JP3394814B2 - ラミネート用溶剤系印刷インキ組成物 - Google Patents

ラミネート用溶剤系印刷インキ組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリウレタン樹脂をバ
インダーとしたラミネート用溶剤系印刷インキ組成物に
関し、より詳しくは、ヒドラジン残基を分子内に有する
ポリウレタン樹脂をバインダーとして使用することによ
り、プラスチックフィルムに対するより高い接着性およ
びラミネート適性を有するラミネート用溶剤系印刷イン
キ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックフィルムに印刷されるイン
キは、印刷再現性、広範な種類のフィルムに対する接着
性、印刷面とフィルム面との接着を防止するための耐ブ
ロッキング性等の基本性能はもとより、高品位印刷物が
得られる様に、高い光沢と鮮明な発色性等を備えている
事が必要である。更に、インキが内容物と直接触れず、
衛生面で優れる事、高級な印刷物としての印象を与える
事、さらには、ボイル・レトルト用途にも適用できる事
を目的として、印刷物がラミネート加工されるようにな
ると、インキはこれらのラミネート適性(ボイル・レト
ルト用途に適用できる性能と後記のラミネート強度とを
合わせてラミネート適性という)にも優れる事が必要と
なる。
【0003】ここでラミネート加工としては、一般に次
に挙げる二つの方法がある。すなわち、各種プラスチッ
クフィルムを印刷基材としてインキを印刷した後、印刷
面に必要に応じてアンカーコート剤を塗布し、更に溶融
プラスチックを圧着してフィルム状に積層する押出しラ
ミネート加工法、および印刷面に接着剤を塗布し、更に
その上にプラスチックフィルムを貼合して積層するドラ
イラミネート加工法である。従って、ラミネート加工さ
れる印刷物で使用されるインキは、印刷基材と良好に接
着する事はもとより、積層されるフィルムとの接着性
(ラミネート強度)にも優れていなければならない。従
来より、ラミネート用印刷インキとしては、ポリウレタ
ン樹脂をバインダーとする溶剤性印刷インキが使用され
ているが、より高い接着性やラミネート強度を求められ
る過酷な条件に適用できないという問題がある。
【0004】さらに、最近では環境問題および食品衛生
等の見地から、芳香族炭化水素等の使用を極力抑えた低
有害タイプの印刷インキが要望されているが、既存の接
着性やラミネート適性を高くするタイプのポリウレタン
樹脂をバインダーとした場合、芳香族炭化水素系溶剤を
用いないと印刷再現性の良好なインキが得られないとい
う問題がある。本発明者等は、先に水性ポリウレタン樹
脂をバインダー樹脂として使用したプラスチックフィル
ム用水性印刷インキ組成物を特願平5−266486号
として出願した。この組成物は、環境問題、省資源、労
働安全性等の見地からは極めて望ましいものであるが、
従来の溶剤系の印刷装置の変更を必要とし、この点に問
題が残っていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、より高い接着性およびラミネート適性を有し、かつ
従来の溶剤系の印刷装置の変更を必要せずに使用できる
ラミネート用溶剤系印刷インキ組成物を提供することで
ある。さらに、低有害性の溶剤組成であって、十分な接
着性およびラミネート強度と良好な印刷再現性を有する
ラミネート用溶剤系印刷インキ組成物を提供する事にあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、ラミ
ネート用有機溶剤系印刷インキ組成物に係り、それは顔
料、少なくとも1個のヒドラジン残基を有する平均分子
量2,000〜200,000のポリウレタン樹脂、お
よび下記の(a)または(b)の有機溶剤を必須成分と
して含有し、 (a) ケト基およびアルド基を含しない有機溶剤 (c) ケト基およびアルド基を含する有機溶剤、但し
この溶剤を使用するときはさらにインキ組成物中に3重
量%以上の水を含有させることからなる。 より良好な態様として、ポリウレタン樹脂は有機ジイソ
シナネート化合物、50重量%以上がポリエーテルジオ
ール化合物である高分子ジオール化合物、鎖伸長剤、お
よび反応停止剤からの反応生成物であり、および有機溶
剤は融点−20℃以下のアルコールを主たる成分とする
ラミネート用有機溶剤系印刷インキ組成物に関する。
【0007】以下に本発明をより詳しく説明する。本発
明にかかるポリウレタン樹脂は、有機ジイソシアネート
