JP3167594B2 - 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔のエッチング方法 - Google Patents
電解コンデンサ電極用アルミニウム箔のエッチング方法Info
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- JP3167594B2 JP3167594B2 JP23705295A JP23705295A JP3167594B2 JP 3167594 B2 JP3167594 B2 JP 3167594B2 JP 23705295 A JP23705295 A JP 23705295A JP 23705295 A JP23705295 A JP 23705295A JP 3167594 B2 JP3167594 B2 JP 3167594B2
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Description
【０００１】
【発明が属する技術分野】この発明は、電解コンデンサ
電極用アルミニウム箔のエッチング方法に関する。
電極用アルミニウム箔のエッチング方法に関する。
【０００２】
【従来の技術及び解決しようとする課題】アルミニウム
電解コンデンサ用電極材として一般に用いられるＡｌ箔
には、その実効面積を拡大して単位面積当たりの静電容
量を増大するため、通常、電気化学的あるいは化学的エ
ッチング処理が施される。
電解コンデンサ用電極材として一般に用いられるＡｌ箔
には、その実効面積を拡大して単位面積当たりの静電容
量を増大するため、通常、電気化学的あるいは化学的エ
ッチング処理が施される。
【０００３】しかし、箔を単にエッチング処理するのみ
では十分な静電容量が得られない。このため、一般的に
は箔圧延後の最終焼鈍工程において、立方体方位を多く
有する集合組織にして箔のエッチング特性を向上させる
べく、４５０℃程度以上の高温加熱処理が施されている
が、昨今の電解コンデンサの高静電容量化の要求に対し
て十分な満足を得るものではなかった。
では十分な静電容量が得られない。このため、一般的に
は箔圧延後の最終焼鈍工程において、立方体方位を多く
有する集合組織にして箔のエッチング特性を向上させる
べく、４５０℃程度以上の高温加熱処理が施されている
が、昨今の電解コンデンサの高静電容量化の要求に対し
て十分な満足を得るものではなかった。
【０００４】この発明は、かかる技術的背景に鑑みてな
されたものであって、静電容量を増大し得る電解コンデ
ンサ電極用アルミニウムのエッチング方法の提供を目的
とする。
されたものであって、静電容量を増大し得る電解コンデ
ンサ電極用アルミニウムのエッチング方法の提供を目的
とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、発明者は鋭意研究の結果、Ａｇを添加したアルミニ
ウム箔を特定条件のもとでエッチングすることにより、
トンネル状ピットの表面密度を増加でき、高静電容量箔
が得られることを見出した。
に、発明者は鋭意研究の結果、Ａｇを添加したアルミニ
ウム箔を特定条件のもとでエッチングすることにより、
トンネル状ピットの表面密度を増加でき、高静電容量箔
が得られることを見出した。
【０００６】この発明は、かかる知見に基いてなされた
ものであって、アルミニウム純度９９．９％以上で、Ａ
ｇ：１０〜２０００ppm を含有するアルミニウム箔を、
ＨＣｌ：２〜１０％、Ｈ2 ＳＯ4 ：１０〜４０％を含む
水溶液中で、液温：６５〜９０℃、電流密度：１０〜４
０Ａ／ｄｍ2 、時間：４０〜２００秒の条件にて一次の
電解エッチングを実施する工程と、一次の電解エッチン
グを行ったのち、ＨＣｌ：３〜１０％を含む水溶液中
で、液温：７５〜９５℃、電流密度：０〜１０Ａ／ｄｍ
2 、時間：５〜１５分の条件にて二次の電解エッチング
または化学エッチングを実施する工程とを含むことを特
徴とする電解コンデンサ電極用アルミニウム箔のエッチ
ング方法を要旨とする。
ものであって、アルミニウム純度９９．９％以上で、Ａ
ｇ：１０〜２０００ppm を含有するアルミニウム箔を、
ＨＣｌ：２〜１０％、Ｈ2 ＳＯ4 ：１０〜４０％を含む
水溶液中で、液温：６５〜９０℃、電流密度：１０〜４
０Ａ／ｄｍ2 、時間：４０〜２００秒の条件にて一次の
