JPH0670663A - 水中生物付着防止用繊維 - Google Patents

水中生物付着防止用繊維

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JPH0670663A
JPH0670663A JP10188392A JP10188392A JPH0670663A JP H0670663 A JPH0670663 A JP H0670663A JP 10188392 A JP10188392 A JP 10188392A JP 10188392 A JP10188392 A JP 10188392A JP H0670663 A JPH0670663 A JP H0670663A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水中、特に海中において長時間使用しても全
く生物の付着しない繊維を得ること。 【構成】 0.5〜50重量%の塩化ナトリュウムを含
有した合成樹脂から成形される水中生物付着防止用繊
維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水中特に海中において
長期間使用される繊維製品(例えば漁網、ロープ、撚
糸、海洋土木用シートなど)に用いられる防汚性の改良
された繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より水中、特に海中に於て長期間使
用される繊維製品は、使用中に藻類、貝類等の水中生物
が付着して成長するという問題がある。例えば魚の養殖
に用いられている網の表面に藻類や貝類が付着し成長す
ると網目をふさいで潮の通りが悪くなり、網の中で養殖
されている魚が酸素不足、水質悪化のために死亡すると
いう問題が生ずる。また海洋土木シートの一種である汚
濁防止シートは水中において約2ヶ月使用するだけで、
藻類、貝類等の水中生物が大量に付着し、汚濁水をろ過
する効果が全く失われると同時に、汚濁防止シート自体
の重量が大幅に増え海底へ沈んでしまうため、汚濁防止
膜の機能を果たさなくなるという問題をもっている。ま
た船舶等に用いるロープも長期係留中に浸漬している部
分に藻類、貝類が付着し取扱性が極度に悪くなり、他に
養殖網、定置網を構成する網、ロープも前記と同様の問
題をかかえている。そして藻類、貝類の付着したこれら
繊維製品は水中、または陸上に引き揚げて付着物を落と
す必要があるが、多大な労力と時間が必要である。
【0003】上述のように水中にて長期間使用される繊
維製品への藻類、貝類等の水中生物の付着、成長を妨げ
るための対策が望まれている。その一つの対策として、
金属銅が水中生物の付着、成長防止に有効であることが
知られていることから、このことを利用して銅線を繊維
と混合(交撚、交織、交編等)して使用することが試み
られている。しかしながら、銅線は水中特に海水中へ早
期に溶け出し銅線自体がすぐに消失してしまうこと、有
機繊維と銅線の力学的性質が全く異なるため得られた混
合品の強度、耐久性が充分でないこと、混合品の加工
性、取扱性が不良なこと等の理由により実用には供しが
たいものであった。また、金属銅を繊維製品の表面に溶
射して付着させる方法も提案されているが、繊維製品が
著しく粗剛となり取扱いにくく、さらに金属銅の水中へ
の溶出速度が大きく、その上使用中の繰り返し変形によ
る銅の脱落が生じ防汚効果の耐久性が低下するという問
題がある。また有機スズ化合物、含窒素有機化合物等よ
りなる防汚剤を繊維表面に付着させる方法も実施されて
いるが、防汚耐久性が低く、たびたび再加工する必要が
あった。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は上述のごと
く、水中の使用に際して防汚性を必要とされる繊維製品
の具備すべき防汚性、防汚耐久性、取扱性、経済性はも
ちろんのこと海洋、河川、湖等に対する二次汚染が全く
なく、魚介類に対しても無害である等すべてを満足させ
ることができる繊維を得ることを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決するため、長期にわたる研究を行なった結果、遂に本
発明を完成するに到った。すなわち本発明は0.5〜5
0重量%の塩化ナトリュウムを含有した合成樹脂から成
形されることを特徴とする水中生物付着防止用繊維であ
る。本発明の繊維の特徴は塩化ナトリュウムの含有量が
繊維を構成する合成樹脂中に0.5〜50重量%であ
り、水中において塩化ナトリュウムを徐々に溶出するこ
とである。
【0006】本発明において、塩化ナトリュウムの含有
量が0.5重量%未満の場合は水中生物付着による防汚
耐久性が不足し、塩化ナトリュウムが50重量%を越え
ると繊維に塩化ナトリュウムを含有することが事実上不
可能となる。しかし、シース・コア型繊維の場合、シー
ス側に本発明の塩化ナトリュウム含有合成樹脂を用いる
ことが有効であり、この場合には、シース側合成樹脂中
の塩化ナトリュウム含有量が0.5重量%以上必要で、
繊維全体としての塩化ナトリュウム含有量は0.5重量
%以下になることもある。より好ましい塩化ナトリュウ
ム含有量は3〜40重量%である。
【0007】本発明において塩化ナトリュウムを含有し
