JP3150205B2 - 水中資材用繊維 - Google Patents
水中資材用繊維Info
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Description
網や係留ロープ等の水中資材用繊維に関するものであ
る。
された状態で使用されるため、藻類や貝類等の海中生物
が付着して繁殖し、網目の閉塞による酸素欠乏からくる
魚類の成育阻害や網重量の増大等が発生し、漁業関係者
にとって深刻な問題となっている。
に防汚剤を含有した塗料や組成物によるコーティング処
理を施すことが行われている。そして、この防汚剤とし
てトリフェニル錫もしくはトリアルキル錫の酸化物、水
酸化物、塩化物又は有機酸のエステル等の有機錫化合物
が一般に用いられていたが、有機錫化合物は毒性を有
し、海洋汚染や魚体への悪影響等の問題があり、使用が
規制されるようになってきた。
は、処理工程を必要とするためコスト高になると共に、
工程中に防汚剤の毒性のため作業員が気分を害したり、
頭痛やめまいを起こす等、作業環境を著しく悪化させる
という安全衛生上大きな問題があった。そればかりか、
使用中に防汚剤が脱落し、藻類や貝類等の生物が繁殖し
て付着するのを防止する防汚効果の耐久性に乏しいとい
う問題があった。
常の非分解性高分子から繊維を製造する際に非有機錫化
合物系の防汚剤を混入した防汚性繊維が、特開平1−17
4609号公報、同2−182912号公報等で提案されている。
しかし、これらの繊維は、防汚剤の溶出が不十分なため
か防汚効果が十分でなく、特に富栄養化の進んだ海域で
は比較的早期に藻類の付着が発生するという問題があっ
た。
は、微生物分解性高分子であるポリカプロラクトンに銅
又は銀イオン放出水溶性ガラスを配合した組成物で構成
された水中資材用繊維が開示されている。この繊維は、
分解性高分子で構成されているため防汚剤の溶出性が良
好で、優れた防汚効果を発揮することが期待されるが、
5カ月で強度が急激に低下し、繊維の耐久性に乏しいと
いう問題があった。
芯成分としては通常の非分解性高分子を用い、鞘成分に
防汚剤を配合した分解性高分子を用いた水中資材用繊維
を先に提案した(特願平3−270060号)。この繊維は、
一定量以上の防汚剤を溶出することにより優れた防汚効
果を発揮し、繊維の耐久性においても優れた効果を示し
たが、鞘成分が分解性高分子からなるため比較的分解が
早く進み、防汚効果の耐久性に問題があることが分かっ
た。
時に防汚剤を混入した水中資材用繊維において、防汚効
果の耐久性と繊維の耐久性の両者が共に良好な水中資材
用繊維を提供しようとするものである。
解決するものであり、その要旨は、非分解性繊維形成性
合成高分子を芯成分とし、非分解性繊維形成性合成高分
子と分解性高分子の混合物に防汚剤を配合した組成物を
鞘成分とし、鞘成分の組成物が、非分解性繊維形成性合
成高分子30〜85重量%、分解性高分子7〜30重量%及び
防汚剤5〜40重量%からなるものである水中資材用繊維
にある。
発明において芯成分及び鞘成分の非分解性繊維形成性高
分子としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナ
イロン66、ナイロン46、ナイロン11、ナイロン12等
のポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリ
オレフィン等が挙げられる。これらは用途に応じて適当
なものを選定して用いられ、養殖網としてはポリエチレ
ン又はナイロン6、定置網としてはポリエチレンテレフ
タレート又はナイロン6が好ましい。
は、海洋汚染や魚体への悪影響等の問題のない非有機錫
化合物系のもので、耐熱性のあるものが用いられる。防
汚剤の具体例としては、銅粉、亜酸化銅粉、ニッケル/
銅の配合比が10/90であるニッケル銅粉、マンガン粉、
2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛、ジメチルジチオ
カルバミン酸銅等が挙げられる。
5μm以下の粉体として用いるのが好ましい。防汚剤の
粒子径が大きいと延伸時にネッキング部分に空隙がで
き、その部分で切断が起こるという問題があり、また、
粒子径が小さい方が表面積が大きくなって防汚効果が良
好となる。
は、ポリ−ε−カプロラクトン、ポリ−3−ヒドロキシ
ブチレート/ポリ−3−ヒドロキシバリレート共重合
体、ポリグリコール酸、ポリ乳酸等の脂肪族ポリエステ
