JP3155984B2 - タンパク質の安定化のための金属イオン結合部位における静電的相互作用の操作 - Google Patents

タンパク質の安定化のための金属イオン結合部位における静電的相互作用の操作

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Description

【発明の詳細な説明】 関連出願のクロス・リファレンス 本出願は、1987年4月6日に出願した米国特許出願第
034,965号の一部継続出願であり、そのすべての内容は
参照のため本明細書中に組み込まれる。
発明の分野 本発明は、タンパク質の二価金属イオン結合部位に変
更を加えることにより安定性の高められたタンパク質の
設計に関する。
発明の背景 タンパク質は、アミノ酸の直線状ポリマーである。タ
ンパク質を生成する重合反応からは各アミノ酸から水1
分子が失われる結果となるので、タンパク質はしばしば
アミノ酸「残基」からなると言われる。天然のタンパク
質分子は20種もの異なるタイプのアミノ酸残基を有して
おり、各タイプのアミノ酸残基は特有の側鎖を含有して
いる。タンパク質中のアミノ酸配列は、タンパク質の一
次構造を決定する。
タンパク質は3次元構造に畳み込まれる。畳み込み
は、アミノ酸配列およびタンパク質の環境により決定さ
れる。タンパク質の注目すべき性質は、その3次元コン
ホメーションに直接依存している。従って、このコンホ
メーションが、酵素の活性または安定性、結合タンパク
質の結合能および異性体、およびレセプター分子の構造
的貢献度を決定する。タンパク質分子の3次元構造はそ
れほど重要であるので、タンパク質の3次元構造を安定
化するための手段が非常に望ましいと長い間認識されて
きた。
タンパク質の3次元構造は、多くの方法により決定す
ることができる。タンパク質の構造を決定するのに知ら
れたおそらく最も優れた方法には、X線結晶学の技術を
用いることが含まれる。この技術の優れた一般的な概説
は、Physical Bio−chemistry、バン・ホールド(Van H
olde,K.E.)(プレンティス・ホール(Prentice−Hal
l)、NJ(1971)、221〜239頁)に示されており、該文
献を参照するためここに引用する。この技術を用いて3
次元構造を相当正確に解明することが可能である。ま
た、円偏光二色性、光散乱を用い、または放射エネルギ
ーの吸収および発光を測定することによってもタンパク
質の3次元構造を究明することが可能である(バン・ホ
ールド、Physical Biochemistry、プレンティス・ホー
ル、NJ(1971))。加えて、タンパク質構造は、中性子
回折の技術を用いることによって、または核磁気共鳴に
よって決定することもできる(Physical Chemistry、第
4版、ムーア(Moore,W.J.)、プレンティス・ホール、
NJ(1972)、該文献を参照のためここに引用する)。
数多くの天然のタンパク質を調べることにより、幾つ
かの繰り返しパターンがあることがわかった。α−ヘリ
ックス、平行β−シート、および逆平行β−シートが最
も一般的に観察されるパターンである。そのようなタン
パク質パターンに関する優れた記載が、ディッカーソン
(Dickerson,R.E.)らのザ・ストラクチャー・アンド・
アクション・オブ・プロテインズ(The Structure and
Action of Proteins)、ダブリュー・エイ・ベンジャミ
ン(W.A.Benjamin,Inc.,)、CA(1969)に見られる。各
アミノ酸をこれらパターンの1つに割り当てるとタンパ
ク質の二次構造が定められる。ヘリックス、シートおよ
びタンパク質二次構造の折り返しが一緒になってタンパ
ク質の3次元構造を生成する。多くのタンパク質の3次
元構造は、内部表面(タンパク質が通常見出だされる水
性環境からは離れて存在)および外部表面(水性環境に
極めて近接して存在)を有することで特徴付けられる。
多くの天然タンパク質を研究した結果、研究者らは、疎
水性残基(トリプトファン、フェニルアラニン、チロシ
ン、ロイシン、イソロイシン、バリン、またはメチオニ
ンなど)がタンパク質分子の内部表面上に非常にしばし
ば見られることを発見した。これとは対照的に、親水性
残基(アスパラギン酸塩、アスパラギン、グルタミン酸
塩、グルタミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、セ
リン、トレオニン、グリシン、およびプロリン)は、タ
ンパク質の外部表面上に非常にしばしば見られる。アミ
ノ酸のアラニン、グリシン、セリンおよびトレオニン
は、タンパク質の内部表面および外部表面の両方で同じ
位の頻度で見出だされる。
タンパク質は、畳み込まれた秩序ある状態と畳み込ま
れていない無秩序な状態との間での動的平衡で存在す
る。この平衡は、一部、ポリペプチド鎖の異なる部分間
での短距離相互作用(タンパク質構造を安定化する傾
向)を反映し、一方において、熱力学的な力(分子の無
秩序化を促進する傾向)を反映する。
金属イオンは、タンパク質の3次構造中の特定部位に
結合することによりタンパク質を安定化するものとして
長い間知られてきた。確かに、好熱性菌から単離した多
くのタンパク質は、カルシウムイオン結合部位を含有す
ることが示されている。これらの部位は、好熱性菌の存
在する上昇温度環境でこれらタンパク質が機能するため
に必要な高められた安定性に寄与している。たとえば、
好熱性菌バシラス・サーモプロテオリティックス(Baci
llus thermoproteolytichs)からの中性プロテアーゼで
あるサーモリシンは、4つのカルシウム結合部位を含有
していることがわかった。熱的不活化の度合に対するカ
ルシウムイオンの依存性を調べることにより、畳み込ま
れないGに対するこれら部位の総貢献度が8.1〜9.2Kcal
/モルであると推定することが可能となった(ボルドウ
(Vorrdouw)らのBiochemistry 15:3716−3724(197
6))。
たとえば、サーパース(Serpersu)ら(Biochemistry
26:1289〜1300(1987))は、ブドウ状球菌ヌクレアー
ゼのカルシウム結合部位にある残基アスパラギン酸40の
カルボン酸塩リガンドをグリシンで置き換えて、カルシ
ウムイオンに対する親和性が7.4倍増加するという結果
を得た。同様に、ツズ(Tsuju)ら(Proc.Nat'l.Acad.S
ci.USA、83:8107〜8111(1986))は、発光タンパク質
エクオリン中のカルシウム結合ループ付近に存在するグ
リシンを正に荷電したアルギニンに変えて、これら部位
における金属結合親和性の減少を起こさせた。しかしな
がら、特定のアミノ酸置換によってタンパク質の特定の
部位において二価金属カチオンの結合親和性を増加させ
ることにより、安定性の高められたタンパク質を設計す
ることが望ましい。
発明の概要 本発明は、タンパク質の金属イオン結合部位に極めて
近接して存在するアミノ酸残基を変えることにより、タ
ンパク質の安定性を高めるべくタンパク質を再設計する
方法を提供するものである。詳しくは、この発明の方法
は、以下の工程を含む。
1.金属イオン結合構造部位をタンパク質安定性について
ある種のパラメーターと相関させること、および 2.該部位に極めて近接して存在するアミノ酸残基の置
換、挿入、または欠失により該部位を変化させ、該アミ
ノ酸と金属イオンとの間の静電誘引相互作用を増加させ
ること。
