JP2002161580A - 集合住宅の構造 - Google Patents

集合住宅の構造

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JP2002161580A
JP2002161580A JP2001351427A JP2001351427A JP2002161580A JP 2002161580 A JP2002161580 A JP 2002161580A JP 2001351427 A JP2001351427 A JP 2001351427A JP 2001351427 A JP2001351427 A JP 2001351427A JP 2002161580 A JP2002161580 A JP 2002161580A
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JP2001351427A
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English (en)
Inventor
Koji Yabuuchi
浩二 藪内
Hiroji Yakushiji
博治 薬師寺
Keisuke Fujii
圭介 藤井
Kunio Watanabe
邦夫 渡辺
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Mitsui Construction Co Ltd
Original Assignee
Mitsui Construction Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】集合住宅において、極力多くの採光を確保し、
また極力良好な眺望を確保すること。 【解決手段】複数層状にフロア空間40が形成され、フ
ロア空間40に、複数の住戸を桁行き方向に配列して設
けた集合住宅において、複数の柱9及びこれら柱9間を
接続する複数の梁10からなる側部ラーメン構面構造体
20を、前記集合住宅1の側部7aを形成する形で設
け、側部ラーメン構面構造体20の梁10は、鉛直な板
状の扁平梁10となっており、扁平梁10の上側又は下
側に切欠き部10aを形成して構成される。梁の上側又
は下側に形成された切り欠きにより、集合住宅における
眺望及び採光の確保が容易である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マンション等の集合住
宅の構造として採用するのに好適な、集合住宅の構造に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、板状の集合住宅の構造としては、
1対の、桁行き方向に伸延したラーメン構面構造体を互
いに平行に配置した形で有し、これら1対のラーメン構
面構造体間に、張間方向に沿った複数の耐震壁(連層耐
震壁)を設置した構造が採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような板状の集合
住宅では、各耐震壁は1対のラーメン構面構造体間に、
これらラーメン構面構造体を接続する形で設置しなけれ
ばならなかった。そのためバルコニ等は、前記1対のラ
ーメン構面構造体の間に配置することが難しく、従って
各ラーメン構面構造体のうち前記耐震壁が無い側(張間
方向外側)に配置されることが多かった。しかしこれで
は、各住戸において、屋内部とバルコニ部との間の出入
口部分である開口部の位置にラーメン構面構造体の梁が
配置されるので、該開口部の開口面積はこの梁の大きさ
分の制約を受けていた。即ち、開口部の開口面積を極力
大きくとることにより、極力多くの採光を確保し、また
極力良好な眺望を確保することが要望されているが、従
来では上述したラーメン構面構造体の梁の制約によって
開口部の開口面積を極力大きくとることが困難であるた
め、このような要望に応えることが困難であった。
【0004】そこで本発明は上記事情に鑑み、屋内部と
バルコニ部間の開口部の開口面積を極力大きくとること
が出来、極力多くの採光を確保し、また極力良好な眺望
を確保することが出来る、集合住宅の構造を提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち本発明のうち第1の
