JP3149611B2 - 積層セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents
積層セラミック電子部品の製造方法Info
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Description
ミック層が積層されている積層セラミック電子部品の製
造方法に関し、特に、内部電極形成工程及び内部電極と
外部電極との間の絶縁を確保するための工程が改良され
た積層セラミック電子部品の製造方法に関する。
圧電アクチュエータのように、内部電極を間に介して複
数のセラミック層を積層してなる積層セラミック電子部
品が種々の用途で用いられている。この種の積層セラミ
ック電子部品の製造方法を、積層コンデンサを例にとり
説明する。
では、矩形のセラミックグリーンシートの一方主面上
に、一方端縁から他方端縁側に向かって延び、但し他方
端縁側には至らないようにギャップ領域を残して導電ペ
ーストを印刷する。次に、上記導電ペーストが印刷され
た複数のセラミックグリーンシートを、上記ギャップ領
域が厚み方向に交互に位置するように積層し、積層体を
得る。しかる後、積層体を厚み方向に圧着した後、焼成
することにより焼結体を得、焼結体の一対の対向側面に
それぞれ外部電極を形成する。このようにして、内部電
極が厚み方向において一層おきに一対の対向側面に形成
された外部電極に交互に電気的に接続された積層コンデ
ンサが得られる。
極がセラミックグリーンシート上に導電ペーストを印刷
することにより形成されていたため、内部電極と、その
内部電極が電気的に接続されてはならない外部電極との
間のギャップ領域を精度よくコントロールすることが困
難であった。その結果、ギャップ領域の幅、すなわち内
部電極と他方側の外部電極との間の距離を大きくせざる
を得ず、外部電極の先端において歪み応力が集中しが
ちであること並びにより一層の小型化を図ることがで
きないこと、等の問題があった。
結体を電気化学的な方法でエッチングして溶解除去する
ことにより、上記ギャップ領域を形成し、ギャップ領域
の幅を高精度にコントロールし得る方法が提案されてい
る。すなわち、この方法では、セラミックグリーンシー
ト上の全面に導電ペーストを印刷して内部電極を形成
し、次に、導電ペーストが印刷された複数枚のセラミッ
クグリーンシートを積層して積層体を得る。さらに、上
記積層体を焼結した後に、焼結体の一対の対向側面にお
いて、最終的にその対向側面に露出させるべきでない内
部電極について電気化学的にエッチングし、内部電極の
露出されていた部分及びその近傍を溶解除去して空隙を
形成する。さらに、該空隙に合成樹脂等の絶縁性材料を
充填し、しかる後一対の対向側面に、それぞれ、外部電
極を形成する方法が開示されている。
1号に開示されている方法では、上記のように焼結体の
一対の対向側面に露出している内部電極を、電気化学的
方法でエッチングして空隙を形成するものであるため、
上記ギャップ領域を狭くすることができる。
ラミックスの焼成に際して該導電ペーストを焼き付ける
ことにより電極を形成するものであるため、電極材料の
連続性が十分でなく、内部電極の先端のギャップ領域に
臨む端縁の平滑性が必ずしも十分なものとはならなかっ
た。従って、ギャップ領域の幅を狭めた焼結体を得よう
とした場合、充填された絶縁材料の一部において電界集
中が生じやすく、絶縁破壊を引き起こしやすいという問
題があった。
狭いギャップ領域を高精度に構成し得るだけでなく、内
部電極先端のギャップ領域に臨む端縁の平滑性が高めら
れている積層セラミック電子部品を製造し得る方法を提
供することにある。
電子部品の製造方法は、まず、セラミックグリーンシー
ト上に薄膜形成法により金属膜を形成する工程と、前記
金属膜が形成されたセラミックグリーンシートを少なく
とも用いて、セラミックグリーンシートと、前記金属膜
よりなる内部電極とが交互に積層された部分を有し、か
つ前記内部電極が少なくとも一対の対向側面に露出され
た積層体が用意される。この場合、上記薄膜形成法とし
ては、例えば、蒸着、スパッタリングまたはめっきある
いはこれらを組合せたような従来より公知の薄膜形成法
が用いられる。
て、最終的にその対向側面に露出させるべきでない内部
電極と、積層体とは別に配置された陰極との間に電位差
を与えて、該対向側面に露出させるべきでない内部電極
を電気化学的にエッチングして内部電極の露出されてい
た部分及びその近傍を溶解除去する。しかる後、内部電
極の溶解除去された部分に絶縁材料を充填する。そし
て、積層体の一対の対向側面に、それぞれ、外部電極を
形成する。
前であっても、後であってもよい。
成された金属膜により構成されている。従って、導電ペ
