JP3540703B2 - 射出成形用金型及びその金型を用いる積層用成形品の製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、射出成形用金型及びその金型を用いて積層用成形品を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、射出成形によって成形品を成形する場合、キャビティの一側にサイドゲートを設けた金型を用い、前記サイドゲートからキャビティに樹脂原料を射出して成形することがある。
【0003】
しかし、前記したような射出成形用金型で成形品を成形すると、成形品におけるゲート側部分とゲートの反対側部分とで肉厚に差が生じることが避けられない。これは、ゲート付近は射出圧がかかり易いために樹脂原料の密度が高くなるのに対し、ゲートから離れると射出圧がかかり難いために密度が低くなって射出樹脂の密度差を生じることや、射出圧によってゲート側で金型が撓んだり開いたりする等の原因で生じる。
【0004】
このようにして成形された成形品は、部分によってわずかな肉厚差を生じたとしても、1個のみで使用されるような場合にはさほど問題にならないことが多い。しかし、図7に示すように、成形品60を複数個積層して使用する場合、例えば燃料電池のセパレータとして数百あるいはそれ以上重ねて使用する場合には、1個についての肉厚差が0.01mmであったとしても、700個重ねた場合は、セパレータの両端で7mmの肉厚差となり、図のように使用上問題が生じることになる。しかも、前記成形品は通常裏表等の向きが決められているため、一個置きに180度回転させて重ねたり、裏表反転させて重ねることにより前記肉厚差を吸収することもできなかった。
【0005】
また、従来、一つの金型で成形品を複数個成形する場合、サイドゲートの位置が各成形品で同一側の同一位置となるようにするため、ランナの両側にサイドゲートを介してキャビティが対称位置に設けられていた。そのため、このように成形された成形品を複数個重ねた場合には、前記と同様に肉厚差の問題を生じるのが避けられなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、前記の点に鑑みなされたもので、成形品を複数個積層して使用する際に部分による肉厚差が問題とならない成形品を成形できる射出成形用金型及びその金型を用いる積層用成形品の製造方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、請求項1の発明は、スプルに連通するランナを経て成形品用キャビティの一側のサイドゲートから当該キャビティに樹脂原料が射出される射出成形用金型において、前記スプルの形成されたスプル側プレートと、前記ランナがスプルからキャビティの一側へ至るように形成されたランナ側プレートと、前記サイドゲート及びキャビティの形成されたキャビティ側プレートとの3枚型構造とされ、前記キャビティ側プレートはサイドゲートの形成された金型部分と、前記サイドゲートとは反対側位置の金型部分とが交換可能に形成され、前記ランナ側プレートの交換又は回転により、及び前記サイドゲートの形成された金型部分と該サイドゲートとは反対側位置の金型部分との交換により、前記ランナ及びサイドゲートが前記キャビティの反対側位置となるようにされていることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2の発明は、スプルに連通するランナを経て成形品用キャビティの一側のサイドゲートから当該キャビティに樹脂原料が射出される射出成形用金型において、前記スプルの形成されたスプル側プレートと、前記ランナがスプルからキャビティの一側へ至るように形成されたランナ側プレートと、前記サイドゲート及びキャビティの形成されたキャビティ側プレートとの3枚型構造とされ、前記ランナ側プレートはランナの形成された金型部分が交換可能とされ、前記キャビティ側プレートはサイドゲートの形成された金型部分と、前記サイドゲートとは反対側位置の金型部分とが交換可能に形成され、前記ランナが形成された金型部分の交換、及び前記サイドゲートの形成された金型部分と該サイドゲートとは反対側位置の金型部分との交換により、前記ランナ及びサイドゲートが前記キャビティの反対側位置となるようにされていることを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の射出成形用金型において、サイドゲートとは反対側位置の金型部分がガスベントの形成されたものであることを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、介在物を介してあるいは直接に重ねて組合わされる積層用成形品を射出成形用金型を用いて複数射出成形するに際し、請求項1ないし3の何れか1項に記載された射出成形用金型を用い、前記複数の成形品のうち互いに隣接する2つの一方については、前記金型におけるサイドゲート及びランナをキャビティの一側に配置してサイドゲートが一側の成形品を射出成形し、前記隣接する2つの他方については、前記サイドゲート及びランナをキャビティの反対側にしてサイドゲートが反対側の成形品を射出成形することを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