JP3165231B2 - 床用シートの製造法及び床の施工法 - Google Patents

床用シートの製造法及び床の施工法

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JP3165231B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般住宅、共同住宅の
床・ベランダ、更に公共施設、遊園地等の主として屋内
の床材に使用される床用シートの製造法及びそのシート
を使用した床の施工法に関する。
【0002】
【従来の技術】樹脂系の床材としては塩ビ、ウレタン、
エポキシおよび不飽和ポリエステル等の材料が使用され
ており、施工法は成形品の長尺シートあるいはタイルを
貼りつける方法と、液状樹脂を現場で塗布する工法があ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】施工の大幅な簡略化
と、作業環境の改善及び施工後は、防水機能を有し周辺
部との接着も良好で耐久性のある床用シート及び床の施
工法に関する。合成樹脂の長尺シート又はタイルを接着
剤等で貼り付けて床を施工する方法は、施工自体が簡単
で、施工後短時間で歩行することが可能という特徴を有
するが、溶剤を含有した接着剤を使用するため、密閉し
た室内等では溶剤の揮発により作業環境が悪くなり、火
災の危険性も大きい。また接着剤は下地とシート又は、
ブロックを密着させるのが目的のため、物性的には伸び
が小さく防水性を期待する事はむずかしい。さらに、塩
ビ製長尺シートは、冬期硬くなり巻きグセがある事も加
わり、下地に接着させる事が難しい。施工に際して、ベ
ランダ等の床の場合では周辺部に排水口及びドレインが
あり、端部の処理が重要なポイントになるが、周辺部に
使用する塗り材料またはシーリング材料と接着の悪い場
合が多く剥離の発生が多々見受けられる。
【0004】一方、塗り床材はセルフレベリング性を有
するため下地の形状及び凹凸等の状況に対応し施工する
ことが可能であり、出来た皮膜はシームレスのため下地
に密着し、クラックが発生した場合にも追従することが
でき、防水性能も有する。しかし施工に際しては、一度
に厚く塗布すると2液を混合した際に混入した気泡が破
泡しクレーター状になるなど表面性が低下するため塗布
厚は薄くし、施工時に鏝で泡を消しながら、何層も積層
する必要がある。このため、完成までに時間がかかり面
積が狭い場合でも最低2〜3日程度は必要で、その間、
歩行や物を乗せることが出来ない。施工直後は液状であ
り長時間表面にベタツキが残るため、ゴミ及び虫等が付
着する。さらに平面を施工するには、セルフレベリング
タイプが良いが周辺部の段差部分や立ち面の施工は出来
ないという欠点を有する。以上のことにより人が住んで
いる住居、ベランダ及び短時間施工が要求される公共施
設等の床改修には不向きであり、使用範囲が限定され
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】下記の手段により上記の
課題を解決する事が出来た。すなわち 1) 未加流ブチルゴムを0.1〜5mm塗布した面に
必要により離型紙を被覆した織布または不織布の他の面
上に、指触乾燥時間が60秒以内の速硬化型ウレタン樹
脂を0.5〜5mm吹付け、長尺シートまたは所望の寸
法に裁断する床用シートの製造法。
【0006】2) コンクリート、ALC板、石材、ア
スファルト、鉄板、 木質系等の下地に1項記載の床用
シートの未加流ブチルゴム塗布面を転圧し接着させた
後、周辺部にチクソ性を有する常温硬化型ウレタン樹脂
を施工し端部処理を行う事を特徴とする床の施工法であ
る。すなわち、本発明は、塗り床材に近い防水性能を有
しながら、接着材を用いた貼り付け工法よりも作業性が
良く、作業環境の良好な施工法及びそれに使用するシー
トの製造法に関する。すなわち、1)接着剤を使用せず下
面の未加硫ブチルゴムに付いている離型紙を剥し転圧す
るだけで、貼り付ける事が出来るため施工が極めて簡単
であり、2)溶剤を使用しないため、作業環境が悪化せず
火災の危険性も無い。 3)施工初期の粘着力が強いた
め、シートに多少の巻きグセがあっても、重し等を乗せ
