JP2001329348A - ダイカストマシン用部品及びその製造方法 - Google Patents

ダイカストマシン用部品及びその製造方法

Info

Publication number
JP2001329348A
JP2001329348A JP2000148428A JP2000148428A JP2001329348A JP 2001329348 A JP2001329348 A JP 2001329348A JP 2000148428 A JP2000148428 A JP 2000148428A JP 2000148428 A JP2000148428 A JP 2000148428A JP 2001329348 A JP2001329348 A JP 2001329348A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
less
stainless steel
casting machine
die casting
balance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000148428A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazumasa Iyama
和昌 井山
Sakae Takahashi
栄 高橋
Kimitaka Maruyama
公孝 丸山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shibaura Machine Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Machine Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Machine Co Ltd filed Critical Toshiba Machine Co Ltd
Priority to JP2000148428A priority Critical patent/JP2001329348A/ja
Publication of JP2001329348A publication Critical patent/JP2001329348A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Molds, Cores, And Manufacturing Methods Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属の溶湯に対する保温性に優れるととも
に、摺動面の耐摩耗性にも優れた射出スリーブ及びプラ
ンジャチップを提供することにある。 【解決手段】 本発明のダイカストマシン用射出スリー
ブ及びプランジャチップは、C:0.1wt%以下、S
i:2wt%以上6wt%以下、Mn:3wt%以下、
Ni:4wt%以上9wt%以下、Cr:8wt%以上
18wt%以下、Mo:2wt%以下、Cu:0.2w
t%以上4wt%以下、Nb:2wt%以下、残部が実
質的にFeからなる高珪素ステンレス鋼(鍛鋼または鋳
鋼)で構成される。好ましくは、上記組成を有する高珪
素ステンレス鋼の素材に機械加工を行った後、析出硬化
処理を施して母材部分の硬度を45(HRC)以上に増
大させる。なお、表層部に窒化処理を施すことによっ
て、更に、耐摩耗性を改善することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム合金
またはマグネシウム合金などの鋳造に使用されるダイカ
ストマシンに係り、特に、射出スリーブ、プランジャチ
ップ、レードル、貯湯槽またはノズルなど、溶湯と接触
し溶湯に対する保温性が要求されるダイカストマシン用
部品の材質及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ダイカストマシンの射出ユニットは、溶
湯受けと加圧シリンダとを兼ねる射出スリーブ、及び射
出スリーブ内に供給された溶湯を金型内に射出するプラ
ンジャチップによってその主要部分が構成されている。
従来より、射出スリーブ及びプランジャチップには、S
KD61などの合金工具鋼が使用されている。
【0003】SKD61は、熱伝導率が29W/(m・
K)と比較的高いので、金属の溶湯が射出ユニット内に
供給された後、短時間で冷却され、特に、射出スリー
ブ、プランジャチップに接する部分では、溶湯の凝固が
始まる。そのため、射出ユニットから金型内に注入され
た時、溶湯が直ぐに凝固し、湯まわり不良、湯境いなど
が発生すると言う問題が生じていた。特に、溶湯量の少
ない薄肉製品を製造する場合には、湯まわり不良、湯境
い、充填不良などの鋳造欠陥が多数発生する傾向にあっ
た。
【0004】これらの問題を解決するために開発された
のが、鋼鉄製あるいは金属製の外筒の中にセラミックス
製の内筒を嵌め込んだ複合構造からなる射出スリーブで
ある(特開平2−179346号公報、特開平5−03
8563号公報など)。これらセラミックス製の内筒
は、熱伝導率が低い(例えば、20W/(m・K))の
で、射出スリーブ内に供給された溶湯に対する保温性に
優れ、上記のような問題を生じにくい。しかし、熱伝導
率が低いという性質のため、溶湯の供給時にセラミック
ス製の内筒に大きな熱応力が発生し、それによって瞬時
に破壊することがあると言う問題があった。
【0005】これらの点を改善するため、セラミックス
製の内筒と金属製の外筒との間に応力緩和層を設けるな
どの対策(特開平5−050204号公報)が試みられ
ているが、十分な効果を得るまでには至っていない。こ
れらは、熱伝導率が低く、靭性に乏しく、且つ強度に対
する信頼性が低いというセラミックス自体の性質に起因
する結果であり、現状では解決が難しいと考えられる。
【0006】セラミックス製の内筒を用いた射出スリー
ブのもう一つの欠点は、切削加工が難しく、加工能率が
低い研削加工に頼らざるを得ない点にあり、このことが
射出スリーブの製作コストを引き上げる要因となってい
る。
【0007】以上の様なセラミックス製の内筒を用いた
射出スリーブの欠点を補うために開発されたのが、熱伝
導率が比較的低い析出硬化系ステンレス鋼SUS630
(またはSUS631)製の射出スリーブである(特開
平10−304246号公報等)。この射出スリーブ
は、熱伝導率が16〜20W/(m・K)と低く、溶湯
に対する保温性に優れているので、この射出スリーブを
使用した射出ユニットでは、湯境い、湯まわり不良、充
填不良などの鋳造欠陥が発生しにくい。そのためダイカ
スト製品の不良率を減少させることができるという利点
を持っている。
【0008】しかし、SUS630等は、従来の射出ス
リーブ材料であるSKD61材と比べて、焼入れ後の硬
さが低い。そのため、SUS630等の表層部に窒化処
理等の硬化処理を施しても、母材硬さの低さに起因し
て、プランジャチップとの間の摩擦によって摩耗が生じ
易く、短寿命となる欠点を抱えている。また、SUS6
30等は、一般の鋼材などとの摩擦によって凝着が発生
し易く、そのため、SUS630等を使用した射出スリ
ーブではプランジャチップとの摺動面においてカジリが
発生し易く、このことも射出スリーブが短寿命となる一
因となっている。
【0009】以上の他に、コールドチャンバ式のダイカ
ストマシンでは、溶湯を貯湯槽から射出スリーブまで運
ぶレードルに、例えばFC材製の鋳造品が使用され、鋳
造素材を溶解して貯える貯湯槽に、例えばセラミックス
でライニングされたFC材の鋳造品が使用されている。
また、ホットチャンバ式のダイカストマシンでは、溶湯
を貯湯槽からグースネックを介して金型内に送り込むノ
ズル部分に、例えばSKD61製の中空材が使用されて
いる。
【0010】これらのレードル、貯湯槽、ノズルなど
は、熱伝導率が比較的高い材料で作られているので、先
の場合と同様に、溶湯に対する保温性が十分ではなく、
湯まわり不良、湯境い、充填不良などの鋳造欠陥を発生
させる要因となっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来のダイカストマシン用射出スリーブ、プランジャ
チップ、レードルその他の部品の問題点に鑑み成された
もので、本発明の目的は、金属の溶湯に対する保温性に
優れるとともに、摺動面の耐摩耗性にも優れたダイカス
トマシン用部品を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のダイカストマシ
ン用射出スリーブは、C:0.1wt%以下、Si:2
wt%以上6wt%以下、Mn:3wt%以下、Ni:
4wt%以上9wt%以下、Cr:8wt%以上18w
t%以下、Mo:2wt%以下、Cu:0.2wt%以
上4wt%以下、Nb:2wt%以下、残部が実質的に
Feからなる高珪素ステンレス鋼で構成されたことを特
徴とする。
【0013】ここで、上記の高珪素ステンレス鋼には、
鍛鋼及び鋳鋼の両者が含まれる。
【0014】上記の高珪素ステンレス鋼を構成する各成
分元素の役割及びその適正範囲について説明する。
【0015】Cは、耐食性に悪影響を及ぼすので、0.
