JP3167655B2 - エレベータのガイドレール給油装置 - Google Patents

エレベータのガイドレール給油装置

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JP3167655B2
JP3167655B2 JP25230697A JP25230697A JP3167655B2 JP 3167655 B2 JP3167655 B2 JP 3167655B2 JP 25230697 A JP25230697 A JP 25230697A JP 25230697 A JP25230697 A JP 25230697A JP 3167655 B2 JP3167655 B2 JP 3167655B2
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政輝 中野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乗かごやつり合い
おもりなどの昇降体を案内するガイドレールの摺接面に
油を補給するエレベータのガイドレール給油装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば特開平8−91735号公
報に記載されているように、ガイドレールのガイド部が
遊挿される凹部を有する箱状の収納ケースと、この収納
ケースに積層した状態で収納され、前記のガイド部の摺
接面に接触するコの字形状の切欠き部を有する複数枚の
保油シート材と、前記の収納ケースの凹部に対応して設
けられる凹部を有し、収納ケースの上面開口を覆う蓋体
とを備え、複数枚の保油シート材に油を含ませて切欠き
部の縁部からガイドレールの摺動面に油を補給するよう
にしたエレベータのガイドレール給油装置が提案されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来のガイドレール給油装置では、種々の実験を行った結
果、次のような問題があることが判明した。すなわち、
ガイドレールのガイド部に収納ケースおよび蓋体の凹部
を係合させた状態で、当該給油装置を乗かご上部に取付
けた場合、収納ケース内の収納した保油シート部材の切
欠き部の両側縁部をガイド部の両側の摺動面に均等に接
触させることが困難であるため、前記の切欠き部の一方
の縁部がガイド部の一方の摺動面から離れてしまい、こ
の一方の摺動面に十分に油を補給できないという問題が
あった。同時に、前記の切欠き部の他方の縁部がガイド
部の他方の摺動面に接触しすぎることにより、切欠き部
の他方の縁部が短時間のうちに損傷してほぐれてしま
い、使用不可能になるという問題もあった。
【0004】本発明はこのような従来技術における実情
に鑑みてなされたもので、その目的は、保油シート部材
の切欠き部の両側縁部をガイドレールのガイド部の摺接
面に均等、かつ適切に接触させることのできるエレベー
タのガイドレール給油装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、昇降路内を昇降する昇降体に取付けら
れ、ガイドレールのガイド部が遊挿される凹部を有する
箱状の収納ケースと、この収納ケースに積層した状態で
収納され、前記ガイド部の摺接面に接触するコの字形状
の切欠き部を有する複数枚の保油シート材と、前記収納
ケースの凹部に対応して設けられる凹部を有し、前記収
納ケースの上面開口を覆う蓋体とを備え、前記保油シー
ト部材の切欠き部の縁部から前記ガイド部の摺設面に油
を補給するエレベータのガイドレール給油装置におい
て、前記蓋体の凹部の縁部に、前記切欠き部の幅方向の
中心位置を標示する標示体を備え、この標示体を前記ガ
イド部の厚さ方向の中心位置に合わせた状態で、前記収
納ケースを前記昇降体に取付ける構成にしてある。
【0006】上記のように構成した本発明では、収納ケ
ース内に複数枚の保油シート材を積層した状態で収納し
て、収納ケースの上面に蓋体を装着した後、前記の収納
ケースを昇降体に取付ける際、収納ケースおよび蓋体の
各凹部と保油シート部材の切欠き部とにガイドレールの
ガイド部を挿入して、蓋体の凹部の縁部に設けた標示体
をガイド部の厚さ方向の中心位置に合わせることによ
り、保油シート部材に備えられる切欠き部の幅方向の中
