JPH08253550A - ラクトン変性したロジン骨格を有するポリウレタン - Google Patents

ラクトン変性したロジン骨格を有するポリウレタン

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JPH08253550A
JPH08253550A JP7056941A JP5694195A JPH08253550A JP H08253550 A JPH08253550 A JP H08253550A JP 7056941 A JP7056941 A JP 7056941A JP 5694195 A JP5694195 A JP 5694195A JP H08253550 A JPH08253550 A JP H08253550A
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JP
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polyurethane
acid
rosin
diisocyanate
lactone
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JP7056941A
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Kouichirou Nishioka
浩一朗 西岡
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Daicel Corp
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリウレタンの柔軟性を保有し、しかもポリ
エステル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの各種プ
ラスチックフィルムである被塗装物に対し優れた密着性
を有する水性ポリウレタンを提供すること。 【構成】 高分子ポリオール、ジイソシアネート、およ
び鎖伸長剤から実質的に構成される水性ポリウレタンに
おいて、該高分子ポリオールとして、アルデヒド変性ロ
ジン、ロジンエステルまたはロジンアルコールの中から
選ばれる少なくとも1つを開始剤として環状ラクトンを
開環重合して製造したラクトンポリオールを有する水性
ポリウレタン。 【効果】 ポリウレタンの柔軟性を保有し、しかもポリ
エステル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの各種プ
ラスチックフィルムである被塗装物に対し優れた密着性
を有する水性ポリウレタンを提供することができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はロジン骨格を有する水性
ポリウレタンに関する。さらに詳しくは、塗料、印刷イ
ンキなどの各種コーティング剤、または接着剤として好
適であり、とくに被塗物がポリプロピレンやポリエステ
ルなどのプラスチックである場合に優れた密着性を有す
る水性ポロウレタンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、塗料、印刷インキなどの各種コー
ティング剤、または接着剤の分野では有機溶剤系が主流
であったが、近年、大気汚染防止、消防法上の規制、労
働安全衛生等の観点より、水系のものに移行してきてい
る。
【0003】該用途におけるバインダーとしては、カル
ボキシル基を有する各種樹脂、主にアクリル樹脂、ポリ
エステル樹脂、ポリウレタン樹脂が提案されている。ポ
リウレタン樹脂に関しても、その他樹脂と同様に水溶化
あるいは水分散化の試みが種々なされている。このう
ち、特公平1−28067号、特公平1−28068号
公報にはポリウレタン樹脂の構成原料であるジオール成
分としてロジンエステルを用い、ポリウレタン分子の側
鎖にロジン骨格を導入する技術が開示されている。しか
し、該方法で得られるポリウレタン樹脂は、概してプラ
スチックフィルムへの密着性が劣ったり、ポリウレタン
の特性である柔軟性が低下するなどの不利がある。かか
る性能低下の理由は定かでないが、例えば以下の理由が
考えられる。 すなわち該方法における必須成分である
ロジンエステル(ロジンと3価アルコールの反応物)
は、必ずしも純度の高いジオール(モノエステル化物)
ではなく、ジエステル、およびトリエステルを副生物と
して相当量含有する混合物であり、得られる水性ポリウ
レタン樹脂の分子構造は、ソフトセグメント、およびハ
ードセグメントから構成される通常のポリウレタン特有
の規則性に比して相当低下しているためと思料される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかるコー
ティング剤や接着剤分野の現状を踏まえ、ポリウレタン
の柔軟性を保有し、しかもポリエステル、ポリエチレ
ン、ポリプロピレンなどの各種プラスチックフィルムで
ある被塗物に対し優れた密着性を有する水性ポリウレタ