、介在物を介してあるいは直接に重ねて組合わされる積層用成形品を射出成形用金型を用いて複数射出成形するに際し、スプルに連通するランナの両側に該ランナからの距離を等しくして同一外形のキャビティが互いに向きを同一にして形成され、かつ前記ランナと各キャビティ間にサイドゲートが設けられて該サイドゲートの位置が前記ランナ両側のキャビティで形成される成形品に対し互いに反対となるようにした射出成形用金型を用い、前記複数の成形品のうち互いに隣接する2つの一方については、前記金型におけるランナの一側に位置するキャビティにサイドゲートを介してサイドゲートが一側になる成形品を射出成形し、前記隣接する2つの他方については、前記金型におけるランナの反対側に位置するキャビティにサイドゲートを介してサイドゲートが反対側の成形品を射出成形することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下添付の図面に従ってこの発明を詳細に説明する。
図1はこの発明の一実施例に係る射出成形用金型を示す断面図、図2は図1の射出成形用金型のランナ側プレートを交換又は回転しサイドゲートの金型部分と反対側位置の金型部分同士を交換した状態を示す断面図、図3は他の実施例に係る射出成形用金型を示す断面図、図4は図3の射出成形用金型のランナ側プレートの金型部分を交換しサイドゲートの金型部分と反対側位置の金型部分同士を交換した状態を示す断面図、図5はさらに他の実施例に係る射出成形用金型を示す断面図、図6はこの発明の射出成形用金型によって成形された成形品を複数個積層したときの模式図である。
【0013】
図1に示すものは、この発明の一実施例に係る射出成形用金型10である。この射出成形用金型10は、成形品を射出成形する際に用いられ、特には燃料電池のセパレータのように複数個積層して使用しかつ裏表等の向きが決められている板状の成形品を成形するのに好適な金型である。前記射出成形用金型10は、スプル側プレート20、ランナ側プレート30及びキャビティ側プレート40の3枚型構造となっている。
【0014】
前記スプル側プレート20には、樹脂原料が型内に射出される際に射出装置のノズル(図示せず)先端が接触するスプル21が形成されている。このスプル21は、射出装置のノズルを繰り返し押し付けることによって変形することがあるため、この実施例では、容易に交換ができるようにブシュとなっている。
【0015】
前記ランナ側プレート30には、スプル21から型内に射出された樹脂原料の流路となるランナ31が形成されている。このランナ31は、後端32で前記スプル21と連通しており、ここでは図の左側に向かって後述するキャビティ41の一側(左側)へ至るように形成されている。また、ランナ31の先端には、キャビティ41の一側に形成された湯溜り部43に連通するピンゲート33が形成されている。さらに、ランナ31の後端32付近には、コールドスラグウェル34が形成されており、樹脂原料の射出開始直後にノズルから出る低温の樹脂原料を受ける役割を果たしている。
【0016】
このランナ側プレート30は、前記ランナ31とは左右対称にランナが形成された(ランナが右側に向かって形成されている)他のランナ側プレートと交換可能となっている。なお、ランナ31の後端32位置のスプル21を図における上下方向に貫く軸を中心として180度回転させることにより対応可能な場合には、前記ランナ側プレート30を交換するのに代えて回転可能に構成してもよい。
【0017】
前記キャビティ側プレート40には、成形品用キャビティ41、サイドゲート42、湯溜り部43、ガスベント44が形成されている。この実施例のキャビティ41は、燃料電池のセパレータとなる板状成形品に応じた形状となっており、前記スプル21が図におけるキャビティの左右方向の中心位置となるようにされている。
【0018】
前記サイドゲート42は、樹脂原料をキャビティ41内に導入するためのもので、キャビティ41の一側、ここではキャビティ41の図における左側に形成されている。湯溜り部43は、キャビティ41への樹脂原料の流入を均一にするために前記ピンゲート33から流入した樹脂原料を一時的に保持する部位で、サイドゲート42に連通している。
【0019】
ガスベント44は、樹脂原料をキャビティ41内に導入する際にキャビティ41内のエアや発生するガスを排出するための通路である。このガスベント44は、前記サイドゲート42が形成されているキャビティ41の一側とは反対側に形成されており、ここでは、キャビティ41の図における右側である。なお、場合によっては、キャビティ側プレート40にガスベント44が形成されないこともある。
【0020】
前記キャビティ側プレート40のサイドゲート42と湯溜り部43の形成された金型部分45は、他の金型部分(金型本体部分)とは分離可能なブロック状とされている。また、キャビティ41を挟んで前記サイドゲート42とは反対側位置の金型部分、この実施例ではガスベント44の形成された金型部分47も、他の金型部分とは分離可能なブロック状とされている。そして、前記サイドゲート42と湯溜り部43の形成された金型部分45と、ガスベント44の形成された金型部分47は、交換して配置できるような形状及び大きさとなっている。
【0021】
