共鳴吸収スペクトルを測定し
た結果、実施例1と同様に式(f)の末端基に帰属され
るシグナルが実質上 1H−核磁気共鳴吸収スペクトル上
から消失し、代わりに式(h)の末端基が主たる繰り返
し単位である式(g)の100個につき0.26個生成
したことが4.53ppmのシグナル面積値から確認さ
れた。またこのポリフェニレンエーテルのカラー・イン
デックスは2.8であった。
【0054】この末端基が式(h)で示した構造で変性
されたポリフェニレンエーテルを用いて実施例2と同様
に溶融混練押出を行い、ストランドをペレタイザーで切
断しペレット状の樹脂組成物を得た。この溶融混練押出
の際、悪臭の発生はほとんど認められなかった。
【0055】
【実施例4】溶媒をメタノールのみにした以外は実施例
1と同様に加熱処理を行った。加熱処理終了後、反応混
合物を濾別し、真空下1時間乾燥させた。 1H−核磁気
共鳴吸収スペクトルを測定した結果、実施例1と同様に
式(f)の末端基に帰属されるシグナルが実質上 1H−
核磁気共鳴吸収スペクトル上から消失し、代わりに式
(h)の末端基が主たる繰り返し単位である式(g)の
100個につき0.29個生成したことが4.53pp
mのシグナル面積値から確認された。またこのポリフェ
ニレンエーテルのカラー・インデックスは2.9であっ
た。
【0056】この末端基が式(h)で示した構造で変性
されたポリフェニレンエーテルを用いて実施例2と同様
に溶融混練押出を行い、ストランドをペレタイザーで切
断しペレット状の樹脂組成物を得た。この溶融混練押出
の際、悪臭の発生はほとんど認められなかった。
【0057】
【比較例1】本発明による加熱処理を行わない原料ポリ
フェニレンエーテルを用いて、実施例2と同様に溶融混
練押出を行い、ストランドをペレタイザーで切断しペレ
ット状の樹脂組成物を得た。この溶融混練押出の際、悪
臭が著しく発生したことが認められた。
【0058】
【比較例2】溶媒をキシレンのみにした以外は実施例1
と同様に加熱処理を行った。加熱処理終了後、室温まで
冷却したのち、反応混合物の1重量部に対して3重量部
のメタノールを加えてポリフェニレンエーテルを沈澱さ
せ濾別し、真空下1時間乾燥させた。 1H−核磁気共鳴
吸収スペクトルを測定した結果、式(f)の末端基に帰
属される構造は、主たる繰り返し単位である式(g)の
100個につき0.12個に減少していることが確認さ
れた。またこのポリフェニレンエーテルのカラー・イン
デックスは5.1であり極めて色調が悪くなった。
【0059】このポリフェニレンエーテルを用いて実施
例2と同様に同様に溶融混練押出を行い、ストランドを
ペレタイザーで切断しペレット状の樹脂組成物を得た。
ところがこの溶融混練押出の際、悪臭が著しく発生した
ことが認められた。比較例2は、一般式(c)で表され
る化合物を加えずに加熱処理を行ったために、ポリフェ
ニレンエーテルの色調が悪化し、またポリフェニレンエ
ーテル中からアミンが完全に除去されず、悪臭が発生し
たことを示している。
【0060】
【比較例3】比較例2で得られた式(f)の末端基に帰
属される構造が、主たる繰り返し単位である式(g)の
100個につき0.12個に減少していることが確認さ
れたポリフェニレンエーテルの15wt%キシレン溶液
を、加熱処理温度を300℃にして、更に比較例2と同
様に加熱処理を行った。加熱処理終了後、室温まで冷却
したのち、反応混合物の1重量部に対して3重量部のメ
タノールを加えてポリフェニレンエーテルを沈澱させ濾
別し、真空下1時間乾燥させた。
【0061】 1H−核磁気共鳴吸収スペクトルを測定し
た結果、実施例1と同様に式(f)の末端基に帰属され
るシグナルが実質上 1H−核磁気共鳴吸収スペクトル上
から消失したことが確認されたが、このポリフェニレン
エーテルのカラー・インデックスは6.0であり極めて
色調が悪くなった。
【0062】比較例2と比較例3はポリフェニレンエー
テルからアミンが除去されるものの、本発明による変性
がなされていないために色調が著しく悪化してしまうこ
とを示している。比較例3は加熱処理温度を高くすれば
ポリフェニレンエーテルからアミンが除去されるもの
の、比較例2と同様に本発明による変性がなされていな
いために、色調が著しく悪化してしまうことを示してい
る。
【0063】
【発明の効果】以上に述べたように本発明によればアミ
ン含量の多いポリフェニレンエーテル樹脂を末端変性さ
せることにより、実質的にアミン含量の極めて少ないポ
リフェニレンエーテル樹脂へと変性させることができる
ため、溶融操作を伴う加工時において作業環境を損なう
こと無く作業することが可能となり、安全上非常に優れ
たポリフェニレンエーテル樹脂を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−301222(JP,A) 特開 平1−297428(JP,A) 特開 平3−140361(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 65/00 - 65/48 CA(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(a) 【化1】 (式中、R1 〜R5 は各々独立に水素、アルキル基、置
    換アルキル基、ハロゲン基、アリール基、置換アリール
    基である。R6 はアルキル基、置換アルキル基、アルケ
    ニル基、置換アルケニル基,アリール基、置換アリール
    基である。)で表される末端基を樹脂を構成するフェニ
    レンエーテルユニットの100単位あたりに対して平均
    0.01個以上含有することを特徴とするポリフェニレ
    ンエーテル樹脂。
  2. 【請求項2】 一般式(a)においてR1 ,R3 がメチ
    ル基、または水素であり、R4 ,R5 が水素であり、R
    2 がメチル基でありR6 が炭素数にして1〜20個を有
    するアルキル基もしくは置換アルキル基であることを特
    徴とする、請求項1記載のポリフェニレンエーテル樹
    脂。
  3. 【請求項3】 一般式(b) 【化2】 (式中、R1 〜R5 は一般式(a)で定義したものと同
    じである。R7 ,R8 は各々独立に水素、アルキル基、
    置換アルキル基、アリール基、置換アリール基を表す
    が、同時に水素であることはない。)で表される末端基
    を樹脂を構成するフェニレンエーテルユニットの100
    単位あたりに対して平均0.01個以上含有するポリフ
    ェニレンエーテル重合体を一般式(c) 【化3】 (式中R6 は一般式(a)で定義したものと同じであ
    る。)で表される化合物の存在下、100〜250℃の
    範囲で加熱処理することを特徴とする、請求項1記載の
    ポリフェニレンエーテル樹脂の製造方法。
  4. 【請求項4】 ポリフェニレンエーテル樹脂に対する良
    溶媒、もしくは貧溶媒、もしくは良溶媒と貧溶媒の混合
    溶媒中で、加熱処理することを特徴とする、請求項3記
    載のポリフェニレンエーテル樹脂の製造方法。
JP03335945A 1991-11-27 1991-11-27 末端が変性されたポリフェニレンエーテル樹脂 Expired - Fee Related JP3125029B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03335945A JP3125029B2 (ja) 1991-11-27 1991-11-27 末端が変性されたポリフェニレンエーテル樹脂

