JP3160712B2 - コンクリート施工用型枠並びにその型枠を用いたコンクリート施工法 - Google Patents

コンクリート施工用型枠並びにその型枠を用いたコンクリート施工法

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JP3160712B2 JP30658197A JP30658197A JP3160712B2 JP 3160712 B2 JP3160712 B2 JP 3160712B2 JP 30658197 A JP30658197 A JP 30658197A JP 30658197 A JP30658197 A JP 30658197A JP 3160712 B2 JP3160712 B2 JP 3160712B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコンクリート打設工
事に使用するコンクリート施工用型枠並びにその型枠を
用いたコンクリート施工法に関するものであって、特に
コンクリート施工用型枠を発泡樹脂で成形したことを特
徴とするものである。
【0002】
【発明の背景】コンクリートの構築物を施工するにあた
っては、所定の形状にコンクリートを成形するためにコ
ンクリート施工用型枠が用いられる。このものはコンク
リートに直接接する板状の型枠本体と、この型枠本体を
裏から支える例えば金属角パイプ等を用いた支保杆から
構成され、更に必要に応じてコンクリート打設部の幅寸
法等を設定するために対向する型枠本体間にセパレータ
等の部材を配置して組み立てられている。そしてこの型
枠本体は一般的にはコンパネと称される木質系の合板が
使用されることが多いが、必然的にその重量が重くなる
等の取り扱い面での不便さがあり、更には原料を得るた
めの木材伐採に伴う森林資源等の破壊をもたらすもので
あった。
【0003】もちろんこのようないわゆるコンパネの使
用をやめて循環使用ができる金属製のコンクリート施工
用の型枠も用いられているが、素材に起因して重量も重
く、従って現場での人手による取り扱いを考慮した重量
にするとなると一枚の単位面積が小さいものとなり、施
工現場での型枠施工に手間がかかる等の問題があった。
もちろんこのように小型に形成したとしてもいわゆるコ
ンパネ等に比較して、それと同等かそれ以上の重量を有
するものであるから、その取り扱いも必ずしも楽なもの
ではなかった。もちろん金属素材であることから比較的
頑強で循環使用できるものの、反面、仮に取り扱い時に
過大な衝撃が加わって変形したような場合には修正が極
めて難しく、結果的に変形したままで使えば施工現場の
寸法精度が悪くなり、また修正するとすれば多大な修正
の手間を要することとなるのである。
【0004】このような木質系あるいは金属製のコンク
リート施工用の型枠の有する問題点を解決するために、
素材として合成樹脂の発泡体を利用する試みも提案され
ている。例えば特開平8−100523号等には発泡ポ
リスチレン等の材料を用い、実質的にコンクリートの打
設面となる表層部は比較的発泡状態の低い言わば密度及
び硬度の高い状態として、この外殻部で内部の高発泡部
を保護するものが提案がされている。しかしながらこの
発明は少なくとも表層部の強度を向上させる等の試みは
されているものの、形状等については従来のコンパネ等
に見られるような単なる平板状の形状を踏襲しただけで
あって、それ以上の格別な工夫はされていない。その結
果、施工にあたっての作業性あるいは運搬時における扱
いやすさ等の点では必ずしも充分な工夫はされていな
い。
【0005】
【開発を試みた技術的課題】本発明はこのような背景を
考慮してなされたものであって、コンクリート施工用の
型枠を発泡樹脂で成形することを前提として、前記木質
系のコンクリート施工用型枠の呈する欠点を解消すると
ともに、発泡樹脂特有の成形の自由度の高さを巧みに利
用し、運搬時、施工時等の作業工程をより合理化し得る
コンクリート施工用型枠並びにその型枠を用いたコンク
リート施工法の開発を試みたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち請求項1記載の
コンクリート施工用型枠は、合成樹脂発泡成形体により
