JP3174515B2 - 作業車の変速操作装置 - Google Patents

作業車の変速操作装置

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JP3174515B2 JP32238896A JP32238896A JP3174515B2 JP 3174515 B2 JP3174515 B2 JP 3174515B2 JP 32238896 A JP32238896 A JP 32238896A JP 32238896 A JP32238896 A JP 32238896A JP 3174515 B2 JP3174515 B2 JP 3174515B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、農用コンバイン、
トラクタなどの農作業車や、建設、土木用の車輌、さら
には運搬車など、左右一対の走行装置の駆動速度差によ
って機体旋回を行う作業車であって、走行装置の駆動系
に無段変速装置を介装させている作業車の変速操作装置
の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の作業車の走行駆動装置、及び、
その変速操作装置としては、従来より下記[1] 〜[3] に
記載のものが知られている。 [1] 左右一対の走行装置の駆動系に、右側走行装置を駆
動するための無段変速装置と、左側走行装置を駆動する
ための無段変速装置との、両無段変速装置を介装し、こ
れらの両無段変速装置を右操向用操作レバーと、左操向
用操作レバーとの、各操作レバーで各別に操作できるよ
うに構成したもの(例えば、特開昭56‐5012号公
報参照)。 [2] 左右一対の走行装置の駆動系に、高低変速用の無段
変速装置と、旋回操作用の無段変速装置との複数の無段
変速装置、及び、これらの各無段変速装置からの動力が
伝達される左右一対の遊星歯車式変速装置を設けて、遊
星歯車式変速装置のリングギヤの駆動停止によって機体
を直進走行させ、各遊星歯車式変速装置の夫々のリング
ギヤ相互の正逆転駆動により、機体を旋回させるように
構成したもの(例えば、特開平8‐156823号公報
参照)。 [3] 左右一対の走行装置の駆動系に、右側走行装置を駆
動するための右側無段変速装置と、左側走行装置を駆動
するための左側無段変速装置との、両無段変速装置を介
装し、これら両無段変速装置の駆動速度を、主変速操作
レバーとステアリングホイールとで変更して、高低変速
操作と旋回操作とを行うように構成したもの(例えば、
特開平7‐10030号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、走行装
置の駆動系に無段変速装置を介在させると、機体走行速
度を、単に複数段に変更させるものに比べて、無段階に
滑らかな変速走行を行える点で有利なものである。しか
しながら、前記[1] に示す従来技術のように、左右一対
の無段変速装置を左右一対の操作レバーで各別に操作す
るように構成されたものでは、左右の各操作レバーで、
機体走行速度の変更も、機体の旋回操作も行わせるもの
であるから、機体旋回の際の旋回速度と旋回半径との相
関を適切な状態に設定操作すること自体がかなりの熟練
を要するものである。このため、この従来技術では、別
途、機体の旋回に伴う旋回中心位置の移動を検出する手
段を設けて適正な旋回が行えるように、自動修正手段を
設けているが、そのために走行制御構造が複雑となり、
しかも、自由な旋回半径での旋回を行ない難いという不
都合もある。また、直進走行の際についても、左右走行
装置を確実に同速で駆動することが行い難く、良好な直
進性を維持し難い点で問題があった。
【0004】前記[2] に示す従来技術のように、無段変
速装置を、高低変速用の無段変速装置と、旋回操作用の
無段変速装置との複数の無段変速装置で構成し、かつ、
これらの各無段変速装置からの動力が伝達される左右一
対の遊星歯車式変速装置を設けた場合には、遊星歯車式
変速装置のリングギヤを旋回操作用の無段変速装置と連
係させて、機体直進時にはリングギヤを停止させておく
ことにより、高低変速用の無段変速装置の駆動力を、左
右の走行装置に対して不均衡のない状態で伝達可能であ
るとともに、旋回半径も任意に設定可能であるが、次の
ような問題がある。つまり、機体旋回時に、左右の遊星
歯車式変速装置のリングギヤを互いに逆方向へ駆動する
ように、旋回操作用の無段変速装置の動力を伝達するも
のであり、左右のリングギヤに対して正逆方向で入力さ
れる旋回操作用の無段変速装置の駆動速度と、左右の太
陽ギヤに入力される高低変速用の無段変速装置の駆動速
度との相関で、その旋回半径と旋回速度が決定されるも
のであるため、予定の旋回速度で予定の旋回半径での旋
回を行う操作がかなり難しく、これを単なる車速制御用
操作レバーと、操舵用レバーとの個別的な揺動操作だけ
で適正に行うことはかなり難しく、相当の熟練を要する
ものであった。また、複数の無段変速装置とは別に、左
右一対の遊星歯車式変速装置を用いるものであるから、
装置の複雑化、大型化を回避し難い点での不都合もあ
る。
【0005】前記[3] に示す従来技術のように、左右一
対の走行装置の駆動系に設けた各無段変速装置を、主変
速操作レバーとステアリングホイールとで、高低変速操
