JP3294749B2 - 生物抵抗性成型品、その製造方法およびそれを用いた製品 - Google Patents

生物抵抗性成型品、その製造方法およびそれを用いた製品

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JP3294749B2
JP3294749B2 JP31839395A JP31839395A JP3294749B2 JP 3294749 B2 JP3294749 B2 JP 3294749B2 JP 31839395 A JP31839395 A JP 31839395A JP 31839395 A JP31839395 A JP 31839395A JP 3294749 B2 JP3294749 B2 JP 3294749B2
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英夫 川崎
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英夫 関谷
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生物抵抗性を有す
る成型品、その製造方法およびそれを用いた製品に関
し、より詳しくは、かび、藻類、細菌、海中の付着性生
物等の付着、繁殖に対して抵抗性を、ダニ類に対して忌
避性を有する成型品、その製造方法およびそれを用いた
製品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、生物抵抗性を有する成型品が
種々検討されており、例えば、チアゾベンズイミダゾー
ル(以下、TBZと記す)を含有する成型品が知られて
いる。この成型品は、25〜30年前より繊維製品や建
材用途、壁紙や壁土用途等に多用されている。しかし、
TBZはある種のかびや細菌には抵抗性を示すが、元々
抵抗性を示さないかびや細菌があり、また耐性かびや耐
性菌には抵抗性を示さず、スペクトルが狭い。従って、
このような成型品を用いた製品は、居住環境に存在する
かびや細菌に対し高々50%程度の有効性しかなかっ
た。さらにこのような成型品は、藻類、海中の付着性生
物、ダニ類に対して抵抗性を殆ど示さなかった。
【0003】また、第4級アンモニウム塩を含有する成
型品が、近年特に衣料用繊維製品に多く使用され始め
た。この塩の抵抗性は、カチオン(陽イオン)の殺菌力
によるものである。このような成型品は、細菌に対する
抵抗性は十分であるが、かび、藻類、海中の付着性生
物、ダニ類に対しては抵抗性を有しなかった。
【0004】さらに、有機錫を樹脂中に混入させたもの
に漁網やロープを漬け込み乾燥し固めることにより得ら
れた定置網や係留ロープ等が藻類や海中の付着性生物に
対して抵抗性を有することが知られている。しかし、近
年有機錫の毒性が問題にされており、これらは生産され
ていない。
【0005】さらにまた、微細な銅粉を重合前の溶液に
練り込んで重合後押出し、成型した糸で作成した網が藻
類や海中の付着性生物に対して抵抗性を有することが知
られている。しかし、このような網は、銅粉の含有量を
増やさなければ十分な効果がなく、高い濃度の銅粉を含
有する網を得る方法は製造上や製品に問題がある。また
このような網にはかびやダニ類に対しては抵抗性がほと
んどなかった。
【0006】従って、かび、細菌、藻類、海中の付着性
生物およびダニ類に対して十分な抵抗性を有し、かつ各
生物類に対してスペクトルが広い成型品は未だ開発され
てなく、複数の抵抗性が必要な用途や、また各抵抗性が
従来の成型品では満足されていない用途では、このよう
な製品の開発が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の欠点を
解決しようとするものであり、その目的は、かび、細
菌、藻類、海中の付着性生物およびダニ類に対して十分
な抵抗性を有し、かつ各生物類に対してスペクトルが広
い成型品、その製造方法およびそれを用いた製品を提供
するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、樹脂と、生物
抵抗性を有する薬剤とを含有する生物抵抗性成型品であ
って、生物抵抗性を有する薬剤が、ニトリル系化合物、
ピリジン系化合物、ハロアルキルチオ系化合物、有機ヨ
ード系化合物、チアゾール系化合物およびベンズイミダ
ゾール系化合物からなる群より選択される少なくとも4
種の化合物であり、かつ薬剤の含有量が、成型品を構成
する全成分に対して0.05〜30重量%の範囲である
ことを特徴とする生物抵抗性成型品である。好適な実施
態様は、上記薬剤が、ハロイソフタロニトリル誘導体、
ピリジンチオール−1−オキシド誘導体、スルフォニル
ハロピリジン誘導体、ハロアルキルチオスルファミド誘
導体、ヨードスルフォニルベンゼン誘導体、イソチアゾ
リン−3−オン誘導体、チアゾールベンズイミダゾール
誘導体およびベンズイミダゾールカルバミン酸誘導体か
らなる群より選択される少なくとも4種の化合物であ
