JPH107884A - 導電性ペースト及び電気回路形成基板の製造法 - Google Patents

導電性ペースト及び電気回路形成基板の製造法

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JPH107884A
JPH107884A JP12876996A JP12876996A JPH107884A JP H107884 A JPH107884 A JP H107884A JP 12876996 A JP12876996 A JP 12876996A JP 12876996 A JP12876996 A JP 12876996A JP H107884 A JPH107884 A JP H107884A
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phenol
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JP12876996A
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Akihiro Sasaki
顕浩 佐々木
Keizo Hirai
圭三 平井
Hiroshi Wada
和田  弘
Shozo Yamana
章三 山名
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高導電性、硬化性及び保存安定性が良好でか
つ十分な密着性を有する導電性ペースト及び前記導電性
ペーストを用いることにより、高導電性で銅箔との接着
性に優れた導電性ペーストによる電気回路を有する電気
回路形成基板の製造法を提供する。 【解決手段】 導電性金属粉、アルキル置換フェノール
又はビスフェノール類を必須成分とするフェノール類、
アルデヒド類及びアルキルアルコール類を用いて製造さ
れるアルコキシ基含有レゾール型フェノール樹脂並びに
有機溶媒を含有してなる導電性ペースト、導電性金属
粉、アルキル置換フェノール又はビスフェノール類を必
須成分とするフェノール類、アルデヒド類及びアルキル
アルコール類を用いて製造されるアルコキシ基含有レゾ
ール型フェノール樹脂、エポキシ樹脂並びに有機溶媒を
含有してなる導電ペースト及びこの導電ペーストを用い
て電気回路の一部又は全部を形成することを特徴とする
電気回路形成基板の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子材料用として有
用な導電性ペースト及びこれを用いた電気回路形成基板
の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プリント配線板、電子部品等の電
気回路を形成する一法として、工業調査会発行の「電子
材料」1994年10月号、第42〜46頁に記載され
ているように、導電性ペーストを塗布又は印刷する方法
が知られている。このペーストの導電成分として銀、
銅、ニッケル等の金属粉末が用いられている。銀粉を用
いた導電性ペーストは導電性が良好なことから、印刷配
線板、電子部品等の配線導体や電極として用いられてい
る。銀ペースト用樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノ
ール樹脂等が知られている(特開昭62−164737
号公報、特開平1−165654号公報等)。しかしな
がら、これらは基材である紙フェノール積層板、ガラス
エポキシ積層板等の銅箔上に導電性ペーストでパターン
を形成、硬化させ、この電気回路を吸湿させた後、はん
だ槽に浸漬すると銅箔と導電性ペースト硬化物が界面で
剥離するという欠点があった。
【0003】また、銅粉を用いた導電性ペーストは、銅
の酸化による導電性低下と導電性ペーストの保存安定性
が問題であった。銅の表面酸化を抑制した導電性ペース
トは、種々提案されている(特開昭58−104969
号公報、特開昭60−130495号公報等)。しかし
ながら、いずれのペーストも保存安定性が十分でないと
いう欠点がある。また、特定の樹脂と特定の銅粉を用い
て保存安定性等を改良する方法も知られている(特開平
6−108006号公報)。しかしながら、この方法も
