JPH11256816A - コンクリート施工用型枠及びコンクリート施工法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量であって取り扱いが容易であり、かつ、
隅部や稜線部の潰れや変形を防止して繰り返し使用を一
層確実としたコンクリート施工用型枠を得る。 【解決手段】 熱可塑性樹脂のビーズ型内発泡成形体か
らなる型枠本体１１と合成樹脂フィルム２１とが積層さ
れて構成された板状のコンクリート施工用型枠１におい
て、型枠本体１１のコンクリート打設面側の四隅には角
部用補強部材３０を、また稜線部には稜用補強部材４０
を取り付ける。前記合成樹脂フィルム２１は角部用補強
部材３０及び稜用補強部材４０をも被覆した状態で積層
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はコンクリート打設工
事に使用するコンクリート型枠及び該型枠を用いたコン
クリート施工法に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、コンクリート施工用型枠は、コ
ンクリートに直接接するセキ板と、このセキ板を支える
支保工から構成され、さらに、前記のセキ板は所要の間
隔をあけて対向して配置され、それぞれのセキ板とセキ
板とをセパレータ等の緊結材を使用して固定状態に組み
付けられる。しかし、セキ板は一般的に木質系の合板が
使用されているので、重量が重く持ち運びが不便で、作
業性が悪いという問題点があった。また、合板を使用す
るということはひいては熱帯雨林を破壊する等の環境破
壊を引き起こす恐れがある。

【０００３】このような問題点を解決するために、コン
クリート施工用型枠として合成樹脂発泡体を使用するこ
とが提案されている。例えば、特開平８−１００５２３
号公報には、発泡ポリスチレン等の板状ブロックの内層
部を高発泡状態（１〜１０ｋｇ／ｍ³ ）とすると共に、
該内層部の表面層部を低発泡状態（２０〜５０ｋｇ／ｍ
³ ）又は非発泡状態に一体的に形成したコンクリート施
工用型枠が提案されている。このようなコンクリート施
工用型枠は従来の木質系の合板と比較して軽量化が図
れ、型枠の持ち運びや施工場所での組み付けが容易であ
り、さらに、繰り返し使用が可能であることから、コス
ト的にも有利である利点がある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、前記特開平８
−１００５２３号公報に記載の型枠は内層部とその表面
層部とで発泡条件を異ならしていることから、特殊な成
形技術を必要とするという問題がある。本発明者らは実
験と経験をとおして、全体を１０〜２０倍程度の発泡倍
率としたビーズ型内発泡成形体であれば、それ自体でコ
ンクリート施工用型枠として十分使用に耐える強度を持
つことを知ったが、一方において、型枠表面と打設した
コンクリートとの離型性が不十分なこと、また、そのよ
うな発泡条件の熱可塑性樹脂のビーズ型内発泡成形体は
復元性が劣るために、運搬中あるいは施工中に隅部や稜
線部をぶつけると、その部分が凹んでしまい、元の状態
に復元しにくいことも経験した。凹みを持った状態で型
枠として使用すると、その部分から打設したコンクリー
トが流出する可能性があり、流出しない場合でも、コン
クリート壁の表面平滑性が阻害される。さらに、一旦凹
みを形成した型枠は再使用することはできない。

【０００５】そのために、軽量でありかつ成形が容易で
ありながら、熱可塑性樹脂のビーズ型内発泡成形体は、
そのままではコンクリート施工用型枠として実用に耐え
る状態で繰り返し使用することができなかった。熱可塑
性樹脂発泡体を芯材として用いるコンクリート施工用型
枠の他の態様として、特公平７−５９３７１号には、低
発泡ポリウレタン樹脂の表面にベニヤ板のような硬板を
固着させ、該硬板の表面にポリエチレンフィルムのよう
な離型層を固着させ、その周囲に保護部材を設けたもの
が記載されている。しかし、この型枠は、製造に際し
て、低発泡ポリウレタン樹脂の表面に固着させたベニヤ
板のような硬板が必要であり、軽量性の点で十分なもの
ではない。また、保護部材も周囲においてその表裏両面
にわたるように設けることが必要となる。