作と旋回操作とを行うように構成したものでは、ステア
リングホイールが中立側に付勢され、かつ、一本の主変
速操作レバーで左右の無段変速装置の高低変速を同時に
行えるので、前記[1] の従来技術のものに比べて、各無
段変速装置の出力が正確に左右均等である限り、機体の
直進性を向上できる点で有利である。しかしながら、左
右の各無段変速装置が、その駆動領中、どの駆動速度領
域でも、左右が完全に同一の状態で駆動されるには、個
々の無段変速装置の製作精度を極めて厳密に保たなけれ
ばならない。また、主変速操作レバー部分から、ステア
リングホイールによって操作されるラック・ピニオン、
スライド体に備えたベベルギヤ式伝達構造、揺動リンク
構造のアーム等、組み付けや円滑な作動のための融通が
必要な各種機構部分を介して操作するものであるため、
主変速操作レバーの操作量に対して左右の無段変速装置
を完全に等量だけ操作するための構造にも、誤差が集積
されても操作量の狂いが生じないように、極めて高い精
度が要求される。このため、全体として高精度の製作加
工が要求されることによる製作加工コスト面での不利、
ならびに、長期使用に伴う摩耗やガタの発生による操作
精度の低下、ひいては直進性の低下を招く虞がある。
【0006】本発明の目的は、無段変速装置を用いて円
滑な変速、及び旋回走行を行えるものでありながら、直
進時における左右各走行装置の確実な等速駆動が可能で
あり、かつ、旋回半径ならびに旋回速度を自由に設定す
ることによる多様な旋回パターンを操作性良く得ること
のできる作業車の走行変速装置を、製作加工精度の影響
少なく提供できるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に講じた本発明の技術手段は、左右一対の走行装置の駆
動速度差によって機体旋回を行う作業車の変速操作装置
において、前記走行装置の駆動系に、高低変速用の無段
変速装置と、旋回操作用の無段変速装置との複数の無段
変速装置を備えるとともに、速度制御用操作具と操舵用
操作具と、それらの各操作具と前記各無段変速装置とを
連係する操作連係手段を設け、この操作連係手段は、前
記操舵用操作具が中立位置に操作されている状態では、
高低変速用の無段変速装置によってのみ左右の走行装置
を駆動するとともに、前記速度制御用操作具による変速
操作を両無段変速装置の夫々に伝達し、操舵用操作具が
左または右旋回操作位置に操作されている状態では、高
低変速用の無段変速装置によって一方の走行装置を駆動
し、旋回操作用の無段変速装置によって他方の走行装置
を駆動し、かつ、前記操舵用操作具による変速操作を旋
回操作用の無段変速装置に対してのみ伝達するように構
成されている、ということである。
【0008】前記操作連係手段を構成するにあたって
は、速度制御用操作具の操作に連係して、一方向にスラ
イド操作されることにより高低変速用の無段変速装置を
高低変速操作するスライド部材と、機体の固定位置で一
軸芯周りでの傾き角度を変更調節可能で、かつ、操舵用
操作具の操作にともなって傾斜角度を変更可能に構成さ
れた揺動ガイド部材と、その揺動ガイド部材に対して所
定の案内方向で相対移動自在に、かつ、揺動ガイド部材
の揺動操作に伴って一体的に移動自在に支持され、揺動
ガイド部材の揺動に伴う移動により前記旋回操作用の無
段変速装置を変速操作するように連係されている被案内
体と、それらのスライド部材と揺動ガイド部材との間
で、前記スライド部材と一体にスライド移動し、かつ、
揺動ガイド部材に案内される被案内体を揺動ガイド部材
の案内方向に沿って相対移動させるように連結された連
係操作具とから構成するとよい。
【0009】前記揺動ガイド部材に案内される被案内体
は、前記速度制御用操作具が中立位置に操作されている
状態で、揺動ガイド部材の揺動中心に位置するように、
前記スライド部材との位置関係を定めて前記連係操作具
に連結するとよい。
【0010】〔作用〕 上記のように構成したことにより、この操作連係手段
は、操舵用操作具が中立位置に操作されている機体直進
時には、速度制御用操作具による変速操作を高低変速用
の無段変速装置と旋回操作用の無段変速装置との双方に
伝達する。これによって、高低変速用の無段変速装置と
旋回操作用の無段変速装置との双方が変速操作される
が、左右の走行装置に対しては、前記高低変速用の無段
変速装置からの動力が左右の両走行装置に伝達され、旋
回操作用の無段変速装置からの動力は左右いずれの走行
装置にも伝達されない。したがって、走行装置には、単
一の無段変速装置の駆動力が左右の走行装置に伝達され
るので、左右各別に無段変速装置を設けて各別に変速操
作するものに比べ、個々の無段変速装置の製作精度の誤
差の影響などは受けない動力伝動構造を得ることができ
る。
【0011】また、操舵用操作具が左または右旋回操作
位置に操作されている機体旋回時には、前記操舵用操作
具による変速操作を、旋回操作用の無段変速装置に対し
てのみ伝達するように構成しているので、一方の走行装
置に前記高低変速用の無段変速装置からの動力を伝達
し、他方の走行装置には旋回操作用の無段変速装置から
の動力を伝達して駆動することになり、左右の各走行装
置は、その駆動速度を自在に選択することができる。し
たがって、左右の走行装置の駆動速度差で決定される旋
回半径を、あらゆる半径で自在に設定することが可能で
あり、また、例えば、駆動速度差を変化させずに双方の