前記した射出成形用金型10を用いて、燃料電池のセパレータのように複数個積層して使用する成形品を製造する際には、本発明の実施成形品の使用例を示す図6のように、直接又は介在物を介して積層される複数の成形品Sに関し、互いに隣接して積層される2つの成形品Saと成形品Sbを、次のように分けて成形する。
【0022】
まず、前記一方の成形品Saの成形について説明する。その場合、ランナ側プレート30をランナ31がキャビティ41の一側、この例では図1に示すように図の左側に向かうように配置する。また、キャビティ側プレート40のサイドゲート42と湯溜り部43の形成された金型部分45を、ランナ側プレート30のピンゲート33に対応する位置、ここでは図におけるキャビティ41の左側に配置し、キャビティ41を挟んで前記サイドゲート42とは反対側位置、ここでは図におけるキャビティ41の右側にガスベント44の形成された金型部分47を配置する。このように配置した状態で、サイドゲートが一側の成形品Saを成形品Sの必要数の半分だけ射出成形する。
【0023】
次に、前記他方の成形品Sbの成形について説明する。その場合、前記ランナ側プレート30を交換又は回転して、図2のように、ランナ31が反対側、この例では図の右側に向かうように配置する。また、キャビティ側プレート40のサイドゲート42と湯溜り部43の形成された金型部分45と、ガスベント44の形成された金型部分47の位置を交換する。すなわち、サイドゲート42と湯溜り部43の形成された金型部分45を、交換又は回転したランナ側プレート30のピンゲート33に対応する位置、ここでは図におけるキャビティ41の右側に配置し、キャビティ41を挟んで前記サイドゲート42とは反対側位置、ここでは図におけるキャビティ41の左側にガスベント44の形成された金型部分47を配置する。このように配置した状態で、サイドゲートが反対側の成形品Sbを成形品Sの必要数の残り半分だけ射出成形する。
【0024】
このようにして成形されたサイドゲートが一側の成形品Saとサイドゲートが反対側の成形品Sbを交互にして複数個積層すると、図6に示すようにお互いの肉厚差を相殺して、肉厚差が問題のないものとすることができる。
【0025】
なお、前記実施例の射出成形用金型10のほかに、図3及び図4に示すような射出成形用金型10Aであっても良い。以下、前記射出成形用金型10と同様の構成からなる部分については説明を省略し同様の符号を付す。
【0026】
この射出成形用金型10Aは、前記の射出成形用金型10と同様に、スプル側プレート20、ランナ側プレート30A及びキャビティ側プレート40の3枚型構造となっている。このうち、ランナ側プレート30Aには、前記射出成形用金型10と同様に、図3に示すような、スプル21から型内に射出された樹脂原料の流路となるランナ31Aが形成されているが、このランナ31Aの形成された金型部分35Aが、他の金型部分36Aとは分離可能なブロック状に形成されており、図4に示すような、前記ランナ31Aとは反対側にランナ31Bが形成されたブロック状の金型部分35Bと交換可能とされている。なお、スプル側プレート20及びキャビティ側プレート40は、前記射出成形用金型10と同様の構成となっている。
【0027】
そして、前記一方の成形品Saを成形する際には、まず、図3のようにランナ側プレート30Aに、キャビティ41の一側、この例では図の左側にランナ31Aが向かう構成の金型部分35Aを配置する。また、キャビティ側プレート40のサイドゲート42と湯溜り部43の形成された金型部分45を、ランナ側プレート30Aの金型部分35Aのピンゲート33Aに対応する位置、ここでは図におけるキャビティ41の左側に配置し、キャビティ41を挟んで前記サイドゲート42とは反対側位置、ここでは図におけるキャビティ41の右側にガスベント44の形成された金型部分47を配置する。このように配置した状態で、サイドゲートが一側の成形品Saを成形品Sの必要数の半分だけ射出成形する。
【0028】
また、前記他方の成形品Sbを成形する際には、図4のようにランナ側プレート30Aの金型部分35Aを図の右側にランナ31Bが向かう構成の金型部分35Bに交換し、配置する。さらに、キャビティ側プレート40のサイドゲート42と湯溜り部43の形成された金型部分45と、ガスベント44の形成された金型部分47の位置を交換する。すなわち、サイドゲート42と湯溜り部43の形成された金型部分45を、交換したランナ側プレート30Aの金型部分35Bのピンゲート33Bに対応する位置、ここでは図におけるキャビティ41の右側に配置し、キャビティ41を挟んで前記サイドゲート42とは反対側位置、ここでは図におけるキャビティ41の左側にガスベント44の形成された金型部分47を配置する。このように配置した状態で、サイドゲートが反対側の成形品Sbを成形品Sの必要数の残り半分だけ射出成形する。
【0029】
次に、成形品を同時に複数個成形できる構成の射出成形用金型50について、図5を用いて説明する。この実施例の射出成形用金型50は、射出装置のノズル先端が接触するスプル51に連通するランナ52の両側に、同一外形の成形品用キャビティ53,54が形成されている。該キャビティ53,54は、前記ランナ52からの距離が等しくなる位置に形成されており、互いに向きを同一にして形成されている。また、前記ランナ52と各キャビティ53,54間にはサイドゲート55,56が設けられている。この射出成形用金型50では、同一外形のキャビティ53,54が互いに向きを同一にしてランナ52の両側に形成されているため、前記ランナ52両側のキャビティ53,54で形成される成形品に対し互いにサイドゲート55,56の位置が反対となる。
