JP3759809B2 - 自動販売機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、商品を上下に集積収納するとともに、その集積収納された商品を最下位のものから順に投出する複数の商品収納部(商品コラム)を備えた自動販売機に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動販売機(自販機)は、通常は下部投出タイプで、例えば実開平4−33184号公報に記載されているように、商品コラムから投出された商品をシュートを通じて下方へ案内し、自販機本体の前面下部に設けた商品取出口に払い出すよう構成されている。そして、その場合の商品取出口は、商品コラムの幅全域に対応して自販機本体の前面下部に幅広く形成されるのが普通である。
【0003】
また、それとは別に、例えば実開平3−90391号公報に記載されているように、商品コラムから投出された商品を、シュート等を通じて下方の商品受入部に案内した後、揚送手段によって上方の商品取出口に揚送するよう構成された上部投出タイプの自動販売機も知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の下部投出タイプの自動販売機は、上述のように自販機本体の前面下部位置に商品取出口が幅広く形成されたものであったため、次のような問題があった。
【0005】
第1に、幅広の商品取出口によって自販機前面のレイアウトが制約を受け、商品見本を展示するとともに商品選択ボタンを配置する商品見本展示部や、広告表示部のスペースが小さくなってしまう。また、操作部等のレイアウトにも制約が及び、操作性の悪化を招く。そして、それらが集客力悪化の要因となる。
【0006】
第2に、防盗性が低い。すなわち、商品取出口が幅広で大きいため、自販機本体の前面に体を沿わせるなどして商品取出口から手を自販機内に挿入でき、内部の商品が盗まれる可能性がある。これを防ぐには、手を挿入できないよう商品取出口内に防盗用仕切板を設ける方法があるが、そのような仕切板は、正当な利用者が商品を取り出す際に邪魔になる。
【0007】
第3に、投出位置が自販機の幅方向にまちまちで、その商品が収納されていた商品コラムの位置によって変わるため、利用者はその都度商品取出口内の商品をを探す必要があり、特に夜間等は暗くて見えにくく不便であるし、まとめ買いをした時に、取り忘れが生ずる。見やくするよう照明を設けることも考えられるが、照明を設けることはコストアップにつながるし、余程明るくしなければ効果が見込めないためランニングコストもかかる。また、上記防盗用仕切板がある場合は、仕切板の影ができるため、せっかく照明しても効果は見込めない。
【0008】
一方、上部投出タイプの自動販売機の場合は、次のような問題がある。
【0009】
第1に、揚送手段(ベルトコンベア方式やエレベータ方式がある)を設けるのにスペースが必要で、そのため、自販機が大型化(特に自販機の厚み方向の寸法増大)あるいは収納量の低下を招く。
【0010】
第2に、複数個の商品をひとまとめにパックしたパック商品等の大型商品を通常商品と同じ自販機で販売しようとしても、それら大型商品は、通常の揚送手段では搬送できないため、商品取出口のすぐ上に位置するごく一部の商品コラムでしか取り扱うことができず、大型商品の収納量が限られる。そういった場合に、大型商品を搬送できる揚送手段を設けるという方法もあるが、それでは自販機の更なる大型化が不可避となる。
【0011】
