JP3160643B2 - 1,2−n−アシル−n−メチレンエチレンジアミン及びこれを用いた導電性ペースト - Google Patents

1,2−n−アシル−n−メチレンエチレンジアミン及びこれを用いた導電性ペースト

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JP3160643B2
JP3160643B2 JP10558897A JP10558897A JP3160643B2 JP 3160643 B2 JP3160643 B2 JP 3160643B2 JP 10558897 A JP10558897 A JP 10558897A JP 10558897 A JP10558897 A JP 10558897A JP 3160643 B2 JP3160643 B2 JP 3160643B2
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裕明 梅田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規化合物であ
る、1,2−N−アシル−N−メチレンエチレンジアミ
ンに関する。また、プリント基板のノイズ対策、部品実
装等に用いられる導電性ペーストであって、上記化合物
を用いることにより導電性及び長期信頼性の向上した導
電性ペーストに関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来、プ
リント基板のノイズ対策、部品実装等に用いられる導電
性ペーストのフィラーとしては、耐酸化性のある、銀、
銀コート銅粉、ニッケル等が多く用いられている。銀、
銀コート銅粉を用いたペーストについては、導電性が高
く、耐酸化性についても良好であるが、高価であるこ
と、マイグレーションが起こること等が問題となってい
る。また、ニッケルを用いたものは、耐酸化性は良好で
あるが導電性が低いため、用途が限られている。これに
対し、銅粉をフィラーとしたペーストについては、安価
でマイグレーションの心配はないが、銅粉の酸化により
導電性が時間の経過と共に低下するという問題がある。
【0003】一方、プリント基板に対する良好な接着性
を有する導電性ペーストを得るために、従来よりバイン
ダーとしてエポキシ系樹脂が用いられているが、その場
合、十分な導電性を得られないことが問題となってい
る。
【0004】本発明は、新規な化合物である1,2−N
−アシル−N−メチレンエチレンジアミンを提供すると
共に、この化合物の使用により上記各問題を解決する導
電性ペースト、すなわち、銅粉のように耐酸化性のよく
ないフィラーを用いても良好な導電性を長期にわたって
維持できる、信頼性の高い導電性ペーストであって、特
に導電性と接着性の双方に優れた導電性ペーストを提供
するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の導電性ペーストは、熱硬化性樹脂、金属
フィラーおよび下記一般式(I)で示される構造を有す
る1,2−N−アシル−N−メチレンエチレンジアミン
化合物を含有してなるものとする(請求項2)。
【0006】
【化2】 ここで、Rは水素原子又は炭化水素基を表す。
【0007】上記導電性ペーストは、熱硬化性樹脂10
0重量部に対し、金属フィラー250〜900重量部お
よび1,2−N−アシル−N−メチレンエチレンジアミ
ン化合物1〜50重量部を含有するのが好ましい(請求
項3)。
【0008】あるいは、熱硬化性樹脂100重量部に対
し、1,2−N−アシル−N−メチレンエチレンジアミ
ン化合物により被覆された金属フィラー250〜900
重量部を含有するのが好ましい(請求項4)。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に係る新規化合物である
1,2−N−アシル−N−メチレンエチレンジアミン
は、次の一般式(I)で示される構造を有する。
【0010】
【化3】
【0011】ここで、Rは水素原子又は炭化水素基を表
す。炭化水素基は、脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水
素基の双方を含み、その一例としては、メチル基、エチ
ル基、プロピル基等のアルキル基、シクロペンチル基、
シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ベンジル基、
フェネチル基等のアラルキル基等が挙げられるが、これ
らに限定されない。
【0012】上記一般式(I)で表される1,2−N−
アシル−N−メチレンエチレンジアミンは、例えば次式
に示される反応により得られる。すなわち、一般式(II)
で表されるイミダゾリン化合物を加水分解して一般式(I
II) で表されるN−アシル−1,2−ジアミンを得て、
このN−アシル−1,2−ジアミンとホルムアルデヒド
とを反応させる。なお、式中Rは、上記と同様に、水素
原子又は炭化水素基を表す。
【0013】
【化4】
【0014】具体例を挙げると、上記式(I)における
RがHである1,2−N−ホルミル−N−メチレンエチ
レンジアミンは、イミダゾリンを原料として、N−ホル
ミル−1,2−ジアミンを経て得られる。また、Rがプ
ロピル基である1,2−N−プロピオニル−N−メチレ
ンエチレンジアミンは、2−プロピルイミダゾリンを原
料として、N−プロピオニル−1,2−ジアミンを経て
得られ、Rがウンデシル基である1,2−N−ラウロイ
ル−N−メチレンエチレンジアミンは、2−ウンデシル
イミダゾリンを原料として、N−ラウロイル−1,2−
ジアミンを経て得られる。
【0015】上記した本発明の1,2−N−アシル−N
−メチレンエチレンジアミン化合物は、例えば、分散
剤、防錆剤、エポキシ樹脂硬化促進剤、導電性付与剤、
離型剤等として有用である。
【0016】次に上記1,2−N−アシル−N−メチレ
ンエチレンジアミン化合物を用いた導電性ペーストにつ
いて述べる。
【0017】本発明の導電性ペーストは、熱硬化性樹脂
と金属導電性フィラーとを含む導電性ペーストにおい
て、上記1,2−N−アシル−N−メチレンエチレンジ
アミン化合物を含有することを特徴とする。1,2−N
−アシル−N−メチレンエチレンジアミン化合物の種類
は特に限定されないが、合成が容易で低コストである点
等から、例えば上記式(I)のRが水素又は炭素数1〜
17程度のアルキル基であるものを好適に用いることが
である。
【0018】本発明でバインダーとして用いられる熱硬
化性樹脂としては、エポキシ系樹脂、もしくはエポキシ
系樹脂とアルキド系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール
系樹脂、キシレン系樹脂のうちの1種以上との混合物が
好ましい。上記したように、従来の導電性ペーストにお
いてエポキシ系樹脂を用いた場合は、接着性は良好であ
るが、十分な導電性が得られないことが問題とされてい
たが、本発明により、優れた接着性と導電性とを併せも
つ導電性ペーストを得ることが可能となる。
【0019】エポキシ系樹脂に、アルキド系樹脂、メラ
ミン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂のうち
の1種以上を混合して用いる場合は、これらの樹脂の混
合率は、混合物中50重量%までとすることが望まし
い。
【0020】本発明に用いられる金属フィラーの金属の
種類は、特に限定されない。金属フィラーの粉子の大き
さは、フィラーとして通常用い得る範囲内(1〜100
μm程度)であればよく、特に限定されない。さらに、
粉子の形状についても限定はなく、球状、フレーク状、
樹枝状、不定形状等、どのような形状であってもよい。
これらの金属フィラーは、単独で使用しても2種以上併
用してもよい。このように本発明で使用できる金属フィ
ラーには限定がないが、銅粉のように導電性は高いが耐
酸化性の弱い粉体を用いた場合でも、優れた導電性を維
持する導電性ペーストを得ることを可能にしたことが、
本発明の最も大きな特徴である。
【0021】本発明の導電性ペーストは、上記各成分、
すなわち、熱硬化性樹脂、金属フィラー、1,2−N−
アシル−N−メチレンエチレンジアミン化合物を必須成
分として含むが、その優れた特性を損なわない範囲内に
おいて、分散剤、粘度調整剤等の添加物を、必要に応じ
て適宜配合することもできる。
【0022】本発明において、熱硬化性樹脂、金属フィ
ラーからなる導電性ペーストに、1,2−N−アシル−
N−メチレンエチレンジアミン化合物を含有させる具体
的な方法としては、樹脂に金属フィラーおよび1,2−
N−アシル−N−メチレンエチレンジアミン化合物を直
接添加して混合する方法(以下、「添加法」という)
と、金属フィラーを1,2−N−アシル−N−メチレン
エチレンジアミン化合物によって予め被覆した後、樹脂
に添加する方法(以下、「被覆法」という)とが挙げら
れる。
【0023】前者の添加法においては、上記熱硬化性樹
脂100重量部に対し、金属フィラーを、通常は250
〜900重量部、好ましくは350〜650重量部、
