JP3158216B2 - 急傾斜地用作業車 - Google Patents

急傾斜地用作業車

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JP3158216B2 JP26769591A JP26769591A JP3158216B2 JP 3158216 B2 JP3158216 B2 JP 3158216B2 JP 26769591 A JP26769591 A JP 26769591A JP 26769591 A JP26769591 A JP 26769591A JP 3158216 B2 JP3158216 B2 JP 3158216B2
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忠行 酒本
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岡本 俊仁
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は急斜面において各種の作
業を行なう急傾斜地用作業車に関し、より詳しくは急斜
面において土砂の掘削作業や間伐材を伐採するのに使用
される急傾斜地用作業車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】急斜面における作業としては、例えば道
路・鉄道等の路端の法面作業、立木の伐採作業等があ
る。このような急斜面の現場において、土砂の掘削作
業、幼木の間伐作業あるいは木根の掘出し作業等を行な
う場合は、作業者等は身体をロープ等で支えて急斜面に
張りついて上記の如き各種の作業を行なっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、身体を
ロープ等で支えながらの作業であるため、自身の体の自
由度が低くならざるを得ず、そのために急斜面での作業
能率が悪いのみならず、きわめて危険度も高いという解
決すべき課題があった。近年の人手不足の状況から、例
えば山間部を通る高速道路工事等に高い人件費を要し、
その工期も長くなるのに加えて、高さの高い急斜面の崩
れ防止処置等に対する保全工事等が難しいというような
問題もあって、土木業界をはじめ林業界等において高能
率でしかも安全に急斜面における作業を行ない得る急傾
斜地用作業車の実現が望まれていた。
【0004】本発明は上記実情に鑑みてなされたもので
あって、したがって本発明の目的とするところは、急斜
面において各種の急傾斜作業を高能率かつ安全に行なう
ことのできる急傾斜地用作業車を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は急斜面を安全に
登坂し得る作業車に各種の作業アタッチメントを装着す
れば、高能率かつ安全に種々の作業を行ない得ると考え
てなしたものである。したがって、本発明に係る急傾斜
地用作業車の特徴とするところは、履帯式の走行台車
と、該走行台車の上に垂直軸心周りに旋回自在に装着さ
れ、一方の側に鋼索を巻取り・巻戻す一対のウインチを
有する保持フレームと、該保持フレームの前記ウインチ
側寄りに設けられた水平軸により揺動可能に支持され、
先端に作業アタッチメントが装着されて操作される作業
腕を備えた運転装置と、前記保持フレームのウインチ側
寄りに一端が枢着された油圧シリンダの伸縮により屈曲
して前記運転装置を水平軸の軸心周りに揺動させる屈曲
リンクとを備えてなる構成にしたところにある。
【0006】
【作用】本発明に係る急傾斜地用作業車によれば、一対
のウインチによりそれぞれ巻取り・巻戻される鋼索の先
端それぞれを急斜面の所定位置に打設したアンカーや木
根等に結び付け、結び付けられた鋼索をそれぞれウイン
チにより巻取り・巻戻すとともに、走行台車を駆動する
ことによって急斜面を安全に登坂し、かつ降坂すること
ができ、しかも急斜面の勾配に応じた油圧シリンダの伸
縮で屈曲リンクを屈曲させることによって運転装置を水
平に保持することができる。
【0007】さらに、鋼索により支持された状態で走行
台車を保持フレームに対して旋回させて走行台車の走行
方向を横方向に向けて運転装置を斜面の正面に向けた状
態で走行台車を駆動するとともに一方の鋼索を巻取り、
かつ他方の鋼索を巻戻しながら斜面を横方向に移動し
て、作業腕を操作することによって、この作業腕に装着
したアタッチメントに相応しい所定の作業を行なうこと
ができる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の急傾斜地用作業車に係る1実
施例を、その側面図の図1と急斜面登坂状況を示す側面