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03335945A JP3125029B2 (ja) 1991-11-27 1991-11-27 末端が変性されたポリフェニレンエーテル樹脂

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05148357A JPH05148357A (ja) 1993-06-15
JP3125029B2 true JP3125029B2 (ja) 2001-01-15

Family

ID=18294097

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP03335945A Expired - Fee Related JP3125029B2 (ja) 1991-11-27 1991-11-27 末端が変性されたポリフェニレンエーテル樹脂

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3125029B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2120132A1 (en) * 1992-07-29 1994-02-17 Motonobu Furuta Modified polyphenylene ether, process for preparing the same and thermoplastic resin composition comprising the same
EP0614927A4 (en) * 1992-07-29 1995-02-01 Sumitomo Chemical Co MODIFIED POLYPHENYLENE ETHER, ITS PRODUCTION AND THERMOPLASTIC RESIN COMPOSITION.
JPH10114821A (ja) * 1996-07-30 1998-05-06 General Electric Co <Ge> ポリフェニレンエーテル樹脂の脱色方法
US6841629B1 (en) 2000-04-21 2005-01-11 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Modified polyphenylene ether resin
US7645838B2 (en) 2001-06-29 2010-01-12 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Conjugated non-aromatic diene or dienophilic compound-modified polyphenylene ethers

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05148357A (ja) 1993-06-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3052256B2 (ja) 安定化ポリフェニレンエーテル樹脂とその組成物、フイルム及びその製法
CA1278145C (en) Melt-capped polyphenylene ethers and method of preparation
JP2542152B2 (ja) 熱可塑性シリコ―ン−ポリフェニレンエ―テルブロック共重合体の製造法
JP4007828B2 (ja) 低分子量ポリフェニレンエーテルの製造方法
JPS5941663B2 (ja) 樹脂組成物の製造法
EP0226851B1 (en) Thermoplastic composition of polyphenylene ether, ethylene-methacrylic acid copolymer, and styreneglycidyl methacrylate copolymer
JP4736254B2 (ja) 2官能性フェニレンエーテルのオリゴマー体とその製造法
JP3125029B2 (ja) 末端が変性されたポリフェニレンエーテル樹脂
CA1063761A (en) Solution extrusion of polyphenylene ether compositions
EP0211201B1 (en) Mixtures including polyphenylene ethers and lactams and resinous compositions prepared therefrom
JP2009007586A (ja) ポリフェニレンエーテル樹脂の脱色方法及び分子量増大の最小化方法
JP4108395B2 (ja) ポリフェニレンエーテル
JP5311717B2 (ja) 多官能性ポリフェニレンエーテルの製造方法
US4032512A (en) Process for the preparation of polyphenylene ethers at elevated pressure
JPH10204173A (ja) ポリフェニレンエーテルの改質方法
JP5099805B2 (ja) 分子量分布のピークを2個有するポリフェニレンエーテルの製造方法
EP0226149B1 (en) Process to produce polyphenylene ether blends with rubber modified polystyrene
JP3175869B2 (ja) 長期の被熱による色調悪化が抑制されたポリフェニレンエーテル樹脂の製造方法
JPH1112354A (ja) ポリフェニレンエーテルの製造方法及びその組成物
JP5415133B2 (ja) ポリフェニレンエーテルを製造するための新規な方法
JPH0639526B2 (ja) ブロックポリフェニレンエーテル―ポリカーボネートの製造法
JP3215196B2 (ja) ポリフェニレンエーテルの精製方法
JP3241836B2 (ja) ポリフェニレンエーテルの精製方法
CA2044010A1 (en) Capped polyphenylene ethers
JPH07278293A (ja) ポリフェニレンエーテルの改質方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20000926

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081102

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081102

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091102

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091102

Year of fee payment: 9

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091102

Year of fee payment: 9

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees