JP2006315007A - ダイカスト用スリーブ - Google Patents

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Kenichiro Shimizu
健一郎 清水
Shigehiro Matsuno
茂弘 松野
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Abstract

【課題】 遠心力鋳造後、冷却の途中で高温域に加熱保持させる必要がなく、常温まで空冷させても被覆合金層に割れを生じないものであるとともに、ダイカスト鋳造に対して十分な外筒の硬さおよび強度を有するダイカスト用スリーブを提供する。
【解決手段】 中空円筒状の外筒の内面に耐溶損耐摩耗合金を遠心力鋳造法により被覆したダイカスト用スリーブであって、該外筒が非調質鋼からなることを特徴とする。また、外筒は900〜1300℃に加熱後、常温まで冷却速度10〜80℃/分で冷却させたときに、組織が実質的にパーライト組織またはフェライトおよびパーライトの混合組織となる鋼系材を用いたことを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ダイカストマシンの溶融金属射出装置を構成するダイカスト用スリーブに関する。
ダイカスト法は、アルミニウム、亜鉛等からなる金属製品を高速、高精度に鋳造することができる方法であり、自動車製品、家電製品等の各種構成部材の製造に広く利用されている。ダイカスト用スリーブは、ダイカストマシンの溶融金属射出装置を構成するものであり、溶融金属に対する耐溶損性やプランジャーチップの摺動に対する耐摩耗性などが要求される。
従来のダイカスト用スリーブとして、SKD61に代表される熱間金型用合金鋼からなるものがあるが、耐溶損性、耐摩耗性が十分でないため比較的短期間のうちに損傷が進み、メンテナンスに多大な工数とコストを要する問題があった。
そこで、溶融金属と接触する部分を耐溶損性、耐摩耗性に優れる材料で形成したダイカスト用スリーブとして、中空円筒状の鋼製材料からなる外筒の内面に、ハイス系合金などの耐溶損耐摩耗合金を遠心力鋳造法により被覆させたものが提案されている。
特許文献1には、中空円筒状の鋼製材料からなる外筒の溶融金属と接触する少なくとも一部分の内面に、耐摩耗性に優れる被覆層を形成したダイカスト用スリーブであって、該被覆層が重量比で、C:1.0〜3.0%、Si:0.1〜2.0%、Mn:0.1〜2.0%、Ni≦4.5%、Cr:3.0〜10.0%、Mo:0.1〜9.0%、W≦10.0%、V:1.0〜10.0%を含有するFe基合金からなるダイカスト用スリーブが記載されている。
特開2004−216413号公報
このようなダイカスト用スリーブを製造する場合、加熱炉内で円筒状の外筒を約1100℃に加熱保持した後、別に溶解させた耐溶損耐摩耗合金を外筒の内面に注湯し、外筒両端の開口部に蓋をして、その外筒を遠心力鋳造機に載せ回転させることにより製造される。このとき、遠心力鋳造機上で外筒の外表面の温度が約600℃まで冷却した後、遠心力鋳造機の回転を止め、外筒の内面に被覆された耐溶損耐摩耗合金層の割れを防ぐために約650℃の高温域に加熱保持し、次いで常温まで空冷することが行われている。その後、歪取り焼鈍および焼きなましを400〜600℃で3回行われている。
このような製造方法によれば、遠心力鋳造後、そのまま常温まで空冷すると低温域でSCM440などの鋼製の外筒がマルテンサイト変態して膨張し、耐溶損耐摩耗合金で形成された被覆合金層がこの膨張に追従できず、被覆合金層に割れを生じていた。このため、冷却の途中でいったん高温域に加熱保持し、外筒をパーライト変態させて外筒の膨張量を小さくすることにより、被覆合金層の割れを防いでいた。しかしながら、このような熱処理サイクルを施した外筒は、硬さが低下し強度が劣化する問題があった。
すなわち、遠心力鋳造により形成された耐溶損耐摩耗合金からなる被覆合金層の割れを防ぐために、冷却の途中で高温域に加熱保持させるなどの調質処理を施すと、外筒の強度特性が犠牲になり、被覆合金層の健全性と外筒の特性を両立することが困難である。また、安定した製品を得るために、遠心力鋳造後の冷却速度を制御しなくてはならず、製造工程が煩雑になる不利を伴う。
したがって、本発明は、遠心力鋳造後、冷却の途中で高温域に加熱保持させる必要がなく、常温まで空冷させても被覆合金層に割れを生じないものであるとともに、ダイカスト鋳造に対して十分な外筒の硬さおよび強度を有するダイカスト用スリーブを提供することを目的とする。
すなわち、本発明のダイカスト用スリーブは、中空円筒状の外筒の内面に耐溶損耐摩耗合金を遠心力鋳造法により被覆したものであって、該外筒が非調質鋼からなることを特徴とする。
前記本発明のダイカスト用スリーブにおいて、外筒は、900〜1300℃に加熱後、常温まで冷却速度10〜80℃/分で冷却させたときに、組織が実質的にパーライト組織またはフェライトおよびパーライトの混合組織となる鋼系材を用いたことを特徴とする。
また、外筒のパーライト変態開始温度が540℃以上であることを特徴とする。さらに、外筒の硬さがHS35以上であることことを特徴とする。
また、遠心力鋳造法により被覆させた耐溶損耐摩耗合金がハイス系合金からなることを特徴とする。