1wt%以下とした。
【0016】Siは、時効処理によって微細な金属間化
合物を析出して硬化し、また、Siを添加した合金を摺
動部品に使用した場合に焼き付きを減少させる効果があ
るが、過度の添加は靭性の低下を招くので、2〜6%w
t%とした。
【0017】Mnは、溶湯の脱酸、合金の硬さと靭性の
向上を目的に添加することが好ましいが、入れ過ぎると
溶損性に害を及ぼすので、3wt%以下とした。
【0018】Niは、オーステナイトを安定化させ、溶
損性、靭性の付与に重要な元素であるが、一定以上の添
加は効果の向上がないので、4〜9wt%とした。
【0019】Crは、溶損性、耐摩耗性を向上させる
が、入れ過ぎると溶体化状態での硬さが上昇し加工性が
損なわれるので、8〜18wt%以下とした。
【0020】Moは、耐食性、硬さを高め、耐摩耗性を
向上させるため添加することが好ましいが、一定以上の
添加は効果の向上がないので、2wt%以下とした。
【0021】Cuは、耐食性を向上させることで、析出
硬化元素として添加されるが、一定量以上の添加は加工
性に害を及ぼすので、0.2〜4wt%とした。
【0022】Nbは、炭素と結合し易いので、Cr炭化
物の生成を防止する目的で添加することが好ましいが、
入れ過ぎると脆化を促進するので、2wt%以下とし
た。
【0023】上記組成を備えた高珪素ステンレス鋼は、
熱伝導率が約17W/(m・K)(300℃)と比較的
低い。従って、ダイカストマシンにおいて射出スリーブ
を上記の高珪素ステンレスで製作すれば、従来のSKD
61製の射出スリーブと比べて溶湯に対する保温性に優
れているので、鋳造欠陥を減らすことができる。
【0024】更に、上記の高珪素ステンレス鋼は、SU
S630等と比べて耐摩耗性に優れている。従って、ダ
イカストマシンにおいて射出スリーブを上記の高珪素ス
テンレス鋼で製作すれば、摩耗速度が減るとともにカジ
リが発生しにくくなるので、その寿命を増大させること
ができる。
【0025】好ましくは、本発明のダイカストマシン用
射出スリーブを次の様な方法で製造する。即ち、上記組
成を有する高珪素ステンレス鋼の素材に機械加工を行っ
た後、析出硬化処理を施して母材部分の硬度を45(H
RC)以上に増大させる。因みに、SUS630等の析
出硬化系ステンレス鋼の硬化処理後の硬さは40(HR
C)程度が上限である。
【0026】なお、表層部に窒化処理を施すことによっ
て、更に、耐摩耗性を増大させることができる。上記の
析出硬化処理は、この窒化処理の際に同時に行うことも
できる。
【0027】また、上記のように、ダイカストマシン用
射出スリーブの形状を機械加工によって形成する代わり
に、鋳造によって形成することもできる。
【0028】上記の高珪素ステンレス鋼の鋳造品は、量
産することによって(例えば、5本以上)製造コストが
鍛造品よりも低くなる。従って、ダイカストマシン用射
出スリーブの製造コストを引き下げることができる。こ
れに加えて、上記の高珪素ステンレス鋼は、鋳造の際の
流動性が一般のステンレス鋳鋼(SCS24)よりも優
れているので、鋳造欠陥が発生しにくい。鋳鋼は、鍛鋼
と比較すると、強度及び靭性が若干劣るが、他の性能に
ついてはほとんど変わらず、実用上差し支えない。
【0029】鋳造品から製作する場合にも、好ましく
は、析出硬化処理を施して母材部分の硬度を45(HR
C)以上に増大させる。また、機械加工の場合と同様
に、表層部に窒化処理を施すことによって、更に、耐摩
耗性を増大させることができる。上記の析出硬化処理
は、この窒化処理の際に同時に行うこともできる。
【0030】なお、上記組成を有する高珪素ステンレス
鋼及び上記の製造方法は、射出スリーブの他に、プラン
ジャチップにも同様に適用することができる。また、上
記の高珪素ステンレス鋼の鋳造品は、コールドチャンバ
式ダイカストマシン用のレードル及び貯湯槽、ホットチ
ャンバ式ダイカストマシン用のノズル及び貯湯槽など、
溶湯に対する保温性が要求される各種部品に同様に適用
することができる。更に、上記の高珪素ステンレス鋼の
鋳造品は、ダイカストマシン用の金型にも適用すること
ができる。この場合には、好ましくは、母材部分の硬度
を45(HRC)以上とし、表層部に焼入層を形成す
る。
【0031】
【発明の実施の形態】(例1)高珪素ステンレス鋼を用