【0030】
このような構成の射出成形用金型50を用いて前記射出成形品Sを製造する場合、前記一方の成形品Saについては、ランナ52の一側(左側)のキャビティ53にランナ52からサイドゲート55を介して射出成形し、前記他方の成形品Sbについては、ランナ52の反対側(右側)のキャビティ54にランナ52からサイドゲート56を介して射出成形する。前記両成形品Sa,Sbの成形は同時に行われる。このようにして成形された成形品SaとSbは、その成形されたキャビティ53,54によって、肉厚差の生じる位置が反対となる。例えば、図5のランナ52の左側に位置するキャビティ53で成形された成形品は、成形品Saの右側が左側よりも厚肉となるのに対し、ランナ52の右側に位置するキャビティ54で成形された成形品Sbは、成形品Sbの左側が右側よりも厚肉となる。そして、図6のように両方の成形品Sa、Sbを交互に複数個積層していくことによって、互いの肉厚差を相殺し、肉厚差が問題のないものとすることができるのである。
【0031】
なお、前記射出成形用金型50では、2個の成形品を同時に成形できるように2個1組のキャビティ53,54がランナ52の両側に一個づつ設けられているが、4個以上の成形品を成形できるように、ランナの両側に各々2以上のキャビティを複数組設けてもよい。
【0032】
【発明の効果】
以上図示し説明したように、この発明における射出成形用金型によれば、複数個積層して使用しかつ裏表等の向きが決められている成形品の成形に際して、サイドゲートの位置をキャビティの一側にしたものと反対側にしたものの両方の成形品を成形できるため、両方の成形品を交互に複数個積層すれば互いの肉厚差を相殺して肉厚差について使用上問題のない成形品を成形することができる。しかも、この発明では型構造が複雑にならない効果もある。
【0033】
また、この発明の積層用成形品の製造方法によれば、複数個積層される成形品を、積層時に肉厚差が解消できるようにして、しかも簡単かつ安価に製造できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る射出成形用金型を示す断面図である。
【図2】図1の射出成形用金型のランナ側プレートを交換又は回転しサイドゲートの金型部分と反対側位置の金型部分同士を交換した状態を示す断面図である。
【図3】他の実施例に係る射出成形用金型を示す断面図である。
【図4】図3の射出成形用金型のランナ側プレートの金型部分を交換しサイドゲートの金型部分と反対側位置の金型部分同士を交換した状態を示す断面図である。
【図5】さらに他の実施例に係る射出成形用金型を示す断面図である。
【図6】この発明の射出成形用金型によって成形された成形品を複数個積層したときの模式図である。
【図7】従来における成形品を複数個積層したときの模式図である。
【符号の説明】
10,10A,50 射出成形用金型
20 スプル側プレート
21,51 スプル
30,30A ランナ側プレート
31,31A,31B,52 ランナ
33,33A,33B ピンゲート
35A,35B,36A,45,47 金型部分
40 キャビティ側プレート
41,53,54 キャビティ
42,55,56 サイドゲート
S 成形品
【発明の属する技術分野】
この発明は、射出成形用金型及びその金型を用いて積層用成形品を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、射出成形によって成形品を成形する場合、キャビティの一側にサイドゲートを設けた金型を用い、前記サイドゲートからキャビティに樹脂原料を射出して成形することがある。
【0003】
しかし、前記したような射出成形用金型で成形品を成形すると、成形品におけるゲート側部分とゲートの反対側部分とで肉厚に差が生じることが避けられない。これは、ゲート付近は射出圧がかかり易いために樹脂原料の密度が高くなるのに対し、ゲートから離れると射出圧がかかり難いために密度が低くなって射出樹脂の密度差を生じることや、射出圧によってゲート側で金型が撓んだり開いたりする等の原因で生じる。
【0004】
このようにして成形された成形品は、部分によってわずかな肉厚差を生じたとしても、1個のみで使用されるような場合にはさほど問題にならないことが多い。しかし、図7に示すように、成形品60を複数個積層して使用する場合、例えば燃料電池のセパレータとして数百あるいはそれ以上重ねて使用する場合には、1個についての肉厚差が0.01mmであったとしても、700個重ねた場合は、セパレータの両端で7mmの肉厚差となり、図のように使用上問題が生じることになる。しかも、前記成形品は通常裏表等の向きが決められているため、一個置きに180度回転させて重ねたり、裏表反転させて重ねることにより前記肉厚差を吸収することもできなかった。
【0005】
