JP3161799B2 - ラミネート用水性印刷インキ組成物 - Google Patents

ラミネート用水性印刷インキ組成物

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JP3161799B2
JP3161799B2 JP6865492A JP6865492A JP3161799B2 JP 3161799 B2 JP3161799 B2 JP 3161799B2 JP 6865492 A JP6865492 A JP 6865492A JP 6865492 A JP6865492 A JP 6865492A JP 3161799 B2 JP3161799 B2 JP 3161799B2
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仁紀 加野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種プラスチックフィ
ルムに印刷されるラミネート用水性印刷インキに関し、
より優れた印刷適性、接着性、ラミネート強度を有する
ラミネート用水性印刷インキ組成物を提供するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、包装容器の多様化に伴い、装飾や
表面保護のために用いられる被覆剤、その中でも特にフ
ィルム表面に塗工される各種コーティング剤において
は、被着体との十分な接着性や強い各種耐性、及び後加
工適性が要求されている。
【0003】例えば、プラスチックフィルム用印刷イン
キにおいては、優れた印刷適性、種々のフィルムに対す
る接着性、各種耐性はもとより、更にこれらの印刷物の
使用目的に応じて、ラミネート加工に対する適性が要求
されている。
【0004】そこで、従来よりプラスチックフィルムを
対象としたラミネート用印刷インキでは、それぞれ要求
される性能に応じて、ポリウレタン樹脂、ポリエステル
樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂等をバインダー樹
脂とした有機溶剤型インキが使用されてきた。中でも、
広範なプラスチックフィルムに対して、優れた接着性を
有するポリウレタン樹脂がバインダー樹脂として広く使
用されていた。しかし、最近では環境問題、省資源、労
働安全性及び火災等の見地から、有機溶剤の使用を極力
抑えた水性タイプの印刷インキの要望が強くなってい
る。
【0005】紙を対象とする印刷においては、早くから
多くの印刷インキが水性タイプに移行しているが、プラ
スチックフィルム等を対象とする印刷においては、比較
的水性化が簡単なアクリル樹脂をバインダーとした水性
インキが一部実用化されているが、適用できるフィルム
がポリオレフィンに限定され、ラミネート加工適性も十
分ではない。
【0006】そこで、広範なフィルムに対して優れた接
着性を有する、ポリウレタン樹脂の水性化が検討されて
きた。一般に水性ポリウレタン樹脂は、有機ジイソシア
ネート化合物と、ポリエステルまたはポリエーテルタイ
プの高分子ジオールとを反応させてウレタンプレポリマ
ーを合成し、鎖伸長剤で鎖伸長し、水中に分散、自己乳
化あるいは溶解させて得られるものである。そしてこの
様なタイプの水性ポリウレタン樹脂では、水系で溶解性
・分散性をより安定にするため、ジオール成分として脂
肪族ポリエーテルあるいは脂肪族ポリエステル系のでき
るだけ親水性の高い材料からなるものを使用することが
必要であった。
【0007】しかしながら、これらの親水性の高い材料
からなる水性ポリウレタン樹脂は、結晶性が高く、また
プラスチックフィルムとの接着に寄与する官能基が少な
いことから、それらをバインダー樹脂とした水性インキ
では、PET(ポリエチレンテレフタレート)等のフィ
ルムに対する接着性が不良であるばかりではなく、ラミ
ネート加工で使用される溶融ポリマーとの密着性も乏し
くなるものであった。またラミネート加工の際に塗工さ
れるアンカーコート剤や接着剤との濡れも悪くなること