る。好適な実施態様は、上記成型品が繊維である。また
本発明は、上記生物抵抗性成型品を用いたことを特徴と
する製品である。さらにまた、本発明は、樹脂と生物抵
抗性を有する薬剤と混合した後、成型する生物抵抗性成
型品の製造方法であって、生物抵抗性を有する薬剤が、
ニトリル系化合物、ピリジン系化合物、ハロアルキルチ
オ系化合物、有機ヨード系化合物、チアゾール系化合物
およびベンズイミダゾール系化合物からなる群より選択
される少なくとも4種の化合物であり、かつ薬剤の添加
量が、成型品を構成する全成分に対して0.05〜30
重量%の範囲であることを特徴とする生物抵抗性成型品
の製造方法である。
【0009】次に本発明を詳しく説明する。本発明にお
いては、生物抵抗性とは、かび、細菌、藻類、海中生物
の付着、繁殖に対して抵抗性を示し、またダニ類には忌
避性を示す性質をいう。本発明の生物抵抗性成型品は、
バインダーと、生物抵抗性を有する薬剤とを含有する。
【0010】生物抵抗性を有する薬剤は、ニトリル系化
合物、ピリジン系化合物、ハロアルキルチオ系化合物、
有機ヨード系化合物、チアゾール系化合物およびベンズ
イミダゾール系化合物からなる群より選択される少なく
とも4種の化合物であり、好ましくは少なくとも6種の
化合物であり、特に好ましくは少なくとも7種の化合物
である。薬剤の種類が4種未満の場合、得られた成型品
は、生物に対するスペクトルが狭く、耐性の生物の発生
を抑えることができない。これらの化合物は、いずれも
分解温度が高く、水に対する溶解性が低く、安全性の高
い化合物である。ニトリル系化合物としては、例えばハ
ロイソフタロニトリル誘導体等が挙げられ、ピリジン系
化合物としては、例えばピリジンチオール−1−オキシ
ド誘導体、スルフォニルハロピリジン誘導体等が挙げら
れる。ハロアルキルチオ系化合物としては、例えばハロ
アルキルチオスルファミド誘導体、テトラクロロエチル
チオテトラヒドロフタルイミド誘導体等が挙げられる。
有機ヨード系化合物としては、例えばヨードスルフォニ
ルベンゼン誘導体、プロパルギルブチルカルバミン酸誘
導体等が挙げられる。チアゾール系化合物としては、例
えばイソチアゾリン−3−オン誘導体、チアゾールベン
ズイミダゾール誘導体等が挙げられる。ベンズイミダゾ
ール系化合物としては、例えばベンズイミダゾールカル
バミン酸誘導体等が挙げられる。
【0011】上記薬剤は、好ましくはハロイソフタロニ
トリル誘導体、ピリジンチオール−1−オキシド誘導
体、スルフォニルハロピリジン誘導体、ハロアルキルチ
オスルファミド誘導体、ヨードスルフォニルベンゼン誘
導体、イソチアゾリン−3−オン誘導体、チアゾールベ
ンズイミダゾール誘導体およびベンズイミダゾールカル
バミン酸誘導体からなる群より選択される少なくとも4
種の化合物、より好ましくは少なくとも6種の化合物、
特に好ましくは少なくとも7種の化合物であり、より好
ましくは、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニ
トリル、2−ピリジンチオール−1−オキシドナトリウ
ム、2,3,5,6−テトラクロロ−4−メチルスルフ
ォニルピリジン、N,N−ジメチル−N’−フェニル−
N’−ジクロロフルオロメチルチオスルファミド、ジヨ
ードメチル−p−トリルスルフォン、2−(n−オクチ
ル)−4−イソチアゾリン−3−オン、2−(4−チア
ゾリル)−1H−ベンゾイミダゾール、1H−2−ベン
ゾイミダゾールカルバミン酸メチルからなる群より選択
される少なくとも4種の化合物、特に好ましくは少なく
とも6種の化合物、最も好ましくは少なくとも7種の化
合物である。また、上記の生物に対する抵抗性が十分で
あり、スペクトルが狭くならず、耐性の生物の発生を抑
えることができれば、同系化合物より2種以上選択して
もよい。
【0012】上記薬剤の中で、特にかびに対して抵抗性
を有する化合物は、2,4,5,6−テトラクロロイソ
フタロニトリルであり、特に細菌に対して抵抗性を有す
る化合物は、2,3,5,6−テトラクロロ−4−メチ
ルスルフォニルピリジンであり、特に藻類に対して抵抗
性を有する化合物は、N,N−ジメチル−N’−フェニ
ル−N’−ジクロロフルオロメチルチオスルファミドで
あり、ダニ類に対してはこれらの化合物の併用による複
合作用であると考えられる。
【0013】成型品に対する薬剤の含有量は、その合計
量が、成型品を構成する全成分に対して、0.05〜3
0重量%、好ましくは0.15〜6.0重量%、特に好
ましくは0.20〜3.0重量%の範囲である。海中生
物の付着防止に対しては10〜30重量%が特に好まし
い。この含有量が0.05重量%未満の場合、上記の生
物に対する抵抗性が不十分であり、かつ効果の持続性が
ない。逆に30重量%を超える場合、成型品の特性が悪
くなり、さらにコストへの影響が大きくなって経済性が
悪い。
【0014】全薬剤に対する各薬剤の含有量は、好まし
くは全薬剤中、1.0重量%〜90重量%、より好まし
くは3.0重量%〜70重量%である。この含有量が
1.0重量%未満の場合、各薬剤の効果が不十分とな
