JP3170538B2 - 柱脚部及び連層耐震壁付帯柱脚部の固定度低減構造 - Google Patents

柱脚部及び連層耐震壁付帯柱脚部の固定度低減構造

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JP3170538B2
JP3170538B2 JP28829793A JP28829793A JP3170538B2 JP 3170538 B2 JP3170538 B2 JP 3170538B2 JP 28829793 A JP28829793 A JP 28829793A JP 28829793 A JP28829793 A JP 28829793A JP 3170538 B2 JP3170538 B2 JP 3170538B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高層建築物柱脚部及び
高層建築物連層耐震壁付帯柱脚部の固定度低減構造に関
する
【0002】
【従来の技術】現在の高層建築物の耐震設計において
は、一階床レベルの柱と梁とを剛接合とし、この柱脚と
残りの上層の梁とを降伏させて地震エネルギーを吸収し
て靱性を得るという、いわゆる全体降伏型の耐震設計を
行っている。
【0003】また、前記以外では、特開昭64−489
78の建築物構造体が提案されており、かかる建築物構
造体は、建築物の複数階毎に長さがその建築物の略全長
に及ぶ大梁を配置し、これらの大梁間に連層耐震壁を連
設し、大梁の外端部間の両端にピン結合部を持った大柱
を連設するようにして構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記全
体降伏型の耐震設計では、一階柱脚部が降伏した場合、
一階床レベルの柱と梁とは剛接合となっているため柱に
大きな曲げモーメントが生じ、これが降伏した後の充分
な靱性を確保するのは難しく、したがって一階柱脚部に
常時作用する大きな軸力に耐えるためには、構造設計上
のディティールにかなりの工夫を要するという問題点が
ある。また、地震時には外周柱に付加軸力が作用するた
め、一階柱脚部を降伏させる全体降伏型の耐震設計では
靱性確保という点で問題がある。
【0005】また、特開昭64−48978の建築物構
造体は、ピン結合部を持った大柱を備えており、この大
柱には高軸力が作用するためピン結合部の設計が非常に
困難であり、耐震壁や大梁の位置が限定され、設計の自
由度が損われるという問題点があった。
【0006】そこで、本発明は上記問題点に着目してな
されたものであり、その目的は、平面計画等の設計の自
由度を損うことなく、高軸力を受ける一階外周柱脚部の
回転性能を向上させ、もって構造体全体としての靱性も
向上させる柱脚部及び連層耐震壁脚部の固定度低減構造
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点を
解決するためになされたものであり、その要旨は、純ラ
ーメン構造高層建築物において、外周隅柱に接合する一
階床レベルの外周梁の梁背、及び外周柱以外の内部柱か
ら外周柱に接合する一階床レベルの梁の梁背を、他の一
階床レベルの梁背及び二階以上の各階における梁背より
も低くするか、あるいは前記外周梁、及び前記外周柱以
外の内部柱から外周柱に接合する梁を無くし、地下階で
は外周柱を地中連続止水壁などの地下構造体により拘束
すること無く囲んで地下基礎部まで延設し、高層建築物
外周柱の一階床レベルの固定度を低減した柱脚部の固定
度低減構造にある。
【0008】また、本発明の別の要旨は、チューブ構造
または純ラーメン構造の高層建築物において、外周隅柱
に接合する一階床レベルの外周梁の梁背を他の一階床レ
ベルの梁背及び二階以上の各階における梁背よりも低く
するか、あるいは前記外周隅柱に接合する一階床レベル
の外周梁を無くし、地下階では外周柱を地中連続止水壁