ルやポリ−ε−カプロラクトン等の脂肪族ポリエステル
とナイロン6等のポリアミドとの共重合体等が挙げられ
る。これらは、水中において微生物によって分解し、最
終的には二酸化炭素と水になるため、海洋汚染、魚体へ
の悪影響等を与えない。
みを用いた繊維では、防汚剤の初期の溶出速度は大きい
が、防汚効果の耐久性に乏しかったが、本発明の繊維で
は、非分解性高分子と分解性高分子との混合物に防汚剤
が配合されているため、防汚剤の溶出速度のコントロー
ルが可能であり、分解性高分子がすべて分解された後も
非分解性高分子に含まれた防汚剤により防汚効果の継続
が認められる。繊維の強度は、多少低下がみられるが、
実用上問題はない。
〜5/1が適当であり、およそ4/1が繊維の強度及び
防汚効果の点で最も好ましい。芯/鞘複合重量比が1/
1より小さいと繊維の強度が低く、5/1より大きいと
防汚効果が小さくなると共に複合紡糸が困難になり、実
用上好ましくない。
性合成高分子30〜85重量%、分解性高分子7〜30重量%
及び防汚剤5〜40重量%とする。そして、鞘成分におけ
る非分解性繊維形成性高分子と分解性高分子との割合は
重量比で6/4〜9/1の範囲が好ましく、この割合が
あまり小さいと繊維の耐摩耗性が低くなり、逆に大きす
ぎると防汚剤の溶出速度が遅くなって防汚効果が小さく
なる。また、鞘成分に対する防汚剤の含有量が5重量%
未満であると防汚効果が小さくなり、一方、40重量%を
超えるとポリマー中への練り込みが困難になる。
る。なお、防汚効果は、次の懸垂試験により判定した。 懸垂試験 糸条を合撚して約 20000デニールの撚糸とし、これを用
いて40cm×40cmの大きさの網を作成し、60cm×60cmのス
テンレス製枠に取り付け、淡路島地区の海中に水深1〜
2mの位置で懸垂し、6、12、18カ月経過後に引き上
げ、生物の付着状況を観察し、次の4段階で評価した。 ◎:付着なし ○:少々付着あり △:半分程度付着あり ×:全面に付着あり また、引張強度は、JIS L 1013 (1981) に準じて測定し
た。
た相対粘度が 3.4のナイロン6(N6)及びASTM No.E
法(190℃、2.16kg)に準じて測定したメルトインデック
スが4.0g/10minのポリ−ε−カプロラクトン(PC
L)に平均粒子径が3.79μmの微細銅粉(Cu)をそれ
ぞれ30重量%練込み、2種類のマスターチップを得た。
芯成分を相対粘度が 3.4のN6、鞘成分を上記2種類の
マスターチップを表1に示した組成となるように混合し
たものとし、芯/鞘複合重量比4/1の芯鞘複合モノフ
ィラメントを次のようにして製造した。エクストルーダ
ー型溶融紡糸機を用い、ノズル孔径 1.0mmφ、ホール数
4の芯鞘複合紡糸口金を使用し、紡糸温度 275℃で紡出
し、エアーギャップを介して15℃の水浴中で冷却した
後、20m/minの速度で引取り、直ちに、1段目は85℃の
温水バスを用い、延伸倍率3.0〜3.5倍で、2段目は 200
℃、1mの非接触加熱ヒータを用い、全延伸倍率4.8〜
5.2倍で延伸し、400 デニールの芯鞘複合モノフィラメ
ントを得た。
例2(コントロール)として、鞘成分にPCL及びCu
を含まないもの、比較例3として、鞘成分にN6を含ま
ないものを用い、実施例1〜4と同様にして芯鞘複合モ
ノフィラメントを得た。
モノフィラメントの強度及び懸垂試験の結果を表1に示
す。
ン(PE)及びメルトインデックスが4.0g/10minのP
CLに平均粒子径が3.79μmのCuをそれぞれ30重量%
練込み、2種類のマスターチップを得た。芯成分をメル
トインデックスが1.0g/10minのPE、鞘成分を上記2
種類のマスターチップを表2に示した組成となるように
混合したものとし、芯/鞘複合重量比4/1の芯鞘複合
モノフィラメントを次のようにして製造した。エクスト
ルーダー型溶融紡糸機を用い、ノズル孔径 1.0mmφ、ホ
ール数4の芯鞘複合紡糸口金を使用し、紡糸温度 285℃
で紡出し、エアーギャップを介して5℃の水浴中で冷却
後、10m/minの速度で引取り、直ちに、1段目は85℃の
温水バスを用い、延伸倍率8.0〜10.0倍、2段目は120
℃、1mの非接触加熱ヒータを用い、全延伸倍率9.0〜1
0.5倍で延伸し、400デニールの芯鞘複合モノフィラメン
トを得た。
例5(コントロール)として、鞘成分にPCL及びCu
を含まないものを用い、実施例5〜6と同様にして芯鞘
複合モノフィラメントを得た。