り、逆に90重量%を超える場合、他の薬剤の含有率が
低くなってそれらの効果が不十分となるので好ましくな
い。薬剤の合計の含有量および各含有量は、成型品より
得られる製品の使用環境等により、上記範囲内で適宜決
定される。
【0015】薬剤は、粒状で含有されるが、その粒径は
小さい程製造工程での分散性が良好となるので、好まし
くは50μm以下、より好ましくは10μm以下、特に
好ましくは2μm以下である。
【0016】本発明に使用される樹脂は、成型能を持
ち、かつ薬剤と均等混合が可能で、製造工程中に薬剤の
効果が消滅しない樹脂であれば、特に制限はなく、成型
品の用途に応じて選択されるが、薬剤の熱分解温度が高
いため、汎用性のあるポリエチレンテレフタレート等の
ポリエチレン系樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル系樹
脂、ナイロン6、ナイロン66等のナイロン樹脂、ポリ
プロピレン樹脂も使用され得る。
【0017】本発明の成型品は、樹脂および薬剤以外
に、成型品より得られる製品の用途に応じて、さらに着
色剤や、耐光性向上剤、熱安定剤、染色性改善剤、難燃
剤等の改質剤を含有してもよい。着色剤としては、例え
ば粉末のカーボンブラック、酸化チタン等の顔料や分散
染料等が挙げられ、耐光性向上剤としては、例えばベン
ゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系、ベンゾフェノ
ン系等が挙げられ、熱安定剤としては、例えばナイロン
樹脂に関しては銅化合物が挙げられ、染色性改善剤とし
ては、例えばウレタン樹脂に関しては3級窒素原子を側
鎖に有するポリウレタン樹脂等が挙げられる。これらの
含有量および配合方法は、薬剤の効果および成型品の特
性に影響がない範囲で適宜選択される。
【0018】本発明の成型品の形態は特に限定されず、
例えば、繊維、フィルムのような薄膜状物や厚膜状物、
板状物、棒状物、管状物、発泡体物、これらの少なくと
も一部を用いて加工された物や複合物や積層物、詰め物
等が挙げられる。繊維としては、例えばマルチフィラメ
ント糸、モノフィラメント糸、これらを加工した各種加
工糸、撚糸、ステープル、紡績糸、硬綿、カットファイ
バー等が挙げられる。また特に成型工程を有しない硬化
型の接着剤、塗料、表面仕上剤等も本発明の成型品に含
有される。
【0019】また本発明の成型品においては、その形状
が大型や肉厚のものは、その表面や生物が発生しやすい
部分にのみに薬剤が含有するように製造することが好ま
しい。また薬剤の含有率を成型品の部分毎に変化させて
もよく、このような成型品の製造には、成型時に薬剤含
有率の異なる樹脂を用いてこれらを偏在させて成型する
方法や、含有率の異なる樹脂を用いて別々に成型された
ものを複合させる方法が採用される。
【0020】本発明の成型品の製造は、樹脂中、その溶
融体中またはその溶解液中に所定量の薬剤、必要に応じ
て着色剤や改質剤を添加、混合し、この混合物を射出成
型、押出成型、圧縮成型等の成型方法を採用して成型品
に成型する。繊維に成型する場合、成型方法としては、
例えば溶融紡糸法、乾式紡糸法、湿式紡糸法等が採用さ
れる。
【0021】例えば、繊維に成型する場合、樹脂と薬剤
とを混合する際には、薬剤の分散性を良好とするために
予め薬剤を高濃度(3〜50重量%)に母樹脂に含有さ
せてマスターバッチ樹脂を作成し、溶融押出して紡糸す
る時に、薬剤を含有していない原料樹脂と混合する方法
を採用することもできる。上記マスターバッチ樹脂に用
いる母樹脂は、薬剤を含有していない原料樹脂と同一で
あっても、また重合度の異なる同種の樹脂であっても、
マスターバッチ樹脂を製造しやすい異種の樹脂であって
もよい。産業資材用の破断力の大きい糸に成型する場
合、マスターバッチ樹脂の用いる母樹脂は、原料樹脂と
同種であることが好ましい。
【0022】上述のマスターバッチ樹脂と原料樹脂との
混合は、例えば成型品中に含有される薬剤量が所定範囲
内となるようにマスターバッチ樹脂と原料樹脂とをチッ
プの状態で予め混合し、溶融・混合しながら押出して紡
糸する方法、原料樹脂チップを溶融しながら押出する直
前でマスターバッチ樹脂チップを所定量混合して紡糸す
る方法等が採用される。
【0023】着色剤等の改質剤を併用する場合には、例
えばマスターバッチ樹脂の調製時に添加する方法、改質
剤が複数ある場合には、改質剤毎にマスターバッチ樹脂
をそれぞれ調製し、これらを薬剤を含有するマスターバ
ッチ樹脂と混合する方法等を採用することができる。前
者の方法が手間が少なく経済的である。後者の方法は、
原料樹脂に対するマスターバッチ樹脂に用いられる母樹
脂の割合が大きくなって、特にマスターバッチ樹脂と原
料樹脂との間に特性上の差がある場合には良好な性能の
繊維が得られ難く、また製造中の歩留りが悪くなる等の
問題が生じる場合がある。
【0024】溶融紡糸後の延伸方法は、溶融紡糸により
得られた未延伸糸を一旦巻き取った後、延伸工程を経て
完成糸を得る方法や、未延伸糸を巻き取らずに直接熱延
