JP3146394B2 - アンテナ指向装置 - Google Patents
アンテナ指向装置Info
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- JP3146394B2 JP3146394B2 JP34896992A JP34896992A JP3146394B2 JP 3146394 B2 JP3146394 B2 JP 3146394B2 JP 34896992 A JP34896992 A JP 34896992A JP 34896992 A JP34896992 A JP 34896992A JP 3146394 B2 JP3146394 B2 JP 3146394B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は海事衛星通信等に使用し
て好適なアンテナを衛星方向へ指向させるためのアンテ
ナ指向装置に関する。
て好適なアンテナを衛星方向へ指向させるためのアンテ
ナ指向装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図5は従来のアンテナ指向装置の例を示
す。アンテナ指向装置は基台3と斯かる基台3に装着さ
れた方位ジンバル40と方位ジンバル40の上端部のU
字形部材に仰角軸30−1、30−2を介して装着され
た取り付け金具41と斯かる取り付け金具41に取り付
けられたアンテナ14とを有する。
す。アンテナ指向装置は基台3と斯かる基台3に装着さ
れた方位ジンバル40と方位ジンバル40の上端部のU
字形部材に仰角軸30−1、30−2を介して装着され
た取り付け金具41と斯かる取り付け金具41に取り付
けられたアンテナ14とを有する。
【0003】基台3はブリッジ部3−1を有してよく、
斯かるブリッジ部3−1には上方に突出する円筒部11
が装着されており、斯かる円筒部11の内部には1対の
軸受21−1、21−2が取り付けられている。この軸
受21−1、21−2の内輪には方位軸20が嵌合され
ており、方位軸20の上端部にはアーム13を介して方
位ジンバル40が装着されている。
斯かるブリッジ部3−1には上方に突出する円筒部11
が装着されており、斯かる円筒部11の内部には1対の
軸受21−1、21−2が取り付けられている。この軸
受21−1、21−2の内輪には方位軸20が嵌合され
ており、方位軸20の上端部にはアーム13を介して方
位ジンバル40が装着されている。
【0004】斯くして方位軸20が軸受21−1、21
−2によって支持された状態にて、方位ジンバル40は
方位軸20を通る軸線周りに回転することができる。方
位ジンバル40は下側の支持軸部40−1と上側のU字
形部40−2とを有し、支持軸部40−1の中心軸線即
ち方位軸線Z−Zは図示のように方位軸20を通る軸線
より偏倚して配置されている。尚、支持軸部40−1は
方位軸20を通る軸線に整合するように構成してもよ
い。
−2によって支持された状態にて、方位ジンバル40は
方位軸20を通る軸線周りに回転することができる。方
位ジンバル40は下側の支持軸部40−1と上側のU字
形部40−2とを有し、支持軸部40−1の中心軸線即
ち方位軸線Z−Zは図示のように方位軸20を通る軸線
より偏倚して配置されている。尚、支持軸部40−1は
方位軸20を通る軸線に整合するように構成してもよ
い。
【0005】方位ジンバル40のU字形部40−2に
は、より小さいU字形の取り付け金具41が配置されて
おり、斯かる取り付け金具41はその2つの脚部41−
1、41−2の各々に仰角軸30−1、30−2を有す
る。方位ジンバル40のU字形部40−2の2つの脚部
の各々には適当な軸受が装着されており、斯かる軸受に
よって仰角軸30−1、30−2は回転可能に支持され
ている。
は、より小さいU字形の取り付け金具41が配置されて