したがって、商品取出口による制約を小さくして、自販機前面のレイアウトの自由度を高め、広告表示部等のスペースの拡大および操作性の向上を実現するとともに、防盗性を高め、また、商品取出部に投出された商品を容易かつ確実に取り出せるようにし、かつ、自販機の大型化を招くことなく大型商品に対する商品コラム設定の自由度を高めることが課題である。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明による自動販売機は、商品を上下に集積収納するとともに、その集積収納された商品を最下位のものから順に投出する複数の商品収納部を備えたものであって、各商品収納部から投出された商品を下方へ案内する案内手段と、自動販売機の下部域に設けられ、案内手段により案内された商品を自動販売機の幅方向一側に向けて搬送する商品搬送手段と、商品搬送手段の搬送方向末端近傍で自動販売機の幅方向一側に寄った位置に設けられ、搬送された商品を取り出せるよう外部へ連通する商品取出部と、商品搬送手段上の商品の有無を検知する商品有無検知手段と、商品有無検知手段が所定時間以上継続して商品有りを検知した時は、商品搬送手段の駆動を一旦停止した後、駆動再開する制御を実行し、該制御による断続駆動を、商品無しが検知されない限り所定回数繰り返す断続駆動制御手段と、断続駆動を所定回数繰り返しても商品有無検知手段が商品無しを検知しない場合には、商品搬送手段の駆動を逆回転して詰りの解除を図った後、再び正回転駆動する制御を実行し、それでも商品無しを検知しない場合には、自動販売機の販売動作を停止させるメカダウン手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
ここで、案内手段は、シュートであってよい。また、この自動販売機は、投出位置が商品搬送手段に近い最下段の商品収納部から投出される商品に対しては、商品搬送手段のガイド部分が投出時の案内手段として機能するものであってよく、また、商品取出部の真上近傍に投出位置が位置する商品収納部から投出された商品については、商品搬送手段を経由せずに商品取出部に送り込むものであってよい。
【0014】
この自動販売機によれば、利用者の購入操作(貨幣の投入および商品の選択)に応じ、対応する商品収納部から最下位の商品が投出される。そして、その投出された商品は、案内手段によって下方へ案内されて、自動販売機の下部域に位置する商品搬送手段上に載置され、商品搬送手段によって側方へ搬送され、商品取出部に送り込まれる。ただし、商品取出部の真上近傍に投出位置が位置する商品収納部から投出された商品は、商品搬送手段を経由せずに商品取出部に送り込まれてよい。
【0015】
この自動販売機は、商品搬送手段の搬送方向末端近傍で自動販売機の幅方向一側に寄った位置に商品取出口が設けられたものであるので、幅広の商品取出口を有する従来の下部投出タイプの自動販売機に比べて、商品取出口による制約が小さくなって、自販機前面のレイアウトの自由度が高まり、広告表示部等のスペースの拡大および操作性の向上が可能となる。また、商品取出口が小さいため、商品取出口から自販機内に手を入れて内部の商品を盗むことが難しく、防盗性が高まる。また、投出された商品は、全て側方の商品取出口に送り込まれるので、利用者は商品を探すまでもなく、暗くても商品を容易かつ確実に取り出せる。また、揚送手段が必要な上部投出タイプの自動販売機に比べて、自販機の小型化あるいは収納量の増大が可能となるとともに、パック商品等の大型商品を通常商品と同じ自販機で販売しようとする場合に、大型商品に対する商品コラム設定の自由度が高まり、大型商品の収納量を増大させることができる。
【0016】
上記商品搬送手段は、略水平に張設される無端ベルトと、該無端ベルトを駆動する駆動手段とで構成することができる。その場合、投出された商品は無端ベルト上に載置され、無端ベルトが駆動手段により駆動されるのに伴って側方へ搬送され、商品取出部に送られる。
【0017】
また、上記自動販売機は、商品搬送手段上の商品の有無を検知する商品有無検知手段と、該商品有無検知手段が所定時間以上継続して商品有りを検知した時は、前記商品搬送手段の駆動を一旦停止した後、駆動再開する制御を実行し、該制御による断続駆動を、商品無しが検知されない限り所定回数繰り返す断続駆動制御手段と、該断続駆動を所定回数繰り返しても商品有無検知手段が商品無しを検知しない場合には、商品搬送手段の駆動を逆回転して詰りの解除を図った後、再び正回転駆動する制御を実行し、それでも商品無しを検知しない場合には、当該自動販売機の販売動作を停止させるメカダウン手段を備えたものであり、商品搬送手段上の商品の有無が検知され、所定時間以上継続して商品有りが検知したされた時は、商品搬送手段の駆動を一旦停止した後、駆動再開する制御が実行されて、該制御による断続駆動が、商品無しが検知されない限り所定回数繰り返され、該断続駆動が所定回数繰り返されても商品無しが検知されない場合には、商品搬送手段の駆動を逆回転して詰りの解除を図った後、再び正回転駆動する制御が実行され、それでも商品無しを検知されない場合には、メカダウンが実行される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