化合物と高分子ジオール化合物とを反応させてウレタン
プレポリマーを合成した後、鎖伸長剤で鎖伸長し、反応
停止剤で反応停止して得られるポリウレタン樹脂であ
る。
【0008】まず、有機ジイソシアネート化合物として
は以下の材料を挙げることができる。 ・脂肪族ジイソシアネート化合物 ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメ
チルヘキサメチレンジイソシアネート等を挙げることが
できる。 ・脂環族ジイソシアネート化合物 イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシ
アネート、4,4−シクロヘキシルメタンジイソシアネ
ート等を挙げることができる。
【0009】・芳香脂肪族ジイソシアネート化合物 キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレン
ジイソシアネート等を挙げることができる。 ・芳香族ジイソシアネート化合物 トルイレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソ
シアネート等を挙げる事ができる。その中でも、各種フ
ィルムに対する接着性や印刷インキの再溶解性を良好に
するという点から、脂環族または芳香脂肪族ジイソシア
ネート化合物が好ましい。
【0010】次に、高分子ジオール化合物については以
下の材料を挙げることができる。 ・ポリエステルジオール類 1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール等の直鎖状グリコール類、
1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、
3−メチル−1,5−ペンタンジオール、エチルブチル
プロパンジオール等の分岐グリコール類、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール等のエーテル系ジオ
ール類等の低分子量ジオール成分と、アジピン酸、フタ
ル酸などの二塩基酸成分との重縮合、あるいは、ラクト
ン類などの環状エステル化合物の開環反応によって得ら
れるポリエステルジオール類を挙げることができる。
【0011】・ポリエーテルジオール類 酸化エチレン、酸化プロピレン、テトラヒドロフラン等
を重合もしくは共重合して得られるポリエーテルジオー
ル類を挙げることができる。 その他の高分子ジオール類 アルキレンカーボネート、ジアリルカーボネート、ジア
ルキルカーボネート等のカーボネート成分あるいはホス
ゲンと、前記低分子量ジオール成分とを反応させて得ら
れるポリカーボネートジオール類、ポリブタジエングリ
コール類等を挙げることができる。これらの高分子ジオ
ール化合物の分子量としては、500ないし4000の
ものが好適に使用できる。
【0012】次に、鎖伸長剤としては、以下の材料を挙
げることができる。まず、ヒドラジン残基を有する鎖伸
長剤としては、例えば次の一般式(1)で表されるポリ
アミノヒドラジドを挙げる事ができる。 (式中、R1 は2〜15個の炭素を有するアルキレン
基、6〜15個の炭素を有する脂環族あるいは芳香族ジ
アミンのアミノ基以外の部分、3〜5個の窒素を有する
ポリエチレンポリアミンの一級アミノ基以外の部分残
基、R2 は水素またはメチル基を表す) 一般式(1)の鎖伸長剤は、従来公知の方法(特公平3
−8649号公報)に従って、まず、ポリアミンと(メ
タ)アクリル酸誘導体のマイケル付加化合物を得た後、
ヒドラジンと(メタ)アクリル酸エステル部のエステル
交換により得る事ができる。
【0013】ここで、ポリアミノヒドラジドの合成に使
用できるポリアミンとしては、エチレンジアミン、ブチ
レンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘ
キサメチレンジアミン等、2〜15個の炭素を有する脂
肪族ジアミン、ジアミノベンゼン、キシリレンジアミ
ン、4,4′−ジアミノビシクロメタン、1,4−ジア
ミノシクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シ
クロヘキサン、イソホロンジアミン等、6〜15個の炭
素を有する脂環族あるいは芳香族ジアミン、更にジエチ
レントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチ
レンペンタミン等の等の3〜5個の窒素を有するポリエ