などの地下構造体により拘束すること無く囲んで地下基
礎部まで延設し、高層建築物外周隅部柱の一階床レベル
の固定度を低減した柱脚部の固定度低減構造にある。
【0009】さらに、本発明の別の要旨は、連層耐震壁
を備えた高層建築物において、前記連層耐震壁付帯柱の
両端に直交する一階床レベルの梁の梁背を他の一階床レ
ベルの梁背及び二階以上の各階における梁背よりも低く
するか、あるいは前記直交する梁を無くし、地下階では
外周柱及び連層耐震壁を地中連続止水壁などの地下構造
体により拘束すること無く囲んで地下基礎部まで延設
し、外周柱及び連層耐震壁の一階床レベルの面外方向の
固定度を低減した連層耐震壁脚部の固定度低減構造にあ
る。
【0010】
【作用】本発明の柱脚部の固定度低減構造は、外周柱に
接合する一階床レベルの梁の一部を他の一階床レベルの
梁背及び二階以上の各階における梁背よりも低くする
か、あるいはこの梁を無くし、地下階では外周柱を地中
連続止水壁などの地下構造体により拘束すること無く囲
んで地下基礎部まで延設し、高層建築物外周柱の一階床
レベルの固定度を低減する。そして、地下一階床レベル
においては、前記外周柱の固定度を他の柱と同じ固定度
とする。これによって、前記外周柱は、地下基礎部から
地上一階天井まで連続し、一階床レベルでピン固定され
た柱と同様な曲げモーメントを示す。つまり、外周柱の
剛度は他の柱の1/4から2/3程度であるため、水平
荷重が作用して一階床レベルが変形した場合、前記外周
柱の剪断負担は他の柱に比較して小さく、同一変形の時
には他の柱が降伏しても前記外周柱に降伏は生じない。
さらに、前記外周柱の弾性変形が大きいため、前記外周
柱端部の回転角も降伏する大きさに達することがない。
【0011】また、本発明の連層耐震壁付帯柱脚部の固
定度低減構造は、連層耐震壁付帯柱の両端に直交する一
階床レベルの梁の梁背を他の一階床レベルの梁背及び二
階以上の各階における梁背よりも低くするか、あるいは
前記梁を無くし、地下階では外周柱及び連層耐震壁を地
中連続止水壁などの地下構造体により拘束すること無く
囲んで地下基礎部まで延設し、連層耐震壁付帯柱の一階
床レベルでの連層耐震壁直交方向、いわゆる面外方向の
固定度を低減する。この時、一階床水平面上で連層耐震
壁の水平軸に45°方向から地震力が作用した場合、連
層耐震壁付帯柱の両端の梁による固定度が低減されてい
るため、特にその地震力のうち連層耐震壁に直交する力
の成分による、連層耐震壁面の直交方向への曲げ変形、
いわゆる面外曲げ変形を低減することができる。これに
より、連層耐震壁の水平軸方向、いわゆる面内方向に非
常に大きな軸力を受け、面外方向に曲げを受ける連層耐
震壁付帯柱の靱性低下を防ぐことができる。
【0012】
【実施例】以下に添付図面を参照しながら本発明の実施
例を説明する。
【0013】図1は、請求項1に係る柱脚部の固定度低
減構造を適用した純ラーメン構造高層建築物の一階床の
骨組平面図であり、図2は図1をA−A断面方向から見
た部分骨組立面図である。純ラーメン構造高層建築物1
は、それぞれの柱が等間隔に縦七列と横八列の碁盤目状
に並んでおり、一階床レベルでは本発明の柱脚部の固定
度低減構造を備え、二階以上のそれぞれの階では、従来
通りに各柱が相互に梁及び床板で連結され、さらに地下
階では外周柱2,5,8が地中連続止水壁101等によ
り拘束されること無く囲まれて、地下基礎部102へ延
長して固定されている。なお、外周柱以外の柱は、地下
階では地上階よりも高剛性の梁103や壁100によっ
て剛に固定されている。
【0014】本発明の固定度低減構造は、一階床レベル
でそれぞれ二本の外周柱8から延長し、四本の外周隅柱
2(以下、図2参照)に接合する外周梁3と、外周柱
5,8に隣合う18本の内部柱6から延長し、外周隅柱
2を除く22本の外周柱5,8に接合する一階床レベル
の梁4との梁背を他の一階床レベルの梁背よりも低くす
る、いわゆるフラットビームとするか、または前記外周