本発明のダイカスト用スリーブは、外筒として非調質鋼、すなわち熱処理を施さずして、熱処理を施したと同等の硬度、強度を呈する合金鋼を用いるので、冷却の途中で高温域に加熱保持させる必要がないため製造コストの軽減が図れる。また、外筒が十分な硬さと強度を有するので、ダイカスト射出圧力が高いダイカストマシンのスリーブとして、従来の外筒を用いたスリーブより耐久性に勝れる。
中空円筒状の外筒の内面に、Fe基合金などの耐溶損耐摩耗合金を遠心力鋳造法により被覆させてダイカスト用スリーブを製造する場合、例えば遠心力鋳造後の約1200℃から常温までの空冷の冷却速度は10〜80℃/分となる。そこで、外筒を1200℃から常温まで空冷して各種の外筒の特性を調べた。
表1は、各種外筒の化学成分(質量%)を示す。表1において、No.1〜No.3は本発明の非調質鋼からなる外筒、No.4は従来の外筒の一つであるSCM440を示す。表2は、これら外筒を1200℃に加熱後、常温まで冷却速度20℃/分および40℃/分で冷却させたときのパーライト変態開始温度(℃)、組織、硬さ(HS)を示す。なお、表2において、No.4(SCM440)については、パーライト変態開始温度(℃)でなくベイナイト変態開始温度(℃)を示す。また、表2において、組織の略号Fはフェライト組織、Pはパーライト組織、Bはベイナイト組織、F+Pはフェライトおよびパーライトの混合組織を表わす。
表2より、外筒を1200℃に加熱後、常温まで冷却速度20℃/分および40℃/分で冷却させたときに、本発明の外筒は組織が実質的にパーライト組織もしくはフェライトおよびパーライト組織の混合組織となり、外筒が高温で変態していることを確認した。また、外筒の硬さが40〜55(HS)となり従来材のSCM440より高いものが得られた。
次に、これら外筒を使用してダイカスト用スリーブを製造した実施例を説明する。まず、前記表1に示す外筒を各々機械加工して、ダイカスト用スリーブの外筒を作製した。
これら外筒を加熱炉内に入れ、約1100℃に加熱保持した。また、別の場所で外筒の内面に被覆させるハイス系合金からなる耐溶損耐摩耗合金を溶解した。この被覆用合金の化学成分は質量%で、C:3.1%、Si:2.5%、Mn:0.18%、Ni:5.9%、Cr:15.6%、Mo:0.15%、V:10.4%、W:0.03%、Co:0.1%、残部Feである。
そして、約1500℃の溶融した被覆用合金を外筒の内側に注湯し、外筒の両端の開口部に蓋をして、遠心力鋳造機に載せ回転させた。その後、外筒の内面に被覆用合金が被覆されたダイカスト用スリーブの温度が約600℃まで冷却した後、遠心力鋳造機の回転を停止させた。
遠心力鋳造機の回転停止後、本発明の外筒(No.1〜No.3)を用いたダイカスト用スリーブは、そのまま常温まで空冷した。また、従来材であるSCM440の外筒(No.4)を用いたダイカスト用スリーブは、保持炉に移し約650℃に加熱し、約24時間加熱保持した後、常温まで冷却した。
このようにして得られた各ダイカスト用スリーブの同一位置から試験片を採取し、外筒の硬さ(HS)、抗張力(MPa)、組織を調べた。その結果を表3に示す。表3において、組織の略号Pはパーライト組織、F+Pはフェライトおよびパーライトの混合組織を表わす。
表3より、本発明の非調質鋼からなる外筒を使用したダイカスト用スリーブは、従来の外筒であるSCM440鋼材を使用したスリーブより外筒の硬さ、強度とも高いものが得られた。また、常温まで空冷させても被覆合金層に割れは生じなかった。
図1に、本発明のダイカスト用スリーブの概略断面図を示す。図1において、ダイカスト用スリーブは、非調質鋼からなる中空円筒状の外筒1の内面に、耐溶損耐摩耗合金を遠心力鋳造法により被覆して構成され、2は被覆合金層、3は溶融金属注湯口、4は中空孔である。
また、本発明のダイカスト用スリーブを、実機ダイカストマシンに装備し、アルミ溶湯の射出成形に供したところ、耐溶損性、耐摩耗性に優れ、従来のダイカスト用スリーブに勝る耐久性を確認できた。
本発明のダイカスト用スリーブは、冷却の途中で高温域に加熱保持させる必要がないので製造コストの軽減が図れる。また、外筒が十分な硬さと強度を有するので、ダイカスト射出圧力が高いダイカストマシンのスリーブとして、従来の外筒を用いたスリーブより耐久性に勝れる。
本発明の実施例に係るダイカスト用スリーブを示す断面図である。
符号の説明
1 外筒、 2 被覆合金層、 3 溶融金属注湯口、 4 中空孔

Claims (5)

  1. 中空円筒状の外筒の内面に耐溶損耐摩耗合金を遠心力鋳造法により被覆したダイカスト用スリーブであって、該外筒が非調質鋼からなることを特徴とするダイカスト用スリーブ。
  2. 前記外筒は、900〜1300℃に加熱後、常温まで冷却速度10〜80℃/分で冷却させたときに、組織が実質的にパーライト組織またはフェライトおよびパーライトの混合組織となる鋼系材を用いたことを特徴とする請求項1に記載のダイカスト用スリーブ。
  3. 前記外筒のパーライト変態開始温度が540℃以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のダイカスト用スリーブ。
  4. 前記外筒の硬さがHS35以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のダイカスト用スリーブ。
  5. 前記耐溶損耐摩耗合金がハイス系合金からなることを特徴とする請求項1に記載のダイカスト用スリーブ。
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