発明は、複数層状にフロア空間(40)が形成され、該
フロア空間(40)に、複数の住戸を桁行き方向に配列
して設けた集合住宅において、複数の柱(9)及びこれ
ら柱(9)間を接続する複数の梁(10)からなる側部
ラーメン構面構造体(20)を、前記集合住宅(1)の
側部(7a)を形成する形で設け、前記側部ラーメン構
面構造体(20)の梁(10)は、鉛直な板状の扁平梁
(10)となっており、前記扁平梁(10)の上側又は
下側に切欠き部(10a)を形成して構成される。
【0006】また、請求項2の発明は、前記切り欠き部
の形状を台形状に形成したことを特徴として構成され
る。
【0007】
【発明の効果】本発明のうち第1の発明によれば、梁を
扁平梁にしたことにより、該梁は比較的梁成の大きな梁
となり、構築におけるコストの削減が実現する。また、
これにより、梁の厚さは極力小さくできるので、該梁等
の構造体を極力大型化させずに済み、計画上有利とする
ことができる。
【0008】また、バルコニ部を、側部ラーメン構面構
造体よりも内側に配置することが出来るので、各住戸に
おいて、屋内部とバルコニ部との間の出入口部分である
開口部45の位置にラーメン構面構造体の梁等が配置さ
れることを防止し、従って該開口部の開口面積はその分
制約を受けずに極力大きくとることができ、極力多くの
採光を確保し、また極力良好な眺望を確保することがで
きる。
【0009】更に梁に形成された切欠き部により、採光
の確保や、良好な眺望の確保が一層容易になる。
【0010】また本発明のうち第2の発明は、第1の発
明による集合住宅の構造において、前記切り欠き部の形
状を台形状に形成したので、梁10の形状はハンチを設
けた梁の形状に近くなり、該梁10の強度を極力失わず
に切欠き部を形成することが可能となる。
【0011】なお、括弧内の番号等は、図面における対
応する要素を示す便宜的なものであり、従って、本記述
は図面上の記載に限定拘束されるものではない。
【0012】
【実施例】図1は、本発明による集合住宅の構造が適用
された集合住宅の一例であり、その全体を模式的に示し
た側断面図、図2は、図1のX1−Y1線断面図、図3
は、図1のI矢視図、図4は、境界梁付近を示した平断
面図、図5は、境界梁の詳細を示した正面図、図6は、
別の形の境界梁の詳細を示した正面図、図7は、本発明
による集合住宅の構造が適用された集合住宅の別の一例
であり、その第1ラーメン構面構造体側を示した側面
図、図8は、本発明による集合住宅の構造が適用された
集合住宅の別の一例であり、その第1ラーメン構面構造
体側を示した側面図、図9は、本発明による集合住宅の
構造が適用された集合住宅の別の一例であり、その第1
ラーメン構面構造体側を示した側面図、図10は、本発
明による集合住宅の構造が適用された集合住宅の別の一
例であり、その第1ラーメン構面構造体側を示した側面
図、図11は、本発明による集合住宅の構造が適用され
た集合住宅の別の一例であり、その第1ラーメン構面構
造体を模式的に示した斜視図、図12は、本発明による
集合住宅の構造が適用された集合住宅の別の一例であ
り、その第1ラーメン構面構造体を模式的に示した斜視
図である。
【0013】集合住宅1は、図1に示すように、地盤2
中に構築された複数の杭3及び複数の地中梁5及び複数
の基礎4からなる基礎構造物6を有しており、該基礎構
造物6上には構造物本体7が地上において立設されてい
る。構造物本体7は、図1乃至図3に示すように、所定
の桁行き方向である図の矢印A、B方向に伸延した形の
第1ラーメン構面構造体20(図1の紙面左側)及び、
該第1ラーメン構面構造体20とは所定の張間方向であ
る図の矢印C、D方向に一定の間隔で対向配置された第
2ラーメン構面構造体30(図1の紙面右側)を、構造
物本体7の矢印C側の側部7a及び矢印D側の側部7a
をそれぞれ形成する形で有している。各ラーメン構面構
造体20、30は、前記基礎構造物6上に鉛直上方向に
立設された複数の柱9を有している。また、ラーメン構
面構造体20、30間において、各ラーメン構面構造体
20、30の各柱9は、所定の張間方向である図の矢印
C、D方向に1対1で対応配置されている。更に、各ラ
ーメン構面構造体20、30において、複数の柱9間に
