JP3844211B2 - 非晶性熱可塑性樹脂シートの製造方法 - Google Patents

非晶性熱可塑性樹脂シートの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非晶性熱可塑性樹脂シートの製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、厚みムラが少なく、表面平滑性が良好であり、位相差が小さい光学特性に優れた非晶性熱可塑性樹脂シートを安定して製造することができ、特に脂環式構造を有する樹脂のシートの製造に適した非晶性熱可塑性樹脂シートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶ディスプレイ(LCD)の軽量化、薄型化、大画面化を目指して、ガラス基板のプラスチックフイルムによる代替が試みられている。また、超ねじれネマチック(STN)には、位相差フィルムと偏光フィルムが用いられ、薄膜トランジスタ(TFT)には、偏光フィルムが用いられる。液晶材料として用いられるこれらのフィルムには、高度の表面平滑性と光学特性が必要であり、ダイライン、フィッシュアイ、シルバーストリーク、異物などのないフィルムが求められる。このために、光学特性に優れたプラスチック材料の開発が進められるとともに、製膜技術についても種々の改良が試みられている。
例えば、特開2000−280268号公報には、位相差が小さくて優れた光学特性を有し、表面平滑性が高く、光学シートとして好適な熱可塑性樹脂シートの製造方法として、ダイスから押し出された溶融状態の熱可塑性樹脂を、キャストドラムと、キャストドラムにその周方向に沿って圧接した金属製の無端ベルトとの間に通過させることにより、熱可塑性樹脂を挟圧して無端ベルトに圧着させる工程を有するシートの製造方法であって、無端ベルトは当該無端ベルトを介してキャストドラムに並ぶよう配置された駆動用ロールを含む複数のロールよりなる保持ロール群によって、張力が作用された状態で保持され、熱可塑性樹脂のガラス転移温度をTg(℃)としたとき、キャストドラムの表面温度及び駆動用ロールの表面温度の各々がTg〜Tg+50(℃)である熱可塑性樹脂シートの製造方法が提案されている。しかし、無端ベルトを有する製膜装置は、ドラムのみからなる製膜装置に比べて構造が複雑で設備費が高く、運転管理も複雑であり、さらにこの方法によっても膜厚精度の良好なシートを安定して製造することは困難である。
また、特開2001−30337号公報には、位相差むらが少なくて安定した光学特性を有する透明樹脂シートを製造することができる方法として、環状オレフィン系樹脂を溶融してダイスからシート状に押し出し、表面が鏡面加工されてなる冷却ロールに密着させて成形し、得られた樹脂シートを引取ロールによって引き取る工程を有する透明樹脂シートの製造方法において、冷却ロールと引取ロールとの間において樹脂シートに作用する張力が±10%の範囲内で一定となるように制御される透明樹脂シートの製造方法が提案されている。しかし、このような方法によっても、特にシートの端部の厚みのばらつきが大きくなりやすく、膜厚精度の良好なシートを安定して製造することは困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、厚みムラが少なく、表面平滑性が良好であり、位相差が小さい光学特性に優れた非晶性熱可塑性樹脂シートを安定して製造することができ、特に脂環式構造を有する樹脂のシートの製造に適した非晶性熱可塑性樹脂シートの製造方法を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ダイスから押し出された溶融状態の熱可塑性樹脂を複数の冷却ドラムの周方向に沿って通過させる非晶性熱可塑性樹脂シートの製造方法において、前記ダイスから押し出されたシート状溶融樹脂が最初に接触する第一冷却ドラムでの樹脂接触時間をt(秒)、第一冷却ドラムを離れるときの樹脂温度をT1(℃)、樹脂のガラス転移温度をTg(℃)としたとき、t×(T1−Tg)を−50〜+