JP2001002514A - 防蟻・防腐・防黴性建築構造面材 - Google Patents

防蟻・防腐・防黴性建築構造面材

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JP2001002514A
JP2001002514A JP11175779A JP17577999A JP2001002514A JP 2001002514 A JP2001002514 A JP 2001002514A JP 11175779 A JP11175779 A JP 11175779A JP 17577999 A JP17577999 A JP 17577999A JP 2001002514 A JP2001002514 A JP 2001002514A
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antiseptic
synthetic resin
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aluminum
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Hideo Takase
秀夫 高瀬
Noritoshi Sawada
紀年 澤田
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HOKUSHIN CO Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 薬剤を製造過程で混入し木質繊維板自体に害
虫忌避効果を保有させて建築構造用面材に利用できる構
成を開示する。 【解決手段】 木質繊維100重量部に対し、ビフェン
トリンとIPBC(3−ヨード−2−プロピルブチルカ
ーバメイト)の混合液0.03〜0.5重量部を含有す
る熱硬化性樹脂からなる接着剤3〜30重量部を用いて
熱圧成型した木質繊維板であり、厚さ方向に対して表裏
側に各比重0.8〜1.4の硬質部を形成し、平均比重
0.35〜1.0である。また少なくとも一面にシート
状物を貼着し、表裏の硬質部の少なくとも一方は、さら
に外側に硬質部より低比重の層を露出させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シロアリ、腐朽
菌、虫等の害を排除する目的で木質繊維保存剤を混合し
た接着剤を用いて木質繊維を接合し、壁面、床、あるい
は屋根下地材として使用することができる建築構造面材
に関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】木材粒子や木材繊維を
用いて成形、熱圧して作られるパーティクルボードやフ
ァイバーボードと呼ばれる木質ボードは、各種残廃材や
小径木を原料とすることができるので、天然資源の枯渇
が問題になっている現在では、木材の有効利用という点
で着目されている。ところで、これらの木質ボードは、
建材、建具材、家具材等に使用されているが、シロアリ
類、キクイムシ類等の木材害虫の被害を受けやすいの
で、防虫処理を行われることが多い。特に、シロアリに
よるわが国の家屋、樹木の被害は近年膨大なものとなっ
ている。そのため、これを防除する方法として様々な検
討がなされ、種々のシロアリ防除剤(防蟻剤)が実用化
されている。古くはDDT、γ−BHC、ティルドリア
ン、アルドリン等が用いられ、その後クロルデン等の有
機塩素系の薬剤が使用されるようになったが、環境汚染
を引き起こす結果となった。
【0003】そして、上述した従来の有機塩素系の防蟻
剤に代わって登場した有機リン系薬剤は、環境中で分解
されやすいので、環境問題は解決することができたが、
防蟻効果の持続性に問題がある。即ち、シロアリの生息
場所は床下の土中や、土台の木材など、一般に防蟻剤の
施用が困難な場所であることが多いため、シロアリ防除
剤は有効な防蟻効果が長期にわたって持続することが好
ましい。特に、シロアリの被害は床下や台所、風呂場、
便所、洗面所等で発生する頻度が高いので、これらの場
所でも長期にわたって効果が持続する耐候性に優れたも
のがよい。また、シロアリ防除剤は家庭や畜舎の土中、
土台に施用されるものであり、脊椎動物に対する安全性
が保証されなければならないが、薬剤によっては温血動
物に対するコリンエステラーゼの活性阻害が強いという
問題がある。そこで、最近ではピレスロイド系化合物が
使用されるようになっているが、熱および長期安定性に
問題があった。