伸する方法が採用される。また主として産業資材用の糸
の製造に使用される、多段階延伸方法、スチームジェッ
ト延伸方法、2成分の樹脂を複合して溶融する複合紡糸
方法も採用される。シースコア系の複合糸の場合は繊維
の外周部に薬剤を含有させることが効能上好ましい。
【0025】このようにして得られた成型品は、生物抵
抗性を利用した用途、例えば繊維製品、生活用品、スポ
ーツレジャー品、建築土木資材、農林漁業用資材、産業
用資材、公共機関や交通関係資材等の種々の製品に加工
されて、種々の用途に使用される。ここでいう生物抵抗
の特徴を利用した製品の用途とは、製品を使用中または
輸送保管中に生物が発生し、製品に付着寄生し繁殖する
場所における用途である。繊維製品としては、例えば繊
維製品には織編み物、不機布、スパンボンド、フェル
ト、合成紙の中間製品や、さらに加工された衣服(外
衣、作業服、下着、靴下、帽子等)、衣料用編み物、産
業用縫製品、紐、テープ、ロープ、リボン等がある。生
活用品としては、例えば風呂場用品、台所用品、洗濯物
干し用品、掃除用品、敷物、インテリア用品、カーテ
ン、タオル、寝具、ベッド、雨具、ゴミ籠、花器、園芸
用具、植木鉢、掃除用具、ブラシ、クッション、幟、
旗、取っ手等がある。スポーツレジャ一用品としては、
例えばスポーツ用具、スポーツ衣料、プロテクター、手
袋、靴材、鞄材、グリップテーピング材、プール用品、
公園用品、海浜用具、遮光材、テント、ロープ、ボート
ヨット用品等がある。建築土木資材としては、例えばテ
ント類、養生シート、養生メッシュ、汚濁防止膜材、帆
布、ルーフィング材、人工芝、建物内装材、同内装材補
強繊維、塗料補強繊維、壁土補強繊維等がある。農林漁
業用資材としては、例えば漁網、養殖用器材、係留ロー
プ、防舷材、シーアンカー、浮体、水槽、桶、農業ホー
ス、農業用フィルム、温室器材、寒冷紗、水耕栽培用資
材、防虫ネット等がある。産業用資材としては、例えば
水道管、ホース、コンベアベルト、陸上ネット、陸上ロ
ープ、フィルター、フェルト、各種容器、梱包材、排水
取水側溝材、水処理材、食品加工場用資材、家電、パソ
コン製品等のボタンや操作器具、水の蒸発材等がある。
公共機関や交通関係資材としては、例えば自動車内装
材、ドアの取っ手、吊り革、自動販売機操作ボタン、エ
スカレーターの持ち手、案内ロープ、道路標識、広告掲
示用品材、病院や療養所用のインテリア用品材、内装材
等がある。また、加工された製品は、近傍の物体へ生物
抵抗性を与える目的でも使用される。例えば細菌やかび
の侵入を阻止する目的で製品を配置する用途例や、飛来
菌の侵入を少なくする目的でメッシュ製品を配置する用
途例がある。
【0026】本発明の生物抵抗性成型品およびそれを用
いた製品は、かび、細菌、藻類、海中の付着性生物およ
びダニ類に対して抵抗性を有する。かびとしては、例え
ばニグロスポラ オリゼー、クラドスポリウム レジ
ネ、クラドスポリウム ヘルバレム、クラドスポリウム
クラドスポリオイダス、クラドスポリウム サファエ
ロスペルマ、トリコデルマ コニンギ、トリコデルマ
T−1、トリコデルマビリディ、フォーマ グロメラー
タ、フォーマ テレスチアス、プルラリア プルラン
ス、グリオクラディウム ビレンス、ゲオトリカム ラ
クタス、 ゲオトリカム カンディダム、ペスタロチア
アダスタ、ペスタロチア ネグレクタ、ミロテシウム
フェルカリア、アルテルナリア テナース、アルテル
ナリア ブラッシコーラ、アルテルナリア アルテルナ
ータ、アスペルギルス ニガー、アスペルギルス フレ
ーバス、アスペルギルス フェルシコール、アスペルギ
ルスオリゼー、アスペルギルス テレウス、アスペルギ
ルス フュミガタス、オーレオバシディウム プルラン
ス、フザリウム モニリフォルメ、フザリウム セミテ
クタム、フザリウム プラリフェラタム、フザリウム
ロゼウム、フザリウム ソラニ、フザリウム オキシス
ポラム、リゾプス ニグリカンス、リゾプスストロニフ
ェル、ペニシリウム シトリナム、ペニシリウム イク
パンサ、ペニシリウム フュニキュローザム、ペニシリ
ウム リラシナム、ペニシリウムニグリカンス、ペニシ
リウム フレクエンタス、ペニシリウム シトレオビリ
ティ、ムコール ラセマサス、ユーロチウム トナフィ
ラム、トリコフィートンメンタグロフィテス、モニリア
フルクチガーナ、ケトミウム グロボーサム、エピコ
ッカム パープラセンス、アクレモニウム チャルティ
コーラ、ワレミアセビ、カンジタ アルビカンス、スト
レプトフェテシリウム レティカレム、サッカロミセス
セレビシ、ボトリティス シネレア等が挙げられる。
藻類としては、例えばプロロコッカス スピーシーズ、
アナベーナ スピーシーズ、クラドフォーラ グロモ
ラータ、アナシィスティ ニダランス、アンキストロデ
マス アンガスタス、クラミディモーナス ラインハー
ティ、ノストカレス スピーシーズ、ウロトリカセー
スピーシーズ、トレントポーリア オーダラータ、トレ
ントポーリア オーレ、アナシィスティ モンタナ、ア
ナシィスティ サマーリ、クロロコッカンマ スピーシ