アミン化合物を必須として用いていること等により、保
存安定性と他の必要特性を十分に満足できるものではな
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】請求項1記載の発明
は、導電性、銅箔に対する密着性及び保存安定性に優れ
る導電性ペーストを提供するものである。請求項2記載
の発明は、請求項1記載の効果に加えて、硬化性に優れ
る導電性ペーストを提供するものである。請求項3及び
4記載の発明は、請求項1又は2記載の効果に加えて、
特に保存安定性に優れる導電性ペーストを提供するもの
である。請求項5記載の発明は、請求項1、2、3又は
4記載の効果に加えて、特に硬化性と保存安定性のバラ
ンスに優れる導電性ペーストを提供するものである。
【0005】請求項6記載の発明は、請求項1、2、
3、4又は5記載の効果に加えて、特に硬化性の向上効
果に優れる導電性ペーストを提供するものである。請求
項7記載の発明は、請求項1、2、3、4、5又は6記
載の効果に加えて、特に導電性の向上効果に優れる導電
性ペーストを提供するものである。請求項8記載の発明
は、請求項1、3、4、5、6又は7記載の効果に加え
て、特に導電性と銅箔に対する密着性のバランスに優れ
る導電性ペーストを提供するものである。請求項9記載
の発明は、請求項2、3、4、5、6又は7記載の効果
に加えて、特に導電性と銅箔に対する密着性のバランス
に優れる導電性ペーストを提供するものである。
【0006】請求項10記載の発明は、高導電性でかつ
銅箔との密着性に優れ、特に大きな湿度及び温度変化後
の過酷な条件下での密着性に優れた電気回路形成基板の
製造法を提供するものである。請求項11記載の発明
は、請求項10記載の効果に加えて、特に前記導電性ペ
ーストの特性が活かされた電気回路形成基板の製造法を
提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、導電性金属
粉、アルキル置換フェノール又はビスフェノール類を必
須成分とするフェノール類、アルデヒド類及びアルキル
アルコール類を用いて製造されるアルコキシ基含有レゾ
ール型フェノール樹脂並びに有機溶媒を含有してなる導
電性ペーストに関する。また、本発明は、導電性金属
粉、アルキル置換フェノール又はビスフェノール類を必
須成分とするフェノール類、アルデヒド類及びアルキル
アルコール類を用いて製造されるアルコキシ基含有レゾ
ール型フェノール樹脂、エポキシ樹脂並びに有機溶媒を
含有してなる導電性ペーストに関する。また、本発明
は、この導電性ペーストにおいて、アルコキシ基含有レ
ゾール型フェノール樹脂が、重量平均分子量が1,00
0〜500,000及び分子量分散度が3〜300でる
導電性ペーストに関する。
【0008】また、本発明は、この導電性ペーストにお
いて、アルコキシ基含有レゾール型フェノール樹脂が、
炭素数1〜6のアルキル基で置換されたアルキル置換フ
ェノール又はビスフェノール類を必須成分とするフェノ
ール類、アルデヒド類及び炭素数1〜6のアルキルアル
コールを用いて製造されるものである導電性ペーストに
関する。また、本発明は、この導電性ペーストにおい
て、アルコキシ基含有レゾール型フェノール樹脂が、ア
ルコキシ化率5〜100%のものである導電性ペースト
に関する。また、本発明は、この導電性ペーストにおい
て、硬化促進剤として、酸性又は塩基性化合物を含有す
る導電性ペーストに関する。また、本発明は、この導電
性ペーストにおいて、導電性金属粉が、銀粉、銅粉、ニ
ツケル粉又はめっき銅粉である導電性ペーストに関す
る。また、本発明は、この導電性金属粉100重量部に
対して、アルコキシ基含有レゾール型フェノール樹脂5
〜30重量部を用いるものである導電性ペーストに関す
る。
【0009】また、本発明は、この導電性ペーストにお
いて、導電性金属粉100重量部に対して、アルコキシ
基含有レゾール型フェノール樹脂5〜30重量部及びエ
ポキシ樹脂0.1〜30重量部を用いるものである導電
性ペーストに関する。また、本発明は、上記の導電性ペ
ーストを用いて電気回路の一部又は全部を形成すること
を特徴とする電気回路形成基板の製造法に関する。さら
に、本発明は、この電気回路形成基板の製造法におい
て、電気回路を両面に有する回路基板に貫通するスルー