ンを提供することを目的とした。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記課題を解
決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の高分子ポリオー
ルを使用することにより構成される。ラクトン変性した
ロジンが導入された特定水性ポリウレタンを使用した場
合には、意外にも前記課題を悉く解決し得ることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、「高分子ポリオー
ル、ジイソシアネート、および鎖伸長剤から実質的に構
成される水性ポリウレタンにおいて、該高分子ポリオー
ルとして、アルデヒド変性ロジン、ロジンエステルまた
はロジンアルコールの中から選ばれる少なくとも1つを
開始剤として環状ラクトンを開環重合して製造したラク
トンポリオールを有する水性ポリウレタン」である。
【0007】本発明に用いられるアルデヒド変性ロジン
とは、各種公知のロジンに酸触媒の存在下でホルムアル
デヒドを作用させるとプリンス反応によりホルムアルデ
ヒドが二重結合に付加するものであり、
【化1】 で示される。
【0008】また、ロジンエステルは、ロジンあるいは
変性ロジンをペンタエリスリトールのような多価アルコ
ールと高温で反応させるとロジンあるいは変性ロジンの
エステルが得られるものであり、
【化2】 で示される。
【0009】同様に、ロジンアルコールは、各種公知の
ロジンのメチルエステルを高温、高圧で接触還元すると
ロジンアルコールが得られるものであり、
【化3】 で示される。
【0010】該ラクトン類としては、ε−カプロラクト
ン、γ−カプロラクトン、γ−バレロラクトンなどが挙
げられ、これらは単独または組み合わせて使用できる。
【0011】上記、ロジン誘導体とラクトン類との反応
は、特に制限されず、公知の反応条件を採用して容易に
行うことができる。
【0012】本発明における反応は、ロジン誘導体の水
酸基へのラクトン類の開環重合であるが、その反応温度
は80〜240℃、好ましくは120〜200℃であ
る。240℃以上の高温で反応させると熱分解が起こり
好ましくない。また、80℃以下の低温では、反応速度
が遅くなり現実的でなくなる。
【0013】この反応には触媒を用いることが好まし
い。本発明における触媒としては、テトラブチルチタネ
ート、テトラプロピルチタネート、テトラエチルチタネ
ートなどの有機チタン化合物、オクチル酸スズ、ジブチ
ルスズオキシド、ジブチルスズラウレートなどの有機ス
ズ化合物さらには、塩化第一スズ、臭化第一スズなどを
用いることができる。
【0014】本発明のポリウレタンにおいては、該樹脂
固形分中のラクトン類含有率が3〜50重量%、好ましく
は5〜40重量%となるようにするのが望ましい。3重量
%未満ではラクトン類の導入による効果はほとんどな
く、50重量%を超える場合にはポリウレタンの骨格が硬
くなりすぎて基材への密着性が低下する傾向がある。
【0015】前記ロジン誘導体とラクトン類との反応物
の数平均分子量は、特に制限はされないが、通常は500
〜10000程度、好ましくは700〜6000の範囲である。数平
均分子量が700未満では得られる水性ポリウレタンの皮
膜が硬くなりすぎる傾向があり、また10000を超えると
乾燥性、および耐ブロッキング性が低下する傾向があ
る。
【0016】本発明のポリウレタンの製造に用いるジイ
ソシアネート化合物としては、芳香族、脂肪族または脂
環族の各種公知のジイソシアネート類を使用することが
できる。例えば、1,5−ナフチレンジイソシアネー
ト、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、
4,4′−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネー
ト、4,4′−ジベンジルイソシアネート、ジアルキル
ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジ
フェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレン
ジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネー
ト、トリレンジイソシアメート、ブタン−1,4−ジイ
ソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソ
プロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネー
ト、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシア
ネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソ
シアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネート、リジンジイソシアネート、ジシクロヘキシル
