JP3174547B2 - 分割型中子 - Google Patents
分割型中子Info
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- JP3174547B2 JP3174547B2 JP34291697A JP34291697A JP3174547B2 JP 3174547 B2 JP3174547 B2 JP 3174547B2 JP 34291697 A JP34291697 A JP 34291697A JP 34291697 A JP34291697 A JP 34291697A JP 3174547 B2 JP3174547 B2 JP 3174547B2
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- Japan
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- Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
- Molds, Cores, And Manufacturing Methods Thereof (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、エルボーやソケ
ット等の樹脂継手を製造する場合に、該継手の中空部成
形用として好適な分割型中子に関するものである。
ット等の樹脂継手を製造する場合に、該継手の中空部成
形用として好適な分割型中子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、一般家庭にガスを供給する末端の
低圧ガス管としては、鋼管や鋳鉄管が使用されてきた
が、最近では、曲げ・伸び等の外圧に強く、耐震性に優
れることから、ポリエチレン製の管材が使用され始めて
いる。この他にも、種々の用途でポリエチレンや塩化ビ
ニル等の合成樹脂製の管材が利用されている。
低圧ガス管としては、鋼管や鋳鉄管が使用されてきた
が、最近では、曲げ・伸び等の外圧に強く、耐震性に優
れることから、ポリエチレン製の管材が使用され始めて
いる。この他にも、種々の用途でポリエチレンや塩化ビ
ニル等の合成樹脂製の管材が利用されている。
【0003】このような合成樹脂製の管材、特にエルボ
ーやソケット等の継手部の製造において注意すべきこと
は、全体をできるだけ均一に、しかも迅速に冷却するこ
とである。というのは、冷却時に温度差があると、反り
や歪みさらにはひけ(凹み)等を生じて寸法精度が低下
するおそれが大きく、また冷却に時間がかかり過ぎると
生産性の低下を招くからである。そこで、エルボーやソ
ケット等の継手を製造する際の中子としては、比較的抜
熱能に優れる鉄製のものが用いられている。
ーやソケット等の継手部の製造において注意すべきこと
は、全体をできるだけ均一に、しかも迅速に冷却するこ
とである。というのは、冷却時に温度差があると、反り
や歪みさらにはひけ(凹み)等を生じて寸法精度が低下
するおそれが大きく、また冷却に時間がかかり過ぎると
生産性の低下を招くからである。そこで、エルボーやソ
ケット等の継手を製造する際の中子としては、比較的抜
熱能に優れる鉄製のものが用いられている。
【0004】ところで、エルボーやソケットを製造する
場合、中空部を成形するために用いる中子は、一体物で
は成形後の除去が不可能なので、2分割あるいは3分割
の分割型として引き抜き除去を容易にしている。実際、
エルボーの製造には2分割型の中子が、またソケットの
製造には3分割型の中子がそれぞれ用いられている。
場合、中空部を成形するために用いる中子は、一体物で
は成形後の除去が不可能なので、2分割あるいは3分割
の分割型として引き抜き除去を容易にしている。実際、
エルボーの製造には2分割型の中子が、またソケットの
製造には3分割型の中子がそれぞれ用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】例えば、エルボーを製
造する場合、中子としては、図1に示すように、エルボ
ーの曲がり部で2分割した左右対象の分割中子1a,1