ィーズ、サイトニマ ホフマネ、キャロスリックス パ
ルレティーナ、スキゾスリクス カルシコーラ、クロレ
ラ エゾマーニ、クロレラ ブルガーレス、トライボニ
ーマ スピーシーズ、スキゾスッリクス フリーシー、
スキゾスッリクス ルベーラ、オッセラトリア ルーテ
ィーエー、ホーメディアム スピーシーズ、シリンドロ
キャプサ スピーシーズ、ナビキャーラ スピーシーズ
等が挙げられる。細菌としては、例えば黄色ブドウ球
菌、緑膿菌、大腸菌、枯草菌、変形菌、ブタコレラ菌、
チフス菌、結核菌、ネズミチフス菌、肺炎桿菌等が挙げ
られる。海中の付着性生物としては、例えばふじつぼ、
カラス貝、かき等の貝類、ムラサキテングサ等の海藻類
が挙げられる。ダニ類としては、例えばコナヒョウヒダ
ニ、ヤケヒョウヒダニ等が挙げられる。
【0027】
【実施例】次に本発明を実施例および比較例を挙げて説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
得られた成型体に対して、防かび試験、防藻試験、抗菌
試験およびダニ忌避試験を行ったが、その試験方法は以
下の方法により行われた。
【0028】1)糸の破断強度 JIS L1013 7.5.1に準拠して測定した。 2)糸の破断伸度 JIS L1013 7.5.1に準拠して測定した。
【0029】3)防かび試験 MIL STD 810D Method508・3変
法を採用し、以下に示す62種の混合かびを使用した。
湿式法による混合胞子懸濁液から直接接種し、ポテトデ
キストロースアガー培地(PDA、クロラムフェニコー
ル等の抗生物質無添加)で、温度30℃±5℃、湿度9
5%±5%RH、風速60cm/秒の条件で28日間培
養した。以下の5段階により評価した。 0・・・かびの発育が全く見られない。 1・・・かびの発育が僅かにある。 2・・・かびの発育が少しある。 3・・・かびの発育がかなりある。 4・・・かびの発育が激しくある。
【0030】使用したかびは次に示すかびであった。ニ
グロスポラ オリゼー、クラドスポリウム レジネ、ク
ラドスポリウム ヘルバレム、クラドスポリウム クラ
ドスポリオイダス、クラドスポリウム サファエロスペ
ルマ、トリコデルマ コニンギ、トリコデルマ T−
1、トリコデルマ ビリディ、フォーマ グロメラー
タ、フォーマ テレスチアス、プルラリア プルラン
ス、グリオクラディウム ビレンス、ゲオトリカム ラ
クタス、 ゲオトリカム カンディダム、ペスタロチア
アダスタ、ペスタロチア ネグレクタ、ミロテシウム
フェルカリア、アルテルナリア テナース、アルテル
ナリア ブラッシコーラ、アルテルナリア アルテルナ
ータ、アスペルギルス ニガー、アスペルギルス フレ
ーバス、アスペルギルス フェルシコール、アスペルギ
ルス オリゼー、アスペルギルス テレウス、アスペル
ギルス フュミガタス、オーレオバシディウム プルラ
ンス、フザリウム モニリフォルメ、フザリウム セミ
テクタム、フザリウム プラリフェラタム、フザリウム
ロゼウム、フザリウム ソラニ、フザリウム オキシ
スポラム、リゾプス ニグリカンス、リゾプス ストロ
ニフェル、ペニシリウムシトリナム、ペニシリウム イ
クパンサ、ペニシリウム フュニキュローザム、ペニシ
リウム リラシナム、ペニシリウム ニグリカンス、ペ
ニシリウム フレクエンタス、ペニシリウム シトレオ
ビリティ、ムコール ラセマサス、ユーロチウム トナ
フィラム、トリコフィートン メンタグロフィテス、モ
ニリア フルクチガーナ、ケトミウム グロボーサム、
エピコッカム パープラセンス、アクレモニウム チャ
ルティコーラ、ワレミア セビ、カンジタ アルビカン
ス、ストレプトフェテシリウム レティカレム、サッカ
ロミセス セレビシ、バシルス サブティリス、バシル
ス メガテリウム、スタフィロコッカス オーレ、シュ
ードモナス エルギノッサ、シュードモナス フルレッ
センス、サルモネラタイフィマリアム、エスケリチア
コリ、ボトリティス シネレア、プロテウスバルガリ
ス。これらのかびは、それぞれ6℃±4℃で保存された
30日以内のストックカルチャー純培養菌、またはサブ
カルチャー菌であった。
【0031】4)防藻試験 以下に示す25種の混合藻を使用した。湿式法による混
合藻分散液から直接接種し、以下に示す培地で、温度2
5℃〜30℃、湿度90%RH〜100%RHの条件
で、フ卵器内で28日間培養した。培養中、1日4時間
以上は、シャーレの上ブタを取り、1500Lux(6
0W陽光蛍光灯)照射した。7日毎に以下の5段階によ
り評価した。 0・・・藻の発育が全く見られない。 1・・・藻の発育が僅かにある。 2・・・藻の発育が少しある。 3・・・藻の発育がかなりある。 4・・・藻の発育が激しくある。 使用した培地は以下の成分より構成された。 KNO3 1.25g MgSO4 ・7H2 O 1.25g NaCl 1.25g FeSO4 ・H2 O 0.05g CaCl2 0.1g K3 HPO4 0.35g 寒天 15g 純水 1000ml、pH5.8
【0032】使用した藻類は次に示す藻であった。プロ