から、良好なラミネート適性が得られない等の問題があ
った。
【0008】そこで本願出願人は、自己乳化性又は水溶
性ポリウレタン樹脂のジオール成分として、芳香族ジカ
ルボン酸と側鎖を有するグリコールを含有する高分子ジ
オールを使用した系、ポリカーボネートジオールを含有
する高分子ジオールを使用した系をバインダー樹脂とし
た水性インキが、PETフィルム等に対して良好な接着
性を有し、ラミネート強度を向上させる事実を見いだ
し、特願平2−305452号および特願平3−354
568号として提案している。
【0009】これらの自己乳化性又は水溶性ポリウレタ
ン樹脂をバインダー樹脂とした水性インキは、従来の水
性インキと比較すると、広範なフィルムに対する接着
性、ラミネート強度の面で優れた改善効果を示すが、溶
剤性インキと比較するとまだラミネート強度は低く、よ
り強いラミネート強度が要求される苛酷な条件での適用
には十分なものではない。
【0010】また自己乳化性又は水溶性ポリウレタン樹
脂は、溶剤性のものと比較して再溶解性が低いため、版
詰まりなどが起こり易くなり、細字再現性や階調再現性
などの印刷適性の面においても十分なものとは言えなか
った。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、水分
散性、自己乳化性又は水溶性ポリウレタン樹脂をバイン
ダー樹脂としたラミネート用水性印刷インキ組成物の前
記問題点を解決しようとするもので、より良好な印刷適
性、広範なプラスチックフィルムに対する優れた接着
性、より高いラミネート強度を有するラミネート用水性
印刷インキ組成物を提供しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は顔料;水
分散性、自己乳化性又は水溶性バインダー樹脂;水から
主として構成されるラミネート用水性印刷インキ組成物
において、該バインダー樹脂が A.水分散性ポリウレタン樹脂、酸価が20ないし10
0の自己乳化性又は水溶性ポリウレタン樹脂からなる群
より選ばれる一種95ないし50重量% B. 共重合体の重量基準で、60ないし90重量%
のエチレン、 10ないし30重量%のアクリル酸、
0ないし30重量%のエチレンとアクリル酸に共重
合可能なその他のビニル基含有化合物からなり、メルト
インデックスが100ないし2000g/10分の水分
散性エチレン−アクリル酸系 共重合体5ないし50
重量%、からなることを特徴とするラミネート用水性印
刷インキ組成物に関するものである。
【0013】以下、本発明に係るラミネート用水性印刷
インキ組成物について、より詳しく説明する。本発明に
係る水分散性ポリウレタン樹脂、又は酸価が20ないし
100の自己乳化性若しくは水溶性ポリウレタン樹脂
しては、まず有機ジイソシアネート化合物と高分子ジオ
ール化合物からなるウレタンプレポリマーを合成し、鎖
伸長剤で鎖伸長させた水分散性、自己乳化性又は水溶性
ポリウレタン樹脂が使用できる。
【0014】ここで有機ジイソシアネート化合物として
は、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−ト
リメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジ
イソシアネート化合物、イソホロンジイソシアネート、
水添キシリレンジイソシアネート、4,4−シクロヘキ
シルメタンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネー
ト化合物、キシリレンジイソシアネート、テトラメチル
キシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシア
ネート化合物、トルエンジイソシアネート、ジフェニル
メタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化
合物が挙げられる。中でも、各種フィルムに対する接着