また、従来、一つの金型で成形品を複数個成形する場合、サイドゲートの位置が各成形品で同一側の同一位置となるようにするため、ランナの両側にサイドゲートを介してキャビティが対称位置に設けられていた。そのため、このように成形された成形品を複数個重ねた場合には、前記と同様に肉厚差の問題を生じるのが避けられなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、前記の点に鑑みなされたもので、成形品を複数個積層して使用する際に部分による肉厚差が問題とならない成形品を成形できる射出成形用金型及びその金型を用いる積層用成形品の製造方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、請求項1の発明は、スプルに連通するランナを経て成形品用キャビティの一側のサイドゲートから当該キャビティに樹脂原料が射出される射出成形用金型において、前記スプルの形成されたスプル側プレートと、前記ランナがスプルからキャビティの一側へ至るように形成されたランナ側プレートと、前記サイドゲート及びキャビティの形成されたキャビティ側プレートとの3枚型構造とされ、前記キャビティ側プレートはサイドゲートの形成された金型部分と、前記サイドゲートとは反対側位置の金型部分とが交換可能に形成され、前記ランナ側プレートの交換又は回転により、及び前記サイドゲートの形成された金型部分と該サイドゲートとは反対側位置の金型部分との交換により、前記ランナ及びサイドゲートが前記キャビティの反対側位置となるようにされていることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2の発明は、スプルに連通するランナを経て成形品用キャビティの一側のサイドゲートから当該キャビティに樹脂原料が射出される射出成形用金型において、前記スプルの形成されたスプル側プレートと、前記ランナがスプルからキャビティの一側へ至るように形成されたランナ側プレートと、前記サイドゲート及びキャビティの形成されたキャビティ側プレートとの3枚型構造とされ、前記ランナ側プレートはランナの形成された金型部分が交換可能とされ、前記キャビティ側プレートはサイドゲートの形成された金型部分と、前記サイドゲートとは反対側位置の金型部分とが交換可能に形成され、前記ランナが形成された金型部分の交換、及び前記サイドゲートの形成された金型部分と該サイドゲートとは反対側位置の金型部分との交換により、前記ランナ及びサイドゲートが前記キャビティの反対側位置となるようにされていることを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の射出成形用金型において、サイドゲートとは反対側位置の金型部分がガスベントの形成されたものであることを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、介在物を介してあるいは直接に重ねて組合わされる積層用成形品を射出成形用金型を用いて複数射出成形するに際し、請求項1ないし3の何れか1項に記載された射出成形用金型を用い、前記複数の成形品のうち互いに隣接する2つの一方については、前記金型におけるサイドゲート及びランナをキャビティの一側に配置してサイドゲートが一側の成形品を射出成形し、前記隣接する2つの他方については、前記サイドゲート及びランナをキャビティの反対側にしてサイドゲートが反対側の成形品を射出成形することを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、介在物を介してあるいは直接に重ねて組合わされる積層用成形品を射出成形用金型を用いて複数射出成形するに際し、スプルに連通するランナの両側に該ランナからの距離を等しくして同一外形のキャビティが互いに向きを同一にして形成され、かつ前記ランナと各キャビティ間にサイドゲートが設けられて該サイドゲートの位置が前記ランナ両側のキャビティで形成される成形品に対し互いに反対となるようにした射出成形用金型を用い、前記複数の成形品のうち互いに隣接する2つの一方については、前記金型におけるランナの一側に位置するキャビティにサイドゲートを介してサイドゲートが一側になる成形品を射出成形し、前記隣接する2つの他方については、前記金型におけるランナの反対側に位置するキャビティにサイドゲートを介してサイドゲートが反対側の成形品を射出成形することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下添付の図面に従ってこの発明を詳細に説明する。
図1はこの発明の一実施例に係る射出成形用金型を示す断面図、図2は図1の射出成形用金型のランナ側プレートを交換又は回転しサイドゲートの金型部分と反対側位置の金型部分同士を交換した状態を示す断面図、図3は他の実施例に係る射出成形用金型を示す断面図、図4は図3の射出成形用金型のランナ側プレートの金型部分を交換しサイドゲートの金型部分と反対側位置の金型部分同士を交換した状態を示す断面図、図5はさらに他の実施例に係る射出成形用金型を示す断面図、図6はこの発明の射出成形用金型によって成形された成形品を複数個積層したときの模式図である。
【0013】