bが一般的に使用される。ここに、分割中子1a,1b
はそれぞれ、図2(a) に示すように、所定角度θにて押
圧力Pにより作動するが、この時摺動部の加工精度の僅
かな狂いで先端部が点接触となる場合があり、このよう
な場合には押圧力が先端部に集中して「へたり」が発生
する。また、図2(b) に示すように、成形時、射出圧力
によって先端部を支点とするモーメントが発生するた
め、同様に先端部に該圧力が集中して「へたり」が発生
する場合がある。かような「へたり」が発生すると、そ
れに起因して成形品の寸法精度が低下するだけでなく、
「バリ」の発生も懸念される。
造する場合、中子としては、図1に示すように、エルボ
ーの曲がり部で2分割した左右対象の分割中子1a,1
bが一般的に使用される。ここに、分割中子1a,1b
はそれぞれ、図2(a) に示すように、所定角度θにて押
圧力Pにより作動するが、この時摺動部の加工精度の僅
かな狂いで先端部が点接触となる場合があり、このよう
な場合には押圧力が先端部に集中して「へたり」が発生
する。また、図2(b) に示すように、成形時、射出圧力
によって先端部を支点とするモーメントが発生するた
め、同様に先端部に該圧力が集中して「へたり」が発生
する場合がある。かような「へたり」が発生すると、そ
れに起因して成形品の寸法精度が低下するだけでなく、
「バリ」の発生も懸念される。
【0006】この問題の対策としては、中子の素材を、
より強度(硬度)の高いものに変えることが考えられる
けれども、この場合には、抜熱能の面で問題が生じる。
すなわち、上述したとおり、寸法精度および生産能率の
面から、成形後は極力均一かつ迅速に抜熱する必要があ
るが、強度的に優れている材料はいずれも、熱電導率が
低く、従って高抜熱能という中子に要求される基本特性
の面で適合しない。また、従来の鉄製の中子では、抜熱
能を向上させるために内部に冷却流路を設けているが、
かような処置を施してもなお、最近のハイサイクル化に
は十分対応できていないのが現状である。
より強度(硬度)の高いものに変えることが考えられる
けれども、この場合には、抜熱能の面で問題が生じる。
すなわち、上述したとおり、寸法精度および生産能率の
面から、成形後は極力均一かつ迅速に抜熱する必要があ
るが、強度的に優れている材料はいずれも、熱電導率が
低く、従って高抜熱能という中子に要求される基本特性
の面で適合しない。また、従来の鉄製の中子では、抜熱
能を向上させるために内部に冷却流路を設けているが、
かような処置を施してもなお、最近のハイサイクル化に
は十分対応できていないのが現状である。
【0007】この発明は、上記の問題を有利に解決する
もので、抜熱能の低下ひいては生産性の低下を招くこと
なしに、中子接触部のエッジ部におけるへたり等の発生
を効果的に防止して優れた成形品質の継手を得ることが
できる、分割型の鋳型中子を提案することを目的とす
る。
もので、抜熱能の低下ひいては生産性の低下を招くこと
なしに、中子接触部のエッジ部におけるへたり等の発生
を効果的に防止して優れた成形品質の継手を得ることが
できる、分割型の鋳型中子を提案することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】さて、発明者らは、上記
の目的を達成すべく、分割中子の相互接触面に高硬度材
のクラッドを試みたところ、所期した目的の達成に関
し、望外の成果が得られた。また、上記したようなクラ
ッド層の形成に加え、中子の軸芯部に、同じ高硬度材か
らなる芯棒を配置したところ、中子相互の押圧力に対し
てはこの芯棒のみで十分に耐えることができ、従って、
中子本体として、従来は機械的強度や硬度の面から使用
が困難視されていた、汎用銅合金やアルミニウム、亜鉛
等の軟質良熱伝導体の使用も可能になったのである。こ
の発明は、上記の知見に立脚するものである。
の目的を達成すべく、分割中子の相互接触面に高硬度材
のクラッドを試みたところ、所期した目的の達成に関
し、望外の成果が得られた。また、上記したようなクラ
ッド層の形成に加え、中子の軸芯部に、同じ高硬度材か
らなる芯棒を配置したところ、中子相互の押圧力に対し