走行装置の駆動速度を変化させるというように、その駆
動速度も任意に設定することが可能で、旋回速度を緩急
変更すること、及び旋回半径を任意に設定することが容
易に行える。
【0012】請求項2に記載のように、スライド部材と
揺動ガイド部材、並びに連係操作具を用いることで、上
述の各操作具と無段変速装置との操作構造を簡素に構成
することができる。
【0013】また、請求項3に記載のように、速度制御
用操作具の中立時における被操作体の位置を、揺動ガイ
ド部材の揺動中心と一致させておくと、操舵用操作具に
不測に手が触れるなどして、操舵用操作具が旋回操作さ
れた状態となっても、速度制御用操作具での中立状態が
維持されているので、機体が旋回操作される不都合がな
い。
【0014】
〔全体の構成〕
図1及び図2に示されるように、本発明の作業車の走行
駆動装置は、大別して、人為操作自在な操縦装置部分
と、その操縦装置側からの指令に基づいて、左右一対の
走行装置1に対する動力を、左右各別に変速して出力す
る駆動装置部分とから構成されている。
【0015】〔駆動装置部分の構成〕 前記駆動装置部分は、高低変速用の無段変速装置3と、
旋回操作用の無段変速装置4と、それらの無段変速装置
3,4からの動力が入力され、左右の走行装置1への動
力が出力されるミッションケース2とから構成されてい
る。
【0016】前記高低変速用の無段変速装置3と旋回操
作用の無段変速装置4は、作業車に搭載されているエン
ジン(図外)側から伝動ベルト20、及び伝動プーリ2
1を介して駆動される伝動軸22によって駆動される可
変油圧ポンプ3A,4Aと、その可変油圧ポンプ3A,
4Aからの供給油で回転駆動される油圧モーター3B,
4Bとの対で構成された、周知の静油圧式無段変速装置
(HST)によって構成されている。この両無段変速装
置3,4は、夫々の可変油圧ポンプ3A,4Aが、操縦
装置側に連係され、操縦装置側からの指令に基づいて、
夫々の斜板角を変更することにより、油圧モーター3
B,4B側の出力状態を変更するように構成されてい
る。つまり、操縦装置側からの指令が中立であると、前
記斜板角が零で油圧モーター3B,4Bは回転せず、停
止状態に維持され、操縦装置側からの指令が前進側もし
くは後進側への変速指令であると、前記斜板角が正方向
もしくは逆方向に指令量だけ傾倒され、油圧モーター3
B,4Bが指令に応じた速度で回転駆動される。
【0017】前記ミッションケース2は、その内部に、
前記高低変速用の無段変速装置3の出力軸31と、前記
旋回操作用の無段変速装置4の出力軸41との夫々が内
挿され、これら両出力軸31,41からの動力が、左右
一対の走行装置1と、他の駆動装置とに伝達されるよう
に構成されている。
【0018】前記高低変速用の無段変速装置3の出力軸
31には、大小一対の出力ギヤ31a,31bが固着さ
れ、そのうちの小径出力ギヤ31aには、第1カウンタ
ー軸32に固定の中継ギヤ32cが常時噛合している。
前記第1カウンター軸32には、副変速用の大径ギヤ3
2aと小径ギヤ32bとが相対回転自在に支持され、そ
の両ギヤ32a,32bの中間位置に、第1カウンター
軸32と一体回転する副変速用シフトギヤ32dが軸線
方向で摺動自在に外嵌され、副変速用操作具(図外)で
高低二段に変速操作自在に装着されている。前記副変速
用の大径ギヤ32aと小径ギヤ32bとの夫々に対して
常時噛合する大小一対のカウンタギヤ33a,33b部
分を一体に備えた回転体33が、第2カウンター軸42
に相対回転自在に外嵌され、この回転体33に対して、
支持軸34に一体に設けたセンターギヤ35が前記大径
のカウンタギヤ33a部分に常時噛合する状態で設けら
れている。
【0019】前記支持軸34には、センターギヤ35を
挾む両側に、左右の各走行装置1に対する伝達動力を、
前記各無段変速装置3,4のうちの何れの駆動系から入
力させるかを左右各別に切り換える伝動経路切り換え手
段Aが設けられている。この伝動経路切り換え手段A
は、外周部に旋回操作用の無段変速装置4の伝動系に連
係された外周ギヤ部43aを備える摩擦クラッチ43
と、前記センターギヤ35の両側面とこれに対向するシ
フト部材44との間に形成された噛み合いクラッチCと
で構成されている。前記左右のシフト部材44は、それ
ぞれ押圧スプリング44bでセンターギヤ35側面の係
止部に対して噛み合い側に押圧付勢され、この状態では
前記摩擦クラッチ43は切り状態となる。つまり、左右
のシフト部材44が、ともにセンターギヤ35に係合し
ている状態では、シフト部材44と一体の幅広のサイド
ギヤ44aを介して、左右の走行装置1がともに同方向
に同速駆動される機体直進状態となり、この状態では、
旋回操作用の無段変速装置4からの動力は、左右の摩擦
クラッチ43が切り状態であるため、左右の両走行装置
1には伝達されない。
【0020】前記旋回操作用の無段変速装置4の出力軸
41には、前記第2カウンター軸42の両端部に設けた
伝動ギヤ42a,42bのうちの一方のものが噛合さ
れ、かつ、その両伝動ギヤ42a,42bのそれぞれ
に、前記摩擦クラッチ43の外周ギヤ部43aが噛合さ
れている。したがって、前記左右のシフト部材44のう
ちの一方を、センターギヤ35との噛み合いを外す側に
シフト操作すると、そのシフト部材44の移動した側の
摩擦クラッチ43が圧接されれて入り状態となり、その