は矢印A、B方向の複数の梁10が支持されている。な
お、複数の梁10は、上下方向においては集合住宅1の
所定の階高間隔H1で上下層状に配置されている。
【0014】上述したラーメン構面構造体20、30間
には、図1及び図2に示すように、これらラーメン構面
構造体20、30のうちの、矢印C、D方向に互いに対
応配置された柱9、9間において、中央構造体11がそ
れぞれ設けられている。各中央構造体11は、図1に示
すように前記基礎構造物6上に設けられた形の2本の傾
斜柱12、12及びこれら傾斜柱12、12上に支持さ
れた連層耐震壁150から構成されている。即ち2本の
傾斜柱12、12は、これらの矢印C、D方向における
間隔が、上端側に向かうほど狭くなる形、従って「八」
の字型になるように傾斜して設置されており、従ってこ
れら傾斜柱12、12及び、これら傾斜柱12、12を
支持している基礎構造物6及び、これら傾斜柱12、1
2に支持された連層耐震壁150により略三角形のトラ
ス構造25が形成されている。
【0015】また、各連層耐震壁150は矢印C、D方
向に伸延した形で形成されており、ラーメン構面構造体
20、30のうち、矢印C、D方向に互いに対応配置さ
れた柱9、9間に設置された中央構造体11の連層耐震
壁150と、前記各柱9との間には、鉛直方向に連続す
る連層開口部160、160がそれぞれ形成されてい
る。
【0016】各連層耐震壁150は、上下一列に設置さ
れた矢印C、D方向に伸延した複数の耐震壁15及び上
述した所定の階高間隔H1で上下層状に設置された矢印
C、D方向に伸延した複数の枠梁50を有しており(な
お、各枠梁50の高さ位置は、上述した各梁10の高さ
位置と対応している。)。また、これら耐震壁15と枠
梁50は上下交互に配置されており、従って上下に隣接
する耐震壁15、15の間に1つの枠梁50が、これら
耐震壁15、15相互を接続する形で配置されている。
【0017】また、各ラーメン構面構造体20、30と
各連層耐震壁150の間は、図1及び図4に示すよう
に、上述した各連層開口部160を横切る形で矢印C、
D方向に伸延し、かつ上述した所定の階高間隔H1で上
下層状に配置された複数の境界梁51により接続されて
いる。即ち、これら複数の境界梁51により建物として
の一体性が確保されている。具体的には、各境界梁51
は、上述した柱9、9間に設置された連層耐震壁150
の枠梁50と、前記各柱9とを矢印C、D方向に接続す
る形で設けられている。言い替えれば、各境界梁51
は、柱9、9間に設置された連層耐震壁150の各耐震
壁15と前記各柱9との間を、これら各耐震壁15に接
続された各枠梁50を介して矢印C、D方向に接続する
形で設けられている。なお矢印C、D方向に並んで配置
されている柱9と耐震壁15の間の部位は、上述した連
層開口部160の一部をなす非耐力開口16となってい
る。
【0018】境界梁51は、靱性能に優れた低降伏点鋼
である極軟鋼、即ち靭性鋼材61を使用した鉄骨造の梁
部材である。一般の建築用鋼材(通常鋼材)の伸び性能
は20%程度であるが(なお、「伸び性能」とは、外力
を受けない状態における鋼材の長さをLとし、該鋼材に
力を加えて破断させる直前の状態における長さをL+Δ
L(即ちΔLは伸びた分)とした場合にΔL/Lの値で
示される。)、本実施例で採用する靭性鋼材61の伸び
性能は40%以上である。具体的には図5に示すよう
に、境界梁51はH型鋼である鉄骨62を有しており、
該鉄骨62のウエブ部が上述した靭性鋼材61で形成さ
れ、フランジ部が通常鋼材60で形成されている。ウエ
ブ部に靭性鋼材61を採用することにより、せん断降伏
に有利な境界梁51に構成されている。
【0019】なお、境界梁51の具体的な構成は図5に
示すもの以外にも可能である。例えば図6に示すよう
に、境界梁51の鉄骨62において、該鉄骨62のフラ
ンジ部を上述した靭性鋼材61で形成し、ウエブ部を通
常鋼材60で形成してもよい。これにより境界梁51
は、曲げ、引っ張り降伏に有利となる。(その他にも、
境界梁51は、極軟鋼を使用した鉄骨コンクリート造の
梁部材であってもよい。)
【0020】一方、第1ラーメン構面構造体20と第2
ラーメン構面構造体30の間のうち、上述した連層耐震
壁150に対応する部位では、図1及び図3に示すよう