いて、射出スリーブ及びプランジャチップを製作し、そ
れらを組み合わせてダイカストマシン用の射出ユニット
を製作した。図1に射出スリーブ1の形状を、図2にプ
ランジャチップ2の形状を示す。図3に、これらを組み
合わせることによって構成される射出ユニットの形状を
示す。
【0032】この例で使用された高珪素ステンレス鋼の
化学組成は、下記の通りであった:C:0.01wt
%、Si:3.7wt%、Mn:1.1wt%、Ni:
5.9wt%、Cr:11.3wt%、Mo:0.5w
t%、Cu:1.0wt%、Nb:0.3wt%、F
e:残部。
【0033】射出スリーブ1の製作工程は、以下の通り
であった。
【0034】(イ)溶体化処理が施された上記の高珪素
ステンレス鋼材を、機械加工により図1の形状にする。
但し、内径部には研削代(余肉)を残す。
【0035】(ロ)これに析出硬化処置を施して、硬さ
を48(HRC)に増大させる。
【0036】(ハ)射出スリーブ2の内径部に研削加工
を施した後、窒化処理を施して、表面に窒化物及び窒素
の拡散層を形成させる。
【0037】(二)必要部に研削仕上げを施して、射出
スリーブを完成させる。
【0038】一方、プランジャチップの製作工程は、以
下の通りであった。
【0039】(イ)溶体化処理が施された上記の高珪素
ステンレス鋼材を、機械加工により図2の形状にする。
但し、外径部には研削代(余肉)を残す。
【0040】(ロ)これに析出硬化処置を施して、硬さ
を48(HRC)に増大させる。
【0041】(ハ)プランジャチップの外径部を研削加
工によって仕上げた後、窒化処理を施し、表面に窒化物
及び窒素の拡散層を形成させて、プランジャチップを完
成させる。
【0042】以上の様な方法によって製作された射出ス
リーブ及びプランジャチップから構成される射出ユニッ
トを、コールドチャンバ型ダイカストマシンに装着し、
マグネシウム合金AZ91Dを用いてパーソナルコンピ
ュータの筺体(肉厚1mm)の鋳造を行った。その結
果、従来のSKD61製の射出スリーブ及びプランジャ
チップから構成される射出ユニット、あるいは、SUS
630製射出スリーブ及びSKD61製プランジャチッ
プから構成される射出ユニットと比較して、それぞれ下
記のような利点が認められた。
【0043】(イ)SKD61製射出ユニットとの比
較:溶湯に対する保温性が改善された結果、射出スリー
ブ内に供給する溶湯の温度を、従来の射出ユニットを使
用した場合と比較して、30℃低くすることができた。
これに伴い、ダイカスト製品の鋳造欠陥が減少し、従来
の射出ユニットを使用した場合と比較して、良品率が2
0%向上した。
【0044】(ロ)SUS630製射出スリーブ及びS
KD61製プランジャチップにより構成される射出ユニ
ットとの比較:耐摩耗性及び耐カジリ性が改善された結
果、射出スリーブの寿命を50%、プランジャチップの
寿命を20%、それぞれ向上させることができた。
【0045】前述した実施の形態では、先に析出硬化処
理を行い、次に窒化処理を施しているが、析出硬化処理
と窒化処理は処理温度が同じ範囲に入っているので、窒
化処理を施しながら同時に析出硬化処理を行うことも可
能である。
【0046】(例2)高珪素ステンレス鋼の鋳造品を用
いて、下記の手順で射出スリーブを製作した。図4に射
出スリーブ20の形状を示す。
【0047】この例で使用された高珪素ステンレス鋼の
化学組成は、下記の通りであった:C:0.01wt
%、Si:3.7wt%、Mn:1.1wt%、Ni:
5.9wt%、Cr:11.3wt%、Mo:0.5w
t%、Cu:1.0wt%、Nb:0.3wt%、F
e:残部。
【0048】(イ)図5に示す様に、鋳型(砂型)21
の中に中子22を配置した後、鋳型21の上端の開口部
を押え板23で塞ぐ。
【0049】(ロ)誘導加熱炉を用いて、温度1500
℃で、上記組成の高珪素ステンレス鋼を溶解する。
【0050】(ハ)図6に示す様に、溶湯を、鋳型21
の中に注入する。
【0051】(ニ)溶湯が凝固した後、鋳型21を解体
して鋳造品25を取り出す。
【0052】(ホ)鋳造品25に機械加工を施し、射出
スリーブ20の形状(図4)に加工する。但し、内径部
には研削代(余肉)を残す。
【0053】(ヘ)射出スリーブ20に析出硬化処置を
施して、硬さを45(HRC)に増大させる。