おり、斯かる取り付け金具41はその2つの脚部41−
1、41−2の各々に仰角軸30−1、30−2を有す
る。方位ジンバル40のU字形部40−2の2つの脚部
の各々には適当な軸受が装着されており、斯かる軸受に
よって仰角軸30−1、30−2は回転可能に支持され
ている。
【0006】仰角軸30−1、30−2の中心軸線は仰
角軸線Y−Yを構成しており、こうして、取り付け金具
41は方位ジンバル40のU字形部40−2の2つの脚
部の間にて仰角軸線Y−Y周りに回転可能に支持されて
いる。仰角軸線Y−Yは方位軸線Z−Zに対して直角に
配置され、従って略水平な位置にある。
角軸線Y−Yを構成しており、こうして、取り付け金具
41は方位ジンバル40のU字形部40−2の2つの脚
部の間にて仰角軸線Y−Y周りに回転可能に支持されて
いる。仰角軸線Y−Yは方位軸線Z−Zに対して直角に
配置され、従って略水平な位置にある。
【0007】U字形の取り付け金具41の脚部41−
1、41−2にはアンテナ14が装着されており、従っ
てアンテナ14は取り付け金具41と共に仰角軸線Y−
Y周りを回転することができる。アンテナ14は中心軸
線X−Xを有しており、斯かる中心軸線は仰角軸線Y−
Yに対して垂直である。
1、41−2にはアンテナ14が装着されており、従っ
てアンテナ14は取り付け金具41と共に仰角軸線Y−
Y周りを回転することができる。アンテナ14は中心軸
線X−Xを有しており、斯かる中心軸線は仰角軸線Y−
Yに対して垂直である。
【0008】取り付け金具41には、仰角ジャイロ44
と方位ジャイロ45と第1の加速度計46及び第2の加
速度計47とが装着されている。仰角ジャイロ44によ
って仰角軸線Y−Y周りを回転するアンテナ14の回転
角速度が検出され、方位ジャイロ45によって仰角軸線
Y−Y及びアンテナ14の中心軸線X−Xの双方に直交
する軸線周りのアンテナ14の回転角速度が検出され、
第1の加速度計46によって仰角軸線Y−Y周りのアン
テナ14の中心軸線X−Xの傾斜角度が検出され、第2
の加速度計47によってアンテナ14の中心軸線X−X
周りの傾斜角度が検出される。
と方位ジャイロ45と第1の加速度計46及び第2の加
速度計47とが装着されている。仰角ジャイロ44によ
って仰角軸線Y−Y周りを回転するアンテナ14の回転
角速度が検出され、方位ジャイロ45によって仰角軸線
Y−Y及びアンテナ14の中心軸線X−Xの双方に直交
する軸線周りのアンテナ14の回転角速度が検出され、
第1の加速度計46によって仰角軸線Y−Y周りのアン
テナ14の中心軸線X−Xの傾斜角度が検出され、第2
の加速度計47によってアンテナ14の中心軸線X−X
周りの傾斜角度が検出される。
【0009】仰角ジャイロ44と方位ジャイロ45は、
例えば機械式ジャイロ、光学式ジャイロ等の積分型ジャ
イロの他、振動ジャイロ、レートジャイロ、光ファイバ
ジャイロ等の角速度検出型ジャイロであってよい。
例えば機械式ジャイロ、光学式ジャイロ等の積分型ジャ
イロの他、振動ジャイロ、レートジャイロ、光ファイバ
ジャイロ等の角速度検出型ジャイロであってよい。
【0010】取り付け金具41の一方の脚部には仰角軸
線Y−Yと同軸的に仰角歯車32が装着されている。斯
かる仰角歯車32にはピニオン35が噛み合わされてお
り、斯かるピニオン35は方位ジンバル40のU字形部
40−2の一方の脚部に装着された仰角サーボモータ3
3の回転軸に取り付けられている。
線Y−Yと同軸的に仰角歯車32が装着されている。斯
かる仰角歯車32にはピニオン35が噛み合わされてお
り、斯かるピニオン35は方位ジンバル40のU字形部
40−2の一方の脚部に装着された仰角サーボモータ3
3の回転軸に取り付けられている。
【0011】方位ジンバル40のU字形部40−2の一
方の脚部には仰角発信器34が装着されており、斯かる
仰角発信器34によってアンテナ14の仰角軸線Y−Y