図の図2と、急斜面を横方向に移動している状態を示す
側面図の図3と、急斜面における横方向への移動状況説
明図の図4とを参照しながら説明する。
【0009】図1ないし図3に示す符号1は、周知の構
成になる履帯式の走行台車であって、この走行台車1の
上には、一方の側における幅方向の両側のそれぞれに鋼
索Rを巻取り・巻戻す一対のウインチ2aが突設されて
なる保持フレーム2が垂直軸心周りに旋回自在に配設さ
れ、そしてこの保持フレーム2のウインチ2a側寄りに
はブラケットを介して水平軸3aが支持されており、こ
れにより後述する構成になる運転装置4を支持する揺動
フレーム3が揺動可能に軸支されている。
【0010】上記運転装置4は運転者等が座る座席と各
種の操作レバーを備え、さらに起伏自在なブーム5a
と、このブーム5aの先端において水平軸心周りに揺動
自在に設けられるアーム5bとからなり、このアーム5
bの先端において水平軸心周りに揺動自在に設けられる
アタッチメントとしてのバケット5cが装着されてなる
起伏かつ屈曲自在な作業腕5を備えている。
【0011】ところで、上記作業腕5の起伏はブームシ
リンダ5dにより、また屈曲はアームシリンダ5eによ
り、さらにバケット5cの作動はバケットシリンダ5f
によって行なわれるものであって、つまり作業腕5は周
知の構成になる油圧ショベルの作業装置と同構成になる
ものである。
【0012】一方、前記揺動フレーム3の反ウインチ2
a側における幅方向の端面部と、運転装置4の側面部と
の間には、下部リンク6aと上部リンク6bとからなる
屈曲リンク6が連結されており、さらにこの屈曲リンク
6の下部リンク6aには揺動フレーム3のウインチ2a
側寄りにボトム側が枢着されてなる油圧シリンダ7のロ
ッドの先端が枢着されてなる構成になっている。
【0013】なお、図1において、走行台車1の右側の
下側寄りに設けられているものは伸縮ビーム8aと、そ
の先端に設けられるドーザブレード8bとからなる安全
装置8であって、伸縮ビーム8aを伸縮させてその先端
のドーザブレード8bを急斜面Sに食込ませて急傾斜地
用作業車を支えるものである。勿論、必ずしもドーザブ
レード8bである必要がなく、例えばリッパのような構
成としてその先端を急斜面Sに食込ませても同等の機能
を発揮することができる。
【0014】以下、図2ないし図4を参照しながら、上
記した構成になる急傾斜地用作業車の作用態様を説明す
ると、まず急傾斜地用作業車を急斜面Sに登坂させる場
合には、一対のウインチ2aによりそれぞれ巻取り・巻
戻される鋼索Rの先端を所定の間隔をおいた打設したア
ンカーA(木根であってもよい)に結付ける。そしてア
ンカーAに結付けられた鋼索Rをウインチ2aで巻取り
ながら急斜面に向かって走行台車1を走行させれば、急
傾斜地用作業車は急斜面Sに沿って登坂し始める。勿
論、急斜面Sを降坂する場合は、ウインチ2aによって
鋼索Rを巻戻せばよい。
【0015】このようにして、急傾斜地用作業車が急斜
面Sを登坂し始めると、急斜面Sの勾配の程度に応じて
油圧シリンダ7のロッドが縮小され、屈曲リンク6の下
部リンク6aと上部リンク6bとの間の角度の拡大に伴
って運転装置4が水平軸3aを揺動中心として揺動され
て水平状態に保持され続ける。勿論、運転装置4におけ
る操作レバーの操作で切替えられた圧油は高圧ゴムホー
ス(図示省略)を通して保持フレーム2や走行台車1に
圧送される。
【0016】そのため、運転者等は急斜面Sの勾配の程
度の如何にかかわらず、水平状態で急傾斜地用作業車を
操作することができ、恐怖心が払拭されることになる。
なお、急傾斜地用作業車を少し横方向に移動させるに
は、移動させたい方向のウインチ2aによって鋼索Rを
巻取るとともに、これに合わせて他方のウインチ2aに
よって他方の鋼索Rを巻戻せばよい。
【0017】一方、急斜面Sの横方向に大きく急傾斜地
用作業車を移動させたい場合には、保持フレーム2を旋
回させる。ところが、保持フレーム2は鋼索Rにより支
えられているため、保持フレーム2が旋回せずに走行台
車1の方が旋回して、例えば図3に示すようになる。こ
のような状態において、図4に示すように、急傾斜地用
作業車を移動させたい側のウインチ2aで鋼索Rを巻取
り、他方のウインチ2aで鋼索Rを巻戻すのに合わせて
走行台車1を走行させることにより、急傾斜地用作業車
を目的とする位置に自在に移動させることができる。勿
論、斜め横方向への移動も自在に行ない得ることは以上
の説明からよく理解されることである。
【0018】急傾斜地用作業車がこのようにして目的と
する位置に移動されると、走行台車1は急斜面Sを登坂
