JP3150945B2 - 建物の床下構造体及び床下構造体の湿式白アリ防除方法 - Google Patents

建物の床下構造体及び床下構造体の湿式白アリ防除方法

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JP3150945B2 JP23425498A JP23425498A JP3150945B2 JP 3150945 B2 JP3150945 B2 JP 3150945B2 JP 23425498 A JP23425498 A JP 23425498A JP 23425498 A JP23425498 A JP 23425498A JP 3150945 B2 JP3150945 B2 JP 3150945B2
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英二 木野内
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株式会社ヤマト産業
眞市 池上
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、白アリの防除機能
を備えたスラリー状白アリ防除組成物を用いた床下構造
体、及びそれを用いた床下構造体の湿式白アリ防除方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】住宅等の建物に大きな被害を及ぼす害虫
として代表的なものに白アリが挙げられる。白アリは地
下営巣であり、主に地面から住宅構造材である土台、
柱、又は床下の大引や根太等の木材に侵入して食害す
る。このような被害をくい止めるべく、従来様々な防
除、駆除方法が試みられてきた。例えば、石油系の有機
化合物殺虫剤を油性溶剤に溶かした組成物を木材に吹き
つける方法や、殺虫化合物を乳化した組成物を土壌に散
布する方法等である。
【0003】しかし、これらの有機化合物が様々な害を
生物に及ぼすことは明らかとなってきており、住宅に使
用される有機系薬剤も例外ではない。殺虫を目的として
使用されてきた有機化合物は、有機塩素系、有機リン
系、カーバメイト系、ピレスロイド系等である。これら
の薬剤は蒸散性であるため床下から家屋内部へ立ちのぼ
り、人間やペット等の生物に様々な害を及ぼす。この問
題は近年においてはシックハウス化の問題として社会的
にも指摘され、今後住宅の床下構造や床下土壌に大量に
有機化合物殺虫剤を散布することは問題である。
【0004】そこで、蒸散性の小さい無機系化合物を用
いる防除方法も採用されるようになった。例えば、古紙
にホウ酸を配合して地面に敷きつめる方法(従来例1)
や、セルロース繊維にホウ酸等の無機系化合物を配合し
たものを基礎側面や床板裏面、大引等の表面にガン等で
吹きつける方法(従来例2)等が採用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した無機系化合物
を使用する防除方法は、いずれも乾式である。このため
従来例1においては、土壌に前記古紙を敷きつめる際に
古紙やホウ酸が飛散して、作業が困難になる。一方従来
例2においても、やはり乾式であるため吹きつけの際に
パルプ等が飛散するし、吹きつけたパルプ等の嵩も小さ
く、白アリの食害が短期間で住宅の床下構造を構成する
木材に及び易くなる。また上記2つの従来例は、配合し
た無機系化合物がセルロース繊維間に取り込まれている
わけではなく、セルロース繊維等と無機系化合物が単に
混ぜ合わされているにすぎず、未だ前記無機系化合物が
蒸散するおそれがある。
【0006】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであり、その目的とすることろは、白アリ防除
のための組成物の組成成分であるセルロース繊維や白ア
リ防除物質が飛散することを防止し、経時に伴う前記白
アリ防除物質の蒸散も抑制するとともに、前記組成物を
床下構造体の表面に塗布又は吹付けて白アリ防除機能を
発揮させ、特に床板の裏面に塗布又は吹付けた場合は断
熱層を形成させることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では以下の手段を採用した。すなわち、本発