チレンポリアミンを挙げる事ができる。
【0014】一方、(メタ)アクリル酸誘導体として
は、アクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステ
ル、ヒドロキシアルキルエステル、アミノアルキルエス
テルなどが挙げる事ができ、その中でも反応性の面から
アクリル酸誘導体が好ましい。さらに、他の使用可能な
鎖伸長剤としては、エチレングリコール、プロピレング
リコール等のグリコール類、エチレンジアミン、1,4
−ブタンジアミン、アミノエチルエタノールアミン等の
脂肪族ジアミン類、イソホロンジアミン等の脂環族ジア
ミン、ヒドラジンを挙げることができ、さらに、ポリウ
レタン樹脂の溶解性を低下させない範囲で、グリセリ
ン、1,2,3−トリメチロールプロパン、ペンタエリ
スリトール等の脂肪族ポリオール類、1,3,5−シク
ロヘキサントリオール等の脂環族ポリオール類、ジエチ
レントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチ
レンペンタミン等の脂肪族ポリアミン類を併用する事が
できる。
【0015】次に、反応停止剤については以下の材料を
挙げることができる。反応停止剤とは、ウレタンプレポ
リマーを鎖伸長剤で鎖伸長した後、未反応のイソシアネ
ート基と反応させて、反応性を消失させるために使用さ
れるものである。まず、ヒドラジン残基を有する反応停
止剤としては、イソシアネート基と反応するための官能
基とヒドラジン残基を有する化合物であり、前記ポリア
ミノヒドラジドが好適に使用できる他、ヒドラジン、以
下の一般式(2)で示される、アルキレンジヒドラジ
ン、あるいは、飽和脂肪族二塩基酸、不飽和二塩基酸の
ジヒドラジド化合物等も使用できる。
【0016】 (式中、Xは1〜8個の炭素を有するアルキレン基、あ
るいは1〜10個の炭素を有する飽和または不飽和二塩
基酸の残基を表す。) アルキレンジヒドラジンとして、具体的にはメチレンジ
ヒドラジン、エチレンジヒドラジン、プロピレンジヒド
ラジン、ブチレンジヒドラジン等を挙げる事ができる。
また、飽和脂肪族二塩基酸のジヒドラジド化合物とし
て、具体的にはシュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒド
ラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジ
ド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド
等を挙げる事ができ、更に不飽和二塩基酸のジヒドラジ
ド化合物として、具体的にはフタル酸ジヒドラジド、フ
マル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド等を挙げ
る事ができる。
【0017】さらに、他の使用可能な反応停止剤として
は、n−プロピルアミン、n−ブチルアミン等のN,N
−ジ−n−ブチルアミン等のアルキルアミン、モノエタ
ノールアミン、ジエタノールアミン等のアルカノールア
ミン、メタノール、エタノール等のモノアルコールが挙
げられる他、前記鎖伸長剤を反応停止剤として使用する
こともできる。以上の有機ジイソシアネート化合物、高
分子ジオール化合物、鎖伸長剤、および反応停止剤を用
いて、ポリウレタン樹脂を製造する方法を説明する。
【0018】まず、本発明のポリウレタン樹脂を製造す
る方法としては、有機ジイソシアネート化合物と高分子
ジオール化合物を、(1.3〜2.0):1、より好ま
しくは、(1.5〜2.0):1のモル比率で反応させ
て、ウレタンプレポリマーを合成する。次いで、残存す
るイソシアネート基に対して、0.5〜0.95当量の
鎖伸長剤、必要に応じて溶媒、触媒等を添加し、30〜
140℃の反応温度で反応させ、さらに残存するイソシ
アネート基を反応停止剤で反応停止させて製造を完結す
る。なお、鎖伸長剤と反応停止剤に同じ化合物を使用し
て鎖伸長と反応停止を同時に行う方法、及び、鎖伸長剤
とは別の反応停止剤を一括して添加する方法でも差し支
えない。
【0019】有機ジイソシアネート化合物、高分子ジオ
ール化合物、鎖伸長剤、反応停止剤、及び必要に応じて
溶媒、触媒等を一括して仕込み、ポリウレタン樹脂を製
造することもできるが、分子構造や分子量のばらつきが
出やすくなる。また、使用する溶媒として、ケト基また
はアルド基を有する有機溶剤を使用する場合は、ポリウ
レタン樹脂溶液に対して3重量%以上の水を添加し、ポ
リウレタン分子内のヒドラジン残基とケト基またはアル
