JP5325450B2 - 防かび剤組成物 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、ニトリル系抗菌剤、ピリジン系抗菌剤、ハロアルキルチオ系抗菌剤、有機ヨード系抗菌剤及びチアゾール系抗菌剤を有効成分として含有する抗菌組成物、並びに、これらの抗菌剤とベンズイミダゾール系抗菌剤とを含有する抗菌組成物が開示されている。
特許文献2には、2−ピリジンチオール−1−オキシドナトリウム、2,3,5,6−テトラクロロ−4−メチルスルホニルピリジン、2−(n−オクチル)−4−イソチアゾリン−3−オン、ジヨードメチル−p−トリル−スルホン、メチル(ベンズイミダゾール−2−イル)カルバメート及び1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンの2種以上を、それぞれ0.1%(質量)以上含む防菌、防かび、防藻、抗菌組成物が開示されている。
特許文献3には、特定の構造を有するリン酸チタニウム系化合物又はその縮合体を有効成分とする消臭組成物に、ニトリル系抗菌剤、ピリジン系抗菌剤、ハロアルキルチオ系抗菌剤、ベンズイミダゾール系抗菌剤、有機ヨード系抗菌剤、イソチアゾリル系抗菌剤及びチアゾール系抗菌剤の2種以上をそれぞれ0.1〜40質量%含む混合物を1〜10質量%を加えた防かび剤、抗菌剤及び消臭剤が開示されている。
また、特許文献5には、インドール化合物及びピリジン化合物を有効成分として含む水中有害付着生物防除剤が開示されている。
本発明の目的は、真菌、細菌(酵母、芽胞菌、放線菌を含む)、木材腐朽菌、藻類及び海洋生物の繁殖を防除し、更に、防かび性、防菌性、防藻性、防臭性及び防腐性に優れ、これらの効果の持続性に優れる防かび剤組成物を提供することにある。
1.真菌、細菌、木材腐朽菌、藻類及び海洋生物の繁殖を防除するために用いられる防かび剤組成物であって、〔A〕ベンズイミダゾール系化合物と、〔B〕有機ヨード系化合物と、〔C〕チアゾール系化合物と、〔D〕ハロアルキルチオ系化合物と、〔E〕有機ブロム系化合物とを含有し、上記ベンズイミダゾール系化合物〔A〕は、1H−2−ベンズイミダゾールカルバミン酸メチル及び1−ブチルカルバモイル−2−ベンズイミダゾールカルバミン酸メチルから選ばれる少なくとも1種であり、上記有機ヨード系化合物〔B〕は、ジヨードメチル−p−トリルスルホン及び1−ジヨードメチルスルホニル−4−クロロベンゼンから選ばれる少なくとも1種であり、上記チアゾール系化合物〔C〕は、2−(4−チアゾリル)−1H−ベンズイミダゾール及び2−(n−オクチル)−4−イソチアゾリン−3−オンから選ばれる少なくとも1種であり、上記ハロアルキルチオ系化合物〔D〕は、N,N−ジメチル−N’−フェニル−N’−(フルオロジクロロメチルチオ)スルファミドであり、上記有機ブロム系化合物〔E〕は、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールであり、上記ベンズイミダゾール系化合物〔A〕、上記有機ヨード系化合物〔B〕、上記チアゾール系化合物〔C〕及び上記ハロアルキルチオ系化合物〔D〕の含有量は、これらの合計を100質量%とした場合に、それぞれ、91.5〜99.5質量%、0.05〜3質量%、0.05〜3質量%、及び、0.05〜2.5質量%であり、上記有機ブロム系化合物〔E〕の含有量は、上記ベンズイミダゾール系化合物〔A〕、上記有機ヨード系化合物〔B〕、上記チアゾール系化合物〔C〕及び上記ハロアルキルチオ系化合物〔D〕の合計を100質量部とした場合に、0.03〜2質量部であることを特徴とする防かび剤組成物。
2.上記ベンズイミダゾール系化合物〔A〕が1H−2−ベンズイミダゾールカルバミン酸メチルである上記1に記載の防かび剤組成物。