てはこの芯棒のみで十分に耐えることができ、従って、
中子本体として、従来は機械的強度や硬度の面から使用
が困難視されていた、汎用銅合金やアルミニウム、亜鉛
等の軟質良熱伝導体の使用も可能になったのである。こ
の発明は、上記の知見に立脚するものである。
【0009】すなわち、この発明は、本体が良熱伝導体
からなる分割型中子であって、各分割中子の相互接触面
にそれぞれ高硬度材のクラッド層を設けると共に、各分
割中子の軸芯部にも該クラッド層と一体化した高硬度材
からなる芯棒を配設したことを特徴とする分割型中子で
ある。
からなる分割型中子であって、各分割中子の相互接触面
にそれぞれ高硬度材のクラッド層を設けると共に、各分
割中子の軸芯部にも該クラッド層と一体化した高硬度材
からなる芯棒を配設したことを特徴とする分割型中子で
ある。
【0010】この発明において、中子本体を構成する良
熱伝導体としては、銅、アルミニウムまたは亜鉛、ある
いはそれらの各合金などが有利に適合する。また、クラ
ッド層および芯棒を構成する高硬度材としては HRCが35
以上(好ましくは40以上)のものが望ましく、かような
材料としては、SCM系,SKD系析出硬化型ステンレ
ス(PSL:日立金属(株)のステンレスの商品名)お
よびNAK(大同特殊鋼(株)のプラスチック金型用鋼
の商品名)等が有利に適合する。
熱伝導体としては、銅、アルミニウムまたは亜鉛、ある
いはそれらの各合金などが有利に適合する。また、クラ
ッド層および芯棒を構成する高硬度材としては HRCが35
以上(好ましくは40以上)のものが望ましく、かような
材料としては、SCM系,SKD系析出硬化型ステンレ
ス(PSL:日立金属(株)のステンレスの商品名)お
よびNAK(大同特殊鋼(株)のプラスチック金型用鋼
の商品名)等が有利に適合する。
【0011】さらに、この発明において、中子本体とク
ラッド層および芯棒とを接合する方法としては、鋳ぐる
み法が有利に適合する。というのは、鋳ぐるみ法であれ
ば、本体とクラッド層および芯棒とを密接に一体化でき
るので、境界面における熱伝達の低下がなく、また金属
間腐食等も生じないからである。
ラッド層および芯棒とを接合する方法としては、鋳ぐる
み法が有利に適合する。というのは、鋳ぐるみ法であれ
ば、本体とクラッド層および芯棒とを密接に一体化でき
るので、境界面における熱伝達の低下がなく、また金属
間腐食等も生じないからである。
【0012】またさらに、かような鋳ぐるみ法によって
中子本体とクラッド層とを接合する場合、両者の接合を
より緊密なものにするためには、接合部の外周部に鳩尾
嵌合部を設けることが好ましい。ここに、鳩尾嵌合部の
アンダーカット角αは0°<α≦60°の範囲とすること
が好ましく、また鳩尾嵌合部のクラッド面積(芯棒部を
含む)に対する投影面積は10〜50%程度とすることが望
ましい。
中子本体とクラッド層とを接合する場合、両者の接合を
より緊密なものにするためには、接合部の外周部に鳩尾
嵌合部を設けることが好ましい。ここに、鳩尾嵌合部の
アンダーカット角αは0°<α≦60°の範囲とすること
が好ましく、また鳩尾嵌合部のクラッド面積(芯棒部を
含む)に対する投影面積は10〜50%程度とすることが望
ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明を具体的に説明す
る。図3および図4にそれぞれ、この発明に従うエルボ
ー用およびソケット用の分割型中子を模式(断面)で示
す。エルボー用中子は2分割、またソケット用中子は3
分割したものである。以下、図3に示す、エルボー用中
子を例にとって説明する。
る。図3および図4にそれぞれ、この発明に従うエルボ
ー用およびソケット用の分割型中子を模式(断面)で示
す。エルボー用中子は2分割、またソケット用中子は3
分割したものである。以下、図3に示す、エルボー用中
子を例にとって説明する。
【0014】さて、図3において、構成の骨子は前掲図
1と共通するので同一の番号を付して示し、3a,3b
が高硬度材からなるクラッド層、4a,4bが同じく高
硬度材からなる芯棒である。同図に示したところにおい
て、2分割中子1a,1bは内部冷却5a,5bによ