電解エッチングを実施する工程と、一次の電解エッチン
グを行ったのち、ＨＣｌ：３〜１０％を含む水溶液中
で、液温：７５〜９５℃、電流密度：０〜１０Ａ／ｄｍ
2 、時間：５〜１５分の条件にて二次の電解エッチング
または化学エッチングを実施する工程とを含むことを特
徴とする電解コンデンサ電極用アルミニウム箔のエッチ
ング方法を要旨とする。
【０００７】この発明に係るアルミニウム箔のアルミニ
ウム純度に９９．９％以上を必要とするのは、９９．９
％未満の純度では、エッチング時にエッチングピットの
成長が多くの不純物の存在によって阻害され、本発明範
囲のＡｇの含有によってもなお均一な深いトンネル状の
エッチングピットを形成できず、従って静電容量の高い
アルミニウム箔を得ることができないからである。好ま
しくはアルミニウム純度を９９．９８％以上とするのが
良い。
ウム純度に９９．９％以上を必要とするのは、９９．９
％未満の純度では、エッチング時にエッチングピットの
成長が多くの不純物の存在によって阻害され、本発明範
囲のＡｇの含有によってもなお均一な深いトンネル状の
エッチングピットを形成できず、従って静電容量の高い
アルミニウム箔を得ることができないからである。好ま
しくはアルミニウム純度を９９．９８％以上とするのが
良い。
【０００８】アルミニウム箔中のＡｇは、エッチング時
に均一に分散したピットを得るために必要な元素であ
る。即ち、後述する一次のエッチング処理において溶解
減量を増加させることにより、この溶解量の増加分がエ
ッチングピットの発生数の増加につながり、ひいては拡
面率が向上して高静電容量が得られるのである。しか
し、Ａｇの含有量が１０ppm 未満では溶解量の増加効果
がなく高静電容量が得られない。一方、Ａｇ量が２００
０ppm を超えると局部溶解を招いてかえってエッチング
ピットの数が減少してやはり高静電容量を得ることがで
きないばかりか、コストアップを招く。好ましいＡｇの
含有量の下限値は１５ppm 、上限値は１５０ppm であ
る。
に均一に分散したピットを得るために必要な元素であ
る。即ち、後述する一次のエッチング処理において溶解
減量を増加させることにより、この溶解量の増加分がエ
ッチングピットの発生数の増加につながり、ひいては拡
面率が向上して高静電容量が得られるのである。しか
し、Ａｇの含有量が１０ppm 未満では溶解量の増加効果
がなく高静電容量が得られない。一方、Ａｇ量が２００
０ppm を超えると局部溶解を招いてかえってエッチング
ピットの数が減少してやはり高静電容量を得ることがで
きないばかりか、コストアップを招く。好ましいＡｇの
含有量の下限値は１５ppm 、上限値は１５０ppm であ
る。
【０００９】かかるアルミニウム箔の製造は、常法に従
って行えば良い。即ち、アルミニウム地金を溶解する段
階で所要量のＡｇを添加し、鋳造後、常法に従って熱間
圧延、冷間圧延、箔圧延、要すればその間に更に中間焼
鈍を行って製箔し、その後要すれば高温最終焼鈍を行え
ば良い。
って行えば良い。即ち、アルミニウム地金を溶解する段
階で所要量のＡｇを添加し、鋳造後、常法に従って熱間
圧延、冷間圧延、箔圧延、要すればその間に更に中間焼
鈍を行って製箔し、その後要すれば高温最終焼鈍を行え
ば良い。
【００１０】上記アルミニウム箔は、これをエッチング
処理して電解コンデンサ電極材とする。エッチングは少
なくとも以下の２段の実施からなる。一次エッチングは
ＨＣｌ＋Ｈ2 ＳＯ4 系の電解液を用いて実施するもので
あるが、発明者は、一次エッチング時のＨＣｌ、Ｈ2 Ｓ
Ｏ4 濃度を適当な範囲に設定することで、前記箔におけ
るＡｇの含有と相俟って溶解減量を適度に増加させ、そ
の増加部分がピットの発生数の増加につながることを見
出した。即ち、ＨＣｌ濃度が２％未満、Ｈ2 ＳＯ4 濃度
が１０％未満では溶解減量の増加効果に乏しく結果的に
十分な高静電容量箔が得られない。一方、ＨＣｌ濃度が
１０％を超え、Ｈ2 ＳＯ4 濃度が４０％を越えると、エ
ッチングピット密度が高くなり過ぎ部分的なエッチング
ピットの結合が生じて静電容量は低下する。従って、一
次エッチング処理において、ＨＣｌ濃度は２〜１０％、
Ｈ2 ＳＯ4 濃度は１０〜４０％とする。特に望ましくは
ＨＣｌ濃度：３〜４％、Ｈ2 ＳＯ4 濃度：２５〜４０％
である。この時、他の一次エッチング条件は化成処理後
に十分な表面積が得られるだけのエッチングピット密