3.上記有機ヨード系化合物〔B〕がジヨードメチル−p−トリルスルホンである上記1又は2に記載の防かび剤組成物。
4.上記チアゾール系化合物〔C〕が2−(4−チアゾリル)−1H−ベンズイミダゾールである上記1乃至3のいずれかに記載の防かび剤組成物。
5.上記ベンズイミダゾール系化合物〔A〕、上記有機ヨード系化合物〔B〕、上記チアゾール系化合物〔C〕及び上記ハロアルキルチオ系化合物〔D〕の含有量が、これらの合計を100質量%とした場合に、それぞれ、92.7〜97.2質量%、1〜3質量%、1〜2質量%、及び、0.8〜2.2質量%であり、上記有機ブロム系化合物〔E〕の含有量が、上記ベンズイミダゾール系化合物〔A〕、上記有機ヨード系化合物〔B〕、上記チアゾール系化合物〔C〕及び上記ハロアルキルチオ系化合物〔D〕の合計を100質量部とした場合に、0.2〜0.81質量部である上記4に記載の防かび剤組成物。
6.上記ベンズイミダゾール系化合物〔A〕が1H−2−ベンズイミダゾールカルバミン酸メチルである上記5に記載の防かび剤組成物。
本発明の防かび剤組成物によれば、真菌、細菌(酵母、芽胞菌、放線菌を含む)、木材腐朽菌、藻類及び海洋生物の繁殖並びに木材の腐朽を防除し、更に、防かび性、防菌性、防藻性、防臭性及び防腐性に優れ、これらの効果の持続性に優れる。本発明の防かび剤組成物を含む成形材料、成形品等とした場合には、ブリードアウトが発生しにくいので、上記効果の低下、並びに、表面外観性の低下を招くことがない。また、船舶の船底部、海中における配設物、漁具等の水と接触する部分に用いた場合には、フジツボ、イガイ等の水中有害付着生物の付着、繁茂を抑制することができ、そして、重金属を含まないので水質汚染を招くことがほとんどない。
本発明の防かび剤組成物が、更に、〔E〕有機ブロム系化合物を含有するので、特定の芽胞菌及び木材腐朽菌に対する防菌性に優れる。また、従来の防かび剤組成物では効果を得ることが難しかった、バチルス セレウス(Bacillus cereus)、クロストリジウム ボツリナム(Clostridium botulinum)、クロストリジウム パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)等の芽胞菌、並びに、スギヒラタケ、カワラタケ、シュタケ、ナミダタケ、ワタグサレタケ、オオウズラタケ等の木材腐朽菌に対する抵抗性に優れる。
本発明の防かび剤組成物は、真菌、細菌、木材腐朽菌、藻類及び海洋生物の繁殖を防除するために用いられる組成物であって、〔A〕ベンズイミダゾール系化合物(以下、「成分〔A〕」ともいう。)と、〔B〕有機ヨード系化合物(以下、「成分〔B〕」ともいう。)と、〔C〕チアゾール系化合物(以下、「成分〔C〕」ともいう。)と、〔D〕ハロアルキルチオ系化合物(以下、「成分〔D〕」ともいう。)と、〔E〕有機ブロム系化合物(以下、「成分〔E〕」ともいう。)とを含有し、上記成分〔A〕は、1H−2−ベンズイミダゾールカルバミン酸メチル及び1−ブチルカルバモイル−2−ベンズイミダゾールカルバミン酸メチルから選ばれる少なくとも1種であり、上記成分〔B〕は、ジヨードメチル−p−トリルスルホン及び1−ジヨードメチルスルホニル−4−クロロベンゼンから選ばれる少なくとも1種であり、上記成分〔C〕は、2−(4−チアゾリル)−1H−ベンズイミダゾール及び2−(n−オクチル)−4−イソチアゾリン−3−オンから選ばれる少なくとも1種であり、上記成分〔D〕は、N,N−ジメチル−N’−フェニル−N’−(フルオロジクロロメチルチオ)スルファミドであり、上記成分〔E〕は、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールであり、上記成分〔A〕、上記成分〔B〕、上記成分〔C〕及び上記成分〔D〕の含有量は、これらの合計を100質量%とした場合に、それぞれ、91.5〜99.5質量%、0.05〜3質量%、0.05〜3質量%、及び、0.05〜2.5質量%であり、上記成分〔E〕の含有量は、上記成分〔A〕、上記成分〔B〕、上記成分〔C〕及び上記成分〔D〕の合計を100質量部とした場合に、0.03〜2質量部であることを特徴とする。