図1に示すものは、この発明の一実施例に係る射出成形用金型10である。この射出成形用金型10は、成形品を射出成形する際に用いられ、特には燃料電池のセパレータのように複数個積層して使用しかつ裏表等の向きが決められている板状の成形品を成形するのに好適な金型である。前記射出成形用金型10は、スプル側プレート20、ランナ側プレート30及びキャビティ側プレート40の3枚型構造となっている。
【0014】
前記スプル側プレート20には、樹脂原料が型内に射出される際に射出装置のノズル(図示せず)先端が接触するスプル21が形成されている。このスプル21は、射出装置のノズルを繰り返し押し付けることによって変形することがあるため、この実施例では、容易に交換ができるようにブシュとなっている。
【0015】
前記ランナ側プレート30には、スプル21から型内に射出された樹脂原料の流路となるランナ31が形成されている。このランナ31は、後端32で前記スプル21と連通しており、ここでは図の左側に向かって後述するキャビティ41の一側(左側)へ至るように形成されている。また、ランナ31の先端には、キャビティ41の一側に形成された湯溜り部43に連通するピンゲート33が形成されている。さらに、ランナ31の後端32付近には、コールドスラグウェル34が形成されており、樹脂原料の射出開始直後にノズルから出る低温の樹脂原料を受ける役割を果たしている。
【0016】
このランナ側プレート30は、前記ランナ31とは左右対称にランナが形成された(ランナが右側に向かって形成されている)他のランナ側プレートと交換可能となっている。なお、ランナ31の後端32位置のスプル21を図における上下方向に貫く軸を中心として180度回転させることにより対応可能な場合には、前記ランナ側プレート30を交換するのに代えて回転可能に構成してもよい。
【0017】
前記キャビティ側プレート40には、成形品用キャビティ41、サイドゲート42、湯溜り部43、ガスベント44が形成されている。この実施例のキャビティ41は、燃料電池のセパレータとなる板状成形品に応じた形状となっており、前記スプル21が図におけるキャビティの左右方向の中心位置となるようにされている。
【0018】
前記サイドゲート42は、樹脂原料をキャビティ41内に導入するためのもので、キャビティ41の一側、ここではキャビティ41の図における左側に形成されている。湯溜り部43は、キャビティ41への樹脂原料の流入を均一にするために前記ピンゲート33から流入した樹脂原料を一時的に保持する部位で、サイドゲート42に連通している。
【0019】
ガスベント44は、樹脂原料をキャビティ41内に導入する際にキャビティ41内のエアや発生するガスを排出するための通路である。このガスベント44は、前記サイドゲート42が形成されているキャビティ41の一側とは反対側に形成されており、ここでは、キャビティ41の図における右側である。なお、場合によっては、キャビティ側プレート40にガスベント44が形成されないこともある。
【0020】
前記キャビティ側プレート40のサイドゲート42と湯溜り部43の形成された金型部分45は、他の金型部分(金型本体部分)とは分離可能なブロック状とされている。また、キャビティ41を挟んで前記サイドゲート42とは反対側位置の金型部分、この実施例ではガスベント44の形成された金型部分47も、他の金型部分とは分離可能なブロック状とされている。そして、前記サイドゲート42と湯溜り部43の形成された金型部分45と、ガスベント44の形成された金型部分47は、交換して配置できるような形状及び大きさとなっている。
【0021】
前記した射出成形用金型10を用いて、燃料電池のセパレータのように複数個積層して使用する成形品を製造する際には、本発明の実施成形品の使用例を示す図6のように、直接又は介在物を介して積層される複数の成形品Sに関し、互いに隣接して積層される2つの成形品Saと成形品Sbを、次のように分けて成形する。
【0022】
まず、前記一方の成形品Saの成形について説明する。その場合、ランナ側プレート30をランナ31がキャビティ41の一側、この例では図1に示すように図の左側に向かうように配置する。また、キャビティ側プレート40のサイドゲート42と湯溜り部43の形成された金型部分45を、ランナ側プレート30のピンゲート33に対応する位置、ここでは図におけるキャビティ41の左側に配置し、キャビティ41を挟んで前記サイドゲート42とは反対側位置、ここでは図におけるキャビティ41の右側にガスベント44の形成された金型部分47を配置する。このように配置した状態で、サイドゲートが一側の成形品Saを成形品Sの必要数の半分だけ射出成形する。
【0023】
次に、前記他方の成形品Sbの成形について説明する。その場合、前記ランナ側プレート30を交換又は回転して、図2のように、ランナ31が反対側、この例では図の右側に向かうように配置する。また、キャビティ側プレート40のサイドゲート42と湯溜り部43の形成された金型部分45と、ガスベント44の形成された金型部分47の位置を交換する。すなわち、サイドゲート42と湯溜り部43の形成された金型部分45を、交換又は回転したランナ側プレート30のピンゲート33に対応する位置、ここでは図におけるキャビティ41の右側に配置し、キャビティ41を挟んで前記サイドゲート42とは反対側位置、ここでは図におけるキャビティ41の左側にガスベント44の形成された金型部分47を配置する。このように配置した状態で、サイドゲートが反対側の成形品Sbを成形品Sの必要数の残り半分だけ射出成形する。