度、径、ピット長さを確保するために液温：６５〜９０
℃、直流電流密度：１０〜４０Ａ／ｄｍ2 、時間：４０
〜２００秒の範囲とする。
処理して電解コンデンサ電極材とする。エッチングは少
なくとも以下の２段の実施からなる。一次エッチングは
ＨＣｌ＋Ｈ2 ＳＯ4 系の電解液を用いて実施するもので
あるが、発明者は、一次エッチング時のＨＣｌ、Ｈ2 Ｓ
Ｏ4 濃度を適当な範囲に設定することで、前記箔におけ
るＡｇの含有と相俟って溶解減量を適度に増加させ、そ
の増加部分がピットの発生数の増加につながることを見
出した。即ち、ＨＣｌ濃度が２％未満、Ｈ2 ＳＯ4 濃度
が１０％未満では溶解減量の増加効果に乏しく結果的に
十分な高静電容量箔が得られない。一方、ＨＣｌ濃度が
１０％を超え、Ｈ2 ＳＯ4 濃度が４０％を越えると、エ
ッチングピット密度が高くなり過ぎ部分的なエッチング
ピットの結合が生じて静電容量は低下する。従って、一
次エッチング処理において、ＨＣｌ濃度は２〜１０％、
Ｈ2 ＳＯ4 濃度は１０〜４０％とする。特に望ましくは
ＨＣｌ濃度：３〜４％、Ｈ2 ＳＯ4 濃度：２５〜４０％
である。この時、他の一次エッチング条件は化成処理後
に十分な表面積が得られるだけのエッチングピット密
度、径、ピット長さを確保するために液温：６５〜９０
℃、直流電流密度：１０〜４０Ａ／ｄｍ2 、時間：４０
〜２００秒の範囲とする。
【００１１】一次エッチングに引き続いて、エッチング
ピット径を拡げる目的で、二次エッチングを行う。処理
液は、濃度：３〜１０％のＨＣｌを含む水溶液を用い
る。また、液温は７５〜９５℃とし、電流の通電を伴わ
ない化学エッチングでも良いし、直流電流密度１０Ａ／
ｄｍ2 以下の電解エッチングでも良い。時間は５〜１５
分とする。二次電解処理における上記処理条件を逸脱す
る場合は、いずれもエッチングピット径の拡大効果に不
十分となる。
ピット径を拡げる目的で、二次エッチングを行う。処理
液は、濃度：３〜１０％のＨＣｌを含む水溶液を用い
る。また、液温は７５〜９５℃とし、電流の通電を伴わ
ない化学エッチングでも良いし、直流電流密度１０Ａ／
ｄｍ2 以下の電解エッチングでも良い。時間は５〜１５
分とする。二次電解処理における上記処理条件を逸脱す
る場合は、いずれもエッチングピット径の拡大効果に不
十分となる。
【００１２】このような一次エッチング及び二次エッチ
ングにより、従来法よりも静電容量の高いＡｌ箔を得る
ことが可能となる。
ングにより、従来法よりも静電容量の高いＡｌ箔を得る
ことが可能となる。
【００１３】なお、この発明は、上記一次及び二次のエ
ッチングを実施するものであれば良く、必要に応じてそ
の後さらにエッチングを行っても良い。
ッチングを実施するものであれば良く、必要に応じてそ
の後さらにエッチングを行っても良い。
【００１４】
（実施例１）表１に示す各種組成のアルミニウム鋳塊
に、面削、熱間圧延、冷間圧延（中間焼鈍を含む）、最
終焼鈍を順次的に実施してアルミニウム箔を製作した。
なお、中間焼鈍は２７０℃×４時間、最終焼鈍は５２０
℃×４時間の条件で行った。
に、面削、熱間圧延、冷間圧延（中間焼鈍を含む）、最
終焼鈍を順次的に実施してアルミニウム箔を製作した。
なお、中間焼鈍は２７０℃×４時間、最終焼鈍は５２０
℃×４時間の条件で行った。
【００１５】次に、各アルミニウム箔に対して、一次エ
ッチング及び二次エッチングを表１のような条件に設定
して実施した。そのときのエッチングによる溶解減量
を、Ａｇを添加しない試料１の静電容量を１００％とし
たときの相対比較にて、表１に示す。
ッチング及び二次エッチングを表１のような条件に設定
して実施した。そのときのエッチングによる溶解減量
を、Ａｇを添加しない試料１の静電容量を１００％とし
たときの相対比較にて、表１に示す。
【００１６】次に、各アルミニウム箔について、５％ホ
ウ酸液中で２５０Ｖに化成した時の静電容量を測定し
た。その結果を、同じくＡｇを添加しない試料１の静電
容量を１００％としたときの相対比較にて、表１に示
す。
ウ酸液中で２５０Ｖに化成した時の静電容量を測定し
た。その結果を、同じくＡｇを添加しない試料１の静電
容量を１００％としたときの相対比較にて、表１に示
す。
【００１７】
【表１】 上記表１の結果からわかるように、本発明に係るエッチ
ング方法の条件を満足する実施品は、条件を逸脱する比