1,2−N−アシル−N−メチレンエチレンジアミン化
合物を、通常は1〜50重量部添加し、混合する。
【0024】金属フィラーが250重量部未満では、所
望の導電性が得られず、900重量部を超えると相対的
に樹脂量が少なくなるため、所望の接着性が得られない
場合がある。
【0025】また、1,2−N−アシル−N−メチレン
エチレンジアミン化合物が1重量部未満では、所望の導
電性が得られず、50重量部を超えると耐湿性に悪影響
を及ぼす場合がある。
【0026】上記のように1,2−N−アシル−N−メ
チレンエチレンジアミン化合物が所定量添加された導電
性ペーストは、導電性及び長期信頼性が飛躍的に向上
し、銅粉のような酸化を受けやすいフィラーを用いた場
合でも、優れた初期特性が長期間持続する。従って、信
頼性の高い導電性ペーストを安価で得ることが可能とな
る。また、熱硬化性樹脂としてエポキシ系樹脂、もしく
はエポキシ系樹脂とアルキド系樹脂、メラミン系樹脂、
フェノール系樹脂、キシレン系樹脂のうちの1種以上と
の混合物を用いると、導電性を犠牲にせずに、優れた接
着性を付与することができる。
【0027】次に後者の被覆法について述べる。
【0028】上記被覆のための処理方法としては、湿式
法と乾式法が挙げられる。
【0029】湿式法とは、1,2−N−アシル−N−メ
チレンエチレンジアミン化合物を溶解した溶液に金属フ
ィラーとして用いる金属粉を投入して撹拌し、その後濾
過又はエバポレーション等により溶媒を除去する方法で
ある。ここで用いられる溶媒としては、n−ノナン酸、
クロロホルム、m−クレゾール等の極性溶媒が挙げら
れ、中でもn−ノナン酸が好ましい。
【0030】乾式法とは、ボールミル等を用いて金属粉
と1,2−N−アシル−N−メチレンエチレンジアミン
化合物とを直接混合撹拌する方法である。これらの方法
によって、1,2−N−アシル−N−メチレンエチレン
ジアミン化合物によって被覆された金属フィラーが得ら
れる。
【0031】被覆に用いられる1,2−N−アシル−N
−メチレンエチレンジアミン化合物の量は、処理前の金
属フィラーに対して、通常は0.05〜5重量%、好ま
しくは0.2〜3重量%である。この量が0.05重量
%未満では、所望の長期信頼性が得られ難く、5重量%
を越えると、接着性に悪影響を及ぼす場合がある。な
お、本明細書において「被覆」とは、金属粉の表面のほ
ぼ全体に1,2−N−アシル−N−メチレンエチレンジ
アミン化合物が付着した状態を意味する。金属粉の表面
全体が1,2−N−アシル−N−メチレンエチレンジア
ミン化合物によって覆われているのが理想的であるが、
完全には覆われずに露出している部分があっても、所望
の長期信頼性が得られる限りにおいては差し支えない。
【0032】熱硬化性樹脂と金属フィラーとの配合割合
は、上記と同様、熱硬化性樹脂100重量部に対し金属
フィラーが通常250〜900重量部、好ましくは35
0〜650重量部の範囲である。ここでの金属フィラー
の重量には、1,2−N−アシル−N−メチレンエチレ
ンジアミン化合物の重量は含まれない。
【0033】被覆法による導電性ペーストは、先に述べ
た添加法によるものと同様の効果を有するが、金属フィ
ラーを1,2−N−アシル−N−メチレンエチレンジア
ミン化合物によって直接被覆することにより、さらに優
れた長期信頼性が得られ、しかも1,2−N−アシル−
N−メチレンエチレンジアミン化合物の使用量は少なく
てすむことを特徴とする。
【0034】なお、添加法と被覆法の併用、すなわち組
成物全体として用いる1,2−N−アシル−N−メチレ
ンエチレンジアミン化合物のうち一部を金属フィラーの
被覆に用い、残部を別途添加することも可能で、この場
合も上記と同様に良好な結果が得られる。
【0035】本発明の導電性ペーストは、上記の各成分
を所定量配合し、3本ロール等により均一に混練するこ
とにより、容易に製造することができる。得られた導電
性ペーストは、ディスペンサー、スクリーン印刷等で塗
布した後、加熱硬化させて使用する。
【0036】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定され
るものではない。
【0037】(1) 1,2−N−アシル−N−メチレンエ
チレンジアミン化合物の合成 [合成例1]リービッヒ冷却器を備えたナスフラスコ
に、2−ウンデシルイミダゾリン50.0g(0.22
3mol)、蒸留水100cc(5.57mol)を仕
込み、1時間煮沸した。これをエバポレータを用いて、
30mmHgの減圧下、80℃で1時間乾燥することに