心位置をガイド部の厚さ方向の中心位置と一致させる。
これにより、保油シート部材の切欠き部の両側縁部をガ
イドレールのガイド部の摺接面に均等、かつ適切に接触
させることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明のエレベータのガイ
ドレール給油装置の実施の形態を図に基づいて説明す
る。図1は本発明の一実施形態に係るエレベータのガイ
ドレール給油装置の平面図、図2は図1の給油装置を乗
かご上部に取付けた状態を示す側面図、図3は図1の給
油装置に設けられる蓋体を開いた状態を示す平面図、図
4は図1の給油装置の取付部分を下方から見た図、図5
は図1の給油装置に設けられる収納ケースの斜視図、図
6は図1の給油装置に設けられる保油シート材を複数枚
積み重ねた状態を示す斜視図、図7は保油シート材の平
面図、図8は図7の保油シート材の切欠き部を拡大して
示す平面図、図9は昇降体が下降する際の保油シート材
の摺接状態を示す縦断面図、図10は昇降体が上昇する
際の保油シート材の摺接状態を示す縦断面図である。
【0008】一般にエレベータでは、図2に示すよう
に、昇降路1内にガイドレール2が立設され、乗かご3
の上部に取付部材4を介して支持枠5が取付けられ、こ
の支持枠5には、図4に示すように、コの字形状に形成
され、ガイドレール2のガイド部2bに摺接するガイド
シュー5aが装着されている。ガイドレール2は、昇降
路1に固定される幅が比較的広い基部2aと、この基部
2aより乗かご3の方向へ突出し、幅が比較的狭いガイ
ド部2bとからなっている。このように構成されたエレ
ベータにあっては、乗かご3が昇降路1内を昇降する際
に、ガイドレール2のガイド部2bにガイドシュー5a
が摺接することにより、乗かご3をガイドレール2の長
手方向、すなわち上下方向へ案内するようになってい
る。
【0009】そして、本実施形態のガイドレール給油装
置6は、乗かご3の上部に載置される箱状の収納ケース
7と、この収納ケース7に積層した状態で収納される複
数枚の保油シート材8と、収納ケース7の上面開口7a
を覆う蓋体9と、収納ケース7を支持枠5と連結するL
字形ブラケット10および複数のボルト11とからなっ
ている。このガイドレール給油装置6では、収納ケース
7内に例えば6枚の保油シート材8を積み重ねた状態で
収納した後、蓋体9を閉じたとき、この蓋体9により保
油シート材8が押圧された状態になるようにしてある。
【0010】図6〜図8に示す保油シート材8は、シー
ト状のカポック繊維からなり、ガイドレール2のガイド
部2bが挿入され、このガイド部2bの摺接面に接触す
るコの字形状の切欠き部12を有し、この切欠き部12
の両側方には、前方(図6の手前側)に向かって幅が狭
くなるようにテーパ部8a、8bが形成されている。ま
た、図8に示すように、切欠き部12の左右両側の縁部
には、強化繊維部材13、14が隙間Pを隔ててそれぞ
れ設けられており、例えば、この隙間Pは、ガイドレー
ル2のガイド部2bの厚さQより1mm小さく設定され
ている。切欠き部12の奥側(すなわち図8の下方)の
縁部にも、前記の切欠き部12の端部12a、12bか
ら隙間Gを隔てて他の強化繊維部材15が設けられ、こ
れらの強化繊維部材13〜15は、アラミッド繊維を織
った布からなり、合成樹脂製の糸16によりそれぞれ縫
い付けられている。この切欠き部12の両側の縁部およ
び内底の縁部間には切り溝17、18が形成されるとと
もに、前記の強化繊維部材13〜15のそれぞれの近傍
には、図6、図7に示すように位置決め用の貫通穴1
9、20、21が形成されている。
【0011】図3、図5に示す収納ケース7は、合成樹
脂からなり、保油シート材8の外形に対応して形成され
ている。すなわち前記の切欠き部12の対応する位置
に、ガイドレール2のガイド部2bが遊挿される凹部2
2が設けられるとともに、この凹部22の両側方には、
前方(すなわち図5の手前側)に向かって幅が狭くなる
ようにテーパ部23、24が形成されている。また、各
テーパ部23、24の近傍の外側面には、蓋体9を係止
する凸部25、26が設けられている。
【0012】図5に示すように、収納ケース7の内底7
bには、保油シート材8の貫通穴19〜21に挿通され
る円柱体27、28、29が立設されている。収納ケー
