JP3153311B2 - ツェインの精製方法 - Google Patents

ツェインの精製方法

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    • A23JPROTEIN COMPOSITIONS FOR FOODSTUFFS; WORKING-UP PROTEINS FOR FOODSTUFFS; PHOSPHATIDE COMPOSITIONS FOR FOODSTUFFS
    • A23J1/00Obtaining protein compositions for foodstuffs; Bulk opening of eggs and separation of yolks from whites
    • A23J1/12Obtaining protein compositions for foodstuffs; Bulk opening of eggs and separation of yolks from whites from cereals, wheat, bran, or molasses

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ツェインを精製する方
法に関するものであり、詳しくはツェインの色素や臭い
を除去しかつツェインの変性による品質の劣化を招くこ
とのないツェインの精製方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ツェインはとうもろこし蛋白質の主要成
分であり、アルコールおよびアルカリ溶液に可溶であ
。接着力およびフィルムや繊維の形成能があり、ツェ
インのアルコールあるいはアルカリ溶液を噴霧したり、
塗布、浸漬したりして被処理物の表面に付着させ、これ
を乾燥することにより耐水性、耐酸性、耐熱性、電気絶
縁性等に優れた皮膜をつくることが知られている。この
ような性質から、種々の用途が開発されているが、特に
食品や化粧品用として用いることができるツェインにつ
いては、不快な色と臭いのない白色の精製品が望まれて
いる。
【0003】ェイン溶液を処理することによりツェイ
ンを得る方法としては、Industrialand Engineering Ch
emistry Vol.33 No.3 394(1941)に記載されている方法
があり、この方法によればツェイン溶液を冷却すること
によりツェインをブロック状の沈澱とし、これを乾燥す
るものであり、特開昭63−185999号の特許公開
公報に記載されている方法によれば、ツェイン溶液に水
を加えてツェインを沈澱せしめ、これを乾燥するもので
ある。また本願の発明に類似する方法として、本発明
等が先に特許出願した方法がある(特開平5−1843
06号公報)。この方法は、ツェインを高濃度の含水ア
セトンに接触させ、粗ツェインの色や臭いを除去するも
のである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来の方法には
種々の問題がある、即ちツェイン溶液を冷却する方法
は、色や臭いが除去できることもあるが、沈澱物がブロ
ック状となるので洗浄しにくい。そして液成分中の水分
が10〜60%であるので低温にする必要があり、冷却や乾
燥でコスト高となる。また液成分中の水分のため変質し
やすいので抽出液等はマイナス20℃以下の低温保存が必
要である。ェイン溶液に水を加える方法は、色や臭い
の除去ができないうえ変質しやすいので乾燥前の工程品
は冷却して保存する必要がある。更に、液成分中の水分
が50〜100%であり、乾燥も凍結乾燥が必要なのでコス
ト高となる。従って、ツェインの精製方法としては採用
できない。
【0005】ェインを高濃度の含水アセトンに接触さ
せて処理する方法は、色や臭いが概ね除去できるが、処
理対象物が固体であり溶液の状態を経ないので、色や臭
いの成分を充分に抽出することは不可能である。ツェイ
ンが微粉体や多孔質状のものであっても充分な脱色や脱
臭はできない。
【0006】本発明は、上記の問題に鑑みてなされたも
のであり、その目的は(1)乾燥工程におけるツェインの
変質防止、(2)脱色、脱臭を効率よく、(3)製品のアルコ
ール等への溶解性を向上すること、(4)乾燥品の外観を
白くする、(5)乾燥品の粉砕を容易にすることができる
ツェインの精製方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段および作用】本発明者は、
上記の目的を達成せんとして種々検討したところ、ツェ
インの含水アセトン溶媒への溶解度は、アセトン濃度が
70%程度のところで最高値を示すが、アセトンが低濃度
または高濃度になるにつれて溶解度が極めて低くなるこ
とに着目し、ツェインの溶液を100%近いアセトン中に
分散せしめることによりツェインの精製が可能であるこ
とを見いだした。
【0008】本発明は上記の知見に基づくものであり、
その要旨は、ツェインの溶液を高濃度のアセトン中に分
散し、ツェインを多孔質の固形物として沈澱せしめて精
製処理をした後、該沈澱固形物を乾燥するツェインの精
製方法であって、ツェインの溶液を高濃度のアセトン中
に分散する方法が、ツェイン溶液をノズルよりアセトン
中に噴出させる方法、アセトンを激しく攪拌していると
ころにツェイン溶液を添加する方法、ツェイン溶液をア
セトン液面に噴霧する方法から選択された一つの方法又
は二つ或いはそれ以上を組み合せた方法にある。
【0009】本発明に用いるツェイン溶液は、炭素数1
〜4の1価のアルコール、プロピレングリコール、エチ
レングリコール、アセトンの含水溶媒等から選択された
1種または2種以上の有機溶媒に溶解したツェイン溶液
であって、その粘度が100,000cp以下のものであるこ
とが望ましく、また高濃度のアセトンとしては、100%
またはこれに近い高濃度のものが望ましい。
【0010】記のツェイン溶液とこれを分散させるア
セトンの量比は、主にツェイン溶液中の水分によって限
定される。常温における処理では、分散後の液中の水分