図1〜図8は、実施の形態の一例に係るものである。図1は自動販売機の外観を示す。この例では、自動販売機1は、前面が開放された箱状の自販機本体2と、該自販機本体2の前面に一側(図中左側)を軸として開閉可能に取り付けられた扉体3と、自販機本体2の下面に取り付けられた一対の脚部4,5からなっている。
【0020】
上記扉体3の前面には、四方に縁部を残すとともに右寄りの所定部分を残す形で略矩形の大きな窓部6が形成され、該窓部6の前面に透明のアクリル板7がはめ込まれている。そして、窓部6の上部は商品見本展示部8とされている。商品見本展示部8は、商品見本を見ながら商品を選択できるよう、見本展示棚9を複数段(図の例では5段)に設けるとともに、各見本展示棚9に対応してそれぞれの商品見本の位置に商品選択ボタン10を配置したものである。また、窓部6の下部は広告表示部11とされている。広告表示部11は、裏側からポスター類を貼るもので、扉体3の裏側からメンテナンス(ポスター類の貼り替え等)を行うようになっている。
【0021】
扉体3の前面の右寄り部分には、上段位置に、投入金額等を表示する表示部12,まとめ買いボタン13,紙幣挿入口14,硬貨投入口15および返却レバー16からなる操作部17が配置されている。この操作部17の各部位の構成・機能はそれ自体公知のものである。また、中段位置には、硬貨返却口18が配置され、また、キー部19を有する開閉把手20が配置されている。キー部19にキーを挿入して回動すると、開閉把手20が突出し、回転可能となる。そして、開閉把手20を回転させると、扉体3はロックが解除され、開放可能となる。そして、下段位置には、商品取出口21が設けられている。商品取出口21は、後述する商品取出空間に連通するもので、最大の商品(後述するパック商品)を取り出すために必要にして十分な大きさのコンパクトなものである。そして、この商品取出口21の前面には、上辺を軸として揺動可能なカバー22が取り付けられている。
【0022】
図2は、上記自動販売機1の、扉体3を開放した状態の正面図であり、図3は、自販機本体2の内部側面図である。自販機本体2内には、通常商品用,景品付き商品用およびパック商品用の3種類の商品コラム31,32,33が、縦方向の仕切板34と横方向の仕切板35とで区画されて複数列・複数段に配置されている。各商品コラム31,32,33は、商品を上下に重積収納する各収納空間を形成する。そして、各商品コラム31,32,33内の下部には、商品投出ユニット36が配置され、収納空間の最下位に位置する商品から順に前方へ投出するよう構成されている。
【0023】
図4の(a)は、上記自動販売機1で販売する単品の通常商品(図の例ではタバコ)40を示し、(b)は、商品40の一側に景品41をセットした景品付き商品50を示し、また、(c)は、複数個の商品40をまとめたパック商品60を示す。この例では、パック商品60は図4の(c)に矢印の方向に投出されるものである。
【0024】
通常商品用の商品コラム31は、通常商品40を収納・投出するものであって、所定量の通常商品40を集積収納するのに適した幅および奥行きを有するとともに、最下位の商品40のみ投出するに適した厚み規制部分(図示せず)を備えたものとなっている。一方、景品付き商品用の商品コラム32は、景品付き商品50が厚みは通常商品40と略同じで、幅が大きいことから、厚み規制部分の設定は通常商品用の商品コラム31と同じで、幅が通常商品用の商品コラム31に比べて広く設定されている。また、パック商品用の商品コラム33は、パック商品60が通常商品40の数倍(パックした数)の厚みを有し、その厚み方向が商品コラム33の幅方向となることから、通常商品用の商品コラム31に比べて商品コラム33の幅が広く設定され、また、幅だけでなく、厚み規制部分も大きく設定されている。