性や水性印刷インキの再溶解性を良好にするという点か
ら、芳香脂肪族ジイソシアネート化合物が好ましい。
【0015】また、高分子ジオール化合物としては、脂
肪族ジオールとして、1,3−プロパンジオール、1,
4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の直
鎖状グリコール類、1,2−プロパンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオ
ール、エチルブチルプロパンジオール等の分岐グリコー
ル類が挙げられる。
【0016】さらには、ジエチレングリコール、トリエ
チレングリコール等のエーテル系ジオール類、酸化エチ
レン、酸化プロピレン、テトラヒドロフラン等の重合体
もしくは共重合体であるポリエーテルジオール類、飽和
および不飽和の低分子量グリコール類と二塩基酸とから
脱水縮合反応に従って得られるか、またはラクトン類な
どの環状エステル化合物の開環反応によって得られるポ
リエステルジオール類、アルキレンカーボネート、ジア
リルカーボネート、ジアルキルカーボネート等のカーボ
ネート成分あるいはホスゲンと、1,3−プロパンジオ
ール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール等のジオール成分とを反応させて得られるポリカー
ボネートジオール類、ポリブタジエングリコール類等が
挙げられる。中でも、各種フィルムに対する接着性を良
好にするという点から、ポリカーボネートジオール類が
好ましい。
【0017】次に鎖伸長剤としては、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール等のグリコール類、ヒドラジ
ン、エチレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、アミ
ノエチルエタノールアミン等の脂肪族ジアミン類を単独
およびそれに、グリセリン、1,2,3−トリメチロー
ルプロパン、ペンタエリスリトール等の脂肪族ポリオー
ル類、1,3,5−シクロヘキサントリオール等の脂環
族ポリオール類、ジエチレントリアミン、トリエチレン
テトラミン等の脂肪族ポリアミン類を併用して使用する
こともできる。
【0018】以上の成分からなる水分散性ポリウレタン
樹脂の製造に関しては、前記有機ジイソシアネート化合
物と高分子ジオール化合物を反応せしめてウレタンプレ
ポリマーを合成し、該ウレタンプレポリマーを水中に乳
化剤を使用して分散させた後、鎖伸長剤で鎖伸長する
か、あるいは該ウレタンプレポリマーをアセトンなどの
水混和性溶剤に溶解させて、鎖伸長剤で鎖伸長した後、
乳化剤を含有した水と混合し、溶剤を蒸発除去させて製
造することができる。
【0019】さらに自己乳化性又は水溶性ポリウレタン
樹脂を得るためには、前記鎖伸長剤と共に、一般式
(1)で示される化合物、
【化1】 (この式中のRは、水素原子あるいは炭素数が1〜8の
直鎖あるいは側鎖状のアルキル基を表す)、あるいはコ
ハク酸、アジピン酸、フタル酸、ピロメリット酸、トリ
メリット酸とその無水物のようなポリカルボン酸と低級
ポリオールとを反応させて得られるカルボン酸含有ポリ
オール類を鎖伸長剤として併用し、分子内に遊離のカル
ボキシル基を導入することによって水性化することがで
きる。また、カルボキシル基を含有するモノアルコール
は反応停止剤として使用することができる。
【0020】ここで自己乳化性又は水溶性化のポリウレ
タン樹脂に必要な遊離のカルボキシル基の含有量は、当
該ポリウレタン樹脂の酸価を20〜100とする量が必
要である。酸価が20より低い場合には、得られるポリ
ウレタン樹脂が水系で安定な乳化または溶解状態を維持
するのが困難となり、一方、酸価が100を超えると、
得られる樹脂皮膜は硬いものとなり、良好な皮膜物性を
得られなくなる。
【0021】また、自己乳化性又は水溶性化のために遊
離のカルボキシル基を中和するアルカリ化合物として
は、アンモニア水、有機アミンとしてジエチルアミン、
