JPH1192548A - いおう含有有機ケイ素化合物の混合物からなる組成物、それを含む表面処理剤、および樹脂添加組成物 - Google Patents

いおう含有有機ケイ素化合物の混合物からなる組成物、それを含む表面処理剤、および樹脂添加組成物

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JPH1192548A
JPH1192548A JP25677797A JP25677797A JPH1192548A JP H1192548 A JPH1192548 A JP H1192548A JP 25677797 A JP25677797 A JP 25677797A JP 25677797 A JP25677797 A JP 25677797A JP H1192548 A JPH1192548 A JP H1192548A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 銅などの金属やガラス繊維などの無機物
質と、樹脂との接着性を向上させること。 【解決手段】 下記一般式(1)で表されるジアルキル
アミンと下記一般式(2)で表されるエポキシシランと
を40℃〜200℃で加熱して反応させて得られたいお
う含有有機ケイ素化合物の混合物からなる組成物。 【化1】 (ただし、一般式(1)において、R1、R2は炭素数1
〜5のアルキル基、R3 は 【化2】 基であり、R4、R5は炭素数1〜5のアルキル基または
アルコキシアルキル基であり、mは1〜10、nは1〜
3、lは2〜10の整数である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、銅、鉄鋼およびア
ルミニウム等の金属またはガラス繊維、シリカ、酸化ア
ルミニウム、水酸化アルミニウム等の無機物質と樹脂と
の接着性の改善を行うための表面処理剤、またはエポキ
シ樹脂等の樹脂の硬化を促進し、機械的強度の改善を行
うための樹脂添加剤に関する。
【0002】
【従来の技術】電子機器用のボードは銅箔と紙−フェノ
ール樹脂含浸基材やガラス−エポキシ樹脂含浸基材等を
加熱、加圧して銅張積層板を作成した後、エッチングし
て回路網を形成し、これに半導体装置等の素子を搭載す
ることにより作られる。
【0003】これらの過程では、銅箔と基材との接着、
加熱、酸やアルカリ液への浸漬、レジストインクの塗
布、ハンダ付け等が行われるため、さまざまな性能が要
求される。これらの要求を満たすために、銅箔は黄銅層
形成処理(特公昭51−35711号公報、同54−6
701号公報)やクロメート処理、亜鉛または酸化亜鉛
とクロム酸化物とからなる亜鉛−クロム基混合物被覆処
理(特公昭58−7077号公報)、シランカップリン
グ剤処理等が検討されている。また樹脂は、樹脂そのも
のや硬化剤の種類およびその配合量を変えたり、添加剤
等によって上記要求特性を満足させている。また、ガラ
ス繊維はシランカップリング剤等の表面処理等が検討さ
れている。しかしながら、最近、プリント回路が緻密化
しているので、使用される電子機器用のボードに要求さ
れる特性はますます厳しくなっている。
【0004】また、発電所などの高電圧・高容量の機器
や半導体の封止等に使われている電気絶縁用注型材料は
エポキシ樹脂のマトリックス中にシリカやアルミナ等の
無機物質を充填した複合材料である。これらの材料には
さまざまな電気的・機械的特性が要求されており、それ
らの特性を満足させるためには、無機物質と樹脂の接着
性を向上させる必要がある。この対策としてシランカッ
プリング剤を樹脂中に添加したり、無機物質をシランカ
ップリング剤で表面処理することが提案されているが、
さらなる樹脂/無機物質界面の改善が要求されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、こうした要
請に対応できる。すなわち銅、鉄鋼およびアルミニウム
等の金属またはガラス繊維、シリカ、アルミナ等の無機
物質と樹脂との接着性を向上させることができる新規な
有機ケイ素化合物を含む組成物、並びにそれを用いた表
面処理剤または樹脂添加剤を提供することを目的とする
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究を
進めた結果、特定の反応剤を反応させて得られた組成物
が金属または無機物質に表面処理した場合、樹脂との接
着性を向上させることができ、また、エポキシ樹脂等の
樹脂成形体に添加しても硬化反応を促進し、かつ樹脂の
機械的強度を改善することを見出した。
【0007】本発明はかかる知見に基づきなされたもの
