JPH06151999A - 積層型圧電/電歪アクチュエータ素子の製造方法 - Google Patents

積層型圧電/電歪アクチュエータ素子の製造方法

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JPH06151999A
JPH06151999A JP32363592A JP32363592A JPH06151999A JP H06151999 A JPH06151999 A JP H06151999A JP 32363592 A JP32363592 A JP 32363592A JP 32363592 A JP32363592 A JP 32363592A JP H06151999 A JPH06151999 A JP H06151999A
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Japan
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sheet
insulating material
holes
laminated
unit
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JP32363592A
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English (en)
Inventor
Ikkan Murakami
一貫 村上
Masao Kihara
征夫 木原
Akio Ishino
昭夫 石野
Mineharu Tsukada
峰春 塚田
Nobuo Kamehara
伸男 亀原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
FDK Corp
Fujitsu Ltd
Original Assignee
FDK Corp
Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 限り無く内部全面電極方式に近づけることが
でき、且つグリーンシートを薄層化しても内部電極層を
一層おきに容易に外部電極に接続可能とする。 【構成】 (a) 圧電/電歪材料のグリーンシート間に内
部電極層を有する貼合せシートの作製工程、(b) それに
多数の穴を規則的に設ける工程、(c) 各穴に絶縁材料を
充填してユニットシートとする工程、(d) 多数のユニッ
トシートを半ピッチずらせて積層一体化する工程、(e)
一体化ブロックを焼成する工程、(f) 焼成ブロックを各
ユニットシートについて絶縁材料充填部が現れるように
切断する工程、(g) 素子本体の切断面上1層おきの内部
電極層を接続する一対の外部電極を形成する工程を具備
している。焼成と切断の順序は逆でもよい。絶縁材料に
代えて、脱脂時に除去される樹脂材料を用いてもよい。
貼合せシートに、電極材料と絶縁材料等とを穴に交互に
充填する構成もある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、積層型圧電/電歪アク
チュエータ素子の製造方法に関する。更に詳しく述べる
と、圧電/電歪材料のシートを薄層化しても各内部電極
層と外部電極との接続を容易に行うことができる積層型
圧電/電歪アクチュエータ素子の製造方法に関するもの
である。本発明による素子は例えば、油圧弁開閉用、ド
ットプリンタの印字用、精密位置決め用などのアクチュ
エータとして有用である。
【0002】
【従来の技術】積層型圧電/電歪アクチュエータ素子の
製造方法の一つとして、圧電/電歪材料からなるグリー
ンシート(未焼結シート)の表面に電極層を形成し、そ
れを多数枚積層して加圧一体化した後に焼成する方法が
ある。焼成した積層体の側面に一対の外部電極を設け、
それによって各内部電極層を一層おきに交互に接続し、
アクチュエータ素子を製造する。
【0003】ここで積層体の内部電極層を一層おきに交
互に接続するために、種々の方法が開発されている。そ
れには、例えば次のようなものがある。 一層おきに端部まで内部電極層が出ないようなパター
ンをグリーンシートに形成し、適当距離だけ端部から内
部電極層を引き込めてグリーンシートを積層し、積層体
の側面で一層毎に内部電極層を端面に露出させ、露出す
る内部電極層が両側面で異なるようにし、外部電極によ
って接続する方法(積層コンデンサと類似の方法)。 全て端部まで内部電極層が出るようなパターンをグリ
ーンシートに成形して積層し、積層体の側面で一層毎に