トリエチルアミン、エチレンジアミン等のアルキルアミ
ン、モノエタノールアミン、エチルエタノールアミン、
ジエチルエタノールアミン等のアルカノールアミン、ア
ルカリ金属水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム等が挙げられる。
【0022】その中でも、乾燥性を向上するために、常
温あるいはわずかの加温で容易に解離し、揮発するもの
が望ましい。
【0023】以上の成分からなる自己乳化性又は水溶性
ポリウレタン樹脂の製造に関しては、前記有機ジイソシ
アネート化合物と高分子量ジオール化合物からなるウレ
タンプレポリマーを合成し、遊離のカルボキシル基を有
する鎖伸長剤で鎖伸長して、ポリウレタン分子内に遊離
のカルボキシル基を導入し、これを水中でアルカリ化合
物で中和して製造することができる。
【0024】この様な方法で得られるポリウレタン樹脂
の分子量は、10000〜200000、好ましくは2
0000〜100000である。分子量が10000未
満では、樹脂皮膜は弾性に乏しく、脆弱なものとなり、
分子量が200000を超えると、水溶性ポリウレタン
樹脂溶液の粘度が高くなり、また水分散性ポリウレタン
樹脂の水性化も困難となる。
【0025】次に、本発明に係る水分散性エチレン−ア
クリル酸系共重合体は、共重合体の重量基準でエチレン
60ないし90重量%、アクリル酸またはメタクリル酸
10ないし30重量%、エチレンとアクリル酸に共重合
可能なその他のビニル基含有化合物0ないし30重量%
を共重合させてなる共重合体である。
【0026】ここで、エチレンとアクリル酸に共重合可
能なその他のビニル基含有化合物としては、アクリル酸
またはメタクリル酸のアルキルエステル類、アクリルア
ミド類、スチレン、ビニルトルエン等のスチレン類、ビ
ニルクロライド、ビニルアセテート等が使用できる。
【0027】エチレン−アクリル酸系共重合体は、エチ
レン、アクリル酸及びその他の共重合可能なビニル基含
有化合物の所定量を高温、高圧下、触媒を使用して直接
共重合させるか、あるいはエチレン−アルキルアクリレ
ート系共重合体を加水分解して得られる。例えば、ペレ
ット状の固体樹脂として、三菱油化株式会社から、エチ
レン−アクリル酸共重合体A−200W等が市販されて
いる。
【0028】またこれらの共重合体樹脂は、アルカリ化
合物を添加して、水性樹脂ワニスとして使用される。例
えば、水分散液状の樹脂ワニスとして、住友精化株式会
社から、ザイクセンAが市販されている。
【0029】ここで、アクリル酸の含有量が10重量%
より少なくなると、共重合体の水に対する乳化能が低く
なり、析出・沈降して使用できなくなる。一方、アクリ
ル酸の含有量が30重量%を超えると、乾燥性が低下す
る。
【0030】また、その他の共重合可能なビニル基含有
化合物の含有量が30重量%を超えると、本発明で特定
するインキ性能が得られない。
【0031】本発明に係るエチレン−アクリル酸系共重
合体のメルトインデックスは100〜2000g/10
分、より好ましくは300〜1000g/10分の範囲
で使用できる。共重合体のメルトインデックスが100
g/10分より小さくなると、樹脂の水中での分散安定
性が低くなり、析出・沈降して使用できなくなり、また
2000g/10分を超えると、樹脂が柔軟になり過ぎ
て、得られる水性インキ印刷面とフィルムとの間でブロ
ッキングを起こす。
【0032】エチレン−アクリル酸系共重合体を水分散
化するためのアルカリ化合物としては、前記と同様のア
ンモニア水、有機アミン、アルカリ金属水酸化物が使用
でき、該共重合体の遊離のカルボキシル基に反応させれ
ばよい。アルカリ化合物の添加量としては、共重合体の
遊離のカルボキシル基の量によって異なるが、通常約
0.5〜1.5当量添加することができる。アルカリ化
合物の添加量が少ないと、エチレン−アクリル酸系共重
合体の水分散性は低下し、また多いと乾燥性が低下す
る。
【0033】以上の成分から合成された水分散性ポリウ