る必要は無い。 4)下地との接着力が強いためフクレ、
剥離は発生しない。 5)内部に基布がはいっているため
弾性を有する床材でありながら強度が強い 6)周辺部に
施工する材料との親和性が良好であり接着が確実にな
り、剥離等の発生が防止出来る。7)施工された床は防水
性を有し、下地にクラックが発生した場合にも対応でき
る。すなわち床用シートの裏面に塗布した未加硫ブチル
ゴムの厚みを通常の接着テープより厚くすることで、施
工時には粘着剤として接着に寄与し、施工後は防水機能
を発揮させる事が可能となった。
【0007】シートの基材は、床材の補強も兼ねてお
り、織布または不織布を用い、材質は、綿布、羊毛、
麻、絹等の天然繊維、ポリエステル、ナイロン、及びア
クリル等で、長期間の使用を考慮すると吸水率の低い材
質が好ましい。シートの厚みは0.05〜2mm程度が
良く、好ましくは0.1〜1mm程度が良い。シートが
薄い場合は、基材自体の強度が不足し、厚い場合は、シ
ート内部に時間の経過に伴い内部に水が浸透する心配が
ある。基材としては、不織布の熱処理品またはウレタン
等の樹脂コーティングの使用が好ましいが、速硬化ウレ
タン材を吹付ける基布面が、余りにも密であったり熱処
理により表面がツルツルの溶融面とした場合には、速硬
化ウレタンとの密着(アンカー効果)が低減するため、
若干の凹凸を残した状態とする事が望ましい。また速硬
化ウレタンを吹き付ける基材面に凹凸模様を付けておけ
ば製造する床材の表面に模様を作製することも可能であ
る。
【0008】粘着層に使用するゴムは、未加硫ブチルゴ
ムを使用する事で、低温可撓性、柔軟性、汚染性に優
れ、低温、高温下でも安定した性能を発揮し、施工性も
良好となる。粘着層は、上記基布上に0.1〜5mm、
好ましくは0.5〜3mmの厚さに塗布する。粘着層が
薄い場合は、接着はするが防水性能が低下する。5mm
以上の厚さがある場合は、防水性能は良好であるが、未
加硫のブチルゴムは、硬さが低いため、床材として使用
する場合は、柔らか過ぎ歩行感が悪く変形する恐れがあ
る。
【0009】表面に吹き付けるウレタン材は速硬化材料
を選定することが重要であり、硬化が遅い材料の場合は
巻き取って連続した長尺シートの生産を行う事ができ
ず、厚みムラが生じ易い。硬化速度は、常温での指触乾
燥時間が60秒以内の材料が良く、好ましくは10〜3
0秒程度に調整した材料が良い。この場合吹き付け後約
3分後にはゴム弾性が発現しているため常温のままでも
硬化するが、短時間のうちに製品として仕上げるために
は、加熱硬化炉を通すと、20分程度で巻き取り長尺シ
ートを製造することが可能となる。さらに、速硬化系の
吹き付け材を使用すれば膜厚の確保と同時に表面のノン
スリップ処理が可能である。ノンスリップ処理の方法は
特開昭63−107775に記載の方法で行なうことが
出来る。速硬化ウレタン樹脂の吹き付け厚は0.5〜5
mmで好ましくは1〜3mmである。
【0010】シート端部の処理と周辺部に塗布する材料
との接着性は重要なポイントで、接着及び納まりが確実
でない場合は、時間の経過と共に水が進入し、剥離フク
レ等が発生する。従来の工法でもシーリング材等で端部
を処理しているが、端に端部を押さえるのみで周辺の排
水口、ドレイン等も含めた防水処理は行われていない。
またウレタン等の塗り材料を使用し処理を行っても、材
質が異なるため接着力が不十分な場合が多い。本発明で
は、シート材質及び塗り材料のいずれも同一のウレタン
材を使用することで接着性を確実とする事が出来た。
【0011】
【実施例】以下、実施例を述べるに先立ち、本発明に使
用する材料及びマシンの解説を行う。以下部は重量部を
表わす。 (使用材料) 1)速硬化ウレタン吹き付け材:リムスプレー(三井東圧
化学(株)製の速硬化2液型スプレー材料)の銘柄で市
販されているPD−190(軟質)及びPD−150
(硬質)を使用した。本材料は、表1に性状及び物性を
を示したが、指触乾燥時間が20秒以内秒の速硬化性を
示し、いずれも常温で成形後2〜4分後にゴム弾性が発
現する。又、硬化物の物性は硬さ、引張り強さ及び引裂
き強さ等の機械強度が高く、床材の表面材としては良好
な材料である。本用途に使用する速硬化ウレタン材は、
成形後の収縮を考慮して無溶剤タイプが好ましいが、使