梁3と前記梁4とを無くすことを特徴とする。
【0015】かようにして、前記外周梁3と前記梁4と
をフラットビームにした場合、外周隅柱2を固定する部
材はそれぞれ二本のフラットビーム3及び床板になり、
外周柱8を固定する部材はそれぞれ二本のフラットビー
ム3,4、一本の通常の梁7及び床板になり、それ以外
の外周柱5を固定する部材はそれぞれ一本のフラットビ
ーム4、二本の通常の梁7及び床板になる。したがっ
て、外周隅柱2及び外周柱5,8に対する固定度の低減
は、従来の純ラーメン構造高層建築物の一階床レベル
で、上記のように外周隅柱2及び外周柱5,8に接合す
る一部の梁をフラットビームにするだけで達成できる。
【0016】また、前記外周梁3と前記梁4とを無くし
た場合、外周隅柱2を固定する部材は床板のみになり、
外周柱8を固定する部材は一本の通常の梁7及び床板に
なり、それ以外の外周柱5を固定する部材は二本の通常
の梁7及び床板になる。したがって、外周隅柱2及び外
周柱5,8に対する固定度の低減は、従来の純ラーメン
構造高層建築物の一階床レベルで、上記のように外周隅
柱2及び外周柱5,8に接合する一部の梁を無くすだけ
で達成できる。
【0017】なお、純ラーメン構造高層建築物の柱脚部
に、請求項1あるいは請求項2のいずれの固定度低減構
造を適用するかは、全体の柱本数の多少により判断す
る。すなわち、内周柱本数が外周柱本数よりも多い場合
(内周柱本数≧外周柱本数)には、全体として柱本数が
多いと判断して、請求項1の柱脚部の固定度低減構造を
適用する。したがって、図1の実施例では、外周柱(外
周隅柱2も含む)は26本、内周柱は30本となり、内
周柱本数≧外周柱本数を満たすので請求項1の柱脚部の
固定度低減構造を適用した。一方、内周柱本数が外周柱
本数よりも少ない場合(内周柱本数≦外周柱本数)に
は、全体として柱本数が少ないと判断して、請求項2の
柱脚部の固定度低減構造を適用する。したがって、図3
の実施例では、外周柱(外周隅柱12も含む)は16
本、内周柱は9本となり、内周柱本数≦外周柱本数を満
たすので請求項2の柱脚部の固定度低減構造を適用し
た。
【0018】図3は、請求項2に係る柱脚部の固定度低
減構造を適用した純ラーメン構造高層建築物の一階床の
骨組平面図である。純ラーメン構造高層建築物10は、
それぞれの柱が等間隔に縦五列と横五列の碁盤目状に並
んでおり、一階床レベルでは本発明の柱脚部の固定度低
減構造を備え、二階以上のそれぞれの階では、従来通り
に各柱が相互に梁及び床板で連結され、さらに地下階で
は外周柱12,15,18が地中連続止水壁等により拘
束されること無く囲まれて、地下基礎部102へ延長し
て固定されている。
【0019】本発明の固定度低減構造は、一階床レベル
で四本の外周隅柱12にそれぞれ二本の外周柱18から
延長して接合する外周梁13をフラットビームとする
か、または前記外周梁13を無くすことを特徴とする。
【0020】かようにして、前記外周梁13をフラット
ビームにした場合、外周隅柱12を固定する部材はそれ
ぞれ二本のフラットビーム13及び床板になり、外周柱
18を固定する部材はそれぞれ一本のフラットビーム1
3、二本の通常の梁17及び床板になり、それ以外の外
周柱15を固定する部材は、従来通りそれぞれ三本の通
常の梁17及び床板になる。したがって、外周隅柱12
及び外周柱15,18に対する固定度の低減は、従来の
純ラーメン構造高層建築物の一階床レベルで、上記のよ
うに外周隅柱2に接合する一部の梁をフラットビームに
するだけで達成できる。
【0021】また、前記外周梁13を無くした場合、外
周隅柱12を固定する部材は床板のみになり、外周柱1
8を固定する部材は二本の通常の梁17及び床板にな
り、それ以外の外周柱15を固定する部材は三本の通常
の梁7及び床板になる。したがって、外周隅柱12及び
外周柱15,18に対する固定度の低減は、従来の純ラ
