JP3147380B2 - フッ化水素の除去方法 - Google Patents
フッ化水素の除去方法Info
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Description
ロロメタン(以下、R−30と称す。)の共沸混合物、HF
とクロロフルオロメタン(以下、R−31と称す。)の共
沸混合物、およびHFとジフルオロメタン(以下、R−32
と称す。)の共沸混合物、ならびにHFとR−30、R−31
および/またはR−32を含んで成る混合物からHFを除去
する方法に関する。 R−32はクロロジフルオロメタンの代替冷媒として着
目されていて、R−30及びR−31はR−32の原料とな
る。
などの塩化炭化水素とHFを反応させることにより製造さ
れる。これまでは、HF、R−30、R−31、R−32を主成
分とする、反応により生成する混合物と未反応物を水性
相により洗浄してHFを除去する方法が用いられている
が、洗浄液の中和のために多量のアルカリを要し、また
中和した廃水を処理する必要があるため有効な方法とは
言えない。
合物を形成することを利用することにより、場合によ
り、HFとR−30との混合物および/またはHFとR−31と
の混合物が一定条件下で上部液相および下部液相とに分
液することを利用して、HFまたは他の成分を濃縮または
除去する方法を提供する。 図面の簡単な説明 図1は、本発明のHFの除去方法の一例のフローシート
を示す。図1において、引用番号11は初期混合物ストリ
ームを、12はR−31ストリームを、13は仕込液ストリー
ムを、14は蒸留装置を、15は留出物ストリームを、16は
還流ストリームを、17は缶出ストリームを示す。 図2は、本発明のHFの別の除去方法の一例のフローシ
ートを示す。図2において、引用番号21は液液分離装置
を、23は蒸留装置を、25は留出物ストリームを、27は還
流ストリームを、29は缶出ストリームを、31はクーラー
を、33は蒸留装置を、35は留出物ストリームを、37は還
流ストリームを、39は缶出ストリームを、41はクーラー
を示す。 発明の詳細な説明 本発明者らは、HFとR−30、R−31および/またはR
−32を含んで成る混合物からHFを除去する方法について
研究を重ねた結果、HFとR−30、HFとR−31、HFとR−
32はそれぞれ最低混合共沸物を形成することを見いだし
本発明を完成した。この混合物は、HFとR−30、R−31
および/またはR−32を含んで成る混合物からHFを除去
する際の蒸留操作の還流として使用することができ、そ
れにより有効な分離が可能となる。 従って、第1の要旨において、本発明は、HFとR−3
0、HFとR−31、HFとR−32の共沸混合物を提供する。
これらの共沸混合物の沸点は、大気圧下において、それ
ぞれ約12℃、約−11℃と約−53℃である。 更に、第2の要旨において、本発明は、上述の共沸の
現象を利用して、いずれかの成分を濃縮または除去する
方法を提供する。 本明細書において、「濃縮」および「除去」なる用語
は、相対する概念を意味するものとして使用している。
即ち、混合物においてある成分を濃縮することは、該あ
る成分以外の他の成分を除去することになる。 即ち、HFとR−30を含んで成る混合物を蒸留すること
により、HFをR−30との共沸混合物として除去し、実質
的にHFを含まないR−30を、または実質的にR−30を含
まないHFを得ることにより、R−30またはHFを濃縮また
は除去する方法を提供する。 また、HFとR−31を含んで成る混合物を蒸留すること
により、HFをR−31との共沸混合物として除去し、実質
的にHFを含まないR−31を、または実質的にR−31を含
まないHFを得ることにより、R−31またはHFを濃縮また
は除去する方法を提供する。 更に、HFとR−32を含んで成る混合物を蒸留すること
により、HFをR−32との共沸混合物として除去し、実質
的にHFを含まないR−32を、または実質的にR−32を含