ロコッカス スピーシーズ、 アナベーナ スピーシー
ズ、クラドフォーラ グロモラータ、アナシィスティ
ニダランス、アンキストロデマス アンガスタス、クラ
ミディモーナス ラインハーティ、ノストカレス スピ
ーシーズ、ウロトリカセー スピーシーズ、トレントポ
ーリア オーダラータ、トレントポーリア オーレ、ア
ナシィスティ モンタナ、アナシィスティ サマーリ、
クロロコッカンマ スピーシィーズ、サイトニマ ホフ
マネ、キャロスリックス パルレティーナ、スキゾスリ
クス カルシコーラ、クロレラ エゾマーニ、クロレラ
ブルガーレス、トライボニーマ スピーシーズ、スキ
ゾスッリクス フリーシー、スキゾスッリクス ルベー
ラ、オッセラトリア ルーティーエー、ホーメディアム
スピーシーズ、シリンドロキャプサ スピーシーズ、
ナビキャーラ スピーシーズ。
【0033】5)抗菌試験 黄色ぶどう状球菌を用いた繊維製品衛生加工協議会(略
称 SEK)の菌数測定法による菌増減値差を採用し
た。菌増減値差は標準白布(抗菌処理を行ってないも
の)の18時間培養後の菌数(対数)と供試材の18時
間培養後の菌数(対数)との差で示した。SEKでは、
1.6以上で抗菌効果および防臭効果があるとし、1.
6未満では抗菌効果および防臭効果がないとしている。
【0034】6)ダニ忌避試験 コナヒョウヒダニを用い、大阪府立公衆衛生研究所法で
試験した。
【0035】7)海中試験 一辺30cmのサンプルを海中に浸漬し、海中付着性生
物への抵抗性を、薬剤無添加サンプル表面を海中付着性
生物が覆った面積と比較して以下の5段階で評価した。 4・・・同程度。 3・・・25%程度少ない。 2・・・50%程度少ない。 1・・・75%程度少ない。 0・・・全く付着しない。
【0036】実施例1 粒径分布0.8〜1.2μmの所定量の表1に示す薬剤
をポリエチレンテレフタレート樹脂に混合して、予め薬
剤含有率5重量%のマスターバッチ樹脂を作成した。こ
のマスターバッチ樹脂の溶融紡糸前に、所定量の薬剤を
含有しないポリエチレンテレフタレート樹脂と混合して
溶融紡糸し、薬剤含有率0.05重量%の24本で構成
される繊度100デニールのマルチフィラメント糸を得
た。溶融紡糸条件は、吐出量46g/分、溶融温度28
5℃、巻取り速度1300m/分であった。また使用し
たポリエチレンテレフタレート樹脂のフェノール/テト
ラクロロエタン(60/40)の混合溶液を用いて測定
した極限粘度は0.61g/dlであった。このマルチ
フィラメント糸を、延撚機にて繊度95〜100デニー
ルおよび破断伸度30〜35%となるように延伸倍率を
設定して、延伸温度85℃、巻取り速度600m/分の
条件で延伸糸を得た。得られた糸の特性を表2に示す。
【0037】実施例2 実施例1と同様の方法で、予め薬剤含有率5重量%、着
色剤(ヘキストジャパン株式会社製 A2R−ATN)
含有率30%のマスターバッチ樹脂を作成した。このマ
スターバッチ樹脂を用いて、実施例1と同様の方法で薬
剤含有率0.15重量%、着色剤含有率0.9重量%の
24本で構成される繊度100デニールのマルチフィラ
メント糸を得た。実施例1と同様の方法でこのマルチフ
ィラメント糸から延伸糸を得た。
【0038】実施例3〜6および比較例1〜2 表1に示す薬剤を用い、実施例1と同様の方法で、表1
に示す薬剤含有率の24本で構成される繊度100デニ
ールのマルチフィラメント糸を得た。実施例1と同様の
方法でこのマルチフィラメント糸から延伸糸を得た。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】実施例3、5、6および比較例2で得られ
た延伸糸について、防かび試験をおこなった。その結果
を表3に示す。また実施例1〜4および比較例1で得ら
れた延伸糸を筒状編機を用いて、10ウエール/cm、
12コース/cmの編地を作成し、これを水処理した。
水処理は、編地を24時間、浴比500の蓄水容器中に
浸漬、引き続きこの容器に24時間、10g/秒の水道
を流下しオーバーフローさせ、その後3時間風乾するこ
とにより行った。この水処理された編地について、防か
び試験、防藻試験、抗菌試験およびダニ忌避試験を行っ
た。それらの結果を表4〜7に示す。
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】
【表5】
【0045】
【表6】
【0046】
【表7】
【0047】実施例7〜12および比較例3〜4 表1に示す薬剤と、相対粘度RV=2.5のナイロン6
樹脂とを用い、混合物中の薬剤含有率が表1に示す値と
なるように混合し、255℃で溶融混合し、押出、水
冷、カットして直径2〜5mm、長さ4〜7mmのチッ
プ状の樹脂を作成した。このチップを用いて240℃、
圧力50kg/cm2 の条件でヒートプレス法により、
厚さ0.3〜0.5mmのフィルムを作成した。なおナ
イロン6の相対粘度は、硫酸20mlにナイロン6を2
00mg溶融した粘度を測定した。
【0048】実施例7〜9および比較例3〜4で得られ
たフィルムについて、水処理前後のフィルムの防かび試