タンパク質安定性のパラメーターとの相関のために金
属イオン結合部位を同定するに当たって、所望のタンパ
ク質の3次元構造を分析するかまたは進化的に関連した
ある種の変異体を分析することができる。そのような3
次元構造は出版物から入手することもできるし、または
X線結晶学の公知方法により決定することもできる。
アミノ酸残基の置換、挿入、または欠失により金属イ
オン結合部位を変えるに当たって、この発明の方法にお
いて以下の工程を考慮する。
(a)置換、挿入、または欠失のためのアミノ酸として
金属イオン結合部位にできるだけ近接したアミノ酸を選
択するが、立体障害をもたらさないようにすること、 (b)置換、挿入、または欠失のためのアミノ酸とし
て、進化的に関連した相同タンパク質中に保存されてい
ないアミノ酸を優先して選択すること、 (c)結合金属イオンに近接して存在する正に荷電した
アミノ酸残基を非荷電または負に荷電したアミノ酸残基
に変えること、および (d)新しいアミノ酸残基の導入をシミュレートするた
めにコンピューターグラフィックスを優先して用いるこ
と。
さらに、本発明は、この発明の方法に従って安定性が
高められるように再設計されたタンパク質にも関する。
図面の簡単な説明 第1図は、サブチリシンBPN′の1.3Å解像X線立体構
造を示す。2つのカルシウム結合部位をCaAおよびCaBで
表してある。
第2図は、カルシウムA(CaA)結合部位の詳細な立
体構造情報を示す。
第3図は、カルシウムB(CaB)結合部位の詳細な立
体構造情報を示す。
第4図は、65℃におけるサブチリシンの熱的不活化の
度合に対するカルシウムイオンの依存度を示す。サブチ
リシン7172に関するデータは(▲)で、野生型サブチリ
シンBPN′に関するデータは(■)で示す。(●)はサ
ブチリシンBPN′に及ぼすMgCl2の影響を示す。実線は、
図示した親和性(Kd)を有する単一の金属イオン結合部
位についての理論的な滴定曲線を示す。
第5図は、65℃におけるサブチリシン7148の熱的不活
化の度合に対するカルシウムイオンの依存度を示す。
定義 本発明の記載に際し以下の定義を使用する。
タンパク質 生きた細胞によって作られたアミノ酸からなるヘテロ
ポリマー。典型的なアミノ酸は、100〜1000個のアミノ
酸からなる。アミノ酸の正確な配列は、タンパク質の構
造および機能を決定する。
アミノ酸 タンパク質の構築ブロックである天然に存在する20種
の化合物の1つ。天然のアミノ酸は、第1表に従って3
文字かまたは1文字に略される。アミノ酸は、頭部と尾
部が結合して長い主鎖を形成する。各アミノ酸は、異な
る側鎖基を有する。 第1表 アミノ酸名および略語 アミノ酸 3文字コード 1文字コード アラニン Ala A アルギニン Arg R アスパラギン酸 Asp D アスパラギン Asn N システイン Cys C グルタミン酸 Gly E グルタミン Gln Q グリシン Gly G ヒスチジン His H イソロイシン Ile I ロイシン Leu L メチオニン Met M フェニルアラニン Phe F プロリン Pro P セリン Ser S トレオニン Thr T トリプトファン Trp W チロシン Tyr Y バリン Val V 原子名 すべてのアミノ酸は主鎖には同じ原子を有し、側鎖に
おいてのみ異なる。主鎖の原子は、1個の窒素原子、2
個の炭素原子、および1個の酸素原子である。第一の原
子は窒素であって、単純にNと呼ぶ。つぎの原子は炭素
であって、α−炭素と称す。側鎖はこのα−炭素に結合
している。α−炭素は、Cと称されるカルボニル炭素に
結合している。Cはカルボニル酸素(Oと称す)および
隣の残基のNに結合している。側鎖基は、元素(C、
O、N、S)、ギリシャ文字(α、β、γ、δ、ε、ζ
およびη)、および側鎖基が分岐しているときはおそら
くアラビア数字からなる名前で示される。
自由エネルギー 動的平衡における系の挙動を記載する熱力学的量。記
号Gは、ギブズ自由エネルギーを表す。
静電誘引相互作用 静電誘引相互作用は、クーロンの法則: ΔE=ZaZbe2/Deffrab (式中、ΔEは、最初に無限大に離れていた2つの電
荷、aおよびbをある距離、rabにもってきた結果によ
るエネルギー変化である)により定義される。Zaおよび
Zbは、単位電荷のそれぞれの数であり、eは電荷の1単
位である。電荷aおよびbが反対の符号であるときは、
クーロン相互作用は誘引性となる。正の電荷が二価の金
属イオンであり、負の電荷がタンパク質構造中の点の配
列からくるものであるときは、タンパク質の折り畳みを
解くためにこの誘引相互作用に係る同じエネルギーに打
ち勝たなければならない。このことは、金属イオン結合
の自由エネルギーが折り畳み解消のための全自由エネル
ギー変化、ΔGμに加えられること、従って、この後者
のパラメーターが一層増加し平衡が折り畳み状態へシフ
トすることを意味している。
金属イオン結合部位 二価金属イオン結合のために適当な幾何学的配列およ
び静電的配置をとるように畳み込まれたポリペプチド鎖
の構造部分。これは結合金属イオンの回りのタンパク質
原子の物理的配列である。
タンパク質安定性 タンパク質は、ここでは畳み込み解消のGにより定義
される。ΔGが大きくなればなるほど、畳み込み畳み
込み解消の平衡は畳み込み状態の方へシフトする。走査
熱量測定により測定した畳み込み解消転移の中間点、Tm
からΔGμを推定することができる。別のやり方とし
て、熱的不活化の度合からタンパク質の動力学的安定性
を測定することもできる。
発明の詳細な説明 この発明は、正しく畳み込まれ生物学的および/また
は触媒的に活性なタンパン質の状態の安定性を高めるた
めに、タンパク質の3次構造を再設計する方法に関す
る。この発明の方法は、金属イオン結合の結合定数を大
きくするためにタンパク質と二価金属カチオンとの間の
静電相互作用をいかにして増加させるかを示すものであ
る。解離の自由エネルギー、ΔGelの増加により測定さ
れるタンパク質と金属イオンとの間の静電的誘引の増加
は、所望のタンパク質の畳み込み解消の自由エネルギ
ー、ΔGμの増加として直接表され、畳み込まれたタン
パク質構造の安定性が高められる。
アミノ酸残基の置換、欠失、または挿入により金属イ
オン結合部位の変更を設計するための指導原理となるの
はクーロンの法則: ΔE=ZaZbe2/Deffrab (等式1) (式中、ΔEはKcal/モルで測定され、2点電荷、aお
よびbからなる系において、これら電荷をその隔離距
離、rabの関数として一緒にもってきたときのエネルギ
ー変化である)である。ZaおよびZbは、単位電荷のそれ
ぞれの数であり、eは電荷の1単位(4.8032×10-10es
u)であり、Dは比誘電率である。二価金属カチオンの
場合は、Za=2+である。Zbが反対の符号の電荷である
ときは相互作用は誘引性であり、系のエネルギーは減少
する。しかし、Zbの符号が正であるときは相互作用は反
発性となり、系のエネルギーは増大する。タンパク質の
ような天然の系では電荷が点電荷ではなく、立体障害が
生じる前にrabがどれほど小さくなるかについて限界が
ある。それゆえ、rabの下限は低分子量モデル金属イオ
ン錯体で2〜3Åの範囲であることがわかっている。
静電相互作用が金属イオンと負に荷電したまたは双極
子リガンドとの間のものである特別の場合については、
ベス(H.Bethe)によって1929年に最初に説明された静
電結晶場理論(CFT)を使用することにより充分研究さ
れ理解されている。この理論は、金属イオンとリガンド