摩擦クラッチ43を介して旋回操作用の無段変速装置4
の動力がシフト部材44に伝達され、シフト部材44の
幅広のサイドギヤ44aを介して一方の走行装置1に伝
達され、機体旋回状態となる。このサイドギヤ44a
は、シフト部材44がセンターギヤ35に噛合している
ときも、摩擦クラッチ43の入り側に操作されていると
きにも、常時走行装置1への伝動系のファイナルギヤ4
5に噛合するように幅広に形成されている。
【0021】前記シフト部材44の操作は、図9に示す
ように、油圧アクチュエータ5のピストン51で左右の
シフター52を各別に操作することにより、各シフト部
材44を切り換え操作するように構成されたものであ
り、油圧アクチュエータ5の操作は、後述する操縦装置
の指令で電磁弁53を切り替え操作することにより行う
ように構成されている。
【0022】尚、前記高低変速用の無段変速装置3の出
力軸31に固着されている大小一対の出力ギヤ31a,
31bに対しては、図1に示すように、動力取り出し用
の一対の伝動ギヤ36a,36bが常時噛み合い状態に
設けられ、その伝動ギヤ36a,36bを相対回転自在
に支承する動力取り出し軸36に取り出し動力変速用の
シフトギヤ36cをスプライン嵌合させ、シフトギヤ3
6cで噛合選択した側の伝動ギヤ36a,36bの回転
を動力取り出し軸36に伝達し、一方向回転クラッチ3
7を介して外部の被駆動装置に取り出すように構成され
ている。
【0023】〔操縦装置の構成〕 図2乃至図8に示すように、操縦装置は、機体上の操縦
部で夫々揺動操作自在に設けた操作レバーからなる、速
度制御用操作具6と操舵用操作具7との、二種の人為操
作可能な操作具6,7と、それらの両操作具6,7の操
作結果に伴って各無段変速装置3,4を変速操作するよ
うに連係された操縦操作機構8(操作連係手段に相当)
と、前記操舵用操作具7の操作結果に基づいて伝動経路
切り換え手段Aに操作指令を出力する制御指令装置9と
の組合せで構成されている。
【0024】前記操縦操作機構8は、速度制御用操作具
6の揺動操作に連係して一方向にスライド操作される棒
状のスライド部材100と、機体上の固定位置に設けら
れた横一軸芯を回動中心P1として、その回動中心P1
周りでの傾き角度を変更調節可能に構成され、かつ、操
縦部に設けた操舵用操作具7の揺動操作にともなって前
記回動中心P1周りでの傾斜角度を変更可能に構成され
た揺動ガイド部材110と、それらのスライド部材10
0と揺動ガイド部材110との間に連結された連係操作
具120とから構成されている。
【0025】前記スライド部材100は、機体固定部に
対して軸線方向で摺動自在に支持された一本の長尺棒状
部材で構成され、前記速度制御用操作具6の揺動操作に
ともなって、その速度制御用操作具6に一端側を連結し
たプッシュプルワイヤ60を介して押し引きされ、軸線
方向位置を変更自在に構成されている。また、前記速度
制御用操作具6と高低変速用の無段変速装置3とは操作
ワイヤ30を介して連係され、速度制御用操作具6の揺
動操作に伴って高低変速用の無段変速装置3の高低変速
が行われるように構成してある。
【0026】前記揺動ガイド部材110は、機体固定部
に設けた横軸111に回動自在に外嵌させた筒部112
と、その筒部112と一体に構成された断面コの字状の
レール113と、そのレール113に案内されるローラ
114(被案内体に相当)と、前記筒部112の外側に
一体に設けた揺動腕116とで構成されている。そし
て、前記操舵用操作具7の揺動操作にともなって、連係
ワイヤ70を介して揺動腕116を前記回動中心P1と
なる一軸芯を備えた横軸111のまわりに揺動させて、
ローラ114のレベルを上下に位置変更することによ
り、前記ローラ114の支軸115に操作ワイヤ40を
介して連係されている旋回用の無段変速装置4のトラニ
オン軸を回動操作し、その斜板角を変更自在に構成され
ている。
【0027】前記連係操作具120は、前記スライド部
材100に固定されたブラケット121に揺動自在なリ
ンク122を設けて、このリンク122の先端を前記ロ
ーラ114の支軸115に一体連結している。したがっ
て、前記速度制御用操作具6を揺動させてスライド部材
100を押し引き操作すると、前記揺動ガイド部材11
0のレール113に沿ってローラ114の位置が変化す
る。逆に、操舵用操作具7を揺動させて揺動ガイド部材
110を揺動操作すると、ローラ114の軸芯とレール
113の回動中心P1が一致する箇所にローラ114が
存在していない限り、ローラ114のレベルが上下に位
置変更されるが、これに伴って、前記スライド部材10
0の軸線とリンク122の長手方向との交差角の変化分
だけローラ114がレール内を少し相対移動して、前記
揺動ガイド部材110の揺動操作を許すように構成され
ている。
【0028】このようにスライド部材100と、揺動ガ
イド部材110と、連係操作具120とを備えた操縦装
置では、これらを次のように関連付けて構成されてい
る。つまり、前記スライド部材100は、操舵用操作具
7で操作される揺動ガイド部材110上のローラ114
が旋回用の無段変速装置4を中立位置に保持する中立レ
ベル線NLに沿って配設され、揺動ガイド部材110
は、操舵用操作具7が中立位置Nにある状態で、前記中
立レベル線NLに対して約15度傾斜した操作中立線M