験を行った。その結果を表8に示す。水処理は次の方法
で行った。直径4cmの試料を24時間浴比500の蓄
水容器中に浸漬し、引き続き該容器に24時間10g/
秒の水道を流下し、オーバーフローさせた。その後試料
表面の水滴をウエスで軽く拭き取り、3時間風乾した。
【0049】また実施例9〜12および比較例3で得ら
れたフィルムについて、海中試験を行った。その結果を
表9に示す。
【0050】
【表8】
【0051】
【表9】
【0052】表3において、薬剤として2−(4−チア
ゾリル)−1H−ベンゾイミダゾール(TBZ)のみを
使用した比較例2は、薬剤含有量が0.25重量%であ
っても防かび効果が認められなかったが、4種の薬剤を
使用した実施例5では防かび効果が認められ、5種の薬
剤を使用した実施例6や8種の薬剤を使用した実施例3
ではさらに良好な防かび効果が認められた。
【0053】表4、表5および表7において、少なくと
も4種以上の薬剤含有量を0.05重量%以上とするこ
とにより、実施例1〜4に示すように良好で持続性があ
る防かび効果、防藻効果およびダニ忌避効果が認めら
れ、さらに薬剤含有量を0.15重量%以上とすること
により、それらの効果がさらに良好となり、スペクトル
が広いことがわかる。また、表2に示すように、薬剤と
着色剤とを併用した実施例2より、着色剤を含有させて
も糸の特性は維持したままであり、285℃という高い
温度で溶融しても上記の生物抵抗性は良好であることが
わかる。また実施例1〜4で得られたマルチフィラメン
ト糸より延伸糸を加工する工程でも断糸がなく、加工性
が良好であった。さらに表6において、実施例3では良
好な抗菌効果を示すことがわかる。
【0054】表8において、水処理しても実施例7〜9
の防かび効果はほとんど変わらず良好であるが、薬剤と
してTBZのみを使用した比較例4は、薬剤含有量が
5.0重量%と多くしても水処理前の防かび効果は劣
り、かつ水処理後の効果はさらに劣って持続性がなかっ
た。また表9において、実施例9〜12の海中の付着性
生物への抵抗性が認められた。
【0055】実施例13 メチレンビス(4−フェニルイソシアネート)10重量
部と分子量1500のポリテトラメチレングリコール3
0重量部とを80℃で60分間反応させてプレポリマー
を得た。これをジメチルホルムアミド90重量部に溶解
し、0℃に保ちながらジメチルホルムアミド30重量部
に溶解した1,2−プロピレンジアミン1.4重量部と
反応させて重合体溶液を得た。得られた重合体溶液に表
10に示す薬剤を所定の比率で合計0.021重量部
(成型体を構成する全成分に対して0.05重量%)添
加し混合した。この混合物(20℃における粘度120
0ポイズ)を孔数30の紡糸口金を通して250℃に加
熱された気流中に紡出した。成型された糸条を溶媒含有
率が1%になったところで機械的仮撚により収束した
後、油剤を付与し、200m/分で巻取って糸を得た。
ここで用いた薬剤は粒径分布0.8〜1μmであった。
【0056】実施例14 実施例13の重合体溶液に、表10に示す薬剤を所定の
比率で合計0.063重量部(成型体を構成する全成分
に対して0.15重量%)添加し、さらに着色剤(ヘキ
ストジャパン株式会社製 A2R−ATN)0.21重
量部(成型体を構成する全成分に対して0.5重量%)
を添加したこと以外は、実施例13と同様の方法により
糸を得た。
【0057】実施例15〜18および比較例5〜7 実施例13の重合体溶液に、表10に示す各薬剤を所定
の比率で、全薬剤の含有量が成型体を構成する全成分に
対して表10に示す割合となるように添加したこと以外
は、実施例13と同様の方法により糸を得た。
【0058】
【表10】
【0059】実施例13〜18および比較例5〜7にお
いては、紡糸時の加工性は良好であった。実施例15、
17、18および比較例6で得られた糸について、防か
び試験をおこなった。その結果を表11に示す。
【0060】実施例13〜18および比較例5〜7で得
られた糸を筒状編機を用いて、10ウエール/cm、1
2コース/cmの編地を作成し、これを水処理した。水
処理は、編地を24時間、浴比500の蓄水容器中に浸
漬、引き続きこの容器に24時間、10g/秒の水道を
流下しオーバーフローさせ、その後3時間風乾すること
により行った。この水処理された編地について、防かび
試験、防藻試験、抗菌試験およびダニ忌避試験を行っ
た。それらの結果を表12〜15に示す。
【0061】
【表11】
【0062】
【表12】
【0063】
【表13】
【0064】
【表14】
【0065】
【表15】
【0066】表11の防かび試験において、薬剤4種類
を配合した実施例17の糸は防かび効果を有し、さらに
薬剤の種類を増やした実施例15、18の糸はより良好
な防かび効果を有し、スペクトルが広いことがわかっ
た。一方、TBZのみを含有した比較例6の糸は防かび
効果が認められなかった。
【0067】表12の防かび試験において、実施例13
〜16の編地は防かび効果を有し、スペクトルが広いこ