【0004】一方、従来の木質防腐剤は、まず油溶性木
材保存剤であるクレオソート油の使用に始まり、その後
PCP等が使用されるに至っているが、これらもやはり
環境汚染の問題がある。そこで、最近、有機ヨウ素系の
3ヨード−2−プロピルブチルカーバメイトが安全性の
面から評価されている。
【0005】無機系では、CCA(クロム−銅−ヒ素)
系、CFK(クロム−フッ素−銅)系等の薬剤が広く用
いられている。これらの薬剤は過酷な条件下でも十分に
効力を発揮するが、環境汚染の点において問題があるヒ
素、六価クロムを含有している。従って、この防腐剤で
処理された材木を廃棄処理する場合には、ヒ素、六価ク
ロムが空気中に揮散または灰中に凝縮するなどの間遠を
生ずるので、ホウ砂、ホウ酸等で処理する必要がある。
なお、これらは一般に、油状の防腐剤、油溶性の防腐
剤、水溶性の防腐剤として木材に加圧、拡散注入する。
【0006】本発明者らは、シロアリ防除効果および効
力の持続性に優れ、かつ、ヒト、家畜に対する安全性の
高いシロアリ防除剤と防腐剤を得るべく種々研究を行っ
た結果、ピレスロイド系の化合物であるビフェントリン
(化学名:2メチル〔1,1−ビフェニル〕−3−イ
ル)メチル=3−(2−クロロ−3,3,3−トリフロ
ロ−1−トリフロロ−1−プロペニル)−2,2−ジメ
チルシクロプロパンカルボキシルラートがシロアリ等の
侵害から長期にわたって防除効果を発揮することを見出
した。さらに、3ヨード−2−プロピルブチルカーバメ
イトと併用することによってシロアリ、腐朽菌、虫等の
侵害に対する防除に効果を有することを見出し、これら
を応用して本発明を完成するに至った。特に匍匐性有害
節足動物の防除に有効である。具体的には、ゴキブリ類
(チャバネゴキブリ、クロゴキブリ、ワモンゴキブリ
等)、アリ類(イエヒメアリ、オオハリアリ等)、カメ
ムシ類(クサギカメムシ、スコットカメムシ等)、屋内
塵性ダニ類(ケナガコナダニ、コナヒョウダニ等)、ゲ
ジ類(ゲジ、オオゲジ等)、ムカデ類(トビズムカデ、
アオズムカデ、セスジアカムカデ等)、ヤスデ類(ヤケ
ヤスデ、アカヤスデ等)、ダンゴムシ類(オカダンゴム
シ等)、ワラジムシ等に対して有効である。
【0007】防菌性については、Alternaria属、Asperg
illus属、Cladosporium属、Fusarium属、Gliocladium
属、Penicillium属、Rhizopus属、Trichoderma属等の表
面汚染菌、Ceratocystis属、Diplodia属、Vercicicladi
ella属、Pbialophora属、Alternaria属、Chlorosporiu
属、Fusarium属等の辺材変色菌、Coniophora属、Gloeop
hyllum属、Lentinus属、Serpula属、Tyromyces属、Schi
zophyllum属、Corious属、Pycnoporus属、Acremonium
属、Bispora Ceratocystis属、Chaetomium属、Coniothy
rium属、Cylindrocarpon属、Cliocladium属、Humicola
属、Ophiostoma属、Pestalotia属、Phialocephara属、P
hialophora属、Phoma属、Rhinocladiella属、Scytalidi
um属等の木材腐朽菌などに対する優れた防黴防腐活性を
発揮する。
【0008】本発明では、上述した薬剤が木材害虫に効
果を発揮することに着目し、これらを木質繊維板の製造
過程において混入させ、繊維板自体に害虫忌避効果を保
有させたもので、建築構造用面材としての有効利用に供
することができる構成を開示するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の建築構造面材では、木質繊維100重量部
に対し、ビフェントリンとIPBCの混合液0.03〜
0.5重量部を含有する熱硬化性樹脂からなる接着剤3
〜30重量部を用いて熱圧成型して得られる木質繊維板
であり、この木質繊維板は厚さ方向に対して表裏側にそ
れぞれ比重0.8〜1.4の硬質部が形成され、かつ平
均比重が0.35〜1.0に設定するという手段を用い
ることとした。この構成を採用すると、木質繊維のバイ
ンダとして機能する接着剤自体に薬剤が混合されている
ので、薬剤散布工程などのような別工程を必要としな
い。また、接着剤中に薬剤が含有されている構造であ
り、接着剤が薬剤の徐放性を担保する作用を行う。木質
繊維板としては、その表裏面側に硬質部(岩盤層)が形