が2〜3%を越えないようにツェイン溶液の添加量を調
節する必要がある。水分がこれより多くなると、ヌガー
状の沈澱となり処理操作が困難となるからである。しか
し、さらに低温のアセトンを用いる場合は、常温に比べ
て多くのツェイン溶液を添加することができる。
【0011】発明において、ツェイン溶液をアセトン
中に分散することによって得られるツェインの沈澱した
固形物は、白色で多孔質の固体であって、外観として
綿状又は状である。の沈澱物は多孔質の固体であ
るから、沈澱の生成後においてもアセトンによる洗浄作
用によって、色や臭いを除去する速度が速く、外観の白
さを増すので食品や化粧品の用途に適したツェインとな
る。
【0012】発明における沈澱固形物の乾燥工程であ
るが、ツェインは乾燥前の水分が多いほど変質し易く、
液成分の主成分が水の場合は凍結乾燥のような極めて慎
重な乾燥方法をとることが必要であるが、本発明におい
てはツェイン溶液を分散後の液中の水分が少なく、分散
させるアセトン溶液中の水分のツェインを析出させる分
散媒であるアセトン側に移行するので、分散後の液中の
水分を1%以下とすることも容易である。従って、例え
ば真空度の低い減圧乾燥器でも充分に乾燥することがで
きる。本発明における乾燥工程は、もっぱら沈澱固形物
に付着しているアセトンを除去をする工程となる。
【0013】
【実施例等】以下実施例等に基いて本発明を説明する。 実施例 粗ツェインを20g含む78.5%(V/V)のアセト
ン溶液50gを、ホモミキサー(日音医理科器械製作所
「ヒスコトロン」商標)中で500mlのアセトンを回転数
10,000rpmで攪拌しているところに注ぎ込み、さらに
攪拌を2分間継続して粉末状の白色沈澱を得た。この沈
澱を濾別してアセトン20mlで洗浄した後、減圧乾燥し
て粉末状のツェイン17.5gを得た。
【0014】実施例 粗ツェインを1Kg含む79%(V
/V)のアセトン溶液4リットルを2℃のアセトン20リッ
トル中に、塗装用エアースプレーを用いて、ノズルを液
面下に入れて2Kg/cm2の圧力でツェイン溶液を注
ぎ込み、綿状の沈澱を生成せしめ、さらに20分間靜置
して白色粉末状の沈澱物を得た。この沈澱物を150メッ
シュの網で濾別して回収し、さらにアセトン1リットル
で洗浄した後、減圧乾燥し、粉末状のツェイン901gを
得た。
【0015】比較例1 ツェイン溶液の粘度が100,000
cp以上の場合 コーングルテンミール50gから約70%(V/V)のアセトン
でツェイン16gを含む抽出液を得た。この抽出液を加熱
してアセトンを留去し、沈澱物としてツェインを回収し
た。この沈澱物の重量は33gで、そのうち固形物重量は
12.5gであった。この沈澱物は常温でヌガー状であっ
。この沈澱物を7℃のアセトン300mlを攪拌してい
るところに添加し、1時間攪拌を継続したところ、乳白
色の沈澱を得た。この沈澱を回収し、減圧乾燥を行い、
米粒大のツェイン10.9gを得た。
【0016】比較例2 ツェイン乾燥物を分散した場合 粗ツェインの乾燥物(0.5〜1mm程度の琥珀色の半透明
粒子)20gを、ホモミキサー中で500mlの98%(V/V)ア
セトンを回転数10,000rpmで攪拌しているところに添
加し、さらに攪拌を2分間継続して粉末状の白色沈澱を
得た。沈澱物を濾別して、さらにアセトン20mlで洗浄
した後、減圧乾燥し粉末状のツェイン16.9gを得た。
【0017】上記の各実施例並びに比較例におけるツェ
イン、グルテンミール抽出物等の色の濃さを測定した。
その評価方法として、3%(W/V)の固形物含量となるよ
うに試料を80%(V/V)エタノールに溶解し、分光光度計
を用いて波長470nmでの透過率の測定値を評価値とし
た。その結果を表1に示す。
【0018】
【表1】 粗ツェインまたはグルテンミール アセトン分散処理を 抽出物溶解液 したツェイン溶解液 実施例 54.1% 85.7% 実施例 59.3% 84.1% 比較例1 54.9% 71.6% 比較例2 54.1% 79.4%
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、簡単な処理工程でしか
も短時間に、食品や化粧品用として用いることができ
る、色や臭いのないツェインを得ることができる。本発
明方法において、乾燥前のツェインは水分が極めて少な
いので乾燥工程においてツェインの変質は生じない。ま
た多孔質の固形物として沈澱するので脱色、脱臭の効率
がよく、乾燥品の外観が白くなる。さらに、本発明方法
により得られる精製ツェインは多孔質であるために粉砕
が容易である
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23J 1/12 A23J 3/14 C07K 1/14 C07K 14/425

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ツェインの溶液を高濃度のアセトン中に
    分散し、ツェインを多孔質の固形物として沈澱せしめて
    精製処理をした後、該沈澱固形物を乾燥するツェインの
    精製方法であって、ツェインの溶液を高濃度のアセトン
    中に分散する方法が、ツェイン溶液をノズルよりアセト
    ン中に噴出させる方法、アセトンを激しく攪拌している
    ところにツェイン溶液を添加する方法、ツェイン溶液を
    アセトン液面に噴霧する方法から選択された一つの方法
    又は二つ或いはそれ以上を組み合わせた方法であるこ
    を特徴とする、ツェインの精製方法。
  2. 【請求項2】 ツェインの溶液が、炭素数1〜4の1価
    のアルコール、プロピレングリコール、エチレングリコ
    ール、アセトンの含水溶媒から選択された1種又は2種
    或いはそれ以上の有機溶媒のツェイン溶液であって、そ
    の溶液の粘度が100,000cp以下であることを特
    徴とする、請求項1に記載のツェインの精製方法。
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