まないHFを得ることにより、R−32またはHFを濃縮また
は除去する方法を提供する。 また、本発明は、上述のそれぞれの濃縮方法を組み合
わせて、HFとR−30、R−31および/またはR−32を含
んで成る混合物を蒸留することにより、HFとR−30との
共沸混合物、HFとR−31との共沸混合物および/または
HFとR−32との共沸混合物としてHFまたは他の成分を除
去し、実質的にHFを含まないR−30、R−31および/ま
たはR−32を得ること、あるいは実質的にR−30、R−
31および/またはR−32を含まないHFを得ることによ
り、HFを除去または濃縮する方法を提供する。 前述のごとく、HFとR−30、HFとR−31およびHFとR
−32の2成分系には(最低)共沸混合物が存在する。こ
れらの共沸混合物は、本発明者らが初めて見いだした。 HFとR−30との混合物を大気圧下で蒸留すると、HF/R
−30のモル比で約86/14以上にHFを濃縮することはでき
ないことが見いだされた(共沸温度12℃)。言い替える
と、この組成比の液相は平衡状態にある気相の組成比と
同一となる。尚、HFとR−30の共沸組成は圧力によりそ
のモル比が変化し、3.0Kg/cm2GにおけるHF/R−30のモル
比は約80/20、15Kg/cm2GにおけるHF/R−30のモル比は約
77/23である。 また、HFとR−31との混合物を大気圧下で蒸留する
と、HF/R−31のモル比で約22/78以上にR−31を濃縮す
ることはできないことが見いだされた(共沸温度−11
℃)。言い替えると、この組成比の液相は平衡状態にあ
る気相の組成比と同一となる。尚、HFとR−31の共沸組
成は圧力によりそのモル比が変化し、5.8Kg/cm2Gにおけ
るHF/R−31のモル比は約20/80、15Kg/cm2GにおけるHF/R
−31のモル比は約19/81である。 また、HFとR−32との混合物を大気圧下で蒸留する
と、HF/R−32のモル比で約1.2/98.8以上にR−32を濃縮
することはできないことが見いだされた(共沸温度−53
℃)。言い替えると、この組成比の液相は平衡状態にあ
る気相の組成比と同一となる。尚、HFとR−32の共沸組
成は圧力によりほとんど変化しない。 HFとR−30の混合物は、蒸留装置を用いて直接蒸留す
ることによりHFを除去することができる。HFとR−30は
共沸混合物を形成することが見いだされているので、混
合物中のR−30の組成が、共沸組成より小さい場合、R
−30とHFの共沸混合物を還流として用いると、塔低から
R−30を実質的に含まないHFを効率的に得ることが可能
となる。 逆に、混合物中のR−30の組成が、共沸組成より大き
い場合、R−30とHFの共沸混合物を還流として用いる
と、塔低からHFを実質的に含まないR−30を効率的に得
ることが可能となる。 また、HFとR−31の混合物は、蒸留装置を用いて直接
蒸留することによりHFを除去することができる。HFとR
−31は共沸混合物を形成することが見いだされているの
で、混合物中のR−31の組成が、共沸組成より大きい場
合、R−31とHFの共沸混合物を還流として用いると、塔
低からHFを実質的に含まないR−31を効率的に得ること
が可能となる。 逆に、混合物中のR−31の組成が、共沸組成より小さ
い場合、R−31とHFの共沸混合物を還流として用いる
と、塔低からR−31を実質的に含まないHFを効率的に得
ることが可能となる。 また、HFとR−32の混合物は、蒸留装置を用いて直接
蒸留することによりHFを除去することができる。HFとR
−32は共沸混合物を形成することが見いだされているの
で、混合物中のR−32の組成が、共沸組成より大きい場
合、R−32とHFの共沸混合物を還流として用いると、塔
低からHFを実質的に含まないR−32を効率的に得ること
が可能となる。 逆に、混合物中のR−32の組成が、共沸組成より小さ
い場合、R−32とHFの共沸混合物を還流として用いる
と、塔低からR−32を実質的に含まないHFを効率的に得
ることが可能となる。 これらの共沸蒸留に必要な装置は、通常の蒸留に必要
