JP3167248B2 - 位相差板の製造方法 - Google Patents
位相差板の製造方法Info
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Description
を一軸または二軸に延伸することにより、例えば、液晶
表示板に好適に用いられる、特に位相差のむらが少なく
均一性に優れた位相差板の製造方法に関するものであ
る。
高分子フィルムの延伸する分子配向によって延伸方向と
それに直交する方向との屈折率が異なるために生じる複
屈折性(屈折性異方性)を利用し、例えば液晶表示板の
液晶で生じた位相差を解消させるもの、換言すれば位相
差補償を行うものである。
れまで、セルロース系樹脂(特開昭63−167363
号公報)、塩化ビニル系樹脂(特公昭45−3447
7、特開昭56−125702号公報)、ポリカーボネ
ート系樹脂(特公昭41−12190号公報、特開昭5
6−130703号公報)、アクリルニトリル系樹脂
(特開昭56−130702号公報)、スチレン系樹脂
(特開昭56−125703号公報)、オレフィン系樹
脂(特開昭60−24502号公報)等の高分子フィル
ムを一軸延伸して作成できることが知られている。
軸延伸(特開平2−191904号公報)、横一軸延伸
(特開平2−42406号公報)が知られている。位相
差板の位相差補償性能は、レターデーション値と呼ば
れ、Δn×dで表される。ここでΔnは屈折率の異方
性、dはフィルムの肉厚である。位相差板では、このレ
ターデーション値が均一でなければならない。レターデ
ーション値にむらがあると、それは液晶表示装置の色む
らとなって現れ、液晶表示装置の品質を大きく損なうこ
とになる。
相差板は、延伸による分子配向に依存する屈折率異方性
Δnとフィルム厚みdの両方が均一であることが必要で
ある。色むらの生じない均一な位相差板として、特開平
2−256003号公報には、長さ方向に連続的に厚み
の変化を測定したとき、50mm以下のピッチで、か
つ、厚みの振幅が0.5μm以上である正弦波状の厚み
変動の存在しない熱可塑性高分子フィルム又はシート、
および該フィルム又はシートを押出方向に対して直角方
向に一軸に、又は二軸に延伸して形成されるフィルム又
はシートから成り、そのレターデーションの値が120
0nm以下であり、かつ、レターデーションのフレ幅が
10%以下である光学用フィルムが開示されている。
56003号公報に示されている光学用フィルムは、5
0mm以下のピッチの色むらは無いとしても、それ以上
のピッチのむらを無くすことはできず、未だに、位相差
板として十分な均一性を有するものでない。すなわち、
レターデーション値(Δn×d)のdは均一であるが、
Δnを均一にすることはできていなかった。本発明は、
このような問題点に着目してなされたものであり、フィ
ルムの略全域にわたり均一で、かつ優れた位相差補償性
能を有する位相差板の製造方法を提供することを目的と
している。
を解決するために、鋭意検討した結果、未延伸フィルム
の厚みの変化が、長さ方向、幅方向ともに細かい波状の
変動を有し、隣り合った厚い部分と薄い部分の厚みの差
が0.5μm以上3μm以下でピッチが1mm以上40
mm以下である原反を一軸または二軸に延伸することに
よって、レターデーション値が均一、この場合、フィル
ム面内にて相互に10cm離れた任意の2点間のレター
デーション値の差が5nm以下であり、色むらの生じな
い位相差板を得ることを見い出し、本発明を完成した。
点間のレターデーション値の差が5nmを超えると、液
晶表示装置に生じた色むらが、肉眼でも識別でき、液晶
表示装置として使用できない。このように原反に細かい
波状の厚み変動を作ることによって、フィルム面内に厚
みの薄い部分を無数に有する原反になる。これは、フィ
ルム面内に延伸開始点が無数に存在することになり、そ
のため大きな延伸むらは発生しなくなる。すなわち、レ
ターデーション値(Δn×d)のΔnが均一なものが得
られるため、dに細かい変動があっても全体としてはレ
ターデーション値の均一な位相差板を得ることができ
る。
い部分と薄い部分の厚みの差が0.5μm以上3μm以
下でピッチが1mm以上40mm以下である。厚みの差
が0.5μm未満であると、薄い部分が優先的に延伸さ
れるような、延伸開始点を形成するのに十分な差にはな
らない。厚みの差が3μmを超えると、レターデーショ
ン値(Δn×d)のΔnは均一でも、dのむらが大きく
なりすぎるため、レターデーション値は不均一になって
しまう。
面で光の乱反射が生じ、表示がぼやけてしまうため、光
学用のフィルムには不適当である。ピッチが40mmを