【0054】(ト)射出スリーブ20に窒化処理を施
す。
【0055】(チ)必要部に研削仕上げを施して、射出
スリーブ20を完成させる。
【0056】(例3)高珪素ステンレス鋼の鋳造品を用
いて、下記の手順でコールドチャンバ式ダイカストマシ
ン用のレードルを製作した。図7にレードル30の概略
形状を示す。なお、この例で使用された高珪素ステンレ
ス鋼の化学組成は、例2で示したものと同一である (イ)図8に示す様に、鋳型(砂型)31の中に中子3
2を配置する。なお、この鋳型31は、上型31a及び
下型31bから構成されている。
【0057】(ロ)誘導加熱炉を用いて、温度1500
℃で、上記組成の高珪素ステンレス鋼を溶解する。
【0058】(ハ)図9に示す様に、溶湯を、鋳型31
の中に注入する。
【0059】(ニ)溶湯が凝固した後、鋳型31を解体
して鋳造品35を取り出す。
【0060】(ホ)鋳造品35の必要部分に機械加工を
施して、レードル30を完成させる。
【0061】
【発明の効果】本発明に基づく高珪素ステンレス鋼製の
射出スリーブ及びプランジャチップを、ダイカストマシ
ンの射出ユニットに使用することによって、鋳造欠陥の
発生を減少させるとともに、射出スリーブ及びプランジ
ャチップの寿命を増大させることができる。
【0062】なお、溶湯に対する保温性に関しては、特
に射出スリーブ側の材質の影響が大きいので、射出スリ
ーブのみを上記の高珪素ステンレス鋼で製作し、プラン
ジャチップは従来と同じ合金工具鋼(例えば、SKD6
1)で製作しても、相当な効果が得られる。
【0063】本発明に基づく高珪素ステンレス鋼製のレ
ードルは、従来の鋳鉄製(FC250)のものと比べて
保温性に優れ、従来のセラミックス製(窒化珪素)のも
のと比べて大幅に製造コストが低い。本発明に基づくレ
ードル、貯湯槽、ノズルなどをダイカストマシンに使用
することによって、鋳造欠陥の発生を減らすことができ
る。
【0064】また、本発明に基づく金型によれば、金型
へ充填された溶湯の初期段階の凝固を遅らせることがで
きるので、鋳造欠陥の発生を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づくダイカストマシン用射出スリー
ブの形状の一例を示す図。
【図2】本発明に基づくダイカストマシン用プランジャ
チップの形状の一例を示す図。
【図3】本発明に基づくダイカストマシン用射出ユニッ
トの形状の一例を示す図。
【図4】本発明に基づくダイカストマシン用射出スリー
ブの形状の他の例を示す図。
【図5】本発明に基づくダイカストマシン用射出スリー
ブの鋳造に使用される鋳型の一例を示す図。
【図6】本発明に基づくダイカストマシン用射出スリー
ブの鋳造方法について説明する図。
【図7】本発明に基づくダイカストマシン用レードルの
形状の一例を示す図。
【図8】本発明に基づくダイカストマシン用レードルの
鋳造に使用される鋳型の一例を示す図。
【図9】本発明に基づくダイカストマシン用レードルの
鋳造方法について説明する図。
【符号の説明】
1・・・射出スリーブ、 2・・・プランジャチップ、 20・・・射出スリーブ、 21・・・鋳型、 22・・・中子、 23・・・押え板、 25・・・鋳造品、 30・・・レードル、 31・・・鋳型、 32・・・中子、 35・・・鋳造品。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B22D 17/20 B22D 17/20 G Z 17/22 17/22 Q C21D 1/06 C21D 1/06 A 6/00 102 6/00 102R 6/02 6/02 C22C 38/58 C22C 38/58 (72)発明者 丸山 公孝 静岡県沼津市大岡2068の3 東芝機械株式 会社内 Fターム(参考) 4E093 NA01 NB09 PA06

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C:0.1wt%以下、Si:2wt%
    以上6wt%以下、Mn:3wt%以下、Ni:4wt
    %以上9wt%以下、Cr:8wt%以上18wt%以
    下、Mo:2wt%以下、Cu:0.2wt%以上4w
    t%以下、Nb:2wt%以下、残部が実質的にFeか
    らなる高珪素ステンレス鋼で構成されたダイカストマシ