構成された、ほぼ板状の型枠本体と、の型枠本体にお
けるコンクリートの打設面に設けられフィルムとを具
え、コンクリートを施工する際に用いられる型枠におい
て、前記型枠本体は、打設面の反対側の裏面側に、外周
に位置する外枠リブと、その内側に形成される格子状の
内リブとによって型枠本体の肉厚を部分的に異ならせた
補強構造を構成するとともに、前記内リブは、裏面側か
ら打設面に向かって途中深さまで等幅に形成された垂直
部を有するとともに、更にそれより基部側の範囲は、基
部側に向かって幅を広げるテーパ部を有し、一方、前記
外枠リブは、少なくとも裏面側に、打設面に対して直角
に形成された垂直部を有することを特徴とする。
【0007】この発明によれば、比較的強度の劣る発泡
樹脂であっても、その裏面側に補強構造を具えるのでコ
ンクリートを打設する際に求められる充分な剛性が得ら
れる。また型枠本体に組み合わされるフィルムは型枠本
体の打設面の保護やコンクリート打設後の剥離材として
も作用する。そして型枠本体10は発泡樹脂成形体であ
るので、断熱効果に優れコンクリートAの養生への外部
の温度変化による影響が少なく、均質なコンクリート施
工が可能となる。特に寒冷地での冬場の養生中に起きや
すい凍結等が優れた断熱性によりコンクリートそれ自体
の養生中の発熱がそのまま保たれ、凍結等を防止するこ
とができる。更に実質的に補強構造を構成する外枠リブ
と内リブとを、コンクリート型枠をつなげて組み立てる
際の被係止部材やコンクリート型枠の施工時に用いら
れる支保杆等の受部として利用でき、その作業性を向上
させ得る。更にまた内リブはその基部側にテーパ部を具
えているから、型枠を施工する際に型枠本体を支保杆で
押さえ、コンクリートを流し込む際にその応力が型枠本
体全体に均等に分散され、外枠リブは隣り合う型枠本体
における外枠リブと密着するとともに、両者を接続させ
るクランプ等の係止が確実に行われる。
【0008】更にまた請求項2記載のコンクリート施工
用型枠は、前記要件に加え、前記型枠本体は、スチレン
系樹脂のビーズ型内発泡成形体であり、且つ前記フィル
ムは、この型枠本体と同一の素材であることを特徴とす
る。この発明によれば、型枠本体は発泡性に優れたスチ
レン樹脂のビーズ型内発泡成形体であり、比較的一般的
な素材により構成することができ、且つまたこの素材自
体がリサイクルした原料素材を用いることができるほ
か、また使用後に更に次のリサイクルに向けての再生処
理も行いやすいものであり、省資源化に資することがで
きる。更に型枠本体に設けられるフィルム型枠本体と
同一素材であるから、再利用する際にもフィルムを別途
分離することなく、作業が進められる。
【0009】更にまた請求項3記載のコンクリート施工
用型枠は、前記要件に加え、前記外枠リブと内リブとの
いずれか一方または双方の位置には型枠本体の打設面か
ら裏面側に貫通するセパレータ受孔が形成されているこ
とを特徴とする。この発明によれば、セパレータ受孔が
あらかじめ形成されているから、改めて現場においてセ
パレータ受孔を設ける必要がない。またそのセパレータ
受孔の形成位置は補強構造を構成する外枠リブあるいは
内リブの部位にあるから、セパレータ受孔の一部を利用
して支持金具を介して組み付けられる支保杆等の力を充
分合理的に受け止めることができる。
【0010】更にまた請求項4記載のコンクリート施工
用型枠を用いたコンクリート施工法は、請求項1〜3
載のコンクリート施工用型枠を、施工場所において所定
形状に組み付けることによってコンクリート打設部の全
部または一部を規制し、その後、このコンクリート打設
部にコンクリートを打設し、一定時間養生させた後、前
記コンクリート施工用型枠を除去することを特徴とす
る。この発明によれば、前記したコンクリート施工用型
枠の優位性を利用した施工がなし得る。すなわち施工に
あたっての労力の軽減、作業性の向上等が図られている
のである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下本発明を図示の実施の形態に
基づいて具体的に説明する。符号1は本発明たるコンク
リート施工用型枠であって、全体として板状の形状を成
す。このものを用いた型枠施工の状況の概要を説明する
と、図1に示すように例えばあらかじめ形成された基礎
