JP2001138022A - ダイカストマシン用プランジャスリーブ及びプランジャチップ - Google Patents

ダイカストマシン用プランジャスリーブ及びプランジャチップ

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JP2001138022A
JP2001138022A JP31568099A JP31568099A JP2001138022A JP 2001138022 A JP2001138022 A JP 2001138022A JP 31568099 A JP31568099 A JP 31568099A JP 31568099 A JP31568099 A JP 31568099A JP 2001138022 A JP2001138022 A JP 2001138022A
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plunger sleeve
plunger
less
die casting
sleeve
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JP31568099A
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Inventor
Masayuki Shimada
真幸 島田
Mikiyoshi Miyauchi
幹由 宮内
Takaharu Tashiro
貴晴 田代
Sakae Takahashi
栄 高橋
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Shibaura Machine Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Machine Co Ltd
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  • Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶湯に対する保温性に優れ、且つ、耐摩耗性
に優れたプランジャスリーブ及びプランジャチップを提
供する。 【解決手段】 本発明のプランジャスリーブ10及びプ
ランジャチップ20は、高珪素ステンレス鋼で構成され
る。その組成は、C:0.04wt%以下、Si:2〜
8wt%、Mn:4wt%以下、Ni:2〜10wt
%、Cr:5〜15wt%以下、Mo:2wt%以下で
ある。プランジャスリーブ10は、例えば、以下の工程
により製作される。溶体化処理が施された上記高珪素ス
テンレス鋼を、機械加工で所定の粗形状に加工する。次
いで、浸炭処理を施し、更に、析出硬化処理を施して表
面の硬度を高める。内周面を研削加工によって所定の寸
法に仕上げた後、窒化処理を施す。更に、必要部に研削
加工を施して、プランジャスリーブを完成させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム合金
用またはマグネシウム合金用のダイカストマシンにおい
て使用されるプランジャスリーブあるいはプランジャチ
ップに係り、特に、溶湯に対する保温性の向上、及び寿
命の延長を目的とする材質の選択に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ダイカストマシンにおいて、溶湯受け及
び加圧シリンダを兼ねるプランジャスリーブ、及びプラ
ンジャスリーブ内に充填された溶湯を金型内に送り出す
プランジャチップには、従来、SKD61(JIS G
4404)などの合金工具鋼が使用されている。
【0003】この様な合金工具鋼は、熱伝導率が約29
W/(m・K)と比較的高いので、プランジャスリーブ
内に注入された溶湯が急速に冷却される。特に、プラン
ジャスリーブの内面及びプランジャチップの前面に接す
る部分では、短時間で溶湯が凝固を始める。そのため、
プランジャスリーブから射出され金型内に入った時、溶
湯が直ぐに凝固して、湯まわり不良、湯境いなどの不良
が発生するという問題があった。特に、溶湯の使用量が
少ない薄肉製品を製造する際、湯まわり不良、湯境い、
充填不良などの成形不良が多数発生する傾向にあった。