明の建物の床下構造体は、白アリ防除物質及び接着性物
質を混合した白アリの好食餌体であるセルロース繊維に
水を配合して、粘度が10、000センチポアズ〜5
0、000センチポアズの範囲内となるスラリー状に調
製されたスラリー状白アリ防除組成物を、床下構造体に
塗布又は吹付けて断熱層を形成し、この断熱層に白アリ
防除物質を組み込んだ白アリの好食餌体を含有して前記
断熱層を維持していることを特徴とする(請求項1)。
【0008】この手段を採用することにより、白アリ防
除物質を床下に散布、配置等する際に発生していたパル
プ等セルロース繊維の飛散を防ぐことが可能になる。ま
た前記スラリー状白アリ防除組成物は接着性物質を混合
しているので、床下の木材等に塗布又は吹付けて施着し
た該組成物が剥がれることを防止できる。スラリー状白
アリ防除組成物が含有する水は、該組成物が木材等に施
着された後に蒸発して(自然乾燥して)失われる。水に
より嵩増しされた前記組成物は、ある程度の厚みをもっ
た層を形成し、自然乾燥後は含有するセルロース繊維同
士が水素結合により接着して、前記層の構造を維持す
る。
【0009】つまり前記組成物に含まれる水は各組成成
分をひとまとめにし、前記組成物を施着する際にセルロ
ース繊維や配合されている白アリ防除物質が飛散するこ
とを防ぐことが可能であり、施着後は自然乾燥して水分
が失われたとしても、白アリ防除物質を組み込んだセル
ロース繊維による層が維持されるのである。またセルロ
ース繊維内に前記白アリ防除物質が組み込まれることに
より、従来問題であった経時に伴う白アリ防除物質の蒸
散を防ぐこともできるのである。また上記スラリー状白
アリ防除組成物の粘度は、300ポアズ〜500ポアズ
であればより好ましい。すなわち、前記粘度は100ポ
アズ〜500ポアズの範囲内であっても層を維持できる
が、この粘度を300ポアズ〜500ポアズに調製する
ことによって施工能率が悪くなることなく層を確実に維
持できるのである。
【0010】なお、前記接着性物質として少なくともカ
ルボキシメチルセルロースが配合されていることが推奨
される。カルボキシメチルセルロース(以下、CMC)
は、水を含むと粘性を発揮する性質を持つ。前記スラリ
ー状白アリ防除組成物がある程度の粘性を備えている
と、ある程度の厚みを持った層を容易に形成することが
できるという、施工性向上の利点がある。上述したよう
に、スラリー状白アリ防除組成物は床下構造体(前述し
た、床下構造を形成する木材等)に塗布又は吹付けされ
る。セルロース繊維は白アリが好んで食する物質、つま
り好食餌体である。前記白アリ防除組成物は床下構造体
に層を維持していて層である故に、セルロース繊維を豊
富に含んでいるため、白アリ防除物質を組み込んだ好食
餌体を豊富に含有しているといえる。
【0011】セルロース繊維を白アリが食せば、それに
伴い含有する白アリ防除物質をも摂取することになる。
また、当該繊維を白アリが食しなくとも、該繊維が白ア
リに付着しておれば、当該白アリは巣に戻ったとき、他
の白アリが当該白アリを洗浄するくせ(習性)があるこ
とから、防除機能は確保される。更に前記床下構造体
は、その表面に粘性を持つスラリー状白アリ防除組成物
が塗布又は吹付けられてある程度の厚みを有すので、白
アリが床下構造体を食害する前にセルロース繊維を先に
食したとしても層を維持しているのでセルロース繊維が
減ってもこれが豊富であることから、従来のように床下
構造体に防除物質を直接塗布する場合よりも、家屋への
被害を抑制することができる。
【0012】本発明のスラリー状白アリ防除組成物はあ
る程度の粘性を持つため施工性が向上することはすでに
述べたが、このことにより、容易に断熱層として十分な
厚みを持った層を形成することができる。前記層により
家屋内外の温度が互いに伝わることを防止することがで
きる。また本発明の床下構造体の湿式白アリ防除方法
は、上述のスラリー状白アリ防除組成物を床下構造体又
は土壌のいずれか一方又は双方に塗布又は吹付けること
により層を形成し、この層に白アリ防除物質を組み込ん
だ白アリの好食餌体を含 有して前記層を維持するように
建物の床下構造体を形成することを特徴とする(請求項
2)。
【0013】従来行われてきた白アリ防除方法は、水を