な機能を備えていればどのようなものでも使用可能であ
る。棚段塔や、充填塔などの精留装置の場合が特に好ま
しい結果となる。また、バッチ蒸留または連続蒸留のい
ずれでも実施可能である。 本発明は、R−30を触媒の存在下気相または液相でHF
によりフッ素化して得られるR−31とR−32および未反
応原料であるR−30とHFを含む混合物からHFを除去する
のに最も有効である。本発明の最も好ましい実施態様を
以下に示す。 本発明に用いられる分離装置の一例をフローシートに
て図1に示す。通常、前記の反応では生成物を気相で抜
き出す。得られる混合物中にはR−30、R−31、R−3
2、HFおよび塩化水素の他に少量の有機物が含まれてい
る。この混合物から予め塩化水素を蒸留により除去した
R−30、R−31、R−32およびHFを主成分とする混合物
(ストリーム11)は、蒸留装置14に導かれる。 この場合、この混合物中のR−31/HFのモル比が4よ
り小さい時は、この混合物中にR−31を加えて(ストリ
ーム12)、前記モル比が4以上となるようにすることが
好ましいことが見いだされた。それは、R−31/HFの共
沸組成が大気圧下において約78/22のため、R−31/HFの
モル比が4以下の場合、塔低にHFが濃縮されるという理
由による。この蒸留装置14において、塔頂より留出した
HFと共沸したR−32および/またはR−31の一部を還流
(ストリーム16)として蒸留装置の塔頂に戻す。蒸留装
置の塔底部には実質的にHFを含まないR−30および/ま
たはR−31が存在し、これを缶出物(ストリーム17)と
して抜き出す。このようにして、前記混合物中より、HF
を効率的に除去することが出来る。 このような操作は、バッチ式に行うことも可能である
が、連続操作により行うことが好ましい。 第3の要旨において、本発明は、分液操作を利用して
HFとR−30、R−31および/またはR−32を含んで成る
混合物からHFを除去する方法を提供する。この方法は、
HFとR−30との混合物が容易にHFに富む上部液相とR−
30に富む下部液相に分離し、またHFとR−31との混合物
が−20℃以下でHFに富む上部液相とR−31に富む下部液
相に分離することを利用するものである。また、HF、R
−30および/またはR−31(場合によりR−32も含む)
の混合物についても、80℃以下でHFに富む上部液相およ
びHFに富まない下部液相に分離する。この分離を行わせ
る分液操作により、HFとR−30および/またはR−31
(場合によりR−32をも含む)との混合物中よりHFまた
は他の成分を濃縮または除去することが可能となる。 第4の要旨において、本発明は、上述のようにして分
液操作により得られた上部液相および/または下部液相
を、少なくとも1つの成分が他の成分より優先的に濃縮
または除去するための適当な処理、例えば蒸留、抽出、
吸収等の処理に付すことにより、分液により得られた濃
縮されたまたは濃度が低下した上部液相および/または
下部液相を更に濃縮または濃度を低下させる方法を提供
する。この場合において、特に好ましい処理は、上述の
共沸蒸留処理である。 従って、本発明は、HFとR−30の混合物を、HFに富む
上部液相とR−30に富む下部液相に分離し、HFまたはR
−30を優先的に除去する適当な処理方法、例えば蒸留に
より、いずれかの成分について少なくとも濃縮して、好
ましくは実質的に他方の成分から除去することを含んで
成るいずれかの成分の濃縮または除去方法を提供する。 本明細書において、「濃縮」するとは、混合物のいず
れか一方の成分の濃度を相対的に増やし、他方の成分の
濃度を相対的に減らすことを意味し、また、「除去」す
るとは、混合物のいずれか一方の成分の濃度を相対的に
減らし、他方の成分の濃度を相対的に増やすことを意味
するものとして使用している。従って、上述の分液操作
のみであっても、濃縮または除去することになる。 また、本発明は、R−30の場合と同様に、HFとR−31
の混合物を、HFに富む上部液相とR−31に富む下部液相