超えると延伸開始点の数が少なくなるため、延伸むらが
起き易く、レターデーション値のむらが生じ易くなる。
また、延伸温度はガラス転移温度Tg−10℃以上Tg
+30℃以下の範囲内で延伸するのが好ましい。延伸温
度がガラス転移温度Tg−10℃より低いと、フィルム
が十分な柔軟性を持たないため、延伸時に破断し易い。
延伸温度がTg+30℃を超えると、変形に伴う延伸応
力の増加が小さくなるため、一旦伸ばされ始めた部分だ
け優先的に延伸され、延伸むらが生じ易くなる。
としては、セルロース系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリ
カーボネート系樹脂、アクリルニトリル系樹脂、オレフ
ィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリメタクリル酸メ
チル系樹脂、ポリサルホン系樹脂、ポリアリレート系樹
脂、ポリエーテルサルホン系樹脂等による高分子フィル
ムが挙げられる。
ト法、カレンダー法、または溶融押出法のいずれでもよ
い。細かい波状の厚み変動を有する原反は、例えば、溶
剤キャスト法では、表面に細かい波状の凹凸を持ったプ
ラスチックフィルムや、金属製のベルト等の支持体の上
に樹脂溶液をキャストし、加熱乾燥して溶剤を除去した
後に、支持体から剥離して得られる。またカレンダー法
や溶融押出法では、溶融樹脂を、表面に細かい波状の凹
凸を持ったロールでプレスして、ロールの凹凸を転写す
ることによって得られる。また細かい波状の厚みむらの
無いフィルムを、表面に細かい波状の凹凸を持った加熱
ロールでプレスして、ロールの凹凸を転写することによ
っても得られる。
幅方向ともに細かい波状の変動、即ち隣り合った厚い部
分と薄い部分の厚みの差が0.5μm以上3μm以下
で、ピッチが1mm以上40mm以下である波状変動を
有する原反を一軸または二軸に延伸することによって、
レターデーション値がフィルム面内にて相互に10cm
離れた任意の2点間のレターデーション値の差が5nm
以下である位相差補償性能にむらの無い位相差板を得る
ことができる。この位相差板を液晶表示装置に使用する
と、色むらが無く、コントラストの高い、見やすい液晶
表示装置を提供することができる。
フェノールAのナトリウム塩の共縮合によって求められ
たスチレン換算での重量平均分子量が7×104 の樹脂
を塩化メチレンに溶解して20%溶液とした。
と谷の高低差が1μmの凹凸が、長さ方向、幅方向とも
20mmピッチで存在する)をもつ、クロムメッキした
スチールベルト上にキャストし、最終温度183℃で乾
燥して溶剤を除去するとともに剥離して幅1000m
m、平均厚さ75μmのポリサルホン未延伸原反を作成
した。この原反は、長さ方向、幅方向ともに細かい波状
の厚み変動を有し、隣り合った厚い部分と薄い部分の厚
みの差は0.8〜1.2μmで、ピッチは長さ方向、幅
方向ともに20mmであった。
90℃、延伸倍率1.4倍で縦一軸延伸して、幅880
nm、平均厚さ65μmのフィルムを得た。このフィル
ムの中央部から、幅700、長さ1000mmの位相差
板サンプルを切り出した。このサンプルの590nmで
のレターデーション値を幅方向、長さ方向とも10mm
間隔で測定したところ、平均値は466nm、10cm
離れた2点間のレターデーション値の差は、最大2.6
nmであった。
のナトリウム塩の共縮合によって求められたスチレン換
算での重量平均分子量が7×104 の樹脂を塩化メチレ
ンに溶解して20%溶液とした。この溶液を、表面形状
が平滑な、クロムメッキしたスチールベルト上にキャス
トし、最終温度183℃で乾燥して溶剤を除去するとと
もに剥離して幅1000mm、厚さ75μmのポリサル
ホン未延伸原反を作成した。この原反には、細かい波状
の厚み変動(40mm以下のピッチで、厚み差が0.5
μm以上の厚み変動)は無かった。
90℃、延伸倍率1.4倍で縦一軸延伸して、幅880
nm、平均厚さ65μmのフィルムを得た。このフィル
ムの中央部から、幅700、長さ1000mmの位相差
板サンプルを切り出した。このサンプルの590nmで
のレターデーション値を幅方向、長さ方向とも10mm
間隔で測定したところ、平均値は461nm、10cm
離れた2点間のレターデーション値の差は、最大6.2
nmであった。
のナトリウム塩の共縮合によって求められたスチレン換
算での重量平均分子量が7×104 の樹脂を塩化メチレ
ンに溶解して20%溶液とした。この溶液を、表面形状
が規則的な凹凸(山と谷の高低差が4μmの凹凸が、長
さ方向、幅方向とも50mmピッチで存在する)をも