使用せずに白アリ防除物質を直接土壌に散布したり、あ
るいは床下構造体に貼り付けたり、白アリ防除物質を混
ぜ合わせた古紙等のセルロース繊維を土壌に散布あるい
は配置する等の乾式であった。従って白アリ防除物質や
セルロース繊維が飛散し、経時に伴い白アリ防除物質が
蒸散するという問題があった。本発明は、白アリ防除組
成物に水を混合し、スラリー状にして使用する湿式白ア
リ防除方法を採用することにより、セルロース繊維や白
アリ防除物質の飛散、白アリ防除物質の経時に伴う飛散
を防止することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。本発明においては、セルロース繊維として新聞古
紙、レポート用紙(いずれも細かく粉砕したもの)を使
用できるが、これらに限定されることはない。白アリが
好んで食する好食餌体であれば上述のものに限定する必
要はなく、他にも例えばミツマタやコウゾ等も使用可能
である。また、セルロース繊維以外にも、例えば小麦粉
等を混合しても良い。更にトド松、エゾ松、モミ、ダグ
ラス・ファー、ヘムロック、ブナ、カバ、ハンノキ、ト
ウヒ、ユーカリ、シラカバ等を原料とする新聞紙、中級
印刷用紙、衛生用紙、外装用ジュートラ、中しん原料用
紙、白ボール用紙等を使用することも可能である。上記
の用紙類は古紙のみに限定されず、新しい用紙であって
も構わない。
【0015】上記セルロース繊維に接着性物質を配合す
る。接着性物質は、本発明のスラリー状白アリ防除組成
物を図1で例示する床下構造体の表面に塗布又は吹付け
て施着した際に、剥がれ落ちないようにするためのもの
である。また上記セルロース繊維に、白アリ防除物質
(以下、防除物質)を配合する。この防除物質は、白ア
リに対する防除効果を持つ物質である。上述した接着性
物質としては、カルボキシメチルセルロース(以下、C
MC)を使用することが好ましい。CMCは水分を含む
と粘性を持つ性質があり、かかる性質より、スラリー状
白アリ防除組成物と床下構造体の接着を行うことが可能
である。
【0016】セルロース繊維にこれらの物質を配合し、
水を加えて混合してスラリー状にして本発明のスラリー
状白アリ防除組成物を得る。水を加えることにより、セ
ルロース繊維や防除物質の飛散あるいは分散を防ぐこと
ができ、スラリー状白アリ防除組成物を施着するうえで
好適である。また施着後、前記スラリー状白アリ防除組
成物が自然乾燥し、セルロース繊維同士はそれらの間に
水素結合を形成して互いに連結する。従って塗布された
後自然乾燥しても、セルロース繊維同士が離れることは
ない。またセルロース繊維間に前記防除物質が取り込ま
れて、該防除物質の蒸散を防止することができる。
【0017】またCMCの粘性により、スラリー状白ア
リ防除組成物の各組成成分が分散することを防ぐことも
できる。つまり、既に述べたセルロース繊維間の水素結
合を補強し、また防除物質をセルロース繊維間に取り込
むことを可能にする。また、スラリー状白アリ防除組成
物全体に粘性を持たせることができるので、該組成物の
施工性を向上させることができる。 このような接着性
物質として、他にメチルセルロース(MC)、ヘキシル
メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HE
C)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、疎水
性基変性ヒドロキシエチルセルロース(HMHEC)等
の繊維素系増粘剤、グアガム、マンナン、アルギン酸塩
等の多糖類等が例示できる。またこれらに限定されるこ
となく、他にもポリアクリル酸等のアクリルエマルジョ
ンや、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等
の酢酸ビニルエマルジョン等も使用可能である。
【0018】また上述した物質に限定されることなく、
例えばNR、SBR、NBR等のラテックスを、上述の
接着性物質として使用することもできる。またCMC
と、上述したその他の接着性物質を併用することも可能
である。防除物質としては、白アリの防除に有効な物質
であれば有機系防除物質でも無機系防除物質でも使用す
ることができる。有機系防除物質として有機リン殺虫剤