Lに沿った姿勢に配設されている。そして、この揺動ガ
イド部材110は、操舵用操作具7を右旋回位置R側ま
たは左旋回位置L側のいずれか一方向に揺動操作する
と、前記操作中立線MLから中立レベル線NLに近づく
方向に揺動し、中立レベル線NLに平行になった状態で
は旋回用の無段変速装置4の斜板角を零にしてこれを中
立状態とし、さらに同方向へ操作すると逆転に切り替わ
り、前記中立レベル線NLを約5度過ぎた逆転側限界線
RLに達すると、それ以上の操作が不能となるように設
定されている。つまり、逆転側(後進側)の限界におけ
る駆動速度は正転側(前進側)の限界における駆動速度
よりも遅い速度に制限されている。この揺動ガイド部材
110の操作は、前記操舵用操作具7側に設けられた一
方向操作機構130により、操舵用操作具7を左右何れ
の側へ操作しても、左右同様に、前記中立レベル線NL
を挟んで前記操作中立線MLから逆転側限界線RLの間
で行われるように構成されている。
【0029】このように構成されているので、前記揺動
ガイド部材110のレール113の案内方向を前記操作
中立線MLに沿わせ、前記スライド部材100の摺動方
向である中立レベル線に対して傾斜した状態にしていれ
ば、速度制御用操作具6の高低速変速操作によるスライ
ド部材100の押し引きに伴って、ローラ114がレー
ル113内を移動し、そのローラ114の前記中立レベ
ル線NLからの離間量に応じて旋回操作用の無段変速装
置4の斜板角が変更操作され、旋回操作用の無段変速装
置4を、高低変速操作用の無段変速装置3の変速に追随
させて自動的に変速することになる。つまり、図3に示
すように、同図(ロ)が高低変速用の無段変速装置3及
び旋回操作用の無段変速装置4がともに中立に操作され
た状態であり、この状態から速度制御用操作具6を前進
増速側へ操作すると、同図(イ)に示すように、スライ
ド部材100が図中左方へ移動して操作ワイヤ40を押
して旋回操作用の無段変速装置4の正転駆動方向の速度
を増し、この旋回操作用の無段変速装置4の前進方向の
速度を高低変速操作用無段変速装置3の速度に追随させ
るべく増速する。逆に、速度制御用操作具6を後進増速
側へ操作すると、同図(ハ)に示すように、スライド部
材100が図中右方へ移動して操作ワイヤ40を引き、
旋回操作用の無段変速装置4を逆転方向に追随駆動させ
る。
【0030】前記揺動ガイド部材110のレール113
は、図2及び図3に示す状態が、操舵用操作具7が中立
位置Nにある状態で、揺動ガイド部材110を前記中立
レベル線NLに対して約15度傾斜した操作中立線ML
に沿った姿勢に配設された状態を示している。この状態
が、操舵用操作具7を中立に位置させた機体直進状態と
なるものである。この直進走行状態では、速度制御用操
作具6の揺動操作に伴って、前記図3に示すようにスラ
イド部材100が押し引き操作され、これに伴ってロー
ラ114が傾斜姿勢のレール113に沿って移動し、旋
回操作用の無段変速装置4の斜板角が変更操作され、旋
回操作用の無段変速装置4を、高低変速用の無段変速装
置3の変速に追随させて変速することになる。この直進
は、前記操舵用操作具7を中立に操作して、揺動ガイド
部材110を前記操作中立線MLに沿わせた状態とすれ
ば、両シフト部材44がセンターギヤ35側からの動力
を受ける状態に切り替えられて、左右の走行装置1は、
共に、高低変速操作用の無段変速装置3からの動力で、
互いに等速で高低変速操作されることになる。
【0031】そして、旋回操作は、次のようにして行わ
れる。揺動ガイド部材110を前記中立レベル線NLと
操作中立線MLとの間で傾斜させた状態での旋回が、左
右の走行装置1のうちの一方を他方よりも低速で駆動す
る緩旋回であり、前記揺動ガイド部材110を前記中立
レベル線NLと一致させた状態での旋回が、左右走行装
置1の一方を停止させ、他方を駆動する状態での旋回が
信地旋回である。つまり、前記操舵用操作具7を右旋回
位置Rまたは左旋回位置Lが操作して、図4に示すよう
に、揺動ガイド部材110とスライド部材100とが平
行になる状態が、旋回内側の走行装置1を停止させた信
地旋回(ピボットターン)位置を示し、この状態では、
ローラ114がレール113内を移動するだけで、旋回
操作用の無段変速装置4は斜板角が零の中立状態に維持
されたままであり、これが旋回用の無段変速装置4で駆
動される側の走行装置1を中立停止させた片ブレーキ状
態で他方の走行装置1を駆動する。そして、操舵用操作
具7の左右傾動角を増す方向に操作して、図5に示す状
態が操舵側を逆転駆動する超信値旋回(スピンタンー
ン)の位置を示し、この状態では、前記中立レベル線N
Lを越えて前記揺動ガイド部材110を逆転側限界線R
Lに近づける側に傾斜させ、左右走行装置1の一方を逆
転させて、他方を正転させる状態での旋回を行う状態と
なる。また、図示はしないが、前記操舵用操作具7の傾
動角度を小さくして、前記操作中立線MLと中立レベル
線NLとの間に揺動ガイド部材110を位置させた状態
が、一方の無段変速装置4を他方の無段変速装置3に対
して低速で駆動する緩旋回(スローターン)位置にな
る。
【0032】尚、前記操舵用操作具7を揺動させて揺動
ガイド部材110を揺動操作する場合、図2に示すよう
に、ローラ114の軸芯とレール113の回動中心P1
が一致する箇所にローラ114が存在していると、揺動