用するマシンとの適合性により少量(7%以下)の溶剤
なら添加することも可能である。上記2種類の材料は低
粘度の無溶剤システムで、A液は末端にイソシアナート
基を有するMDI系部分プレポリマーであり、B液は高
分子量ポリエーテルに高反応性架橋剤及び硬化触媒を混
合した組成である。
【0012】
【表1】 2)チクソ性ウレタン材料:周辺部の処理を行うウレタン
材料としては、1成分または2成分型ウレタンシーリン
グ材および、塗り床材または防水材にチクソ剤を加えた
材料(表2参照)が良い。チクソ剤としては無水シリカ
の単独または極性溶剤との併用で使用し、添加量が増加
するに従いチクソ性の程度がアップする。
【0013】
【表2】 (吹き付けマシン)速硬化ウレタン材を吹き付け成形す
るには、2液型高圧スプレーマシンが必要である。マシ
ン本体の例としては液圧を約100kg/cm2 に昇圧
することが出来るタイプならば特に形式にこだわらず使
用することが出来る。実際の機種としては、ポンプに高
圧ギヤポンプを用いた東レエンジニアリング社製THD
−2K、アクシャルピストンポンプを用いた東邦機械工
業社製NR−230型高圧ポリウレタン成形機、プラン
ジャーポンプを用いた米国ガスマー社製H−2000
型、グラスクラフト社のT−3H型等である。2液の混
合に用いるスプレーガンは、衝突混合型の使用が望まし
い。これは、2液の反応を20秒以内と設定した場合に
は、ローターの回転により攪拌・混合するダイナミック
ミキサー又は、静的管内混合(スタティックミキサー)
では溶剤による洗浄時間が確保出来ないため、使用する
に従い内部に洗浄しきれない硬化物が蓄積してくる。但
し反応速度を遅くし指触乾燥時間を1分程度とすれば衝
突混合方式以外の混合方式も使用可能である。衝突混合
方式では2液を混合するミキシングチャンバーの洗浄方
式で分類することが出来るが、ロッドの出し入れによる
機械式クリーニング方式(GX−7ガン(米国ガスマー
社製) 等)や空気による洗浄方式(プロブラーガン(米
国グラスクラフト社製)等)である。 実施例1(床用シートの製造) 基布(1)として東レ(株)社よりアクスターの商品名
で販売されているポリエステルのスパンボンド(熱接着
タイプの不織布)H509−10(目付:90g/
2 ,厚さ:0.31mm,幅:1.8m,長さ100
m)を使用した。この上に未加硫ブチルゴム(2)を
2.0mm厚にコーティングした後、ブチルゴム面には
離型紙(3)を貼り付けて粘着層を作成した。次に、こ
れと反対の面に速硬化ウレタン樹脂(4)の吹き付け材
であるリムスプレーPD−150(表1参照)に顔料
(弁柄/DOP=1/1重量比で練ったもの)を5重量
%添加し、米国ガスマー社製スプレーマシンH−200
0型を使用し、2.0mm厚に積層してシートを作成し
た。スプレー条件は、液温(A/B=65/50℃)、
吐出時圧力は2液共105kg/cm2としGX−7ガ
ン(ミキシングモジョール:#7,パターンコントロー
ルディスク:#212)を用いて成形した。長尺シート
として巻き取るため、直ちに硬化炉に入れ50℃×30
分硬化後、床用シートを製造した。製造法の概略図を図
1に、床用シートの構造を図2示した。図1において、
5は硬化炉、6はスプレーガンを示す。 実施例2(床用シートの製造) 基布として、東レ(株)社製アクスターT513−10
(目付:130g/m 2 ,厚さ:0.63mm,幅:1
m,長さ100m,表面に凹凸模様付き)を使用した。
この裏面に未加硫ブチルゴムを2.5mm厚にコーティ
ングした後、ブチルゴム面には離型紙を貼り付けて粘着
層を作成した。次にこれと反対の面(表面)にリムスプ
レーPD−190(表1参照)を米国グラスクラフト社
製スプレーマシンT−3H型を使用し、手で5回縦横と
方向を変えながら2.5mm厚にスプレーしてまず平面
を作成した。スプレー条件は、液温(A/B=50/5
0℃)、吐出時圧力は2液共110kg/cm2とし同
社のプロブラーガン(ミキシングチャンバー:ラウンド
#1)を用いて成形した。基布上に亀甲状の模様が付い
おり、ウレタンの吹付け後も多少の凹凸が見受けられた
が、さらに凹凸模様を大きくするため、スプレーガンを
水平にし2mの距離からスプレーし表面に同じ材料で表