ーストを印刷して内部電極を形成した場合に比べて、電
極材料が緻密かつ正確に付与されるので、電極材料の連
続性が飛躍的に高められる。その結果、電気化学的方法
によりエッチングして空隙を形成した場合、空隙に臨む
内部電極端縁部分の平滑性が高められる。
方法では、内部電極が薄膜形成法により形成されている
ので、ギャップ領域に臨む内部電極端縁の平滑性が高め
られる。従って、ギャップ領域の幅を狭めてより小型の
積層セラミック電子部品を得る場合であっても、エッチ
ングにより形成された空隙に充填された絶縁材料の一部
において電界集中が生じ難い。
法で行われるため、導電ペーストをパターニングして印
刷する方法に比べ、セラミックグリーンシートへの内部
電極形成工程並びに内部電極の形成されたセラミックグ
リーンシートの積層に際しての省力化も果たすことがで
きる。
の一部をエッチングすることにより空隙を形成すること
により、ギャップ領域の大きさが決定されるので、上記
ギャップ領域の幅を小さくすることが容易であり、かつ
ギャップ領域の幅を高精度にコントロールし得る。
幅を狭めた場合においても絶縁破壊が生じ難いため、信
頼性に優れ、かつより小型の積層セラミック電子部品を
提供することが可能となる。
定的な実施例を説明することにより、本発明を明らかに
する。
を有機バインダーと共に溶媒中に分散し、セラミックス
ラリーを得た。得られたスラリーを用い、10μmの均
一な厚みのセラミックグリーンシートを作製した。
に、銀を主成分とする内部電極を蒸着により形成し、し
かる後、60mm×40mmの大きさに打ち抜いた。上
記のようにして用意され、かつ内部電極が一方主面に形
成された複数枚のセラミックグリーンシートと、さらに
内部電極の形成されていないセラミックグリーンシート
とを積層し、厚み方向に圧着した後、900℃の温度で
焼成し、焼結体を得た。
より厚み方向に切断し、3mm×3mmの矩形形状の平
面形状を有する焼結体を得た。上記のようにして切断し
て得られた焼結体を図1(a)に断面図で示す。焼結体
1では、複数の内部電極2〜7がセラミック層を介して
厚み方向に重なり合うように配置されている。この内部
電極2〜7が、上述したように蒸着法により形成されて
いる。
の端面1aを覆うように共通電極8を形成した。次に、
図2に示すように、硝酸銀水溶液9中に上記焼結体1を
浸漬し、同じく硝酸銀水溶液9中に浸漬された銀電極1
0と、上記共通電極8との間に1.0Vの電位差を10
分間与え、図1の焼結体1の側面1b側に露出している
内部電極2〜7のうち、共通電極8に電気的に接続され
ている内部電極2,4,6の側面1bに露出している部
分及びその近傍を溶解・除去した。内部電極2,4,6
が部分的に溶解除去された焼結体を図3(a)に示す。
図3(a)に示されているように、内部電極2,4,6
と側面1bとの間に、空隙Aが形成されている。この空
隙Aの幅すなわち内部電極2,4,6の先端と側面1b
との間の距離は15μmであった。
材料としてPb−Si−Al系ガラス微粉末を充填し、
850℃の温度で熱処理し、図3(b)に示す絶縁層1
2,14,16を形成した。
一点鎖線Bで示す部分まで該焼結体1を共通電極8が形
成されている側から研磨し、内部電極2〜7を側面1a
´に露出させた。この状態を図4に示す。
ように共通電極18を形成し、上記と同様にして、硝酸
銀水溶液中に浸漬し電気化学的にエッチングすることに
より、共通電極18に電気的に接続されている内部電極
3,5,7の側面1a´に露出されている部分及びその
近傍を除去し、空隙Cを形成した。
形成した場合と同様にして、絶縁層13,15,17を
形成した(図6参照)。次に、焼結体1の側面1a´上
に共通電極19を形成し、図7及び図8に示す積層型圧
電アクチュエータ21を得た。なお、積層型圧電アクチ
ュエータ21においては、上記共通電極18,19が、
それぞれ、外部と電気的に接続される外部電極を構成し
ている。
造方法における内部電極端縁の平滑性と、従来の導電ペ
ーストの印刷により形成された内部電極の場合の端縁の
状態とを説明する。図9(a)に平面断面図に示すよう
に、焼結体31内において、従来法では内部電極32が
ある高さ位置において全面に形成されていたとしても、
図示のように電極材料の連続性が充分でない。従って、
焼結体31をエッチングし、図9(b)に示すようにギ
ャップ領域Xを形成した場合、内部電極32の端縁32
aが充分な連続性を有しない。
図10(a)に示すように、薄膜形成法により内部電極
42が焼結体41のある高さ位置において緻密にかつ正
確に形成されている。従って、上記電気化学的方法によ
りエッチングしてギャップ領域43を形成した場合、内
部電極42の端縁42aが図示のように充分な平滑性を
有することになる。