に、これらラーメン構面構造体20、30及び、上述し
た枠梁50や境界梁51等により支持された形で複数の
スラブ70が、上述した所定の階高間隔H1で、従って
ラーメン構面構造体20、30の矢印C、D方向に対応
する梁10、10間に配置された形で、上下層状に設置
されており、上下に隣接したスラブ70、70間には、
それぞれフロア空間40が形成されている。
【0021】また、第1ラーメン構面構造体20と第2
ラーメン構面構造体30の間のうち、上述した傾斜柱1
2、12に対応する部位では、互いに対応した傾斜柱1
2、12間に、これらを矢印C、D方向に接続する形で
支持梁52が適宜設けられており、これら支持梁52及
び前記ラーメン構面構造体20、30等により支持され
た形で複数のスラブ70が上述した所定の階高間隔H1
で上下層状に設置されている。上下に隣接したスラブ7
0、70間には、それぞれフロア空間40Kが形成され
ている。
【0022】各フロア空間40には複数の住戸41が、
図1及び図2に示すように矢印A、B方向に沿って1列
に並んで設置されており、各住戸41は室内部41aと
該室内部41aの矢印C側に隣接したバルコニ部41b
とにより構成されている。即ち、該フロア空間40にあ
る複数の住戸41の室内部41aは、上述した各耐震壁
15により互いに仕切られた形で矢印A、B方向に沿っ
て1列に並んで設置されており、複数の住戸41のバル
コニ部41bは、前記各耐震壁15の矢印C側に設けら
れている非耐力開口16を交互に挾んだ形で(即ち、非
耐力開口16に対応した形で)矢印A、B方向に沿って
1列に並んで設置されている。なお、各耐震壁15の矢
印C側に設けられている非耐力開口16には、隣接する
住戸41、41間でそのバルコニ部41b、41bを仕
切る形で、従って該非耐力開口16を閉塞する形で非耐
力部材である仕切板42が設置されている(例えばこの
仕切板42は、非常時に打ち破って人が通過できるよう
なものである。)。
【0023】更に、各フロア空間40には、1列に並ん
だ複数の住戸41の列の矢印D側に隣接した形で矢印
A、B方向に伸延した共用廊下43が設けられており、
従ってこの共用廊下43は、前記各耐震壁15の矢印D
側に設けられている非耐力開口16を通過した形で配置
されている。
【0024】なお、各住戸41では、図1及び図2に示
すように、室内部41aとバルコニ部41bの境界位
置、即ち各耐震壁15の矢印C側の端部15a付近の位
置に開口部45が形成されており、この開口部45には
開閉自在なサッシュ扉46(本実施例ではハイサッシュ
を採用)が設けられている。即ち、このサッシュ扉46
を開閉することにより、開口部45を介して室内部41
aとバルコニ部41bの間を往来することができる。ま
た本実施例では、各耐震壁15に対してはラーメン構面
構造体20、30等が直接接続されておらず、従って開
口部45に近接した位置には、これらラーメン構面構造
体20、30を構成する柱9や梁10が存在しない。よ
って各開口部45は柱や梁によるスペース的制約を受け
ず極力大きな開口面積をとる形で形成できる。
【0025】ところで、上述したラーメン構面構造体2
0、30の各柱9は、図1乃至図4に示すように、図の
矢印A、B方向に沿って扁平な形(例えば、水平断面が
略長方形であり、該長方形の矢印A、B方向に沿った長
辺の長さが短辺の長さの2倍以上大きくなった板状の形
状)の現場打ち柱であり、各梁10は上下方向に沿って
扁平な形(例えば、鉛直断面が略長方形であり、該長方
形の上下方向に沿った長辺の長さが短辺の長さの2倍以
上大きくなった板状の形状)のPC梁である。これによ
り、特に梁10を扁平な梁にしたことにより、該梁10
は比較的梁成の大きな梁となり、構築におけるコストの
削減が実現する。また、これら柱9の矢印C、D方向に
おける幅W1と、これら梁10の矢印C、D方向におけ
る幅W2とは等しくなっており、ラーメン構面構造体2
0、30の側面外観が凸凹せず滑らかになっているので
集合住宅1の美観が向上し都合がよい。
【0026】更に各梁10は、対応するスラブ70か
ら、その上方に突出した形で配置されており、従って第
1ラーメン構面構造体20の各梁10は各バルコニ41
bに対する落下防止柵を構成し、第2ラーメン構面構造
体30の各梁10は各共用廊下43に対する落下防止柵
