JP3154366B2 - 磁気ディスク装置の樹脂製シャッター用金型装置 - Google Patents

磁気ディスク装置の樹脂製シャッター用金型装置

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JP3154366B2 JP3263594A JP3263594A JP3154366B2 JP 3154366 B2 JP3154366 B2 JP 3154366B2 JP 3263594 A JP3263594 A JP 3263594A JP 3263594 A JP3263594 A JP 3263594A JP 3154366 B2 JP3154366 B2 JP 3154366B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マイクロフロッピーデ
ィスク等の磁気ディスク装置の樹脂製シャッター用金型
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスク装置は図4に示すように、
記憶用デイスク体(図示せず)を収納する樹脂製上ハー
フ1及び下ハーフ2と、これらハーフ1,2の外周部に
摺動可能に設けられた樹脂製シャッター3とから構成さ
れ、前記シャッター3は対向する一対の側板3Aと、こ
れら側板3Aを断面コ字状に連結する底板3Bとからな
り、前記側板3Aには開口窓3Cが形成されている。そ
して非使用時には前記シャッター3で各ハーフ1,2の
磁気ヘッド導入口4を塞ぐようになっている。
【0003】従来、前記樹脂製シャッター3の射出成形
金型は図5に示すように、キャビティ入子5が組込まれ
た固定側型板6、長方板状のコア部7Aが垂直に形成さ
れた可動側型板7、該可動側型板7に沿って摺動可能に
取付けられた可動側スライドコア8を備えており、これ
らキャビティ入子5、コア部7A、各スライドコア8の
間にはキャビティ9が画成されている。また前記キャビ
ティ入子5を貫通してキャビティ9の底板成形部9Aに
は射出ノズル10が設けられている。
【0004】そして、図示しないアンギュラピンにより
スライドコア8はコア部7Aに接近して型締めし、そし
て前記射出ノズル10から溶融樹脂がキャビティ9に注入
される。この後に可動側型板7が後退すると共に、アン
ギュラピンによりスライドコア8はコア部7Aから離間
するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術において
は、型開き時にシャッター3がスライドコア8より離型
する際に、樹脂がスライドコア8から型開きと同時に離
型せず、その結果、シャッター3の側板3Aが反るなど
変形する虞があった。
【0006】本発明は、このような問題点を解決しよう
とするもので、型開き時の樹脂の離型を良好に行うこと
ができる磁気ディスク装置の樹脂製シャッター用金型装
置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、前記
目的を達成するために、対向する一対の側板と、これら
側板を断面コ字状に連結する底板とからなる磁気ディス
ク装置の樹脂製シャッターを一体成形するための金型装
置であって、樹脂通路を有する固定側型板と、この固定
側型板との対面に長方板状のコア部が突設された可動側
型板と、前記コア部の両側面に離接可能に設けられた一
対のスライドコアの前記コア部側に設けられた入れ子に
より前記シャッター形状をなすキヤビテイを画成したも
のである。
【0008】請求項2の発明は、請求項1の発明の磁気
ディスク装置の樹脂製シャッター用金型装置において、
前記入れ子の表面にチタンコーテイング層が設けられた
ものである。
【0009】請求項3の発明は、請求項1の発明の磁気
ディスク装置の樹脂製シャッター用金型装置において、
前記入れ子の周縁にガスベンドを設けるものである。
【0010】
【作用】請求項1の発明の磁気ディスク装置の樹脂製シ
ャッター用金型装置では、型開き時に入れ子のほぼ中央
部が熱膨張によりコア部側にやや突設して、樹脂を突放
すようにして離型することができる。
【0011】請求項2の発明の磁気ディスク装置の樹脂
製シャッター用金型装置では、入れ子の表面硬度を向上
させて離型性等を向上させることができる。
【0012】請求項3の発明の磁気ディスク装置の樹脂
製シャッター用金型装置では、成形時の空気、ガスを抜
けやすくして離型不良等を防止することができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1乃至図3を参
照して説明する。図1において11は固定側金型部材、12
は可動側金型部材である。これら金型部材11,12は、図
示上下方向に移動して開閉するものであり、型締時にシ