2に対し更にコンクリートの構築物を形成する場合にあ
っては、基礎2に植設された状態の鉄筋3を挟むように
所定の位置にこのコンクート施工用型枠1を植設する。
具体的には対向するコンクリート施工用型枠1をセパレ
ータ4を用いてその相互の間隔を設定するとともに、こ
のセパレータ4の両端部を利用してこの部分に支持金具
5を取り付け、この支持金具5によって縦横の支保杆6
保持してコンクリート施工用型枠1を押さえるように
し、更に隣り合うコンクリート施工用型枠1相互はクラ
ンプ7によって接続状態を維持するように図るのであ
る。なおこのような型枠施工の状況については、後にこ
のコンクリート施工用型枠1を用いたコンクリート施工
法の説明をする際に更に詳細に説明する。
【0012】まずコンクリート施工用型枠1について説
明する。このものはほぼ板状をした型枠本体10と、そ
の型枠本体10における一方の面であるコンクリートの
打設面10a側に設けられるフィルム11とを具えて成
る。まず型枠本体10においては前記打設面10aはコ
ンクリートを打設するため、通常平板状を成すものであ
り、一方、打設面10aと反対側の面である裏面10b
には補強構造12を具える。この補強構造12は各図に
示されているように型枠本体10の裏面10bの外周部
に沿って形成される外枠リブ13と、その外枠リブ13
の内側に形成される内リブ14とによって構成される。
【0013】そして前記外枠リブ13は一例として図4
に示すように型枠本体10における打設面10aに対し
内壁面13aと外壁面13bとも直角に立ち上がった
直部vが形成され、一方、内リブ14については裏面1
0bから打設面10aに向かって途中深さまで等幅に形
成された垂直部vを有し、更にそれより基部側の範囲
に、基部側に向かって幅を広げるテーパ部tが形成され
ている。なおこのような構成で理解できるように補強構
造は実質的には言わば肉抜き構造とも言えるものであ
り、前記外枠リブ13と内リブ14との凹陥した部分を
肉抜き部15とする。このような外枠リブ13及び内リ
ブ14と、それらに対し相対的に凹陥した肉抜き部15
とが形成されることにより、前記請求項1に記載したよ
うに型枠本体10の厚みを部分的に異ならせた補強構造
12が形成されているのである。このような型枠本体1
0における外枠リブ13と内リブ14との部位を利用し
て更にセパレータ受孔16をあらかじめ形成しておいて
もよい。すなわちセパレータ受孔16は前記セパレータ
4の杆状端部を受け入れられる充分な寸法の貫通孔であ
り、打設面10aから裏面10bに貫通している。もち
ろんこのセパレータ受孔16を形成しておかないで、現
場合わせで穿孔するようにしてももとより差し支えな
い。
【0014】次に型枠本体10の素材について説明す
る。型枠本体10に用いる発泡樹脂としては例えばスチ
レン系の樹脂を用いることができる。このスチレン系の
樹脂とは例えばスチレン、メチルスチレン、ジメチルス
チレン等のスチレン系ビニルモノマーを主合成単位とす
る重合体等であり、また発泡スチレン系樹脂素材として
はスチレン系モノマーを50重量%以上含有する共重合
体で構成され、スチレン系モノマーと共重合化し得るモ
ノマーとしてはアクリル酸、メタクリル酸もしくはこれ
らのエステル、アクリルニトリル、メタクリルニトリ
ル、無水マレイン酸等が挙げられる。型枠本体10はこ
れらのスチレン系樹脂を用いてビーズ型内発泡成形して
得ることができる成形体として得られるものである。も
ちろん素材としては発泡樹脂であればよく、その他目的
とする発泡状態が得られるものであれば適宜の素材を適
用することができる。例えば更に発泡樹脂素材としては
更に地球環境に悪影響を及ぼさない、例えばセルロース
系の生分解性発泡樹脂等を用いることも可能である。因
みに発泡倍率は10倍〜20倍、好ましくは15倍程度
の発泡倍率のものを用いることが好ましいのである。
【0015】一方、型枠本体10の打設面10aに設け
られるフィルム11については、まず形成態様としては
打設面10aと等しい面積に貼設するほか、好ましくは
図2に示すように型枠本体10における打設面10aよ
り幾分か広めに形成し、張出部11aを形成してもよ
い。因みにこのような張出部11aはこのものが型枠本
体10の側周部から外枠リブ13の外壁面13bにかけ