上記成分〔A〕は、ベンズイミダゾールカルバミン酸誘導体に含まれるが、ベンズイミダゾール環を有する他の化合物として、チオベンズイミダゾール誘導体、スルホニル基含有ベンズイミダゾール誘導体等が挙げられる。
上記一般式(1)で表される化合物としては、1H−2−ベンズイミダゾールカルバミン酸メチル、1−ブチルカルバモイル−2−ベンズイミダゾールカルバミン酸メチル、6−ベンゾイル−1H−2−ベンズイミダゾールカルバミン酸メチル、6−(2−チオフェンカルボニル)−1H−2−ベンズイミダゾールカルバミン酸メチル等が挙げられるが、本発明においては、1H−2−ベンズイミダゾールカルバミン酸メチル及び1−ブチルカルバモイル−2−ベンズイミダゾールカルバミン酸メチルから選ばれる少なくとも1種を用いる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記成分〔B〕は、ヨードスルホニル化合物に含まれるが、ヨウ素原子を有する他の有機化合物として、ヨウ化不飽和脂肪族化合物等が挙げられる。
また、上記ヨウ化不飽和脂肪族化合物としては、3−ヨード−2−プロパルギルブチルカルバミン酸、4−クロロフェニル−3−ヨードプロパルギルホルマール、3−エトキシカルボニルオキシ−1−ブロモ−1,2−ジヨード−1−プロペン、2,3,3−トリヨードアリルアルコール等が挙げられる。
上記成分〔C〕は、チアゾール基含有ベンズイミダゾール誘導体、イソチアゾリン−3−オン誘導体に含まれるが、チアゾール基を有する他の化合物として、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン誘導体、ベンズチアゾール誘導体、イソチアゾール誘導体等が挙げられる。
上記成分〔D〕は、ハロアルキルチオスルファミド誘導体に含まれるが、他の化合物として、ハロアルキルチオフタルイミド誘導体、ハロアルキルチオテトラヒドロフタルイミド誘導体等が挙げられる。
上記ハロアルキルチオフタルイミド誘導体としては、N−フルオロジクロロメチルチオフタルイミド、N−トリクロロメチルチオフタルイミド等が挙げられる。
また、上記ハロアルキルチオテトラヒドロフタルイミド誘導体としては、N−1,1,2,2−テトラクロロエチルチオテトラヒドロフタルイミド、N−トリクロロメチルチオテトラヒドロフタルイミド等が挙げられる。
他の有機ブロム系化合物としては、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド、2,2−ジブロモ−4−ニトリロブタンアミド、1,2−ジブロモ−2,4−ジシアノブタン、2−ブロモ−2−ブロモメチルグルタロニトリル等のニトリル基(シアン基)含有化合物;2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−ブタンジオール、3−ブロモ−3−ニトロ−2,4−ペンタンジオール、2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノール等のアルコール性水酸基含有化合物;α−ブロモシンナムアルデヒド、2,2−ジブロモアセトフェノン、2,2−ジブロモ−4’−ヒドロキシアセトフェノン、2−ブロモ−4’−ヒドロキシアセトフェノン、ビス−1,4−ブロモアセトキシ−2−ブテン、ベンジルブロモアセテート、1,2−ジブロモプロピオンアルデヒド、N−ブロモアセトアミド、ヘキサブロモジメチルスルホン、ブロモメチルチオシアネート、ω−ブロモオキシイミノアセトフェノン、ブロモ酢酸エチルチオフェニルエステル、5−ブロモ−5−ニトロ−1,3−ジオキサン、5−ブロモサリチルアニリド、3,4−ジブロモサリチルアニリド、3,4’,5−トリブロモサリチルアニリド、3,5−ジブロモサリチル酸、3,5−ジブロモサリチルアルデヒド、2,4,6−トリブロモフェノール、1−ブロモ−3−エトキシカルボニルオキシ−1,2−ジヨード−1−プロペン等が挙げられる。
有機系抗菌剤としては、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル、5−クロロ−2,4,6−トリフルオロイソフタロニトリル等のニトリル系化合物;2,3,5,6−テトラクロロ−4−メチルスルホニルピリジン、2−ピリジンチオール−1−オキシドナトリウム等のピリジン系化合物等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
無機系抗菌剤としては、銀イオン保持タイプ、銀錯塩保持タイプ等の銀系抗菌剤;酸化チタン系抗菌剤;銅系抗菌剤;酸化亜鉛系抗菌剤等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の防かび剤組成物は、上記の成分〔A〕、〔B〕、〔C〕、〔D〕、〔E〕等の所定量を混合することにより得ることができる。混合方法は、従来、公知の方法であってよく、乾式法及び湿式法のいずれでもよい。混合装置としては、ロッキングミル、タンブラーミキサー、ドラムミキサー、ミキシングシェーカー、ロッキングシェーカー、V型混合機、W型混合機等が挙げられる。
本発明の防かび剤組成物が、上記粉体混合物(I)である場合、樹脂等に配合して調製されてなる成形材料;防腐剤;防汚剤等に好適である。この成形材料を用いて、成形品;薄肉体を積層してなる積層品等とすることもできる。また、本発明の防かび剤組成物が、上記組成物(II)である場合、塗料等として用い、樹脂成形品、繊維等に塗布あるいは噴霧することにより、その表面に防かび性を付与することができる。
真菌としては、例えば、表5に示されたものが挙げられる。
細菌としては、酵母、芽胞菌、放線菌、大腸菌、緑膿菌、枯草菌、黄色ブドウ球菌等が挙げられ、具体例は、Bacillus cereus、Bacillus subtillis、Clostridium botulinum、Clostridium perfringens、Escherichia coli、Enterbacter aerogenes、Lactobacillus bulgericus、Micrococcus glatamicus、Paecilomyces lilacinus、Pseudomonas aeruginosa、Pseudononas fluresceus、Proteus vulgaris、Pythium vanterpoolii、Rhizoctonia violacea、Rhizoctonia solani、Streptomyces aureofaciene、Staphylococcus aureus、Staphylococcus faecalis、Salmonella arizonae、Saccharomyces cerevisiae、Saccharomyces rouxii、Streptoverticillium reticulum、Salmonella paratyphi等である。
木材腐朽菌としては、スギヒラタケ、カワラタケ、シュタケ、ナミダタケ、ワタグサレタケ、オオウズラタケ等が挙げられる。
藻類としては、例えば、表7に示されたものが挙げられる。