ス7の凹部22の端縁に、油流出防止用リブ30が設け
られ、このリブ30により内底7bに溜った油が外部に
こぼれないようになっている。
【0013】蓋体9は、合成樹脂からなり、収納ケース
7に一対のヒンジ31を介して開閉可能に取付けられて
いる。この蓋体9も、収納ケース7の外形に対応して形
成されており、すなわち前記の凹部22の対応する位置
に、ガイドレール2のガイド部2bが遊挿される凹部3
2が設けられるとともに、この凹部32の両側方には、
前方に向かって幅が狭くなるようにテーパ部33、34
が形成されている。また、各テーパ部33、34の近傍
の外側面には、収納ケース7の凸部25、26にそれぞ
れ係合する係止爪35、36が設けられている。そし
て、蓋体9には、収納ケース7の円柱体27〜29の各
先端を受入れる凹部37、38、39が設けられてい
る。
【0014】また、蓋体9の凹部32の奥側(すなわち
図1の上側)縁部には、保油シート材8の切欠き部12
の中心位置(すなわち図7の中心線Yが通る位置)を標
示する矢印状の標示体40が一体に形成されている。さ
らに、蓋体9の凹部32の両側(すなわち図1の左右両
側)縁部には、ガイドレール2のガイド部2bに保油シ
ート材8の切欠き部12を挿入する際の位置決め用の第
1標示体41、42および第2標示体43、44が一体
に形成されている。これらのうち第1標示体41、42
は、互いに対向する一対の矢印状に形成され、ガイドレ
ール2のガイド部2bの突出長さZが62mmの場合に
用いられる。同様に、第2標示体43、44も、互いに
対向する一対の矢印状に形成され、ガイドレール2のガ
イド部2bの突出長さZが56mmの場合に用いられ
る。
【0015】図4に示すように、収納ケース7を支持枠
5と連結するL字形ブラケット10には、ガイド部2b
の突出方向に2組の長孔45がそれぞれ延設されてお
り、この2組の長孔45とボルト11との相対的位置関
係を調整することにより、収納ケース7とL字形ブラケ
ット10との取付位置を微調整できる。なお、この長孔
45の横幅寸法L1は、ボルト11のねじ部外径より4
mm大きく設定されるとともに、ボルト11の頭部外径
より2mm小さい設定されている。長孔45の縦幅寸法
2はボルト11のねじ部外径の約5倍に設定されてい
る。
【0016】この実施形態では、当該ガイドレール給油
装置6を乗かご3の上部に装着する際、収納ケース7内
に複数枚の保油シート材8を積層した状態で収納して、
収納ケース7の上面に蓋体9を装着した後、L字形ブラ
ケット10を介して収納ケース7を支持枠5に連結し、
ボルト11を仮締めする。次いで、ガイドレール2のガ
イド部2bの突出長さZが例えば62mmである場合、
第1標示体41、42を結ぶ直線上にガイド部2bの先
端が合うように収納ケース7および蓋体9を長孔45に
沿って移動させることにより、収納ケース7および蓋体
9の取付位置を調整する。これによって、ガイド部2b
の先端に対して保油シート材8の切欠き部12の奥側に
設けられる強化繊維部材15が適切な取付位置に配置さ
れる。
【0017】また、収納ケース7および蓋体9を長孔4
5の長手方向と直交する方向へ移動させて、蓋体9の標
示体40をガイド部2bの厚さQの中心線Xに合わせる
ことにより、保油シート部材8に備えられる切欠き部1
2の幅方向の中心位置(すなわち図7の中心線Yが通る
位置)がガイド部2bの厚さ方向の中心位置と一致す
る。
【0018】このようにガイドレール給油装置6の位置
調整を行なった後、ボルト11を締込むことによりL字
形ブラケット10に収納ケース7を固定し、次いで、乗
かご3を下降させると、図9に示すように、保油シート
部材8の強化繊維部材13〜15がガイド部2bの摺動
面上をそれぞれ摺動するとともに、その摺動抵抗により
強化繊維部材13〜15が上方へ湾曲する。その反対
に、乗かご3を下降させると、図10に示すように、強
化繊維部材13〜15がガイド部2bの摺動面上をそれ
ぞれ摺動するとともに、その摺動抵抗により強化繊維部
材13〜15が下方へ湾曲する。
【0019】このように構成した実施形態では、蓋体9
の標示体40をガイド部2bの厚さQの中心線Xに合わ
せることにより、切欠き部12の幅方向の中心位置がガ
イド部2bの厚さ方向の中心位置と一致するので、保油
シート部材8の切欠き部12の両側縁部をガイドレール