メタン−4,4′−ジイソシアネート、1,3−ビス
(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシク
ロヘキサンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリ
レンジイソシアネートやダイマー酸のカルボキシル基を
イソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート
等がその代表例として挙げられる。
【0017】本発明においては、少なくとも2個の水酸
基と少なくとも1個のカルボキシル基とを有する化合物
を鎖伸長剤として好適に使用できる。これにより、得ら
れるポリウレタン中にカルボキシル基が導入されアニオ
ン性が付与される。該化合物としては例えば、グリセリ
ン酸、ジオキシマレイン酸、ジオキシフマル酸、酒石
酸、2,6−ジオキシ安息香酸、ジメチロールプロピオ
ン酸、2,2−ジメチロール酪酸、2,2−ジメチロー
ル吉草酸、2,2−ジメチロールペンタン酸、4,4−
ビス(ヒドロキシフェニル)吉草酸、4,4−ビス(ヒ
ドロキシフェニル)酪酸などが挙げられる。なかでも、
反応制御の容易性から酒石酸やジメチロールプロピオン
酸が好ましい。
【0018】なお、上記以外にも各種公知の鎖伸長剤を
必要に応じて併用できる。例えば各種公知の低分子グリ
コール類;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘ
キサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジエ
チレントリアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキ
シルメタン−4,4′−ジアミンなどのアミン類;2−
ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエ
チルプロピレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルエ
チレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレン
ジアミン、2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、
ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミンなどの分
子内に水酸基を有するジアミン類;ダイマー酸のカルボ
キシル基をアミノ基に転化したダイマージアミンなど;
グルコン酸、糖酸、粘液酸、グルクロン酸などのポリヒ
ドロキシカルボン酸類;ジアミノ安息香酸、リジン、ア
ルギニン、α,δ−ジアミノバレリアン酸、4,4−ビ
ス(アミノフェニル)酪酸、3,3′−ジカルボキシベ
ンジジン、3,3′−ジカルボキシ−4,4′−ジアミ
ノジフェニルメタンなどのポリアミノカルボン酸類;チ
ロシン、セリンなどの水酸基、およびアミノ基含有カル
ボン酸類;システインなどのメルカプト基、およびアミ
ノ基含有カルボン酸類;トリス(ヒドロキシメチル)ア
ミン、2−アミノ−エチル−1,3−プロパンジオー
ル、ジエタノールアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルエ
チレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレン
ジアミンなどの分子内に水酸基を有するジアミン類と無
水マレイン酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、テ
トラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、
テトラブロモ無水フタル酸、無水グルタル酸、無水シト
ラコン酸、無水ショウノウ酸、2,3−ジメチル無水マ
レイン酸、シス−1,2−シクロヘキサンジカルボン
酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサ
ヒドロ無水ピロメリット酸などの環式ジカルボン酸無水
物との縮合物;水などが例示される。
【0019】なお、本発明では、得られるポリウレタン
の分子量を調節するために、必要に応じて鎖長停止剤を
用いることができる。停止剤としては、例えばジ−n−
ブチルアミンなどのジアルキルアミン類、エタノール、
イソプロピルアルコールなどのアルコール類、イソシア
ネート基と反応しうる活性水素を有する官能基1個と少
なくとも1個のカルボキシル基とを有する化合物が挙げ
られる。該化合物としては、例えば、4−ヒドロキシイ
ソフタル酸、サリチル酸、リンゴ酸、グリコール酸、ヒ
ドロキシピバリン酸、11−オキシヘキサデカン酸、リ
シノール酸、2−オキシドデカン酸などのモノヒドロキ
シカルボン酸;グルタミン酸、アラニン、グリシン、6
−アミノカプロン酸、4−アミノ酪酸、モノアミノ安息
香酸などのモノアミノカルボン酸など各種公知のものが