に分離し、HFまたはR−31を優先的に除去する適当な処
理方法により、いずれかの成分について少なくとも濃縮
して、好ましくは実質的に他方の成分から分離すること
を含んで成るいずれかの成分の濃縮または除去方法を提
供する。 従って、本発明の第4の要旨においては、HFとR−30
の混合物、またはHFとR−31の混合物を前述の方法で分
液し、それぞれの上部液相または下部液相を別々に蒸留
することにより、HFをR−30との共沸混合物、またはHF
をR−31との共沸混合物として留出させて除去し、蒸留
処理への仕込みの組成に応じて、HFを含まないR−30も
しくはR−30を含まないHFを、あるいはHFを含まないR
−31もしくはR−31を含まないHFを塔底から得ることに
より、HF、R−30またはR−31の少なくとも1つについ
て濃縮または除去する方法を提供する。 この場合、HFとの混合物中にR−30およびR−31(場
合によりR−31を含む)が同時に存在してもよく、その
場合も同様に分液させて、上部液相および下部液相をそ
れぞれ蒸留し、塔頂から共沸混合物を留出させて、各液
相の組成に応じてHFを実質的に含まないR−30およびR
−31(場合によりR−32を含むことがある)を、あるい
はR−30、R−31およびR−32を含まないHFを塔底から
得ることができる。更に、上述のように、R−32が混合
物中に存在してもよく、この場合、R−32はR−31とほ
ぼ同じ挙動をするので、R−31の一部分がR−32により
置換されていると考えればよい。 HFとR−30の混合物は、容易にR−30に富む下部液相
およびHFに富む上部液相に分液する。また、HFとR−31
の混合物を冷却することにより、R−31に富む下部液相
およびHFに富む上部液相に分液する。即ち、単に冷却す
ることにより、元の混合物の濃度と比較して、少なくと
もいずれか1つの成分の濃度に富む上部液相および該成
分に富まない(従って、他の成分に富む)下部液相を得
ることが出来る。得られたHFに富まない下部液相の、混
合物から主としてHFを効果的に除去できる適当な処理
(例えば蒸留、抽出、吸収、吸着、アルカリによる中和
などの反応による処理など)によりHFを除去するとR−
30またはR−31の濃度を更に大きく出来る。即ち、R−
30またはR−31を濃縮してHFを除去できる。 逆に、上部液相については、HFに富むので、これにつ
いても同様に、R−30またはR−31を主として除去する
適当な処理、例えば、蒸留、抽出、吸収などを施すこと
により、HFの濃度を大きくして更に濃縮して、R−30お
よび/またはR−31を除去できる。 更に、HF、R−30、R−31および/またはR−32を含
んで成る混合物を冷却することにより、R−30、R−31
および/またはR−32の有機物に富む下部液相およびHF
に富む上部液相が得られる。これらについても同様に、
下部液相の混合物から主としてHFを効果的に除去する適
当な処理を施すことにより、有機物濃度を大きくして濃
縮することによりHFを除去できる。上部液相についても
同様の処理が可能であり、HFを更に濃縮することができ
る。 HFとR−31の混合物を冷却相分離する濃度として−20
℃以下の温度が用いられる。−20℃以上ではHFとR−31
の比にかかわらず相分離現象は認められない。好ましい
範囲は−25℃以下である。−25℃以上では上下部液相間
の組成差が小さく、従って比重差も近いため分離が十分
でないことがある。温度の下限は、R−31の凝固点(−
133℃)以上であればとくに限定されないが、概ね−50
℃程度以上である。この温度以下では冷却に多くのエネ
ルギーを要し、経済的に効率的ではなくなる。特に好ま
しい温度は、−30℃〜−50℃の範囲である。 HFがR−30および少なくともR−31を含む場合、特に
好ましい分液温度は、60〜−30℃の範囲である。更に、
R−32が含まれている場合も同様の温度範囲が一般的に
好ましい。 HF、R−30、R−31および/またはR−32の混合物を