20(秒・℃)に制御することにより、光学特性の良好なシートを安定して製造し得ることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)押出機から押し出されたシート状溶融熱可塑性樹脂を、第一冷却ドラム、第二冷却ドラムの2本のドラムの周に沿って順に通過させる非晶性熱可塑性樹脂製光学シートの製造方法において、第一冷却ドラムでの樹脂接触時間をt(秒)、第一冷却ドラムを離れるときの樹脂温度をT1(℃)、樹脂のガラス転移温度をTg(℃)としたとき、t×(T1−Tg)を、−50〜+20(秒・℃)として(ただし、tは0 . 5〜10秒)、中央部と端部の残留位相差の差異が、1 . 4nm以下であるシートを形成することを特徴とする非晶性熱可塑性樹脂製光学シートの製造方法、
(2)樹脂が第一冷却ドラムを離れ、第二冷却ドラムに接触するまでの時間が0.3〜5(秒)であり、かつ第二冷却ドラム接触開始時の樹脂温度がTg−80〜Tg+10(℃)である第1項記載の非晶性熱可塑性樹脂製光学シートの製造方法、
(3)第二冷却ドラムの表面温度が、Tg−90〜Tg−10(℃)である第1項又は第2項記載の非晶性熱可塑性樹脂製光学シートの製造方法、
(4)第一冷却ドラムと第二冷却ドラムとの相対的位置を変えることにより、第一冷却ドラムでの樹脂接触時間、及び、第一冷却ドラムを離れ第二冷却ドラムに接触するまでの時間を調整する第1項又は第2項記載の非晶性熱可塑性樹脂製光学シートの製造方法、
(5)熱可塑性樹脂が、脂環式構造を有する樹脂である第1項、第2項又は第3項記載の非晶性熱可塑性樹脂製光学シートの製造方法、及び、
(6)脂環式構造を有する樹脂が、ノルボルネン系開環重合体水素添加物又はビニル脂環式炭化水素重合体である第5項記載の非晶性熱可塑性樹脂製光学シートの製造方法、
を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の方法は、押出機から押し出されたシート状溶融熱可塑性樹脂を、第一冷却ドラム、第二冷却ドラムの2本のドラムの周方向に沿って順に通過させる非晶性熱可塑性樹脂シートの製造方法において、第一冷却ドラムでの樹脂接触時間をt(秒)、第一冷却ドラムを離れるときの樹脂温度をT1(℃)、樹脂のガラス転移温度をTg(℃)としたとき、t×(T1−Tg)を−50〜+20(秒・℃)、より好ましくは−40〜+15(秒・℃)とすることを特徴とする。t×(T1−Tg)が−50(秒・℃)未満であると、膜厚精度が低下し、傷が多発するおそれがある。t×(T1−Tg)が+20(秒・℃)を超えると、位相差が大きくなり、傷が多発するおそれがある。
本発明の方法を適用してシートを製造する非晶性熱可塑性樹脂に特に制限はなく、例えば、ポリエチレン、プロピレン−エチレン共重合体、ポリスチレン、テレフタル酸−エチレングリコール−シクロヘキサンジメタノール共重合体、ポリカーボネート、脂環式構造を有する樹脂などを挙げることができる。これらの中で、本発明の方法は、脂環式構造を有する樹脂のシートの製造に好適に適用することができる。脂環式構造を有する樹脂とは、重合体繰り返し単位中に脂環式構造を含有するものであり、脂環式構造としては、シクロアルカン構造、シクロアルケン構造などが挙げられる。脂環式構造含有重合体樹脂の具体例としては、ノルボルネン環構造を有するモノマー(以下、ノルボルネン系モノマーという。)の開環重合体及びその水素添加物、ノルボルネン系モノマーの付加重合体及びその水素添加物、ノルボルネン系モノマーとビニル化合物との付加共重合体及びその水素添加物などのノルボルネン系重合体;スチレンなどビニル芳香族炭化水素化合物の重合体の芳香環までを含めた水素添加物、ビニル脂環式炭化水素化合物の重合体などのビニル脂環式炭化水素重合体;が挙げられる。
本発明の方法は、上記のノルボルネン系モノマーの開環重合体水素添加物及びビニル脂環式炭化水素重合体のシートの製造に特に好適に適用することができる。