【0004】この様な問題を解決するために開発された
のが、セラミックス製の内筒部と鉄鋼製あるいは金属製
の外筒部からなる二重構造を備えたプランジャスリーブ
である(特開平2−179346号公報、特開平5−0
38563号公報など)。この様なプランジャスリーブ
の内筒部を構成するセラミックスは、熱伝導率が低いの
で(例えば、20W/(m・K))、プランジャスリー
ブ内に注入された溶湯に対する保温性に優れ、上記の様
な問題は発生しにくい。しかし、セラミックスの低い熱
伝導率に起因して、溶湯の注入時に大きな熱応力が発生
し、その結果、瞬時に破壊することがあるという問題が
ある。
【0005】なお、この様な問題を解決するため、セラ
ミックス製の内筒部と金属製の外筒との間に応力緩和層
を設けるなどの改善策が提案されているが(特開平5−
050204号公報)、十分な効果が得られるまでには
至っていない。
【0006】これらは、熱伝導率が低く、靭性に乏し
く、強度に対する信頼性が低いというセラミックス自体
の性質に起因する結果であり、現状では解決が難しいと
考えられている。
【0007】セラミックス製の内筒部を用いたプランジ
ャスリーブのもう一つの欠点は、切削加工が難しく、加
工効率が低い研削加工に頼らざるを得ない点にある。こ
のことが、プランジャスリーブの製作コストを引き上げ
る要因になっている。
【0008】この様な内筒部をセラミックスで構成した
プランジャスリーブの欠点を補うために開発されたの
が、熱伝導率が低い析出効果系ステンレス鋼(SUS6
30またはSUS631;JIS G 4303)製の
プランジャスリーブである(特願平10−304246
号)。析出効果系ステンレス鋼は、熱伝導率が16〜2
0W/(m・K)と比較的低く、溶湯に対する保温性に
優れているので、プランジャスリーブを析出効果系ステ
ンレス鋼で構成すれば、湯境い、湯まわり不良、充填不
良などの成形不良が発生しにくい。このため、ダイカス
製品の不良率を低減することができる。
【0009】しかし、上記の析出効果系ステンレス鋼
は、従来の代表的な材料であるSKD61材と比べて、
焼入れ後の硬度が低い。このため、析出効果系ステンレ
ス鋼の表面に窒化等の硬化処理を施しても、母材の硬度
が低いために、プランジャチップとの摩擦による摩耗速
度が比較的大きく、寿命が短いという欠点を抱えてい
る。
【0010】更に、上記の析出効果系ステンレス鋼は、
一般の鋼材との摩擦によって凝着が発生し易く、このた
め、プランジャスリーブとプランジャチップの間の摺動
面にカジリが発生し易い。このことも、プランジャスリ
ーブが短寿命となる一因となっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の様な
従来のプランジャスリーブの問題点に鑑み成されたもの
で、本発明の目的は、溶湯に対する保温性に優れ、且
つ、耐摩耗性に優れたプランジャスリーブを提供するこ
とにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のダイカストマシ
ン用プランジャスリーブは、Cが0.04wt%以下、
Siが2wt%以上8wt%以下、Mnが4wt%以
下、Niが2wt%以上10wt%以下、Crが5wt
%以上15wt%以下、Moが2wt%以下、残部が実
質的にFeからなる高珪素ステンレス鋼で構成されたこ
とを特徴とする。
【0013】この高珪素ステンレス鋼は、組成によって
変化するが、300℃における熱伝導率が約20W/
(m・K)と低く、SUS630あるいはセラミックス
と同程度であり、従来の代表的な材料であるSKD61
に比べて低い。因みに、SKD61の熱伝導率は約29
W/(m・K)である。
【0014】本発明で使用する高珪素ステンレス鋼の成
分は、C:0.04wt%以下、Si:2〜8wt%、
Mn:4wt%以下、Ni:2〜10wt%、Cr:5
〜15wt%、Moが2wt%以下、残部がFeであ
る。そこで、各成分元素の機能及びその適正範囲につい
て述べる。
【0015】Cは、耐食性に著しく悪影響を及ぼすので
0.04wt%以下とした。
【0016】Siは時効処理によって微細な金属間化合
物を析出して硬化し、また、Siを添加した合金をプラ
ンジャスリーブなどの摺動部品に使用した場合に焼き付
きを減少させる効果があるが、過度の添加は靭性が低下