海洋生物としては、イガイ、イギス、ヒドロ虫、フジツボ、イソギンチャク、ムラサキガイ、海藻等が挙げられる。
組成物の製造に用いた成分を以下に示す。
1−1.成分〔A〕
(1)A−1
1H−2−ベンズイミダゾールカルバミン酸メチル
1−ブチルカルバモイル−2−ベンズイミダゾールカルバミン酸メチル
(1)C−1
2−(4−チアゾリル)−1H−ベンズイミダゾール
(2)C−2
2−(n−オクチル)−4−イソチアゾリン−3−オン
(1)E−1
2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール
(2)E−2
1,2−ジブロモ−2,4−ジシアノブタン
他の成分として、下記に示す、公知の有機系抗菌剤を用いた。
(1)F−1
2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル
(2)F−2
2,3,5,6−テトラクロロ−4−メチルスルホニルピリジン
実施例1〜5及び比較例1〜9、11〜15
上記の成分〔A〕〜〔F〕を、表1及び表2に記載の割合で、V型混合機に供給し、室温で30分間混合し、防かび剤組成物を得た。
2−1.生育阻止最小濃度
高鳥浩介監修「かび検査マニュアルカラー図譜」(テクノシステム社発行)に記載された試験法に基づき、表3及び表4に示す、真菌(カビ)、細菌、藻類、木材腐朽菌及び海洋生物における、それぞれの培養温度、湿度及び培地を選定して生育阻止最小濃度を測定した。表中の数字の単位はppmである。また、「−」は、効果が無かったことを意味する。
ポリブチレンテレフタレート樹脂(商品名「ノバデュラン5010R5」、三菱エンジニアリングプラスチックス社製)に、含有量が0.5%となるように、実施例1並びに比較例2、6及び11の防かび剤組成物を配合させてなる各試験片と、表5に示す試験菌(真菌71菌)とを用いて、下記条件に基づくアピザス法、即ち、培地上に配設された試験片の表面に、試験菌液を噴霧した後、60日間培養させ、14日後、28日後、48日後及び60日後における菌の発育の程度を観察した。判定基準は、菌が全く発育しない場合を「1」、菌の発育が、試験片の上面の表面積10%以下であった場合を「2」、10%を超えて30%以下であった場合を「3」、30%を超えて60%以下であった場合を「4」、60%を超えた場合を「5」とした。その結果を表6に示す。
<培地>
0.7gのKH2PO4と、0.7gのK2HPO4と、0.7gのMgSO4・7H2Oと、1.0gのNH4NO3と、0.005gのNaClと、0.002gのFeSO4・7H2Oと、0.002gのZnSO4・7H2Oと、0.001gのMnSO4・7H2Oと、15gの寒天とを、1,000ミリリットルの純水に投入し、121℃で20分間加熱し、溶解させた。その後、0.01規定のNaOH水溶液を添加してpH6.0〜6.5に調整し、無機塩寒天培地を得た。
<試験菌液>
(1)混合胞子液
培地から寒天を除いた水溶液を胞子に加え、1ミリリットルあたり、106±200.000個に調整し、等量混和させてなるものを用いた。
(2)湿潤液
0.05g/リットルのラウリル酸ナトリウム水溶液を用いた。
<培養条件>
温度・湿度サーモスタット付きサーキュレーターを用い、温度28℃〜30℃、相対湿度85%以上とし、60日間培養した。
上記2−2項における各試験片、及び、表5に示す試験菌(真菌71菌)を含む試験菌液と、表7に示す藻類(27種)を含む試験菌液とを用いて、藻類に対する持続性評価を行った。即ち、培地上に配設された試験片の表面に、上記2−2項における試験菌液を噴霧し、続いて、藻類(27種)を含む試験菌液を噴霧し、下記の条件下、28日間培養させ、7日後、14日後、21日後及び28日後における藻の発生の程度を観察した。判定基準は、藻の発育が全くない場合を「1」、藻の発育が試験片の上面の表面積10%以下であった場合を「2」、10%を超えて20%以下であった場合を「3」、20%を超えて30%以下であった場合を「4」、30%を超えた場合を「5」とした。その結果を表8に示す。