挙げられる。
【0020】本発明におけるポリウレタン樹脂の固形分
中のカルボキシル基含有量は、後述する中和操作により
水溶化しうる限り、特に限定はされないが、通常は固形
分酸価が15〜100程度、好ましくは20〜90であ
る。
【0021】本発明の水性ポリウレタンを製造する方法
としては、例えば次の方法を挙げることができる。前
記高分子ポリオールとジイソシアネート化合物とを、イ
ソシアネート基過剰の条件で反応させ、高分子ポリオー
ルの末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを調
製し、次いでこのプレポリマーを芳香族系溶剤、ケトン
系溶剤、エステル系溶剤などから選択される適当な有機
溶媒中で鎖伸長剤、および必要により鎖長停止剤と反応
させる。次いで、アンモニア、有機アミン、アルカリ金
属水酸化物などの中和剤を適宜選択使用して樹脂中のカ
ルボキシル基を中和し、更に水を加えた後、系中に残存
する有機溶剤を減圧留去することにより水溶液に相転換
する方法。なお、この際、中和度は特に制限されず、ま
た必要により各種公知の界面活性剤を少量使用すること
もできる。高分子ポリオール成分、ジイソシアネート
化合物、鎖伸長剤、および必要により鎖長停止剤を、前
記と同様の有機溶媒中で一度に反応させた後、同様に水
溶液に相転換する方法。高分子ポリオール、ジイソシ
アネート、およびカルボキシル基を有する鎖伸長剤と
を、適当な有機溶媒中でイソシアネート基過剰の条件下
で反応させ、分子末端にイソシアネート基を有するプレ
ポリマーを調製し、次いで前記中和剤でプレポリマー中
のカルボキシル基を中和し、さらに水を添加することに
より水溶液に相転換した後、鎖伸長剤、および必要によ
り鎖長停止剤を反応させ、そののち系中に存在する有機
溶剤を減圧留去する方法。いずれの方法を採用する場合
であっても、最終的に得られるポリウレタン樹脂に含有
されるカルボキシル基が前記の酸価範囲内となるよう反
応させることが好ましい。
【0022】また、本発明ではその要旨を逸脱しない範
囲で、必要に応じて、本発明の水系ポリウレタン樹脂以
外の従来公知の水系樹脂を併用しうる。例えば、本発明
以外の水系ポリウレタン樹脂、水系ポリアミド樹脂、水
系アクリル酸エステル系共重合体塩、水系スチレン−マ
レイン酸系共重合体塩等が挙げられる。
【0023】かくして得られた本発明のロジン骨格を有
する水性ポリウレタンは、塗料、印刷インキなどの各種
コーティング剤、または接着剤におけるバインダー樹脂
として好適に利用できる。該用途における組成物を調製
するに際しては、特に制限はなく、公知の方法を使用し
得る。例えば、本発明の水性ポリウレタンに各種顔料を
加えて、練肉、分散し、必要に応じて上記の併用樹脂
や、ブロッキング防止剤、可塑剤などの添加剤などの添
加剤を適宜配合することにより、容易に水系コーティン
グ組成物を得ることができる。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、基材としてのポリプロ
ピレンやポリエステルなどのプラスチックに対し、優れ
た密着性を有すると共に、耐水性が良好であるため優れ
た水系コーティング剤、水系接着剤などを提供できると
いう多大の効果を奏する。
【0025】本発明のポリウレタンが上記効果を発現す
る理由は定かではないが、前記特定高分子ポリオールが
側鎖に疎水性の強いロジン骨格を均一に含有すること、
さらには特公平1−28067などに見られるような低
分子量物を含有しないことに基づくためと考えられる。
【0026】以下に製造例、実施例、および比較例を挙
げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施
例限定されるものではない。なお、部および%は重量基
準である。
【0027】<製造例1>撹拌機、温度計、環流冷却
器、および窒素導入管を備えた充分に乾燥した反応器
に、あらかじめ充分乾燥したアルデヒド変性ロジン、ハ
リタックF90(ハリマ化成製)300部、ε−カプロ
ラクトン1700部、テトラブチルチタネート0.05
部を仕込み、170℃で6時間反応させたところ、水酸
基価56.3(mgKOH/g)、酸価24.3(mg
KOH/g)のラクトン変性ロジンAを1985部得
た。
【0028】[実施例1]製造例1と同様の反応装置
に、製造例1で得たラクトン変性ロジンAを81.1
部、ポリブタジエンジオール(重量平均分子量100
0、水酸基価71.9)66.3部、1,3−ビス(イ
ソシアネートメチル)シクロヘキサン44.7部、ジメ
チロールプロピオン酸20.1部、およびメチルエチル
ケトン115.5部を仕込み、窒素気流下に80℃で8
時間反応させ、ポリウレタン溶液を得た。このポリマー
溶液にジメチルアミノエタノール16.5部と水60
9.1部との混合液を滴下し、充分に撹拌分散したの
ち、加熱減圧してメチルエチルケトンを留去し、半透明
のポリウレタン水分散液Aを得た。このものは樹脂固形
分濃度28.0%、粘度1600cP/25℃、pH
8.5であった。なお、該樹脂の固形分酸価は48.