図1は、本発明方法におけるシートと冷却ドラムとの接触方式の例としての2態様の説明図である。図1(a)に示すA法においては、ダイス1からシート状に押し出された溶融状態の熱可塑性樹脂2は、第一冷却ドラム3の下方、第二冷却ドラム4の上方において、それぞれ冷却ドラムと接触して冷却され、シート6として引き取られる。図1(a)の一実施態様では樹脂は、第一冷却ドラムにおいて、ドラムと例えば中心角140度の円周部分で接触し、第二冷却ドラムにおいて、ドラムと例えば中心角50度の円周部分で接触する。
図1(b)に示すB法においては、ダイス1からシート状に押し出された溶融状態の熱可塑性樹脂2は、第一冷却ドラム3の下方、第二冷却ドラム4の下方において、それぞれ冷却ドラムと接触して冷却され、シート6として引き取られる。図1(b)の一実施態様では樹脂は、第一冷却ドラムにおいて、ドラムと例えば中心角90度の円周部分で接触し、第二冷却ドラムにおいて、ドラムと例えば中心角50度の円周部分で接触する。
尚、本発明の方法は、各ドラムの配置、樹脂の通過経路によって制限されない。図1以外のものとして、例えば、L型、Z型などの公知のドラム配置においても適用可能である。
【0006】
本発明方法においては、樹脂が第一冷却ドラムを離れ、第二冷却ドラムに接触するまでの時間が0.3〜5(秒)であることが好ましく、0.5〜3.5(秒)であることがより好ましい。また、第二冷却ドラム接触開始時の樹脂温度がTg−80〜Tg+10(℃)であることが好ましく、Tg−60〜Tg+5(℃)であることがより好ましい。樹脂が第一冷却ドラムを離れ、第二冷却ドラムに接触するまでの時間を0.3(秒)未満とすると、第一冷却ドラムと第二冷却ドラムの位置関係に無理が生じて、設備的な困難を伴うおそれがあり、あるいは、シートの引取速度が速くなりすぎて、安定したシートの製造が困難になるおそれがある。樹脂が第一冷却ドラムを離れ、第二冷却ドラムに接触するまでの時間が5(秒)を超えると、シートの引取速度が遅くなりすぎてシートの生産性が低下するおそれがあり、シワなどの外観欠陥が発生しやすくなる。第二冷却ドラム接触開始時の樹脂温度がTg−80(℃)未満であると、シワなどの外観欠陥が発生するおそれがある。第二冷却ドラム接触開始時の樹脂温度がTg+10(℃)を超えると、位相差が大きくなるおそれがある。
本発明方法においては、第二冷却ドラムの表面温度がTg−90〜Tg−10(℃)であることが好ましく、Tg−80〜Tg−20(℃)であることがより好ましい。第二冷却ドラムの表面温度がTg−90(℃)未満であると、外観欠陥が発生するおそれがある。第二冷却ドラムの表面温度がTg−10(℃)を超えると、位相差が大きくなるおそれがある。
さらに、本発明方法においては、第一冷却ドラムの表面温度がTg−60〜Tg+20(℃)であることが好ましい。また、第一冷却ドラムでの樹脂接触時間tは0.5〜10(秒)の範囲内で、第一冷却ドラムを離れるときの樹脂温度T1はTg−50〜Tg+20(℃)の範囲内で、t×(T1−Tg)が−50〜+20(秒・℃)となるように制御する。
【0007】
本発明の方法においては、第一冷却ドラムと第二冷却ドラムとの相対的位置を変えることにより、第一冷却ドラムでの樹脂接触時間、及び、第一冷却ドラムを離れ第二冷却ドラムに接触するまでの時間を調整することができる。第一冷却ドラムと第二冷却ドラムとの相対的位置は、例えば、第一冷却ドラム及び/又は第二冷却ドラムの位置を、上下・左右・斜め方向に移動させて変えることができる。図2は、本発明方法の実施の一態様の説明図であり、図2(a)は、図1(a)のA法において第二冷却ドラムを上方向に移動させた状態(C法)を、図2(b)は、図1(b)のB法において第二冷却ドラムを下方向に移動させた状態(D法)を示す。本態様においては、ダイス1からシート状に押し出された溶融状態の熱可塑性樹脂2は、第一冷却ドラム3、第二冷却ドラム4、第三冷却ドラム5において、それぞれ冷却ドラムと接触して冷却され、シート6として引き取られる。図2(a)に示す第二冷却ドラムを上方向に移動させた状態では、樹脂は、第一冷却ドラムにおいて、ドラムと中心角約160度の円周部分で接触し、第二冷却ドラムにおいて、ドラムと中心角約140度の円周部分で接触する。また、樹脂が第一冷却ドラムを離れて第二冷却ドラムに接触する間の距離は、第一冷却ドラムの円周の長さの0.55倍である。