との間の相互作用を純粋に静電的な問題として扱ってお
り、リガンドは点電荷(または点双極子)として扱われ
ている。この理論は、幾つかの金属−リガンド相互作用
の共有結合的性質を的確に説明することができなかった
ので、共有原子価が可能となるように修正結晶場理論
(ACFT)またはリガンド場理論(LFT)に修正されてき
ている(コットン&ウイルキンスン(Cotton&Wilkinso
n)のアドバンスト・インオーガニック・ケミストリー
(Advanced Inorganic Chemistry)、インターサイエン
ス、ジョン・ウイリー刊、NY、第3版(1972))。しか
しながら、等式中の二価金属イオンが第II族金属、たと
えばMg2+、Ca2+、Sr2+、およびBa2+である場合は、CFT
はこれら金属イオン錯体の幾何配列、親和性(Kd)、お
よび他の物理化学的パラメーターを予測するのに充分役
立つ。これらの場合にCFTがうまくいく理由は、遷移金
属イオン錯体の共有原子価に係るd電子軌道が第II族二
価金属イオン錯体では空であるために、実験結果を理論
と相関させることが極めて簡単になるという事実による
ものである。
タンパク質における静電相互作用でみられる不確実さ
の主要な要因の1つは、比誘電率である。比誘電率は、
遮蔽効果および荷電効果に依存して一様でなく変化す
る。畳み込まれたタンパク質の3次構造内の静電電荷の
効果的なスクリーニング(誘電値)を擬態するために多
くの試みがなされてきている(マシュー(Mattew)のAn
n.Rev.Biophys.Chem.,14:387〜417(1985))。しかし
ながら、最も精巧なモデルさえもタンパク質内部のイオ
ン化し得る基の固有pKa値を計算しようとすると5kcal/
モルの誤差の範囲が出てしまう(ラッセル&ウォーシェ
ル(Russel&Warshel)、J.Mol.Biol.,185:389〜404(1
985))。にもかかわらず、静電相互作用は、並のスク
リーニングにおいてさえも比較的長い距離にわたって重
要であると期待されており、直線距離に反比例して変化
する。
上記静電力はまた非荷電だが極性の分子間での相互作
用にも関与するが、相互作用のエネルギーは単純なイオ
ン間のものに比べて一層複雑である。そのような相互作
用のエネルギー発現もまた、一般にそのような分子間の
距離に反比例し、通常は1よりは大きいが6よりは小さ
な力まで上昇する(クレイトン(Creighton)、プロテ
インズ:ストラクチャー・アンド・モレキュラー・プロ
パティーズ(Proteins:Structure and Molecular Prope
rties)、フリーマン(Freeman&Co)、N.Y.(198
4))。これは、静電場、すなわち第II族金属、M2+に近
接しているときの双極子の分極性によるものである。従
って、荷電イオンの結果を予測することは一層容易であ
る。このような理由から、この発明においては第II族金
属、M2+、およびアミノ酸残基の荷電側鎖;AspおよびGlu
のCOO-.リジンおよびアミノ末端のNH3+、およびArgのグ
アニジンカチオン基を用いるのが好ましい。
この発明の方法に従えば、二価金属イオンに対するタ
ンパク質中の金属イオン結合部位の親和性を高めること
ができる。一般に、この発明の方法は以下の工程からな
る。
A.)金属イオン結合構造部位をタンパク質安定性につい
てある種のパラメーターと相関させること−このパラメ
ーターは、上昇温度および金属イオンの種々の濃度での
動力学的実験から得られた熱的不活化の度合であってよ
い。別のやり方として、熱量測定または畳み込み解消転
移の他の物理的評価から得られた、融点温度、Tm、の熱
力学的測定法を用いることもできる。これらの測定によ
り、所望の仕方で安定性が首尾よく得られた程度を推定
することができるだけでなく、この部位の二価金属イオ
ンに対する親和性を推定することもできる。
タンパク質安定性についてのパラメーターと相関させ
るために金属イオン結合部位を同定するに当たって、所
望のタンパク質の3次元構造を分析するかまたはある種
の進化的に関連する変異体を分析することができる。そ
のような3次元構造は、出版物から入手することもでき
るし、またはX線結晶学の公知方法により決定すること
ができる。構造的情報を得るための他の方法としては、
円偏光二色性、光散乱、放射エネルギーの吸収および発
光を測定すること、中性子回折、および核磁気共鳴が挙
げられる。
B,)金属イオン結合部位に極めて近接して存在するアミ
ノ酸の置換、挿入、または欠失により該部位を変化さ
せ、アミノ酸と金属イオンとの間の静電誘引相互作用を
増加させること−これらのアミノ酸変化は、オリゴヌク
レオチド部位での(site−directed)インビトロ突然変
異誘発の技術により、該タンパク質のクローンされた配
列遺伝子中へ導入することができる。この方法は、ブラ
イアン(Bryan)らのProc.Nat'l.Acad.Sci.USA83:3743
〜3745(1986)中に詳細に記載されており、該文献を参
照のためここに引用する。
部位突然変異誘発による置換、挿入、または欠失のた
めに、結合金属イオンに極めて近接して存在するアミノ
酸を選択する基準は以下の通りである。
置換、挿入、または欠失のためのアミノ酸として結合
金属イオンにできるだけ近接したアミノ酸を選択するよ
うにするが、立体障害を招かないようにすること。置
換、挿入、または欠失のためのアミノ酸は、結合部位に
おける静電誘引力の距離と幾何配列を最適にするものを
選択する。
(a)アミノ酸を置換するに当たって、進化的に関連し
た相同タンパク質中に保存されていないアミノ酸を優先
して変化させるべきである。進化的に関連した相同タン
パク質中に保存されているアミノ酸は、一般に、これら
保存アミノ酸がタンパク質にとって有利なものであり保
存されるべきであることを示している。一方、変化させ
ようとするタンパク質と進化的に関連した相同タンパク
質との間で金属イオン結合部位領域が異なっているアミ
ノ酸置換を評価すべきである。従って、たとえば、変化
させようとするタンパク質が結合領域に中性残基を含有
しており、関連するタンパク質がAspまたはGlu(負に荷
電している)を含有しているときは、この中性残基をAs
pまたはGluで置換することは優先的に行うべきである。
(b)アミノ酸残基を挿入および/または欠失させるに
当たって、リガンド相互作用の距離および幾何配列を最
大にするアミノ酸を優先させるべきである。一般に、こ
のことには、アミノ酸と金属イオンとの間の半径をでき
るだけ2.5Åに近付けることが含まれ、これは立体障害
を起こさずに行うことが可能である。たとえば、Aspま
たはGluに変化させたときに金属イオンからの位置が最
適(2.5Å)でないときは、この近接に挿入または欠失
を導入することによりAspまたはGluを最適とわかってい
る距離に近くなるように回転させることができる。
(c)結合金属イオンに近接して存在する正に荷電した
残基は、中性または負に荷電した残基に変えるべきであ
る。正に荷電した残基はまた、単純に欠失させてしまっ
てもよい。中性または負に荷電した残基を挿入してもよ
い。この発明の方法に従って、挿入、欠失、および置換
を組合わせることも想起される。二価金属イオンは正の
電荷を有しているので、正に荷電した残基を中性または
負に荷電した残基に変えることは金属イオン結合部位の
親和性を高めることになる。
ついで、上記基準により選択した候補アミノ酸置換