8、ポリウレタン水分散液A(固形分)中のラクトン類
含有量は14.5%である。
【0029】[実施例2]実施例1において、ロジン変
性高分子ポリオールAの代わりに製造例2で得たロジン
変性高分子ポリオールBを81.1部使用し、更に水の
使用量を609.1部に変えた他は同様にして反応を行
い、樹脂固形分濃度28.5%、粘度1050cP/2
5℃、pH8.4のポリウレタン水分散液Bを得た。な
お、該樹脂の固形分酸価は39.7、ポリウレタン水分
散液B(固形分)中のロジン類含有量は12.0%であ
る。
【0030】[実施例3]実施例1において、ロジン変
性高分子ポリオールAの代わりに製造例3で得たロジン
変性高分子ポリオールCを79.5部使用し、ポリブタ
ジエンジオールの使用量を0部とし、更に水の使用量を
436.6部とした他は同様にして反応を行い、樹脂固
形分濃度28.0%、粘度2000cP/25℃、pH
8.5のポリウレタン水分散液Cを得た。なお、該樹脂
の固形分酸価は58.3、ポリウレタン水分散液C(固
形分)中のロジン類含有量は36.6%である。
【0031】[実施例4]製造例1と同様の反応装置
に、製造例1で得たロジン変性高分子ポリオールAを1
9.9部、ポリブタジエンジオール(重量平均分子量1
000、水酸基価71.9)62.4部、1,3−ビス
(イソシアネートメチル)シクロヘキサン72.7部、
ジメチロールプロピオン酸18.8部、およびメチルエ
チルケトン115.9部を仕込み、窒素気流下に80℃
で5時間反応させ、イソシアネート末端を有するプレポ
リマー溶液を得た。この溶液を10℃まで冷却後、ジメ
チルアミノエタノール12.5部と水435部との混合
液を反応系内を同温度に維持しながら滴下し、十分に撹
拌分散したのち、加熱減圧してメチルエチルケトンを留
去し、半透明のポリウレタン水分散液Dを得た。このも
のは樹脂固形分濃度31.0%、粘度900cP/25
℃、pH8.5であった。なお、該樹脂の固形分酸価は
46.0、ポリウレタン水分散液D(固形分)中のロジ
ン類含有量は6.9%であった。
【0032】[比較例1]製造例1と同様の反応装置
に、ポリブチレンアジペート(重量平均分子量は100
0、水酸基価112.5)42.9部、ポリブタジエン
ジオール(重量平均分子量1000、水酸基価71.