ャッターの形状をしたキャビティ13が両者間に形成され
るものである。前記固定側金型部材11には、スプルーブ
ッシュ14が設けられ射出成形機本体に取付ける取付け板
15、ランナー16を形成したマニホールド17、受け板18、
キャビティ入子19を設けた固定側型板20が設けられてい
る。
【0014】21は前記固定側型板20に設けられるノズル
であり、該ノズル21には前記キャビティ13に臨む樹脂通
路たるゲート22が設けられ、該ゲート22は前記スプルー
ブッシュ14から前記ランナー16を経てゲート22に至る樹
脂通路23に接続されている。
【0015】前記可動側金型部材12は、射出成形機本体
に取付ける取付け板31、突出し板32、受け板33、可動側
型板34が設けられ、さらに前記可動側型板34には前記固
定側型板20との対向面に長方板状のコア部35Aを設けた
コア35が設けられている。また前記可動側型板34の上面
に沿って一対のスライドコア36が前記コア部35Aを間に
挟んで対称に配置され、前記コア部35Aの両側面に対し
接近離間可能とされている。そして前記スライドコア36
と前記可動側型板34との間にはスプリング等の弾性体37
が設けられ、前記可動側型板34が前記固定側型板20から
離れると両スライドコア36が前記コア部35Aから離れ、
逆に型締め状態では、両スライドコア36が前記コア部35
Aに接近するようになっている。尚、図中38は前記突出
し板32により作動する突出しピンであり、該突出しピン
38は前記コア部35Aの上端より突設可能に設けられてい
る。また39は前記スライドコア36に設けられた冷却水
路、40は前記可動側型板34側に設けられた冷却水路であ
る。
【0016】さらに図2に示すように前記スライドコア
36における前記コア部35A側の面には、前記側板3Aを
成形するための入れ子41が設けられている。この入れ子
41は前記スライドコア36の凹部42に嵌合されているもの
であり、一側には前記磁気ヘッド導入口4を成形するた
めの突起42が形成されている。そして入れ子41の表面に
は放電加工によりRmaxが12〜14μm程度のシボ
面43が形成され、前記シボ面43には、窒化チタン(Ti
N)による1〜4μm程度のチタンコーティング層44が
設けられている。さらに前記スライドコア36の一側縁に
はわずかな隙間からなるガスベンド45が形成されてい
る。
【0017】次に、前記構成からなる金型装置の作用に
ついて説明する。まず、図1に示す型締め状態で、図示
しないノズルから溶融樹脂を供給し、前記スプルーブッ
シュ14、ランナー16、ノズル21を介して前記ゲート22か
ら前記キャビテイ9内に溶融樹脂を注入する。この際、
空気、ガスは前記ガスベンド45を介して良好に排気され
る。
【0018】次いで、この樹脂が十分に固化した後、前
記可動側金型部材12が後退して形開き状態となる。この
際に、前記スライドコア36は前記弾性体37の付勢力によ
って前記コア部35Aから離れる。該作動時には、図2の
一点鎖線で示すように前記入れ子41の中央部が前記コア
部35A側にやや突設しており、前記側板3Aを突放すよ
うにして離型される。これは溶融樹脂の熱により前記入
れ子41、スライドコア36は加熱されるが、前記スライド
コア36は直接溶融樹脂に接触する面積が少なく、また冷
却水路39によって冷却されているので、その温度は前記
入れ子41よりやや低くなり、このために入れ子41の熱膨
張がスライドコア36の熱膨張より大きくなり、この結果
前記入れ子41の中央部が前記コア部35A側にやや突設す
るものである。
【0019】次に前記突出し板32が作動して前記突出し
ピン38をコア部35Aより突出して、シャッター3を完全
に離型させるものである。この際には前記入れ子41が外
気に触れて冷却され、図2の実線に示すように当初の形
状に戻っているものである。
【0020】以上のように、前記実施例では固定側型板
20との対面に長方板状のコア部35Aが突設された可動側
型板34と、前記コア部35Aの両側面に離接可能に設けら
れた一対のスライドコア36を設け、前記スライドコア36
には入れ子41を設けて、成形時におけるスライドコア36
と入れ子41との温度差を利用して、型開き時に入れ子41
の中央部をコア部35A側にやや突設させてシャッター3
の側板3Aを確実に離型させることができる。さらに、
前記スライドコア36には精密に製作した入れ子41を設け
ることができ、例えば図2における前記スライドコア36
の上面と入れ子41の上面を正確に一致させるようなこと
もできる。
【0021】また、前記入れ子41の表面にはチタンコー
テイング層44を設けたことによって、入れ子41の表面硬
度が向上し、離型性、耐摩耗性、耐腐食性に優れる。特
にその厚みを1〜4μm程度としたことによって、確実
