JP2000334554A - ダイカストマシン用プランジャスリーブ - Google Patents

ダイカストマシン用プランジャスリーブ

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JP2000334554A
JP2000334554A JP11146423A JP14642399A JP2000334554A JP 2000334554 A JP2000334554 A JP 2000334554A JP 11146423 A JP11146423 A JP 11146423A JP 14642399 A JP14642399 A JP 14642399A JP 2000334554 A JP2000334554 A JP 2000334554A
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JP
Japan
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inner cylinder
plunger sleeve
cylinder part
cylinder portion
casting machine
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JP11146423A
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English (en)
Inventor
Sakae Takahashi
栄 高橋
Zenichi Mochizuki
善一 望月
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Shibaura Machine Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Machine Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶湯に対する保温性及び耐熱衝撃性を備える
とともに、低いコストで製造することができる二層構造
のダイカストマシン用プランジャスリーブを提供する。 【解決手段】 プランジャスリーブの内筒部1を構成す
る部分を、溶体化処理された析出硬化型ステンレス鋼S
US630を用いて機械加工によって製作する。この内
筒部1を鋳ぐるみ用の鋳型3の中心部にセットし、内筒
部1の外周側にダクタイル鋳鉄FCD600の溶湯を注
入し、内筒部1の外側に外筒部2を鋳造する。これによ
って、内筒部1と外筒部2が冶金的に接合されて一体化
された複合部材が得られる。次に、この複合部材を、プ
ランジャスリーブの形状に機械加工した後、内筒部1に
窒化処理及び時効硬化を施す。最後に、内筒部1の内周
面をホーニングによって仕上げ、プランジャスリーブを
完成させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウムある
いはマグネシウム合金用のダイカストマシンにおいて溶
湯受けと加圧シリンダを兼ねるプランジャスリーブの構
造に係る。
【0002】
【従来の技術】従来、ダイカストマシンにおいて溶湯受
けと加圧シリンダを兼ねるプランジャスリーブには、S
KD61(JIS G 4404)などの熱間金型用合
金工具鋼が使用されていた。
【0003】この様な熱間金型用合金工具鋼は、熱伝導
率が29W/(m・K)と比較的高いので、プランジャ
スリーブ内に充填された溶湯(溶融金属)が急速に冷却
され、特に、プランジャスリーブの内面に接触した溶湯
が短時間で凝固を始める。そのため、プランジャスリー
ブから射出されて金型内に注入された後、溶湯がすぐに
凝固することによって、湯回り不良、湯境いなどの製品
欠陥が発生するという問題があった。特に、溶湯の充填
量が少ない薄肉成形品の製造の際、湯回り不良、湯境
い、充填不良などの製品欠陥が多く発生する傾向にあっ
た。
【0004】この様な問題を解決するために開発された
のが、セラミックス製の内筒部を鋼製あるいは金属製の
外筒部の中に嵌め込むことによって構成した複合構造の
プランジャスリーブである(特開平2−179346号
公報、特開平5−038563号公報)。
【0005】これらのセラミックス製の内筒部は、熱伝
導率が低いので(約20W/(m・K))、溶湯に対す
る保温性に優れ、上記の様な問題が生じにくい。従っ
て、ダイカスト製品の不良率を低減する効果がある。更
に、セラミックス製の内筒部は、アルミニウム溶湯に対
する耐腐食性にも優れているので、溶湯の落下部におい
て侵食が生じにくい。
【0006】しかし、セラミックス製の内筒部は、熱伝
導率が低いという上記の性質のために、溶湯を注いだ時
に溶湯との接触により大きな熱応力が発生し、それによ
って、瞬時に破損すると言う問題があった。
【0007】この様な問題を解決するため、セラミック