であり、その要旨は、(1)下記一般式(1)で表され
るジアルキルアミンと下記一般式(2)で表されるエポ
キシシランとを40℃〜200℃で加熱して反応させて
得られたいおう含有有機ケイ素化合物の混合物からなる
組成物、
【0008】
【化3】
【0009】(ただし、一般式(1)において、R1
2は炭素数1〜5のアルキル基、R3
【0010】
【化4】
【0011】基であり、R4、R5は炭素数1〜5のアル
キル基またはアルコキシアルキル基であり、mは1〜1
0、nは1〜3、lは2〜10の整数である。) (2)前記(1)の組成物を有効成分とする表面処理
剤、(3)前記(1)の組成物を有効成分とする樹脂添
加剤、にある。
【0012】以下に本発明をさらに詳細に説明する。
【0013】本発明の組成物は、上記(1)および
(2)の化合物が、40〜200℃に加温することによ
って以下の2種類の反応をし、本発明の効果を十分に発
揮されるものと考えられる。
【0014】(a)エポキシ基とアミノ基の反応(下記
反応式(3)参照) (b)(a)によって生じたOH基とアルコキシシリル
基の反応(下記反応式(4)参照) これらの反応はFT−IR、NMRより確認できる。
【0015】
【化5】
【0016】すなわち、主成分は以下に示す構造式
(5)〜(7)であるものと推定される。
【0017】
【化6】
【0018】これらの反応生成物はいずれも本発明の効
果に寄与するものであり、分離あるいは除去する必要が
ない。本発明に係る組成物はジアルキルアミノ基の硬化
促進作用、SiORやSiOSiオリゴマーの無機物質
や有機物質との反応や耐久性とが相乗的に働き本発明の
効果を発揮しているものと考えられる。
【0019】本発明の組成物は40〜200℃に加温し
た前記式(1)で表されるジアルキルアミン中に前記式
(2)で表されるエポキシシランを滴下させた後、過剰
量のジアルキルアミンや上記反応式(4)で示せる反応
により生成したアルコールを減圧下で除去することによ
り製造できる。
【0020】この反応は、前記ジアルキルアミンに対し
て0.1〜10倍モルの前記エポキシシランを用いるこ
とにより製造することができる。加熱時間は滴下後、5
分〜2時間程度撹拌すれば十分である。この反応は特に
は溶媒を必要としないが、クロロホルム、ジオキサン、
メタノール、エタノール等の有機溶剤を反応溶媒として
用いてもよい。なお、この反応は水分を嫌うので水分が
混入しないように、乾燥した窒素、アルゴン等の水分を
含まない気体の雰囲気下で行うことが好ましい。
【0021】上記一般式(1)におけるR1、R2は炭素
数が1〜5のアルキル基であれば、本発明の効果を十分
発揮するが、樹脂の硬化剤または硬化促進剤としてアミ
ンが効果的に作用するためには、炭素数が少ない方が好
ましい。
【0022】また、上記一般式(2)におけるR4、R5
は炭素数が1〜5のアルキル基であるが、特には合成の
容易性はシランの加水分解、縮合のし易さの点からメチ
ル基またはエチル基が好適である。また、nは1〜3で
あるが、金属、無機物質や樹脂との反応性や架橋性の高
い方が接着特性が向上するため、nは2または3が好適
である。また、mは1〜10であるが好ましくは1〜5
である。
【0023】また、上記式(2)に表されているエポキ
シシランは、下記一般式(8)のエポキシ化合物と一般
式(9)のメルカプトシランをラジカル開始剤の存在下
で反応させることにより製造することができる。
【0024】
【化7】
【0025】(ただし、R4、R5、m、nは前記と同
義。R6
【0026】
【化8】
【0027】であり、lは2〜10である) 上記ジアルキルアミンとエポキシシランの反応モル比
は、ジアルキルアミン1モルに対して、0.1〜10モ
ルのエポキシシランを反応させることにより製造するこ
とができるが、エポキシシランを過剰に添加するとエポ
キシシラン同士の重合反応も副反応として起こるためジ
アルキルアミン1モルに対して、メルカプトシランを1
モル以下の添加が好ましい。
【0028】この反応の反応時間は、数分〜数時間程度
で十分である。この反応は特には溶媒を必要としない
が、トルエン、クロロホルム、ジオキサン、メタノー
ル、エタノール等の有機溶剤を反応溶媒として用いても
よい。なおこの反応は、水分を嫌うので水分が混入しな
いように、乾燥した窒素、アルゴン等の水分を含まない
気体の雰囲気下で行うことが好ましい。
【0029】上記の反応で得られた組成物を金属または
無機物質の表面処理剤として用いる場合、その金属また
は無機物質には特に制限がない。たとえば、金属では、
銅、鉄、アルミニウム、亜鉛等またはそれらの合金、無
機物質ではガラス繊維、シリカ、酸化アルミニウム、水
酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、炭酸バリウム、
タルク等である。表面処理剤はそのまま塗布してもよい
が、水、メタノール、エタノール、アセトン、酢酸エチ
ル、トルエン等の溶剤で0.001〜20重量%になる
ように希釈して噴霧するか、この液に金属または無機物
質を浸漬させる方法で塗布することが簡便で好ましい。
【0030】なおこの有機ケイ素化合物の組成物は単独
で用いてもよいが、他のシランまたはチタネートカップ
リング剤、防錆剤と混合して用いてもよい。
【0031】上記、本発明の有機ケイ素化合物の組成物
を樹脂添加剤として用いる場合、その樹脂には特に制限
がなく、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもよいが、特
にはエポキシ樹脂に添加すると硬化剤または硬化促進剤
として効果的に作用し、本発明の効果を十分に発揮する
ことができる。添加はそのまま添加してもアルコール
系、芳香族系、脂肪族系有機溶剤等に溶解して添加して
もよい。添加量は樹脂100部に対して0.001〜5
0部添加すれば本発明の効果を十分発揮できる。なお本
発明の新規有機ケイ素化合物は、硬化剤、シランカップ
リング剤、可塑剤等の添加剤等と併用してもよい。
【0032】
【発明の実施の形態】以下に実施例を示し、本発明をさ
らに詳細に説明する。
【0033】
【実施例】
合成例1エポキシシラン1の合成
【0034】
【化9】
【0035】アリルグリシジルエーテル22.8g
(0.2mol)と3−メルカプトプロピルトリメトキ
シシラン39.3g(0.2mol)とAIBN1.0
gを混合し、60℃、2時間加熱した後、減圧蒸留によ
りエポキシシラン1を得た(収量;54.5g(収率;
88%)、沸点;130〜134℃/0.1mmH
g)。得られた化合物はFT−IR、NMRにより同定
した。本化合物の 1H−NMR、13C−NMR、FT−
IRスペクトルを図1〜3に示す。
【0036】合成例2エポキシシラン2の合成
【0037】
【化10】
【0038】メタクリル酸グリシジル28.4g(0.
2mol)と3−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン39.3g(0.2mol)とAIBN1.0gを混
合し、60℃、2時間加熱した後、減圧蒸留によりエポ
キシシラン2を得た(収量;9.5g(収率;14
%)、沸点;147〜154℃/0.1mmHg)。得
られた化合物はFT−IR、NMRにより同定した。本
化合物の 1H−NMR、13C−NMR、FT−IRスペ
クトルを図4〜6に示す。
【0039】実施例1組成物1の合成 (エポキシシラン1とジメチルアミンの反応)ジメチル
アミン13.5g(0.3mol)と上記エポキシシラ
ン1 31.1g(0.1mol)を窒素雰囲気にした
オートクレーブ中に入れ、150℃で1時間加熱した。
反応後、反応混合物中の過剰のジメチルアミンをエバポ
レーターにより除去し、ジメチルアミノ基を有する組成
物1 30.7gを得た。得られた組成物1の 1H−N
MR、13C−NMR、FT−IRを図7〜9に示す。
【0040】実施例2組成物2の合成 (エポキシシラン2とジメチルアミンの反応)ジメチル
アミン13.5g(0.3mol)とエポキシシラン2
25.4g(0.075mol)を窒素雰囲気にした
オートクレーブ中に入れ、150℃で1時間加熱した。
反応後、反応混合物中の過剰のジメチルアミンをエバポ
レーターにより除去し、ジメチルアミノ基を有する組成
物2 28.4gを得た。得られた組成物2の 1H−N
MR、13C−NMR、FT−IRを図10〜12に示
す。
【0041】実施例3金属表面処理剤としての適用 アルミ合金板(JIS H4000に規定するA202
4P、日本テストパネル製、厚さ1.6mm、25×1
00mm)を上記組成物2の0.4%のメタノール溶液
に浸漬した後、ドライヤーで乾燥することにより表面処
理を行った。このアルミ合金板2枚をエポキシ樹脂組成
物[(エピコート828、油化シェルエポキシ製):1
00部、硬化剤としてHN−2200(メチルテトラヒ
ドロ無水フタル酸、日立化成製):80部、硬化促進剤
として2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成
製):1部、硬化条件は100℃で1時間後、150℃
で1時間)]により接着し、JIS K6850に準じ
て引張り剪断接着試験を行った。その結果を表1に示
す。また比較として未処理のアルミ合金板、0.4%3
−グリシドキシプロピルトリメトキシシランまたは0.