ガイド部材110を揺動操作しても、ローラ114の位
置は変化せず、旋回操作用の無段変速装置4の斜板角は
零に維持されたままである。このように、ローラ114
の軸芯とレール113の回動中心P1が一致する箇所に
ローラ114が存在している状態は、高低変速用の無段
変速装置3も、旋回操作用の無段変速装置4も、共に中
立の状態である。前記ローラ114の軸芯とレール11
3の回動中心P1が一致していない場合、前述のよう
に、揺動ガイド部材110の揺動角度に相当する量だ
け、ローラ114がレール113とともに上下位置変化
し、これに伴って、操作ワイヤ40を介して旋回操作用
の無段変速装置4が変速操作される。つまり、これが操
舵用操作具7による旋回操作であり、揺動ガイド部材1
10の揺動操作量が大きいほど旋回操作用の無段変速装
置4に対する変速操作量も大きくなる。
【0033】前記操舵用操作具7における一方向操作機
構130は次のように構成されている。図8に示すよう
に、操舵用操作具7の下部に、操作ピン132を備えた
アーム部131が一体に連設されるとともに、前記操舵
用操作具7の揺動軸芯P2まわりで、操舵用操作具7と
は関係なく自由揺動自在な第1アーム133と第2アー
ム134との二本のアーム133,134を、前記操作
ピン132を挟んで両側に設けてあり、一方の第1アー
ム133に連係ワイヤ70のインナーワイヤ70a端部
を止着し、他方の第2アーム134に連係ワイヤ70の
アウアーワイヤ70b端部を止着し、かつ、両アーム1
33,134を互いに近接方向に付勢する引っ張りスプ
リング135を両アーム133,134間に掛張してあ
る。さらに、前記操舵用操作具7を揺動自在に支持する
固定支持部材136に、中立操作位置にある操舵用操作
具7の前記揺動軸芯P2と前記操作ピン132とを結ぶ
仮想線上に位置決めピン137を設けてあって、操舵用
操作具7を左右いずれの方向に作用しても、前記揺動ガ
イド部材110を同じ側に操作するように構成してあ
る。
【0034】つまり、図8において、操舵用操作具7を
左方に揺動させると、操作ピン132が引っ張りスプリ
ング135の抵抗に抗して第1アーム133を右方向に
押し、連係ワイヤ70のインナーワイヤ70a端部が右
方向に移行させられ、アウターワイヤ70b端部との距
離差分だけ、インナーワイヤ70a端部が揺動ガイド部
材110の揺動腕116を図中時計周りに揺動させる。
これに伴って、ローラ114の位置が操作中立線MLか
ら中立レベル線NL、あるいは逆転側限界線RLに近づ
くように移行させられることになる。無論、その操作後
の位置から操舵用操作具7を戻し側、つまり右方向に操
作すると、揺動ガイド部材110は操作中立線MLに達
するまでの範囲で、逆方向へ揺動する。また、図8にお
いて、操舵用操作具7を中立位置から右方に揺動させる
と、操作ピン132が引っ張りスプリング135の抵抗
に抗して第2アーム134を左方向に押し、連係ワイヤ
70のアウターワイヤ70b端部が左方向に移行させら
れ、アウターワイヤ70b端部との距離差分だけ、アウ
ターワイヤ70b端部が揺動ガイド部材110の揺動腕
116を図中時計周りに揺動させる。これに伴って、ロ
ーラ114の位置が操作中立線MLから中立レベル線N
L、あるいは逆転側限界線RLに近づくように移行させ
られることになる。
【0035】ただし、図10に示すように、前記高低変
速用の無段変速装置3と旋回操作用の無段変速装置4と
は、旋回開始時に旋回内側の走行装置1の駆動速度が旋
回外側の走行装置1の駆動速度に対して、やや低速とな
る(旋回開始操作直後から機体が緩やかに旋回され始め
る程度)ように、その相互の駆動速度を、前記操縦操作
機構8で設定された操作量により、所定比率範囲の速度
関係となるように、前記制御指令装置9からの出力を設
定してある。
【0036】前記操舵用操作具7の固定支持部材136
は、前記揺動軸芯P2とは直交する水平軸芯P3周りに
揺動自在に機体固定部に対して枢支されており、その水
平軸芯P3周りの揺動により、固定支持部材136の一
部に連結された別操作用連係ワイヤ140を押し引き操
作して、昇降制御弁(図外)を切り換え操作して、昇降
用駆動装置(図外)を駆動することにより、後述する刈
取部など、他の装置を昇降操作するように構成されてい
る。
【0037】そして、前記操舵用操作具7には、前記操
縦操作機構8に対する連係ワイヤ70とは別に、その操
作方向を判別するようにポテンショメータからなるセン
サー71を設けてあり、操縦装置は、図9に示すよう
に、前記センサー71の感知結果に基づいて、前記走行
系のシフト部材44を操作するための油圧アクチュエー
タ5の作動を制御する電磁弁53を切り換え操作して、
前記伝動経路切り換え手段Aに操作指令を出力するよう
に構成された制御指令装置9を備えている。同図中、符
号54は、油圧アクチュエータ5の背圧保持用の絞り弁
である。
【0038】前記制御指令装置9は、前記センサー71
の感知結果に基づいて、前記電磁弁53に対する操作指
令を出力するようにプログラムされた、記憶部、中央演
算処理部、ならびに入出力部を備えるマイクロコンピュ
ーターで構成されている。この制御指令装置9に記憶さ
れているプログラムは、前記操舵用操作具7が左旋回側
に操作されたことが検出されると、左のシフト部材44
をセンターギヤ35から外れる側に操作して、左の摩擦