ス製の内筒部と鋼製の外筒部の間に応力緩和層を設ける
などの改善がなされているが(特開平5−050204
号公報)、十分な効果は得られていない。これは、熱伝
導率が低く、靭性に乏しく、強度に対する信頼性が低い
と言うセラミックスの基本的な性質に起因する結果であ
り、現状では有効な対策は見出されていない。
【0008】セラミックス製の内筒部を用いたプランジ
ャスリーブのもう一つの欠点は、切削加工が困難なの
で、加工効率の低い研削加工に頼らざるを得ない点にあ
る。このことが、このタイプのプランジャスリーブの製
作コストを引き上げる原因となっている。
【0009】この様なセラミックス製の内筒部を用いた
プランジャスリーブの欠点を補うために開発されたの
が、金属溶湯に対する耐食性を備え且つ熱伝導率が比較
的低い合金鋼(例えば、SUS630、SUS631)
を内筒部に、熱伝導率が比較的高い合金鋼を外筒部に用
いた複合構造のプランジャスリーブである(特願平10
−107756号)。
【0010】このプランジャスリーブは、内筒部を構成
する合金鋼の熱伝導率が、16〜20W/(m・K)と
低く、溶湯に対する保温性に優れているので、湯境い、
湯回り不良、充填不良などの製品不良が発生しにくい。
そのため、製品の不良率を低減することができるという
利点を持っている。
【0011】しかし、このプランジャスリーブは、内筒
部の外側に外筒部を接合する際、熱間静水圧加圧法(あ
るいは、ろう付法)を用いているので、製造コストが高
いと言う問題がある。これは、内筒部を外筒部に対して
嵌め合わせる際、嵌め合わせ部の寸法について高い精度
が要求され、そのために加工費が高くなること、及び熱
間静水圧加圧(あるいは、ろう付)に要する費用が高い
ことに起因している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の様な
従来のダイカストマシン用プランジャスリーブの問題点
に鑑み成されたもので、本発明の目的は、溶湯に対する
保温性及び耐熱衝撃性を備えるとともに、比較的低いコ
ストで製造することができる二層構造のプランジャスリ
ーブを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のダイカストマシ
ン用プランジャスリーブは、300℃における熱伝導率
が、10W/(m・K)以上、25W/(m・K)以下
の金属材料からなる内筒部と、ダクタイル鋳鉄からな
り、前記内筒部に対して冶金的に接合された外筒部と、
を備えたことを特徴とする。
【0014】本発明のダイカストマシン用プランジャス
リーブによれば、内筒部が熱伝導率が低い合金鋼で作ら
れているので、保温性に優れるとともに機械的強度及び
靭性にも優れている。また、外筒部がダクタイル鋳鉄で
作られているので、強度が高く、比較的低コストであ
る。更に、内筒部と外筒部が冶金的に接合されているの
で、プランジャスリーブに溶湯を充填した際、内筒部の
温度が上がり過ぎることもない。
【0015】好ましくは、内筒部は、析出硬化型ステン
レス鋼SUS630またはSUS631(JIS G
4303,1991)で構成される。あるいは、内筒部
は、C:0.1〜0.5wt%、Si:3〜7wt%、
Ni:5〜18wt%、Cr:0.5〜8wt%、残部
が実質的にFeからなる合金鋼で構成される。
【0016】好ましくは、内筒部の内径面には、かじ
り、摩耗、アルミニウム溶湯による溶損の防止等を目的
として窒化処理が施される。
【0017】好ましくは、内筒部の厚さは、1mm以上
5mm以下である。1mm以下の場合には、プランジャ
スリーブによる保温性を期待できない。一方、5mm以
上では、プランジャスリーブからの放熱が妨げられてそ
の温度が上昇し、アルミニウム溶湯との間の反応が進み
易くなり、溶湯の落下部における損傷が増大する。従っ
て、保温性能と放熱性能との兼ね合いから、内筒部の厚
さの範囲としては1〜5mm程度が適当である。なお、
最適な厚さは、溶湯温度、サイクルタイム、溶湯のプラ
ンジャスリーブ内充填率などによって変化する。
【0018】外筒部を内筒部に対して冶金的に接合する
方法として、例えば、前記内筒部をインサートにして、
その外側に鋳ぐるみによって前記外筒部を接合する方法
が有効である。この様に、内筒部と外筒部を鋳造により
一体的に接合することによって、両者を接合する前に外
筒部を機械加工で製作する工程が不要になるので、製造
コストを引き下げることができる。
【0019】なお、この場合、好ましくは、外筒部の鋳
造の前に前記内筒部の外周面にニッケルメッキ、ニッケ
ルリンメッキまたは銅メッキのいずれかを施しておく。
【0020】
【発明の実施の形態】図1から図4を用いて、本発明の
プランジャスリーブの製造方法の一例について説明す
る。
【0021】先ず、プランジャスリーブの内筒部1に該
当する部分を、溶体化処理した析出硬化型ステンレス鋼
SUS630(JIS G 4303,1991)を用
いて、機械加工によって製作した。図1に、機械加工後