冷却すると、全混合物の組成に応じて有機物に富む下部
液相およびHFに富む上部液相が得られる。相分離する温
度は有機物の組成比により大きく変化し、R−30が多い
ほど、また、R−30とHFの組成比率が同じであればR−
31が多いほど分液を開始する温度は高く、例えば60℃程
度である。 上述のように、HFとR−30、HFとR−31およびHFとR
−32は共沸混合物を形成するので、HFとR−30、R−31
および/またはR−32との混合物(例えば、分液により
得られる上部液相および下部液相)中よりHFまたは有機
物(R−30、R−31および/またはR−32)を除去する
ことは、分液操作に共沸蒸留操作を組み合わせることに
より実施可能である。ここで、共沸蒸留装置は蒸留に必
要な機能を備えていればどのようなものでも使用可能で
ある。棚段塔や、充填塔などの精留装置の場合が特に好
ましい結果となる。また、バッチ蒸留または連続蒸留の
いずれでも実施可能である。 この組み合わせは、R−30を触媒の存在下気相または
液相でHFによりフッ素化して得られるR−31とR−32お
よび未反応原料であるR−30とHFを含む混合物からHFを
除去するのに最も有効である。本発明の最も好ましい実
施態様の1つを以下に示す。 本発明に用いられるHFの除去方法の別の一例をフロー
シートにて図2に示す。通常、前記の反応では生成物を
気相で抜き出す。得られる混合物中にはR−30、R−3
1、R−32、HFおよび塩化水素の他に少量の有機物が含
まれている。この混合物から塩化水素を蒸留により予め
除去したR−30、R−31、R−32およびHFを主成分とす
る混合物は、冷却器を通して−20℃以下に冷却され、液
分離装置21(液液分離装置、例えばデカンターのような
分液装置)に導かれる。分液装置において分離した有機
物に富む下部液相を蒸留装置23に供給し、蒸留装置の上
部からHFと有機物との共沸混合物25を留出させる。この
際、蒸留装置23には留出したHFと有機物の共沸混合物の
一部を還流27として蒸留装置の頂部に戻し、残りの共沸
混合物は、クーラー31にて−20℃以下に冷却された後、
液相分離装置21に送られ、上述の処理が繰り返される。
但し、この繰り返す操作はR−32の濃縮により、クーラ
ー31の圧抜きが必要となる場合もある。蒸留装置23の塔
底部には実質的にHFを含まない有機物が存在しこれを缶
出物29として抜き出す。 一方、HFに富む液分離装置21の上部液相は、それが可
能な場合には反応系に循環することができる。不可能な
場合には、もう一つの蒸留装置が必要である。図2にお
ける蒸留装置33に導かれた上部液相は、ここで有機物と
HFの共沸混合物と実質的に有機物を含まないHFに分離さ
れる。蒸留装置33においても同様に留出するHFと有機物
の共沸混合物35の一部を蒸留装置の塔頂部に還流37とし
て戻す。残りの共沸混合物は、クーラー41にて−20℃以
下に再度冷却された後、液液分離装置21に戻される。実
質的に有機物を含まないHF39は再利用される。このよう
にして全てのHFを有効に利用しながら有機物を分離する
ことができる。このような操作は、バッチ式に行うこと
も可能であるが、連続操作により行うことが好ましい。
クマホン、有効充填高さ:1500mm)にHFを300g(15mol)
およびR−30を254.7g(3mol)仕込み、全還流で蒸留を
開始し、スチル温度を徐々に上げた。塔頂圧力が3.0Kg/
cm2G、塔頂温度が50℃となった時に還流液(留出液と同
等である)をサンプリングした。このサンプルを分析す
ると、HF/R−30のモル比は80/20であった。 この分析結果から、HFより高い沸点を有するR−30
(HFの大気圧下沸点19℃<R−30の大気圧下沸点40℃)
が塔頂部に濃縮されることが明らかとなり、HFとR−30
は共沸混合物を形成することが確認された。 実施例2 実施例1と同じ装置を真空にして、HFを20g(1mol)
およびR−31を548g(8mol)仕込み、全還流で蒸留を開