に離型性等を向上することができる。厚みが1μm以下
とした場合には離型性等が劣り、また4μm以上とした
場合には前記シボ43の凹凸が有効に形成されない虞があ
る。
【0022】さらに、前記入れ子41の一側縁にガスベン
ド45を設けたことによって、成形時における空気、ガス
が抜けやすくなり、シャッター3における焼け、シボ等
の転写不良、離型不良等を防止することができる。
【0023】尚、本発明は前記実施例に限定されるもの
ではなく、例えば前記凹部42に前記入れ子41を嵌入しや
すいように前記スライドコア36の前記コア部A35側の角
部にわずかな面を形成したり、また実施例におけるTi
Nからなるチタンコーティング層は硬度がHv2400
〜2800であるので、これ以上の硬度が必要な場合に
はTiCO(Hv2600〜3000)、TiCN(H
v2800〜3200)、TiC(Hv3500〜38
00)を用いてもよい等種々の変形が可能である。
【0024】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、対向する一対
の側板と、これら側板を断面コ字状に連結する底板とか
らなる磁気ディスク装置の樹脂製シャッターを一体成形
するための金型装置であって、樹脂通路を有する固定側
型板と、この固定側型板との対面に長方板状のコア部が
突設された可動側型板と、前記コア部の両側面に離接可
能に設けられた一対のスライドコアの前記コア部側に設
けられた入れ子により前記シャッター形状をなすキヤビ
テイを画成したことにより、型開き時に前記入れ子のほ
ぼ中央部がやや突設して樹脂の離型を良好に行うことが
できる。
【0025】請求項2の発明によれば、前記入れ子の表
面にチタンコーテイング層が設けられたことにより、前
記入れ子の表面硬度が向上し、耐摩耗性、耐腐食性、離
型性に優れる。
【0026】請求項3の発明によれば、前記入れ子の周
縁にガスベンドを設けたことにより、成形時における空
気、ガスが抜けやすくなり、シャッターにおける焼け、
シボ等の転写不良、離型不良等を防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のー実施例を示す断面図である。
【図2】本発明のー実施例を示す一部を拡大断面したス
ライドコアの斜視図である。
【図3】本発明のー実施例を示す型開き時の要部の断面
図である。
【図4】本発明のー実施例を示す磁気ディスク装置の分
解斜視図である。
【図5】従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
3 シャッター 3A 側板 13 キャビティ 20 固定側型板 22 ゲート(樹脂通路) 23 樹脂通路 34 可動側型板 35A コア部 36 スライドコア 41 入れ子 43 チタンコーティング層 44 ガスベンド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−212112(JP,A) 特開 平6−155480(JP,A) 特開 平6−45382(JP,A) 特開 平3−269844(JP,A) 特開 平3−269885(JP,A) 実開 平1−95320(JP,U) 実開 平3−79915(JP,U) 実開 昭58−107810(JP,U) 実開 平3−81717(JP,U) 実開 平1−116620(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 45/26 - 45/44 B29C 33/00 - 33/76

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向する一対の側板と、これら側板を断
    面コ字状に連結する底板とからなる磁気ディスク装置の
    樹脂製シャッターを一体成形するための金型装置であっ
    て、樹脂通路を有する固定側型板と、この固定側型板と
    の対面に長方板状のコア部が突設された可動側型板と、
    前記コア部の両側面に離接可能に設けられた一対のスラ
    イドコアの前記コア部側に設けられた入れ子により前記
    シャッター形状をなすキャビティを画成したことを特徴
    とする磁気ディスク装置の樹脂製シャッター用金型装
    置。
  2. 【請求項2】 前記入れ子の表面にチタンコーテイング
    層が設けられたことを特徴とする請求項1記載の磁気デ
    ィスク装置の樹脂製シャッター用金型装置。
  3. 【請求項3】 前記入れ子の周縁にガスベンドを設ける
    ことを特徴とする請求項1記載の磁気ディスク装置の樹
    脂製シャッター用金型装置。
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