成されており、この岩盤層によって面材としての強度を
確保しながら、釘打ち時の割れ防止と安定を図ってい
る。
【0010】別の手段として、上記構成の面材の少なく
とも一面に、アルミニウム箔、アルミニウム樹脂ラミネ
ートフィルム、アルミサンド紙、合成樹脂フィルム、合
成樹脂フィルムを芯材とした防湿紙から選ばれた1つの
シート状物を貼着するという手段を用いた。さらに、別
の手段としても、木質繊維板の一面には、アルミニウム
箔、アルミニウム樹脂ラミネートフィルム、アルミサン
ド紙から選ばれた1つのシート状物を貼着すると共に、
他面には、合成樹脂フィルムまたは合成樹脂フィルムを
芯材とした防湿紙を貼着する技術を選択的に採用した。
これらのシート状物は、木質繊維板の含水分をコントロ
ールし、外部からの水分や湿気の浸入を防止する機能を
行い、構造面材本体の吸湿性を改善し、寸法精度を安定
させると同時に、シロアリ、腐朽菌あるいは虫等の防除
効果を長期にわたって維持する作用を行うものである。
それぞれのシート状物は、防湿性の高いものから吸湿性
の高いものまであるが、面材の用途によってシート状物
は適宜選択される。なお、ビフェントリンは本来的には
揮発性は高くないが、シート状物を貼着することによっ
て接着剤中の薬剤を密封することになり、接着剤に混合
したために発揮できる徐放性と相俟って非常に長期の薬
効を維持する作用も行う。
【0011】さらに、表裏に形成された硬質部の少なく
とも一方にはさらに外側に硬質部より低比重の層を露出
させるという手段を採用した。具体的には例えば木質繊
維板が中比重繊維板(MDF)である場合には、この層
の比重は0.35〜0.8程度である。硬質部、即ち岩
盤層は高比重で緻密な構造であるから、釘打ちによって
割れやひびが生じるおそれがある。その外側に設けられ
た中比重層は、これを抑制するための緩衝層として機能
するものであり、ハンマーで打撃した場合であっても緩
衝層の存在により、岩盤層を破壊することを防止する。
なお、本発明における木質繊維板は、上記MDFのみな
らず高比重繊維板(HDF)も含まれるが、硬質部や外
側のより低比重の層の比重はHDFにおける一般的な比
重に対応したものになる。
【0012】さらにまた、合成樹脂発泡体板を芯材と
し、この芯材を請求項2または3に記載した面材でサン
ドイッチ状に接合し、両者の面材の少なくとも一方外側
には、さらに外側に硬質層よりも低比重の層を露出させ
るという手段も採用することとした。合成樹脂発泡体板
は、全体の重量を軽減する作用を行うと共に、断熱性お
よび防音性を確保する。合成樹脂発泡体板を採用した別
の技術として、本発明ではさらに、両面を面材でサンド
イッチした複合板の一面には合成樹脂フィルム、合成樹
脂フィルムを芯材とした防湿紙、アルミニウム樹脂ラミ
ネートフィルム、またはアルミサンド紙から選ばれた1
つのシート状物を貼着し、他面にはビフェントリンおよ
びIPBCの混合液が含有された合成樹脂塗料を、凹凸
模様を形成するように塗布するという手段を用いた。合
成樹脂塗料には害虫忌避のための薬剤が混合されている
ので、この面が屋外側になるように用いることにより、
塗料から外部に対する薬剤の揮散によって速効性を確保
する。また、塗料を凹凸模様に形成することは滑り止め
としての作用を行わしめ、屋根用下地材としての用途を
提供する。
【0013】なお、さらなる構成として、IPBCに対
するビフェントリンの混合割合を、0.5/100から
10/100の範囲とし、採用する熱硬化性樹脂の組成
としては、尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール−メ
ラミン共縮合樹脂、尿素−メラミン共縮合樹脂、ポリウ
レタン樹脂、エポキシ樹脂のうち1または複数混合した
樹脂を用いることとした。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
を説明する。先ず、本発明品を乾式法によって得るため
の定法としての製造ラインは、主に木質繊維を解繊する
高圧解繊工程、解繊した繊維を気流乾燥するブローライ
ン工程、繊維と接着剤を混合する高速ブレンド工程、お
よび製板の熱圧締工程からなっている。これらの工程
中、接着剤と繊維の混合は、高圧解繊工程後、直ちにブ
ローライン工程において、もしくはブローライン工程で
繊維を乾燥させた後に高速ブレンド工程において、ある
いはこれらの併用によっている。なお、本実施形態で
は、ブレンド工程に採用する接着剤にはビフェントリン
とIPBCが均一に混合されたものを用いる。