を、VAX 11/780のような適当な構成のコンピューター
と接続したエバンス・サザーランド・モデル(Evans Su
theland Model)PS330のような高解析コンピューターグ
ラフィックシステムでシミュレートする。そのようなグ
ラフィックスシステムにより、企図した変化をグラフで
表すことができ、ポリペプチド折り畳みの主鎖原子の移
動がないものと仮定して、新たなアミノ酸残基により明
らかな立体障害がもたらされなかったかどうかを試験す
ることができる。そのような分析に用いられる基準は以
下の通りである。
a)企図した残基の側鎖のほとんどの原子における原子
間距離を、タンパク質構造中で最も近接して存在するほ
とんどの原子における原子間距離とともに測定する。
b)いずれかの原子のファンデルワールス半径に重大な
障害があったり、いずれかの負に荷電間に激しい静電反
発があるときは、1または2以上の結合を回転させてこ
れらの作用を減少させる。a)かまたはb)によって構
造にそれほどひどいファンデルワールス半径障害や静電
反発がもたらされないときは、該タンパク質中に企図し
た変化を部位突然変異により導入する。重大なファンデ
ルワールス障害や静電反発が持続するときは、その変化
には試験評価に対し低し優先性を付与する。
この発明の方法により再設計することのできるタンパ
ク質には、M2+金属結合部位を有するものが含まれる。
カルシウム以外の二価金属イオン結合部位を有する酵素
も知られてはいるけれども、二価金属イオン結合部位を
有するタンパク質の大部分はカルシウムイオン結合部位
を有する酵素である。再設計すべきタンパク質の選択
は、もちろん、再設計タンパク質の最終的な使用目的に
依存する。さらに、本明細書において使用するタンパク
質なる語はまた、ポリペプチドのようなタンパク質断片
をも意味することを意図している。
天然に存在するタンパク質の最大の部類は酵素からな
る。一般に各酵素は異なる種類の化学反応を触媒し、通
常、その機能は極めて特異的である。生物の一定の種内
においては、天然に存在する酵素の個々のタイプにおい
てはわずかな変異があるものの、同種生物によって産生
される特定のタイプの酵素は、基質特異性、熱安定性、
種々の条件下(たとえば、熱およびpH)での活性レベ
ル、酸化安定性などに関して実質的に同一である。天然
に存在する、または「野生型」酵素のそのような特性
は、酵素の天然環境の範囲を越えて利用するために最適
化することは必ずしもできない。従て、酵素のある種の
性質を特定の使用目的のために最適化するために、ある
いはこの発明に従って特定の環境中で使用するために酵
素の天然の特性を変えることが望ましい。
この発明による方法は、セリンプロテアーゼを変異さ
せ、ある種の特性、特に熱安定性を高めるために使用す
るのが好ましい。プロテアーゼは、ペプチド結合を開裂
させる触媒である。セリンプロテアーゼは活性部位に本
質的なセリン残基を有する酵素であり、ペプチド結合の
加水分解を触媒する。セリンプロテアーゼは、フェニル
メタンスルホニルフルオリドにより、またはジイソプロ
ピルフルオロホスフェートにより阻害することができ
る。サブチリシンは、グラム陽性細菌または真菌により
産生されるセリンプロテアーゼである。これらのセリン
プロテアーゼには、バシラス・アミロリケファシエンス
(Bacillus amyloliquefaciens)からのサブチリシンBP
N′,バシラス・リシェニフォルミス(Bacillus lichen
iformis)からのサブチリシンカールスバーグ(Carlsbe
rg)、バシラスDYからのサブチリシンDY、バシラス・ア
ミロサッカリチクス(Bacillus amylosachariticus)か
らのサブチリシンアミロサッカリチクス、およびメセン
テリコペプチダーゼ(mesentericopeptidase)のような
バシラス種からのものが含まれるが、これらに限られる
ものではない。プロテアーゼK、サーモミコラーゼ(th
ermomycolase)、およびサーミターゼ(thermitase)
(サーモアクチノマイセス・ブルガリス(Thermoactino
myces vulgaris)から)のような真菌プロテアーゼもま
た、細菌宿主中で産生される哺乳動物プロテアーゼと同
様、本発明に従って高めることができる。
この発明の方法に従って再設計すべき他の好ましいタ
ンパク質としては、弱い二価金属イオン結合部位を有す
るタンパク質が挙げられる。そのようなタンパク質の例
には、α−アミラーゼ、グルコースイソメラーゼ、テモ
リシン(themolysin)、および中性プロテアーゼが含ま
れる。カルシウム以外の二価金属との結合部位も知られ
てはいるが、野生型タンパク質における二価金属は一般
にカルシウムである(クレイトン、プロテインズ:スト
ラクチャー・アンド・モレキュラー・プロパティーズ、
フリーマン、N.Y.(1984)). アミノ酸置換、欠失、および挿入は、部位(すなわ
ち、オリゴヌクレオチド)突然変異誘発により行うこと
ができる。部位突然変異誘発は当該技術分野でよく知ら
れており、詳細はブライアンらのPro.Nat'l Acad.Sci.U
SA 83:3743〜3745(1986)に記載されており、該文献を
参照のためここに引用する。
さらに、この発明の他の態様において、領域での(re
gional directed)インビトロランダム突然変異誘発を
用いることにより、所望のタンパク質の金属イオン結合
に係るループ中のアミノ酸残基を変えることができる。
インビトロランダム突然変異誘発の好ましい手順は、米
国特許出願第828,545号およびPCT出願第PCT/US87/00348
号各明細書に詳細に記載されており、両文献を参照のた
めここに引用する。この手順により生成する新たな変異
体は、タンパク質安定性の高められた所望のパラメータ
ーを示す変異体についてスクリーニグし選択することが
できる。これらのスクリーニグし選択した変異体を、つ
いで、まず遺伝子操作によりアミノ酸残基の変化を同定
してさらに特徴付けを行うことができる。加えて、安定
性を動力学的および熱力学的に特徴付けることにより、
これらのスクリーニグし選択した変異体をさらに同定す
ることができる。最後にこれらの変異体タンパク質を結
晶化させ、X線結晶学的構造を高解析で得て、増大した
安定性を知られたタンパク質構造情報と相関させること
ができる。
これらの異性体タンパク質の安定性をさらに高めるた
めに、この発明の上記方法に従って金属イオン結合部位
異に極めて近接して存在するアミノ酸残基の修飾をさら
に行うことができる。
一般に、所望の酵素をコードする遺伝子を突然変異さ
せるに先立って、一般に遺伝子をまずその天然源から単
離し、クローニングベクターにてクローニングする。別
法として、所望の遺伝子から転写したmRANを細胞源から
単離し、クローニングベクター中に挿入するために逆転
写によりcDNAに変換することができる。クローニングベ
クターはファージまたはプラスミドであってよく、一般
に微生物のゲノムとは独立して該微生物中でベクターの
自律複製を行うためのレプリコンを含んでいる。クロー
ニングベクターは、該ベクターにより形質転換した微生
物の選択を容易にするために、抗生物質耐性をコードす
るDNAのような1または2以上の表現型マーカーを含ん
でいるのが有利である。
クローニングするためにDNAまたはcDNAをベクター中
に挿入する手順は、当該技術分野でよく知られている。
一般にこれらの手順には、ベクターの制限エンドヌクレ
