JP3156430B2 - 自動販売機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、配送元であらかじめ
缶，瓶入り商品を装填した通い箱兼用の商品収納ケース
から排出した商品を販売する自動販売機に関する。

【０００２】

【従来の技術】缶，瓶入り商品の自動販売機として、図
３で示すようにサーペンタイン式商品ラックを搭載した
自動販売機が周知である。図において、１は自動販売機
のキャビネット、２は前面外扉、３は前面外扉２に設け
た商品取出口、４は内扉、５はキャビネット１の庫内に
収設したサーペンタイン式商品ラック、６は商品ラック
５の出口側に付設した商品払出機構、７は商品ラック４
の各コラムに通じる商品投入口、８は商品搬出シュー
タ、９は冷却器であり、商品１０は商品ラック５の各コ
ラムごとに上下一列に整列して商品通路に収納されてい
る。

【０００３】かかる構成の販売動作は周知であり、販売
指令が与えられると選択されたコラムの商品払出機構６
が動作して商品１０が１個ずつ払出され、シュータ８を
経由して商品取出口３に送出される。また、商品ラック
５への商品補給は、前面外扉２，内扉４を開放した上で
商品投入口７へ商品１０を１ないし数本ずつ投入する。
これにより商品１０はトップトレーを転動して商品ラッ
ク５の商品通路内に落下収納される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前記したサ
ーペンタイン式商品ラックでは、商品補給の際には配送
用のパッケージから商品を取出した上で、商品を１ない
し数本ずつ商品投入口に投入する必要があり、その補給
作業には手間と時間がかかることからその改善策が強く
要望されている。

【０００５】また、別な問題として、従来における自動
販売機の商品配送システムでは、商品を単位本数ずつダ
ンボール箱で作られた使い捨ての配送パッケージに詰め
て自動販売機のロケーション先まで運送した後、配送パ
ッケージを開梱して商品を自動販売機に補給するように
しており、ここで商品を取出して空になった配送パッケ
ージはそのままゴミとして廃棄処分される。このため
に、商品配送に係わる物流管理費（配送パッケージの製
作費）が嵩むほか、使い捨ての配送パッケージに使う紙
資源の浪費が社会的な問題にもなっている。

【０００６】本発明は上記の点にかんがみなされたもの
であり、缶，瓶入り商品の自動販売機を対象に、自動販
売機へ商品を補給する際のローディング作業の改善と併
せて、商品配送に伴う物流コストの節減およびダンボー
ル箱の浪費問題を解決できるようにした自動販売機を提
供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、缶，瓶入り商品を販売する自動販売機であっ
て、キャビネットの庫内に画成した商品収納室に対して
該商品収納室の底部より前面外扉の商品出口に向けて引
出した商品搬送通路と、該商品搬送通路の出口側に配備
した商品払出機構とを備え、前記商品収納室内にあらか
じめ配送元で商品を装填した通い箱兼用の商品収納ケー
スを上下段に積み重ねて装荷し、該商品収納ケースから
排出した商品を一列に整列して商品搬送通路に供給した
上で、商品払出機構の動作により商品を商品取出口へ払
出すようにした自動販売機において、前記商品搬送通路
に通じる商品収納室の出口付近に商品攪拌用のアジテー
タ機構を備え、前記商品収納ケースの周壁の一部にアジ
テータ機構が入り込む逃げ溝を切欠き形成したことを特
徴とする。

【０００８】

【０００９】

【００１０】

【作用】上記構成の自動販売機において、あらかじめ配
送元で商品を装填した通い箱兼用の商品収納ケースを商
品収納室内に積上げて装荷すると、アジテータ機構の働
きにより商品収納ケースから排出した商品が商品収納室
の傾斜底面を転動し、商品は一列に整列して商品収納室
から商品搬送通路に供給される。そして、販売指令によ
り商品払出機構が動作すると、商品搬送通路内に並ぶ最
前列の商品から順に１個ずつ商品取出口に払出される。