【０００６】本発明の目的は、好ましくは１０〜２０倍
程度の発泡倍率とした熱可塑性樹脂のビーズ型内発泡成
形体を型枠本体として用いながら、実用上支障のない状
態で繰り返し使用することができるコンクリート施工用
型枠を提供することにある。本発明の他の目的は、その
ようなコンクリート施工用型枠を用いたコンクリート施
行法を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明によるコンクリー
ト施工用型枠は、基本的に、熱可塑性樹脂のビーズ型内
発泡成形体からなる型枠本体と合成樹脂フィルムとが積
層されて構成された板状のコンクリート施工用型枠であ
って、前記型枠のコンクリート打設面側の四隅には角部
用補強部材が、また稜線部には稜用補強部材が設けられ
ており、前記合成樹脂フィルムは前記型枠のコンクリー
ト打設面側に前記角部用補強部材及び稜用補強部材を被
覆した状態で積層されていることを特徴とする。

【０００８】本発明のコンクリート施工用型枠に使用す
る熱可塑性樹脂としては、オレフィン系樹脂、スチレン
系樹脂等を用い得るが、強度、価格の点からスチレン系
樹脂が好ましい。スチレン系樹脂としては、スチレン、
メチルスチレン、ジメチルスチレン等のスチレンモノマ
ーを主構成単位とする重合体であってよく、発泡スチレ
ン系樹脂材料としては、スチレンモノマーを５０重量％
以上含有する共重合体で構成され、スチレンモノマーと
共重合し得るモノマーとしてはアクリル酸、メタアクリ
ル酸、もしくはこれらのエステル、アクリロニトリル、
メタクリルニトリル、無水マレイン酸等が挙げられる。

【０００９】本発明では、好ましくはこれらのスチレン
系樹脂粒子に発泡剤を含有させた発泡性樹脂粒子（ビー
ズ）を予備発泡した予備発泡粒子を使用してビーズ型内
発泡成形して得た成形体を型枠本体とするので、表裏両
面が平坦な板状のものばかりでなく、型枠本体の補強構
造として、コンクリート打設面の裏面側に型枠本体の肉
厚を部分的に異ならせた構造を持つものも容易に成形す
ることができる。

【００１０】ビーズ型内発泡成形体の発泡倍率は好まし
くは１０〜２０倍とする。このような倍率のビーズ型内
発泡成形体の成形はきわめて容易であり、かつ、寒冷地
での冬場の養生中に起きやすい凍結等を起こす恐れがな
いので、型枠表面を加熱したりすることなく、コンクリ
ートの養生中の発熱反応による熱のみで養生をすること
ができる。

【００１１】本発明のコンクリート施工用型枠で使用す
る合成樹脂フィルムには、スチレン系樹脂、ポリエチレ
ン・ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリエチレ
ンテレフタレート、及びＡＢＳ樹脂等が使用できる。こ
のような合成樹脂のフィルムは型枠本体のコンクリート
打設面と、該コンクリート打設面側に設けた角部用補強
部材及び稜用補強部材とを少なくとも被覆した状態で積
層される。好ましくは合成樹脂フィルムは型枠本体のコ
ンクリート打設面の表面から側面全面にかけて積層され
る。このようにして被覆することにより、施工用型枠を
縦方向あるいは横方向に連結して配置する際にできるそ
れぞれの連結部の隙間を合成樹脂のフィルムで埋めるこ
とができるので、より綺麗なコンクリート面を得ること
ができる。

【００１２】合成樹脂フィルムは型枠本体に接着剤等を
使用して接着積層してもよい。特に型枠本体と同じ種類
の樹脂からなる合成樹脂のフィルムを用いる場合には、
ビーズ型内発泡成形体からなる型枠本体を型内成形する
のと同時に前記フィルムを一体に融着して積層成形する
こともでき、また、再生利用することも容易となる。合
成樹脂のフィルムは、型枠本体の積層面全体を接着・融
着してもよく、容易に離脱しない程度に部分的に接着・
融着してあってもよい。

【００１３】本発明のコンクリート施工用型枠におい
て、型枠本体のコンクリート打設面側の四隅には角部用
補強部材が、及び稜線部には稜用補強部材が設けられ
る。角部用補強部材及び稜用補強部材は、通常の型枠及
び型枠本体の取り扱い及び組み付け作業時に生じ得る、
それら同志の又は他のものともぶつかり（衝接）によ
り、変形や破壊が生じないことを条件に、ポリ塩化ビニ
ル、ＡＢＳ樹脂のような樹脂材料やアルミニウムのよう
な金属材料等の任意の材料で作ることができる。価格及
び軽量性の理由から、好ましい材料は樹脂材料である。