するので、2〜8wt%とした。
【0017】Mnは溶湯の脱酸、合金の硬さと靭性の向
上を目的に添加されるが、入れすぎると溶損性に害を及
ぼすので、4wt%以下とした。
【0018】Niはオーステナイトを安定化させ、溶損
性、靭性の付与に重要な元素であるが、一定以上の添加
は効果の向上がないので、2〜10wt%とした。
【0019】Crは、溶損性、耐摩耗性を向上させる
が、入れすぎると溶体化状態での硬さが上昇し加工性が
損なわれるので、5〜15wt%以下とした。
【0020】Moは耐食性、硬さを高め、耐摩耗性を向
上させるが、一定以上の添加は効果の向上がないので、
2wt%以下とした。
【0021】また、この高珪素ステンレス鋼は、析出硬
化処理を施すことによって、硬度をHRC45以上まで
上昇させることができる。因みに、析出効果系ステンレ
ス鋼(SUS630、SUS631)の析出硬化処理後
の硬度の上限は、HRC40程度である。更に、この高
珪素ステンレス鋼は、析出効果系ステンレス鋼と比べて
耐焼付き性に優れ、且つ、析出効果系ステンレス鋼と同
等の耐ヒートクラック性を備えている。
【0022】従って、本発明のダイカストマシン用プラ
ンジャスリーブは、溶湯に対する保温性に優れ、耐摩耗
性に優れ、且つ、プランジャチップとの摺動面において
カジリが発生し難い。このため、本発明のダイカストマ
シン用プランジャスリーブを使用することによって、製
品の欠陥発生率を減少させることができるとともに、プ
ランジャスリーブ自身の寿命を、従来の析出効果系ステ
ンレス鋼製のものと比べて増大させることができる。
【0023】好ましくは、プランジャスリーブの表層部
に、金属窒化物を析出させた窒化層を形成する。あるい
は、プランジャスリーブの表層部に、粒状の金属炭化物
及び金属窒化物を析出させた浸炭窒化層を形成する。
【0024】この様に、プランジャスリーブの表層部に
硬化処理を施すことによって、その耐摩耗性を、更に向
上させることができる。
【0025】好ましくは、プランジャスリーブを、外筒
部及び内筒部からなる二重構造とし、その外筒部を、炭
素鋼または合金鋼によって構成するとともに、内筒部を
上記の高珪素ステンレス鋼で構成する。
【0026】上記の高珪素ステンレス鋼は比較的高価な
ので、この様に、プランジャスリーブを二重構造とし、
内筒部のみを上記の高珪素ステンレスで構成することに
よって、プランジャスリーブの製造コストを引き下げる
ことができる。なお、外筒部には、上記の高珪素ステン
レスと同等の熱膨張率を備えた炭素鋼または合金鋼、例
えば、S25C、S48C、SCM440、SKD11
などを使用することが好ましい。
【0027】プランジャスリーブの保温性は、内筒部の
肉厚の増加に従って増大するが、10mm以上の厚さで
は、ほとんど効果に差が現れない。内筒部の肉厚をこれ
以上増やすことは、コストの点から好ましくないので、
内筒部の肉厚の上限は10mm程度である。一方、内筒
部の肉厚が小さ過ぎては保温効果が現れない。従って、
内筒部の肉厚の下限は2mm程度である。
【0028】なお、この場合にも、好ましくは、内筒部
の内周の表層部を、金属窒化物を析出させた窒化層によ
って構成する。あるいは、内筒部の内周の表層部を、粒
状の金属炭化物及び金属窒化物を析出させた浸炭窒化層
によって構成する。
【0029】なお、内筒部と外筒部を互いに接合して一
体化する際、例えば、焼きばめ、冷やしばめ、溶接肉盛
り、熱間静水圧加工、熱間押出し法などの方法を適用す
ることができる。
【0030】なお、ダイカストマシンのプランジャチッ
プにも、同様に、上記の高珪素ステンレス鋼を使用する
ことができる。
【0031】
【発明の実施の形態】次に、本発明に基づくダイカスト
マシン用プランジャスリーブ及びプランジャチップの例
について説明する。
【0032】[例1]図1に、射出成形機で使用される
射出ユニットの例を示す。図中、10はプランジャスリ
ーブ、20はプランジャチップである。図2にプランジ
ャスリーブの形状を、図3にプランジャチップの形状を
示す。
【0033】上記の形状を備えたプランジャスリーブ及
びプランジャチップを、下記の組成を有する高珪素ステ
ンレス鋼を用いて製作した。