較品に較べて静電容量を増大し得ることを確認し得た。
ング方法の条件を満足する実施品は、条件を逸脱する比
較品に較べて静電容量を増大し得ることを確認し得た。
【００１８】
【発明の効果】この発明に係るエッチング方法によれ
ば、アルミニウム純度９９．９％以上で、Ａｇ：１０〜
２０００ppm を含有するアルミニウム箔に、所定条件の
２段のエッチングを実施するから、エッチングピットの
数を多く発生させることができるとともに、孔径を拡大
でき、ひいては拡面率が大きく静電容量の大きい電解コ
ンデンサ電極箔を提供できる。
ば、アルミニウム純度９９．９％以上で、Ａｇ：１０〜
２０００ppm を含有するアルミニウム箔に、所定条件の
２段のエッチングを実施するから、エッチングピットの
数を多く発生させることができるとともに、孔径を拡大
でき、ひいては拡面率が大きく静電容量の大きい電解コ
ンデンサ電極箔を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平７−235457（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−3409（ＪＰ，Ａ) 特開 昭57−131399（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−249549（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) H01G 9/04 304 C25F 3/04
Claims (1)
- 【請求項１】 アルミニウム純度９９．９％以上で、Ａ
ｇ：１０〜２０００ppm を含有するアルミニウム箔を、
ＨＣｌ：２〜１０％、Ｈ2 ＳＯ4 ：１０〜４０％を含む
水溶液中で、液温：６５〜９０℃、電流密度：１０〜４
０Ａ／ｄｍ2、時間：４０〜２００秒の条件にて一次の
電解エッチングを実施する工程と、 一次の電解エッチングを行ったのち、ＨＣｌ：３〜１０
％を含む水溶液中で、液温：７５〜９５℃、電流密度：
０〜１０Ａ／ｄｍ2 、時間：５〜１５分の条件にて二次
の電解エッチングまたは化学エッチングを実施する工程
とを含むことを特徴とする電解コンデンサ電極用アルミ
ニウム箔のエッチング方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23705295A JP3167594B2 (ja) | 1995-09-14 | 1995-09-14 | 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔のエッチング方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23705295A JP3167594B2 (ja) | 1995-09-14 | 1995-09-14 | 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔のエッチング方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0982581A JPH0982581A (ja) | 1997-03-28 |
| JP3167594B2 true JP3167594B2 (ja) | 2001-05-21 |
Family
ID=17009706
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP23705295A Expired - Lifetime JP3167594B2 (ja) | 1995-09-14 | 1995-09-14 | 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔のエッチング方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3167594B2 (ja) |
-
1995
- 1995-09-14 JP JP23705295A patent/JP3167594B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0982581A (ja) | 1997-03-28 |
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