アーゼ開裂部位に所望の遺伝子を挿入することが含ま
れ、またデオキシヌクレオチドのポリマー末尾を該遺伝
子の末端に付加し、それと相補的なポリマー末尾を有す
るクローニングベクターの開裂末端に該遺伝子を結合さ
せることが含まれる。
部位突然変異により変えようとする所望の遺伝子は、
発現ベクター中に存在してもよい。発現ベクターは、通
常、典型的なクローニングベクターの要素、すなわち1
または2以上の上記レプリコン、および1または2以上
の選択用表現型マーカーを含んでいるので、一般にクロ
ーニングベクターの定義の中に含まれる。加えて、発現
ベクターは、プロモーター、オペレーター、リボソーム
結合部位、および翻訳開始シグナルをコードする調節配
列を含んでいる。調節配列の指揮の元に発現するため
に、本発明に従って処理すべき標的遺伝子を該調節配列
と適当な解読枠で作動するように結合させる。目的のDN
A配列を含む発現ベクターはファージであってもプラス
ミドであってもよいが、プラスミドであるのが好まし
い。
この発明の方法を用いることにより、Pro172をAspに
アミノ酸置換したサブチリシン7172を生成した。第4図
に示すように、この新規なサブチリシン7172は、野生型
サブチリシンBPN′と比べてカルシウムに対する親和性
が5倍増加している。Pro172をGluにアミノ酸置換した
サブチリシン8312もまた生成した。サブチリシン8312は
サブチリシン7172と同様であることがわかった。Gly131
をAspにアミノ酸置換したサブチリシン7148もまた生成
した。第5図は、新規なサブチリシン7148が野生型サブ
チリシンBPN′と比べてカルシウムに対する親和性が2
倍増加している。実施例で論述するように、この結合力
の相違は置換物と結合部位との間の距離によるものと思
われ、サブチリシン7172および8312では二価金属カチオ
ンから5Å、サブチリシン7148では10Å離れている。
この発明は、種々の条件下で他種類のタンパク質の安
定化のために有用であることを意図している。たとえ
ば、微生物のセリンプロテアーゼは、界面活性剤の性能
を高めるために界面活性剤組成物の活性成分として用い
る。サブチリシン様プロテアーゼは、現在、衣類から血
液やミルクのようなタンパク質のしみの除去を改善する
ために界面活性剤組成物中で用いられている。これらの
界面活性剤組成物のpH、温度、遊離金属イオン濃度、お
よび界面活性剤含量(疎水性)などの条件は、しばし
ば、正しく畳み込まれた状態の酵素、すなわちサブチリ
シン様プロテアーゼに対し有利なものではない。それゆ
え、本発明は、これらの応用例に使用できる安定性の高
められたサブチリシン酵素を提供するものである。
とりわけ、その発明のサブチリシン酵素は、液体界面
活性剤、特に、織物のクリーニングに用いるクエン酸ベ
ース液体界面活性剤のような洗浄剤組成物の添加剤とし
て用いることができる。この発明のサブチリシン酵素は
野生型サブチリシンよりも熱的に安定であるので、界面
活性剤とともに溶液中に貯蔵したりクリーニングに使用
中に高熱にさらされたときでも野生型のものほど急速に
活性を失うことはない。この発明のサブチリシン酵素を
洗浄剤組成物中で添加剤として使用することにより、織
物上のタンパク質性のしみの除去が向上する。洗浄剤組
成物の添加剤として使用するサブチリシン酵素の量は、
当該技術分野でよく知られており、または日常的な実験
により容易に確かめることができる。酵素濃度の最適範
囲は、もちろん、酵素コストおよび必要なクリーニング
の量と関係するであろう。一般に、洗浄剤組成物に添加
するサブチリシン酵素の量は、約2000〜約4000アルカリ
デルフトユニット(Alkaline Delft Units)/g(ADU/
g)洗浄剤組成物であろう。
以下の実施例は、本発明を説明するためのものである
が、これらに限定されるものではない。
実施例I サブチリシンBPN′の再設計 1.3Å解析でのサブチリシンBPN′のX線結晶学的構造
を第1図に示す。この球状タンパク質の反対側の端部に
2つの金属イオン結合部位があるのがわかった。一方の
部位はNH2末端の近くに位置しており、この部位は4℃
でEDTAが存在しているときでもカルシウムイオンに優先
的に結合することがわかったのでカルシウム部位Aと名
付ける。この部位の一層詳細な観察を第2図に示してあ
る。2つのAsp41酸素リガンドを1つの部位として考え
るならば、7つのタンパク質由来酸素リガンドが部位A
の周囲におよそ八面体の幾何学構造で配置されている。
これらリガンドのうち3つは主鎖カルボニル酸素原子で
あり、Ile79、Val81、およびLeu75に由来する。他の4
つはAsp41、Gln2、およびAsn77の側鎖に由来する。7つ
のすべては、2.4Åの酸素−カルシウム平均距離を有す
る。
第二の金属結合部位はカルシウム部位Bと表示され、
部位Aから約20Åのところに位置している。この第二の
部位は、ポリペプチド鎖の2つの部分で定められる裂け
目に位置する。このうち第一の部分は、リガンドとして
の3つの主鎖カルボニル酸素原子:Gly169、Tyr171、お
よびVal174(第3図参照)を付与し、また第二の部分
は、側鎖カルボキシル基(Asp197)に由来する酸素原子
とともにさらに別の主鎖酸素原子(Glu195)を付与す
る。2つの水分子が、7座配位球を完成させる。この部
位は表面に位置するので、部位Aよりも一層溶媒にさら
される。カチオン−酸素リガンドの平均距離もまた部位
Bの方が長い(部位Aの2.9Åに対して2.4Å)。これら
2つの部位での実際のカルシウム−リガンド距離につい
ては第II表を参照のこと。
これら2つの部位の化学的性質は、それらの構造が示
唆するほどの相異を示す。たとえば、野生型サブチリシ
ンの単一結晶を4℃近くの5mM EDTA中に24時間浸漬し、
回折データを2.0Å解析まで集めた。示差フーリエ(Dif
ference Fourier)[F(天然)−F(EDTA)]分析に
より、部位Aでは変化が生じなかったことがわかった。
この結果は、4℃で1mM EDTA溶液(20mM Hepes)に対し
て充分に透析した後の野生型タンパク質の金属イオン分
析の結果と一致するものである。これらの条件下で該タ
ンパク質は、酵素1モル当たりなおカルシウム0.45モル
を結合させたことがわかった。これと同様の結合はボー
ドゥー(Voordouw)ら、Biochemistry、15:3716〜37(1
976)によって報告されており、彼等は、25℃において
カルシウムのサブチリシンBPN′に対する結合のKdはEDT
Aに対するKd(Kd10-11)よりも小さいと推定した。本発
明者らは、異なる金属イオンキレートの存在下での示差
走査熱量測定により判断されるように、この部位に対す
るカルシウム結合のKdは60℃近くで10-8〜10-12である
と推定した。
カルシウム結合部位Bの化学的性質は、若干異なる。
F(天然)−F(EDTA)示差フーリエ分析により、結晶
を5mM EDTAで処理した後に部位Bにおけるイオン環境の
再配列が示された。この電子密度差異を他のサブチリシ
ン結晶調製物で行った観察とともに解釈することによ
り、部位Bにおけるカルシウムイオンはナトリウムのよ
うな小さな一価カチオンにより容易に置換されることが
示唆された。この置換には、配位数が7から5に減少す
るように、イオン位置の小さなシフトと該イオンの周囲
の溶媒の再構成が伴う。他の一価カチオン(K+、および
Tl+)の結合もまたドレンス(Drenth)ら、Eur.J.Bioch