【0015】接着剤としては熱硬化性樹脂を採用する
が、たとえば尿素樹脂、フェノール樹脂、フェノール・
メラミン共縮合樹脂、尿素・メラミン共縮合樹脂、ポリ
ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が用いられる。そして、
製板時の熱圧締条件は、圧締される木質繊維にブレンド
された熱硬化性樹脂の性質にもよるが、尿素・メラミン
系樹脂のように低温速硬化性樹脂を用いる場合には14
0〜160℃、圧力50kg/cm2、時間5〜7分程度であ
る。一方、フェノール樹脂のような高温速硬化性樹脂の
場合には硬化温度によって条件を調整するが、高温に曝
された場合であっても混合されたビフェントリンの薬効
は劣化することがない。熱圧締が終了した板はサンディ
ングによって表面に出現しているプレキュア層を除去し
て一連の工程が完了する。本実施形態では、さらに少な
くとも一方表面側を調整し、例えばMDFでは岩盤層の
表面に比重0.4〜0.8の中比重層が露出するように
する。このように調整して得られた建築構造面材を図1
に示す。図中、1は硬質部である岩盤層、2は中心部に
存在する層、3は岩盤層1の外側に設けた中比重層であ
り、全体の平均比重は0.35〜1.0の範囲で調整す
る。
【0016】図2は図1の構成に対して、さらにシート
状物4を貼着した実施形態を示したものである。シート
状物は、前述した素材から適宜選択することができる
が、貼着に供する接着剤にはビフェントリンとIPBC
を予め混合することもできる。混合物は約1%に調整し
た薬液として用いる。接着剤の素材としては、フェノー
ル系樹脂、レゾルシノール系樹脂、フェノールメラミン
系樹脂、ユリア樹脂、メラミン系樹脂、ユリアメラミン
共縮合樹脂、酢酸ビニル樹脂エマルジョン、エポキシ系
樹脂、ポリウレタン系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合
樹脂エマルジョン、ポリビニルアルコール系樹脂、アク
リル樹脂、水性高分子イソシアネート系樹脂、α−オレ
フィン無水マレイン酸樹脂、ゴム系等を例示することが
できる。なお、防虫剤としてピレスロイド化合物を有効
成分とする製剤を用いる場合には、接着剤としては酢酸
ビニル樹脂エマルジョンと尿素樹脂、またはメラミンユ
リア共縮合樹脂との混合物を用いるのが好ましい。
【0017】図3は、図1あるいは図2の面材Aの間に
合成樹脂発泡体5をサンドイッチ状に接合して得られた
建築構造面材の実施形態を示したものである。接合手段
としては、予め得られた合成樹脂発泡体5の表裏に面材
Aを貼着する手段と、2枚の面材Aを一定間隔で対向さ
せ、この間に樹脂を注入して発泡させる手段の何れであ
っても採用することができる。発泡樹脂は、発泡ポリウ
レタン、発泡フェノール、発泡ユリア、発泡メラミン、
発泡ポリスチレン等が適用でき、建築物の断熱、防音、
衝撃吸収性を向上させる。なお、面材Aの表面側に貼着
するシート状物としては、その他にもポリエチレンシー
ト、塩化ビニルシート、ポリプロピレンシート等の合成
樹脂シート、銅箔等の金属シート、アスファルトフェル
ト、ルーフィング等の瀝青質シート、ゴムシート等を用
いることもある。防湿紙には、クラフト紙、薄葉紙、再
生紙等が用いられ、さらにアルミニウム樹脂ラミネート
紙等の多層構造シートも含まれる。また、シート状物は
接着のみならず、熱融着であっても特に問題はない。
【0018】図4は、本発明で得られた面材の一方表面
に凹凸模様からなる塗料6を塗布したものである。建築
構造面材では、特に屋根下地材として用いるためには断
熱性はもとより、防湿、防水、および作業者の転落や屋
根基材の滑落を防止する必要がある。そこで、本実施形
態ではこれを達成するために凹凸模様の塗料を設けたも
のである。そして、この塗料にも防蟻、防朽性を付与す
るために、ビフェントリンとIPBCの混合物を有効成
分が平米あたり0.01〜10グラムになるように調整
した塗料を用いた。塗料の素材としては、ウレタン樹脂
系、エポキシ樹脂系、アクリル樹脂系、エチレン酢酸ビ
ニル共重合系、ゴム系、アスファルト系等の防水防湿塗
料を採用し、これをローラー刷毛等で塗布して凹凸を出
現させるか、塗布後に木紛やゴムチップ等を散布して滑
り止め構造とする。なお、静摩擦係数としては約0.7
以上を実現することが好ましい。
【0019】
【実施例】木質繊維板の実施品:予めシントーアリピレ
ス油剤(有効成分1.05%、シントーファイン株式会
社製)2.8重量部をフェノール樹脂接着剤180重量