つ、クロムメッキしたスチールベルト上にキャストし、
最終温度183℃で乾燥して溶剤を除去するとともに剥
離して幅1000mm、厚さ75μmのポリサルホン未
延伸原反を作成した。この原反は、長さ方向、幅方向と
もに細かい波状の厚み変動を有し、隣り合った厚い部分
と薄い部分の厚みの差は3.5〜4.3μmで、ピッチ
は長さ方向、幅方向ともに50mmであった。
90℃、延伸倍率1.4倍で縦一軸延伸して、幅880
nm、平均厚さ64μmのフィルムを得た。このフィル
ムの中央部から、幅700、長さ1000mmの位相差
板サンプルを切り出した。このサンプルの590nmで
のレターデーション値を幅方向、長さ方向とも10mm
間隔で測定したところ、平均値は472nm、10cm
離れた2点間のレターデーション値の差は、最大7.5
nmであった。
によれば、フィルムの略全域にわたりレターデーション
値が均一で、液晶表示装置に色むらを生じない優れた位
相差補償性能を有する高品質の位相差板の製造方法を提
供することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 熱可塑性樹脂フィルムを一軸または二軸
に延伸することによる位相差板の製造方法であって、未
延伸フィルムの厚みの変化が長さ方向、幅方向ともに、
隣り合った厚い部分の厚みの差が0.5μm以上3μm
以下で、ピッチが1mm以上40mm以下である波状の
変動を有する原反を一軸または二軸に延伸することによ
って、フィルム面内にて相互に10cm離れた任意の2
点間のレターデーション値の差が5nm以下である位相
差板を得ることを特徴とする位相差板の製造方法。 - 【請求項2】 上記原反の延伸を、そのガラス転移温度
Tg−10℃以上Tg+30℃以下の範囲内の延伸温度
にて行うことを特徴とする請求項1に記載の位相差板の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23753594A JP3167248B2 (ja) | 1994-09-30 | 1994-09-30 | 位相差板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP23753594A JP3167248B2 (ja) | 1994-09-30 | 1994-09-30 | 位相差板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08101308A JPH08101308A (ja) | 1996-04-16 |
JP3167248B2 true JP3167248B2 (ja) | 2001-05-21 |
Family
ID=17016782
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23753594A Expired - Lifetime JP3167248B2 (ja) | 1994-09-30 | 1994-09-30 | 位相差板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3167248B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100523080C (zh) * | 2003-08-22 | 2009-08-05 | 旭有机材工业株式会社 | 酚醛树脂成形材料及树脂制滑动零件 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011123288A (ja) * | 2009-12-10 | 2011-06-23 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 位相差フィルムの製造方法 |
-
1994
- 1994-09-30 JP JP23753594A patent/JP3167248B2/ja not_active Expired - Lifetime
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CN100523080C (zh) * | 2003-08-22 | 2009-08-05 | 旭有机材工业株式会社 | 酚醛树脂成形材料及树脂制滑动零件 |
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JPH08101308A (ja) | 1996-04-16 |
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