のクロルピリホス乳剤、カーバメイト系のマイクロカプ
セル化水分散剤(住友化学製、商品名バクトップMC)
を例示でき、無機系防除物質としてホウ酸、ホウ酸亜
鉛、亜砒酸等を例示できるが、これらに限定されること
はない。
【0019】しかし先に述べたように、有機系防除物質
を使用することは、住環境の観点から好ましくない。一
般に有機系物質は、蒸散性の特性値であるその蒸気圧
(例えば有機塩素系化合物では1×10-3〜1×10-5
mm/Hg、有機リン系化合物では1×10-4〜1×1
-6mm/Hg程度)が比較的高く、床下に使用すれば
住居等の内部又は外部に立ちのぼり、住環境に与える影
響は少なくないからである。従って、上記ホウ酸等の無
機系防除物質を用いることが好ましい。しかし本発明の
スラリー状白アリ防除組成物は、水を加えることにより
スラリー状となっており、施工時において上記のような
比較的蒸散値の高い物質であっても、上方に立ちのぼる
ことを抑制することができる。従って、本発明において
は有機系防除物質でも使用することができるのである。
【0020】一般に、有機系防除物質はその白アリ防除
効果に関して速効性であり、無機系防除物質は遅効性で
ある。防除効果に速効性を要求する場合は、上記理由に
より有機系防除物質を使用することもできるので、化学
反応により防除効果が減殺されない範囲内で有機系防除
物質と無機系防除物質を混合して用いることができる。
上記無機系防除物質としては、すでに述べたように白ア
リの防除に有効な物質であれば特に限定しないが、扱い
が容易なことや、住環境への影響、防除効果等を考慮し
て、ホウ酸やホウ酸化合物を用いることが好ましい。ホ
ウ酸化合物として例えば上述のホウ酸亜鉛や、ホウ酸カ
ルシウム、ホウ砂等であっても構わない。また上述の亜
砒酸や、その他白アリ防除の効果があればその他の無機
系防除物質も使用できる。また、複数の無機系防除物質
を混合して用いても差し支えない。
【0021】このようにして調製されたスラリー状白ア
リ防除組成物は図1で示すような床下構造体10の表面
に塗布又は吹付けて施着される。本発明でいう床下構造
体10とは、布基礎1、土台2、大引3、大引受け4、
束石5、束6、根太7、床板8、柱9等を指す。前記組
成物は全体として粘性を有するので、床下構造体10表
面へ施着すると、ある程度の厚みをもつ層を比較的容易
に形成することができる。従って施着作業の能率を上
げ、施工性を向上させることができる。また水によりス
ラリー状にされているので、施工の際のセルロース繊維
や、防除物質等の飛散を防止できる。
【0022】スラリー状白アリ防除組成物を施着された
床下構造体表面は、白アリ防除機能を有する。前記床下
構造体は、白アリの好食餌体であるセルロース繊維を含
むため、白アリはセルロース繊維を食すことにより防除
物質も摂取し易くなって防除効果を高めることができ
る。また、床下構造体10を食害する前にセルロース繊
維を先に食すので、従来のように床下構造体10に防除
物質を直接塗布する場合よりも、家屋への被害を抑制す
ることができる。床下構造体のうち、図4及び図5で示
すように、特に床板8の裏面にスラリー状白アリ防除組
成物を施着すれば、断熱層16を形成することができ
る。断熱層16として機能するのに好ましい厚みは5c
m程度以上である。スラリー状白アリ防除組成物の施着
方法についての詳細は後述するが、例えばガン等による
吹き付けにより施着した場合、一回の吹付けで形成され
る層の厚みは数mm〜2cm程度である。この程度の厚
みでも断熱機能を発揮することは可能であるが、図5で
示すように複数回吹付けを行って、該層の厚みを少なく
とも5cm程度にすると、家屋内外の温度が互いに容易
に伝わることを効果的に防止できて好ましい。但し、前
記防除組成物の施着厚さは1mm程度であっても断熱機
能(遮熱機能)を発揮可能である。
【0023】また上述の断熱層(遮熱層)を得るために
は、施工性の観点より、スラリー状組成物の粘度が1
0、000センチポアズ(100ポアズ)〜50、00
0センチポアズ(500ポアズ)の範囲内であることが
好ましい。100ポアズ以下であるとある程度の厚みを
もった層を形成することが難しく、また500ポアズ以
上あると粘性が高すぎて、施着に使用する器具(例えば