部(固形換算)に混合したものを、木質繊維1500重
量部に混合して得られる予備成型物を、180℃で最大
圧締圧力30kg/cm2で2分間圧締し、厚さ9mm、比重
0.79の木質繊維板を得た。シントーアリピレス油剤
5.6重量部の板、および11.2重量部の板も同様の
製法にて得た。
【0020】(防蟻試験)試験片として、縦横20mm×
10mmの上記実施品を製作した。供試虫はイエシロアリ
で、26℃の飼育条件にて石川ライト(砂)の供試培地
に放した。具体的には、直径8cm、深さ5cmの容器に石
川ライト75g、水25gを計り、この上に試験前の質
量を計測した後の試験片を載せる。ついで、この容器中
に職蟻200頭、兵蟻20頭を放ち、暗所に28日間静
置して飼育した。期間経過後に試験片を容器から取り出
し、試験片表面の付着物を丁寧に取り除き、試験前計測
と同様の条件まで乾燥した後に、秤量した。試験片の詳
細、および試験結果をそれぞれ表1、表2に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】上記防蟻試験の結果として、薬剤を少しで
も添加した試験片は、薬剤無添加の試験片よりも質量減
少率は小さかった。また、試験片番号7、11について
はシロアリが早期に死滅したために、質量減少率につい
ても満足できる結果であった。
【0024】(耐朽性試験)試験片として、縦横30mm
×30mmの実施品を製作すると共に、対照片として同寸
の薬剤を添加していないブナ辺材を製作した。そして、
試験条件として、社団法人日本木材保存協会規格第3号
「木質材料の耐朽性試験」に準拠して、2月間実施し
た。試験結果を表3に示す。なお、表中、質量減少率
(X)={(腐朽前の質量−腐朽後の質量)/腐朽前の
質量}×100で示し、耐朽比=(100−試料試験片
の平均質量減少率)/(100−対照試験片の平均質量
減少率)で示した。
【0025】
【表3】
【0026】試験結果として、いずれの試験片も対照片
と比較して極めて良好な耐朽性を実現していることを確
認することができた。
【0027】
【発明の効果】本発明では、木質繊維100重量部に対
しビフェントリンとIPBC(3−ヨード−2−プロピ
ルブチルカーバメイト)の混合液0.03〜0.5重量
部を含有する熱硬化性樹脂からなる接着剤3〜30重量
部を用いて熱圧成型して得られる木質繊維板を用い、こ
の木質繊維板を厚さ方向に対して表裏側にそれぞれ比重
0.8〜1.4の硬質部が形成され、かつ平均比重が
0.35〜1.0になるように調整したものであるか
ら、建築構造面材としての強度を十分に保証できる構造
であると同時に、防蟻・防腐・防黴性にも優れた耐久材
料とすることができた。
【0028】また、上記面材の少なくとも一面にシート
状物を貼着し、あるいは一面にアルミニウム箔、アルミ
ニウム樹脂ラミネートフィルム、アルミサンド紙から選
ばれた1つのシート状物を貼着すると共に、他面には、
合成樹脂フィルムまたは合成樹脂フィルムを芯材とした
防湿紙を貼着する構成としているので、繊維板の含水分
を調整することができ、しかもこれらのシート状物によ
って薬剤の活性成分が長期にわたって面材に滞留するこ
とになることから、構造材として非常に適したものとす
ることができた。
【0029】さらに、表裏に形成された硬質部の少なく
とも一方は、さらに外側に比重0.35〜0.8の層を
露出させる技術を採用することによって、釘打ちなどに
よるひび割れなどから岩盤層を保護することも可能とな
った。
【0030】さらにまた、合成樹脂発泡体板を芯材と
し、この板の両面にそれぞれ面材を接合する構成を採用
した場合には、サンドイッチ状に挟まれた発泡体板が断
熱、防音などの効果を発揮することになり、適用範囲の
広い面材とすることができた。しかも、他面にビフェン
トリンおよびIPBCの混合液が含有された合成樹脂塗
料を、凹凸模様を形成するように塗布した場合には、滑
り止め防止効果を期待することができ、屋根下地材とし
て最適な構造の面材を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の面材の一実施形態を示す断面図
【図2】同、別形態を示す断面図
【図3】同、さらに別形態を示す断面図
【図4】同、さらなる別形態を示す断面図
【符号の説明】
A 面材 1 岩盤層 2 層 3 中比重層 4 シート状物 5 合成樹脂発泡体 6 塗料