図2(b)に示す第二冷却ドラムを下方向に移動させた状態では、樹脂は、第一冷却ドラムにおいて、ドラムと中心角約60度の円周部分で接触し、第二冷却ドラムにおいて、ドラムと中心角約90度の円周部分で接触する。また、樹脂が第一冷却ドラムを離れて第二冷却ドラムに接触する間の距離は、第一冷却ドラムの円周の長さの0.43倍である。このように第二冷却ドラムを上下方向に移動させることにより、同一の設備を用いて、第一冷却ドラムでの樹脂接触時間や、第一冷却ドラムを離れ第二冷却ドラムに接触するまでの距離、したがって、第一冷却ドラムを離れ第二冷却ドラムに接触するまでの時間を連続的に可変として調整することが可能となる。
【0008】
本発明方法に用いる押出機に特に制限はなく、例えば、単軸押出機、同方向回転二軸押出機、異方向回転二軸押出機などを挙げることができる。押出機のホッパーに特に制限はないが、樹脂の吸湿防止のためにホッパードライヤーを用いることが好ましい。スクリューに特に制限はなく、窒化鋼やクロム−モリブデン鋼に硬質クロムメッキをしたスクリューなどを用いることができる。シートの耳部を粉砕した再生品を原料に混入する場合は、押出安定性を向上させるために副フライトを有するバリヤー型スクリューを用いることが好ましい。必要に応じて、ベント付き押出機を用いることができる。シリンダーの終端部には、異物除去のためにフィルターを設けることが好ましい。本発明方法に用いるダイスは、Tダイであることが好ましい。Tダイとしては、ストレートマニホールド形、コートハンガー形のいずれをも用いることができるが、膜厚精度を向上するためには、コートハンガー形を用いることが好ましい。
本発明方法に用いる冷却ドラムは、特に制限はないが金属製であって、表面が鏡面加工され、内部に例えば熱媒や冷媒による冷却手段を有することが好ましい。鏡面加工は、表面粗さがRaで5μm以下であることが好ましく、2μm以下であることがより好ましい。冷却ドラムの径に特に制限はなく、生産速度に応じて適宜選択することができる。第一冷却ドラムには、エアナイフ又はエアチャンバーを設けて、押し出された溶融状態の熱可塑性樹脂をドラムに密着させることが好ましい。冷却されて固化した熱可塑性樹脂シートは、必要に応じて両耳をトリミングし、巻き取ることができる。
【0009】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例においては、非晶性熱可塑性樹脂として、ノルボルネン系開環重合体水素添加物[日本ゼオン(株)、ゼオノア1420R、ガラス転移温度136℃]を用いた。シリンダー内径50mm、スクリューL/D=30の単軸押出機[(株)日本製鋼所]に、吐出口の幅350mm、リップ間隔0.5mmのコートハンガーダイを取り付けた。第一冷却ドラムは、直径150mm、幅500mm、第二冷却ドラムは、直径200mm、幅500mm、第三冷却ドラムは、直径200mm、幅500mmであり、図1(a)に示されるA法又は図1(b)に示されるB法のように、樹脂を冷却ドラムに接触させ、厚み50μmのシートを製造した。
また、得られたシートについて、長さ方向20mmごとに10か所について、シート中央部と両端部の厚みを測定し、最大厚みと最小厚みの差を厚み精度とした。シートから300mm×200mmの試験片3枚を切り出し、長さ50μm以上のスジ又は欠陥を目視により観察し、傷の数とした。複屈折測定装置[王子計測機器(株)、KOBRA−21ADH]を用い、シートの長さ方向1mごとに5か所について、シート中央部と端部の位相差を測定し、中央部及び端部それぞれの平均値を求めた。
実施例1
冷却ドラムとの接触方式はA法、シート引取速度が10m/分となるように第三冷却ドラムの後ろに設置された巻取りロール速度を設定し、ダイス温度260℃、第一冷却ドラム温度140℃、第二冷却ドラム温度100℃、第一冷却ドラムでの樹脂接触時間3.2秒、第一冷却ドラムを離れるときの樹脂温度131℃、t×(T1−Tg)=−16(秒・℃)、第一冷却ドラム〜第二冷却ドラムの移動時間0.8秒、第二冷却ドラム接触開始時の樹脂温度121℃の条件でシートを製膜した。