より、白色固体を得た。
【0038】この白色固体をメタノール100ccで溶
解し、ホルマリン(ホルムアルデヒド37%水溶液)1
9.3g(0.223mol)を加えて、常温で30分
間放置し、白色沈殿を得た。
【0039】得られた白色沈殿を濾紙(5C)で濾過
し、メタノールで2回洗浄を行ったのち、エバポレータ
を用いて、30mmHgの減圧下、80℃で1時間乾燥
することにより、白色固体を得た。この最終生成物の融
点は130℃であり、収率は90%であった。この最終
生成物は、以下の定性分析により、上記一般式(I)に
おいてRがウンデシル基の化合物、すなわち1,2−N
−ラウロイル−N−メチレンエチレンジアミンであるこ
とが確認された。
【0040】フーリエ変換赤外分光分析 原料である2−ウンデシルイミダゾリンと上記合成例1
による最終生成物(以下、単に生成物という。)をフー
リエ変換赤外分光法((株)島津製作所製 FT−IR
−4100使用)により分析した。両者のスペクトル図
を図1及び図2にそれぞれ示す。2−ウンデシルイミダ
ゾリンのスペクトル(図1)においては、1400〜1
500cm-1にC=Nに基づくイミダゾリン環特有の吸
収が見られるが、生成物のスペクトル(図2)において
は、このピークが消失し、1640cm-1にアミド結合
特有のC=Oに基づく吸収が見られた。
【0041】ラマン分光分析 2−ウンデシルイミダゾリンと生成物をラマン分光法
(JEOL製 JRS−FT7000使用)により分析
した。両者のスペクトル図を図3及び図4にそれぞれ示
す。2−ウンデシルイミダゾリンのスペクトル(図3)
においては、923cm-1にイミダゾリン環の伸縮振動
に基づくピークが見られたが、生成物のスペクトル(図
4)においては、このピークが消失していた。
【0042】FT−NMRスペクトル法 生成物をFT−NMRスペクトル法(JEOL製 FX
200使用、溶媒CDCl3 )により分析した。得られ
たスペクトル図及び各シグナルの帰属を図5に示す。
【0043】有機元素分析 生成物を有機元素分析(パーキンエルマー製 2400
型使用)により分析したところ、C:71%、H:12
%、N:11%という結果を得た。これは、1,2−N
−ラウロイル−N−メチレンエチレンジアミンの組成式
(C15302O)及び分子量(254)から求めた理
論値に一致した。
【0044】FABマススペクトル法(fast a
tom bombardment mass spec
trometry)による分析 生成物をFABマススペクトル法(JEOL製 JMS
−HX100使用、ポジティブモード)により分析した
ところ、擬分子イオンのピークと考えられるM/Z 2
55のピークが確認された。これより推定される分子量
254は、1,2−N−ラウロイル−N−メチレンエチ
レンジアミンの分子量と一致した。
【0045】[合成例2]原料の2−ウンデシルイミダ
ゾリンに代えてイミダゾリン15.6g(0.223m
ol)を用いた以外は上記合成例1と同様の操作を行
い、白色固体状の生成物を得た。この生成物は上記と同
様の定性分析の結果、1,2−N−ホルミル−N−メチ
レンエチレンジアミンであることが確認された。収率は
90%であった。
【0046】[合成例3]原料の2−ウンデシルイミダ
ゾリンに代えて2−プロピルイミダゾリン25.2g
(0.223mol)を用いた以外は上記合成例1と同
様の操作を行い、白色固体状の生成物を得た。この生成
物は上記と同様の定性分析の結果、1,2−N−プロピ
オニル−N−メチレンエチレンジアミンであることが確
認された。収率は92%であった。
【0047】(2) 導電性ペーストの調製 [実施例1〜9、比較例1、2]熱硬化性樹脂、銅粉、
1,2−N−アシル−N−メチレンエチレンジアミンを
表1に示す割合で配合して導電性ペーストを調製し、比
抵抗、引張り剪断強度及び比抵抗変化率(長期信頼性)
について調べた。それらの結果を表1に併記する。
【0048】
【表1】
【0049】表1に示した比抵抗は、各実施例及び比較
例の導電性ペーストを、それぞれガラスエポキシ基板上
にメタル印刷法により印刷して回路パターンを5条形成
し、精密テスターにより、各パターンの両端間の抵抗を
測定して、これより求めた平均値である。
【0050】また、せん断強度は、JIS K 685
0「接着剤の引張りせん断接着強さ試験方法」に従って
測定したものである。
【0051】さらに、比抵抗変化率は、60℃×95%
雰囲気の恒温恒湿槽で500時間暴露した後の比抵抗値