em.,26:177〜181(1972)によって報告されている。
弱いカルシウム結合部位についての最初の証拠は、遊
離カルシウムイオン濃度の関数として行った熱的不活化
の速度論的実験から得られた。カルシウム濃度が0.1mM
よりも増加すると、65℃における熱的不活化速度の半減
期は、カルシウムイオン濃度の100mMから300mMにつれて
約1分から約200分に増加することが観察された(第4
図参照)。このデータは、単一のカルシウムイオンに対
して32mMのKd値を有する結合部位についての理論的な滴
定曲線とぴったりと一致することがわかった。Mg2+、Ba
2+、およびSr2+のような他の第II族金属イオンもまた同
様に試験した。前者の2つの金属イオンについては、第
4図に示したこの同じ濃度範囲でサブチリシンの安定化
に有効でないことがわかった。しかしながら、Sr2+イオ
ンはこの酵素の熱的安定性を増大させることがわかった
が、効果を示すためにより高い濃度が必要であることか
ら、この部位に対して遥かに弱い親和性を有することを
示唆された。CaCl2と等しい安定化をもたらすのに必要
なSrCl2濃度は約20倍高く、Sr2+の結合に対するKdが0.7
Mの範囲にあることが示唆された。これらの結果はタン
パク質におけるカルシウム結合部位には典型的なことで
あり(スチュアート(Stuart)らのNature 324:84〜87
(1986))、サイズ優先性に基づく選択性を反映する。
Mg2+のイオン半径、0.78Å(ラッド半径(Ladd radiu
s);コットン&ウイルキンスン、Advanced Inorganic
Chemistry、インターサイエンス、ジョン・ウイリー、
N.Y.第3版(1972))は明らかに小さすぎ、Ba2+のイオ
ン半径、1.43Åは明らかに大きすぎる。Sr2+のイオン半
径、1.27Åは収容することができるが、Ca2+のイオン半
径、1.06Åが明らかに最もよくフィットする。筋小胞体
からの精製Ca−ATPaseについて、ホルギン(Holguin)
(Arch.Biochem.Biophys.,251:9〜16(1986))により
同様の結果が得られている。
示差走査熱量測定法(DSC)を用いることにより、遊
離のカルシウムイオン濃度がサブチリシンBPN′の熱的
安定性に及ぼす効果を測定することもまた可能である。
カルシウムイオン濃度を0.1mMよりも増大させると、熱
的に誘発された畳み込み解消転移の中点、Tmが、単離し
たときに1モルカルシウム/モルタンパク質と結合する
タンパク質についての約69.5℃から、150mM CaCl2の存
在下での該タンパク質についての約80℃まで高くなる。
つぎにとった必要な手順は、第4図のデータをX線結
晶学により同定した2つの構造部位のうちの1つと相関
させることであった。入手し得るすべての上記化学的ま
たは物理学的情報に基づいて、野生型サブチリシンBP
N′について第4図に示した弱いカルシウム結合に寄与
する可能性の最も高い部位としてカルシウム部位Bを指
定することが可能であった。
変えるべきアミノ酸残基の選択についての上記規則を
使用することにより、Pro172をAspに変えることに決定
した。Pro172は、カルシウム部位Bを含むループの1つ
の一部をなす。シミュレートしたカルボキシル鎖は、結
合金属イオンから約5Åの位置にある。この特定のアミ
ノ酸残基は、関連するサブチリシン配列において若干変
わり得る。(該アミノ酸はサブチリシンカールスバーグ
中でAspとして存在する。)最後にグラフスクリーン上
のシミュレーションにより、ファンデルワールス半径障
害をきたすことなく適合すべきことがわかった。この変
化は、本質的に上記およびブライアンら、Proc.Nat'l A
cad.Sci.USA、83:3743〜3745(1986)(参照のためにこ
こに引用する)により記載された部位突然変異誘発によ
り導入し、変化したサブチリシン遺伝子を含有するバシ
ラス・サブチリス(B.Subtilis)の新規株をGX7172と称
した。該遺伝子の変異体タンパク質生成物を精製し、高
められた金属イオン結合能および安定性について分析し
た。その結果を第4図に野生型タンパク質についての結
果と比較して示す(新規なタンパク質を7172と称す
る)。
サブチリシン7172の熱的不活化の半減期(t1/2)に対
するカルシウムイオン依存性は、明らかに低カルシウム
イオン濃度の方へシフトする。該データを最もよく近似
する理論的な滴定曲線は、Kd=6mMの単一部位に対する
ものである。それゆえ、Pro172をAspに変えることは、
部位Bのカルシウムに対する親和性を野性型のものに比
べて約5倍増加させるものと思われる。この変化の大き
さ、ΔpK=0.7は、タンパク質への静電理論の適用に現
在付随する知られた困難を仮定して、金属カチオンから
約5Åの位置に負の電荷を導入するための理論的な考慮
と矛盾しない。この仮定のさらに別の支持がスタヒロコ
ッカスのヌクレアーゼを用いた突然変異誘発実験から得
られ、Asp40カルボキシレートリガンドをGlyに変えるこ
とにより、このタンパク質中の弱いカルシウム部位への
カルシウム結合が8倍減少(Kd=1mM)することがわか
った(スーパースらのBiochemistry 26:1289〜1300(19
87))。それゆえ、これらの結果は、熱的不活化により
測定した弱いカルシウム結合部位がX線結晶学により同
定したカルシウムB部位に対応するという説得力のある
証拠を提供する。さらに、これらの結果は、該部位の金
属結合親和性を高めることにより、減少濃度のカルシウ
ムの存在下でサブチリシンBPN′を安定化させることが
できるということを明らかに示している。部位Bの連続
した変化の外挿結果が滴定曲線の最終的なシフトであ
り、Kdが極めて小さいために、野性型タンパク質に対し
て100mMのCaで得られる安定性を得るために過剰の金属
イオン(または急激に減少させた量)を必要としない。
Pro172をAspに変えることに加えて、Pro172をGluにも
変えた。この新たな変異体(8312)に対しても、熱的不
活化の速度に対するカルシウムの依存性を調べた。その
結果は、サブチリシン7172の結果とほとんど同じである
ことがわかった。
カルシウム部位Aにおけるアミノ酸をも変化させて熱
的安定性を増大させた。株8347ではAsn76をAspに変え
た。株8364ではSer78をAspに変えた。株8374ではこれら
の変異、AspへのAsn76およびAspへのSer78をオリゴヌク
レオチド−突然変異誘発により組み合わせた。第III表
に示すように、8374のカルシウム結合親和性は、各変異
単独のものに比べて付加的に増加した。3つのすべての
株は、野生型(BPN′)およびサブチリシンカールスバ
ーグに比べて増加した安定性を示した。
さらに、安定性を増大させるために、カルシウムB結
合部位で行った変化をカルシウムA結合部位で行った変
化と組み合わせてもよい。従って、たとえば、Asn76のA
spへの変異およびPro172のAsp(またはGlu)への変異を
行うことができる。さらにその他の例としては、Asn76
→Asp、Ser78→Asp、Pro172→Asp(またはGlu)およびG
ly131→Asp;Asn76→AspおよびGly131→Asp;Ser78→Asp
およびGly131→Asp;Ser78→AspおよびPro172→Asp(ま
たはGlu);およびSer78→Asp、Gly131→AspおよびPro1