内部電極層を露出させるため、一層毎に絶縁物を設け、
外部電極によって接続する方法。これには更に、一層毎
に絶縁物を設けるため、電気泳動法により端部に絶縁物
を付着させる方法と、端部を機械的加工により除去して
絶縁物を埋設する方法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの積層圧電/電
歪アクチュエータ素子において、内部電極層が重合して
いて所定の駆動電界強度が印加される部分が活性領域
(圧電/電歪効果により所定の変位が生じる部分)とな
り、それ以外の部分は不活性領域である。上述したの
方法では、圧電/電歪材料からなる積層体の内部全面が
内部電極層とはなっていないために、必ず不活性領域が
できる。しかもその不活性領域は、電極パターン精度の
関係上、かなり広くなることは避けられない。活性領域
ではその電界強度に応じた大きな変位が生じ、不活性領
域では変位が生じず拘束されるため、大きな応力歪みが
生じて応力破壊が発生する。また電界強度の急激な変化
により絶縁破壊が生じる恐れがある。このような原因に
よる素子の破壊や絶縁破壊を防止するためには、駆動電
界強度を低く抑えるしか方法がないが、そうすると変位
量の大きな圧電/電歪アクチュエータ素子が得られな
い。
【0005】それに対して上述したの方法は、内部電
極層を圧電/電歪材料からなるシートの全面に施して積
層体の内部全面を活性領域にできるため、上記のような
素子の破壊や絶縁破壊を防止できる。しかし、側面に露
出している全内部電極縁を一層ずつ交互に電気絶縁物で
被覆し、被覆されずに露出している内部電極縁を外部電
極で接続する作業は、使用するグリーンシートの厚みが
薄くなればなるほど困難となり、コストも高くなる。電
気絶縁部を設けるために電気泳動法を採用すると、電気
絶縁物の堆積のばらつきにより、あるいはメッキ液ある
いはガラス粉末を含む懸濁液中に積層体を浸漬した後の
残存イオン等により、絶縁破壊が生じ易い欠点もある。
また機械的加工の場合には、使用可能なグリーンシート
の厚みに限界があり、100μm以下の薄層化には到底
対応できない。
【0006】本発明の目的は、限り無く内部全面電極方
式に近づけることができ、内部全面電極方式とすること
も可能で、しかもグリーンシートを薄層化しても内部電
極層を一層おきに容易に交互に外部電極に接続できるよ
うにした積層型圧電/電歪アクチュエータ素子の製造方
法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による積層型圧電
/電歪アクチュエータ素子の製造方法は、代表的には次
のような工程から構成される。 (a) 圧電/電歪材料からなる2枚のグリーンシートの間
に内部電極層が位置する貼合せシートを作製する工程、
(b) その貼合せシートに一定ピッチで多数の穴を規則的
に形成する工程、(c) 多数の穴に絶縁材料を充填し絶縁
材料充填部を有するユニットシートを形成する工程、
(d) 複数枚のユニットシートを該絶縁材料充填部が1枚
のユニットシートおきに重なるように半ピッチずらせて
積層加圧し一体化する工程、(e) 一体化したブロックを
各ユニットシートについて絶縁材料充填部が現れるよう
に切断する工程、(f) 一体化したブロックを焼成した後
に前記(e) 工程の切断を行うか、もしくは一体化したブ
ロックを焼成する前に前記(e) 工程で切断した素片を焼
成して素子本体を形成する工程、(g) 素子本体の切断面
上1層おきの内部電極層を接続する一対の外部電極を形
成する工程。
【0008】上記の方法において、貼合せシートに形成
した多数の穴に、電極材料と、無機物質系の絶縁材料ま
たは脱脂時に除去される樹脂材料とを、交互に充填して
もよい。その場合は、該電極材料の充填部と、絶縁材料
又は樹脂材料の充填部が重なるように半ピッチずらせて
多数枚のユニットシートを積層加圧し一体化する。各ユ
ニットシートについて、電極材料の充填部と、絶縁材料
又は樹脂材料の充填部(あるいは脱脂除去により形成さ
れた空隙部)が現れるような切断面でブロックを切断す
る。そして切断分離した素子本体の該切断面に現れてい
る電極材料の充填部を介して接続された1層おきの内部
電極層を接続するように外部電極を二側面に形成する。
また脱脂時に除去される樹脂材料を用いる場合は、穴に
充填した樹脂材料は脱脂する工程で飛散除去し空隙が形
成されるから、その空隙部に絶縁材料を充填する工程を
付加することになる。
【0009】内部電極層用の材料としては、例えばAg
−Pdペースト又は粉末などを用いる。セラミック系の