ホールを形成し、上記の導電性ペーストでこのスルーホ
ールを通じて両面に形成した電気回路を導通させること
を特徴とする電気回路形成基板の製造法に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】まず、本発明における導電性ペー
ストについて説明する。本発明の導電性ペーストに用い
る導電粉は、良好な導電性を有する金属粉である銀粉、
銅粉又はめっき銅粉を用いることが好ましく、さらにニ
ッケル粉等を用いることができる。
【0011】めっき銅粉とは銅粉表面にめっきをしたも
のであり、導電性が良好な点から銀でめっきしたものが
特に好ましい。めっき方法は、電解めっき法、無電解め
っき法、置換めっき法等の周知の方法が挙げられる。導
電材の形状は、球状、フレーク状、樹枝状、不規則形状
等があり、特に制限はないが、フレーク状に変形したも
のが、金属粉同士の接触面積が大きくなり高導電性とな
るので好ましい。導電材の平均粒径は、30μm以下の
ものが印刷特性に優れるので好ましく、同様の点で3〜
10μmのものがより好ましい。なお、ここでいう平均
粒径は、金属粉をアルコール等に分散後、沈降時間とレ
ーザー反射の関係により測定する装置での値を基準とす
る。これは、例えばマスターサイザー(マルバン社製)
により測定できる。
【0012】本発明に用いるアルコキシ基含有レゾール
型フェノール樹脂は、アルキル置換フェノール又はビス
フェノール類を必須成分とするフェノール類、アルデヒ
ド類及びアルキルアルコール類から製造されるものであ
る。この樹脂は特に本発明における導電性ペーストの保
存安定性と密着性の効果に特に寄与している。
【0013】上記フェノール類の好ましいものとして
は、o−クレゾール、p−クレゾール、p−tert−ブチ
ルフェノール、キシレノール等の炭素数1〜6のアルキ
ル基を1つ又は2つ有するアルキル置換フェノール、ビ
スフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール
類が挙げられ、より好ましいものとしては炭素数1〜6
のアルキル基を1つ又は2つ有するアルキル置換フェノ
ールが挙げられる。これらは、単独で又は二種類以上で
用いることができる。これらのフェノール類は必須成分
として、好ましくは全フェノール類の50重量%以上、
特に好ましくは100重量%用いられる。その他、フェ
ノール等の前記以外のフェノール類を併用することがで
きる。アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、パラ
ホルムアルデヒド、テトラメチレンヘキサミン等のホル
ムアルデヒドを発生するものを用いることができる。
【0014】アルキルアルコール類としては、好ましい
ものとして、メタノール、エタノール、1−プロパノー
ル、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノー
ル、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−
プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、
3−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノー
ル、3−ヘキサノールなどの炭素数1〜6のアルキルア
ルコールが挙げられ、特に好ましいものとしてブタノー
ルが挙げられる。これらは、単独で又は二種類以上で用
いることができる。以上レゾール型フェノール樹脂の製
造法は、公知の方法が使用でき特に制限されるものでは
ない。一般に、フェノール類及びアルデヒド類を、金属
水酸化物、アミン等の塩基性触媒の存在下で反応させた
後、アルキルアルコール類を用いてアルコキシ化する方
法が用いられる。
【0015】本発明においてレゾール型フェノール樹脂
は、アルコキシ化率、即ち全メチロール基のアルコキシ
化されてる割合が、5〜100%のものが好ましく、1
0〜100%のものがより好ましく、30〜100%の
ものがさらに好ましい。またレゾール型フェノール樹脂
中のアルコキシ基は、ベンゼン環1個当りのアルコキシ
基が0.1〜2.0個の範囲が好ましく、0.3〜1.