ガン等)につまってしまい、施工能率が悪くなるからで
ある。また上記範囲内のうち、300ポアズ〜500ポ
アズが更に好ましい。この範囲内であれば、ある程度の
厚みをもった層を更に容易に得ることができる。
【0024】スラリー状白アリ防除組成物を主として白
アリ防除のために使用する場合は、該組成物の粘度は上
記範囲内に限定されない。前記断熱層16と同程度の厚
みがあってもかまわないが、それより薄い層であっても
よい。白アリ防除には防除物質さえ施着されていれば足
りるため、薄い層であってもなんら差し支えはない。上
述した例えばガン等による1回のみの吹付けで得られる
程度の厚みであってもかまわない。従ってスラリー状白
アリ防除組成物の粘度は断熱層を形成する場合より低く
てもよい。
【0025】スラリー状白アリ防除組成物は搬送手段
(図示略)により床下構造体10近くまで搬送され、図
2で示すように吐出具20により塗布又は吹付けて施着
される。前記搬送手段としては、高粘度物質でも搬送で
きるようラジアルベーンポンプ、チューブポンプ等が好
ましいが、これらに限定されることはなく、例えばプラ
ンジャーポンプ等の使用も可能である。また前記吐出具
20としては、例えばガンが挙げられるがこれに限定さ
れるものでない。また吐出具を使用しなくても、例えば
こて等を使用して塗布してもよく、施着手段は特に限定
しない。
【0026】なお、スラリー状白アリ防除組成物が施着
される箇所は、床下構造体10の表面のみに限られな
い。例えば床下の土壌に施着しても構わない。セルロー
ス繊維間に防除物質が取り込まれ、その状態を維持した
まま自然乾燥するのであるから、防除物質が蒸散するこ
ともなく、なんら問題はない。 〔具体的実施例〕 表1に.本発明のスラリー状白アリ防除組成物の配合割
合の実施例を示す。組成成分の配合割合は厳密に定めら
れることはないが、断熱層16を形成する場合は、先に
述べた粘度になるようにスラリー状白アリ防除組成物の
粘性に関与する物質CMCの配合量や、CMCに粘性を
与える水の配合量を調整する。先に述べたその他の接着
性物質を使用する場合も、先に述べた粘度の範囲内とな
るようにその配合量を適宜調整する。
【0027】白アリの防除機能を要求する場合は、好ま
しい粘度の範囲は特に要求されないので、CMC等の接
着性物質や水等に関して特に定められた配合量はない。
白アリ防除機能を要求する場合も、断熱機能を要求する
場合も、本発明のスラリー状白アリ防除組成物を得るに
あたっては、セルロース繊維と水の配合量を重量でおお
よそ1対1又は1対3程度にすることが好ましい。水が
多く含まれると、粘性を発揮させるためにCMC等の配
合量が増えてしまい、床下構造体の表面に施着した際に
前記組成物の自然乾燥に時間がかかる、前記組成物の床
下への搬送が困難になる、また施着部分(施工部分)に
対する付着性が劣る、等の施工上の問題が出て、好まし
くない。
【0028】実施例では、CMCとラテックスを併用し
ているが、先述したようにラテックスを使用しなくても
床下構造体10に対する接着力は十分である。
【0029】
【表1】
【0030】表1に示す各組成成分をそれぞれの割合で
配合し、スラリー状白アリ防除組成物1〜11を得た。
それぞれの組成物を白アリ食毒試験(JTCAS−第1
号)により、白アリ防除に有効か否かを検討した。その
結果は表2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】2日後には、すべての組成物につき殺虫効
果がみられた。この結果より防除物質の配合量について
は、セルロース繊維重量に対し少なくとも1〜2重量%
以上配合されていれば防除効果があることがわかる。図
1は床下構造体10の床下構造の一例である。図2は、
施着方法の一例を示す床下構造体10の側断面図であ
る。スラリー状白アリ防除組成物は搬送手段(図示略)
により床下構造体10近くまで搬送され、床下吐出具2
0により床下構造体10に施着される。
【0033】図3は図1に示す床下構造体10、例えば
布基礎1、土台2、束石5、束6、柱9、等の表面にス
ラリー状白アリ防除組成物15が塗布された場合の床下
構造の側断面図である。この図においては布基礎1と束
石5にも施着してあるが、これらは一般に石材やコンク