面に凹凸を付けたノンスリップ加工を行なった。成形後
直ちに50℃×5分間硬化し、アクリルウレタン系のト
ップコート(#8500グリーン;亜細亜工業社製)を
200g/m2 をスプレーで2回に分け塗布した。これ
は意匠性を重視する部分に施工するためで、変色の防止
と掃除のしやすさを考慮したためである。トップコート
を塗布後50℃×1時間硬化させた後、1.8×0.9
mに切断してシートを製造した。 実施例3(床用シートの製造) 厚み1.0mmのナイロン製不織布(目付:150g/
2 ,厚み:0.8mm,幅1.8m、長さ6m)の片
面に直径20mm、高さ1mmの円柱状模様をお互いの
距離を30mm間隔となるように熱プレス処理し基布の
表面に付けた。裏面にブチルゴムの粘着層を1.5mm
作成し、その上に離型紙を貼り付けた。又表面に実施例
2と同様の方法でリムスプレーPD−190を2.0m
m、トップコート(ベージュ色)250g/m2 を吹き
付けた。50℃×1時間乾燥した後、タイル状(280
×160mm)に切断し床タイルを作成した。床タイル
表面には、下地の円柱模様が現れノンスリツプ加工とな
っていた。 実施例4(床の施工法) 入居中のアパートの階段の施工に際し、実施例1で作成
した長尺シートを現場で階段の幅に合わせ切断したの
ち、下地コンクリートの汚れ除去と平滑性の確保のため
サンダーで研磨した。次にシートの離型紙を除きローラ
ーで転圧し、空気を追い出しながら連続して階段状に施
工した。端部は、ウレタン材との接着力を確保し段差を
なくすため斜めにカットした。現場は密閉された階段室
であったが、接着剤を使用しないため、作業環境は良好
であった。施工後、直ちに歩行可能となり、従来の塗布
型床材に比較し歩行可能時間が格段に短く人が住んでい
るアパートの階段等の施工には最適と考えられた。続い
て、シート端部から排水用の溝及び壁面の立ち上がり部
10cmまで、サンシラールF(三井東圧化学社製塗り
床材料)に硬化促進剤としてオクチル酸鉛の16%DO
P溶液を1部及びチクソ材として無水シリカ(エアロジ
ル#380;日本エアロジル社製)を主剤+硬化剤=1
00部に対して3部添加した材料を塗布し端部処理を行
った。周辺部は歩行しないので硬化の遅い材料を使用し
ても歩行には全く支障はなく、注意書きをの札を立てた
だけであった。シートと端部処理を行ったサンシラール
Fの材料が同一のウレタンのため接着力及び納まりは良
好であり、施工後剥離等は生じなかった。施工後は粘着
剤として使用したブチルゴムが防水材の機能をはたし防
水効果も十分で施工前には下地コンクリートのクラック
から下の階に漏水していたのが施工後は完全に止めるこ
とが出来た。また施工前は、靴音が階下にうるさく聞こ
えていたが、施工後は遮音効果があり階下に響かなくな
った。床の衝撃音の測定をJIS A1418に準拠し
て実施したが(試験方法は後述)、本工法では従来法の
塩ビシート貼付け及び塗り床材に比較し周波数の高い部
分で大幅の改善が確認され、アパート等の集合住宅で
は、靴音(コツコツという耳障りな音)対策にも有効と
考えられる。これは未加硫ゴムが音を吸収するためと考
えられる。結果を表4にしめす。施工7日後に下地との
接着試験を行ったところ、6.7kgf/25mm(2
0℃)と非常に良好な結果であった。結果を表3にまと
める。 実施例5(床の施工法) 入居中のアパートのベランダ床施工に際し、下地のコン
クリートに欠損部(8)があり汚れが染み着いていたた
め、サンディング後、下地コンクリート(9)に、速硬
化系樹脂モルタル(7)(スーパーカチオンタイト#2
00;ヤブハラ産業(株)社製)を約1kg/m2 をシ
ゴキ塗りした。3時間後下地の強度が発現した事を確認
した後、実施例2で作成したシート(10)を現場でベラ
ンダの形状に合わせ切断した後、実施例4と同様ローラ
ーで転圧しながら接着させ、続いて端部を斜めにカット
した後、周辺部にある排水口及びドレインにかけてウレ
タン防水材に無水シリカを3.5部添加したもの(12)
で処理をおこなった。図3に現場施工の概略図を示す。
歩行はシートを施工した直後から可能であり、端部(1
1)との接着力は6.5kgf/25mmと良好であ
り、フクリの発生も無く防水機能もあった。また床の衝