て覆うことになり、その面の保護の役割をするととも
に、型枠本体10を施工した際に隣同士の型枠本体10
の間の密閉状態をより良好にすることができる。
【0016】そしてこのフィルム11の素材としてはス
チレン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレ
フィン系樹脂等が使用できる。好ましくは型枠本体10
と同一の素材、例えば型枠本体10がスチレン系の発泡
成形体である場合にはスチレン系樹脂フィルムを用いる
ことで製造時あるいは廃棄時等の取り扱いが容易となる
のである。すなわち型枠本体10に対しフィルム11を
設けるにあたっては、同一素材の場合には例えば型枠本
体10を発泡成形する型枠内にあらかじめフィルム11
を所定形状に裁断した状態で設置し、そこに樹脂素材を
射出して発泡成形体を得る等の製造手法がとり得る。も
ちろんこれ以外でもフィルム11と型枠本体10との接
合面の全面または一部に接着剤等を用いてフィルム11
を積層状態に設けたり、あるいは部分的に熱溶着して一
体化する等の手法がとり得る。
【0017】本発明のコンクリート施工用型枠1は以上
述べたような具体的な構造を有するものであり、次に述
べるような手法の下に施工現場での型枠組み立てを行
う。この作業状態を図1に基づいて説明すると、すでに
概略を説明したとおり、まずコンクリート施工用型枠1
を例えば基礎2上に表示した墨線(施工位置の案内用の
罫線)等に合わせて配置し、コンクリートの打設部を挟
むように対向して設けた一対のコンクリート施工用型枠
1をそれぞれセパレータ4を用いて一定間隔毎に組み付
けるようにするのである。この状態で対向したコンクリ
ート施工用型枠1の自立状態をほぼ保つのである。もち
ろんコンクリート施工用型枠1が図示のように横方向に
連続して接続される場合には、隣り合うコンクリート施
工用型枠1同士をクランプ7によって組み付けるように
する。
【0018】なおこれらの手法それ自体は常法に従った
作業であるので詳細な説明は省略する。また本発明のコ
ンクリート施工用型枠1における型枠本体10は発泡樹
脂であり、木質素材などの硬さは有しないから、例えば
セパレータ4を受け入れるセパレータ受孔16に対して
はこれをそのままの状態でセパレータ4を受け入れても
よいが、例えば図2(a)に示すようなセパレータ受孔
16を補強するような補強スリーブ17を用いることも
好ましい。すなわち補強スリーブ17は筒状部17aと
その一方の端部に設けられたフランジ部17bとを有す
るものであり、このものをセパレータ受孔16に図3に
示すように嵌め込んで用いるのである。このような組み
立て状態にした後、前記セパレータ4における両端部が
型枠本体10の裏面10b側に幾分か突出することを利
用して、この部分に支持金具5をねじ込んで取り付け
る。
【0019】そしてこの支持金具5における一対の挟持
片5aに対し図1、3に示すように横支保杆6bを組み
付けるとともに、これを支持金具5における楔状のキー
5bを打ち込むことにより、これを押さえ付けるように
する。なおこの横支保杆6bの固定に先立ち、縦支保杆
6aをルーズな状態で横支保杆6bの内側に収めてお
き、縦支保杆6aを所定の位置にセットした状態で横支
保杆6bの固定を図るようにする。従って直接型枠本体
10を押さえ込むこととなる縦支保杆6aは型枠本体1
0の裏面10bのいずれの位置を押し込んでもよいが、
好ましくは補強構造12を構成する外枠リブ13あるい
は内リブ14に合致させて配置することがより好ましい
のである。
【0020】このようなコンクリート施工用型枠1の組
み立てが完了した後にはコンクリートAを常法に従い流
し込み、一定時間その養生を行うのである。なおこの
際、セパレータ受孔16のうち、セパレータ4を受け入
れていない部位については穿孔のままであるから、コン
クリートの余剰水分の排出孔としても作用する。そして
充分な養生時間を経た後、コンクリート施工用型枠1の
解体を行う。これは組み立てと逆の作業手順で行うので
ある。そしてコンクリート施工用型枠1を打設したコン
クリートAから外すにあたってはフィルム11が剥離材
として作用し、このものがコンクリートAに残ったり、
あるいはフィルム11とコンクリートAとの剥離性が優
れている場合にはフィルム11が型枠本体10に伴われ
