JP3103508B2 - 防蟻・防炎剤を用いた施工方法並びその方法に使用する発散装置 - Google Patents

防蟻・防炎剤を用いた施工方法並びその方法に使用する発散装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、防蟻,防炎剤を
用いた施工方法並びにその方法に使用する発散装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、建物を白蟻の食害から保護するた
めに、人体に有害な例えば有機燐系薬剤などの化学物質
を、建物の床下に散布して、薬剤の有効期間を約5年間
として白蟻対策を講じている。また、一般的な建物資
材,建材類には、数多くの有害化学物質が含まれてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の白蟻対策,建築資材,建材類等に使用している有害
な化学物質の影響により、居住者の健康被害が多発して
社会問題となっている。すなわち、近頃のアルミサッシ
等の普及による建物の高気密化に伴う慢性的換気不足の
結果、居住者が長期間、建物内部に気化して漂う有害空
気による健康被害の発生で世界的に社会問題となってい
るのが現状である。尚、最近、東京都の要管理物質は1
31有ると規定されている。
【0004】この発明の目的は、有害物質による白蟻防
除工事による居住者の健康被害を解決すると共に、白蟻
から建物を保護することを可能にし、更に防炎と生物活
性物質テルペン類を、建物内部に気化した活性空気を循
環することによって、屋内又は室内に発散している有害
化学物質による居住者の健康被害を相当程度軽減するよ
うにした防蟻,防炎剤を用いた施工方法並びにその方法
に使用する発散装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1によるこの発明の防蟻・防災剤を用いた施工
方法は、カオリン,珪砂,アルミナ,チタン,ソーダ灰
を、珪酸ソーダ,珪酸カリウム等の水溶液中に分散せし
めると共に、生物活性を有するテルペン系物質を含有し
たエマルジョンを添加してなる防蟻・防炎剤を、屋内又
は室内の内壁材調度品に塗布せしめると共に、前記屋内
および又は室内にテルペン系物質を含有したエマルジョ
ンを気化せしめた空気を発散せしめることを特徴とする
ものである。
【0006】したがって、カオリン,珪砂,アルミナ,
チタン(チタン白),ソーダ灰を,珪酸ソーダ,珪酸カ
リウム等の水溶液に長時間撹拌して分散せしめた後、生
物活性を有するテルペン系物質を含有したエマルジョン
を添加することにより、人体に無害の無機質の白色の液
状からなる防蟻,防炎剤が得られると共に、有害化学物
質に対する減少効果,殺ダニ,防カビ,抗菌,抗酸化,
消臭機能が得られる。
【0007】しかも、この得られた防蟻,防炎剤を、内
壁剤としての例えば、木材,合成材,紙類,クロス類に
塗布することによって、これらの内壁剤が不燃化,防炎
化されると共に白蟻の害から守られる。またこれらの内
壁剤を屋内又は室内に使用すると、これらの内壁剤から
テルペン系物質が屋内又は室内に発散し健康で快適,安
全な住環境が得られる。
【0008】また、この得られた防蟻,防炎剤を、調度
品としての例えば建具類,壁面,障子,襖等に塗布する
ことによって、これらの調度品が不燃化,防炎化される
と共に白蟻の害から守られる。また、屋内又は室内に設
置されたこれらの調度品からテルペン系物質が屋内又は
室内に発散し健康で快適,安全な住環境が得られる。
【0009】防蟻,防炎剤を屋内又は室内に設置された
調度品に塗布し、かつこれらの調度品が設置された屋内
又は室内にテルペン系物質を含有したエマルジョンを気
化した空気を発散せしめることにより、より一層の健康
で快適,安全な住環境が得られる。
【0010】請求項2によるこの発明の防蟻・防災剤を
用いた施工方法に使用する発散装置は、テルペン系物質
を含有したエマルジョンを気化せしめた空気を、屋内又
は室内に発散せしめる発散装置であって、この発散装置
が、下から順に多孔性物質,テルペン系物質を含有した
エマルジョンを充填した容器と、この容器の上部に設け