5個の範囲がより好ましく、0.5〜1.2個の範囲が
さらに好ましい。アルコキシ化率が5%未満又はアルコ
キシ基が少なすぎると、導電性ペーストの保存安定性が
低下する傾向にある。なお、アルコキシ化率及びアルコ
キシ基の数は核磁気共鳴スペクトル分析に基づいて測定
することができる(以下NMR法とする)。
【0016】本発明におけるレゾール型フェノール樹脂
の重量平均分子量は、1,000〜500,000のも
のが導電性ペーストとしての諸特性に優れるので好まし
く、5,000〜500,000のものが特に導電性ペ
ーストの保存安定性の点でより好ましく、10,000
〜100,000のものがさらに好ましい。また、分子
量分散度は、スルーホールの穴あき性と導電性ペースト
の保存安定性の点で3〜300のものが好ましく、5〜
200のものがより好ましく、10〜100のものがさ
らに好ましい。なお、分子量分散度は重量平均分子量/
数平均分子量である。本発明において、重量平均分子量
及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィー法により測定し、標準ポリスチレン換算するこ
とにより求めることができる。
【0017】本発明に用いるエポキシ樹脂は、ビスフェ
ノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキ
シ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式
エポキシ樹脂、エポキシ化ポリブタジエン、可とう性エ
ポキシ樹脂、多官能エポキシ樹脂等各種のエポキシ樹脂
が挙げられる。これらの中ではビスフェノール型エポキ
シ樹脂が、硬化性と導電性が特に優れるので好ましい。
これらの樹脂は、単独で又は二種類以上で用いることが
できる。前記レゾール型フェノール樹脂とエポキシ樹脂
の重量比は、密着性及び保存安定性の観点から、前者/
後者(重量比)で、97/3〜50/50とするのが好
ましく、95/5〜70/30とするのがより好まし
い。
【0018】本発明の導電性ペーストにおいては、さら
に硬化促進剤を用いれば、硬化性を高めることができる
ので好ましい。硬化促進剤としては、酸性又は塩基性化
合物があり、好ましいものとして、p−トルエンスルホ
ン酸、p−トルエンスルホンアミド、スルファニル酸、
スルファミン、シュウ酸、リン酸、1,8−ジアゾビシ
クロー(5,4,0)−ウンデセン−7などが挙げられ
る。これらの中でシュウ酸が、得られるペーストの保存
安定性に特に優れるのでより好ましい。
【0019】以上の各成分は、有機溶媒中に溶解又は分
散される。有機溶媒は特に制限はないが、好ましいもの
としては、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、セロ
ソルブアセテート、カルビトール、ブチルカルビトール
等が挙げられる。
【0020】有機溶媒中に溶解又は分散する各成分の配
合量としては、導電性金属粉100重量部に対して、ア
ルコキシ基含有レゾール型フェノール樹脂5〜30重量
部が好ましく、10〜15重量部がより好ましい。ま
た、エポキシ樹脂を併用する場合は、導電性金属粉10
0重量部に対して、アルコキシ基含有レゾール型フェノ
ール樹脂5〜30重量部、エポキシ樹脂0.1〜20重
量部が好ましく、アルコキシ基含有レゾール型フェノー
ル樹脂10〜15重量部、エポキシ樹脂0.5〜10重
量部がより好ましい。アルコキシ基含有レゾール型フェ
ノール樹脂の量が5重量部未満では金属粉を十分に結合
しにくいため、導電性向上の効果が小さくなる傾向にあ
り、30重量部を超えると金属粉間に過剰の樹脂が存在
する傾向にあるため、導電性向上の効果が小さくなる傾
向にある。また、エポキシ樹脂の量が0.1重量部未満
では銅箔に対する密着性向上の効果が小さくなる傾向に
あり、20重量部を超えると導電性向上の効果が小さく
なる傾向にある。
【0021】さらに硬化促進剤を用いる場合、その添加
量は、フェノール樹脂又はフェノール樹脂とエポキシ樹
脂の合計に対して0.1〜10重量%であるのが好まし
く、1〜3重量%であるのがより好ましい。0.1重量
%未満では硬化性が不十分になる傾向にあり、導電材と