【００１４】角部用補強部材及び稜用補強部材は、任意
の方法により製造することができるが、その形状上の特
性から、角部用補強部材は樹脂材料を射出成形すること
により、また、稜用補強部材は樹脂材料を押出成形する
ことにより得ることができる。角部用補強部材及び稜用
補強部材は、粘着剤付きテープ等により型枠本体の四隅
又は稜線部に取り付けられる。場合によっては、複数枚
の薄板状の材料を型枠本体の四隅又は稜線部の形状に沿
って貼り合わせることにより角部用補強部材及び稜用補
強部材を構築することも可能である。

【００１５】角部用補強部材及び稜用補強部材により、
型枠本体のコンクリート打設面側のすべての稜線部分を
覆うようにしてもよいが、好ましくは、角部用補強部材
と稜用補強部材とはその間に隙間を形成した状態で型枠
本体に設けられる。それにより、型枠本体、角部用補強
部材及び稜用補強部材の温度変化による膨張収縮を吸収
することができる。

【００１６】本発明のコンクリート施工用型枠は、施工
場所に搬入され、そこで所要の間隔をあけて必要とされ
る複数枚の型枠が縦方向、横方向にそれぞれ連結して配
置され、さらに、間隔を空けて配置された前記型枠をセ
パレータ等の緊結材を使用して組み付けられる。そし
て、形成されたコンクリート打ち込み空間にコンクリー
トが打設される。搬入時にあるいは組み付け時等に、型
枠同志がぶつかったりあるいは型枠が他の部材とぶつか
ったりすることが起こりうる。しかし、本発明のコンク
リート施工用型枠はコンクリート打設面側の四隅には角
部用補強部材が、また稜線部には稜用補強部材が設けら
れており、そのような予期せぬぶつかりが生じた場合で
も、型枠本体の四隅部分や稜線部分がつぶれて変形する
ことはない。そのために、型枠同志の上下方向あるいは
左右側方の連結部分を常時密着状態を維持することがで
き、連結部分からコンクリートが流出したり、コンクリ
ート壁の表面平滑性が阻害されることは回避できる。ま
た、型枠本体の変形が阻止されることから、長期にわた
り反復して使用することができる。

【００１７】

【発明の実施の形態】次に、本発明の好ましい実施の形
態について、図面を参照して説明する。図１は本発明に
よるコンクリート施工用型枠の一実施の形態を表面側、
すなわち、施工時にコンクリート打設面となる側から見
た斜視図であり、図２は同じコンクリート施工用型枠を
裏面側から見た斜視図であり、図３は図２のＩＩＩ−Ｉ
ＩＩ線による断面図である。また、図４（ａ）は型枠本
体のコンクリート打設面側の四隅に取り付ける角部用補
強部材の一実施の形態を示す斜視図であり、図４（ｂ）
はその稜線部に取り付ける稜用補強部材の一実施の形態
を示す斜視図である。さらに、図５は、図１〜図３に示
すコンクリート施工用型枠を用いてコンクリート施工す
る場合の一実施の形態を説明する斜視図である。

【００１８】この実施形態のコンクリート施工用型枠１
は、ポリスチレンのビーズ型内発泡成形体からなる発泡
倍率約１５倍程度の型枠本体１１と、該型枠本体１１の
コンクリート打設面側の表面に積層された厚さ約０．５
ｍｍのＡＢＳ樹脂フィルム２１とが積層された構成の板
状のものであり、前記型枠本体１１のコンクリート打設
面側の四隅には、図４（ａ）に示すような角部用補強部
材３０が、また稜線部には図４（ｂ）に示すような稜用
補強部材４０が、接着剤により取り付けられている。

【００１９】型枠本体１１の表面側（コンクリート打設
面側）は平坦面とされるが、裏面側には、この例では、
型枠本体１１の肉厚を部分的に異ならせた補強構造とし
て、裏面外周に位置する枠状桟１２と格子状の桟１３と
が形成されて、さらに、該格子状の桟１３の対角線上に
も桟１３ａが形成されている。このように枠状桟１２あ
るいは格子状の桟１３、１３ａを形成することにより、
軽量でありながら大きな強度を持つ型枠本体１１が形成
される。型枠本体をスチレン系樹脂のビーズ型内発泡し
た発泡倍率が１０〜２０倍の発泡成形体とした場合、従
来の木質合板を使用したコンクリート施工用型枠の約１
／４程度の重量でありながら、型枠本体の強度を必要充
分な強度にまで向上させることができる。

【００２０】さらに、前記枠状桟１２あるいは格子状の
桟１３、１３ａにより、型枠本体１１の裏面には実質的
な凹所が多数形成されるので、その部分を利用してコン
クリート施工用型枠１の運搬や施工時の取り扱いを容易
に行うことができる。さらに、後記するように、型枠の
組み付け時に、隣接する型枠同志を係止するための係止
具３の取り付けを容易とすることができる。