て剥離されるのである。この使用後の本発明のコンクリ
ート施工用型枠1は型枠本体10がフィルム11に保護
された状態となっているから、コンクリートAの打設面
10aの損傷はほとんど生じない。もちろん生じた場合
であっても別途フィルム11を用意することによりフィ
ルム11の交換をするだけなので再使用することができ
る。具体的には先に述べたような発泡倍率等によって構
成した場合、循環使用はいわゆるコンパネ等を用いたコ
ンクリート施工用の型枠循環使用が数回が限度であるの
に対し、その三倍程度の循環使用が可能である。
【0021】
【他の実施の形態】本発明は以上述べたような内容を基
本的な技術思想とするものであるが、この技術思想の下
に種々の改変が可能である。まず図5に示す実施の形態
は型枠本体10における周縁部を隣り合う型枠本体10
の係合状態をより確実にするために係合段差13cを設
けたものである。これにより相互の位置決め等がより確
実に図られるのである。なおこの係合段差13cは、例
えばコンクリート施工用型枠1の長辺側のみに設けた
り、あるいは一方の長辺と一方の短辺に設けるようにし
てもよい。要は接続する際の相互が噛み合うように形成
されればよいのである。
【0022】更に補強構造12についても種々の改変が
可能である。すなわち基本の実施の形態では、外枠リブ
13について内壁面13aはその基部(肉抜き部15
側)からすべて直角に立ち上げたが、必ずしもその必要
はなく、一例として図3に併せて示すように内リブ14
のように裏面10bから打設面10aに向かって、途中
深さまで垂直部vを形成し、この垂直部vを経て、基部
近くにテーパ部tが形成されてもよいのである。
【0023】なお(a)に示す実施の形態は外枠リ
ブ13あるいは内リブ14等の部分的な肉厚部の内部を
中空状にして、中空肉抜き孔19を形成したものであ
り、これにより強度は保ちながらも軽量化が達成し得
る。もちろんこのような外枠リブ13、内リブ14以内
の部分についても図(b)に示すように一連の中空肉
抜き孔19を設けておくことも差し支えない。
【0024】また更に図に示す実施の形態は、コンク
リートAの打設面を単に平板状とすることなく、型枠を
外した場合に打設したコンクリートAに化粧模様AD
施されるように化粧造形18を形成してもよい。具体的
にはこの実施の形態のように例えば自然石の石垣を模し
たような形状に打設面10aを凹凸形成して化粧造形1
8を設けてもよいのである。
【0025】
【発明の効果】すなわち請求項1記載の発明によれば、
比較的強度の劣る発泡樹脂であっても、その裏面側に補
強構造を具えるのでコンクリートを打設する際に求めら
れる充分な剛性が得られる。また型枠本体に組み合わさ
れるフィルムは型枠本体の打設面の保護やコンクリート
打設後の剥離材としても作用する。そして型枠本体10
は発泡樹脂成形体であるので、断熱効果に優れコンクリ
ートAの養生への外部の温度変化による影響が少なく、
均質なコンクリート施工が可能となる。特に寒冷地での
冬場の養生中に起きやすい凍結等が優れた断熱性により
コンクリートそれ自体の養生中の発熱がそのまま保た
れ、凍結等を防止することができる。更に実質的に補強
構造を構成する外枠リブと内リブとを、コンクリート型
枠をつなげて組み立てる際の被係止部材やコンクリー
ト型枠の施工時に用いられる支保杆等の受部として利用
でき、その作業性を向上させ得る。更にまた内リブはそ
の基部側にテーパ部を具えているから、型枠を施工する
際に型枠本体を支保杆で押さえ、コンクリートを流し込
む際にその応力が型枠本体全体に均等に分散され、外枠
リブは隣り合う型枠本体における外枠リブと密着すると
ともに、両者を接続させるクランプ等の係止が確実に行
われる。
【0026】また請求項2記載の発明によれば、型枠本
体は発泡性に優れたスチレン樹脂のビーズ型内発泡成形
体であり、比較的一般的な素材により構成することがで
き、且つまたこの素材自体がリサイクルした原料素材を
用いることができるほか、また使用後に更に次のリサイ
クルに向けての再生処理も行いやすいものであり、省資
源化に資することができる。更に型枠本体に設けられる
フィルム型枠本体と同一素材であるから、再利用する
際にもフィルムを別途分離することなく、作業が進めら