モノフィラメントの強度及び懸垂試験の結果を表2に示
す。
媒とし、濃度 0.5g/dl、温度20℃で測定した相対粘度
が1.47のポリエチレンテレフタレート(PET)及びメ
ルトインデックスが4.0g/10minのPCLに平均粒子径
が 0.9μmの微細亜酸化銅粉(Cu2O)をそれぞれ30
重量%練込み、2種類のマスターチップを得た。芯成分
を相対粘度が1.47のPETとし、鞘成分を上記2種類の
マスターチップを表3に示した組成となるように混合し
たものとし、芯/鞘複合重量比2/1の芯鞘複合マルチ
フィラメントを次のようにして製造した。エクストルー
ダー型溶融紡糸機を用い、ノズル孔径 0.5mmφ、ホール
数24の芯鞘複合紡糸口金を使用し、紡糸温度290℃で紡
出し、200m/minの速度で引取り、直ちに、1段目は90
℃の加熱ローラを用い、延伸倍率3.0〜3.8倍、2段目は
160℃の加熱ローラを用い、全延伸倍率5.0〜5.4倍で延
伸し、 250デニールの芯鞘複合マルチフィラメントを得
た。
例7(コントロール)として、鞘成分にPCL及びCu
2Oを含まないものを用い、実施例7〜8と同様にして
芯鞘複合マルチフィラメントを得た。
マルチフィラメントの強度及び懸垂試験の結果を表3に
示す。
条について、次のようにして銅イオンの溶出量の経時変
化を調べた。長さ2cmに切断した試料20gに水 200mlを
加えて密栓し、1カ月毎に水を入れ換え、銅イオンの濃
度を測定した。なお、銅イオンの濃度の測定は、誘導結
合プラズマによる発光分光分析法に準じて、ICAP−575
IIを使用して行った。結果を表4に示す。(表4におい
て、「3カ月」とは3カ月経過後の1カ月間に溶出した
銅イオンの濃度を意味し、以下同様である。)
性高分子と分解性高分子(PCL)を組み合わせて用い
ることにより長期間安定して銅イオンが溶出し、また、
分解性高分子の混合比を変化させることにより、溶出量
をコントロールできることが分かる。
維形成性合成高分子と分解性高分子の混合物を使用し、
これに防汚剤を配合してあるので、防汚剤を長期間安定
して溶出させる効果があり、防汚効果の耐久性に優れて
いる。また、本発明の繊維は、芯成分に非分解性の繊維
形成性合成高分子を使用しているので、繊維の耐久性に
も優れている。
Claims (1)
- 【請求項1】 非分解性繊維形成性合成高分子を芯成分
とし、非分解性繊維形成性合成高分子と分解性高分子の
混合物に防汚剤を配合した組成物を鞘成分とし、鞘成分
の組成物が、非分解性繊維形成性合成高分子30〜85重量
%、分解性高分子7〜30重量%及び防汚剤5〜40重量%
からなるものである水中資材用繊維。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21368892A JP3150205B2 (ja) | 1992-07-16 | 1992-07-16 | 水中資材用繊維 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21368892A JP3150205B2 (ja) | 1992-07-16 | 1992-07-16 | 水中資材用繊維 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0641816A JPH0641816A (ja) | 1994-02-15 |
JP3150205B2 true JP3150205B2 (ja) | 2001-03-26 |
Family
ID=16643342
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21368892A Expired - Fee Related JP3150205B2 (ja) | 1992-07-16 | 1992-07-16 | 水中資材用繊維 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3150205B2 (ja) |
-
1992
- 1992-07-16 JP JP21368892A patent/JP3150205B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH0641816A (ja) | 1994-02-15 |
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