レタン樹脂、又は酸価が20ないし100の自己乳化性
若しくは水溶性ポリウレタン樹脂、および水分散性エチ
レン−アクリル酸系共重合体を使用して、ラミネート用
水性印刷インキ組成物を製造する場合は、当該水性ポリ
ウレタン樹脂の水分散性、自己乳化物または水溶液をグ
ラインドワニスとして、あるいは水分散性エチレン−ア
クリル酸系共重合体との混合物をグラインドワニスとし
て、着色剤である各種顔料、必要に応じて顔料分散剤を
混合して混練し、さらに所定量の水分散性、酸価が20
ないし100の自己乳化性又は水溶性ポリウレタン樹
脂、水分散性エチレン−アクリル酸系共重合体を添加し
て製造することができる。
【0034】また必要に応じて他の各種水性(水分散
性、自己乳化性又は水溶性)樹脂、例えばセルロース、
マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、添加剤としてブロッキ
ング防止剤、消泡剤、架橋剤例えばアジリジン系、ヒド
ラジン系、エポキシ化合物、ブロックドイソシアネート
化合物、金属キレート化合物、さらには水と混合する溶
剤として、メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、メトキシプロパノール、N−メチルピロリドン等を
加え、ラミネート用水性印刷インキ組成物を製造するこ
とができる。
【0035】本発明に従って得られたラミネート用水性
印刷インキは、グラビアまたはフレキソ印刷方式によ
り、低密度ポリエチレン、無延伸および延伸ポリプロピ
レン、セロファン、ポリエステル、ナイロンおよび各種
Kコートフィルム等のプラスチックフィルムに印刷が可
能である。
【0036】さらに本発明で特定する水性印刷インキを
使用して、ラミネート加工物を得る方法としては、前記
プラスチックフィルムに当該インキを印刷後、アンカー
コート剤もしくは接着剤を塗布し、溶融もしくはフィル
ム状のポリマーを通常の方法で積層せしめて、ラミネー
ト加工物を得ることができる。
【0037】本発明で得られるラミネート用水性印刷イ
ンキ組成物は、従来の水性(水分散性、自己乳化性又は
水溶性)ポリウレタン樹脂から得られるラミネート用水
性印刷インキの持つ問題点を解決し、各種プラスチック
フィルムに対して優れた接着性と、印刷適性、良好なラ
ミネート加工等の後加工適性を有するものである。
【0038】
【実施例】本発明を実施例に従い、より具体的に説明す
るが、これに限定されるものではない。なお、実施例中
の部とあるのは、重量部を示す。 [水性ポリウレタン樹脂ワニスの合成] 合成例 1 温度計、撹拌装置、およびN2導入管を備えた四口フラ
スコに、平均分子量2000のポリカーボネートジオー
ル300部、及びイソホロンジイソシアネート66.6
部を仕込み、N2ガスを導入しながら、100〜105
℃で4時間反応させ、次いでジメチロールプロピオン酸
を22.1部仕込み、100〜110℃でNCO基が消
失するまで反応させる。
【0039】反応完結後、100℃まで冷却し、水90
8部およびトリメチルアミン16.7部を加え水性化す
る。得られた樹脂溶液Aは、固形分30%、粘度2.2
ポイズ/25℃、酸価23.8のポリウレタン樹脂溶液
であった。
【0040】合成例 2 合成例1と同じ装置に、平均分子量1000のポリ−3
−メチルペンチレンアジペート150部、イソフタル酸
/アジピン酸(モル比として50/50)と3−メチル
−1,5−ペンタンジオールから成るポリエステルジオ
ール150部、及びイソホロンジイソシアネート14
6.5部を仕込み、N2ガスを導入しながら、90〜9
5℃で4時間反応させ、反応後、1−メチル−2−ピロ
リドン118部、ジメチルプロピオン酸46.3部、ト
リメチロールプロパン11.6部を加え、140〜15
0℃でNCO基が消失するまで反応させる。反応完結後
100℃まで冷却し、水1059部、トリエチルアミン
34.9部を加え、水溶化する。得られた樹脂溶液Bは
固形分30%、粘度4.5ポイズ/25℃、酸価38の
ポリウレタン樹脂溶液であった。