を構成している。また、各梁10には、その上端側に適
宜な切欠き部10aが形成されており(特に、第1ラー
メン構面構造体20の梁10においてはバルコニ部41
bに対応する部位に形成されており)、この切欠き部1
0aによりバルコニ41bや共用廊下43に対する採光
や眺望(特に、下方に対する眺望)はより一層向上され
ている。
【0027】よって、本実施例での集合住宅1では、矢
印C、D方向においては、耐震壁15と非耐力開口16
が混在しているので、この非耐力開口16が混在する
分、耐震壁15を相対的に小さくでき、耐震壁15を支
持する枠柱(柱9)等の構造体を極力大型化させずに集
合住宅1の、大型化、高層化が可能となるので、計画上
有利であると共にコストを極力低く抑えることができ
る。また、非耐力開口16が存在する分、矢印C、D方
向略全体に耐震壁15を設置するような従来の構成と比
較し、水平剛性が比較的小さくなっているので、建物の
幅高比(高さ/張間方向の柱スパン)が例えば4程度ま
で高層化しても、地震時の転倒モーメントにより建物基
礎部分に生じる鉛直方向力を極力小さく抑えることがで
き、基礎構造物6(特に杭3)等の設計が容易になる。
即ち、基礎構造物6等の大型化が不要となり好都合であ
る。また、集合住宅1における低層部や地下のスパンを
広げる必要がないので計画上又は施工上有利になりコス
トも抑えられる。
【0028】また、地震力等に対して、矢印A、B方向
においてはラーメン構面構造体20、30の靭性により
抵抗し、矢印C、D方向においては耐震壁15の耐力に
より抵抗すると共に、靭性鋼材61を用いて形成された
境界梁51の靭性によっても抵抗するようになる。よっ
て、靭性鋼材61を用いて形成した境界梁51でのエネ
ルギー吸収能力が大きくなるため、構造体の塑性化が抑
えられ建物の健全化が確保される。
【0029】また集合住宅1のうち連層耐震壁150の
下側はトラス構造25により支持されているので、該連
層耐震壁150側からの荷重が、前記トラス構造25に
おける傾斜柱12等の軸力で処理できる。これにより傾
斜柱12等の断面は極力小さくできるので部材の節約が
実現し経済的である。更に、トラス構造25により、こ
れら連層耐震壁150及びトラス構造25からなる中央
構造体11の剛性を抑えることができ、よって基礎構造
物6等の大型化が不要となり好都合である。これに加え
て、トラス構造25によりこの部分に形成されたフロア
空間40Kは、連層耐震壁150の部分のフロア空間4
0に比べて、仕切の無い広い空間を大きく確保できるの
で、駐車場や商店など多種多様の用途が可能となる。
【0030】なお上述した実施例において、連層耐震壁
150とラーメン構面構造体20、30との間を境界梁
51で接続しているが、連層耐震壁150とラーメン構
面構造体20、30との間の接続等の態様はこれ以外に
も可能である。例えば連層耐震壁150とラーメン構面
構造体20、30との間の境界梁51を無くして、これ
らの間をスラブ70等だけで接続するようにしてもよ
い。
【0031】なお上述した実施例において、バルコニ部
41bは図2等に示すように、その平面形状が略長方形
になっていたが、バルコニ部の形はこれ以外にも、例え
ば図2の二点鎖線で示すような凸凹のある形でもよい。
バルコニ部41bを図2の二点鎖線のように形成した場
合、開口部45もこれに対応した形状に変形する訳であ
るが、本発明の構造では住戸41の室内部41aとバル
コニ部41bとの間に梁10等の梁が介在していないの
で開口部45の形状の変形においても自由度が高く好都
合である。
【0032】また上述した実施例において、梁10の切
欠き部10aは図3に示すように該梁10の上側に形成
された四角形状の切欠き部であったが、切欠き部の形成
位置や形状はこれ以外にも可能である。例えば図7に示
すように、梁10の下側に形成された四角形状の切欠き
部10aであってもよい。この場合は、梁10がスラブ
70から、その下側に突出している。この場合には、バ
ルコニ部41bにおいて上方からの採光を確保するのに
有利となる。
【0033】また例えば図8に示すように、梁10の上
側と下側の両方に切欠き部10aが形成されてもよい。
この場合は、梁10がスラブ70から、その上側及び下
側に突出している。この場合には、梁10の下側の切欠