り、所定の温度(通常10〜40℃)に設定されている。中
子温度を、所定の範囲に設定している理由は、中子温度
があまりに高すぎると取り出し後に変形するおそれが大
きく、また低すぎると生産性の低下を招くだけでなく、
注湯の再接合部にウェルドと呼ばれる成形欠陥が生じる
からである。なお、同図より明らかなように、この発明
に従う分割中子は軸芯部に芯棒が存在しているので、内
部冷却用の冷却水路の形成が容易という利点もある。
1と共通するので同一の番号を付して示し、3a,3b
が高硬度材からなるクラッド層、4a,4bが同じく高
硬度材からなる芯棒である。同図に示したところにおい
て、2分割中子1a,1bは内部冷却5a,5bによ
り、所定の温度(通常10〜40℃)に設定されている。中
子温度を、所定の範囲に設定している理由は、中子温度
があまりに高すぎると取り出し後に変形するおそれが大
きく、また低すぎると生産性の低下を招くだけでなく、
注湯の再接合部にウェルドと呼ばれる成形欠陥が生じる
からである。なお、同図より明らかなように、この発明
に従う分割中子は軸芯部に芯棒が存在しているので、内
部冷却用の冷却水路の形成が容易という利点もある。
【0015】上記の状態で、ポリエチレンや塩化ビニル
等の合成樹脂溶湯を、 160〜230 ℃の温度で供給する
と、従来は、前掲図2に示したように、加工精度不良や
射出圧力の起因して中子先端部に「へたり」が生じるお
それが大きかったのであるが、この発明では接触部が高
硬度材3a,3bでクラッドされているので、かような
おそれはほとんどない。また、中子相互間の押圧力に対
しては、芯棒4a,4bで十分に耐えることができ、従
来以上の高押圧力の付与も可能である。
等の合成樹脂溶湯を、 160〜230 ℃の温度で供給する
と、従来は、前掲図2に示したように、加工精度不良や
射出圧力の起因して中子先端部に「へたり」が生じるお
それが大きかったのであるが、この発明では接触部が高
硬度材3a,3bでクラッドされているので、かような
おそれはほとんどない。また、中子相互間の押圧力に対
しては、芯棒4a,4bで十分に耐えることができ、従
来以上の高押圧力の付与も可能である。
【0016】ここに、高硬度材のクラッド層厚みが、あ
まりに薄いと上記の効果に乏しく、一方厚すぎると抜熱
能が低下して冷却の不均一が生じるので、クラッド層厚
みは0.5 〜10mm程度好ましくは1〜8mm程度とするのが
望ましい。より望ましい厚みは3〜5mmである。また、
芯棒の大きさがあまりに大きすぎると、鋳ぐるみ時のク
ラック、密着不良等の鋳造欠陥が発生するので、芯材と
本体との容積比で芯材は35%以下好ましくは20%以下程
度とするのが望ましい。とはいえ、芯棒の直径があまり
に小さいと中子相互間の押圧力に対する耐力が不足する
ので、芯棒の直径は製品寸法にもよるが、5mm以上好ま
しくは30mm以上とするのが望ましい。
まりに薄いと上記の効果に乏しく、一方厚すぎると抜熱
能が低下して冷却の不均一が生じるので、クラッド層厚
みは0.5 〜10mm程度好ましくは1〜8mm程度とするのが
望ましい。より望ましい厚みは3〜5mmである。また、
芯棒の大きさがあまりに大きすぎると、鋳ぐるみ時のク
ラック、密着不良等の鋳造欠陥が発生するので、芯材と
本体との容積比で芯材は35%以下好ましくは20%以下程
度とするのが望ましい。とはいえ、芯棒の直径があまり
に小さいと中子相互間の押圧力に対する耐力が不足する
ので、芯棒の直径は製品寸法にもよるが、5mm以上好ま
しくは30mm以上とするのが望ましい。
【0017】なお、表1に、種々の良熱伝導材および種
々の高硬化材の熱伝導率、熱膨張係数および硬度を示し
たが、良熱伝導材と高硬度材との熱伝導率および熱膨張
係数の差が表1程度であれば、注湯時における両者の接
合性の面でも抜熱能の面でも特に問題はない。
々の高硬化材の熱伝導率、熱膨張係数および硬度を示し
たが、良熱伝導材と高硬度材との熱伝導率および熱膨張
係数の差が表1程度であれば、注湯時における両者の接
合性の面でも抜熱能の面でも特に問題はない。
【0018】
【表1】
【0019】ところで、この発明において、中子本体と