【0025】
商品コラム31,32,33は、図の例では5段で、一部4段に配置されている。そして、最下段にはパック商品用の商品コラム33と、景品付き商品用の商品コラム32が配置され、他の段には通常商品用の商品コラム31と景品付き商品用の商品コラム32が配置されている。尚、これら商品コラムの配置は、販売しようとする商品の設定によって変更可能なものである。
【0026】
自販機本体2の前面下部域には、最下段の商品コラム段の下方に、搬送用の無端ベルト70が横方向に張設され、その無端ベルト70の両サイド(自販機本体2の正面から見て前側と後側)に沿ってガイド板71,72が設けられている。これら無端ベルト70とガイド板71,72は商品搬送手段を構成する。
【0027】
無端ベルト70は、自販機本体2の正面から見て左端側(図2中、左端側)を搬送方向始端とし、同右側を搬送方向末端とするもので、搬送方向始端は自販機本体2の一方の側壁近接位置に設定され、搬送方向末端は、自販機本体2の他方の側壁との間に後述の商品取出空間を隔てる位置に設定されている。また、ガイド板71,72は、自販機本体2の両側壁間の全幅にわたって設けられている。無端ベルト70は、搬送用駆動モータ73によって通常は図2中時計回り方向に駆動される。
【0028】
無端ベルト70の搬送方向末端と自販機本体2の側壁との間には、無端ベルト70より下方となる位置に、商品取出空間74が形成されている。該商品取出空間74は、商品40,50,60を複数個受け入れ可能な大きさで、上面および前面が開放され、その開放された上面が上記無端ベルト70の搬送方向末端に近接し、開放された前面が扉体3の商品取出口21に連通するよう構成されたものである。
【0029】
上記商品搬送手段が位置する自販機本体2の前面下部域には、また、無端ベルト70の直上を搬送方向に沿って検知ラインが走るよう商品有無検知センサ75が配置されている。この商品有無検知センサ75は、無端ベルト70上の商品の有無を検知するもので、搬送ベルト上に商品があれば遮光状態となり、商品が無ければ透光状態となる。
【0030】
扉体3の裏面には、最下段を除く各段の商品コラムから投出される商品を各受入口76a,76b,76c,76dから受け入れて、下方へ案内し、下端の放出口77から放出するシュート部78が備えた中扉79が、開閉可能に取り付けられている。
【0031】
シュート部78は、通常商品40と景品付き商品50が通過可能で、パック商品60は通過できない大きさのものである。
【0032】
受入口76a,76b,76c,76dは、各商品コラムの投出位置に対応する位置に設けられている。また、放出口77は、中扉79を閉じ、扉体3を閉じた時に、無端ベルト70の真上にくる位置に設けられている。
【0033】
最下段を除く各段の商品コラムから投出された商品は、上記シュート部78を介して無端ベルト70上に送り込まれる。また、最下段の商品コラムから投出された商品は、シュート部78を介さずに、直接、無端ベルト70上に、あるいは、直接、商品取出空間74内に送り込まれる。
【0034】
扉体3の内部には、硬貨処理装置,紙幣処理装置,係員用操作部,計時手段等(いずれも図示せず)が設けられている。そして、扉体3を開放した状態で、更に中扉79を開放すると、これら扉体3内部の装置が露出する。この状態で硬貨処理装置や紙幣処理装置のメンテナンス(詰まり解除,紙幣や硬貨の補充および回収等)を行うことができ、また、商品見本展示部8のメンテナンス(商品見本の交換等)を行ったり、係員用操作部による各種の処理(選択ボタンの設定,売上集計等)を行うことができる。また、自販機本体2の内部には、各商品コラムに対応して商品投出ユニット36を駆動する投出用駆動モータと売切検知センサ(いずれも図示せず)が配置され、また、電源装置および制御部(いずれも図示せず)が配置されている。