き部10aを介して上方からの採光を確保するのに有利
であると共に、梁10の上側の切欠き部10aを介して
下方の眺望を確保するのに有利である。
【0034】また例えば図9に示すように、切欠き部1
0aの形状を台形状にしてもよい(これは図示しない
が、梁10の下側にあってもよい。)。切欠き部10a
の形状を台形状にすることにより、梁10の形状はハン
チを設けた梁の形状に近くなり、該梁10の強度を極力
失わずに切欠き部を形成することになる。
【0035】また例えば図10に示すように、上下に隣
接する梁10、10間を、上述した境界梁51と略同様
に構成された(即ち、図5や図6に示すような構成をも
った)、従って靭性鋼材を採用してできた間柱55で接
続してもよい。この場合、地震力等に対して、矢印A、
B方向においてラーメン構面構造体20、30が変形抵
抗する際に、靭性鋼材を用いて形成された間柱55によ
ってもエネルギーが吸収され、構造体の塑性化が抑えら
れ建物の健全化が一層確保される。
【0036】また例えば図11に示すように、梁10の
上側の切欠き部10aを利用して跳ね出しバルコニ65
を設けたり、また図12に示すように、梁10の上側の
切欠き部10aを利用して花台66を設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による集合住宅の構造が適用さ
れた集合住宅の一例であり、その全体を模式的に示した
側断面図である。
【図2】図2は、図1のX1−Y1線断面図である。
【図3】図3は、図1のI矢視図である。
【図4】図4は、境界梁付近を示した平断面図である。
【図5】図5は、境界梁の詳細を示した正面図である。
【図6】図6は、別の形の境界梁の詳細を示した正面図
である。
【図7】図7は、本発明による集合住宅の構造が適用さ
れた集合住宅の別の一例であり、その第1ラーメン構面
構造体側を示した側面図である。
【図8】図8は、本発明による集合住宅の構造が適用さ
れた集合住宅の別の一例であり、その第1ラーメン構面
構造体側を示した側面図である。
【図9】図9は、本発明による集合住宅の構造が適用さ
れた集合住宅の別の一例であり、その第1ラーメン構面
構造体側を示した側面図である。
【図10】図10は、本発明による集合住宅の構造が適
用された集合住宅の別の一例であり、その第1ラーメン
構面構造体側を示した側面図である。
【図11】図11は、本発明による集合住宅の構造が適
用された集合住宅の別の一例であり、その第1ラーメン
構面構造体を模式的に示した斜視図である。
【図12】図12は、本発明による集合住宅の構造が適
用された集合住宅の別の一例であり、その第1ラーメン
構面構造体を模式的に示した斜視図である。
【符号の説明】
1……集合住宅 7a……側部 9……柱 10……梁、扁平梁、 10a……切欠き部 15……耐震壁 20……側部ラーメン構面構造体(第1ラーメン構面構
造体) 40……フロア空間 41……住戸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤井 圭介 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目9番1号 三井建設株式会社幕張事業所内 (72)発明者 渡辺 邦夫 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目9番1号 三井建設株式会社幕張事業所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数層状にフロア空間が形成され、該フロ
    ア空間に、複数の住戸を桁行き方向に配列して設けた集
    合住宅において、 複数の柱及びこれら柱間を接続する複数の梁からなる側
    部ラーメン構面構造体を、前記集合住宅の側部を形成す
    る形で設け、 前記側部ラーメン構面構造体の梁は、鉛直な板状の扁平
    梁となっており、 前記扁平梁の上側又は下側に切欠き部を形成して構成し
    た集合住宅の構造。
  2. 【請求項2】前記切り欠き部の形状を台形状に形成した
    ことを特徴とする、請求項1記載の集合住宅の構造。
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