始し、スチル温度を徐々に上げた。 塔頂圧力が5.8Kg/cm2G、塔頂温度が40℃となった時に
還流液をサンプリングした。このサンプルを分析する
と、HF/R−31のモル比は20/80であった。 この分析結果から、R−31より高い沸点を有するHF
(R−31の大気圧下沸点−9℃<HFの大気圧下沸点19
℃)が塔頂部に濃縮されることが明らかとなり、HFとR
−31は共沸混合物を形成することが確認された。 実施例3 実施例1と同じ装置を真空にして、HFを2g(0.1mol)
およびR−32を520g(10mol)仕込み、全還流で蒸留を
開始し、スチル温度を徐々に上げた。塔頂圧力が22Kg/c
m2G、塔頂温度が40℃となった時に環流液をサンプリン
グした。このサンプルを分析すると、HF/R−32のモル比
は1.2/98.8であった。 この分析結果から、R−32より高い沸点を有するHF
(R−32の大気圧下沸点−52℃<HFの大気圧下沸点19
℃)が塔頂部に濃縮されることが明らかとなり、HFとR
−32は共沸混合物を形成することが確認された。 実施例4 真空にしたSUS製の気液平衡測定装置(容量75ml)に
実施例1、2および3においてサンプリングした液(還
流)と同じ組成のHFとR−30、HFとR−31およびHFとR
−32のそれぞれの混合物(約60g)を別々に入れ、系の
圧力が順に3.0、5.8、22Kg/cm2Gとなるよう加熱した。
系の状態が平衡になってから、気相および液相をサンプ
リングした。 サンプリングした気相と液相のHF濃度を以下の表1に
示す。 この結果から、明らかなように、気相と液相の組成は
実験誤差の範囲内でほぼ等しく、HFとR−30、HFとR−
31およびHFとR−32はそれぞれ共沸混合物を形成するこ
とが判った。 実施例5 実施例1と同じ装置を真空にして、HFを120g(6mol)
およびR−30を509.4g(6mol)仕込み、全還流で蒸留を
開始し、スチル温度を徐々に上げた。塔頂圧力が3.0Kg/
cm2G、塔頂温度が50℃となった時に還流液をサンプリン
グした(2g)。このサンプルを分析すると、HF/R−30の
モル比は79.2/20.8であった。 再び、全還流状態でスチル温度を上げると、塔頂圧力
が15Kg/cm2G、塔頂温度が112℃となり、この時にサンプ
リングした(2g)。サンプルを分析したところ、HF/R−
30のモル比は76.2/23.8であった。このように、HFとR
−30の共沸組成は圧力により僅かに影響を受ける。 再度、圧力を3.0Kg/cm2Gに戻して全還流で蒸留塔を安
定させた。安定後、塔頂からの流出液を徐々に抜き出し
て行くと、塔頂温度が徐々に上昇し、塔頂温度がスチル
温度と同じになった時に加熱を停止した。塔頂から抜き
だした液量は、約400gとなり(途中サンプリング分を含
む)、スチルからはHF約10ppmを含むR−30約220gを得
た。 実施例6 実施例1と同じ装置を真空にして、HFを10g(0.5mo
l)およびR−31を548g(8mol)仕込み、全還流で蒸留
を開始し、スチル温度を徐々に上げた。塔頂圧力が5.8K
g/cm2G、塔頂温度が40℃となった時に還流液をサンプリ
ングした(2g)。このサンプルを分析すると、HF/R−31
のモル比は20.2/79.8であった。 再び、全還流状態にしてスチル温度を上げると、塔頂
圧力が15Kg/cm2G、塔頂温度が64℃となり、この時にサ
ンプリングした(2g)。サンプルを分析したところ、HF
/R−31のモル比は19.5/80.5であった。このように、HF
とR−31の共沸組成は圧力により僅かに影響を受ける。 再度、圧力を5.8Kg/cm2Gに戻して全還流で蒸留塔を安
定させた。安定後、塔頂からの流出液を徐々に抜き出し
て行くと、塔頂温度が徐々に上昇し、塔頂温度がスチル
温度と同じになった時に加熱を停止した。塔頂から抜き
だした液量は、約300gとなり(途中サンプリング分を含
む)、スチルからはHF約13ppmを含むR−31約250gを得
た。 実施例7 実施例1と同じ装置を真空にして、HFを0.05g(0.002