    ン用射出スリーブ。
  2. 【請求項2】 母材部分の硬度が45(HRC)以上で
    あり、表層部に窒化処理層が形成されていることを特徴
    とする請求項1に記載のダイカストマシン用射出スリー
    ブ。
  3. 【請求項3】 C:0.1wt%以下、Si:2wt%
    以上6wt%以下、Mn:3wt%以下、Ni:4wt
    %以上9wt%以下、Cr:8wt%以上18wt%以
    下、Mo:2wt%以下、Cu:0.2wt%以上4w
    t%以下、Nb:2wt%以下、残部が実質的にFeか
    らなる高珪素ステンレス鋼の素材に、機械加工を行った
    後、析出硬化処理を施して母材部分の硬度を増大させ、
    次いで、表層部に窒化処理を施すことを特徴とするダイ
    カストマシン用射出スリーブの製造方法。
  4. 【請求項4】 C:0.1wt%以下、Si:2wt%
    以上6wt%以下、Mn:3wt%以下、Ni:4wt
    %以上9wt%以下、Cr:8wt%以上18wt%以
    下、Mo:2wt%以下、Cu:0.2wt%以上4w
    t%以下、Nb:2wt%以下、残部が実質的にFeか
    らなる高珪素ステンレス鋼の素材に、機械加工を行った
    後、窒化処理を施して表層部に窒化処理層を形成すると
    同時に、析出硬化処理を施すことを特徴とするダイカス
    トマシン用射出スリーブの製造方法。
  5. 【請求項5】 C:0.1wt%以下、Si:2wt%
    以上6wt%以下、Mn:3wt%以下、Ni:4wt
    %以上9wt%以下、Cr:8wt%以上18wt%以
    下、Mo:2wt%以下、Cu:0.2wt%以上4w
    t%以下、Nb:2wt%以下、残部が実質的にFeか
    らなる高珪素ステンレス鋼の鋳造品に、析出硬化処理を
    施して母材部分の硬度を増大させ、次いで、表層部に窒
    化処理を施すことを特徴とするダイカストマシン用射出
    スリーブの製造方法。
  6. 【請求項6】 C:0.1wt%以下、Si:2wt%
    以上6wt%以下、Mn:3wt%以下、Ni:4wt
    %以上9wt%以下、Cr:8wt%以上18wt%以
    下、Mo:2wt%以下、Cu:0.2wt%以上4w
    t%以下、Nb:2wt%以下、残部が実質的にFeか
    らなる高珪素ステンレス鋼の鋳造品に、窒化処理を施し
    て表層部に窒化処理層を形成すると同時に、析出硬化処
    理を施すことを特徴とするダイカストマシン用射出スリ
    ーブの製造方法。
  7. 【請求項7】 C:0.1wt%以下、Si:2wt%
    以上6wt%以下、Mn:3wt%以下、Ni:4wt
    %以上9wt%以下、Cr:8wt%以上18wt%以
    下、Mo:2wt%以下、Cu:0.2wt%以上4w
    t%以下、Nb:2wt%以下、残部が実質的にFeか
    らなる高珪素ステンレス鋼で構成されたダイカストマシ
    ン用プランジャチップ。
  8. 【請求項8】 母材部分の硬度が45(HRC)以上で
    あり、表層部に窒化処理層が形成されていることを特徴
    とする請求項7に記載のダイカストマシン用プランジャ
    チップ。
  9. 【請求項9】 C:0.1wt%以下、Si:2wt%
    以上6wt%以下、Mn:3wt%以下、Ni:4wt
    %以上9wt%以下、Cr:8wt%以上18wt%以
    下、Mo:2wt%以下、Cu:0.2wt%以上4w
    t%以下、Nb:2wt%以下、残部が実質的にFeか
    らなる高珪素ステンレス鋼の素材に、機械加工を行った
    後、析出硬化処理を施して母材部分の硬度を増大させ、
    次いで、表層部に窒化処理を施すことを特徴とするダイ
    カストマシン用プランジャチップの製造方法。
  10. 【請求項10】 C:0.1wt%以下、Si:2wt
    %以上6wt%以下、Mn:3wt%以下、Ni:4w
    t%以上9wt%以下、Cr:8wt%以上18wt%
    以下、Mo:2wt%以下、Cu:0.2wt%以上4
    wt%以下、Nb:2wt%以下、残部が実質的にFe
    からなる高珪素ステンレス鋼の素材に、機械加工を行っ