撃試験の結果では、音が低減し静かになった。実施例6
(床の施工法) マンションの玄関床(木質;入居中)の改修に際し、下
地塗料のハツリと汚れ除去のためサンダーで研磨した。
次いで実施例3で作成した床タイルを転圧しながら貼り
合わせた後、周辺部は2液型のウレタンシーリング材で
コーキング処理を行った。本施工法で端部処理に使用し
たウレタンシーリング剤とシートの接着は良好であり、
施工後1年経過後状況チェックしたが、剥離等は見当た
らなかった。7日後に行った下地との接着試験では、
5.9kgf/25mmと非常に良好な結果であった。
従来は木質のため水洗すると水が下に漏れ出でいたが、
改修工事後は、水洗が可能となつた。その他衝撃音も低
減した。 比較例1(シートの貼り付け工法) 冬期、塩ビ製の長尺シートを使用し実施例4と同様にベ
ランダ床の施工を行なった。施工に際しては、現場で形
状に合わせシートを裁断したが、シート自体が硬くまた
巻き癖がひどくそのままでは下地に接着することが出来
ず、下地コンクリートに塩ビ系の接着剤(溶剤系)を
0.3kg/m2 塗布した後、接着が完了するまで砂袋
をシート上全面に載せ一晩放置する必要があった。周辺
部の押さえは実施例4と同様にサンシラールFにエアロ
ジル#380を添加した材料を使用し、同様の工法とし
た。しかし施工半年後調査したところ、塩ビシートとサ
ンシラールFの間が剥離していた。また下地には凹凸及
び不陸がかなりあり、シートは完全に密着した状態で施
工することが出来なかったようで、夏場には直径10c
m程度のフクレが数カ所発生した。フクレが発生した箇
所を切り状況を観察したところ、いずれも凸凹部分で接
着が不完全な部分であった。7日後に下地との接着力を
測定したところ、2.0kgf/cmで接着剤と下地の
間で剥離した。又、実験室的にコンクリート下地を作成
し本比較例と同様の仕様で作成した床をテストした結果
では、下地に少しでもクラックが発生した場合本工法の
場合シートと下地の間に剥離現象が起こり水漏れが発生
することが判明した。また実験室試験においては、後述
の「繰り返し疲労試験」に従って試験を行ったが、引っ
張り試験を開始直後接着剤層より全面剥離してしまっ
た。しかし床材自体には、特に亀裂等は発生していなか
った。また「床衝撃音の測定」を行ったが周波数の高い
領域での改善は余り認められなかった。 比較例2(塗り床の施工) 常温硬化型ウレタン塗り床材のサンシラールF(三井東
圧化学社製)を実施例1と同様のベランダに塗布した。
下地コンクリートは表面の清掃及び接着力を向上させる
ためディスクサンダーにてサンディング処理したのち、
プランマーとてサンPCをローラー刷毛にて約100g
/m2 を塗布した。1時間乾燥後表面にベタが残らない
事を確認後サンシラールFを一回に1mmずつ2回塗布
し、2mm厚の床を施工した。本材料は可使時間が約6
5分で硬化に24時間必要なため、施工は前日下層を塗
布し翌日上層を施工したが、硬化に時間がかかるため合
計2日間ベランダは全く歩行することが出来なかった。
また、硬化迄の時間がかかるため数匹の虫が表面に付着
しており見栄えが低下した。滑り止め加工するために、
表面にウレタンの粉末をトップコート等の中に添加し塗
布する加工を行なう必要がありさらに1日の工期が必要
があった。塗り床材料は通常温度依存性が強いため下地
及び雰囲気温度の影響を受けるので、冬場は硬化が遅れ
てくるため3日以上の硬化時間を必要とする。本床材は
シームレス構造のため防水効果は良好で経時変化にも十
分対応していると考えられるが、周辺部にある排水口、
ドレインにも同一材料を流したが、材料がセルフレベリ
ングタイプのため、硬化するまでの間に流れ、液の大部
分がドレイン(低い部分)に流れ込んでしまい、周辺部
は厚みの確保が出来なかった。実験室試験においては、
比較例1同様「繰り返し疲労試験」を行った。剥離現象
は認められなかったが、端の部分より亀裂の発生が確認
された。また「床衝撃音の測定」を行ったが周波数の高
い領域での改善は余り認められなかった。
【0014】
【表3】 (試験項目と条件) 1.床衝撃音の改善効果:JIS A1418(建築の
現場における床衝撃音レベルの測定方法)準拠 ・解説:この規格は、各種建物内の上下2室間及び上階