【0035】
図5は上記自動販売機1の操作,処理および制御系のブロック構成図である。以下、この自動販売機1の操作,処理および制御を説明する。
【0036】
扉体3の商品見本展示部8に商品見本が展示される。そして、係員用操作部によって選択ボタンの設定(選択ボタンと商品コラムの対応、金額等)が行われる。この選択ボタンの設定はそれ自体公知の処理である。
【0037】
また、扉体3の広告表示部11に、販促商品のPRや企業イメージを訴えるポスター類が貼られる。上記自動販売機1は、商品取出口21がコンパクトでかつ片側に寄った位置に設けられ、その分、広告表示部11が広く形成されているので、サイズが大きくて訴求効果が大きいポスター類を表示することができる。また、これらポスター類は、例えばキャンペーン期間等に合わせて所定期間毎に貼り替えるようにできる。
【0038】
また、各商品コラム31,32,33には、対応する商品(通常商品40,景品付き商品50,パック商品60)が装填される。そして、中扉79と共に扉体3が閉じられる。これで販売待機状態となる。
【0039】
この状態で、利用者の購入操作(貨幣の投入,商品の選択)に応じて商品の投出動作が開始される。
【0040】
最下段の商品コラムの商品(図の例では、景品付き商品50あるいはパック商品60)が選択された場合の動作は、図6の(a)および(b)に示すとおりで、対応する商品コラム(例えば、景品付き商品用の商品コラム32)の商品投出ユニット36が駆動されて、その商品コラムの最下位の商品(例えば、パック商品60)が前方に投出される。そして、投出された商品は、直接、無端ベルト70上に載置され、無端ベルト70の駆動によって商品取出空間74に送り込まれる。商品が投出される時、商品搬送手段の前後のガイド板71,72が案内手段として機能し、それにより、商品は確実に無端ベルト70上に載置される。また、商品取出空間74の直上に位置する商品コラムから投出された商品(図の例では、パック商品60)は、直接、商品取出空間74に送り込まれる。
【0041】
また、最下段以外の商品コラムの商品(図の例では、通常商品40あるいは景品付き商品50)が選択された場合の動作は、図7の(a)および(b)に示すとおりで、対応する商品コラムの投出機構36が駆動され、その商品コラムの最下位の商品(例えば、景品付き商品50)が前方に投出される。そして、投出された商品は、受入口(例えば、受入口76d)からシュート部78内に送り込まれ、シュート部78の中を下方に案内されて、放出口77から無端ベルト70上に放出される。その際、シュート部78の放出口77から放出された商品は、前後のガイド板71,72によってガイドされ、確実に無端ベルト70上に載置される。
【0042】
無端ベルト70は、商品の選択動作と前後して駆動が開始され、載置された商品を側方へ搬送して、商品取出空間74に送り込む。そして、商品が商品取出空間74に送り込まれると、商品有無検知センサ75が透光状態となり、透光状態が所定時間(第1の所定時間)以上継続し、かつ、次の選択動作もなされなければ、一連の販売動作が完了したものと判断され、搬送用駆動モータ73が停止される。上記所定時間は、内蔵された計時手段によって計時される。
【0043】
商品取出空間74内の商品は、利用者により商品取出口21から取り出される。この自動販売機1は、商品取出口21及び商品取出空間74がコンパクトに形成されているので、利用者は商品を探すまでもなく容易に取り出すことができ、特に夜間等は便利であり、複数個の商品を購入した場合でも、取り忘れが生じにくい。
【0044】
また、まとめ買い等によって複数個の商品が投出された場合、無端ベルト70上に載置された商品の上に次の商品が載り、更にその上に次の商品が載って、シュート部78内に商品が縦積み状態に並ぶことがあるが、それら商品は、無端ベルト70の駆動に伴って下位の商品から順に側方へ搬送されるので、縦積み状態は次第に解除され、全て正常に投出される。
【0045】