クラッチ43を入り状態とし、左側走行装置1を旋回操
作用の無段変速装置4で駆動するように切り換え操作
し、かつ、前記操舵用操作具7が右旋回側に操作された
ことが検出されると、右のシフト部材44をセンターギ
ヤ35から外れる側に操作して、右の摩擦クラッチ43
を入り状態とし、右側走行装置1を旋回操作用の無段変
速装置4で駆動するように切り換える操作指令を出力
し、操舵用操作具7の操作方向が左右いずれでもないと
き、すなわち中立位置に操作された状態であるときに
は、電磁弁53を中立位置に操作して油圧アクチュエー
タ5の圧を開放する操作指令を出力して、左右の両シフ
ト部材44が、復帰用の押圧スプリング44bでセンタ
ーギヤ35に噛み合う側に戻されるように構成されてい
る。また、この制御指令装置9には、前記の電磁弁53
の制御を、前記操舵用操作具7の操作方向を感知するセ
ンサー71の感知結果で制御する場合のみならず、他の
検出系の入力信号によって制御することも可能であるよ
うに、予め予定される検出系の入力信号に応答する制御
プログラムが記憶され、かつ、そのいずれを選択するか
を、切り換えスイッチ91によって選択切り換え可能に
構成されている。
【0039】前記速度制御用操作具6と操舵用操作具7
とは、周知の摩擦制動手段など、適宜の方法でその操作
位置を位置保持可能に構成されている。
【0040】〔実施の形態の別例〕 [1] 前記操縦装置は、速度制御用操作具6と操舵用操作
具7との二本のレバーを用いたものに限らず、例えば、
一本の操作レバーを前後左右の十字方向に操作し得るよ
うに構成して、前後方向で高低変速操作を行い、左右方
向の操作で旋回操作を行う等のように、操縦操作機構8
と関連付けて各種の操作具を採用するように構成しても
よい。 [2] 前記操舵用操作具7をステアリングホイールによっ
て構成し、回転操作で機体旋回方向を設定するように操
縦操作機構8と関連付けてもよい。 [3] 前記速度制御用操作具6としては、揺動操作される
レバーに限らず、足踏み式のペダルによって構成しても
よく、また、この足踏み式のペダルによる速度制御用操
作具6とステアリングホイールによって構成される操舵
用操作具7とを組み合わせて用いてもよい。 [4] 前記高低変速用の無段変速装置3と前記旋回操作用
の無段変速装置4とは、旋回内側の走行装置1の駆動速
度が旋回外側の走行装置1の駆動速度に対して、旋回開
始時に所定比率範囲の速度関係となるように、一方の無
段変速装置3(または4)の速度に対する他方の無段変
速装置4(または3)の速度を自動変速する構成として
は、前述のスライド部材100と揺動ガイド部材11
0、ならびに、連係操作具120を用いたものに限ら
ず、前記高低変速用の無段変速装置3と前記旋回操作用
の無段変速装置4とを、各別に操作できるものであれ
ば、適宜の操作機構を採用することができる。 [5] 高低変速用の無段変速装置3の駆動系に、駆動系の
伝動ギヤなどの適宜回転体の回転速度を検出する回転検
出センサー等の、適宜の駆動速度検出手段を設け、この
検出結果を制御指令装置9に入力するとともに、旋回操
作用の無段変速装置4の斜板角を変更操作する変速手段
を設け、制御指令装置9側では前記回転検出センサー等
の駆動速度検出結果に基づいて、前記変速手段に、旋回
操作用の無段変速装置4で駆動される側の走行装置1
が、高低変速用の無段変速装置3で駆動される速度と同
程度、もしくは、それよりもやや低い速度で駆動される
ように、変速指令を出力するプログラムを備えさせるよ
うにしてもよい。 [6] 前記高低変速用の無段変速装置3と前記旋回操作用
の無段変速装置4とは、前記実施の形態で示したような
静油圧式無段変速装置によって構成されたものに限ら
ず、例えば、割プーリーと無端ベルトとを用いたり、円
板体どうしの接触、あるいは円錐状のコーンと、そのコ
ーンの円錐面に接触する大径のリング部材を用いた装置
であってもよい。 [7] 前述の実施の形態では、旋回内側の走行装置1の駆
動速度が、旋回外側の走行装置1の駆動速度に対して、
旋回開始時に同程度、もしくはやや低くなるように設定
されたものを示したが、逆に、旋回内側の駆動速度は一
定に維持したままで、旋回外側の駆動速度を内側よりも
やや高くなるように設定して、所定比率範囲の速度関係
となるように設定しても良い。このように、すれば、圃
場端部での作業中に、素早く旋回を終了させることがで
き、能率の良い作業を行うこともできる。
【0041】
【実施例】上述の実施の形態で示した本発明の作業車の
走行駆動装置は、例えば、図9および図11に示すよう
な農用コンバインの走行駆動装置として用いられる。こ
の農用コンバインは、左右一対のクローラ走行装置1で
支持された機体フレーム上に、原動部10、及び自脱型
の脱穀部11を搭載設置し、その前部に刈取前処理装置
12を上下昇降自在に装着して構成されている。
【0042】そして、前記刈取前処理装置12部分に植
立茎稈検出用のセンサー72を設け、その検出結果を前
記制御指令装置9に入力して、自動操縦時の入力信号と
するように構成されている。
【0043】ミッションケース2からの出力としては、
左右走行装置1への出力のみならず、前述のように、動
力取り出し軸36を介して外部装置駆動用の動力が出力
されており、具体的には、前記刈取前処理装置12に設
置された刈取駆動装置を駆動する動力が出力されてい