絶縁材料の場合は、例えばガラス−アルミナ系セラミッ
クスペースト又は粉末が使用でき、樹脂材料の場合は、
例えばポリビニルアルコール等が使用可能である。貼合
せシートに形成する穴形状は特に制限はないが、例えば
長穴状としてその長手方向に切断するように構成するの
が好ましい。
【0010】
【作用】2枚のグリーンシートを間に内部電極層を介し
て貼り合わせ、一定のピッチで配設した多数の穴に絶縁
材料を充填し、半ピッチずらせて積層することで、電気
絶縁部を予め形成できる。そのためグリーンシートが薄
くても十分対応可能である。また貼合せシートに形成す
る多数の穴の形状や位置を変えたり、切断位置を変える
ことによって、外部電極を任意の側面位置に形成するこ
とも可能となる。なお、無機質系絶縁材料に代えて脱脂
時に除去される樹脂材料を用いた場合は、その樹脂材料
が、積層体の加圧時に穴が潰れるのを防止し、適当な空
隙形状を保形する機能を果たす。
【0011】貼合せシートに形成した多数の穴に、電極
材料と絶縁材料などを交互に充填すると、外部電極との
接続部と電気絶縁部とを予め形成できる。また積層状態
において、電極材料の充填部と絶縁材料等の充填部が交
互に重なることから、不活性領域が無い全面電極構造で
の電極取り出しが可能となる。
【0012】貼合せシートに形成する穴を長穴状にし
て、その長手方向に切断するように構成すると、内部電
極層の面積低減を最小限に抑えた状態で、外部電極の形
成面積を広くとることができ、好ましい。
【0013】
【実施例】図1は本発明に係る積層型圧電/電歪アクチ
ュエータ素子の製造方法の一実施例を示す製造フロー図
である。この実施例は、無機質系の絶縁材料を充填する
方式であり、次のような工程からなる。 (a) 圧電/電歪材料からなる2枚のグリーンシートの間
に内部電極層が位置するように予備加圧して貼合せシー
トを作製する工程、(b) その貼合せシートに一定ピッチ
で多数の穴を規則的に形成する工程、(c) 多数の穴に無
機物質系の絶縁材料を充填した充填部を有するユニット
シートを形成する工程、(d) 該絶縁材料の充填部が1枚
のユニットシートおきに重なるように半ピッチずらせて
多数枚のユニットシートを積層加圧し一体化する工程、
(e) 各ユニットシートについて絶縁材料の充填部が現れ
るような切断面で一体化したブロックを切断する工程、
(f) 一体化したブロックを焼成する工程、(g) 切断分離
した素子本体の該切断面に現れている1層おきの内部電
極層を接続するように外部電極を二側面に形成する工
程。
【0014】図2〜図8は、その各工程を示している。
まず圧電/電歪材料(例えばジルコン酸チタン酸鉛など
の粉末)とバインダとを混合したスラリーを用いて、ド
クターブレード法により薄いグリーンシートを作製す
る。このグリーンシートは通常100μm以下、例えば
60μm程度の厚みである。図2のAに示すように、適
当な大きさ(例えば縦横100mm平方)に切断したグリ
ーンシート10の片面ほぼ全面(例えば縦横90mm平
方)に内部電極層12を印刷する。電極材としてはAg
−Pdペースト等を用いる。そして図2のBに示すよう
に、内部電極層12を設けたグリーンシート10の上
に、内部電極層を設けていないグリーンシート10を重
ねて、予備加圧して貼合せシート14を作製する(図2
のC参照)。
【0015】次に自動穿孔装置によって、図3に示すよ
うに、貼合せシート14の4隅に位置合わせ用の穴16
を形成すると共に、多数の穴18を規則的に縦横方向に
所定のピッチで形成する。これらの穴18は、例えば幅
1mm、長さ2.5mmといった程度の大きさの長穴形状で
ある。その後、貼合せシート14の4辺を切り落とし
(破線で示す位置)、所定の大きさに調整する。
【0016】そして図4のAに示すように、この貼合せ
シートに形成した多数の絶縁用の穴18に、無機質系の
絶縁材料22を充填してユニットシート15とする。図
4のAのx−x断面を図4のBに示す。絶縁材料22と
してはガラス−アルミナ系セラミックスのスラリー又は
粉末を使用する。充填作業はメタルマスクを用いること
で容易に行える。この実施例では、穴の1列目の位置が
半ピッチだけ異なるような2種類のユニットシートを作
製する。
【0017】絶縁材料を充填したユニットシート15
を、絶縁材料の充填部が1枚のユニットシートおきに重
なるように半ピッチずらせて多数枚積層し加圧一体化す
る。図5Aに示すように、金型24の4隅のガイドピン
26にシートの位置合わせ用の穴を通して積層する。こ