5mol)およびR−32を520g(10mol)仕込み、全還流で
蒸留を開始し、スチル温度を徐々に上げた。塔頂圧が22
Kg/cm2G、塔頂温度が40℃となった時に還流液をサンプ
リングした(2g)。このサンプルを分析すると、HF/R−
32のモル比は1.2/98.8であった。 再び、全還流状態でスチル温度を下げ、塔頂圧力が15
Kg/cm2G、塔頂温度が35℃となり、この時にサンプリン
グした(2g)。サンプルを分析したところ、HF/R−32の
モル比は1.2/98.8であった。このように、HFとR−32の
共沸組成は圧力によりほとんどに影響を受けない。 再度、圧力を22Kg/cm2Gに戻して全還流で蒸留塔を安
定させた。安定後、塔頂からの流出液を徐々に抜き出し
て行くと、塔頂温度が徐々に上昇し、塔頂温度がスチル
温度と同じになった時に加熱を停止した。塔頂から抜き
だした液量は、約300gとなり(途中サンプリング分を含
む)、スチルからはHF約30ppmを含むR−32約210gを得
た。 実施例8 実施例1と同じ装置を真空にして、HF、R−30、R−
31とR−32の混合物を仕込み、蒸留操作を行った。この
時、蒸留塔の還流液とスチル液をサンプリングして分析
した。尚、混合液中のR−31/HFのモル比を、6(表
2)、2(表3)およびモル比が2の場合にR−31を加
えてこの比を5(表4)とした場合の混合液を個別に蒸
留塔への仕込み、全還流状態にして還流液とスチル液の
組成について、それぞれ、表2〜表4に分析結果と合わ
せて(単位:mol%)示す。 以上より、HF、R−30、R−31とR−32の混合物中で
R−31/HFのモル比が4以上であれば、HFを混合物中よ
り除去できる。 実施例9 真空にしたフッ素樹脂製容器にHFとR−30をそれぞれ
モル比50/50になるように充填して混合した後、温度を2
0℃に保って静置して相分離させた。この状態における
下部液相のHFとR−30のモル比を測定した。その結果、
HF/R−30のモル比は3/97であった。上部液相のHF/R−30
のモル比は、95/5であった。 実施例10 実施例9と同じ装置を真空にしてHFとR−31をそれぞ
れモル比50/50になるように充填して混合した後、温度
を−40℃に保って静置して相分離させた。この状態にお
ける下部液相のHFとR−31のモル比を測定した。 その結果、HF/R−31のモル比は10/90であった。上部
液相のHF/R−31のモル比は、88/12であった。 実施例11 実施例9と同じ装置を真空にしてHF、R−30、R−31
とR−32をそれぞれモル比50/20/20/10になるように充
填して混合した後、温度を0℃に保って静置して相分離
させた。この状態における下部液相のHFとR−30、R−
31およびR−32のモル比を測定した。その結果、HF/R−
30/R−31/R−32のモル比は約5/41/36/18であった。上部
液相のHF/R−30/R−31/R−32のモル比は、約91/1/5/3で
あった。 実施例12 実施例9と同じ装置を真空にしてHF、R−30、R−31
とR−32をそれぞれモル比50/10/30/10になるように充
填して混合した後、温度を0℃に保って静置して相分離
させた。この状態における下部液相のHFとR−30、R−
31およびR−32のモル比を測定した。その結果、HF/R−
30/R−31/R−32のモル比は約9/21/53/17であった。この
下部混合物を蒸留塔に仕込み、蒸留操作を行った。この
時、全還流状態にして蒸留塔の還流液とスチル液をサン
プリングして分析した。この分析結果を表5に示す。
(単位:mol%)示す。 以上より、HF、R−30、R−31とR−32の混合物よ
り、分液操作と蒸留操作により、混合物中よりHFを除去
することができる。 実施例13 実施例9と同じ装置を真空にして、HF、R−30、R−
31の混合物を仕込み、温度を60℃に保って静置して相分
離させた。この状態における下部液相と上部液相のHFと