る。他に、脱穀装置、ポンプ駆動装置など、任意の装置
を駆動することができる。
【0044】〔その他の実施例〕 コンバイン本体側に無線信号の受信機(図示せず)を備
え、機体外部からの無線送信信号を受信し、その受信信
号を前記制御指令装置9に対する入力信号とするように
構成して、遠隔操縦により操向することも可能なように
構成してもよい。
【0045】走行装置1としては、クローラ走行装置に
限らず、機体の左右両側に多数の車輪を設置して、車輪
の向き変更によらず左右の回転速度差で操向される多輪
型の走行装置1であってもよい。
【0046】
【発明の効果】請求項1に記載のように構成すると、無
段変速装置を用いながら左右走行装置の等速駆動を可能
にして良好な直進性を得られる。そして、機体旋回時に
は、左右の走行変速装置の駆動系を互いに独立させた状
態で、各別に駆動速度を変更することができるので、左
右の走行装置の駆動速度差による旋回半径を自在に選定
でき、かつ、各種旋回半径での旋回速度も任意に設定す
ることができて、旋回パターンの多様性を増し、しかも
その操作も簡単で操作性に優れた作業車を得ることがで
きる。しかも、個々の無段変速装置やその操作機構の製
作精度上の誤差の影響少なく、直進性に優れた走行操作
装置を得ることができる。
【0047】請求項2に記載のように構成することで、
各操作具と無段変速装置との操作構造を簡素に構成する
ことができる。
【0048】また、請求項3に記載のように構成するこ
とで、操舵用操作具に不測に手が触れるなどして、操舵
用操作具が旋回操作された状態となっても、速度制御用
操作具での中立状態が維持されているので、機体が旋回
操作される不都合がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】駆動装置部分の全体を示す説明図。
【図2】操縦操作機構の正面図
【図3】操縦操作機構の動作説明図
【図4】操縦操作機構の動作説明図
【図5】操縦操作機構の動作説明図
【図6】操縦操作機構の平面図
【図7】操縦操作機構の動作状態を示す斜視図
【図8】操舵用操作具部分を示す斜視図
【図9】コンバインに適用した状態での刈取前処理装置
と走行駆動装置との関連を示す説明図
【図10】無段変速装置の回転数と車速との相関を示す
図表
【図11】コンバインの側面図
【符号の説明】
1 走行装置 3 高低変速用の無段変速装置 4 旋回操作用の無段変速装置 6 速度制御用操作具 7 操舵用操作具 8 操縦操作機構 100 スライド部材 110 揺動ガイド部材 114 被案内体 120 連係操作具

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右一対の走行装置の駆動速度差によっ
    て機体旋回を行う作業車の変速操作装置であって、 前記走行装置の駆動系に、高低変速用の無段変速装置
    と、旋回操作用の無段変速装置との複数の無段変速装置
    を備えるとともに、速度制御用操作具と操舵用操作具
    と、それらの各操作具と前記各無段変速装置とを連係す
    る操作連係手段を設け、 この操作連係手段は、前記操舵用操作具が中立位置に操
    作されている状態では、高低変速用の無段変速装置によ
    ってのみ左右の走行装置を駆動するとともに、前記速度
    制御用操作具による変速操作を両無段変速装置の夫々に
    伝達し、 操舵用操作具が左または右旋回操作位置に操作されてい
    る状態では、高低変速用の無段変速装置によって一方の
    走行装置を駆動し、旋回操作用の無段変速装置によって
    他方の走行装置を駆動し、かつ、 前記操舵用操作具によ
    る変速操作を旋回操作用の無段変速装置に対してのみ伝
    達するように構成されている作業車の変速操作装置。
  2. 【請求項2】 前記操作連係手段は、速度制御用操作具
    の操作に連係して、一方向にスライド操作されることに
    より高低変速用の無段変速装置を高低変速操作するスラ
    イド部材と、 機体の固定位置で一軸芯周りでの傾き角度を変更調節可
    能で、かつ、操舵用操作具の操作にともなって傾斜角度
    を変更可能に構成された揺動ガイド部材と、 その揺動ガイド部材に対して所定の案内方向で相対移動
    自在に、かつ、揺動ガイド部材の揺動操作に伴って一体
    的に移動自在に支持され、揺動ガイド部材の揺動に伴う
    移動により前記旋回操作用の無段変速装置を変速操作す
    るように連係されている被案内体と、 それらのスライド部材と揺動ガイド部材との間で、前記
    スライド部材と一体にスライド移動し、かつ、揺動ガイ
    ド部材に案内される被案内体を揺動ガイド部材の案内方
    向に沿って相対移動させるように連結された連係操作具
    とから構成されている請求項1記載の作業車の変速操作
    装置。
  3. 【請求項3】 前記揺動ガイド部材に案内される被案内
    体は、前記速度制御用操作具が中立位置に操作されてい
    る状態で、揺動ガイド部材の揺動中心に位置するよう
    に、前記スライド部材との位置関係を定めて前記連係操
    作具に連結されている請求項2記載の作業車の変速操作
    装置。
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