    た後、窒化処理を施して表層部に窒化処理層を形成する
    と同時に、析出硬化処理を施すことを特徴とするダイカ
    ストマシン用プランジャチップの製造方法。
  11. 【請求項11】 C:0.1wt%以下、Si:2wt
    %以上6wt%以下、Mn:3wt%以下、Ni:4w
    t%以上9wt%以下、Cr:8wt%以上18wt%
    以下、Mo:2wt%以下、Cu:0.2wt%以上4
    wt%以下、Nb:2wt%以下、残部が実質的にFe
    からなる高珪素ステンレス鋼の鋳造品に、析出硬化処理
    を施して母材部分の硬度を増大させ、次いで、表層部に
    窒化処理を施すことを特徴とするダイカストマシン用プ
    ランジャチップの製造方法。
  12. 【請求項12】 C:0.1wt%以下、Si:2wt
    %以上6wt%以下、Mn:3wt%以下、Ni:4w
    t%以上9wt%以下、Cr:8wt%以上18wt%
    以下、Mo:2wt%以下、Cu:0.2wt%以上4
    wt%以下、Nb:2wt%以下、残部が実質的にFe
    からなる高珪素ステンレス鋼の鋳造品に、窒化処理を施
    して表層部に窒化処理層を形成すると同時に、析出硬化
    処理を施すことを特徴とするダイカストマシン用プラン
    ジャチップの製造方法。
  13. 【請求項13】 C:0.1wt%以下、Si:2wt
    %以上6wt%以下、Mn:3wt%以下、Ni:4w
    t%以上9wt%以下、Cr:8wt%以上18wt%
    以下、Mo:2wt%以下、Cu:0.2wt%以上4
    wt%以下、Nb:2wt%以下、残部が実質的にFe
    からなる高珪素ステンレス鋼で構成されたダイカストマ
    シン用レードル。
  14. 【請求項14】 C:0.1wt%以下、Si:2wt
    %以上6wt%以下、Mn:3wt%以下、Ni:4w
    t%以上9wt%以下、Cr:8wt%以上18wt%
    以下、Mo:2wt%以下、Cu:0.2wt%以上4
    wt%以下、Nb:2wt%以下、残部が実質的にFe
    からなる高珪素ステンレス鋼で構成されたダイカストマ
    シン用貯湯槽。
  15. 【請求項15】 C:0.1wt%以下、Si:2wt
    %以上6wt%以下、Mn:3wt%以下、Ni:4w
    t%以上9wt%以下、Cr:8wt%以上18wt%
    以下、Mo:2wt%以下、Cu:0.2wt%以上4
    wt%以下、Nb:2wt%以下、残部が実質的にFe
    からなる高珪素ステンレス鋼で構成されたダイカストマ
    シン用ノズル。
  16. 【請求項16】 C:0.1wt%以下、Si:2wt
    %以上6wt%以下、Mn:3wt%以下、Ni:4w
    t%以上9wt%以下、Cr:8wt%以上18wt%
    以下、Mo:2wt%以下、Cu:0.2wt%以上4
    wt%以下、Nb:2wt%以下、残部が実質的にFe
    からなる高珪素ステンレス鋼で構成されたダイカストマ
    シン用金型。
  17. 【請求項17】 母材部分の硬度が45(HRC)以上
    であり、表層部に焼入層が形成されていることを特徴と
    する請求項16に記載のダイカストマシン用金型。
JP2000148428A 2000-03-13 2000-05-19 ダイカストマシン用部品及びその製造方法 Pending JP2001329348A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000148428A JP2001329348A (ja) 2000-03-13 2000-05-19 ダイカストマシン用部品及びその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000-69140 2000-03-13
JP2000069140 2000-03-13
JP2000148428A JP2001329348A (ja) 2000-03-13 2000-05-19 ダイカストマシン用部品及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001329348A true JP2001329348A (ja) 2001-11-27