の時、中央の活性層28に対して、その下部と上部には
それぞれ不活性層30,32を配置する。活性層28
は、上記のように内部電極層を有するユニットシートの
積層部であるのに対して、不活性層30,32は同じ材
質であって電極材等の処理を施していないグリーンシー
トの積層部である。これらの不活性層30,32は絶縁
の役割を果たす。積層後、プレス機によって加圧圧着し
一体化する。図5のBは、絶縁材料22の充填部が半ピ
ッチずれて重なるように、多数枚のユニットシート15
を積層した状態を示している。
【0018】一体化したブロックを焼成する。例えばバ
ッチ炉にて600℃で3時間保持して脱脂を行い、引き
続いて1100℃で3時間保持して焼成する。
【0019】焼成品ブロックを、図6に示すように、絶
縁材料の充填部の長手方向に対して直角方向に、充填部
の両端部の位置で横方向に切断する(第1の切断工
程)。切断線を一点鎖線で示す。更に、その切断品を、
図7に示すように、絶縁材料の充填部の長手方向に平行
に、その中心位置で切断する(第2の切断工程)。これ
によって1枚の貼合せシートについて、片側に絶縁材料
の充填部が現れるように、積層焼結品ブロックが切断さ
れることになる。なお図7のAは平面図、Bは側面図で
ある。これによって素子本体の相対向する両側面で、絶
縁材料と内部電極層とが交互に現れる構造が得られる。
【0020】最後に、図8に示すように、得られた素子
本体の両側面に外部電極36を形成する。外部電極36
は、前記絶縁材料が現れている部分にAgペーストを塗
布してから焼き付けるか、あるいは導電性接着剤を塗布
してキュア処理することにより行う。これによって、素
子本体の二側面で露出している内部電極層が互いに外部
電極で接続された構造となる。図8のAは最終的に得ら
れる積層型圧電アクチュエータ素子40の正面図、Bは
その側面図である。
【0021】本発明では、セラミックス系の絶縁材料の
代わりに、脱脂時に除去される樹脂材料(例えばポリビ
ニルアルコール等)を用いることもできる。その場合
は、穴に充填した樹脂材料は積層時に加圧する際、その
穴が潰れないようにする作用を果たし、その後に脱脂す
る工程で飛散除去して空隙が形成される。そのため切断
後、その空隙部に別の絶縁材料を充填する工程を付加す
ることになる。外部電極をAgペーストの焼付けで行う
場合は、充填する絶縁材料としてはセラミックス系の材
料を使用し、導電性接着剤を用いる場合は、樹脂材料な
どでもよい。また上記の各製造方法において、焼成工程
を切断工程の後に設けてもよい。即ち、積層一体化した
ブロックを、1枚の貼合せシートについて電極材料の充
填部と空隙部の両方が現れるように切断し、その後に切
断分離した素片を焼成するようにしてもよい。使用する
外部電極材料の種類によっては、焼成工程を外部電極材
料の塗布後に行い、焼成と焼付けを同時に行うことも可
能である。
【0022】絶縁用の穴の形状は特に制限はないが、上
記実施例のように長穴状とすると、その後に外部電極を
形成する際に幅を広くとれるため作業し易くなり好まし
い。貼合せシートに形成する穴の位置を、両側の位置決
め用の穴からの距離が半ピッチだけずれるようにしてお
けば、積層時の向きを交互に変えるだけで、1種類の貼
合せシートのみでも絶縁材料の充填部を1枚の貼合せシ
ートおきに重ねることができる。穴の大きさを素子1個
1個に対応するようにしているのは、貼合せシートに大
きな穴を形成すると破損する恐れがあるためである。し
かし、場合によっては、素子の複数個分に相当するよう
な長穴を形成して、その長穴部分を横切るように切断す
る方法も可能である。
【0023】図9は本発明に係る積層型圧電/電歪アク
チュエータ素子の製造方法の他の実施例を示す製造フロ
ー図である。この実施例は、電極材料と無機質系の絶縁
材料を充填する方式であり、次のような工程からなる。 (a) 圧電/電歪材料からなる2枚のグリーンシートの間
に内部電極層が位置するように予備加圧して貼合せシー
トを作製する工程、(b) その貼合せシートに一定ピッチ
で多数の穴を規則的に形成する工程、(c) 多数の穴に電
極材料と無機物質系の絶縁材料とを交互に充填した充填
部を有するユニットシートを形成する工程、(d) 該電極
材料の充填部と、絶縁材料の充填部が重なるように半ピ
ッチずらせて多数枚のユニットシートを積層加圧し一体
化する工程、(e) 一体化したブロックを焼成する工程、
(f) 各ユニットシートについて、電極材料の充填部と、
絶縁材料の充填部が現れるような切断面で焼成ブロック
を切断する工程、(g) 切断分離した素子本体の該切断面