ド基との反応を阻害させる必要がある。
【0020】以上の材料と製造方法より得られたポリウ
タレン樹脂の分子量は、2,000〜200,000、
好ましくは10,000〜100,000である。分子
量が2,000未満では、樹脂皮膜は弾性に乏しく、脆
弱なものとなり、分子量が200,000を超えると、
有機溶剤に対する溶解性が低下して好ましくない。な
お、本発明のポリウレタン樹脂の反応においては、ヒド
ラジン残基を有する鎖伸長剤または反応停止剤がポリウ
レタン樹脂の各分子中に全て均一に分布するとはいえな
いが、一分子当たり平均1個以上のヒドラジン残基を有
するポリウレタン樹脂であれば、本発明の目的とする性
能を有するものである。
【0021】次に、本発明のポリウレタン樹脂をバイン
ダー樹脂としたラミネート用溶剤系印刷インキ組成物に
ついて説明する。本発明に係るラミネート用溶剤系印刷
インキ組成物は、顔料、バインダー樹脂、有機溶剤を必
須成分とする、プラスチックフィルムを対象とした溶剤
性印刷インキ組成物である。ここで、顔料としては、一
般に印刷インキ、塗料などで使用されている無機顔料、
有機顔料および体質顔料が使用できる。なお、顔料の使
用量としては、インキ組成物に対して、5〜60重量%
の範囲が適量である。
【0022】また、バインダー樹脂としては、本発明で
特定するポリウレタン樹脂を必須成分とするものであ
り、更に本発明の効果を低下させない範囲で、インキの
他性能の向上目的として、セルロース樹脂、アクリル系
樹脂、ポリエステル樹脂、分子内にヒドラジン残基を有
しないポリウレタン樹脂を添加する事もできる。さらに
有機溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロ
パノール等の融点が−20℃以下のアルコール類、プロ
ピレングリコール、メトキシプロパノール、エトキシプ
ロパノール等のアルキレングリコールおよびその誘導
体、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルなどのエス
テル類、アセトン、メチルエチルケトン、イソブチルケ
トン等のケトン類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭
化水素類が利用できる。
【0023】なお、各種フィルムに対する接着性、ラミ
ネート適性等の面から、ポリエステルジオール類、ポリ
カーボネートジオール類を高分子ジオール化合物として
使用したポリウレタン樹脂が好適に使用されるが、これ
らのポリウレタン樹脂を良好に溶解するためには、有機
溶剤として前記芳香族炭化水素類またはケトン類を含有
する系が望ましい。ここで、ケトン類の溶剤系を使用す
る場合、ポリウレタン樹脂のヒドラジン残基と溶剤のケ
ト基との反応を防止するために、インキ組成物中に3重
量%以上、好ましくは5重量%の水を使用する必要があ
る。
【0024】一方、ポリウレタン樹脂の高分子ジオール
化合物として、ポリエーテルジオールを全高分子ジオー
ルの50重量%以上使用した場合は、融点が−20℃以
下のアルコール系溶剤でも良好な溶解性が得られ、低有
害性印刷インキを得ることができる。さらに本発明のラ
ミネート用溶剤系印刷インキ組成物は、耐ブロッキング
剤、架橋剤、静電気防止剤等の各種添加剤を含有させる
事もできる。
【0025】以上の材料を使用してラミネート用溶剤系
印刷インキ組成物を製造する方法としては、まず顔料と
バインダー樹脂を撹拌混合させた後、通常の分散装置で
混練し、更に所定の成分を添加混合して製造することが
できる。以上の方法から得られるラミネート用溶剤系印
刷インキ組成物は、既知のフレキソ印刷機、グラビア印
刷機で印刷可能で、各種プラスチックフィルムに対する
より高い接着性とラミネート適性を有し、さらにアルコ
ール系の印刷インキ組成物とした時、高い接着性および
ラミネート強度と、良好な印刷再現性を有する低有害性
の印刷インキ組成物を得ることができるものである。
【0026】
【実施例】以下、実施例で具体的に説明するが、本発明
はこれに限定されるものではない。
【0027】なお、実施例等における部、および%は特
に限定がない限り、重量部および重量%を表す。
【0028】<合成例1>撹拌機、温度計、ジムロート
および窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、平均
分子量2000のポリ(3−メチル−1,5−ペンタン
アジペート)ジオール200部およびイソホロンジイソ