【００２１】前記角部用補強部材３０は、この例では、
ポリプロピレンの射出成形品であり、３枚のほぼ同じ形
状の面材３１ａ、３１ｂ、３１ｃが互いに９０度の角度
で交差する状態に成形されている。厚みは１〜２ｍｍ程
度、直交する３本の稜線３２の長さは、型枠本体１１の
厚みの１／３〜２／３程度であれば、隅部を保護すると
いう所要の目的は達成可能である。

【００２２】また、前記稜用補強部材４０は、この例で
はポリ塩化ビニルの押出成形品であり、２枚のほぼ同じ
形状の長方形状の面材４１ａ、４１ｂが９０度の角度で
交差する状態に成形されている。面材４１ａ、４１ｂの
厚みは１〜２ｍｍ程度、その短手方向の幅が型枠本体１
１の厚みの１／３〜２／３程度であれば、稜線部を保護
するという所要の目的は達成可能である。稜用補強部材
４０の長さは、型枠本体１１の短辺側及び長辺側の双方
において、型枠本体１１の四隅に取り付けた角部用補強
部材３０と稜線部に取り付けた稜用補強部材４０との間
にわずかな隙間（１〜２ｍｍ程度）Ｐ（図１参照）が形
成されるような長さとされる。

【００２３】前記合成樹脂フィルム２１は、この例で
は、型枠本体１１のコンクリート打設面側の全面と、少
なくともその側面側において、角部用補強部材３０及び
稜用補強部材４０の部分を覆い尽くすようにして積層さ
れている。側面側での型枠本体１１と合成樹脂フィルム
２１との接着は、型枠１の製造段階で行うことが施工現
場での作業効率の観点からは好ましいが、必要なはみ出
し部分を持つ大きさの合成樹脂フィルム２１を表面側で
のみ接着しておき、施工現場で、該はみ出し部を側面側
に折り込むような施工態様であってもよい。合成樹脂フ
ィルム２１を型枠本体１１の側面側の全面を覆うように
設けてもよい。

【００２４】次に、上記のコンクリート施工用型枠１を
用いて、コンクリート壁等を施工する方法について説明
する。工場で作られた多数枚のコンクリート施工用型枠
１・・は施工現場に搬入され、図５に示すように、それ
ぞれの型枠同志を係止するための係止具３等を用いて、
コンクリート施工面が合成樹脂フィルム２１の積層面側
となるように隣接した状態で、コンクリート躯体１００
の上に間隔をあけてほぼ平行に配置される。その際に、
ほぼ平行に配された前記係止されたコンクリート施工用
型枠１・・は、セパレータのような従来知られた緊結材
４・・によって締結される。締結は、施工現場で適宜の
穿孔具（図示しない）により、あるいは緊結材４の先端
で、施工用型枠１の裏面から表面に貫通する貫通孔を形
成しながら、その貫通孔に緊結材４を挿通固定すること
により行ってもよく、予め貫通孔を形成した型枠本体を
用いて、その貫通孔に緊結材４を挿通固定するようにし
てもよい。また、必要に応じて前記のコンクリート施工
用型枠１のコンクリート施工面の裏面側に横ばた５や縦
ばた６を使用して施工用型枠１が不用意に倒れることを
防止する。

【００２５】そのようにして間隔をあけてほぼ平行に配
置されたコンクリート施工用型枠１・・の間にコンクリ
ートを打設し、コンクリートの養生後、前記型枠を除去
することでコンクリート施工をすることができる。本発
明によるコンクリート施工用型枠１の場合には、前記の
ように熱可塑性樹脂のビーズ型内発泡成形体からなる型
枠本体１１のコンクリート打設面側の四隅に角部用補強
部材３０・・が、また稜線部に稜用補強部材４０・・が
設けられているので、工場から施工現場への搬入時や施
工現場での型枠組み付け時等において、型枠同志がぶつ
かったり、あるいは型枠が他の部材にぶつかったりした
場合でも、四隅の隅部や稜線部が潰れたり欠損すること
は回避される。そのために、図５に示すようにして型枠
同志を組み付けた時に、型枠同志の上下方向あるいは左
右側方の連結部分を常時密着状態に維持することがで
き、連結部分からコンクリートが流出したり、コンクリ
ート壁の表面平滑性が阻害されることは回避でき、表面
平滑なコンクリート壁を得ることができる。