【0041】合成例 3 合成例1と同じ装置に、平均分子量1000のポリペン
チレンアジペート300部、及びイソホロンジイソシア
ネート146.5部を仕込み、N2ガスを導入しなが
ら、90〜95℃で4時間反応させ、反応後、1−メチ
ル−2−ピロリドン118部、トリメチロールプロパン
11.6部、ジメチロールプロピオン酸を46.3部仕
込み、140〜150℃でNCO基が消失するまで反応
させる。反応完結後、100℃まで冷却し、水1059
部およびトリメチルアミン34.9部を加え水性化す
る。得られた樹脂溶液Cは、固形分30%、粘度4.1
ポイズ/25℃、酸価38のポリウレタン樹脂溶液であ
った。
【0042】合成例 4 合成例1と同じ装置に、イソプロパノール150部、酢
酸エチル350部、過酸化ベンゾイルを4部を加え、7
5〜78℃に加熱昇温させる。ついでスチレン72.5
部、メチルメタアクリレート70部、2−エチルヘキシ
ルメタクリレート90部、アクリル酸17.5部からな
るモノマー混合物を約2時間かけて滴下し、更に3時間
反応させる。溶剤を蒸発させて得られた樹脂の破砕物
に、エタノール264部、水528部、ジメチルアミノ
アルコール14部を添加し、70℃で撹拌溶解し、固形
分25%、粘度2.4ポイズ/25℃、酸価60でエタ
ノール25%を含有する水溶性アクリル樹脂溶液Aを得
た。
【0043】[水性印刷インキ組成物の製造] 実施例1〜5、比較例1、2 各インキを表1と表2の組成により、混合、練肉して製
造した。なお顔料として、ファストゲンブル−5412
SD(大日本インキ化学工業)、ポリウレタン樹脂とし
て、前記樹脂溶液A、エチレン−アクリル酸共重合体と
して水分散性エチレン−アクリル酸共重合体A(ザイク
センAC,住友精化,アクリル酸の含有量20重量%、
メルトインデックス300g/10分、アンモニア中
和、固形分30重量%)を使用した。
【0044】実施例6、7、比較例3、4 各インキを表1と表2の組成により、混合、練肉して製
造した。なおポリウレタン樹脂として、前記樹脂溶液
B、その他の材料は実施例1〜5と同じものを使用し
た。
【0045】実施例8、比較例5、6 各インキを表1と表2の組成により、混合、練肉して製
造した。なおポリウレタン樹脂として、前記樹脂溶液
C、その他の材料は実施例1〜5と同じものを使用し
た。
【0046】比較例7 表2の組成により、混合、練肉して製造した。なおエチ
レン−アクリル酸共重合体として、水分散性エチレン−
アクリル酸共重合体B(アクリル酸の含有量20重量
%、メルトインデックス2300g/10分、アンモニ
ア中和、固形分30重量%)、その他の材料は実施例1
〜5と同じものを使用した。
【0047】比較例8 表2の組成により、混合、練肉して製造した。なお顔料
として、ファストゲンブル−5412SD(大日本イン
キ化学工業)、水性アクリル樹脂として、樹脂溶液Dを
使用した。
【0048】[評価試験]それぞれの印刷インキを使用
して、OPP(延伸ポリプロピレン)およびPETフィ
ルムに印刷した後、接着性、再溶解性、耐ブロッキング
性、ラミネート適性を評価し、その結果を表3と表4に
示した。なお、各評価方法は、以下の方法により行っ
た。
【0049】1)接着性 試験方法 各インキをグラビア校正機でOPPおよび
PETのフィルムに印刷を施したものを1日放置後、印
刷面にセロテープを貼り付け、これを急速に剥離する。 評価方法 A:印刷皮膜が全くはがれないもの B:80%以上フィルムに残ったもの C:50〜80%残ったもの D:20%以下しか残らなかったもの
【0050】再溶解性 試験方法 グラビア校正機で試験インキを10秒間運
転後、運転を止めてそのまま60秒間放置する。続い
て、OPPフィルムに印刷し、正常な印刷物になるまで
のピッチ数からインキの再溶解性を判定する。 評価方法 A:5ピッチ以内で正常に戻る B:6〜20ピッチで正常に戻る C:21〜40ピッチで正常に戻る D:40ピッチでも正常に戻らない
【0051】耐ブロッキング性 試験方法 印刷面とフィルム裏面を合わせてバイス