周りの回転角度θが検出されそれを指示する信号が出力
される。
方の脚部には仰角発信器34が装着されており、斯かる
仰角発信器34によってアンテナ14の仰角軸線Y−Y
周りの回転角度θが検出されそれを指示する信号が出力
される。
【0012】一方、方位軸20の下端部には方位歯車2
2が取り付けられ、基台3のブリッジ部3−1上には方
位サーボモータ23と方位発信器24が取り付けられ、
方位サーボモータ23及び方位発信器24の回転軸にそ
れぞれ取り付けられたピニオン(図示なし)が方位歯車
22に噛み合わされるように構成されている。
2が取り付けられ、基台3のブリッジ部3−1上には方
位サーボモータ23と方位発信器24が取り付けられ、
方位サーボモータ23及び方位発信器24の回転軸にそ
れぞれ取り付けられたピニオン(図示なし)が方位歯車
22に噛み合わされるように構成されている。
【0013】図示のように、アンテナ指向装置を制御す
るために仰角制御ループと方位角制御ループが設けられ
ている。尚、アンテナ14の中心軸線X−Xが水平面と
なす角をアンテナの仰角θA とし、アンテナ14の中心
軸線X−Xが水平面上で子午線Nとなす角をアンテナの
方位角φA とする。
るために仰角制御ループと方位角制御ループが設けられ
ている。尚、アンテナ14の中心軸線X−Xが水平面と
なす角をアンテナの仰角θA とし、アンテナ14の中心
軸線X−Xが水平面上で子午線Nとなす角をアンテナの
方位角φA とする。
【0014】仰角制御ループはアンテナの仰角θA が衛
星高度角θS に一致するようにアンテナ14を仰角軸線
Y−Y周りに回転させるよう構成されており、第1の及
び第2のループを含む。第1のループにおいて、仰角ジ
ャイロ44の出力は積分器54及び増幅器55を介して
仰角サーボモータ33にフィードバックされる。それに
よって船体が動揺しても慣性空間に対するアンテナ14
の仰角軸線Y−Y周りの角速度は常にゼロに保持され
る。
星高度角θS に一致するようにアンテナ14を仰角軸線
Y−Y周りに回転させるよう構成されており、第1の及
び第2のループを含む。第1のループにおいて、仰角ジ
ャイロ44の出力は積分器54及び増幅器55を介して
仰角サーボモータ33にフィードバックされる。それに
よって船体が動揺しても慣性空間に対するアンテナ14
の仰角軸線Y−Y周りの角速度は常にゼロに保持され
る。
【0015】第2のループにおいて、第1の加速度計4
6からの出力信号は、アークサイン演算器57を経由し
た後、例えば手動設定された衛星高度角θS を指示する
信号によって減ぜられ、更に、減衰器56を経由して積
分器54及び増幅器55に入力される。このループは、
アンテナ14の仰角θA を衛星高度角θS に一致させる
ための適当な時定数を有する。尚、減衰器56に仰角ジ
ャイロ44のドリフト変動を補償させるために積分特性
を具備させることも可能である。
6からの出力信号は、アークサイン演算器57を経由し
た後、例えば手動設定された衛星高度角θS を指示する
信号によって減ぜられ、更に、減衰器56を経由して積
分器54及び増幅器55に入力される。このループは、
アンテナ14の仰角θA を衛星高度角θS に一致させる
ための適当な時定数を有する。尚、減衰器56に仰角ジ
ャイロ44のドリフト変動を補償させるために積分特性
を具備させることも可能である。
【0016】方位角制御ループはアンテナ14の方位角
φA が衛星方位角φS に一致するように方位ジンバル4
0の方位を制御する機能を有する。方位ジャイロ45の
出力信号は、積分器58及び増幅器59を介して方位サ
ーボモータ23にフィードバックされ、それによってア
ンテナ14は、アンテナ14の中心軸線X−X及び仰角
軸線Y−Yの両者に直交する軸線周りの船体の回転運動
に対して、安定化されることができる。
φA が衛星方位角φS に一致するように方位ジンバル4