リート等からなるので、必ずしも施着する必要はない。
また図4は、スラリー状白アリ防除組成物15を床板8
の裏面にまで施着した場合の床下構造の側断面図であ
る。床板8の裏面に施着されたスラリー状白アリ防除組
成物15は断熱層16として機能する。図4において
は、床板8の裏面以外にも施着されているが、床板8の
裏面のみに施着してもかまわない。また、特に防除効果
を高めたい箇所がある場合は、その箇所のみにスラリー
状白アリ防除物質15を施着したり、その箇所のみ厚く
施着するなど、適宜調整することは可能である。また図
4に示すように、土壌上にスラリー状白アリ防除組成物
を施着しても構わない。
【0034】図5は、スラリー状白アリ防除組成物を複
数回施着して形成した、複数の断熱層16の側断面図で
ある。各断熱層16は積層されて、層厚に構成された場
合を示す。このように構成すれば断熱機能は向上するた
め好ましいが、1回の施着によるものであっても構わな
い。
【0035】
【発明の効果】本発明の建物の床下構造体によれば、白
アリ防除機能を発揮できるとともに、家屋内外の温度が
互いに伝わることを防止できる。また本発明の床下構造
体の湿式白アリ防除方法によれば、組成成分のセルロー
ス繊維や白アリ防除物質が飛散することを防止し、経時
に伴う前記白アリ防除物質の蒸散も抑制することができ
る。従って従来乾式で行っていた白アリ防除方法を、水
を用いた湿式とすることにより上記従来の課題を解決す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスラリー状白アリ防除組成物の施着対
象である床下構造の一例を示した斜視断面図である。
【図2】本発明のスラリー状白アリ防除組成物を床下構
造体に施着する方法の一例を示した側断面図である。
【図3】本発明のスラリー状白アリ防除組成物を床下構
造体に施着した状態の一例を示した側断面図である。
【図4】本発明のスラリー状白アリ防除組成物を床下構
造体及び土壌に施着し、また床板裏面に施着して断熱層
を形成した状態の一例を示した側断面図である。
【図5】本発明のスラリー状白アリ防除組成物を複数回
施着して断熱層を形成した状態を示す、床板付近の側断
面図である。
【符号の説明】
1 布基礎 2 土台 3 大引 4 大引受け 5 束石 6 束 7 根太 8 床板 9 柱 15 スラリー状白アリ防除組成物 16 断熱層 20 吐出具
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−291802(JP,A) 特開 平6−329514(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01N 25/02 A01N 25/00 102 A01N 25/04 102 A01N 25/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 白アリ防除物質及び接着性物質を混合し
    た白アリの好食餌体であるセルロース繊維に水を配合し
    て、粘度が10、000センチポアズ〜50、000セ
    ンチポアズの範囲内となるスラリー状に調製されたスラ
    リー状白アリ防除組成物を、床下構造体に塗布又は吹付
    けて断熱層を形成し、この断熱層に白アリ防除物質を組
    み込んだ白アリの好食餌体を含有して前記断熱層を維持
    していることを特徴とする建物の床下構造体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のスラリー状白アリ防除
    組成物を床下構造体又は土壌のいずれか一方又は双方に
    塗布又は吹付けることにより層を形成し、この層に白ア
    リ防除物質を組み込んだ白アリの好食餌体を含有して前
    記層を維持するように建物の床下構造材を形成すること
    を特徴とする床下構造体の湿式白アリ防除方法。
JP23425498A 1998-08-20 1998-08-20 建物の床下構造体及び床下構造体の湿式白アリ防除方法 Expired - Fee Related JP3150945B2 (ja)

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