Family

ID=26587349

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000148428A Pending JP2001329348A (ja) 2000-03-13 2000-05-19 ダイカストマシン用部品及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001329348A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100818152B1 (ko) 2007-05-04 2008-03-31 민병권 다이캐스팅 머신용 플런저 팁과 그의 제조방법
KR101660275B1 (ko) * 2016-03-28 2016-09-27 김영윤 다이캐스팅 머신용 플런저 팁 어셈블리

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100818152B1 (ko) 2007-05-04 2008-03-31 민병권 다이캐스팅 머신용 플런저 팁과 그의 제조방법
KR101660275B1 (ko) * 2016-03-28 2016-09-27 김영윤 다이캐스팅 머신용 플런저 팁 어셈블리

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7419554B2 (en) Engine cylinder block and cylinder head fabricated from a grey cast iron alloy
JP5497884B2 (ja) ピストンリングとシリンダーライナの製造用窒化可能な鋼組成物
CN105195265B (zh) 双复合耐磨锤头及其制造方法
JP3857213B2 (ja) 鋳造用金型およびその表面処理方法
KR101024150B1 (ko) 실린더 헤드용 회주철
JPH10328804A (ja) ダイカスト機用射出スリーブ、ダイカスト機用ブッシュおよびそれらを用いたダイカスト機
JPWO2018042749A1 (ja) ダイカスト用スリーブおよびその製造方法
JP7167483B2 (ja) ダイカスト金型用鋼及びダイカスト金型
JP2001329348A (ja) ダイカストマシン用部品及びその製造方法
JP2002194477A (ja) 非鉄金属溶湯用部材
CN108359912B (zh) 一种轧辊辊套一体化生产方法
JP2001138022A (ja) ダイカストマシン用プランジャスリーブ及びプランジャチップ
JPS6233730A (ja) 耐摩耗性複合材料
JPH06142869A (ja) 鋳鉄製シリンダライナの製造方法と装置
JP2004216413A (ja) ダイカスト用スリーブ
JP3654159B2 (ja) 非鉄金属鋳造用工具とそのための工具鋼
JPH0671406A (ja) ダイカスト用射出スリーブとアルミニウムまたはアルミニウム合金部材の鋳造方法
JPH09155523A (ja) ダイカスト機のスリーブおよびその製造方法
JP2002018566A (ja) ダイカストマシン用射出スリーブ
JP3643292B2 (ja) ダイカストマシンによる鋳造方法及びダイカストマシン
JP2004283899A (ja) ダイカスト用スリーブ
JPH11199962A (ja) 圧延用複合ロール
JP2006315007A (ja) ダイカスト用スリーブ
JP2000126857A (ja) ダイカストマシン用スリーブ
KR100418451B1 (ko) 비철금속 주조용 공구

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040614

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050414

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050419

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050927