【0034】 C : 0.01wt% Si: 4.2wt% Mn: 1.6wt% Ni: 5.2wt% Cr:11.8wt% Mo: 0.8wt% Fe: 残部 上記のプランジャスリーブを、下記の工程で製作した。
【0035】(a) 溶体化処理が施された高珪素ステンレ
ス鋼を、機械加工により、図1に示した形状に加工し
た。ただし、内周側には研削代(余肉)を残した。
【0036】(b) これに浸炭処理を施して表面に炭素を
拡散させた後、急冷して粒状の炭化物を形成させた。
【0037】(c) 次いで、これに析出硬化処理を施し、
表面の硬度をHRC48まで高めた。
【0038】(d) プランジャスリーブの内周面に研削加
工を施し、所定の寸法に仕上げた。
【0039】(e) 次いで、これに窒化処理を施し、表層
部に窒化物を析出させた。
【0040】(f) 必要部を研削加工によって仕上げ、プ
ランジャスリーブを完成させた。
【0041】プランジャチップの製作は、下記の工程で
行った。
【0042】(a) 溶体化処理が施された高珪素ステンレ
ス鋼を、機械加工により、図2に示した形状に加工し
た。ただし、外周側には研削代(余肉)を残した。
【0043】(c) これに析出硬化処理を施し、表面の硬
度をHRC48まで高めた。
【0044】(d) 外周面を研削加工によって仕上げ、プ
ランジャチップを完成させた。
【0045】以上の様にして製作されたプランジャスリ
ーブ及びプランジャチップをコールドチャンバ型ダイカ
ストマシンに組み込み、マグネシウム合金AZ91D
(JIS)を用いて、パーソナルコンピュータの筐体
(肉厚1mm)を鋳造した。その結果、従来のSKD6
1製のプランジャスリーブ及びプランジャチップを用い
た場合と比較して、下記の効果が認められた。
【0046】(a) プランジャスリーブに供給する溶湯の
温度を、従来の場合と比較して、45℃低く設定するこ
とができた。
【0047】(b) 押し湯(ビスケット)の量を、従来の
場合と比較して、43%減らすことができた。
【0048】(c) 製品の鋳造欠陥が減少し、従来の場合
と比較して、良品率が19%向上した。
【0049】(d) 以上の結果、従来の場合と比較して、
製品1個当りのコストが約8%低下した。
【0050】また、従来のSUS630製のプランジャ
スリーブ及びプランジャチップを用いた場合と比較し
て、下記の効果が認められた。
【0051】(a) 製品の鋳造欠陥が減少し、従来の場合
と比較して、良品率が3%向上した。
【0052】(b) プランジャスリーブの寿命が50%延
び、プランジャチップの寿命が20%延びた。
【0053】(c) 以上の結果、従来の場合と比較して、
製品1個当りのコストが約4%低下した。
【0054】[例2]図4に、本発明に基づく二層構造
を備えたプランジャスリーブの例を示す。図中、11は
外筒部、12は内筒部である。
【0055】このプランジャスリーブを、下記の工程で
製作した。
【0056】(a) 外筒相当部分11aを、クロムモリブ
デン鋼SCM440(JIS G4105)を用いて、
機械加工により、図5に示す形状に加工した。
【0057】(b) 内筒相当部分12aを、溶体化処理が
施された高珪素ステンレス鋼を用いて、機械加工によ
り、図6に示す形状に加工した。なお、この高珪素ステ
ンレス鋼の組成は以下の通りであった。
【0058】C : 0.01wt% Si: 4.2 wt% Mn: 0.8 wt% Ni: 6.1 wt% Cr:11.8 wt% Mo: 0.61wt% Fe: 残部 (c) 内筒相当部分12aに、530℃でガス窒化処理を
施した。
【0059】(d) 次いで、内筒相当部分12aに研削加
工を施し、その外径を、84.2mm±0.02に仕上
げた。
【0060】(e) 外筒相当部分11aを300℃に加熱
した後、その内側に内筒相当部分12a(室温)を挿入
し、次いで、全体を冷却した。この様にして焼きばめに
よって、外筒相当部分11aを内筒相当部分12aの外
側に密着させた。
【0061】(f) 次いで、これに機械加工を施して図4
に示した形状に仕上げ、プランジャスリーブを完成させ
た。
【0062】以上の様にして製作されたプランジャスリ
ーブをコールドチャンバ型ダイカストマシンに組み込
み、マグネシウム合金AZ91D(JIS)を用いて、
パーソナルコンピュータの筐体(肉厚1mm)を鋳造し
た。