廊下と室間などの床の、床衝撃音に対する遮音性能を表
す床衝撃音の測定方法について規定したもので、「床衝
撃音レベル」とは、床衝撃音発生器によって発生した床
衝撃音の受音室における音圧レベルをいう。装置の構成
を図4に示す。図4において、13は室間、14は測定対象
床(室間の天井を含む)、15は床衝撃音発生器、16はマ
イクロホーン、17は指示騒音計、18はオクターブ分析器
を示す。
【0015】
【表4】 2.繰り返し疲労試験:下地ムーブメントの動きに対す
る追従性を調べる方法。 試験条件 ・下地の動く速度:20mm/分 ・伸び幅及び周期:0.5〜1.5mm 6秒で繰り返
し(10サイクル/分) ・試験回数 :2500回/23℃ついで2500
回/−10℃ ・試験方法 :試験片(19)を装置のフレキシブ
ル板(20)に取付け、温度23℃で2500回繰り返
し引っ張りを行い停止する。更に温度を−10℃とした
後1時間静置し、同じ幅で2500回繰り返し引っ張り
を行う。試験後直ちに試験片を観察する(図5参照)。
【0016】
【発明の効果】床材を施工するに当り、基布の裏面に未
加硫ブチルゴムと離型紙を貼布し、表面に速硬化型ウレ
タン樹脂を塗布した床用シートまたは床タイルを製造
し、現場施工に際しては、裏面の離型紙を剥して転圧し
た後、周辺部を同じウレタン材料で押さえる工法とする
事で、1)現場で貼り付けるだけのため工事が非常に簡
単、2)接着剤を使用しないので作業環境が良好、3)硬化
初期の粘着力が強いのでシートに多少の巻きグセがあっ
ても簡単に貼り付けられる。4)下地に接着した後、粘着
材のブチルゴムは防水材となるためフクレ、剥離は発生
しない。5)周辺部に施工する材料のウレタンとの親和性
が良好で接着が確実になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】床用シートの製造法の概要図である。
【図2】床用シートの断面略図である。
【図3】床とその端部の施工の断面略図である。
【図4】床衝撃音の測定法の概要図を示す図である。
【図5】繰り返し疲労試験法の概要を示す図である。
【符号の説明】
1 基布 2 未加硫ブチルゴム 3 離型紙 4 速硬化型ウレタン樹脂 5 硬化炉 6 スプレーガン 7 速硬化系樹脂モルタル 8 下地欠損部 9 下地コンクリート 10 床用シート 11 端部 12 ウレタン防水材+無水シリカ 13 室間 14 測定対象床(室間の天井を含む) 15 床衝撃音発生器 16 マイクロホーン 17 指示騒音計 18 オクターブ分析器 19 試験片 20 フレキシブル板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 増住 幸夫 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三 井東圧化学株式会社内 (72)発明者 野沢 正志 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三 井東圧化学株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−139252(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 E04F 15/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 未加硫ブチルゴムを0.1〜5mmの厚
    さに塗布した面に必要により離型紙を被覆した織布また
    は不織布の他の面上に、指触乾燥時間が60秒以内の速
    硬化型ウレタン樹脂を0.5〜5mmの厚さに吹き付
    け、シートまたは所望の寸法に裁断する床用シートの製
    造法。
  2. 【請求項2】コンクリート、ALC板、石材、アスファ
    ルト、鉄板、木質系等の下地に請求項1記載の床用シー
    トの未加硫ブチルゴム塗布面を転圧し接着させた後、周
    辺部にチクソ性を有する常温硬化型ウレタン樹脂を施工
    し端部処理を行うことを特徴とする床の施工法。
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