得られたシートの膜厚精度は4.8μm、傷個数は0個、位相差は中央部3.2nm、端部3.6nmであった。
実施例2〜5
第1表に示す条件で、シートの製造を行った。
比較例1
冷却ドラムへの接触方式はB法、シート引取速度は10m/分となるように設定、ダイス温度260℃、第一冷却ドラム温度110℃、第二冷却ドラム温度100℃、第一冷却ドラムでの樹脂接触時間3.2秒、第一冷却ドラムを離れるときの樹脂温度119℃、t×(T1−Tg)=−54(秒・℃)、第一冷却ドラム〜第二冷却ドラムの移動時間0.8秒、第二冷却ドラム接触開始時の樹脂温度103℃の条件でシートを製膜した。
得られたシートの膜厚精度は15.4μm、傷個数は30個以上、位相差は中央部3.1nm、端部3.3nmであった。
比較例2
第1表に示す条件で、シートの製造を行った。
実施例1〜5及び比較例1〜2の結果を、第1表に示す。
【0010】
【表1】
Figure 0003844211
【0011】
第1表に見られるように、本発明方法により製造された実施例1〜5のシートは、膜厚精度が10μm以下と小さく、シートのスジ又は欠陥は皆無又は5個以下と極めて少なく、位相差はシートの中央部、端部ともに10nm以下と小さい。これに対して、比較例1のシートは、位相差は小さいが、膜厚精度に劣り、傷が多発しており、比較例2のシートは、膜厚精度は良好だが、傷が多発し、位相差が大きい。
【0012】
【発明の効果】
本発明方法によれば、非晶性熱可塑性樹脂から、厚みムラが小さく、スジ、欠陥などがなく、位相差の小さいシートを安定して製造することができる。本発明方法は、脂環式構造を有する樹脂のシートの製造に特に好適に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明方法におけるシートと冷却ドラムとの接触方式の2態様の説明図である。
【図2】図2は、本発明方法の実施の一態様の説明図である。
【符号の説明】
1 ダイス
2 溶融状態の熱可塑性樹脂
3 第一冷却ドラム
4 第二冷却ドラム
5 第三冷却ドラム
6 シート

Claims (6)

  1. 押出機から押し出されたシート状溶融熱可塑性樹脂を、第一冷却ドラム、第二冷却ドラムの2本のドラムの周に沿って順に通過させる非晶性熱可塑性樹脂製光学シートの製造方法において、第一冷却ドラムでの樹脂接触時間をt(秒)、第一冷却ドラムを離れるときの樹脂温度をT1(℃)、樹脂のガラス転移温度をTg(℃)としたとき、t×(T1−Tg)を、−50〜+20(秒・℃)として(ただし、tは0 . 5〜10秒)、中央部と端部の残留位相差の差異が、1 . 4nm以下であるシートを形成することを特徴とする非晶性熱可塑性樹脂製光学シートの製造方法。
  2. 樹脂が第一冷却ドラムを離れ、第二冷却ドラムに接触するまでの時間が0.3〜5(秒)であり、かつ第二冷却ドラム接触開始時の樹脂温度がTg−80〜Tg+10(℃)である請求項1記載の非晶性熱可塑性樹脂製光学シートの製造方法。
  3. 第二冷却ドラムの表面温度が、Tg−90〜Tg−10(℃)である請求項1又は請求項2記載の非晶性熱可塑性樹脂製光学シートの製造方法。
  4. 第一冷却ドラムと第二冷却ドラムとの相対的位置を変えることにより、第一冷却ドラムでの樹脂接触時間、及び、第一冷却ドラムを離れ第二冷却ドラムに接触するまでの時間を調整する請求項1又は請求項2記載の非晶性熱可塑性樹脂製光学シートの製造方法。
  5. 熱可塑性樹脂が、脂環式構造を有する樹脂である請求項1、請求項2又は請求項3記載の非晶性熱可塑性樹脂製光学シートの製造方法。
  6. 脂環式構造を有する樹脂が、ノルボルネン系開環重合体水素添加物又はビニル脂環式炭化水素重合体である請求項5記載の非晶性熱可塑性樹脂製光学シートの製造方法。
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