られ空気供給手段からの空気を供給口と、この供給口に
一端を接続し他端を前記容器中の多孔性物質の下方に接
続された連続管と、前記容器の上部に設けられ気化した
活性空気を排出する排出口と、で構成されていることを
特徴とするものである。
【0011】したがって、空気供給手段を駆動せしめて
空気が供給口から連結管を介して容器内の下部に圧入さ
れると、圧縮空気が多孔性物質を通り、テルペン系物質
を含有したエマルジョン内に送られる。すると、テルペ
ン系物質を含有したエマルジョン内から気化した活性空
気が排出口を経て屋内又は室内に発散されて、より一層
の健康で快適,安全な住環境が得られる。
【0012】しかも、このような発散装置とすることに
より、消音化が実現し実施上の障害が排除される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態の例
を詳細に説明する。
【0014】この実施の形態における防蟻,防炎剤は、
人体に無害な無機質の粒子約0.4〜0.5ミクロンか
らなるカオリン,珪砂,アルミナ,チタン(チタン
白),ソーダ灰を、珪酸ソーダ,珪酸カリウム等の水溶
液中に順次投入し、例えば生産量500kgを生産する
場合には約5時間程度撹拌することにより、前記カオリ
ン,珪砂,アルミナ,チタン(チタン白),ソーダ灰が
よく分散し、白色、液状で水溶液の防蟻,防炎剤を得る
ことができる。
【0015】しかも、この得られた防蟻,防炎剤は、無
臭,無煙で比重が1.7前後(25℃)、粘度が10p
s程度(25℃),耐熱温度が2000℃、また、指触
乾燥が30分程度(25℃),完全乾燥が24時間(2
5℃)などの特性を有している。
【0016】また、塗模性能としては、次表のような結
果を得ている。
【0017】
【表1】 上記の特性、塗膜性能からも判るように、防蟻,防炎に
有効なものである。
【0018】また、前記防蟻,防炎剤の水溶液に、生物
活性を有するテルペン系物質としてのフイトンチッドを
含有したエマルジョンを1%〜数%添加せしめることに
より、人体に無害な無機質の白色の液状からなる防蟻,
防炎剤が得られると共に、有害化学物質に対する減少効
果,殺ダニ,防カビ,抗菌,抗酸化,消臭機能を得るこ
とができる。
【0019】しかも、フィトンチッドを含有したエマル
ジョンの添加量は、使用用途によって適宜決まるもので
ある。
【0020】<具体的実施例> 例えば1kgの防蟻,防炎剤を生産する場合には、先ず
撹拌機に水180gを入れ、次にカオリン90g,珪砂
160g,アルミナ190g,チタン(チタン白)30
g,ソーダ灰100gを投入し、次に、珪酸ソーダ16
0g,珪酸カリウム90g,を投入し、例えば10時間
程度撹拌することにより、上述したような特性,塗膜性
能を有する防蟻,防炎剤が得られた。
【0021】また、防蟻,防炎剤の水溶液に生物活性の
フイトンチッドを1〜数%添加せしめると、生物活性の
フイトンチッドを含有した防蟻,防炎剤が簡単に得られ
る。
【0022】次に、基材としてベイツガを使用し、ベイ
ツガの試験片として150×33×43mm(重量的1
95/m2 )を10個用いて、各試験片に請求項1によ
ってて得られた防蟻,防炎剤を表面に塗布した。この塗
布した各試験片をイエシロアリ巣上に設置し、これをイ
エシロアリ飼育室(室温約25℃,関係湿度75%以
上)に入れて1ケ月間放置した。
【0023】その結果、イエシロアリ巣上に設置した試
験片10個の1ケ月後の重量減少率の平均と標準偏差
は、下表のとおりである。
【0024】
【表2】 この選択試験の結果、供試試験片は本試験片条件下で
は、イエシロアリに対する耐蟻性を有し、食害を受けな
い材料であることが認められた。なお、供試試験片の質
量減少率がマイナスとなっているのは、試験後の供試試
験片上にある除去困難な付着物のためである。
【0025】本試験条件はイエシロアリ飼育室で実施さ
れ、試験期間中は約25℃,常時流水を周囲に排出し、
関係湿度が70%以上の条件であった。このため、通常
防蟻,防炎剤の耐久性を調べる乾湿繰り返しの操作が行
われていないので、本供試防蟻,防炎剤を塗布した場合
の初期性能としての評価として位置づけられるものであ