【００１１】

【００１２】

【００１３】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。なお、実施例の図中で図３に対応する同一
部材には同じ符号が付してある。まず、図１（ａ）〜
（ｃ）に自動販売機の全体構成，並びに機内に装荷した
通い箱兼用の商品収納ケース，ケース支持ガイドの構造
を示す。図において、自動販売機のキャビネット１の庫
内には左右に並ぶ複数コラムの商品収納室１１が画成さ
れており、かつ各商品収納室１１ごとにその底部の後端
側から商品取出口３に通じる商品搬送通路１２が引出し
てあり、かつ該商品搬送通路１２の出口側には商品払出
機構６が装備されている。また、商品収納室１１の底壁
１１ａは後端に向けて下向きに傾斜しており、さらに、
商品収納室１２の背面側には商品搬送通路１２の近くま
で延在した商品撹拌用のアジテータ機構１３を備えてい
る。なお、このアジテータ機構は本発明と同一出願人よ
り特願平３−３００２１９号として提案されているもの
と同一であり、上下方向に敷設したエンドレスベルトの
周面上に突起状のアジテータ片が設けてあり、ベルトを
回転することにより室内に収容した商品１０を撹拌して
商品搬送通路１２の入口付近に発生する商品ブリッジを
崩し、商品搬送トラブルを防ぐ役目を果たす。

【００１４】一方、前記した商品収納室１１の室内には
底部上に据付けたケース支持ガイド１４の上に、あらか
じめ配送元で所定本数の商品を装填した通い箱兼用の商
品収納ケース１５が上下段に積み重ねて装荷される。こ
こで、ケース支持ガイド１４は、（ｂ）図で示すように
底面を商品収納室１１の底壁１１ａの傾斜角に合わせて
斜めカットした上下開放形の枠体であり、かつその背面
壁には商品収納室１１の背面側に配備したアジテータ機
構１３のアジテータ片が入り込む逃げ溝１４ａが切欠き
形成されている。但し、この逃げ溝１４ａは商品１０の
長さサイズよりも狭い幅である。また、商品収納ケース
１５は堅牢なプラスチック製で、かつ商品１０の長さサ
イズに対応した幅寸法を有する上下面開放形の箱体とし
てなり、かつケース背面壁の一部にはケース支持ガイド
１４の逃げ溝１４ａと同様な幅の逃げ溝１５ａが切欠き
形成されている。

【００１５】かかる構成で、商品１０を装填したまま商
品収納ケース１５をケース単位で自動販売機の商品収納
室１１の中に運び入れ（なお、ケースに収容した商品が
ケースの底からこぼれ落ちないための保持手段は後述す
る）、ここで先記したケース支持ガイド１４の上に積み
重ねるように装荷してケースの底面を開放すると、ケー
ス内にばら積み収容されていた商品１０がケース支持ガ
イド１４の中に排出された後に商品収納室１１の底壁１
１ａの傾斜面を転動し、一列に整列して商品搬送通路１
２の中にに供給される。同時にこの商品の動きに連れて
上段側に積み重ねた商品収納ケース１５に入っていた商
品１０は下段側のケース内に移動する。そして、この状
態から販売指令に基づいて商品払出機構６が動作する
と、商品搬送通路１２の最前列に並ぶ商品から順に商品
取出口３に向けて１個ずつ払出される。ここで、商品の
販売動作に合わせて前記したアジテータ機構１３を作動
させることにより、商品１０は商品搬送通路１２の入口
付近にブリッジして詰ることがなく、商品収納ケース１
５よりケース支持ガイド１４を経て商品搬送通路１２へ
円滑に供給される。

【００１６】また、商品の販売動作が進んで商品収納ケ
ース１５が空になれば、空になった商品収納ケース１５
を商品収納室１１から抜き出し、この代わりに配送元か
ら新たに運び込んだ通い箱兼用の商品収納ケースを商品
が入ったまま装荷する。これにより通い箱から商品１０
を取出して移し替えることなく、ケース単位での商品補
給が行える。なお、空になったケースはそのまま配送元
に持ち帰り、再び商品を詰めて再使用する。

【００１７】次に、前記した通い箱兼用の商品収納ケー
ス１５の具体的な構造を図２（ａ),（ｂ）に示す。すな
わち、商品収納ケース１５は先記したように堅牢なプラ
スチック成形品として作られ、かつ商品１０の長さサイ
ズに対応した幅寸法Ｄに選定した上下面開放形の箱体と
してなる。また、ケース１５の底面側の左右両側縁には
側方へコ字形に張り出した積み重ねガイド１５ｂが一体
に成形されている。このガイド１５ｂは（ｂ）図のよう
に商品収納ケース１５を上下に積み重ねた際にケース同
士の間を嵌め込み式に結合するガイドの役目を果たすと
同時に、ケースの底面側に装脱可能に装着した引出式の
蓋板１６の引出しレールをも兼ねている。また、１５ｃ
はケース１５の上部側の側面に設けた凸条のガイド受け
である。なお、図示例では蓋板１６がケースの底面側に
のみ設けてあるが、前記した上部側のガイド受け１５ｃ
を利用してケースの上面側に別な上蓋を被せることもで
きる。