する状態に戻され、次いでドーザブレード8が操作され
て急斜面Sに食込まされた後、例えばこの実施例ではバ
ケット5cが装着されているため、急斜面Sの土砂の掘
削作業や木根の掘起こし作業等が行なわれることにな
る。ところで、急斜面Sの土質によって相違するが、本
発明の急傾斜地用作業車を急斜面Sの勾配が70度まで
適用することができた。
【0019】以上では、アタッチメントとしてバケット
5cが装着されてなる急傾斜地用作業車を例として説明
したが、周知のように作業腕5つまりアーム5bの先端
には種々のアタッチメントを装着することが可能である
から、特に土砂の掘削作業や木根の掘起こし作業等に限
らず、装着したアタッチメントに相応しい各種の急傾斜
作業が高能率でしかも安全に行なわれる。そして、従来
のように人手による急傾斜作業でないため急斜面におけ
る作業能率が大幅に向上する結果、例えば道路工事等に
おいてはその工期が大幅に短縮され、工事費の削減にも
多大な効果がある。
【0020】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明に係る急傾
斜地用作業車によれば、急斜面の勾配の程度の如何に係
わらず運転者等は水平状態で、鋼索によって支えられて
いる急傾斜地用作業車を自在に移動させるとともに、急
斜面における目的とする位置において作業腕を操作する
ことにより、装着したアタッチメントに相応しい作業を
行なうことができるので、急斜面における作業能率の向
上と安全性の向上とに対してきわめて多大な効果があ
る。また、走行台車の上に垂直軸心周りに旋回自在に装
着された保持フレームの一方の側に鋼索を巻取り・巻戻
す一対のウインチを備えるとともに、保持フレームのウ
インチ側寄りに設けられた水平軸により、揺動可能に支
持され、先端に作業アタッチメントが装着されて操作さ
れる作業腕を備えた運転装置を設けているので、走行台
車の左右方向の移動に一対のウインチの鋼索が邪魔した
りすることなく、自由に左右方向に移動することができ
るとともに、走行台車が左右方向に移動しても保持フレ
ームが旋回して常時運転装置を上方に向いた状態に自動
的に位置させることができる。したがって、より急斜面
における作業能率の向上と安全性の向上を図ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る急傾斜地用作業車の側面
図である。
【図2】急斜面登坂状況を示す本発明の実施例に係る急
傾斜地用作業車の側面図である。
【図3】急斜面を横方向に移動している状態を示す本発
明の実施例に係る急傾斜地用作業車の側面図である。
【図4】急斜面における本発明の実施例に係る急傾斜地
用作業車の横方向への移動状況説明図である。
【符号の説明】
1:走行台車、 2:保持フレーム、 2a:ウインチ、 3:揺動フレーム、 3a:水平軸、 4:運転装置、 5:作業腕、 5a:ブーム、 5b:アーム、 5c:バケット、 5d:ブームシリンダ、 5e:アームシリンダ、 5f:バケットシリンダ、6:屈曲リンク、 6a:上部リンク、 6b:下部リンク、 7:油圧シリンダ、 8:安全装置、 8a:伸縮ビーム、 8b:ドーザブレード、 A:アンカー、 R:鋼索、 8:急斜面。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI E02D 17/20 (56)参考文献 特開 平3−198711(JP,A) 実開 昭60−120006(JP,U) 実開 昭56−116280(JP,U) 実開 昭61−188649(JP,U) 実開 平2−78051(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 履帯式の走行台車と、該走行台車の上に
    垂直軸心周りに旋回自在に装着され、一方の側に鋼索を
    巻取り・巻戻す一対のウインチを有する保持フレーム
    と、該保持フレームの前記ウインチ側寄りに設けられた
    水平軸により揺動可能に支持され、先端に作業アタッチ
    メントが装着されて操作される作業腕を備えた運転装置
    と、前記保持フレームのウインチ側寄りに一端が枢着さ
    れた油圧シリンダの伸縮により屈曲して前記運転装置を
    水平軸の軸心周りに揺動させる屈曲リンクとを備えてな
    ることを特徴とする急傾斜地用作業車。
JP26769591A 1991-10-16 1991-10-16 急傾斜地用作業車 Expired - Lifetime JP3158216B2 (ja)

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