ーメン構造高層建築物の一階床レベルで、上記のように
外周隅柱12及び外周柱15,18に接合する一部の梁
を無くすだけで達成できる。
【0022】次に、図4にしたがって、請求項2に係る
柱脚部の固定度低減構造をチューブ構造高層建築物に適
用した実施例について説明する。図4は、前記チューブ
構造高層建築物の一階床の骨組平面図である。チューブ
構造高層建築物20は、矩形平面の外周を縦八本と横七
本の柱が等間隔に並んでおり、一階床レベルでは本発明
の柱脚部の固定度低減構造を備え、二階以上のそれぞれ
の階では、従来通りに各柱が相互に梁及び床板で連結さ
れ、さらに地下階では外周柱22,25,28が地中連
続止水壁等により拘束されること無く囲まれて、地下基
礎部へ延長して固定されている。
【0023】本発明の固定度低減構造は、一階床レベル
で四本の外周隅柱22にそれぞれ二本の外周柱28から
延長して接合する外周梁23をフラットビームとする
か、または前記外周梁23を無くすことを特徴とする。
【0024】かようにして、前記外周梁23をフラット
ビームにした場合、外周隅柱22を固定する部材はそれ
ぞれ二本のフラットビーム23及び床板になり、外周柱
28を固定する部材はそれぞれ一本のフラットビーム2
3、一本の通常の梁27及び床板になり、それ以外の外
周柱25を固定する部材は、従来通りそれぞれ二本の通
常の梁27及び床板になる。したがって、外周隅柱22
及び外周柱28に対する固定度の低減は、従来のチュー
ブ構造高層建築物の一階床レベルで、上記のように外周
隅柱22に接合する梁をフラットビームにするだけで達
成できる。
【0025】また、前記外周梁23を無くした場合、外
周隅柱22を固定する部材は床板のみになり、外周柱2
8を固定する部材は一本の通常の梁27及び床板にな
り、それ以外の外周柱25を固定する部材は、従来通り
二本の通常の梁27及び床板になる。したがって、外周
隅柱22及び外周柱28に対する固定度の低減は、従来
のチューブ構造高層建築物の一階床レベルで、上記のよ
うに外周隅柱22に接合する一部の梁を無くすだけで達
成できる。
【0026】次に、図5にしたがって、請求項3に係る
柱脚部の固定度低減構造を連層耐震壁を備えた高層建築
物に適用した実施例について説明する。図5は、前記連
層耐震壁を備えた高層建築物の一階床の骨組平面図であ
る。連層耐震壁を備えた高層建築物30は、縦七列と横
八列の碁盤目状に並ぶ柱、梁及び壁のうち、例えば、左
から縦第二、第六列目の一部、及び上から横第二、第七
列目の一部を連層耐震壁31,32,33,34で置換
するように、矩形平面に配置され、一階床レベルでは本
発明の連層耐震壁付帯柱脚部の固定度低減構造を備え、
二階以上のそれぞれの階では、従来通りにそれぞれの柱
と連層耐震壁とが相互に梁及び床板で連結され、さらに
地下階では外周柱及び連層耐震壁が地中連続止水壁等に
より拘束されること無く囲まれて、地下基礎部へ延長し
て固定されている。ここで、連層耐震壁は、例えば、連
層耐震壁31と33との位置関係、及び連層耐震壁32
と34との位置関係のように、矩形平面の線対称位置に
配置する。なお、ここで連層耐震壁31,32,33,
34はそれぞれ両端に付帯柱45を備え、さらに連層耐
震壁32,34は、中間に中柱46を備えている。
【0027】図5に示す本発明の固定度低減構造は、一
階床レベルで連層耐震壁31,32,33,34の両端
に配置された付帯柱45に直交するそれぞれ二本の梁4
3をフラットビームとするか、または無くすことを特徴
とする。
【0028】かようにして、前記直交梁43をフラット
ビームにした場合、連層耐震壁付帯柱45を固定する部
材はそれぞれ二本のフラットビーム43、それぞれ一本
の通常の梁44、床板及びその連層耐震壁自身になる。
したがって、連層耐震壁付帯柱45に対する面外方向の
固定度の低減は、従来の連層耐震壁を備えた高層建築物
の一階床レベルで、上記のように連層耐震壁付帯柱に直