9)67.1部、1,3−ビス(イソシアネートメチ
ル)シクロヘキサン63.8部、ジメチロールプロピオ
ン酸23.9部、およびメチルエチルケトン131.8
部を仕込み、窒素気流下に80℃で5時間反応させ、イ
ソシアネート末端を有するプレポリマー溶液を得た。こ
の溶液を10℃まで冷却後、ジメチルアミノエタノール
15.9部と水453部との混合液を同温度に維持しな
がら滴下し、充分に撹拌分散したのち、加熱減圧してメ
チルエチルケトンを留去し、半透明のポリウレタン水分
散液Eを得た。このものは樹脂固形分濃度31.2%、
粘度610cP/25℃、pH8.6であった。
【0033】[比較例2]特公平1−28068号公報
の実施例1に記載の水性溶液(ロジン含有ポリウレタ
ン)を調製した。以下この水性溶液をFという。
【0034】実施例1〜3、および比較例1、2のイン
キ試験あらかじめ、実施例1〜3、および比較例1、2
で得られた水分散液または水性溶液を水にて樹脂固形分
濃度が25%となるよう希釈した。ついで、 チタン白(ルチル型) 30部 25%ポリウレタン樹脂水溶液 45部 水 10.3部 イソプロピルアルコール 14.7部 上記組成の混合物をそれぞれペイントシェーカーで練肉
し、白色印刷インキを調製した。この白色印刷インキを
版深30μmのグラビアプレートを備えた簡易グラビア
印刷機により、厚さ20μmのコロナ放電延伸処理ポリ
プロピレンフィルム(OPP)の放電処理面、および厚
さ11μmのポリエチレンテレフタレート(PET)の
片面に印刷し、40〜50℃で乾燥し、印刷フィルムを
得た。
【0035】密着性 得られた印刷フィルムを24時間放置後、印刷面にセロ
ファンテープをはりつけ、角度60℃で急速に剥したと
きの印刷皮膜の外観を観察し、以下の基準で評価した。
評価結果を表1に示す。
【0036】○ ‥‥ 印刷皮膜の80%以上がフィル
ム側に残った。
【0037】△ ‥‥ 印刷皮膜の50〜80%以上が
フィルム側に残った。
【0038】× ‥‥ 印刷皮膜の50%以下しかフィ
ルム側に残らなかった。
【0039】耐水性 調製した印刷フィルムを24時間放置後、水で湿した脱
脂綿により該印刷面を軽く擦り、インキが剥離し始める
までの擦り回数で評価した。
【0040】表1 実施例番号 OPP PET 耐水性 実施例1 ○ ○ 20 実施例2 ○ ○ 20 実施例3 ○ ○ 17 実施例4 ○ ○ 15 比較例1 △ △ 3 比較例2 △ × 10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高分子ポリオール、ジイソシアネート、お
    よび鎖伸長剤から実質的に構成される水性ポリウレタン
    において、該高分子ポリオールとして、アルデヒド変性
    ロジン、ロジンエステルまたはロジンアルコールの中か
    ら選ばれる少なくとも1つを開始剤として環状ラクトン
    を開環重合して製造したラクトンポリオールを有する水
    性ポリウレタン。
  2. 【請求項2】樹脂固形分中のラクトン類含有量が3〜5
    0重量%である請求項1記載の水性ポリウレタン。
  3. 【請求項3】鎖伸長剤として、少なくとも2個の水酸基
    と少なくとも1個のカルボキシル基とを有する化合物を
    含有する請求項1または2のいずれかに記載の水性ポリ
    ウレタン。
JP7056941A 1995-03-16 1995-03-16 ラクトン変性したロジン骨格を有するポリウレタン Pending JPH08253550A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH1150036A (ja) * 1997-07-30 1999-02-23 Sanyo Chem Ind Ltd 二液型ドライラミネート用接着剤組成物
JP2014172897A (ja) * 2013-03-13 2014-09-22 Arakawa Chem Ind Co Ltd 重合ロジンエステルの製造方法および該方法により得られる重合ロジンエステル
JP2014531474A (ja) * 2012-06-25 2014-11-27 エルジー・ケム・リミテッド ポリアルキレンカーボネート系樹脂フィルム及びその製造方法
CN105062341A (zh) * 2015-07-31 2015-11-18 华南理工大学 具有助成膜功能的聚醛改性水性聚氨酯及其制备方法与应用

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