<培地>
1.25gのKNO3と、1.25gのMgSO4・7H2Oと、1.25gのNaClと、0.05gのFeSO4・4H2Oと、0.1gのCaCl2と、0.35gのK3HPO4と、15gの寒天とを、1,000ミリリットルの純水に投入し、121℃で15分間加熱し、溶解させた。その後、pH5.8に調整し、Detmer寒天培地を得た。
<培養条件>
孵卵器内で、温度27℃±5℃、相対湿度95%±5%とし、60日間培養した。培養中、1日のうち8時間は、1,500Lux(陽光蛍光灯)の光を照射、残りの16時間は無照射とし、28日間繰り返した。
実施例1及び比較例7の防かび剤組成物を、含有量が1%及び4%となるように、固形分濃度80%のアクリル系塗料に添加し、撹拌することにより2種の懸濁液を調製した。その後、ナイロン6からなる漁網用の網(番線により60cm角に展開)を、上記懸濁液に浸漬、定着させ、網の表面に防かび層を形成した。次いで、この網を、海水面下6mの位置に、6ヶ月間吊し、1ヶ月ごとに海洋生物の付着の有無を観察した。また、比較例10として、防かび剤組成物を付着させていない網の評価も行った。判定基準は、防かび層表面に対して、海洋生物の付着が全くない場合を「−」、海洋生物の付着が、網紐の表面積10%以下であった場合を「+」、10%を超えて50%以下であった場合を「++」、50%を超えた場合を「+++」とした。その結果を表9に示す。
比較例1は、成分〔A〕の含有割合が本発明の範囲外で少ない例、即ち、成分〔B〕〜〔D〕の含有割合が多い例であり、防かび性が発揮される菌類が少なかった。また、効果を発現する菌類であっても、その生育阻止最小濃度が高かった。
比較例2は、成分〔A〕のみからなる例であり、防かび性が発揮される菌類が少なかった。また、効果を発現する菌類であっても、その生育阻止最小濃度が高かった。そして、真菌に対する抵抗性、及び、藻類に対する効果の持続性が十分ではなかった。
比較例3は、成分〔C〕及び〔D〕を含有しない例であり、防かび性が発揮される菌類が少なかった。また、効果を発現する菌類であっても、その生育阻止最小濃度が高かった。
比較例4は、成分〔B〕及び〔D〕を含有しない例であり、防かび性が発揮される菌類が少なかった。また、効果を発現する菌類であっても、その生育阻止最小濃度が高かった。
比較例5は、成分〔B〕及び〔C〕を含有しない例であり、防かび性が発揮される菌類が少なかった。また、効果を発現する菌類であっても、その生育阻止最小濃度が高かった。
比較例6は、特開平8−92012号における実施例2の組成、即ち、成分〔A〕の含有割合が本発明の範囲外で多く、成分〔B〕〜〔D〕の含有割合が少ない例であり、防かび性が発揮される菌類が少なかった。また、効果を発現する菌類であっても、その生育阻止最小濃度が高かった。そして、真菌に対する抵抗性、及び、藻類に対する効果の持続性が十分ではなかった。
比較例7〜9は、いずれも、成分〔A〕の含有割合が本発明の範囲外で少ない例、即ち、成分〔B〕〜〔D〕の含有割合が多い例であり、防かび性が発揮される菌類が少なかった。また、効果を発現する菌類であっても、その生育阻止最小濃度が高かった。そして、比較例7では、海洋生物に対する実網試験において十分な効果が得られなかった。
比較例10は、防かび剤組成物が含有されていないため、海洋生物に対する実網試験において全く効果が得られなかった。