72→Asp(またはGlu)が挙げられる。
実施例II アミノ酸残基の挿入および/または欠失 アミノ酸残基の置換に加えて、所望の結合部位に近接
して位置するアミノ酸残基の挿入および/または欠失を
さらに別の試みにおいて行い、該部位での静電力に影響
を及ぼすことができる。これは、リガンド相互作用の距
離および幾何構造を最適にするための方法として考える
ことができる。たとえば、サブチリシン7172中でカルシ
ウムB部位を含むループの1つにおいて、残基172のAsp
を結合金属に一層近接するように移動させてこれを正式
のリガンドとし、可能なら結合した水分子の1つを置換
するために、該残基172と173との間に挿入を行うことが
できる。
残基168から残基175のサブチリシンBPN′ループの部
分と一致するコンフォメーション構造を有するペプチド
配列を得るためにブルックヘブン・プロテイン・データ
・バンク(Brookhaven Protein Deta Bank)を調査して
いる際に、残基170−171および残基173−174ではよく一
致するが1個余分なアミノ酸残基が挿入されている幾つ
かの配列が見つかった。これらのペプチドはすべて、残
基172の側鎖がカルシウム結合部位の方へ先端が一層向
くように主鎖が変形されていた。カルシウムに結合する
カルボニル酵素は、このコンピューターシミュレーショ
ンにおいては有為には妨害されていなかった。挿入され
た残基がたまたまAspまたはGluであるときは、この部位
における静電相互作用にさらに影響を与える別の機会を
得ることができるであろう。
アミノ酸欠失もまた、電荷間距離および隣接する残基
の幾何構造を変えることにより金属イオン結合のための
より有利な環境を生じさせることができる。
実施例III ランダム突然変異誘発を用いて安定性を高めること 全サブチリシン遺伝子を突然変異原にさらすランダム
突然変異誘発の方法により、サブチリシンの7142変異体
を生成させ同定した。(米国特許出願第828,545号およ
びPCT出願第PCT/US87/00348号各明細書参照。)この特
定の場合において突然変異原は重硫酸ナトリウムであ
り、フィルターアッセイによりこのタンパク質を安定な
変異体として同定した。DNAシークエンシングによりサ
ブチリシン7142は2つのアミノ酸変化:Gly131→Asp、お
よびAla116→Thrを有していることがわかった。つい
で、個々のアミノ酸置換の物理的性質を調べるために、
部位突然変異異誘発によりこれらの変化を個々に導入し
た。Gly131→Asp単独変化のみが、観察された安定性に
寄与することがわかった。この新しい変異体をサブチリ
シン7148と名付けた。Ala116→Thr変化は、熱的不活化
の速度に何等影響を及ぼさないことがわかった。Gly131
→Gluの変化によっても、熱的不活化の速度に対するカ
ルシウム依存性の結果はAspへのアミノ酸置換の場合と
同様である。
サブチリシン7148の速度論的安定性についてカルシウ
ムイオン濃度の関数として分析したところ、第5図に示
すようにカルシウムイオンに対する親和性がわずかに増
大したことがわかった。この場合、このデータは、単一
結合部位についてのKdが15mMの理論的滴定曲線により最
もよく近似されることがわかった。金属イオン親和性に
おけるこの見掛けの2倍の増加、またはΔpK=0.33は、
サブチリシン7142のX線結晶学的データと非常によく相
関する。サブチリシン7142の1.8Å解析結晶構造は、こ
の新しいAsp131残基のカルボキシレート基がカルシウム
B部位で金属イオンから約10Åに位置することを示して
いる。それゆえ、観察された金属イオン親和性の増加の
大きさは、この電荷間距離からおよそ予想できたもので
ある。たとえば、トーマス(Thomas)ら、Nature 318:3
75〜376(1985)は、Asp99を14Å離れたSerに変えた後
にサブチリシンBPN′のHis64のpKaが0.29±0.04シフト
するのを観察した。さらに、カルシウムB部位に結合し
た金属イオンから5Å離れた位置に負荷電を導入するこ
とによりΔpK=0.7が得られるとすれば、該部位から10
Åのところに負荷電基を導入することによりΔpK=0.33
が得られるという理論(等式1)と完全に一致する。
オリゴヌクレオチド突然変異誘発により、Gly131→As
pおよびPro172→Aspの変異を組み合わせて株8331を創成
した。8331のカルシウム結合親和性は付加的に増加す
る。
熱的安定性を高めるようサブチリシンBPN′を変える
ために、領域インビトロランダム突然変異誘発を用いる
ことができる。ランダム突然変異誘発のこの特定の適用
においては、サブチリシン遺伝子のうち金属イオン結合
に係るループ中のアミノ酸残基をコードする部分のみを
突然変異誘発に供した。ランダム突然変異誘発に用いる
方法は、米国特許出願第828,545号およびPCT出願第PCT/
US87/00348号各明細書に記載されており、両明細書を参
照のためここに引用する。
サブチリシンBPN′において、カルシウムB部位はポ
リペプチド鎖の2つの短い伸び(残基169〜174および19
5〜197)のみからなる。このため、この領域を特異的に
狙ってインビトロランダム突然変異誘発を引き起こすに
は比較的都合がよい。このことは、この2つの標的領域
の側面に位置する配列にてクローニングサブチリシン遺
伝子中に制限エンドヌクレアーゼ認識領域を創成するこ
とにより行った。たとえば、B−部位の残基169〜174ル
ープを標的として、オリゴヌクレオチド突然変異誘発を
用いて残基162にXho I切断部位を、残基176にBgl I部位
を創成した。遺伝暗号の重複を利用することにより、該
遺伝子により特定されたアミノ酸配列を変えることなく
これらの制限部位を導入した。該遺伝子をXho IおよびB
gl Iで開裂し、ついでこの2つの制限酵素により該遺伝
子中に生成した裂け目に合成DNA断片をライゲートする
ことにより、標的領域中にランダム突然変異誘発を生じ
させた。天然DNA配列からの変化がランダムに起こるよ
うにDNA断片を合成した。この手順を用いることによ
り、天然配列からは非常に少ない変異から完全にランダ
ムな配列に至るまであらゆる頻度で突然変異が起こるよ
うに挿入DNAの合成をコントロールすることができる。
明瞭および理解の目的のために説明および実施例によ
りある程度詳細に上記発明を記載したが、本発明の範囲
内で変化および変更を行うことは可能であり、添付の請
求の範囲によってのみ限定されることは明白であろう。
フロントページの続き (72)発明者 フィンゼル,バリー・シー アメリカ合衆国デラウェア19702、ニュ ーアーク、コブル・クリーク・カーブ 721番 (72)発明者 ブライアン,フィリップ・エヌ アメリカ合衆国メリーランド20902、シ ルバー・スプリング、ダブリン・ドライ ブ 1720番 (72)発明者 ラドナー,ロバート・シー アメリカ合衆国メリーランド21754、イ ジャムスビル、グリーン・バレー・ロー ド 3827番 (56)参考文献 特開 昭60−70075(JP,A) 特開 平1−85075(JP,A) Biochemistry 15 (17),1976,p3716〜3723 Biochemistry,26 (1987),p1289〜1300 Proc.Natl.Acad.Sc i.USA,83(1986)p8107〜8111 Proteins:Structur e,Function and Gen etics,(1986)p326〜334 Science,Vol219(1983) p666〜671 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 9/56 C07K 14/32 C12N 15/00 A C12N 9/96