しての特性が低下する傾向にあり、10重量%を超える
と、保存安定性が低下する傾向にある。有機溶媒とその
他の成分の混合比は特に制限はされないが、印刷性(に
じみや垂れ)の点で、有機溶媒は導電性ペーストの3〜
50重量%が好ましく、10〜30重量%がより好まし
い。
【0022】次に、前記導電性ペーストを用いて電気回
路を形成することを特徴とする電気回路形成基板の製造
法について説明する。電気回路を形成する基板として
は、紙フェノール積層板、ガラスエポキシ積層板、ガラ
ス不織布とガラスクロスを併用したコンポジット積層
板、ポリアミドイミド積層板などの積層板、ポリエチレ
ンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミドイミド
などのフィルムなどを使用することができる。これらの
基板に導電性ペーストによる電気回路を形成する方法は
特に制限されないが、作業性、生産性等の面からスクリ
ーン印刷法、コンピュータ制御を利用したディスペンサ
による方法等が好ましい。
【0023】前記導電性ペーストで形成する電気回路と
しては、例えば銅箔回路を両面に有する回路基板に貫通
するスルーホールを形成し、このスルーホールを通じて
両面の回路を導通させるための回路がこの導電性ペース
トの特性を活かした好ましいものとして挙げられる。こ
の回路の模式図を図1及び図2に示す。図1は平面図、
図2は断面図である。両面印刷配線板の基板1上には銅
箔2による回路が形成されている。スルーホール4に
は、スクリーン印刷等により導電性ペースト3による導
通回路が形成されている。またその他に、前記導電性ペ
ーストでは、基板上に一般に形成される銅箔回路自体の
一部又は全部や、ジャンパー回路を形成することができ
る。
【0024】
【実施例】次に実施例により本発明を詳しく説明する。 実施例1 平均粒径7μmのフレーク状銅粉〔(日本アトマイズ加
工(株)製、商品名SF−Cu、平均粒径5μm)を、乾
式アトライターでフレーク状にしたもの〕100重量
部、クレゾール、ホルムアルデヒド及びブタノールから
合成したブトキシ基含有レゾール型フェノール樹脂
〔(日立化成工業(株)製、商品名ヒタノール4010)
を脱溶媒したもの(ブトキシ化率95%、ベンゼン環1
個当りのブトキシ基の数が1.2個、重量平均分子量約
2,500、分散度4.3)〕12重量部、ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂(三井石油化学工業(株)製、商品
名R367)2重量部、シュウ酸0.3重量部、ブチル
セロソルブ20重量部をらいかい機で均一に分散してペ
ースト化した。得られた導電性ペーストについて、初期
比抵抗、銅箔密着性、ペーストの保存安定性及び硬化性
の評価を行い、その結果を表1に示す。
【0025】実施例2〜7及び比較例1〜2 表1に示す配合(表1中の配合の数字は重量部)で実施
例1と同様に導電性ペーストを作製し、下記の評価方法
に従って、初期比抵抗、銅箔密着性、ペーストの保存安
定性及び硬化性の評価を行った。
【0026】なお、表1中のフレーク状銀めっき銅粉
は、平均粒径7μmのフレーク状銅粉〔(日本アトマイ
ズ加工(株)製、商品名SF−Cu、平均粒径5μm)を
置換めっき法で銀めっきし、乾式アトライターでフレー
ク状にしたもの〕を用い、ブトキシ化率30%及び60
%のフェノール樹脂は、クレゾール1モル、ホルムアル
デヒド3モル及びブタノール1モルをアミン触媒下、8
0〜85℃で1時間、100〜110℃で3時間反応さ
せて製造した、重量平均分子量約2,500、分散度
4.3のブトキシ基含有レゾール型フェノール樹脂を用
いた。また、比較例で用いたブトキシ化率0%のフェノ
ール樹脂は、フェノールとホルムアルデヒドから合成さ
れた樹脂(日立化成工業(株)製、商品名VP13N、重
量平均分子量約1,800、分散度3.8)を用いた。
なお、ブトキシ化率及びブトキシの数はNMR法により
求め、分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー法により測定し、標準ポリスチレン換算して求めた。
なおブトキシ化率30%及び60%のフェノール樹脂中
のブトキシ基の数は、それぞれベンゼン環1個当り0.