一方、実施例1〜5は、いずれも、成分〔A〕〜〔E〕を所定の範囲で含有する例であり、真菌、細菌(酵母、芽胞菌、放線菌を含む)、木材腐朽菌、藻類及び海洋生物の繁殖並びに木材の腐朽を防除し、更に、防かび性、防菌性、防藻性、防臭性及び防腐性に優れ、これらの効果の持続性に優れることが分かる。尚、実施例1〜5及び比較例11〜15の組成物0.5部と、ポリブチレンテレフタレート樹脂(商品名「ノバデュラン5010R5」、三菱エンジニアリングプラスチックス社製)99.5部とを250℃で溶融混練した後、射出成形して得られた成形品の表面外観を観察したところ、防かび剤組成物のブリードアウトは全く見られなかった。
Claims (6)
- 真菌、細菌、木材腐朽菌、藻類及び海洋生物の繁殖を防除するために用いられる防かび剤組成物であって、〔A〕ベンズイミダゾール系化合物と、〔B〕有機ヨード系化合物と、〔C〕チアゾール系化合物と、〔D〕ハロアルキルチオ系化合物と、〔E〕有機ブロム系化合物とを含有し、
上記ベンズイミダゾール系化合物〔A〕は、1H−2−ベンズイミダゾールカルバミン酸メチル及び1−ブチルカルバモイル−2−ベンズイミダゾールカルバミン酸メチルから選ばれる少なくとも1種であり、
上記有機ヨード系化合物〔B〕は、ジヨードメチル−p−トリルスルホン及び1−ジヨードメチルスルホニル−4−クロロベンゼンから選ばれる少なくとも1種であり、
上記チアゾール系化合物〔C〕は、2−(4−チアゾリル)−1H−ベンズイミダゾール及び2−(n−オクチル)−4−イソチアゾリン−3−オンから選ばれる少なくとも1種であり、
上記ハロアルキルチオ系化合物〔D〕は、N,N−ジメチル−N’−フェニル−N’−(フルオロジクロロメチルチオ)スルファミドであり、
上記有機ブロム系化合物〔E〕は、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールであり、
上記ベンズイミダゾール系化合物〔A〕、上記有機ヨード系化合物〔B〕、上記チアゾール系化合物〔C〕及び上記ハロアルキルチオ系化合物〔D〕の含有量は、これらの合計を100質量%とした場合に、それぞれ、91.5〜99.5質量%、0.05〜3質量%、0.05〜3質量%、及び、0.05〜2.5質量%であり、
上記有機ブロム系化合物〔E〕の含有量は、上記ベンズイミダゾール系化合物〔A〕、上記有機ヨード系化合物〔B〕、上記チアゾール系化合物〔C〕及び上記ハロアルキルチオ系化合物〔D〕の合計を100質量部とした場合に、0.03〜2質量部であることを特徴とする防かび剤組成物。 - 上記ベンズイミダゾール系化合物〔A〕が1H−2−ベンズイミダゾールカルバミン酸メチルである請求項1に記載の防かび剤組成物。
- 上記有機ヨード系化合物〔B〕がジヨードメチル−p−トリルスルホンである請求項1又は2に記載の防かび剤組成物。
- 上記チアゾール系化合物〔C〕が2−(4−チアゾリル)−1H−ベンズイミダゾールである請求項1乃至3のいずれかに記載の防かび剤組成物。
- 上記ベンズイミダゾール系化合物〔A〕、上記有機ヨード系化合物〔B〕、上記チアゾール系化合物〔C〕及び上記ハロアルキルチオ系化合物〔D〕の含有量が、これらの合計を100質量%とした場合に、それぞれ、92.7〜97.2質量%、1〜3質量%、1〜2質量%、及び、0.8〜2.2質量%であり、
上記有機ブロム系化合物〔E〕の含有量が、上記ベンズイミダゾール系化合物〔A〕、上記有機ヨード系化合物〔B〕、上記チアゾール系化合物〔C〕及び上記ハロアルキルチオ系化合物〔D〕の合計を100質量部とした場合に、0.2〜0.81質量部である請求項4に記載の防かび剤組成物。 - 上記ベンズイミダゾール系化合物〔A〕が1H−2−ベンズイミダゾールカルバミン酸メチルである請求項5に記載の防かび剤組成物。
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