る。
【0026】而して、本防蟻,防炎剤は、イエシロアリ
対策に非常に有効であることが立証された。
【0027】前記請求項1又は請求項2の防蟻,防炎剤
を,内壁剤としての木材,合成剤,紙類,布類,クロス
類等に塗布することによって、また屋内又は室内の調度
品としての建具類,壁面,障子,襖度に塗布することに
よってこれら内壁剤,調度品が不燃化され、防炎化され
ると共に白蟻の害から守られる。また、屋内又は室内に
使用された内壁材又は設置された調度品から生物活性を
有するテルペン系物質が屋内又は室内に発散されるの
で、有害化学物質を可能な限り無害化して居住者に健康
で快適,安全な住環境を確保することができる。
【0028】さらに、屋内又は室内に発散装置より生物
活性を有するテルペン系物質としてのフイトンチッドエ
マルジョンから気化した生物活性空気を発散せしめ、効
率よく循環せしめると、有害化学物質を可能に限り無害
化して、より一層の居住者に健康で快適,安全な住環境
を確保することができる。
【0029】生物活性を有するテルペン系物質としての
フイトンチッドエマルジョンから生物活性空気を気化せ
しめる発散装置1としては、図1に示されているよう
に、ガラス等からなる容器3を備えており、この容器3
の中に下から順にスポンジ等の多孔性物質5,生物活性
を有するテルペン系物質としてのフイトンチッドエマル
ジョン7が充填されている。
【0030】しかも、前記多孔性物質5と容器3におけ
る下部の上面との間には圧入空気室9が形成されてい
る。また容器3の上部にはキャップ11が被せられ、こ
のキャップ11には供給口13と排出口15が設けられ
ている。前記フイトンチッドエマルジョン7,多孔性物
質5を通して連結管17が上下方向へ延伸して設けら
れ、連結管17の一端である上部が前記供給口13に連
結されると共に連結管17の他端である下部が前記圧入
空気口9に連通されている。
【0031】前記供給口13にはビニールホース19の
一端が接続されると共にビニールホース19の他端が,
エアーポンプ,コンプレッサー等の空気供給手段21に
接続されている。この空気供給手段21をON,OFF
せしめる例えば24時間タイマーおよび各種センサなど
のセンサ23が空気供給手段21に接続されている。
【0032】上記構成により、センサ23としての例え
ば24時間タイマを働かせて空気供給手段21を駆動せ
しめると、圧縮空気がビニールホース19を通って供給
口13から連結管17へ送られる。この連結管17に送
られた圧縮空気は圧入空気室9に供給される。
【0033】圧入空気室9に供給された圧縮空気は多孔
性物質5内を通ってフイトンチッドエマルジョン7に送
られると、フイトンチッドエマルジョン7内のフイトン
チッドが気化されて活性空気Kが上方に発生し、排出口
15を経て屋内又は室内に供給されて発散される。そし
てこの活性空気を屋内又は室内で自然又は強制的に効率
よく循環せしめることによって、有害化学物質を可能な
限り無害化して、居住者に健康で快適,安全な住環境を
確保することができる。このような発散装置とすること
により、消音化を図ることができ、実施上の障害を排除
せしめることができる。
【0034】なお、この発明は、前述した実施の形態の
例に限定されることなく、適宜な変更を行うことによ
り、その他の態様で実施し得るものである。
【0035】
【発明の効果】以上のごとき実施の形態の例から理解さ
れるように、請求項1の発明によれば、カオリン,珪
砂,アルミナ,チタン(チタン白),ソーダ灰を,珪酸
ソーダ,珪酸カリウム等の水溶液に長時間撹拌して分散
せしめた後、生物活性を有するテルペン系物質を含有し
たエマルジョンを添加することにより、人体に無害の無
機質の白色の液状からなる防蟻,防炎剤を得ることがで
きると共に、有害化学物質に対する減少効果,殺ダニ,
防カビ,抗菌,抗酸化,消臭機能を得ることができる。
【0036】また、前記防蟻,防炎剤を、内壁剤として
の例えば、木材,合成材,紙類,クロス類に塗布するこ
とによって、これらの内壁材を不燃化,防炎化せしめる
ことができると共に白蟻の害から守ることができる。ま
たこれらの内壁剤を屋内又は室内に使用すると、これら