アナート44.4部を仕込み、窒素ガスを導入しながら
100〜105℃で6時間反応させ、冷却後、酢酸エチ
ル425部を加えて均一に溶解し、イソプロピルアルコ
ール182部、イソホロンジアミン13.6部を加えて
鎖伸長し、更に抱水ヒドラジン2部を加えて反応停止さ
せて目的とするウレタン樹脂溶液Aを得た。
【0029】<合成例2>合成例1と同様の操作で、以
下の仕込み組成の目的とするウレタン樹脂溶液Bを得
た。 平均分子量2000のポリ(3−メチル−1,5−ペンタンアジペート)ジ オール 200部 イソホロンジイソシアナート 44.4部 イソホロンジアミン 13.6部 抱水ヒドラジン 2部 メチルエチルケトン 425部 イソプロピルアルコール 163部 水 19部
【0030】<合成例3>合成例1と同様の操作で、以
下の仕込み組成の目的とするウレタン樹脂溶液Cを得
た。 平均分子量2000のポリ(3−メチル−1,5−ペンタンアジペート)ジ オール 200部 イソホロンジイソシアナート 44.4部 イソホロンジアミン 13.6部 抱水ヒドラジン 2部 トルエン 242部 酢酸エチル 242部 イソプロピルアルコール 122部
【0031】<合成例4>合成例1と同様の操作で、以
下の仕込み組成の目的とするウレタン樹脂溶液Dを得
た。 平均分子量2000のポリプロピレングリコール 200部 イソホロンジイソシアナート 44.4部 イソホロンジアミン 13.6部 抱水ヒドラジン 2部 イソプロピルアルコール 606部
【0032】<合成例5>合成例1と同様の操作で、以
下の仕込み組成の目的とするウレタン樹脂溶液Eを得
た。 平均分子量2000のポリプロピレングリコール 100部 平均分子量2000のジエチレングリコールアジペートジオール 100部 イソホロンジイソシアナート 44.4部 アミノメチルエタノールアミン 8.3部 抱水ヒドラジン 2部 イソプロピルアルコール 595部
【0033】<合成例6>合成例1と同様の操作で、以
下の仕込み組成の目的とするウレタン樹脂溶液Fを得
た。 平均分子量2000のポリ(3−メチル−1,5−ペンタンアジペート)ジ オール 200部 イソホロンジイソシアナート 44.4部 イソホロンジアミン 13.6部 抱水ヒドラジン 2部 メチルエチルケトン 425部 イソプロピルアルコール 170部 水 12部
【0034】<合成例7>合成例1と同様の操作で、以
下の仕込み組成の目的とするウレタン樹脂溶液Gを得
た。 平均分子量2000のポリ(3−メチル−1,5−ペンタンアジペート)ジ オール 200部 イソホロンジイソシアナート 44.4部 イソホロンジアミン 13.6部 モノエタノールアミン 2.4部 メチルエチルケトン 426部 イソプロピルアルコール 163部 水 19部
【0035】<合成例8>合成例1と同様の操作で、以
下の仕込み組成の目的とするウレタン樹脂溶液Hを得
た。 平均分子量2000のポリプロピレングリコール 200部 イソホロンジイソシアナート 44.4部 イソホロンジアミン 13.6部 モノエタノールアミン 2.4部 イソプロピルアルコール 607部
【0036】実施例および比較例 合成例1〜8で得たそれぞれのポリウレタン樹脂溶液A
〜Hを印刷インキバインダーとして用い、そのインキ性
能を評価した。なお、印刷インキはそれぞれ表1の組成
により混合、練肉して製造した。
【0037】実施例1〜5および比較例1〜4の評価 実施例1〜5および比較例1〜4の接着性、押出しラミ
ネート強度、ドライラミネート強度、ボイル・レトルト
適性を評価し、その結果を表2に示した。なお、評価方
法および評価基準は以下に示す通りである。また、“O
PP”は延伸ポリプロピレン(東洋紡績、P−216
1、30μm)、“PET”はポリエチレンテレフタレ
ート(東洋紡績、E−5102、12μm)、“NY”
はナイロン(ユニチカ、エンブレム、15μm)、“C
PP”は非延伸ポリプロピレン(東レ、60μm)を表
す。
【0038】接着性 試験方法 各試験インキをグラビア校正機でコロナ放電
処理したOPPフィルム、PET、NYに印刷し、印刷
面にセロテープを貼り付け、これを急速に剥したとき
の、印刷皮膜がフィルムから剥離する度合いから接着性
を評価した。 評価基準 A:印刷皮膜がフィルムから全く剥離しない
もの B:印刷皮膜の面積比率として、20%未満がフィルム
から剥離するもの C:印刷皮膜の面積比率として、20%以上、50%未
満がフィルムから剥離するもの D:印刷皮膜の面積比率として、50%以上フィルムか