【００２６】また、型枠本体１１の少なくともコンクリ
ート打設面側には前記角部用補強部材３０・・及び稜用
補強部材４０・・をも被覆する状態で合成樹脂フィルム
２１が積層されているので、打設コンクリートと型枠１
の表面とが付着することはなく、平滑性の確保と共に、
型枠１の取り外し（離型）も容易となる。

【００２７】上記の説明は本発明の好ましい実施の形態
の説明であって、他に多くの変形例が存在する。型枠本
体１の裏面に設けた枠状桟１２あるいは格子状の桟１
３、１３ａは、強度の向上と取り扱いの容易性の目的で
設けたものであって、その形状や配置パターンは、該目
的が達成されるものであれば、図示のものに限らず任意
であってよい。また、所要の強度が得られる場合には、
型枠本体１はそのような枠状桟１２あるいは格子状の桟
１３を設けない単に平板状のものであってもよい。

【００２８】また、セパレータのような緊結材４を貫通
するための貫通孔を型枠本体に設ける場合に、該貫通孔
はコンクリート打設面側の孔が裏面側の孔より大きな形
状となるよう傾斜テーパを持つ貫通孔とすることが望ま
しい。これによりセパレータ等の緊結材の挿入が容易な
る。また、緊結材のために使用するよりも多くの数の孔
を形成してもよく、その場合に、使用しない孔はコンク
リート打設時の余剰水の排出孔として機能させることが
できる。

【００２９】

【発明の効果】本発明によれば、所要の強度を持ちなが
ら軽量であり、かつ取り扱いが容易で施工性が向上した
コンクリート施工用型枠が得られる。また、角部用補強
部材及び稜用補強部材を持つことにより、作業時や運搬
時等に隅部や稜線部が潰れたり欠損することは確実に回
避でき、型枠の繰り返し使用が可能となり低コスト化が
可能となる。また、型枠同志を組み付けた時に、型枠同
志の上下方向あるいは左右側方の連結部分を常に密着状
態とすることができ、常に、表面平滑なコンクリート壁
を確実に得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるコンクリート施工用型枠の一実施
の形態を表面側。

【図２】図１に示すコンクリート施工用型枠を裏面側か
ら見た斜視図。

【図３】図２のＩＩＩ−ＩＩＩ線による断面図。

【図４】図４（ａ）は型枠本体のコンクリート打設面側
の四隅に取り付ける角部用補強部材の一実施の形態を示
す斜視図、図４（ｂ）はその稜線部に取り付ける稜用補
強部材の一実施の形態を示す斜視図。

【図５】図１〜図３に示すコンクリート施工用型枠を用
いてコンクリート施工する場合の一実施の形態を説明す
る斜視図。

【符号の説明】

１…コンクリート施工用型枠、１１…熱可塑性樹脂のビ
ーズ型内発泡成形体からなる型枠本体、２１…合成樹脂
フィルム、３０…角部用補強部材、４０…稜用補強部
材、４…緊結材

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 熱可塑性樹脂のビーズ型内発泡成形体か
   らなる型枠本体と合成樹脂フィルムとが積層されて構成
   された板状のコンクリート施工用型枠であって、前記型
   枠本体のコンクリート打設面側の四隅には角部用補強部
   材が、また稜線部には稜用補強部材が設けられており、
   前記合成樹脂フィルムは前記型枠本体のコンクリート打
   設面側に前記角部用補強部材及び稜用補強部材を被覆し
   た状態で積層されていることを特徴とするコンクリート
   施工用型枠。
2. 【請求項２】 熱可塑性樹脂がスチレン系樹脂である請
   求項１記載のコンクリート施工用型枠。
3. 【請求項３】 合成樹脂フィルムが前記型枠のコンクリ
   ート打設面の表面から側面全面にかけて積層されている
   ことを特徴とする請求項１記載のコンクリート施工用型
   枠。
4. 【請求項４】 角部用補強部材と稜用補強部材とはその
   間に隙間を形成した状態で前記型枠本体に設けられてい
   ることを特徴とする請求項１記載のコンクリート施工用
   型枠。
5. 【請求項５】 角部用補強部材が射出成形品からなるこ
   とを特徴とする請求項１記載のコンクリート施工用型
   枠。
6. 【請求項６】 稜用補強部材が押出成形品からなること
   を特徴とする請求項１記載のコンクリート施工用型枠。
7. 【請求項７】 請求項１ないし６いずれか記載のコンク
   リート施工用型枠を用い、前記型枠を施工場所に組み付
   け、コンクリートを打設し、コンクリートの養生後、前
   記型枠を除去することを特徴とするコンクリート施工
   法。