高硬度材クラッド層との接合部の固着強度を一層高める
ためには、図5に示すように、接合部の外周に沿って複
数個の鳩尾嵌合部6を設けることが好ましい。ここに、
鳩尾嵌合とは、図6(a), (b)および(c) に示すように、
接合する材料のいずれか(この例では高硬度材側)に、
外拡がり状の孔、凹みまたは突起を設けて両者を接合す
るもので、かような鳩尾嵌合部6を設けることにより、
密着度を格段に高めることができる。さらに、図7に
は、鳩尾嵌合部6の変形例をまとめて示す。
高硬度材クラッド層との接合部の固着強度を一層高める
ためには、図5に示すように、接合部の外周に沿って複
数個の鳩尾嵌合部6を設けることが好ましい。ここに、
鳩尾嵌合とは、図6(a), (b)および(c) に示すように、
接合する材料のいずれか(この例では高硬度材側)に、
外拡がり状の孔、凹みまたは突起を設けて両者を接合す
るもので、かような鳩尾嵌合部6を設けることにより、
密着度を格段に高めることができる。さらに、図7に
は、鳩尾嵌合部6の変形例をまとめて示す。
【0020】なお、鳩尾嵌合部6の平面形状は、例えば
図6(a) に示した孔の場合を例にして説明すると、図8
(a) に示すような円形とするのが最適であるが、同図
(b) および(c) に示すような三角形および四角形、さら
には五角形以上の多角形としても何ら差し支えない。
図6(a) に示した孔の場合を例にして説明すると、図8
(a) に示すような円形とするのが最適であるが、同図
(b) および(c) に示すような三角形および四角形、さら
には五角形以上の多角形としても何ら差し支えない。
【0021】さらに、鳩尾嵌合部のアンダーカット角α
(図6参照のこと)は、0°<α≦60°の範囲とするこ
とが好ましい。というのは、アンダーカット角αが0°
またはマイナスでは、鳩尾嵌合部を設けたことによる密
着度の向上効果が得られず、一方60°を超えると湯回り
が悪くなって、強度低下や熱伝導不良を招くからであ
る。より好適なアンダーカット角αは10°<α≦25°で
ある。また、鳩尾嵌合部のクラッド面積(芯棒部を含
む)に対する投影面積比率は10〜50%(好ましくは20〜
30%)程度とすることが望ましい。というのは、投影面
積比率があまりに大きいと熱伝導率の低下を来し、一方
投影面積比率があまりに小さいと鳩尾嵌合部が熱収縮に
よって破壊する危険性が生じるからである。
(図6参照のこと)は、0°<α≦60°の範囲とするこ
とが好ましい。というのは、アンダーカット角αが0°
またはマイナスでは、鳩尾嵌合部を設けたことによる密
着度の向上効果が得られず、一方60°を超えると湯回り
が悪くなって、強度低下や熱伝導不良を招くからであ
る。より好適なアンダーカット角αは10°<α≦25°で
ある。また、鳩尾嵌合部のクラッド面積(芯棒部を含
む)に対する投影面積比率は10〜50%(好ましくは20〜
30%)程度とすることが望ましい。というのは、投影面
積比率があまりに大きいと熱伝導率の低下を来し、一方
投影面積比率があまりに小さいと鳩尾嵌合部が熱収縮に
よって破壊する危険性が生じるからである。
【0022】
【実施例】図3に示したような2分割中子を用いて、下
記に示す条件でエルボー樹脂継手を製造した。 (1) 中子 ・本体素材--- AC4C−T6(Si:7.0 wt%, Mg:0.
35wt%) T6は、溶体化処理後、焼戻したもの。 ・高硬度材--- PSL(HRC:38) (2) エルボー成形体 ・寸法--- 内径:60 mm, 外径:65 mm ・樹脂素材--- 硬質塩化ビニル (3) 鋳造条件 ・射出温度:170 ℃ ・中子設定温度:50 ℃ その結果、湯差し等の欠陥発生のない成形品質の優れた
エルボーを、1個当たり、25秒の生産サイクルで製造す
ることができる。これに対し、従来のような内部冷却型
の鉄製中子を用いて、この発明と同じ25秒の生産サイク
ルでエルボーを製造した場合には、溶融樹脂の固化が不
十分で離型後の変形が大きく、5個当たり1個の割合で
不良品の発生が見られた。
記に示す条件でエルボー樹脂継手を製造した。 (1) 中子 ・本体素材--- AC4C−T6(Si:7.0 wt%, Mg:0.