4個及び0.8個であった。
【0027】初期比抵抗:幅0.5mm、長さ100mmの
テストパターン(200メッシュのスクリーン)を用い
て紙フェノール基板(商品名:MCL−437SRD、
日立化成工業(株)製)上に印刷し、150℃で30分加
熱硬化後の比抵抗を測定した。 銅箔密着性1:銅張り積層板(商品名:MCL−437
F、日立化成工業(株)製)上に導電性ーストを塗布後、
150℃で30分加熱硬化させ、厚さ50μmの膜を形
成した。この膜にカッターで縦横1mm間隔の傷を入れ、
セロハンテープを強く密着させた後、急激に引き剥が
し、密着率を測定した。 銅箔密着性2:前記銅箔密着性1と同様にして形成した
後、40℃、相対湿度95%下で96時間放置後、26
0℃のはんだ中に5秒浸漬し、前記と同様にして、膜に
カッターで縦横1mm間隔の傷を入れ、セロハンテープを
強く密着させた後、急激に引き剥がし、密着率を測定し
た。
【0028】保存安定性:ペーストの粘度を毎日E型粘
度計を用いて測定し、10%増加するまでの日数とし
た。 硬化性:樹脂成分を80℃、2時間さらに160℃、4
0分で硬化後の膜厚が50μm程度の樹脂膜厚を作製
し、これを20×40mmの大きさに切断した後、テトラ
ヒドロフラン中に1時間浸漬し、80℃で1時間乾燥後
の重量減少率を求めた。 以上の結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】実施例8〜14及び比較例3〜4 実施例1で用いたフレーク状銅粉に代えて平均粒径5μ
mのフレーク状銀粉(徳力化学研究所製、商品名TCG
−1)を用いた以外は実施例1と同様な材料を用い、表
2に示す配合(表2中の配合の数字は重量部)で実施例
1と同様な工程を経て導電性ーストを作製し、前記に示
した評価方法に従って、初期比抵抗、銅箔密着性及びペ
ーストの保存安定性の評価を行った。
【0031】
【表2】
【0032】実施例15 実施例1で用いたフレーク状銅粉100重量部、クレゾ
ール、ホルムアルデヒド及びブタノールから合成したブ
トキシ基含有レゾール型フェノール樹脂〔(日立化成工
業(株)製、商品名ヒタノール4010)を減圧下120
〜130℃で脱溶媒後、常圧下120〜130℃で4時
間加熱した樹脂(ブトキシ化率95%、ベンゼン環1個
当りのブトキシ基の数が0.6個、重量平均分子量5
0,000、分散度30)〕12重量部、ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂(三井石油化学工業(株)製、商品名
R367)3重量部、シュウ酸0.3重量部、ブチルセ
ロソルブ20重量部をらいかい機で均一に分散してペー
スト化した。得られた導電性ペーストについて、初期比
抵抗、銅箔密着性、ペーストの保存安定性、印刷性、ス
ルーホールの穴あき性及び硬化性の評価を行い、その結
果を表3に示す。
【0033】実施例16〜20及び比較例5〜6 表3に示す配合(配合の欄のカッコ以外の数字は重量
部)で実施例15と同様に導電性ペーストを作製し、下
記の評価方法に従って、初期比抵抗、銅箔密着性、ペー
ストの保存安定性、印刷性、スルーホールの穴あき性及
び硬化性の評価を行った。その結果を合せて表3に示
す。
【0034】なお、表3中の、フレーク状銀めっき銅粉
は、平均粒径5μmの球状銅粉〔(日本アトマイズ加工
(株)製、商品名SF−Cu)を置換めっき法で銀めっき
し、乾式アトライターでフレーク状にしたもの〕を用
い、ブトキシ化率95%のフェノール樹脂は実施例1と
同じものを用い、ブトキシ化率60%及び40%のフェ
ノール樹脂は、クレゾール、ホルムアルデヒド及びブタ
ノールをアンモニア触媒下で製造したブトキシ基含有レ
ゾール型フェノール樹脂を用いた。また、比較例のブト
キシ化率0%のフェノール樹脂は、フェノールとホルム
アルデヒドから合成された樹脂(日立化成工業(株)製、
商品名VP13N、重量平均分子量約1,800、分散
度3.8)を80℃で4〜6時間加熱処理したフェノー
ル樹脂を用いた。なお、ブトキシ化率60%及び40%
のフェノール樹脂中のブトキシ基の数は、それぞれベン
ゼン環1個当り0.4個及び0.3個であった。
【0035】
【表3】
【0036】実施例21 平均粒径5μmのフレーク状銀粉(徳力化学研究所製、
商品名TCG−1)100重量部、クレゾール、ホルム
アルデヒド及びブタノールから合成したブトキシ基含有
レゾール型フェノール樹脂〔(日立化成工業(株)製、商