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】サブチリシンの熱安定性を、対応する野生
    型サブチリシンの熱安定性と比較して増大させる方法で
    あって、下記工程 (i)該サブチリシンのカルシウムイオン結合部位Aお
    よび/またはBを、熱安定性のパラメーターと相関させ
    ること、および (ii)該カルシウムイオン結合部位Aおよび/またはB
    に存在する少なくとも1つのアミノ酸残基の置換、挿
    入、および/または欠失により、該カルシウムイオン結
    合部位Aおよび/またはBの構造を変化させ、該カルシ
    ウムイオン結合部位Aおよび/またはBに存在するアミ
    ノ酸残基とカルシウムイオンとの間の静電誘引を増大さ
    せること、 からなり、 該カルシウム結合部位Aは、サブチリシンBPN′につい
    ては第2、41および75〜81番のアミノ酸残基からなり、
    該カルシウム結合部位Bは、サブチリシンBPN′につい
    ては第170〜174および195〜197番のアミノ酸残基からな
    り、サブチリシンBPN′以外の野生型サブチリシンにつ
    いては、該カルシウム結合部位AおよびBいずれも、そ
    れぞれ対応するアミノ酸残基からなることを特徴とする
    方法。
  2. 【請求項2】該カルシウムイオン結合部位と熱安定性の
    熱パラメーターとの間の相関を、該サブチリシンまたは
    進化的に関連のある相同変異体の、3次元構造分析によ
    るカルシウムイオン結合部位の同定によって行うもので
    ある、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】オリゴヌクレオチドインビトロ突然変異誘
    発により該変化を行う、請求項1または2に記載の方
    法。
  4. 【請求項4】インビトロランダム突然変異誘発を行い、
    変異体をスクリーニングまたは選択することにより該変
    化を行う、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】さらに、カルシウムイオン結合構造部位の
    アミノ酸残基の位置を調べること、並びに、許容できな
    い立体障害を起こすことなく結合したカルシウムイオン
    にできるだけ近接して存在し且つカルシウムイオンとの
    距離と該カルシウムイオン結合部位における静電誘引力
    の幾何学とを最適にし得る残基を、置換、挿入、または
    欠失のために選択することを含む、請求項1、2または
    4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】置換、挿入、または欠失のために選択した
    アミノ酸残基が、進化的に関連のある相同タンパク質に
    おいて保存されていないアミノ酸残基である、請求項1
    〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】(a)正に荷電したアミノ酸を、負に荷電
    したアミノ酸に置換すること; (b)負に荷電したアミノ酸を、カルシウムイオン結合
    部位に挿入すること;および (c)正に荷電したアミノ酸をカルシウムイオン結合部
    位から欠失させることの内のいずれかまたは全てを含
    む、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】野生型サブチリシンに対し増大した熱安定
    性を有するサブチリシン変異体であって、該野生型サブ
    チリシンのカルシウムイオン結合部位Aおよび/または
    Bに存在する少なくとも1つのアミノ酸残基の置換、挿
    入、および/または欠失により、該カルシウムイオン結
    合部位Aおよび/またはBの構造を変化させ、該カルシ
    ウムイオン結合部位Aおよび/またはBのアミノ酸残基
    とカルシウムイオンとの間の静電誘引を増大させるこ
    と、 によって得られ、 該カルシウム結合部位Aは、サブチリシンBPN′につい
    ては第2、41および75〜81番のアミノ酸残基からなり、
    該カルシウム結合部位Bは、サブチリシンBPN′につい
    ては第170〜174および195〜197番のアミノ酸残基からな
    り、サブチリシンBPN′以外の野生型サブチリシンにつ
    いては、該カルシウム結合部位AおよびBいずれも、そ
    れぞれ対応するアミノ酸残基からなる、サブチリシン変
    異体。
  9. 【請求項9】野生型サブチリシンがサブチリシンBP
    N′、サブチリシンカールスバーグ、サブチリシンDY、
    サブチリシンアミロサッカリチクス、またはメセンテリ
    コペプチダーゼである、請求項8に記載のサブチリシン
    変異体。
  10. 【請求項10】サブチリシンBPN′に関して、Asn76→As
    pおよびSer78→Aspのいずれか一方またはその両方のア
    ミノ酸置換、またはサブチリシンBPN′以外の野生型サ
    ブチリシンについては対応する置換、を有する、請求項
    9に記載のサブチリシン変異体。
  11. 【請求項11】突然変異させたサブチリシン遺伝子によ
    ってコードされる、請求項8〜10のいずれかに記載のサ
    ブチリシン変異体。
  12. 【請求項12】サブチリシンBPN′に関して、Pro172→A
    spのアミノ酸置換を有するサブチリシン7172、Pro172→
    Gluのアミノ酸置換を有するサブチリシン8312、Gly131
    →AspとPro172→Aspのアミノ酸置換を有するサブチリシ
    ン8331、Asn76→Aspのアミノ酸置換を有するサブチリシ
    ン8347、Ser78→Aspのアミノ酸置換を有するサブチリシ
    ン8364、またはAsn76→AspとSer78→Aspのアミノ酸置換
    を有するサブチリシン8374。
  13. 【請求項13】カルシウムイオン結合部位のアミノ酸配
    列が、野性型サブチリシンのカルシウムイオン結合部位
    のアミノ酸配列と、少なくとも1つのアミノ酸で相違し
    ている、請求項8〜11のいずれかに記載のサブチリシン
    変異体。
  14. 【請求項14】アミノ酸配列の相違が、 (a)アミノ酸の置換; (b)アミノ酸の欠失;または (c)アミノ酸の付加 によるものである、請求項13に記載のサブチリシン変異
    体。
  15. 【請求項15】請求項8〜14のいずれかに記載のサブチ
    リシン変異体を、2,000〜4,000アルカリデルフトユニッ
    トの濃度で含有する洗浄用組成物。
  16. 【請求項16】織物上のタンパク質性のしみの除去を向
    上させる方法であって、該織物を請求項15に記載の洗浄
    用組成物と接触させ、ついで該しみのついた織物を該洗
    浄用組成物で洗浄することを含んでなる方法。
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