ら剥離するもの
【0039】押出しラミネート強度 試験方法 各試験インキをグラビア校正機で、OPP、
PET、NYフィルムに印刷後、OPP系ではイミン系
アンカーコート剤(東洋モートン、EL−420)、P
ET、NY系ではイソシアネート系アンカーコート剤
(東洋モートン、EL−433A/C)を塗布し押出し
ラミネート機にて溶融ポリエチレンを積層してラミネー
ト加工物を得た。これらのラミネート加工物を40℃で
3日経時後15mm幅に切断し、安田精機社製剥離試験
機を用いて、T型剥離強度を測定した。 評価基準 剥離強度(g/15mm)の実測値を記載し
た。
【0040】ドライラミネート強度 試験方法 押出しラミネート強度試験で使用するのと同
じ印刷物に、イソシアネート系接着剤(武田薬品、タケ
ネートA−385/タケラックA−50酢酸エチル溶
液)を塗布し、ドライラミネート機にてCPPフィルム
を積層し、ラミネート加工物を得た。これらのラミネー
ト加工物を40℃で3日経時後試料を15mm幅に切断
し安田精機社製剥離試験機を用いてT型剥離強度を測定
した。 評価基準 剥離離強度の実測値(g/15mm)を記載
した。
【0041】ボイル適性およびレトルト適性 試験方法 各試験インキをPET、NYフィルムに印刷
後、有機溶剤性イソシアネート系接着剤(武田薬品、タ
ケネートA−385/タケラックA−50酢酸エチル溶
液)を塗布し、ドライラミネート機にてCPPフィルム
を積層し、ラミネート加工物を得た。これらのラミネー
ト加工物を製袋し、内部に水/油混合物を入れて封じた
後、PET系については90℃の熱水中で30分間加熱
してボイル適性を、また、NY系については120℃の
加圧熱水中で30分間加熱してレトルト適性を、外観の
ラミ浮きの有無により判断した。 評価基準 A:全くラミ浮きのないもの B:ピンホール状のラミ浮きが認められるもの C:全面にラミ浮きが認められるもの
【0042】
【0043】
【発明の効果】以上、実施例を挙げて具体的に説明した
ように、本発明で特定するラミネート用印刷インキ組成
物は、より高い各種プラスチックフィルムに対する接着
性とラミネート適性を有し、完全にアルコール系からな
る低有害性のラミネート用印刷インキとしても、各種プ
ラスチックフィルムに対するより高い接着性およびラミ
ネート強度と、優れた印刷再現性を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−33008(JP,A) 特開 昭58−189272(JP,A) 特開 平1−242673(JP,A) 特開 平1−308470(JP,A) 特開 平7−102204(JP,A) 特開 平7−292307(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 11/10 C09D 175/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 顔料;有機ジイソシアネート化合物、高
    分子ジオール化合物、鎖伸長剤及び下記(a)の反応停
    止剤を反応させて得られる平均分子量2,000〜20
    0,000のポリウレタン樹脂であって、該反応停止剤
    を使用して生成されることによりその分子末端に少なく
    とも1個のヒドラジン残基を有するポリウレタン樹脂;
    および下記の(b)または(c)の有機溶剤;を必須成
    分として含有することからなるラミネート用有機溶剤系
    印刷インキ組成物、 (a)ポリアミノヒドラジド、ヒドラジン、アルキレン
    ジヒドラジン、及び飽和脂肪族二塩基酸若しくは不飽和
    二塩基酸のヒドラジド化合物よりなる群から選択される
    少なくとも1種の反応停止剤 (b) ケト基およびアルド基を含しない有機溶剤 (c) ケト基およびアルド基を含する有機溶剤、但し
    この溶剤を使用するときはさらにインキ組成物中に3重
    量%以上の水を含有させる。
  2. 【請求項2】 前記ポリウレタン樹脂は、有機ジイソシ
    ナネート化合物、50重量%以上がポリエーテルジオー
    ル化合物である高分子ジオール化合物、鎖伸長剤、及び
    反応停止剤からの反応生成物であり、且つ前記有機溶剤
    は、融点−20℃以下のアルコールを主成分とする溶剤
    である、請求項1に記載のラミネート用有機溶剤系印刷
    インキ組成物。
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