35wt%) T6は、溶体化処理後、焼戻したもの。 ・高硬度材--- PSL(HRC:38) (2) エルボー成形体 ・寸法--- 内径:60 mm, 外径:65 mm ・樹脂素材--- 硬質塩化ビニル (3) 鋳造条件 ・射出温度:170 ℃ ・中子設定温度:50 ℃ その結果、湯差し等の欠陥発生のない成形品質の優れた
エルボーを、1個当たり、25秒の生産サイクルで製造す
ることができる。これに対し、従来のような内部冷却型
の鉄製中子を用いて、この発明と同じ25秒の生産サイク
ルでエルボーを製造した場合には、溶融樹脂の固化が不
十分で離型後の変形が大きく、5個当たり1個の割合で
不良品の発生が見られた。
【0023】以上、主に、エルボー樹脂継手を2分割中
子を用いて製造する場合について説明したが、ソケット
を3分割中子を用いて製造する場合にも同等の効果が得
られることはいうまでもない。
子を用いて製造する場合について説明したが、ソケット
を3分割中子を用いて製造する場合にも同等の効果が得
られることはいうまでもない。
【0024】
【発明の効果】かくして、この発明に従い、分割型中子
の相互接触面に高硬度材のクラッド層を設けると共に、
分割型中子の軸芯部に同じく高硬度材からなる芯棒を配
設することにより、抜熱能の低下を招くことなしに、中
子接触部における「へたり」の発生を効果的に防止する
ことができ、従って生産サイクルのアップと同時に成形
品質の向上を図ることができる。また、この発明によれ
ば、従来、機械的強度や硬度の面から使用が困難視され
ていた汎用銅合金やアルミニウム、亜鉛など熱伝導性が
一層優れた材料の使用も可能であり、この場合には抜熱
能ひいては生産性の一層の向上を図ることができる。
の相互接触面に高硬度材のクラッド層を設けると共に、
分割型中子の軸芯部に同じく高硬度材からなる芯棒を配
設することにより、抜熱能の低下を招くことなしに、中
子接触部における「へたり」の発生を効果的に防止する
ことができ、従って生産サイクルのアップと同時に成形
品質の向上を図ることができる。また、この発明によれ
ば、従来、機械的強度や硬度の面から使用が困難視され
ていた汎用銅合金やアルミニウム、亜鉛など熱伝導性が
一層優れた材料の使用も可能であり、この場合には抜熱
能ひいては生産性の一層の向上を図ることができる。
【図1】従来のエルボー用2分割中子の配置状態を示し
た図である。
た図である。
【図2】従来の中子を用いた場合の「へたり」の発生状
況を示した図である。
況を示した図である。
【図3】この発明に従うエルボー用の2分割中子の模式
図である。
図である。
【図4】この発明に従うソケット用の3分割中子の模式
図である。
図である。
【図5】接合部の外周に沿って複数個の鳩尾嵌合部を設
けた状態の説明図である。
けた状態の説明図である。
【図6】鳩尾嵌合の説明図である。
【図7】鳩尾嵌合の変形例を示した図である。
【図8】鳩尾嵌合部の好適平面形状を示した図である。
1 分割中子、2 射出口、3 高硬度クラッド層、4
高硬度芯棒、5 内部冷却、6 鳩尾嵌合部
高硬度芯棒、5 内部冷却、6 鳩尾嵌合部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−49029(JP,A) 特開 平4−218630(JP,A) 特開 平2−197542(JP,A) 特開 昭63−192833(JP,A) 特開 平8−336892(JP,A) 特開 平10−230344(JP,A) 実公 平7−27142(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 33/00 - 33/76 B29C 45/26 - 45/44
Claims (7)
- 【請求項1】 本体が良熱伝導体からなる分割型中子で
あって、各分割中子の相互接触面にそれぞれ高硬度材の
クラッド層を設けると共に、各分割中子の軸芯部にも該
クラッド層と一体化した高硬度材からなる芯棒を配設し
たことを特徴とする分割型中子。 - 【請求項2】 請求項1において、中子本体を構成する
良熱伝導体が、銅、アルミニウムまたは亜鉛、あるいは
それらの各合金からなることを特徴とする分割型中子。 - 【請求項3】 請求項1または2において、クラッド層
および芯棒を構成する高硬度材が HRC:35以上のもので
ある分割型中子。 - 【請求項4】 請求項1,2または3において、中子本
体とクラッド層および芯棒とを鋳ぐるみ法により接合し
たことを特徴とする分割型中子。 - 【請求項5】 請求項1,2,3または4において、中
子本体とクラッド層との接合外周部に、鳩尾嵌合部を設
けたことを特徴とする分割型中子。 - 【請求項6】 請求項5において、鳩尾嵌合部のアンダ
ーカット角αが次式 0°<α≦60° の範囲を満足するものである分割型中子。 - 【請求項7】 請求項5または6において、鳩尾嵌合部
の投影面積がクラッド面積(芯棒部を含む)の10〜50%
である分割型中子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34291697A JP3174547B2 (ja) | 1996-12-20 | 1997-12-12 | 分割型中子 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34116196 | 1996-12-20 | ||
JP8-341161 | 1996-12-20 | ||
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