品名ヒタノール4010)を減圧下120〜130℃で
脱溶媒後、常圧下120〜130℃で4時間加熱した樹
脂(ブトキシ化率95%、ベンゼン環1個当りのブトキ
シ基の数が0.6個、重量平均分子量50,000、分
散度30)12重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂(三井石油化学工業(株)製、商品名R367)3重量
部、シュウ酸0.3重量部、ブチルセロソルブ20重量
部をらいかい機で均一に分散してペースト化した。得ら
れた導電性ペーストについて、初期比抵抗、銅箔密着性
ペーストの保存安定性、印刷性、スルーホールの穴あき
性及び硬化性の評価を行い、その結果を表4に示す。
【0037】実施例22〜26及び比較例7〜8 表4に示す配合(配合の欄のカッコ以外の数字は重量
部)で実施例21と同様に導電性ペーストを作製し、前
記に示した評価方法に従って、初期比抵抗、銅箔密着
性、ペーストの保存安定性、印刷性及びスルーホールの
穴あき性の評価を行った。その結果を合せて表4に示
す。なお、表4中の、ブトキシ化率95%のフェノール
樹脂は実施例21と同じものを用い、ブトキシ化率60
%及び40%のフェノール樹脂は、クレゾール、ホルム
アルデヒド及びブタノールをアンモニア触媒下で製造し
たブトキシ基含有レゾール型フェノール樹脂を用いた。
また、比較例のブトキシ化率0%のフェノール樹脂は、
フェノールとホルムアルデヒドから合成された樹脂(日
立化成工業(株)製、商品名VP13N、重量平均分子量
約1,800、分散度3.8)を80℃で4〜6時間加
熱処理したフェノール樹脂を用いた。なおブトキシ化率
60%及び40%のフェノール樹脂中のブトキシ基の数
は、それぞれベンゼン環1個当り0.4個及び0.3個
であった。
【0038】
【表4】
【0039】
【発明の効果】請求項1記載の導電性ペーストは、導電
性、銅箔に対する密着性及び保存安定性に優れる。請求
項2記載の導電性ペーストは、請求項1記載の導電性ペ
ーストの効果を奏し、硬化性の向上効果が大きいもので
ある。請求項3及び請求項4記載の導電性ペーストは、
請求項1及び請求項2記載の効果を奏し、特に保存安定
性の向上効果が大きいものである。請求項5記載の導電
性ペーストは、請求項1、2、3又は4記載の効果を奏
し、特に硬化性と保存安定性のバランスに優れるもので
ある。請求項6記載の導電性ペーストは、請求項1、
2、3、4又は5記載の効果を奏し、特に硬化性の向上
効果に優れるものである。
【0040】請求項7記載の導電性ペーストは、請求項
1、2、3、4、5又は6記載の効果を奏し、特に導電
性の向上効果に優れるものである。請求項8記載の導電
性ペーストは、請求項1、3、4、5、6又は7記載の
効果を奏し、特に導電性と銅箔に対する密着性のバラン
スに優れるものである。請求項9記載の導電性ペースト
は、請求項2、3、4、5、6又は7記載の効果を奏
し、特に導電性と銅箔に対する密着性のバランスに優れ
るものである。請求項10記載の電気回路形成基板の製
造法は、高導電性でかつ銅箔との密着性に優れ、特に大
きな湿度及び温度変化後の過酷な条件下での密着性に優
れた電気回路を形成できる。請求項11記載の電気回路
形成基板の製造法は、請求項10記載の効果を効果を奏
し、特に前期導電性ペーストの特性が活かされた電気回
路を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導電性ペーストで回路を形成した両面
配線板のスルーホール部分の平面図である。
【図2】図1の断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 銅箔 3 導電性ペースト 4 スルーホール
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年6月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】初期比抵抗:幅0.5mm、長さ100mmの
テストパターン(200メッシュのスクリーン)を用い
て紙フェノール基板(商品名:MCL−437SRD、
日立化成工業(株)製)上に印刷し、150℃で30分加
熱硬化後の比抵抗を測定した。 銅箔密着性1:銅張り積層板(商品名:MCL−437
F、日立化成工業(株)製)上に導電性ーストを塗布
後、150℃で30分加熱硬化させ、厚さ50μmの膜