ュエータ21の製造方法では、ギャップ領域を構成する
ための空隙A,Cが、電気化学的なエッチング方法によ
り形成されているため、幅15μmと非常に狭い幅のギ
ャップ領域を高精度に形成することができる。しかも、
内部電極2〜7が蒸着法により形成されており、内部電
極2〜7の上記空隙A,Cに臨む先端部分の平滑性が保
たれているため、幅15μmのギャップ領域に絶縁層1
2〜17を形成したとしても、該絶縁層12〜17にお
ける電界集中は生じ難い。
ンダと共に溶媒中に分散し、セラミックスラリーを得
た。得られたスラリーを用い、10μmの均一な厚みの
セラミックグリーンシートを作製した。このセラミック
グリーンシートの一方主面に銀からなる内部電極を蒸着
により形成し、60mm×40mmの大きさに打ち抜い
た。
れたセラミックグリーンシート及び内部電極が印刷され
ていないセラミックグリーンシートを複数枚積層し、厚
み方向に圧着して積層体を得、得られた積層体を焼成し
て焼結体を得た。
×1.5mmの矩形形状となるように切断し、焼結体を
得た。上記のようにして得た焼結体を用いたことを除い
ては、以降の工程を第1の実施例と全く同様にして実施
し、最終的に焼結体の対向側面に外部電極がそれぞれ形
成された積層コンデンサを得た。
いても、電気化学的なエッチング方法によりギャップ領
域が形成されるため、幅15μmと非常に幅の狭いギャ
ップ領域を高精度に形成することが可能とされている。
しかも、内部電極が銀を蒸着することにより形成されて
いるため、内部電極における電極材料の連続性が高めら
れているため、上記電気化学的なエッチングにより除去
された内部電極端縁における平滑性も高められている。
従って、エッチング後に空隙に充填された絶縁材料にお
いて、異常な電界集中が生じ難い。
圧電アクチュエータ及び積層コンデンサの製造に適用し
たものであるが、本発明の積層セラミック電子部品の製
造方法は、その他、積層型コンデンサを含む複合部品や
積層型圧電共振部品等の積層型セラミック電子部品の製
造方法に広く適用することができる。
部電極が焼結体の厚み方向において交互に焼結体の対向
側面に最終的に露出されていたが、本発明の積層型セラ
ミック電子部品の製造方法が適用される積層型セラミッ
ク電子部品としてはこのような構造を有するものに限定
されない。例えば、絶縁耐圧を高めるために、1の内部
電極をセラミック層を介して隔てられた2枚の内部電極
で構成した積層コンデンサのように、複数枚の内部電極
を一組の内部電極群とし、複数組の内部電極群が厚み方
向において交互に一対の対向側面に露出されている積層
型セラミック電子部品の製造方法にも適用し得る。
いても適用できることは言うまでもない。
で用意される焼結体及び該焼結体の1の側面に共通電極
を形成した状態を示す各断面図。
をエッチングする方法を示す略図的側面図。
エッチングにより空隙が形成された状態及び該空隙に絶
縁材料を充填した状態を示す各断面図。
ることにより他方端面に内部電極が露出された状態を示
す断面図。
空隙を形成した状態を示す断面図。
充填した状態を示す断面図。
エータを示す断面図。
エータの斜視図。
た内部電極及び該内部電極の一の端縁及びその近傍を電
気化学的エッチングにより溶解除去した状態を示す部分
切欠平面図。
法において形成された内部電極及び該内部電極の一の端
縁及びその近傍を電気化学的方法により溶解除去した状
態を示す各部分切欠平面図。
Claims (2)
- 【請求項1】 セラミックグリーンシート上に薄膜形成
法により金属膜を形成する工程と、 前記金属膜が形成されたセラミックグリーンシートを少
なくとも用いて、セラミックグリーンシートと、薄膜形
成法により形成された金属膜よりなる内部電極とが交互
に積層された部分を有し、かつ前記内部電極が少なくと
も一対の対向側面に露出された積層体を用意する工程
と、 前記積層体の一対の対向側面において、最終的にその対
向側面に露出させるべきでない内部電極と、積層体とは
別に配置された陰極との間に電位差を与えて、該対向側
面に露出させるべきでない内部電極を電気化学的にエッ
チングして内部電極の露出されていた部分及びその近傍
を溶解除去する工程と、 前記内部電極の溶解除去された部分に絶縁材料を充填す
る工程と、 前記積層体の前記一対の対向側面に、それぞれ、外部電
極を形成する工程とを備えることを特徴とする、積層セ
ラミック電子部品の製造方法。 - 【請求項2】 前記薄膜形成法が、蒸着、スパッタリン
グまたはめっきのいずれかの方法で行われる、請求項1
に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
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