【0024】
このようにして成形されたサイドゲートが一側の成形品Saとサイドゲートが反対側の成形品Sbを交互にして複数個積層すると、図6に示すようにお互いの肉厚差を相殺して、肉厚差が問題のないものとすることができる。
【0025】
なお、前記実施例の射出成形用金型10のほかに、図3及び図4に示すような射出成形用金型10Aであっても良い。以下、前記射出成形用金型10と同様の構成からなる部分については説明を省略し同様の符号を付す。
【0026】
この射出成形用金型10Aは、前記の射出成形用金型10と同様に、スプル側プレート20、ランナ側プレート30A及びキャビティ側プレート40の3枚型構造となっている。このうち、ランナ側プレート30Aには、前記射出成形用金型10と同様に、図3に示すような、スプル21から型内に射出された樹脂原料の流路となるランナ31Aが形成されているが、このランナ31Aの形成された金型部分35Aが、他の金型部分36Aとは分離可能なブロック状に形成されており、図4に示すような、前記ランナ31Aとは反対側にランナ31Bが形成されたブロック状の金型部分35Bと交換可能とされている。なお、スプル側プレート20及びキャビティ側プレート40は、前記射出成形用金型10と同様の構成となっている。
【0027】
そして、前記一方の成形品Saを成形する際には、まず、図3のようにランナ側プレート30Aに、キャビティ41の一側、この例では図の左側にランナ31Aが向かう構成の金型部分35Aを配置する。また、キャビティ側プレート40のサイドゲート42と湯溜り部43の形成された金型部分45を、ランナ側プレート30Aの金型部分35Aのピンゲート33Aに対応する位置、ここでは図におけるキャビティ41の左側に配置し、キャビティ41を挟んで前記サイドゲート42とは反対側位置、ここでは図におけるキャビティ41の右側にガスベント44の形成された金型部分47を配置する。このように配置した状態で、サイドゲートが一側の成形品Saを成形品Sの必要数の半分だけ射出成形する。
【0028】
また、前記他方の成形品Sbを成形する際には、図4のようにランナ側プレート30Aの金型部分35Aを図の右側にランナ31Bが向かう構成の金型部分35Bに交換し、配置する。さらに、キャビティ側プレート40のサイドゲート42と湯溜り部43の形成された金型部分45と、ガスベント44の形成された金型部分47の位置を交換する。すなわち、サイドゲート42と湯溜り部43の形成された金型部分45を、交換したランナ側プレート30Aの金型部分35Bのピンゲート33Bに対応する位置、ここでは図におけるキャビティ41の右側に配置し、キャビティ41を挟んで前記サイドゲート42とは反対側位置、ここでは図におけるキャビティ41の左側にガスベント44の形成された金型部分47を配置する。このように配置した状態で、サイドゲートが反対側の成形品Sbを成形品Sの必要数の残り半分だけ射出成形する。
【0029】
次に、成形品を同時に複数個成形できる構成の射出成形用金型50について、図5を用いて説明する。この実施例の射出成形用金型50は、射出装置のノズル先端が接触するスプル51に連通するランナ52の両側に、同一外形の成形品用キャビティ53,54が形成されている。該キャビティ53,54は、前記ランナ52からの距離が等しくなる位置に形成されており、互いに向きを同一にして形成されている。また、前記ランナ52と各キャビティ53,54間にはサイドゲート55,56が設けられている。この射出成形用金型50では、同一外形のキャビティ53,54が互いに向きを同一にしてランナ52の両側に形成されているため、前記ランナ52両側のキャビティ53,54で形成される成形品に対し互いにサイドゲート55,56の位置が反対となる。
【0030】
このような構成の射出成形用金型50を用いて前記射出成形品Sを製造する場合、前記一方の成形品Saについては、ランナ52の一側(左側)のキャビティ53にランナ52からサイドゲート55を介して射出成形し、前記他方の成形品Sbについては、ランナ52の反対側(右側)のキャビティ54にランナ52からサイドゲート56を介して射出成形する。前記両成形品Sa,Sbの成形は同時に行われる。このようにして成形された成形品SaとSbは、その成形されたキャビティ53,54によって、肉厚差の生じる位置が反対となる。例えば、図5のランナ52の左側に位置するキャビティ53で成形された成形品は、成形品Saの右側が左側よりも厚肉となるのに対し、ランナ52の右側に位置するキャビティ54で成形された成形品Sbは、成形品Sbの左側が右側よりも厚肉となる。そして、図6のように両方の成形品Sa、Sbを交互に複数個積層していくことによって、互いの肉厚差を相殺し、肉厚差が問題のないものとすることができるのである。
【0031】
なお、前記射出成形用金型50では、2個の成形品を同時に成形できるように2個1組のキャビティ53,54がランナ52の両側に一個づつ設けられているが、4個以上の成形品を成形できるように、ランナの両側に各々2以上のキャビティを複数組設けてもよい。
【0032】
【発明の効果】