を形成した。この膜にカッターで縦横1mm間隔の傷を入
れ、セロハンテープを強く密着させた後、急激に引き剥
がし、密着率を測定した。 銅箔密着性2:前記銅箔密着性1と同様にして形成した
後、40℃、相対湿度95%下で96時間放置後、26
0℃のはんだ中に5秒浸漬し、前記と同様にして、膜に
カッターで縦横1mm間隔の傷を入れ、セロハンテープを
強く密着させた後、急激に引き剥がし、密着率を測定し
た。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】
【表4】
フロントページの続き (72)発明者 山名 章三 茨城県日立市鮎川町三丁目3番1号 日立 化成工業株式会社山崎工場内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性金属粉、アルキル置換フェノール
    又はビスフェノール類を必須成分とするフェノール類、
    アルデヒド類及びアルキルアルコール類を用いて製造さ
    れるアルコキシ基含有レゾール型フェノール樹脂並びに
    有機溶媒を含有してなる導電性ペースト。
  2. 【請求項2】 導電性金属粉、アルキル置換フェノール
    又はビスフェノール類を必須成分とするフェノール類、
    アルデヒド類及びアルキルアルコール類を用いて製造さ
    れるアルコキシ基含有レゾール型フェノール樹脂、エポ
    キシ樹脂並びに有機溶媒を含有してなる導電性ペース
    ト。
  3. 【請求項3】 アルコキシ基含有レゾール型フェノール
    樹脂が、重量平均分子量が1,000〜500,000
    及び分子量分散度が3〜300である請求項1又は2記
    載の導電性ペースト。
  4. 【請求項4】 アルコキシ基含有レゾール型フェノール
    樹脂が、炭素数1〜6のアルキル基で置換されたアルキ
    ル置換フェノール又はビスフェノール類を必須成分とす
    るフェノール類、アルデヒド類及び炭素数1〜6のアル
    キルアルコールを用いて製造されるものである請求項
    1、2又は3記載の導電性ペースト。
  5. 【請求項5】 アルコキシ基含有レゾール型フェノール
    樹脂が、アルコキシ化率5〜100%のものである請求
    項1、2、3又は4記載の導電性ペースト。
  6. 【請求項6】 硬化促進剤として、酸性又は塩基性化合
    物を含有する請求項1、2、3、4又は5記載の導電性
    ペースト。
  7. 【請求項7】 導電性金属粉が、銀粉、銅粉又はめっき
    銅粉である請求項1、2、3、4、5又は6記載の導電
    性ペースト。
  8. 【請求項8】 導電性金属粉100重量部に対して、ア
    ルコキシ基含有レゾール型フェノール樹脂5〜30重量
    部を用いるものである請求項1、3、4、5、6又は7
    記載の導電性ペースト。
  9. 【請求項9】 導電性金属粉100重量部に対して、ア
    ルコキシ基含有レゾール型フェノール樹脂5〜30重量
    部及びエポキシ樹脂0.1〜30重量部を用いるもので
    ある請求項2、3、4、5、6又は7記載の導電性ペー
    スト。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載の導電
    性ペーストを用いて電気回路の一部又は全部を形成する
    ことを特徴とする電気回路形成基板の製造法。
  11. 【請求項11】 電気回路を両面に有する回路基板に貫
    通するスルーホールを形成し、導電性ペーストでこのス
    ルーホールを通じて両面に形成した電気回路を導通させ
    ることを特徴とする請求項10記載の電気回路形成基板
    の製造法。
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JP7-124908 1996-04-23
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Cited By (6)

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CN116889965A (zh) * 2023-09-11 2023-10-17 山东正诺化工设备有限公司 高通量强化管的制备方法

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