【0063】その結果、従来のSKD61製あるいはセ
ラミックス製のプランジャスリーブを用いた場合と比較
して、下記の効果が認められた。
【0064】(a) 従来のSKD61製のプランジャスリ
ーブと比べて、本発明によるプランジャスリーブは、製
作コストが29%高く、寿命はほぼ同等である。しか
し、本発明によるプランジャスリーブは、保温性に優れ
ているので、プランジャスリーブを予熱する必要がな
く、予熱のための燃料コストが発生しない。なお、製品
の不良率はほぼ同等である。以上の結果、製品1個当た
りの製造コストが12%減少した。
【0065】(b) 従来の内筒部をセラミックスで構成し
たプランジャスリーブと比べて、本発明によるプランジ
ャスリーブは、寿命は40%短いが、製作コストは約1
/4である。本発明によるプランジャスリーブは、保温
性に優れているので、セラミックス製のものと同様に予
熱する必要がなく、予熱のための燃料コストが発生しな
い。なお、製品の不良率はほぼ同等である。以上の結
果、従来のセラミックス製のプランジャスリーブと比べ
て、製品1個当たりの製造コストが16%減少した。
【0066】[例3]図7に、本発明に基づく二層構造
を備えたプランジャスリーブの他の例を示す。
【0067】このプランジャスリーブを、下記の工程で
製作した。
【0068】(a) 外筒相当部分11bを、クロムモリブ
デン鋼SCM440(JIS G4105)を用いて、
機械加工により、図8に示す形状に加工した。
【0069】(b) 外筒相当部分11bの内周面に、高珪
素ステンレス鋼からなる溶接棒を用いて溶接肉盛りを行
い、図9に示す形状に、内筒相当部分12bを形成し
た。なお、この高珪素ステンレス鋼からなる溶接棒の組
成は以下の通りであった。
【0070】C : 0.01 wt% Si: 6.0 wt% Mn: 0.18 wt% Ni: 6.8 wt% Cr: 12.6 wt% Mo: 0.92 wt% Fe: 残部 (c) 次いで、これに機械加工を施して図7に示した形状
に仕上げた。
【0071】(d) 最後に、全体に、530℃でガス窒化
処理を施して、プランジャスリーブを完成させた。
【0072】
【発明の効果】本発明によるプランジャスリーブ及びプ
ランジャチップは、溶湯に対する保温性に優れるととも
に、耐摩耗性にも優れ長い寿命を備えている。このた
め、本発明によるプランジャスリーブ、あるいはプラン
ジャスリーブ及びプランジャチップを、ダイカストマシ
ンに使用することによって、従来の素材(合金工具鋼、
析出硬化系ステンレス鋼、セラミックスなど)からなる
部品を使用した場合と比較して、ダイカスト製品の製造
コストを引き下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づくプランジャスリーブ及びプラン
ジャチップから構成される射出ユニットの形状の一例を
示す図。
【図2】プランジャスリーブの形状を示す図。
【図3】プランジャチップの形状を示す図。
【図4】本発明に基づく二層構造を備えたプランジャス
リーブの形状の一例を示す図。
【図5】焼きばめを行う前の外筒相当部分の形状を示す
図。
【図6】焼きばめを行う前の内筒相当部分の形状を示す
図。
【図7】本発明に基づく二層構造を備えたプランジャス
リーブの形状の他の例を示す図。
【図8】内周面に肉盛りを行う前の外筒相当部分の形状
を示す図。
【図9】内周面に肉盛りを行った後の半製品の形状を示
す図。
【符号の説明】
10・・・プランジャスリーブ、 11・・・外筒部、 11a、11b・・・外筒相当部分、 12・・・内筒部、 12a、12b・・・内筒相当部分、 20・・・プランジャチップ。
フロントページの続き (72)発明者 田代 貴晴 静岡県沼津市大岡2068の3 東芝機械株式 会社内 (72)発明者 高橋 栄 静岡県沼津市大岡2068の3 東芝機械株式 会社内 Fターム(参考) 4K028 AA02 AB01 AB06

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Cが0.04wt%以下、Siが2wt
    %以上8wt%以下、Mnが4wt%以下、Niが2w
    t%以上10wt%以下、Crが5wt%以上15wt
    %以下、Moが2wt%以下、残部が実質的にFeから