に現れている電極材料の充填部を介して接続された1層
おきの内部電極層を接続するように外部電極を二側面に
形成する工程。
【0024】図10〜図13は、一部の工程を示してい
る。基本的には前記の実施例と共通しているため、特に
異なる箇所について重点的に記載する。使用する貼合せ
シートは前記実施例と同様のものでよい。自動穿孔装置
によって、この貼合せシートの4隅に位置合わせ用の穴
を形成すると共に、多数の穴を規則的に縦横方向に所定
のピッチで形成する。そして図10のAに示すように、
貼合せシートに形成した多数の穴に、電極材料50と無
機質系の絶縁材料52とを交互に充填(横方向について
のみ、縦方向は同じ材料)しユニットシート45とす
る。図10のAのx−x断面を図10のBに示す。電極
材料50としてはAg−Pdのスラリー又は粉末を使用
し、絶縁材料52としてはガラス−アルミナ系セラミッ
クスのスラリー又は粉末を使用する。この結果、電極材
料50の充填部は、内部電極層42と連続することにな
る。この実施例では、1列目に電極材料を充填したユニ
ットシートと1列目に絶縁材料を充填したユニットシー
トの2種類を作製する。
【0025】所定の材料の充填を施したユニットシート
45を、電極材料の充填部と絶縁材料の充填部とが重な
るように半ピッチずらせて多数枚積層し加圧一体化す
る。加圧装置は前記実施例と同様のものを用いてよい。
図11は、電極材料50の充填部と絶縁材料52の充填
部とが交互に重なるように多数枚のユニットシート45
を積層している状態を示している。前記実施例と同様、
中央の活性層に対して、その下部と上部にはそれぞれ不
活性層を配置する。両不活性層は絶縁の役割を果たす。
積層後、プレス機によって加圧圧着し一体化する。そし
て一体化したブロックを焼成する。
【0026】焼成品ブロックを、電極材料等の充填部の
長手方向に対して直角方向に、充填部の両端部の位置で
横方向に切断する(第1の切断工程)。次いで電極材料
等の充填部の長手方向に平行に、その中心位置で切断す
る(第2の切断工程)。これによって1枚のユニットシ
ートについて、両側に電極材料の充填部と絶縁材料の充
填部の両方が現れるように、積層焼結品ブロックが切断
されることになる。なお図12のAは第1の切断工程後
の平面図、Bは側面図であり、仮想線は第2の切断線で
ある。これによって素子本体の相対向する両側面で、電
極材料と絶縁材料とが交互に現れ、且つ各電極材料が内
部電極層と導通する構造が得られる。なお符号60,6
2は、活性層58の下部と上部にそれぞれ位置する不活
性層を示している。
【0027】最後に図13に示すように、得られた素子
本体の両側面に外部電極66を形成する。外部電極66
は、前記電極材料と絶縁材料が交互に現れている部分に
Agペーストを塗布してから焼き付けるか、あるいは導
電性接着剤を塗布してキュア処理することにより行う。
これによって、素子本体の二側面で電極材料の充填部が
互いに外部電極で接続された構造となる。図13のAは
最終的に得られる積層型圧電アクチュエータ素子70の
正面図、Bはその側面図である。
【0028】前記実施例と同様、本実施例でも、セラミ
ックス系の絶縁材料の代わりに、脱脂時に除去される樹
脂材料(例えばポリビニルアルコール等)を用いること
もできる。外部電極をAgペーストの焼付けで行う場合
は、充填する絶縁材料としてはセラミックス系の材料を
使用し、導電性接着剤を用いる場合は、樹脂材料などで
もよい。また上記の各製造方法において、焼成工程を切
断工程の後に設けてもよい点も前記実施例と同様であ
る。使用する外部電極材料の種類によっては、焼成工程
を外部電極材料の塗布後に行い、焼成と焼付けを同時に
行うことも可能である。
【0029】材料充填用の穴の形状も、前記実施例と同
様、長穴形状とすると、その後の外部電極が形成し易く
なり好ましい。貼合せシートに形成する材料充填用の穴
を偶数列とし、位置決め用の穴からの位置を左右で一致
させておけば、積層時の向きを交互に変えるだけで、1
種類の貼合せシートのみでも電極材料の充填部と絶縁材
料の充填部を交互に重ねることができる。穴の大きさを
素子1個1個に対応するようにしているのは、貼合せシ
ートに大きな穴を形成すると破損する恐れがあるためで
ある。しかし、場合によっては、素子の複数個分に相当
するような長穴を形成して、その長穴部分を横切るよう
に切断する方法も可能である。
【0030】
【発明の効果】本発明は上記のように、初期加工で内部
電極層との電気絶縁部を形成しているため、グリーンシ