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B32B 21/06 B32B 21/06 21/08 21/08 C09J 187/00 C09J 187/00 E04B 1/72 E04B 1/72 Fターム(参考) 2E001 DH12 DH14 DH25 FA03 FA11 FA17 GA12 GA22 GA23 GA25 HB04 HC04 HC11 HD11 JC01 JC08 JD08 LA04 4F100 AB10B AB33B AK01A AK01B AK01C AK01D AK01E AK33A AK36A AK51A AK53A AP00A BA01 BA02 BA03 BA04 BA05 BA10B BA10C BA10D BA13 BA43 CA12A CB00A CC00D DG01A DG10B DG10C DJ01E EC18 EJ17 EJ42 GB07 HB21D JA13A JA13D JB02A JB13A JC00A JD04B JD04C JK01 JK12A YY00A 4H011 AA02 AA03 AC06 BA06 BB13 BB15 BC19 BC22 DA08 DA09 DH05 DH08 DH28 4J040 EB021 EB131 EC001 EF001 EF061 HB33 HC13 LA07 LA11 MA08 MB09 NA13

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】木質繊維100重量部に対し、ビフェント
    リンとIPBC(3−ヨード−2−プロピルブチルカー
    バメイト)の混合液0.03〜0.5重量部を含有する
    熱硬化性樹脂からなる接着剤3〜30重量部を用いて熱
    圧成型して得られる木質繊維板であり、この木質繊維板
    は厚さ方向に対して表裏側にそれぞれ比重0.8〜1.
    4の硬質部が形成され、かつ平均比重が0.35〜1.
    0である防蟻・防腐・防黴性建築構造面材。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の木質繊維板の少なくとも
    一面に、アルミニウム箔、アルミニウム樹脂ラミネート
    フィルム、アルミサンド紙、合成樹脂フィルム、合成樹
    脂フィルムを芯材とした防湿紙から選ばれた1つのシー
    ト状物を貼着した防蟻・防腐・防黴性建築構造面材。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の木質繊維板の一面には、
    アルミニウム箔、アルミニウム樹脂ラミネートフィル
    ム、アルミサンド紙から選ばれた1つのシート状物を貼
    着すると共に、他面には、合成樹脂フィルムまたは合成
    樹脂フィルムを芯材とした防湿紙を貼着した防蟻・防腐
    ・防黴性建築構造面材。
  4. 【請求項4】表裏に形成された硬質部の少なくとも一方
    は、さらに外側に前記硬質部より低比重の層を露出させ
    た請求項1記載の防蟻・防腐・防黴性建築構造面材。
  5. 【請求項5】合成樹脂発泡体板を芯材とし、この板の両
    面にそれぞれ請求項2または3記載の面材を接合すると
    共に、これらの面材の少なくとも一方外側には、さらに
    外側に硬質層よりも低比重の層を露出させた防蟻・防腐
    ・防黴性建築構造面材。
  6. 【請求項6】合成樹脂発泡体板を芯材として両面にそれ
    ぞれ請求項1または4記載の面材を接合して複合板を構
    成し、この複合板の一面には合成樹脂フィルム、合成樹
    脂フィルムを芯材とした防湿紙、アルミニウム樹脂ラミ
    ネートフィルム、またはアルミサンド紙から選ばれた1
    つのシート状物を貼着する一方、他面にはビフェントリ
    ンおよびIPBCの混合液が含有された合成樹脂塗料
    を、凹凸模様を形成するように塗布した防蟻・防腐・防
    黴性建築構造面材。
  7. 【請求項7】IPBCに対するビフェントリンの混合割
    合は、0.5/100から10/100の範囲である請
    求項1記載の防蟻・防腐・防黴性建築構造面材。
  8. 【請求項8】熱硬化性樹脂は、尿素樹脂、フェノール樹
    脂、フェノール−メラミン共縮合樹脂、尿素−メラミン
    共縮合樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂のうち1
    または複数混合した樹脂である防蟻・防腐・防黴性建築
    構造面材。
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