    なる高珪素ステンレス鋼で構成されたことを特徴とする
    ダイカストマシン用プランジャスリーブ。
  2. 【請求項2】 表層部が、金属窒化物を析出させた窒化
    層によって構成されたことを特徴とする請求項1に記載
    のダイカストマシン用プランジャスリーブ。
  3. 【請求項3】 表層部が、粒状の金属炭化物及び金属窒
    化物を析出させた浸炭窒化層によって構成されたことを
    特徴とする請求項1に記載のダイカストマシン用プラン
    ジャスリーブ。
  4. 【請求項4】 外筒部及び内筒部からなる二重構造を備
    え、 外筒部が、炭素鋼または合金鋼によって構成され、 内筒部が、Cが0.04wt%以下、Siが2wt%以
    上8wt%以下、Mnが4wt%以下、Niが2wt%
    以上10wt%以下、Crが5wt%以上15wt%以
    下、Moが2wt%以下、残部が実質的にFeからなる
    高珪素ステンレス鋼で構成されたことを特徴とするダイ
    カスト用プランジャスリーブ。
  5. 【請求項5】 前記内筒部の肉厚が、2mm以上10m
    m以下であることを特徴とする請求項4に記載のダイカ
    スト用プランジャスリーブ。
  6. 【請求項6】 前記内筒部の内周の表層部が、金属窒化
    物を析出させた窒化層によって構成されたことを特徴と
    する請求項4に記載のダイカスト用プランジャスリー
    ブ。
  7. 【請求項7】 前記内筒部の内周の表層部が、粒状の金
    属炭化物及び金属窒化物を析出させた浸炭窒化層によっ
    て構成されたことを特徴とする請求項4に記載のダイカ
    スト用プランジャスリーブ。
  8. 【請求項8】 前記内筒部の外側に、焼きばめによって
    前記外筒部を密着させたことを特徴とする特徴とする請
    求項4に記載のダイカスト用プランジャスリーブ。
  9. 【請求項9】 前記外筒部の内側に、溶接肉盛りによっ
    て前記内筒部が形成されたことを特徴とする特徴とする
    請求項4に記載のダイカスト用プランジャスリーブ。
  10. 【請求項10】 前記外筒部と前記内筒部が、熱間静水
    圧加工によって一体化されたことを特徴とする特徴とす
    る請求項4に記載のダイカスト用プランジャスリーブ。
  11. 【請求項11】 前記外筒部と前記内筒部が、熱間押出
    し法によって一体化されたことを特徴とする特徴とする
    請求項4に記載のダイカスト用プランジャスリーブ。
  12. 【請求項12】 表面から少なくとも深さ2mmの部分
    は、Cが0.04wt%以下、Siが2wt%以上8w
    t%以下、Mnが4wt%以下、Niが2wt%以上1
    0wt%以下、Crが5wt%以上15wt%以下、M
    oが2wt%以下、残部が実質的にFeからなる高珪素
    ステンレス鋼で構成されたことを特徴とするダイカスト
    マシン用プランジャチップ。
  13. 【請求項13】 表層部が、金属窒化物を析出させた窒
    化層によって構成されたことを特徴とする請求項12に
    記載のダイカストマシン用プランジャチップ。
  14. 【請求項14】 表層部が、粒状の金属炭化物及び金属
    窒化物を析出させた浸炭窒化層によって構成されたこと
    を特徴とする請求項12に記載のダイカストマシン用プ
    ランジャチップ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100869334B1 (ko) 2007-04-26 2008-11-19 학교법인 동의학원 저온 플라즈마 기술을 이용한 스테인리스 스틸침탄질화층의 형성방법
CN103470464A (zh) * 2013-08-27 2013-12-25 深圳市百欧森环保科技开发有限公司 一种高压柱塞水泵
KR101660275B1 (ko) * 2016-03-28 2016-09-27 김영윤 다이캐스팅 머신용 플런저 팁 어셈블리
CN115558887A (zh) * 2022-09-16 2023-01-03 浙江海马传动科技股份有限公司 一种铜钢复合套筒及其制备方法

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