に挟み、雰囲気温度40℃で、湿度90%の環境条件下
で24時間放置した後、手で剥離して、剥離抵抗と印刷
面からのインキの取られ方から耐ブロッキング性を判定
する。 評価方法 A:全く抵抗がなく印刷面からフィル
ムが剥離する B:フィルムを印刷面から剥離する際に抵抗はあるが、
印刷面からインキが取られることがない C:フィルムを印刷面から剥離する際に抵抗があり、印
刷面からインキが1〜20%取られる D:フィルムを印刷面から剥離する際に抵抗があり、印
刷面からインキが21%以上取られる
【0052】押出しラミネート適性 試験方法 OPPおよびPETフィルム印刷物にポ
リイミン型アンカーコート剤(Oribain EL−
420,東洋モートン)を塗布し、押出しラミネート機
によって溶融ポリエチレンを積層し、40℃で3日加温
した。 評価方法 試料を30mm幅に切断し、安田精機社
製剥離試験機にてT型剥離強度(グラム)を測定した。
【0053】ドライラミネート適性 試験方法 PETフィルム印刷物にイソシアネート
タイプ型接着剤(adcote AD−300 A/D
東洋モートン)を塗布し、CPP(注型ポリプロピレ
ン)フィルムを積層し、40℃で3日加温した。 評価方法 試料を30mm幅に切断し、安田精機社
製剥離試験機にてT型剥離強度(グラム)を測定した。
【0054】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【0055】
【効果】以上、実施例で示した通り、本願発明に係る水
分散性、酸価が20ないし100の自己乳化性及び水溶
性ポリウレタン樹脂と水分散性エチレン−アクリル酸共
重合体を使用した水性印刷インキにおいては、各種フィ
ルムに対して広範な接着性を有し、優れた印刷適性とラ
ミネート強度を有するものであることがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−110149(JP,A) 特開 昭63−37146(JP,A) 特開 昭61−36314(JP,A) 特開 昭57−49636(JP,A) 特公 平6−104797(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 11/00 - 11/20

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 顔料;水分散性、自己乳化性又は水溶性
    バインダー樹脂;水から主として構成されるラミネート
    用水性印刷インキ組成物において、該バインダー樹脂
    が、 A.水分散性ポリウレタン樹脂、酸価が20ないし10
    0の自己乳化性又は水溶性ポリウレタン樹脂からなる群
    より選ばれる一種95ないし50重量% B. 共重合体の重量基準で、60ないし90重量%
    のエチレン、 10ないし30重量%のアクリル酸、
    0ないし30%重量のエチレンとアクリル酸に共重
    合可能なその他のビニル基含有化合物からなり、メルト
    インデックスが100ないし2000g/10分の水分
    散性エチレン−アクリル酸系共重合体5ないし50重量
    %、 からなることを特徴とするラミネート用水性印刷インキ
    組成物。
  2. 【請求項2】 前記バインダー樹脂として、水分散性ポ
    リウレタン樹脂、酸価が20ないし100の自己乳化性
    又は水溶性ポリウレタン樹脂からなる群より選ばれる一
    95ないし70重量%、水分散性エチレン−アクリル
    酸系共重合体を10ないし30重量%含有することを特
    徴とする請求項1記載のラミネート用水性印刷インキ組
    成物。
  3. 【請求項3】 前記エチレン−アクリル酸系共重合体の
    メルトインデックスが300〜1000g/10分であ
    る請求項1記載のラミネート用水性印刷インキ組成物。
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