得る合成樹脂としては、塩化ナトリュウムを混合し得る
ものであれば何れでもよいが、例えばナイロン系、ポリ
エステル系、アクリロニトリル系、ポリビニルアルコー
ル系、ポリエチレン、ポリプロピレンの内から選ばれる
ホモポリマ−叉は、コポリマ−が好ましく、中でも塩化
ナトリュウムの溶出のし易さからはナイロン系、ポリエ
ステル系の合成樹脂が好適である。
【0008】本発明において配合される塩化ナトリュウ
ムは粉末状あるいは微粒状等何れの形態でもよいが、好
ましくは粒径30μ以下にしたものがよい。上記の塩化
ナトリュウムを合成繊維に含有させる方法としては、一
つには樹脂と塩化ナトリュウムをドライブレンドした後
押し出し機により溶融混合し、ノズルから吐出させて紡
糸する方法がある。紡糸方法としては一般に知られてい
る方法を採用することができ、樹脂に適したどんな紡糸
方法を行なってもよい。得られた紡糸原糸を水中で使用
するに充分な強度及び形態安定性を付与する為には延
伸、熱処理を施すのが好ましい。
【0009】本発明の繊維の形態としてはモノフィラメ
ント、マルチフィラメント何れであっても良く、またそ
れらの合撚糸であってもよい。そして本発明繊維を用い
て漁網、漁具、ロープその他のものに利用できる。
【0010】
【作用】本発明において配合される塩化ナトリュウムと
水中生物、特に海洋生物に対する作用としては、合成繊
維から溶出してくる塩化ナトリュウムにより繊維表面で
は海水中での塩化ナトリュウム濃度より高濃度の塩化ナ
トリュウムが存在することになる。一方真骨魚類、高等
な脊椎動物を除いて大部分の海洋生物は周囲の水と浸透
圧における平衡状態にあり、これらの体内(体液)のイ
オン組成はほとんどの場合海水のそれと近い塩分濃度を
保持している。そこで外部の塩分変化は浸透平衡により
体内での塩分濃度の変化を起こすことになり、正常な濃
度と組成から逸脱して限界を越え、新陳代謝を阻害し、
その結果としての死亡の原因となると思われる。従っ
て、本発明の繊維表面には初期において付着した海洋生
物も体内の変化によりすぐに移動し、あたかも塩化ナト
リュウムが海洋生物に対する忌避物質のように作用する
のである。また塩化ナトリュウムは海水中の主要な塩構
成成分であるため、本発明繊維から溶出した塩化ナトリ
ュウムは海洋生物に対しては無害であり、二次汚染等の
問題もなく環境、公害対策の面からも優れた防汚剤とな
る。
【0011】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明
する。 実施例1 相対粘度2.8のナイロン6に塩化ナトリュウムを25
重量%配合したものを用いて紡糸温度を300℃にて丸
断面のノズルを使用し、紡糸速度1000m/分で、溶
融紡糸、延伸を行い、1000d/96fのマルチフィ
ラメントを得た。次に該繊維の撚糸を用いて巾3m長さ
5mの網を作り、これを海中に浸漬して20、50、1
00、200日後に付着した海洋生物について顕微鏡で
調べた。その結果を表1に示す。
【0012】実施例2 実施例1において固有粘度[η]=0.65のポリエチ
レンテレフタレートを用いた以外は実施例1と同様に行
った。その結果を表1に併記する。
【0013】比較例1、2 実施例1および2において塩化ナトリュウムを配合しな
い以外は全て実施例1および2と同様に行った。その結
果を表1に併記する。
【0014】
【表1】
【0015】表1中、◎は全く付着なし、○は5%未満
の付着あり、△は5〜50%の付着あり、×は50%を
越える付着があったことを示す。なお海水中浸漬テスト
は4月3日より開始した。
【0016】
【発明の効果】上記表1より明らかなように、本発明の
塩化ナトリュウムを含有した網は海洋生物の付着が見ら
れず、また優れた機械的特性をほとんど低下させないこ
とが判る。つまり、本発明繊維は長期にわたり永続性の
ある優れた海洋生物に対する非付着効果があり、またそ
の優れた機械的特性をほとんど低下させることがない。
その結果、従来必要であった付着物の除去の労力を省く
ことができる他、付着物による作業性が低下させられる
こともなく、長期間の使用に耐え、さらに人体、魚介類
への毒性はもちろん海洋を汚染させる心配がない等優れ
た効果を有しているので、本発明の塩化ナトリュウム含
有繊維は養殖用資材、漁業用途、及び海洋用途等に広く
利用され、産業界に寄与すること大である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D01F 6/54 A 7199−3B 6/90 301 7199−3B 6/92 301 N 7199−3B

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】0.5〜50重量%の塩化ナトリュウムを
    含有した合成樹脂から成形されることを特徴とする水中
    生物付着防止用繊維。
  2. 【請求項2】塩化ナトリュウムを含有する合成樹脂がナ
    イロン、ポリエステル、アクリロニトリル系、ポリプロ
    ピレン、ポリエチレン、アラミド、ポリアリレートから
    選ばれる一種または二種以上である請求項1記載の水中
    生物付着防止用繊維。
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