以上図示し説明したように、この発明における射出成形用金型によれば、複数個積層して使用しかつ裏表等の向きが決められている成形品の成形に際して、サイドゲートの位置をキャビティの一側にしたものと反対側にしたものの両方の成形品を成形できるため、両方の成形品を交互に複数個積層すれば互いの肉厚差を相殺して肉厚差について使用上問題のない成形品を成形することができる。しかも、この発明では型構造が複雑にならない効果もある。
【0033】
また、この発明の積層用成形品の製造方法によれば、複数個積層される成形品を、積層時に肉厚差が解消できるようにして、しかも簡単かつ安価に製造できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る射出成形用金型を示す断面図である。
【図2】図1の射出成形用金型のランナ側プレートを交換又は回転しサイドゲートの金型部分と反対側位置の金型部分同士を交換した状態を示す断面図である。
【図3】他の実施例に係る射出成形用金型を示す断面図である。
【図4】図3の射出成形用金型のランナ側プレートの金型部分を交換しサイドゲートの金型部分と反対側位置の金型部分同士を交換した状態を示す断面図である。
【図5】さらに他の実施例に係る射出成形用金型を示す断面図である。
【図6】この発明の射出成形用金型によって成形された成形品を複数個積層したときの模式図である。
【図7】従来における成形品を複数個積層したときの模式図である。
【符号の説明】
10,10A,50 射出成形用金型
20 スプル側プレート
21,51 スプル
30,30A ランナ側プレート
31,31A,31B,52 ランナ
33,33A,33B ピンゲート
35A,35B,36A,45,47 金型部分
40 キャビティ側プレート
41,53,54 キャビティ
42,55,56 サイドゲート
S 成形品
Claims (5)
- スプルに連通するランナを経て成形品用キャビティの一側のサイドゲートから当該キャビティに樹脂原料が射出される射出成形用金型において、
前記スプルの形成されたスプル側プレートと、前記ランナがスプルからキャビティの一側へ至るように形成されたランナ側プレートと、前記サイドゲート及びキャビティの形成されたキャビティ側プレートとの3枚型構造とされ、
前記キャビティ側プレートはサイドゲートの形成された金型部分と、前記サイドゲートとは反対側位置の金型部分とが交換可能に形成され、
前記ランナ側プレートの交換又は回転により、及び前記サイドゲートの形成された金型部分と該サイドゲートとは反対側位置の金型部分との交換により、前記ランナ及びサイドゲートが前記キャビティの反対側位置となるようにされていることを特徴とする射出成形用金型。 - スプルに連通するランナを経て成形品用キャビティの一側のサイドゲートから当該キャビティに樹脂原料が射出される射出成形用金型において、
前記スプルの形成されたスプル側プレートと、前記ランナがスプルからキャビティの一側へ至るように形成されたランナ側プレートと、前記サイドゲート及びキャビティの形成されたキャビティ側プレートとの3枚型構造とされ、
前記ランナ側プレートはランナの形成された金型部分が交換可能とされ、
前記キャビティ側プレートはサイドゲートの形成された金型部分と、前記サイドゲートとは反対側位置の金型部分とが交換可能に形成され、
前記ランナが形成された金型部分の交換、及び前記サイドゲートの形成された金型部分と該サイドゲートとは反対側位置の金型部分との交換により、前記ランナ及びサイドゲートが前記キャビティの反対側位置となるようにされていることを特徴とする射出成形用金型。 - サイドゲートとは反対側位置の金型部分がガスベントの形成されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の射出成形用金型。
- 介在物を介してあるいは直接に重ねて組合わされる積層用成形品を射出成形用金型を用いて複数射出成形するに際し、
請求項1ないし3の何れか1項に記載された射出成形用金型を用い、前記複数の成形品のうち互いに隣接する2つの一方については、前記金型におけるサイドゲート及びランナをキャビティの一側に配置してサイドゲートが一側の成形品を射出成形し、
前記隣接する2つの他方については、前記サイドゲート及びランナをキャビティの反対側にしてサイドゲートが反対側の成形品を射出成形することを特徴とする積層用成形品の製造方法。 - 介在物を介してあるいは直接に重ねて組合わされる積層用成形品を射出成形用金型を用いて複数射出成形するに際し、
スプルに連通するランナの両側に該ランナからの距離を等しくして同一外形のキャビティが互いに向きを同一にして形成され、かつ前記ランナと各キャビティ間にサイドゲートが設けられて該サイドゲートの位置が前記ランナ両側のキャビティで形成される成形品に対し互いに反対となるようにした射出成形用金型を用い、前記複数の成形品のうち互いに隣接する2つの一方については、前記金型におけるランナの一側に位置するキャビティにサイドゲートを介してサイドゲートが一側になる成形品を射出成形し、前記隣接する2つの他方については、前記金型におけるランナの反対側に位置するキャビティにサイドゲートを介してサイドゲートが反対側の成形品を射出成形することを特徴とする積層用成形品の製造方法。
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