ートの薄層化(例えば100μm以下)が可能となり、
低電圧駆動型の圧電/電歪アクチュエータ素子を製造で
きる。本発明では電気泳動法のような不確実な方法は不
要であり、また機械的加工のような厚いシートにしか対
応出来ないような方法でもないため、信頼性の高い、且
つ小型・高性能の積層型圧電/電歪アクチュエータ素子
が得られる。また絶縁材料充填部を細長穴形状とし、そ
の長手方向に沿って中心を切断することで、限り無く全
面電極構成に近いアクチュエータ素子が得られる。更に
絶縁用の穴の形状や配列状態を変えたり、切断方向や位
置を変えることで、素子の任意の側面から電極引出しを
行うことができる。
【0031】また電極材料の充填部と絶縁材料等の充填
部とを交互に形成する方法では、積層状態において電極
材料の充填部と絶縁材料等の充填部とが交互に重なるこ
とから、不活性領域が無い全面電極構造での電極の取り
出しが可能となる。そのため大きな応力歪みが生じず、
応力破壊の発生をより有効に防止でき、また電界強度の
急激な変化による絶縁破壊の発生も防止できる。従っ
て、駆動電界強度を低く抑える必要もなく、変位量の大
きなアクチュエータ素子が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る積層型圧電/電歪アクチュエータ
素子の製造工程の一実施例を示す製造フロー図。
【図2】貼合せシートの説明図。
【図3】貼合せシートの穿孔工程の説明図。
【図4】絶縁材料の充填工程の説明図。
【図5】ユニットシートの積層工程の説明図。
【図6】第1の切断工程の説明図。
【図7】第2の切断工程の説明図。
【図8】積層型圧電/電歪アクチュエータ素子の構造
図。
【図9】本発明に係る積層型圧電/電歪アクチュエータ
素子の製造工程の他の実施例を示す製造フロー図。
【図10】電極材料及び絶縁材料の充填工程の説明図。
【図11】ユニットシートの積層工程の説明図。
【図12】第2の切断工程の説明図。
【図13】積層型圧電/電歪アクチュエータ素子の構造
図。
【符号の説明】
10 グリーンシート 12,42 内部電極層 14 貼合せシート 15,45 ユニットシート 18 絶縁用の穴 22,52 絶縁材料の充填部 36,66 外部電極 40,70 積層型圧電/電歪アクチュエータ素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石野 昭夫 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電気 化学株式会社内 (72)発明者 塚田 峰春 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 亀原 伸男 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) 圧電/電歪材料からなる2枚のグリー
    ンシートの間に内部電極層が位置する貼合せシートを作
    製する工程、(b) その貼合せシートに一定ピッチで多数
    の穴を規則的に形成する工程、(c) 多数の穴に絶縁材料
    を充填し絶縁材料充填部を有するユニットシートを形成
    する工程、(d) 複数枚のユニットシートを該絶縁材料充
    填部が1枚のユニットシートおきに重なるように半ピッ
    チずらせて積層加圧し一体化する工程、(e) 一体化した
    ブロックを各ユニットシートについて絶縁材料充填部が
    現れるように切断する工程、(f) 一体化したブロックを
    焼成した後に前記(e) 工程の切断を行うか、もしくは一
    体化したブロックを焼成する前に前記(e) 工程で切断し
    た素片を焼成して素子本体を形成する工程、(g) 素子本
    体の切断面上1層おきの内部電極層を接続する一対の外
    部電極を形成する工程、を備えている積層型圧電/電歪
    アクチュエータの製造方法。
  2. 【請求項2】(a) 圧電/電歪材料からなる2枚のグリー
    ンシートの間に内部電極層が位置するように予備加圧し
    て貼合せシートを作製する工程、(b) その貼合せシート
    に一定ピッチで多数の穴を規則的に形成する工程、(c)
    多数の穴に無機物質系の絶縁材料又は脱脂時に除去され
    る樹脂材料を充填した充填部を有するユニットシートを
    形成する工程、(d) 該絶縁材料又は樹脂材料の充填部が
    1枚のユニットシートおきに重なるように半ピッチずら
    せて多数枚のユニットシートを積層加圧し一体化する工