交する梁をフラットビームにするだけで達成できる。
【0029】また、前記直交梁43を無くした場合、連
層耐震壁付帯柱45を固定する部材はそれぞれ一本の通
常の軸方向梁44、床板及びその連層耐震壁自身にな
る。したがって、連層耐震壁付帯柱45に対する面外方
向の固定度の低減は、従来の連層耐震壁を備える高層建
築物の一階床レベルで、上記のように連層耐震壁付帯柱
に直交する梁を無くすだけで達成できる。
【0030】なお、請求項1乃至請求項3に係る本発明
を適用する純ラーメン構造高層建築物、チューブ構造高
層建築物及び連層耐震壁を備えた高層建築物は、上記形
状の柱配列及び柱本数または/及び連層耐震壁の配列及
び壁数に限定されず、その他の建築物にも適用可能であ
る。また、請求項1及び請求項2に係る本発明を適用す
る純ラーメン構造高層建築物やチューブ構造高層建築物
の地下平面が一階平面と同一の場合には、地下階で外周
柱(外周隅柱を含む)が地中連続止水壁101等により
拘束されるものの、少なくても一階床レベルから地下平
面までの外周隅柱に壁を接合せず、ドライエリアとする
ことにより、請求項1及び請求項2に係る本発明が適用
可能になる。さらに、請求項1の発明を適用する純ラー
メン構造において、内部柱から外周柱への梁や外周隅柱
への梁を、一階床レベルの外周柱の固定度低減配分を鑑
みたうえで、フラットビームと、梁無しと、通常の梁背
の梁との混合にすることも可能であるとともに、請求項
2の発明を適用する純ラーメン構造の一階床レベルの梁
においても、同様である。かかるフラットビームと、梁
無しと、通常の梁背の梁との混合は、請求項3の本発明
を適用する建築物においても、一階床レベルの連層耐震
壁の固定度低減配分を鑑みたうえで実施することができ
る。
【0031】次に、図6及び図7を参照して、大地震時
に、本発明の固定度低減構造を適用した高層建築物の柱
脚部に作用する曲げモーメントと柱脚部変形形状とを説
明する。図6(a)は本発明の柱脚部の固定度低減構造
を適用した図1の高層建築物の大地震時の第一層モーメ
ント図であり、図6(b)は図6(a)の外周柱5の変
形形状を示す概念図である。また、図7(a)は従来構
造の柱脚部を有する高層建築物の大地震時の第一層モー
メント図であり、図7(b)は図7(a)の外周柱10
5の変形形状を示す概念図である。図7(a)の従来構
造の柱脚部を有する高層建築物は、一階床レベルで外周
柱105に高強度の梁103が剛に固定されている。し
たがって、この高層建築物に大地震の水平力が作用する
と、外周柱105の一階床レベルは、梁103により拘
束されて図7(b)のような形状で変形し、外周柱10
5の柱脚部には内周柱106と同様に過大な曲げモーメ
ントが作用して、外周柱105を含む全ての柱脚部に降
伏が発生する。一方、図6(a)の本発明の柱脚部固定
度低減構造を適用した高層建築物は、上述したように、
一階床レベルでの外周柱の固定度が低減されている。し
たがって、この高層建築物に大地震の水平力が作用する
と、外周柱は地下一階床レベルから地上一階天井まで連
続し、一階床レベルでピン固定された柱と同様な曲げモ
ーメントを示す。つまり、壁や梁により固定された内部
柱よりも小さい曲げモーメントとなり、図6(b)のよ
うに略一階床レベルの支持点Xでピン支持されているよ
うに変形し、内周柱は降伏しても外周柱に降伏は生じな
い。さらに、前記外周柱の弾性変形が大きいため、前記
外周柱端部の回転角も降伏する大きさに達することがな
い。
【0032】
【発明の効果】本発明の柱脚部及び連層耐震壁脚部の固
定度低減構造は、高層建築物の平面計画等の設計の自由
度を損うことなく、高軸力を受ける一階外周柱脚部及び
連層耐震壁脚部の靱性を向上させ、したがって構造体全
体としての靱性も向上させることができ、さらに大地震
時にも安定した挙動を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、請求項1に係る本発明を適用した純ラ