また、複数個の商品が投出された場合に、それら商品(例えば、複数個の通常商品40)が商品取出空間74内に収まりきらず、図8に示すように商品取出空間74から無端ベルト70上に連なってしまい、商品有無検知センサ75は遮光状態が続くことがあるが、このような場合、商品有無検知センサ75の遮光状態が所定時間(第2の所定時間)以上継続すると、搬送ベルトの駆動を一旦停止して、再び駆動を再開するという制御がなされる。この場合の所定時間もまた、内蔵された計時手段によって計時されるものである。そして、その間に、利用者が商品取出空間74内の商品を取り出すと、同空間74内にスペースができ、駆動が再開され時に、その空いたスペースに無端ベルト70上の商品が送り込まれる。そして、この停止および再開による断続駆動が何回か繰り返され、全ての商品が商品取出空間74に送り込まれて、商品有無検知センサ75が透光状態となり、透光状態が所定時間(第1の所定時間)以上継続し、かつ、次の選択動作もなされなければ、一連の販売動作が完了したものと判断され、搬送用駆動モータ73が停止される。
【0046】
また、上記断続駆動が予め設定された所定回数繰り返されても商品有無検知センサ75が透光状態に戻らない場合は、詰まりの発生が考えられるため、搬送用駆動モータ73を逆回転して詰まりの解除を図った後、搬送用駆動モータを再び正回転駆動して商品を商品取出空間74に送り込む制御が行われる。それでも商品有無検知センサ75が透光状態に戻らない場合は、販売動作が停止(メカダウン)される。その場合は、係員による復旧作業を待つことになる。
【0047】
上記自動販売機1は、商品取出口21および商品取出空間74がコンパクトで、幅が広くないため、外部から手を挿入することは難しく、商品コラム内の商品が不当に取り出されるのを防止できる。
【0048】
なお、パック商品用の商品コラムは、最下段であればどこにでも設定可能である。また、最下段を全てパック商品用の商品コラムに設定すれば、販売できるパック商品の種類や数量を大きく増やすことができる。また、パック商品に対するニーズが低い場合には、最下段であっても通常商品用の商品コラムに設定すればよい。
【0049】
また、上の例は、商品搬送手段に無端ベルトを用いたものであるが、商品搬送手段はこれに限るものではなく、例えば、搬送チェーンを利用したものであってもよい。
【0050】
図9〜図11は、実施の形態の他の例の商品搬送手段の部分を示している。この例では、商品搬送手段は、樋状のガイド部材81と、該ガイド部材81の前側に平行に張設される搬送チェーン82とで構成されている。
【0051】
ガイド部材81は、上面および一側(商品取出空間74側)が開放されて通常商品でもパック商品でも受入可能な樋状に形成されたもので、これが、先の例における無端ベルト70およびガイド板71,72に相当する位置に配置される。ガイド部材81には、非開放の一側部分に商品有無検知センサ75用の開口83が形成され、搬送チェーン82に面する前面部分の底面近傍位置には長手方向の略全域にわたってガイド溝84が形成されている。
【0052】
また、搬送チェーン82は、後面側に、棒状の弾性部材(バネ、ゴム等)からなる複数個の搬送部材85が所定のピッチで立設されたもので、それら搬送部材85がガイド溝84を通じてガイド部材81内に突出する配置で、駆動側および従動側のスプロケット86,87に張設される。
【0053】
搬送チェーン82は、駆動側スプロケット86を介し、正逆回転可能な搬送用駆動モータ88によって駆動される。そして、搬送用駆動モータ88が正回転すると、搬送チエーン88は図10中時計回り方向に回転し、搬送部材85がガイド部材81内を商品取出空間74に向けて移動する。この時、ガイド部材81内に商品があれば、その商品はいずれかの搬送部材85によって搬送され、商品取出空間74に送り込まれる。搬送部材85は弾性を有するため、搬送の途中で詰まりが発生した場合でも、商品等に破損を生じさせることはない。
【0054】
なお、この場合も、詰まりの検知とその対処方法は、先のベルト方式の例の場合と略同じでよい。
【0055】