    程、(e) 一体化したブロックを焼成する工程、(f) 各ユ
    ニットシートについて絶縁材料の充填部、又は樹脂材料
    の脱脂除去により形成された空隙部が現れるような切断
    面で焼成ブロックを切断する工程、(g) 切断分離した素
    子本体の該切断面に現れている1層おきの内部電極層を
    接続するように外部電極を二側面に形成する工程、を備
    えている積層型圧電/電歪アクチュエータの製造方法。
  3. 【請求項3】(a) 圧電/電歪材料からなる2枚のグリー
    ンシートの間に内部電極層が位置するように予備加圧し
    て貼合せシートを作製する工程、(b) その貼合せシート
    に一定ピッチで多数の穴を規則的に形成する工程、(c)
    多数の穴に無機物質系の絶縁材料又は脱脂時に除去され
    る樹脂材料を充填した充填部を有するユニットシートを
    形成する工程、(d) 該絶縁材料又は樹脂材料の充填部が
    1枚のユニットシートおきに重なるように半ピッチずら
    せて多数枚のユニットシートを積層加圧し一体化する工
    程、(e) 各ユニットシートについて絶縁材料、又は樹脂
    材料の充填部が現れるような切断面で一体化したブロッ
    クを切断する工程、(f) 一体化したブロックを焼成する
    工程、(g) 切断分離した素子本体の該切断面に現れてい
    る1層おきの内部電極層を接続するように外部電極を二
    側面に形成する工程、を備えている積層型圧電/電歪ア
    クチュエータの製造方法。
  4. 【請求項4】(a) 圧電/電歪材料からなる2枚のグリー
    ンシートの間に内部電極層が位置するように予備加圧し
    て貼合せシートを作製する工程、(b) その貼合せシート
    に一定ピッチで多数の穴を規則的に形成する工程、(c)
    多数の穴に電極材料と、無機物質系の絶縁材料又は脱脂
    時に除去される樹脂材料を交互に充填した充填部を有す
    るユニットシートを形成する工程、(d) 該電極材料の充
    填部と、絶縁材料又は樹脂材料の充填部が重なるように
    半ピッチずらせて多数枚のユニットシートを積層加圧し
    一体化する工程、(e) 一体化したブロックを焼成する工
    程、(f) 各ユニットシートについて、電極材料の充填部
    と、絶縁材料の充填部または樹脂材料の脱脂除去により
    形成された空隙部が現れるような切断面で焼成ブロック
    を切断する工程、(g) 切断分離した素子本体の該切断面
    に現れている電極材料の充填部を介して接続された1層
    おきの内部電極層を接続するように外部電極を二側面に
    形成する工程、を備えている積層型圧電/電歪アクチュ
    エータの製造方法。
  5. 【請求項5】(a) 圧電/電歪材料からなる2枚のグリー
    ンシートの間に内部電極層が位置するように予備加圧し
    て貼合せシートを作製する工程、(b) その貼合せシート
    に一定ピッチで多数の穴を規則的に形成する工程、(c)
    多数の穴に電極材料と、無機物質系の絶縁材料又は脱脂
    時に除去される樹脂材料を交互に充填した充填部を有す
    るユニットシートを形成する工程、(d) 該電極材料の充
    填部と、絶縁材料又は樹脂材料の充填部が重なるように
    半ピッチずらせて多数枚のユニットシートを積層加圧し
    一体化する工程、(e) 各ユニットシートについて、電極
    材料の充填部と、絶縁材料または樹脂材料の充填部が現
    れるような切断面で焼成ブロックを切断する工程、(f)
    一体化したブロックを焼成する工程、(g) 切断分離した
    素子本体の該切断面に現れている電極材料の充填部を介
    して接続された1層おきの内部電極層を接続するように
    外部電極を二側面に形成する工程、を備えている積層型
    圧電/電歪アクチュエータの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項2、3、4又は5において、多数
    の穴に充填する材料が脱脂時に除去される樹脂材料であ
    り、前記(f) 工程と(g) 工程の間に、該樹脂材料の脱脂
    除去により切断面に現れている空隙部に絶縁材料を充填
    する工程を有する積層型圧電/電歪アクチュエータの製
    造方法。
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