ーメン構造高層建築物の一階床の骨組平面図である。
【図2】図2は、図1をA−A断面方向から見た部分骨
組立面図である。
【図3】図3は、請求項2に係る本発明を適用した純ラ
ーメン構造高層建築物の一階床の骨組平面図である。
【図4】図4は、請求項2に係る本発明を適用したチュ
ーブ構造高層建築物の一階床の骨組平面図である。
【図5】図5は、請求項3の本発明を適用した連層耐震
壁を備えた高層建築物の一階床の骨組平面図である。
【図6】図6(a)は本発明の柱脚部の固定度低減構造
を適用した図1の高層建築物の大地震時の第一層モーメ
ント図であり、図6(b)は図6(a)の外周柱の変形
形状を示す概念図である。
【図7】図7(a)は従来構造の柱脚部を有する高層建
築物の大地震時の第一層モーメント図であり、図7
(b)は図7(a)の外周柱の変形形状を示す概念図で
ある。
【符号の説明】
1 純ラーメン構造高層建築物 2,12,22 外周隅柱 3,4,13,23,43 フラットビームまたは梁無
し部分 5,8,15,18,25,28 外周柱 6 内部柱 20 チューブ構造高層建築物 30 連層耐震壁を備えた高層建築物 31,32,33,34 連層耐震壁 44 フラットビームまたは通常の梁 45 連層耐震壁付帯柱 46 連層耐震壁中柱
フロントページの続き (72)発明者 岩本 光陽 東京都港区北青山2−5−8 株式会社 間組内 (72)発明者 和田 章 横浜市港北区太尾町946−1 大倉山ハ イム1−521 (56)参考文献 特開 昭63−55236(JP,A) 特開 昭63−315744(JP,A) 特開 昭64−48978(JP,A) 実開 昭58−60747(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04H 9/02 E04B 1/34

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 純ラーメン構造高層建築物において、 外周隅柱に接合する一階床レベルの外周梁の梁背、及び
    外周柱以外の内部柱から外周柱に接合する一階床レベル
    の梁の梁背を、他の一階床レベルの梁背及び二階以上の
    各階における梁背よりも低くするか、あるいは前記外周
    梁、及び前記外周柱以外の内部柱から外周柱に接合する
    梁を無くし、地下階では外周柱を地中連続止水壁などの
    地下構造体により拘束すること無く囲んで地下基礎部ま
    で延設し、高層建築物外周柱の一階床レベルの固定度を
    低減した柱脚部の固定度低減構造。
  2. 【請求項2】 チューブ構造または純ラーメン構造の高
    層建築物において、 外周隅柱に接合する一階床レベルの外周梁の梁背を他の
    一階床レベルの梁背及び二階以上の各階における梁背
    りも低くするか、あるいは前記外周隅柱に接合する一階
    床レベルの外周梁を無くし、地下階では外周柱を地中連
    続止水壁などの地下構造体により拘束すること無く囲ん
    で地下基礎部まで延設し、高層建築物外周隅部柱の一階
    床レベルの固定度を低減した柱脚部の固定度低減構造。
  3. 【請求項3】 連層耐震壁を備えた高層建築物におい
    て、 前記連層耐震壁付帯柱の両端に直交する一階床レベルの
    梁の梁背を他の一階床レベルの梁背及び二階以上の各階
    における梁背よりも低くするか、あるいは前記直交する
    梁を無くし、地下階では外周柱及び連層耐震壁を地中連
    続止水壁などの地下構造体により拘束すること無く囲ん
    で地下基礎部まで延設し、外周柱及び連層耐震壁の一階
    床レベルの面外方向の固定度を低減した連層耐震壁脚部
    の固定度低減構造。
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