れる。
【0027】更にまた請求項3記載の発明によれば、セ
パレータ受孔があらかじめ形成されているから、改めて
現場においてセパレータ受孔を設ける必要がない。また
そのセパレータ受孔の形成位置は補強構造を構成する外
枠リブあるいは内リブの部位にあるから、セパレータ受
孔の一部を利用して支持金具を介して組み付けられる支
保杆等の力を充分合理的に受け止めることができる。
【0028】更にまた請求項4記載の発明によれば、前
記したコンクリート施工用型枠の優位性を利用した施工
がなし得る。すなわち施工にあたっての労力の軽減、作
業性の向上等が図られているのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコンクリート施工用型枠並びにその型
枠を用いたコンクリート施工法を示す斜視図である。
【図2】コンクリート施工用型枠本体を示す斜視図であ
る。
【図3】コンクリート施工用型枠を用いた型枠施工法を
示す断面図並びに(a)図のX−X線断面図である。
【図4】隣り合うコンクリート施工用型枠相互の接続状
態を示す断面図である。
【図5】隣り合う型枠本体の係合部における他の実施の
形態を示す断面図である。
【図6】外枠リブ及び内リブに中空肉抜き孔を形成させ
た他の形成状態を示す断面図である。
【図7】コンクリート施工用型枠の打設面に化粧造形を
設けた他の形成状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 コンクリート施工用型枠 2 基礎 3 鉄筋 4 セパレータ 5 支持金具 5a 挟持片 5b キー 6 支保杆 6a 縦支保杆 6b 横支保杆 7 クランプ 10 型枠本体 10a 打設面 10b 裏面 11 フィルム 11a 張出部 12 補強構造 13 外枠リブ 13a 内壁面 13b 外壁面 13c 係合段差 14 内リブ 15 肉抜き部 15a 肉抜き孔 16 セパレータ受孔 17 補強スリーブ 17a 筒状部 17b フランジ 18 化粧造形 19 中空肉抜き孔 A コンクリート AD 化粧模様 t テーパ部v 垂直部

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂発泡成形体により構成された、
    ほぼ板状の型枠本体と、の型枠本体におけるコンクリ
    ートの打設面に設けられフィルムとを具え、コンクリ
    ートを施工する際に用いられる型枠において、前記型枠
    本体は、打設面の反対側の裏面側に、外周に位置する外
    枠リブと、その内側に形成される格子状の内リブとによ
    って型枠本体の肉厚を部分的に異ならせた補強構造を構
    成するとともに、前記内リブは、裏面側から打設面に向
    かって途中深さまで等幅に形成された垂直部を有すると
    ともに、更にそれより基部側の範囲は、基部側に向かっ
    て幅を広げるテーパ部を有し、一方、前記外枠リブは、
    少なくとも裏面側に、打設面に対して直角に形成された
    垂直部を有することを特徴とするコンクリート施工用型
    枠。
  2. 【請求項2】 前記型枠本体は、スチレン系樹脂のビー
    ズ型内発泡成形体であり、且つ前記フィルムは、この型
    枠本体と同一の素材であることを特徴とする請求項1記
    載のコンクリート施工用型枠。
  3. 【請求項3】 前記外枠リブと内リブとのいずれか一方
    または双方の位置には型枠本体の打設面から裏面側に貫
    通するセパレータ受孔が形成されていることを特徴とす
    る請求項1または2記載のコンクリート施工用型枠。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3記載のコンクリート施工用
    型枠を、施工場所において所定形状に組み付けることに
    よってコンクリート打設部の全部または一部を規制し、
    その後、このコンクリート打設部にコンクリートを打設
    し、一定時間養生させた後、前記コンクリート施工用型
    枠を除去することを特徴とするコンクリート施工用型枠
    を用いたコンクリート施工法。
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