R−30、R−31のモル比を測定した。 混合液中のHF/R−30/R−31の組成(モル比)を76/8/1
6とし、従って、R−30/R−31のモル比を0.5とした場
合、分液は確認できたが、下相のサンプリングができ
ず、組成分析はできなかった。又、この混合液の組成を
76/12/12とし、従って、R−30/R−31のモル比を1とし
た場合について、表6に分析結果と合わせて(単位:mol
%)に示す。 以上より、本発明の好ましい態様には、少なくともH
F、R−31とR−30を含んで成る混合物にR−30を添加
してこの混合液のR−30/R−31のモル比を0.5以上とし
た混合液を60℃以下に冷却し、HFに富む上部液相とR−
31とR−30に富む下部液相に分離し、下部液相からHFの
少ないR−31とR−30を回収することを特徴とするHFの
除去法が含まれる。 実施例14 実施例9と同じ装置を真空にして、HF、R−30、R−
31、R−32の混合物を仕込み、温度を60℃に保って静置
して相分離させた。この状態における下部液相と上部液
相のHFとR−30、R−31およびR−32のモル比を測定し
た。 混合液中のHF/R−30/R−31/R−32の組成(モル比)を
70/9/18/3とし、従って、R−30/R−31のモル比を0.5と
した場合、分液は確認できたが、下相のサンプリングが
できず、組成分析はできなかった。又、この混合液の組
成を70/13.5/13.5/3とし、従って、R−30/R−31のモル
比を1とした場合について、表7に分析結果と合わせて
(単位:mol%)示す。 以上より、本発明の好ましいもう1つの態様には、少
なくともHF、R−32、R−31とR−30を含んで成る混合
物にR−31とR−30の混合物またはR−30を添加してこ
の混合液のR−30/R−31のモル比を0.5以上とした混合
液を60℃以下に冷却し、HFに富む上部液相とR−32とR
−31およびR−30に富む下部液相に分離し、下部液相か
らHFの少ないR−32とR−31およびR−30を回収するこ
とを特徴とするHFの除去法が含まれる。
Claims (9)
- 【請求項1】ジクロロメタンとフッ化水素との共沸混合
物。 - 【請求項2】クロロフルオロメタンとフッ化水素との共
沸混合物。 - 【請求項3】ジフルオロメタンとフッ化水素との共沸混
合物。 - 【請求項4】少なくともフッ化水素とジクロロメタンを
含んで成る混合物を蒸留することによりフッ化水素をフ
ッ化水素とジクロロメタンの共沸混合物として除くこと
を特徴とするフッ化水素の除去方法。 - 【請求項5】少なくともフッ化水素とクロロフルオロメ
タンを含んで成る混合物を蒸留することによりフッ化水
素をフッ化水素とクロロフルオロメタンの共沸混合物と
して除くことを特徴とするフッ化水素の除去方法。 - 【請求項6】少なくともフッ化水素とジフルオロメタン
を含んで成る混合物を蒸留することによりフッ化水素を
フッ化水素とジフルオロメタンの共沸混合物として除く
ことを特徴とするフッ化水素の除去方法。 - 【請求項7】少なくともフッ化水素、ジクロロメタン、
クロロフルオロメタンとジフルオロメタンを含んで成る
混合物を蒸留することによりフッ化水素をフッ化水素と
ジフルオロメタン、クロロフルオロメタンまたは/およ
びジクロロメタンの共沸混合物として除くことを特徴と
するフッ化水素の除去方法。 - 【請求項8】混合物中のクロロフルオロメタン/フッ化
水素のモル比が4以下の場合には、クロロフルオロメタ
ンを追加してこのモル比が4以上とした混合物を蒸留す
ることによりフッ化水素をフッ化水素とジフルオロメタ
ン、クロロフルオロメタンまたは/およびジクロロメタ
ンの共沸混合物として除くことを特徴とする請求の範囲
7に記載のフッ化水素の除去方法。 - 【請求項9】混合物を蒸留する時の圧力が0.5Kg/cm2abs
から30Kg/cm2absの範囲である請求の範囲第4〜8項の
いずれかに記載のフッ化水素の除去方法。
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