【００１８】かかる通い箱兼用の商品収納ケース１５は
次のように取り扱うものとする。まず、配送元でケース
１５に商品１０を装填する際には、前記の蓋板１６を底
部側に差し込んだ状態でケース内に所定本数の商品１０
を横向きに並べて積み上げ収容し、必要により上蓋を被
せて自動販売機のロケーション先に配送する。そして、
自動販売機の機内に装荷する場合には、商品１０をいれ
たままケース１５を単位に商品収納室１１に据付けたケ
ース支持ガイド１４（図１参照）の上に載置して上下段
に積み上げる。次に各段のケース１５から蓋板１６を前
方に引き抜く。これにより、図１で述べたようにケース
内に収容されていた商品１０が順に排出されて商品搬送
通路１２に供給される。なお、商品補充に際してケース
１５の中に僅かな商品１０が残っている場合には、蓋板
１６を差し込んでケース１５を取り出せば、残留商品を
ケース内に保持したままケースを取り出すことができて
便利である。

【００１９】

【発明の効果】以上述べたように本発明の自動販売機に
よれば次記の効果を奏する。 （１）（１）ロケーション先の自動販売機へ配送元から
商品を運び込んで補給する際に、通い箱から一々商品を
取出して自動販売機の庫内へ移し替える必要がなく、通
い箱に商品を入れたままケース単位で自動販売機に装荷
して商品の一括補給が行えるとともに、アジテータ機構
により通い箱から円滑に商品が供給されるので、その通
い箱をそのまま自動販売機の商品収納棚に相当する商品
収納ケースに用いて商品販売を行うことができ、これに
より自動販売機への商品補給を簡単かつ短時間での作業
で達成できる。

【００２０】（２）また、自動販売機より取出した空の
商品収納ケースは、そのまま配送元に持ち帰った後、再
び商品を装填して繰り返し使用することができ、これに
よりいままでのダンボール箱で作られた使い捨てのパッ
ケージと比べて商品配送に伴う物流コストの大幅な節減
化が図れるととともに、社会的にも問題となっている紙
資源の浪費問題も一挙に解決できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例による自動販売機の構成図であ
り、（ａ）は自動販売機全体の構成断面図、（ｂ),
（ｃ）はそれぞれ（ａ）図におけるケース支持ガイド，
商品収納ケースの外形斜視図

【図２】図１の自動販売機に適用する通い箱兼用の商品
収納ケースの具体的な実施例の構成図であり、（ａ）は
ケース１個分の外形斜視図、（ｂ）はケースの積み重ね
状態図

【図３】従来におけるサーペンタイン式商品ラックを搭
載した自動販売機の構成図

【符号の説明】

１ 自動販売機のキャビネット ２ 前面外扉 ３ 商品取出口 ６ 商品払出機構 １０ 缶，瓶入り商品 １１ 商品収納室 １１ａ 底壁 １２ 商品搬送通路 １３ アジテータ機構 １４ ケース支持ガイド １４ａ 逃げ溝 １５ 通い箱兼用の商品収納ケース １５ａ 逃げ溝 １５ｂ 積み重ねガイド １６ 蓋板

フロントページの続き (72)発明者 松島 幸三 神奈川県川崎市川崎区田辺新田１番１号 富士電機株式会社内 (72)発明者 垣内 弘行 神奈川県川崎市川崎区田辺新田１番１号 富士電機株式会社内 (56)参考文献 特開 平１−134690（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−271497（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−120689（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−273483（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) G07F 9/00

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】缶，瓶入り商品を販売する自動販売機であ
   って、キャビネットの庫内に画成した商品収納室に対し
   て該商品収納室の底部より前面外扉の商品出口に向けて
   引出した商品搬送通路と、該商品搬送通路の出口側に配
   備した商品払出機構とを備え、前記商品収納室内にあら
   かじめ配送元で商品を装填した通い箱兼用の商品収納ケ
   ースを上下段に積み重ねて装荷し、該商品収納ケースか
   ら排出した商品を一列に整列して商品搬送通路に供給し
   た上で、商品払出機構の動作により商品を商品取出口へ
   払出すようにした自動販売機において、前記商品搬送通
   路に通じる商品収納室の出口付近に商品攪拌用のアジテ
   ータ機構を備え、前記商品収納ケースの周壁の一部にア
   ジテータ機構が入り込む逃げ溝を切欠き形成したことを
   特徴とする自動販売機。