の形状及び寸法を示す。次に、この内筒部1の外周面
に、ニッケル・リン(Ni−P)メッキを施した。
【0022】次に、図2に示す鋳ぐるみ用の鋳型3の中
心部にこの内筒部1をセットし、内筒部1をインサート
にしてその外側にダクタイル鋳鉄FCD600(JIS
G5502,1995)の溶湯を注入し、内筒部1の
外側に外筒部2を鋳造した。これによって、内筒部1に
対して外筒部2が冶金的に接合されて一体化された複合
部材が得られた。図3に、その形状及び寸法を示す。
【0023】次に、この複合部材を、図4に示すプラン
ジャスリーブの形状に機械加工した。次に、内筒部1の
内周面に、ガス窒化法を用いて、50℃で60時間、窒
化処理及び時効硬化を施した。この結果、内筒部1のビ
ッカース硬度(Hv)は、内周面で約1000、内部で
約400となった。最後に、内筒部1の内周面をホーニ
ングによって仕上げ、プランジャスリーブを完成させ
た。
【0024】上記の工程によって製作されたプランジャ
スリーブをダイカストマシンに取り付け、マグネシウム
合金で、パーソナルコンピュータのケース(厚さ:約
0.8mm)の鋳造を行った。その結果、従来法(内径
部1と外径部3を熱間静水圧加圧法またはろう付法によ
って接合したもの)で製作されたプランジャスリーブを
用いた場合と同等の製品良品率が得られた。また、プラ
ンジャスリーブの寿命についても、特に差は認められな
かった。また、内筒部1と外筒部2との接合面が剥離す
ることもなかった。
【0025】
【発明の効果】本発明のプランジャスリーブによれば、
溶湯に対する保温性及び耐熱衝撃性に優れたプランジャ
スリーブを、比較的、低コストで製作することができ
る。これにより、ダイカスト製品の歩留まりを向上させ
ると同時に、その製造コストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプランジャスリーブを製造する工程中
で、機械加工によって製作された内筒部の部分の形状及
び寸法の一例を示す図。
【図2】本発明のプランジャスリーブを製造する工程中
で、鋳ぐるみ法によって内筒部の外側に外筒部を形成す
る方法を説明する図。
【図3】本発明のプランジャスリーブを製造する工程中
で、鋳ぐるみ法によって得られた複合部材の形状及び寸
法の一例を示す図。
【図4】本発明のプランジャスリーブの形状及び寸法の
一例を示す図。
【符号の説明】
1・・・内筒部、 2・・・外筒部、 3・・・鋳型。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 300℃における熱伝導率が、10W/
    (m・K)以上、25W/(m・K)以下の金属材料か
    らなる内筒部と、 ダクタイル鋳鉄からなり、前記内筒部に対して冶金的に
    接合された外筒部と、 を備えたことを特徴とするダイカストマシン用プランジ
    ャスリーブ。
  2. 【請求項2】 前記内筒部は、SUS630またはSU
    S631で構成されることを特徴とする請求項1に記載
    のダイカストマシン用プランジャスリーブ。
  3. 【請求項3】 前記内筒部は、C:0.1〜0.5wt
    %、Si:3〜7wt%、Ni:5〜18wt%、C
    r:0.5〜8wt%、残部が実質的にFeからなる合
    金鋼で構成されることを特徴とする請求項1に記載のダ
    イカストマシン用プランジャスリーブ。
  4. 【請求項4】 前記内筒部の内周面に窒化処理が施され
    ていることを特徴とする請求項2または3に記載のダイ
    カストマシン用プランジャスリーブ。
  5. 【請求項5】 前記内筒部の厚さは、1mm以上、5m
    m以下であることを特徴とする請求項1に記載のダイカ
    ストマシン用プランジャスリーブ。
  6. 【請求項6】 前記外筒部は、前記内筒部をインサート
    にしてその外側に鋳ぐるみによって接合されていること
    を特徴とする請求項1に記載のダイカストマシン用プラ
    ンジャスリーブ。
  7. 【請求項7】 前記外筒部は、前記内筒部の外周面にニ
    ッケルメッキ、ニッケルリンメッキまたは銅メッキのい
    ずれかを施した後、鋳ぐるみによって前記内筒部に接合
    されていることを特徴とする請求項6に記載のダイカス
    トマシン用プランジャスリーブ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2013039247A1 (ja) * 2011-09-15 2015-03-26 国立大学法人東北大学 ダイカスト方法及びダイカスト装置ならびにダイカスト品
WO2023112788A1 (ja) * 2021-12-15 2023-06-22 株式会社ファインスティールエンジニアリング 鉄鋳物部品、組み立て部品及び鉄鋳物部品の製造方法

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