2のガイド部2bの摺接面に均等、かつ適切に接触させ
ることができる。
【0020】また、本実施形態では、蓋体9の凹部32
の両側縁部に位置決め用の第1標示体41、42および
第2標示体43、44を設けたので、ガイドレール2の
ガイド部2bに保油シート材8の切欠き部12を挿入す
る際、ガイドレール2のガイド部2bの突出長さZが異
なる場合に対応することができる。
【0021】なお、本実施形態にあっては、ガイドレー
ル2のガイド部2bの突出長さZが例えば62mmであ
る場合に関して説明したが、同様に、ガイド部2bの突
出長さZが例えば56mmである場合には第2標示体4
3、44を結ぶ直線上にガイド部2bの先端を合わせる
ようになっている。
【0022】
【発明の効果】本発明は以上のように構成したので、保
油シート部材の切欠き部の両側縁部をガイドレールのガ
イド部の両側面に均等、かつ適切に接触させることが
で、したがって、前記のガイド部の両側面に十分に油を
補給できるとともに、保油シート部材の切欠き部の縁部
が短時間のうちに損傷してほぐれることを防止できると
いう効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るエレベータのガイド
レール給油装置の平面図である。
【図2】図1の給油装置を乗かご上部に取付けた状態を
示す側面図である。
【図3】図1の給油装置に設けられる蓋体を開いた状態
を示す平面図である。
【図4】図1の給油装置の取付部分を下方から見た図で
ある。
【図5】図1の給油装置に設けられる収納ケースの斜視
図である。
【図6】図1の給油装置に設けられる保油シート材を複
数枚積み重ねた状態を示す斜視図である。
【図7】保油シート材の平面図である。
【図8】図7の保油シート材の切欠き部を拡大して示す
平面図である。
【図9】昇降体が下降する際の保油シート材の摺接状態
を示す縦断面図である。
【図10】昇降体が上昇する際の保油シート材の摺接状
態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 昇降路 2 ガイドレール 2b ガイド部 3 乗かご(昇降体) 6 ガイドレール給油装置 7 収納ケース 7a 上面開口 8 保油シート材 9 蓋体 10 L字形ブラケット 11 ボルト 12 切欠き部 22 凹部 32 凹部 40 標示体 41、42 第1標示体 43、44 第2標示体 45 長孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小森 範行 東京都千代田区神田錦町1丁目6番地 株式会社日立ビルシステム内 (72)発明者 田丸 時司 東京都千代田区神田錦町1丁目6番地 株式会社日立ビルシステム内 (56)参考文献 特開 平8−91735(JP,A) 特開 平8−91736(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B66B 7/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 昇降路内を昇降する昇降体に取付けら
    れ、ガイドレールのガイド部が遊挿される凹部を有する
    箱状の収納ケースと、この収納ケースに積層した状態で
    収納され、前記ガイド部の摺接面に接触するコの字形状
    の切欠き部を有する複数枚の保油シート材と、前記収納
    ケースの凹部に対応して設けられる凹部を有し、前記収
    納ケースの上面開口を覆う蓋体とを備え、前記保油シー
    ト部材の切欠き部の縁部から前記ガイド部の摺設面に油
    を補給するエレベータのガイドレール給油装置におい
    て、 前記蓋体の凹部の縁部に、前記切欠き部の幅方向の中心
    位置を標示する標示体を備え、この標示体を前記ガイド
    部の厚さ方向の中心位置に合わせた状態で、前記収納ケ
    ースを前記昇降体に取付けるようにしたことを特徴とす
    るエレベータのガイドレール給油装置。
JP25230697A 1997-09-17 1997-09-17 エレベータのガイドレール給油装置 Expired - Lifetime JP3167655B2 (ja)

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