(ρ´)と初期の比抵抗値(ρ)(ともに式(1)によ
って求められる)から式(2)により求めた。
【0052】
【式1】
【0053】表1に示された結果から分かるように、
1,2−N−アシル−N−メチレンエチレンジアミン化
合物を適当量添加配合すると、比抵抗が3×10−4Ω
・cmという、銀フィラーに相当する導電性が得られ、
かつ、長期信頼性についても顕著に改善された。
【0054】[実施例10〜18、比較例3〜5]実施
例10〜18及び比較例3〜5として、後述する処理方
法により1,2−N−ラウロイル−N−メチレンエチレ
ンジアミンで銅粉を被覆したのち、表2に示した割合で
樹脂に添加して導電性ペーストを調製し、上記と同様に
その特性を調べた。
【0055】・実施例10、12〜18、比較例3〜5
(乾式法) 銅粉370重量部に対し、微粉化した1,2−N−ラウ
ロイル−N−メチレンエチレンジアミンを表2に示す割
合で混合し、撹拌・脱泡機で約30秒間撹拌した。
【0056】・実施例11(湿式法) 1,2−N−ラウロイル−N−メチレンエチレンジアミ
ン0.8gをn−ノナン酸30mlに溶解し、銅粉37
0gと混合して、撹拌・脱泡機で3分間撹拌したのち、
減圧乾燥した。
【0057】
【表2】
【0058】表2に示した比抵抗及びせん断強度は、上
記と同様にして測定した。また、比抵抗変化率は、60
℃×95%雰囲気の恒温恒湿槽で1000時間暴露した
後の比抵抗値(ρ´)と初期の比抵抗値(ρ)とから、
上記と同様にして求めた。
【0059】表2に示された結果から分かるように、
1,2−N−アシル−N−メチレンエチレンジアミン化
合物を適当量使用した場合、1000時間暴露試験にお
ける比抵抗変化率が10%以下で銀フィラーに相当する
長期信頼性が得られた。
【0060】
【発明の効果】請求項1の1,2−N−アシル−N−メ
チレンエチレンジアミン化合物は、例えば、分散剤、防
錆剤、エポキシ樹脂硬化促進剤、導電性付与剤、離型剤
等として有用である。
【0061】請求項2〜4の導電性ペーストは、優れた
導電性が長期にわたって維持される信頼性の高いもので
あり、例えば、プリント基板のノイズ対策、部品実装、
バイヤホールへの充填等に好適に用いられる。
【0062】特に請求項4のように、1,2−N−アシ
ル−N−メチレンエチレンジアミン化合物でフィラー表
面を被覆した場合は、長期信頼性が顕著に向上し、従
来、純銅系導電性接着剤では使用が困難とされていた、
耐湿性が特に必要とされる用途にも使用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】合成例1で用いた2−ウンデシルイミダゾリン
のフーリエ変換赤外分光スペクトル図である。
【図2】合成例1における生成物(1,2−N−ラウロ
イル−N−メチレンエチレンジアミン)のフーリエ変換
赤外分光スペクトル図である。
【図3】2−ウンデシルイミダゾリンのラマン分光スペ
クトル図である。
【図4】上記生成物のラマン分光スペクトル図である。
【図5】上記生成物のFT−NMRスペクトル図であ
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09K 3/16 103 C09K 3/16 103C (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表される1,2−N
    −アシル−N−メチレンエチレンジアミン。 【化1】 (上記式中、Rは水素原子又は炭化水素基を表す。)
  2. 【請求項2】 熱硬化性樹脂、金属フィラーおよび1,
    2−N−アシル−N−メチレンエチレンジアミン化合物
    を含有してなる導電性ペースト。
  3. 【請求項3】 熱硬化性樹脂100重量部に対し、金属
    フィラー250〜900重量部および1,2−N−アシ
    ル−N−メチレンエチレンジアミン化合物1〜50重量
    部を含有してなる導電性ペースト。
  4. 【請求項4】 熱硬化性樹脂100重量部に対し、1,
    2−N−アシル−N−メチレンエチレンジアミン化合物
    により被覆された金属フィラー250〜900重量部を
    含有してなる導電性ペースト。
JP10558897A 1996-04-26 1997-04-23 1,2−n−アシル−n−メチレンエチレンジアミン及びこれを用いた導電性ペースト Expired - Fee Related JP3160643B2 (ja)

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