以上、商品搬送手段がベルト方式ものと、チエーン方式のものについて説明したが、いずれの場合も、商品搬送手段は、上述の各例のように自販機本体側に配置してもよく、また、扉体側に配置してもよいものである。商品搬手段を自販機本体側に配置した場合には、扉体の軽量化が図れる。一方、扉体側に配置した場合には、シュート部と搬送手段のつなぎ部分や、商品取出空間と商品取出口のつなぎ部分が固定的となるため、構成が簡単になる上、受け渡しを確実に行えるものとなる。
【0056】
【発明の効果】
本発明はつぎの効果を奏する。
【0057】
▲1▼商品取出口による制約を小さくして、自販機前面のレイアウトの自由度を高め、広告表示部等のスペースの拡大および操作性の向上を実現することができる。
【0058】
▲2▼防盗性を高めることができる。
【0059】
▲3▼商品取出部に投出された商品を容易かつ確実に取り出せるようにできる。
【0060】
▲4▼自販機の大型化を招くことなく大型商品に対する商品コラム設定の自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例に係る自動販売機の外観を示す正面図である。
【図2】同自動販売機の扉体を開放した状態の正面図である。
【図3】同自動販売機の本体の内部側面図である。
【図4】同自動販売機で販売する商品の斜視図である。
【図5】同自動販売機の操作,処理および制御系のブロック構成図である。
【図6】同自動販売機の最下段の商品コラムから商品を投出する状態を示す状態説明図である。
【図7】同自動販売機の最下段以外の商品コラムから商品を投出する状態を示す状態説明図である。
【図8】同自動販売機において多数の商品を投出する状態を示す状態説明図である。
【図9】実施の形態の他の例の商品搬送手段の部分の平面図である。
【図10】図9の例の商品搬送手段の部分の正面図である。
【図11】図10のA−A断面図である。
【符号の説明】
1 自動販売機
2 自販機本体
3 扉体
8 商品見本展示部
11 広告表示部
17 操作部
21 商品取出口
31 商品コラム(通常商品用)
32 商品コラム(景品付き商品用)
33 商品コラム(パック商品用)
40 通常商品
50 景品付き商品
60 パック商品
70 無端ベルト
71,72 ガイド板
74 商品取出空間
75 商品有無検知センサ
78 シュート部
81 ガイド部材
82 搬送チェーン
85 搬送部材
Claims (3)
- 商品を上下に集積収納するとともに、その集積収納された商品を最下位のものから順に投出する複数の商品収納部を備えた自動販売機であって、
前記各商品収納部から投出された商品を下方へ案内する案内手段と、
当該自動販売機の下部域に設けられ、前記案内手段により案内された商品を該自動販売機の幅方向一側に向けて搬送する商品搬送手段と、
前記商品搬送手段の搬送方向末端近傍で該自動販売機の幅方向一側に寄った位置に設けられ、搬送された商品を取り出せるよう外部へ連通する商品取出部と、
前記商品搬送手段上の商品の有無を検知する商品有無検知手段と、
前記商品有無検知手段が所定時間以上継続して商品有りを検知した時は、前記商品搬送手段の駆動を一旦停止した後、駆動再開する制御を実行し、該制御による断続駆動を、商品無しが検知されない限り所定回数繰り返す断続駆動制御手段と、
前記断続駆動を所定回数繰り返しても前記商品有無検知手段が商品無しを検知しない場合には、前記商品搬送手段の駆動を逆回転して詰りの解除を図った後、再び正回転駆動する制御を実行し、それでも商品無しを検知しない場合には、当該自動販売機の販売動作を停止させるメカダウン手段を備えたことを特徴とする自動販売機。 - 前記商品有無検知手段は、前記商品搬送手段の直上を搬送方向に沿って検知ラインが走るように配置されている請求項1記載の自動販売機。
- 商品搬送手段が、略水平に張設される無端ベルトと、該無端ベルトを駆動する駆動手段とからなる請求項1または2記載の自動販売機。
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