とがわかった。また薬剤含有率が0.05重量%以上で
防かび効果を有することがわかった。一方、TBZのみ
を含有する比較例7や薬剤を含有しない比較例5の編地
は防かび効果は認められなかった。
【0068】表13の防藻試験において、実施例13〜
16の編地は防藻効果は認められ、スペクトルが広いこ
とがわかった。また薬剤含有率が0.05重量%以上で
防藻効果を有することがわかった。一方、薬剤を含有し
ない比較例5の編地は防藻効果は認められなかった。
【0069】表14の抗菌試験において、実施例15の
編地は、SEK基準で抗菌性ありの評価であった。表1
5のダニ忌避試験において、実施例13および16の編
地は、共にダニ忌避性を示した。
【0070】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、加工性に問題なく、かつかび、細菌、藻類、海
中の付着性生物およびダニ類に対して抵抗性を有してス
ペクトルが広く、かつ各抵抗性が十分であるような成型
品およびそれを用いた製品を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A01N 43/40 101 A01N 43/40 101E 101L 43/78 43/78 F Z 47/18 101 47/18 101C (72)発明者 川崎 英夫 大阪市北区堂島浜二丁目2番8号 東洋 紡績株式会社 本社内 (72)発明者 竹内 秀夫 大阪市北区堂島浜二丁目2番8号 東洋 紡績株式会社 本社内 (72)発明者 関谷 英夫 大阪市北区堂島浜二丁目2番8号 東洋 紡績株式会社 本社内 (72)発明者 林 清秀 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋 紡績株式会社 総合研究所内 (72)発明者 中江 純一郎 東京都大田区中央2丁目1番7号−103 号 (56)参考文献 特開 昭52−28937(JP,A) 特開 平2−286606(JP,A) 特開 昭62−155039(JP,A) 特開 平4−270742(JP,A) 特開 平7−196403(JP,A) 特開 平5−238908(JP,A) 特開 平6−227912(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01N 37/00 A01N 25/00 A01N 41/00 A01N 43/00 A01N 47/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂と、生物抵抗性を有する薬剤とを含
    有する生物抵抗性成型品であって、 生物抵抗性を有する薬剤が、ニトリル系化合物、ピリジ
    ン系化合物、ハロアルキルチオ系化合物、有機ヨード系
    化合物、チアゾール系化合物およびベンズイミダゾール
    系化合物からなる群よりニトリル系化合物、ピリジン系
    化合物および有機ヨード系化合物を含むように選択され
    る少なくとも4種の化合物であり、かつ薬剤の含有量
    が、成型品を構成する全成分に対して0.05〜30重
    量%の範囲であることを特徴とする生物抵抗性成型品。
  2. 【請求項2】 薬剤が、ハロイソフタロニトリル誘導
    体、ピリジンチオール−1−オキシド誘導体、スルフォ
    ニルハロピリジン誘導体、ハロアルキルチオスルファミ
    ド誘導体、ヨードスルフォニルベンゼン誘導体、イソチ
    アゾリン−3−オン誘導体、チアゾールベンズイミダゾ
    ール誘導体およびベンズイミダゾールカルバミン酸誘導
    体からなる群よりハロイソフタロニトリル誘導体、ピリ
    ジンチオール−1−オキシド誘導体およびヨードスルフ
    ォニルベンゼン誘導体を含むように選択される少なくと
    も4種の化合物であることを特徴とする請求項1に記載
    の生物抵抗性成型品。
  3. 【請求項3】 成型品が繊維である請求項1または2に
    記載の生物抵抗性成型品。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の生物抵
    抗性成型品を用いたことを特徴とする生物抵抗性を有す
    る製品。
  5. 【請求項5】 樹脂と生物抵抗性を有する薬剤とを混合
    した後、成型する生物抵抗性成型品の製造方法であっ
    て、 生物抵抗性を有する薬剤が、ニトリル系化合物、ピリジ
    ン系化合物、ハロアルキルチオ系化合物、有機ヨード系
    化合物、チアゾール系化合物およびベンズイミダゾール
    系化合物からなる群よりニトリル系化合物、ピリジン系
    化合物および有機ヨード系化合物を含むように選択され
    る少なくとも4種の化合物であり、かつ薬剤の添加量
    が、成型品を構成する全成分に対して0.05〜30重
    量%の範囲であることを特徴とする生物抵抗性成型品の
    製造方法。
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