4% 3−アミノプロピルトリメトキシシランのメタノ
ール溶液で処理したアルミ合金板についても同様に評価
した。その結果を表1に併せて示した。
【0042】
【表1】
【0043】実施例4樹脂への添加剤としての適用 未処理のアルミ合金板2枚をエポキシ樹脂組成物(樹脂
組成物はエピコート828:100部、HN−220
0:80部、上記組成物1または組成物2:1部、硬化
条件は100℃で1時間後、150℃で1時間)により
接着し、JISK6850に準じて引張り剪断接着試験
を行った。その結果を表2に示す。また比較としてエポ
キシ樹脂組成物中の上記組成物1または2:1部を2−
エチル−4−メチルイミダゾール:1部に変えて同様に
評価した。その結果を表2に併せて示した。
【0044】
【表2】
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のいおう含
有有機ケイ素化合物の混合物からなる組成物は金属およ
び無機物質の表面処理剤としてこれらと樹脂との接着性
を向上させ、また、樹脂添加剤として硬化反応を促進さ
せる作用を有し、金属と樹脂との接着性を改善すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】合成例1で得られたエポキシシラン1の 1H−
NMR。
【図2】同上、13C−NMR。
【図3】同上、FT−IR。
【図4】合成例2で得られたエポキシシラン2の 1H−
NMR。
【図5】同上、13C−NMR。
【図6】同上、FT−IR。
【図7】実施例1で得られた組成物1の 1H−NMR。
【図8】同上、13C−NMR。
【図9】同上、FT−IR。
【図10】実施例2で得られた組成物2の 1H−NM
R。
【図11】同上、13C−NMR。
【図12】同上、FT−IR。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 183/00 C09D 183/00 C09J 5/00 C09J 5/00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表されるジアルキル
    アミンと下記一般式(2)で表されるエポキシシランと
    を40℃〜200℃で加熱して反応させて得られたいお
    う含有有機ケイ素化合物の混合物からなる組成物。 【化1】 (ただし、一般式(1)において、R1、R2は炭素数1
    〜5のアルキル基、R3は 【化2】 基であり、R4、R5は炭素数1〜5のアルキル基または
    アルコキシアルキル基であり、mは1〜10、nは1〜
    3、lは2〜10の整数である。)
  2. 【請求項2】 請求項1の組成物を有効成分とする表面
    処理剤。
  3. 【請求項3】 請求項1の組成物を有効成分とする樹脂
    添加剤。
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JPWO2009104766A1 (ja) * 2008-02-22 2011-06-23 株式会社ブリヂストン 有機ケイ素化合物、並びにそれを用いたゴム組成物、タイヤ、プライマー組成物、塗料組成物及び接着剤
JP2016060836A (ja) * 2014-09-18 2016-04-25 東洋ゴム工業株式会社 シラン化合物及びそれを用いたゴム組成物
CN108341927A (zh) * 2017-12-28 2018-07-31 武汉市科达云石护理材料有限公司 硅烷端基树形结构的环氧固化剂及其制备方法

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