の内壁剤からテルペン系物質が屋内又は室内に発散し健
康で快適,安全な住環境を得ることができる。
【0037】前記防蟻,防炎剤を、調度品としての例え
ば建具類,壁面,障子,襖等に塗布することによって、
これらの調度品を不燃化,防炎化せしめることができる
と共に白蟻の害から守ることができる。また、屋内又は
室内に設置されたこれらの調度品からテルペン系物質が
屋内又は室内に発散し健康で快適,安全な住環境を得る
ことができる。
【0038】前記防蟻,防炎剤を屋内又は室内に設置さ
れた調度品に塗布し、かつこれらの調度品が設置された
屋内又は室内にテルペン系物質を含有したエマルジョン
を気化した空気を発散せしめることにより、より一層の
健康で快適,安全な住環境を得ることができる。
【0039】請求項2の発明によれば、空気供給手段を
駆動せしめて空気が供給口から連結管を介して容器内の
下部に圧入されると、圧縮空気が多孔性物質を通り、テ
ルペン系物質を含有したエマルジョン内に送られる。す
ると、テルペン系物質を含有したエマルジョン内から気
化した活性空気が排出口を経て屋内又は室内に発散され
て、より一層の健康で快適,安全な住環境を得ることが
できる。
【0040】しかも、このような発散装置とすることに
より、消音化が実現し実施上の障害を排除せしめること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】生物活性を有するテルペン系物質から活性空気
を気化し発散せしめる発散装置のは正面断面図である。
【符号の説明】
1 発散装置 3 容器 5 多孔性物質 7 フイトンチッドエマルジョン 9 圧入空気室 11 キャップ 13 供給口 15 排出口 17 連結管 19 ビニールホース 21 空気供給手段 23 センサ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−151544(JP,A) 特開 昭55−13757(JP,A) 特開 昭53−120890(JP,A) 特開 昭62−215689(JP,A) 特開 昭50−55616(JP,A) 特開 昭51−146794(JP,A) 特開 昭51−127596(JP,A) 特開 昭51−88563(JP,A) 特開 昭63−286491(JP,A) 特開 昭62−116103(JP,A) 特開 平5−96513(JP,A) 特開 平4−105605(JP,A) 特開 平3−268901(JP,A) 特公 昭50−32284(JP,B1) 特公 昭45−7676(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 5/18 C09D 5/14 E04B 1/72

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カオリン,珪砂,アルミナ,チタン,ソ
    ーダ灰を、珪酸ソーダ,珪酸カリウム等の水溶液中に分
    散せしめると共に、生物活性を有するテルペン系物質を
    含有したエマルジョンを添加してなる防蟻・防炎剤を、
    屋内又は室内の内壁材又は調度品に塗布せしめると共
    に、前記屋内および又は室内にテルペン系物質を含有し
    たエマルジョンを気化せしめた空気を発散せしめること
    を特徴とする防蟻・防災剤を用いた施工方法。
  2. 【請求項2】 前記請求項1の防蟻・防災剤を用いた施
    工方法に使用され、しかも、テルペン系物質を含有した
    エマルジョンを気化せしめた空気を、屋内又は室内に発
    散せしめる発散装置であって、この発散装置が、下から
    順に多孔性物質,テルペン系物質を含有したエマルジョ
    ンを充填した容器と、この容器の上部に設けられ空気供
    給手段からの空気を供給口と、この供給口に一端を接続
    し他端を前記容器中の多孔性物質の下方に接続された連
    続管と、容器の上部に設けられ気化した活性空気を排出
    する排出口と、で構成されていることを特徴とする発散
    装置。
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