0の方位を制御する機能を有する。方位ジャイロ45の
出力信号は、積分器58及び増幅器59を介して方位サ
ーボモータ23にフィードバックされ、それによってア
ンテナ14は、アンテナ14の中心軸線X−X及び仰角
軸線Y−Yの両者に直交する軸線周りの船体の回転運動
に対して、安定化されることができる。
【0017】方位発信器24より方位ジンバル40の回
転角φを指示する回転角信号が出力され、斯かる回転角
信号は加算器61に供給される。加算器61では、斯か
る回転角φと例えば磁気コンパス又はジャイロコンパス
より供給された船首方位角φ C とが加算され、その和よ
り衛星方位角φS が減算される。加算器61の出力信号
は、更に、減衰器60を経由して積分器58に入力され
る。アンテナの回転角φと船首方位角φC との和、即ち
アンテナ14の方位角φA (=φ+φC )が衛星方位角
φS に等しくなるとき、アンテナ14の方位は静止す
る。
転角φを指示する回転角信号が出力され、斯かる回転角
信号は加算器61に供給される。加算器61では、斯か
る回転角φと例えば磁気コンパス又はジャイロコンパス
より供給された船首方位角φ C とが加算され、その和よ
り衛星方位角φS が減算される。加算器61の出力信号
は、更に、減衰器60を経由して積分器58に入力され
る。アンテナの回転角φと船首方位角φC との和、即ち
アンテナ14の方位角φA (=φ+φC )が衛星方位角
φS に等しくなるとき、アンテナ14の方位は静止す
る。
【0018】このループは、アンテナ14の方位角φA
を衛星方位角φS に一致させるための適当な時定数を有
する。尚、減衰器60に方位ジャイロ45のドリフト変
動を補償させるために積分特性を具備させることも可能
である。即ち、減衰器56、60の出力は積分型ジャイ
ロトルカの出力に相当する。
を衛星方位角φS に一致させるための適当な時定数を有
する。尚、減衰器60に方位ジャイロ45のドリフト変
動を補償させるために積分特性を具備させることも可能
である。即ち、減衰器56、60の出力は積分型ジャイ
ロトルカの出力に相当する。
【0019】こうして、仰角制御ループと方位角制御ル
ープとによってアンテナ14はその中心軸線X−Xが衛
星方向に指向するように構成されている。
ープとによってアンテナ14はその中心軸線X−Xが衛
星方向に指向するように構成されている。
【0020】アンテナ指向装置にはケーブルが接続され
ており、斯かるケーブルはアンテナ14に接続された同
軸ケーブル70と取り付け金具41及びU字形部40−
2に装着された機器に接続された導線を含む。同軸ケー
ブル70によってアンテナ14に送信信号が供給され、
またアンテナ14より受信信号が得られる。ケーブル
は、アンテナ14より取り付け金具41を経由し、方位
ジンバル40のU字形部40−2、支持軸部40−1、
アーム13、方位軸21に沿って延在し、基台3に至
る。
ており、斯かるケーブルはアンテナ14に接続された同
軸ケーブル70と取り付け金具41及びU字形部40−
2に装着された機器に接続された導線を含む。同軸ケー
ブル70によってアンテナ14に送信信号が供給され、
またアンテナ14より受信信号が得られる。ケーブル
は、アンテナ14より取り付け金具41を経由し、方位
ジンバル40のU字形部40−2、支持軸部40−1、
アーム13、方位軸21に沿って延在し、基台3に至
る。
【0021】斯かるケーブルは柔軟性ある材料よりなり
且つアンテナ14から基台3に至る経路より僅かに長い
寸法を有する。従って、アンテナ14が仰角軸線Y−Y
周りに回転し更に方位軸線Z−Z周りに回転しても、ケ
ーブルの捩じれ又は巻き付きによってアンテナ14の回
転運動が妨害されることはない。
且つアンテナ14から基台3に至る経路より僅かに長い
寸法を有する。従って、アンテナ14が仰角軸線Y−Y
周りに回転し更に方位軸線Z−Z周りに回転しても、ケ
ーブルの捩じれ又は巻き付きによってアンテナ14の回
転運動が妨害されることはない。
【0022】しかしながら、船体が旋回したりヨーイン
グしてアンテナ14が方位軸線Z−Z周りに大きな回転
角度にて回転すると、ケーブルの捩じれ又は巻き付きに
よってアンテナ14の回転運動が妨害されることがあ
る。斯かる場合のため、ケーブルの捩じれ又は巻き付き
を防止するためのリワインド機構が設けられている。
グしてアンテナ14が方位軸線Z−Z周りに大きな回転
角度にて回転すると、ケーブルの捩じれ又は巻き付きに
よってアンテナ14の回転運動が妨害されることがあ
る。斯かる場合のため、ケーブルの捩じれ又は巻き付き
を防止するためのリワインド機構が設けられている。
【0023】リワインド機構は図5に示す如く、方位発
信器24とリワインド制御器71と切替え回路73と方
位サーボモータ23とを含むループを有する。リワイン
ド制御器71は方位発信器24より出力された方位ジン
バル40の回転角φを指示する信号を入力し、アンテナ
14が所定の基準方位より例えば±270°以上回転し
たとき反対方向に360°回転するように、切替え回路
73に制御信号を供給する。斯かる基準方位として例え
ば船体の首尾線方位が選択される。こうして、方位サー
ボモータ23は方位ジンバル40を反対方向に360°
回転させ、ケーブルの捩じれが解かれる。
信器24とリワインド制御器71と切替え回路73と方
位サーボモータ23とを含むループを有する。リワイン
ド制御器71は方位発信器24より出力された方位ジン
バル40の回転角φを指示する信号を入力し、アンテナ
14が所定の基準方位より例えば±270°以上回転し
たとき反対方向に360°回転するように、切替え回路
73に制御信号を供給する。斯かる基準方位として例え
ば船体の首尾線方位が選択される。こうして、方位サー
ボモータ23は方位ジンバル40を反対方向に360°
回転させ、ケーブルの捩じれが解かれる。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、斯かる
従来のアンテナ指向装置では、衛星の高度角θS が比較
的低い場合には船体が動揺しても、アンテナの指向精度
は良好であるが、衛星の高度角θS が高い場合に船体が
動揺運動すると、アンテナの中心軸線X−Xと方位軸線
Z−Zとが平行になり、所謂ジンバルロック現象が生じ
る。ジンバルロック現象が生ずると、アンテナの指向精
度が低下するという欠点があった。
従来のアンテナ指向装置では、衛星の高度角θS が比較
的低い場合には船体が動揺しても、アンテナの指向精度
は良好であるが、衛星の高度角θS が高い場合に船体が
動揺運動すると、アンテナの中心軸線X−Xと方位軸線
Z−Zとが平行になり、所謂ジンバルロック現象が生じ
る。ジンバルロック現象が生ずると、アンテナの指向精
度が低下するという欠点があった。
【0025】本発明は、斯かる点に鑑み、船体が航行時
に動揺運動中或いは一定の傾斜角度にて傾斜している状
態にある場合に、衛星の高度角が大きいときでも、ジン
バルロック現象が生ずることなく、衛星に対して良好に
指向することができるアンテナ指向装置を提供すること
を目的とする。
に動揺運動中或いは一定の傾斜角度にて傾斜している状
態にある場合に、衛星の高度角が大きいときでも、ジン
バルロック現象が生ずることなく、衛星に対して良好に
指向することができるアンテナ指向装置を提供すること
を目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明に依れば、例えば
図1及び図2に示すように、中心軸線X−Xを有し支持
部材41に支持されたアンテナ14と、アンテナ14及
び支持部材41を中心軸線X−Xに直交する仰角軸線Y
−Y周りに回転可能に支持する方位ジンバル40と、方
位ジンバル40を仰角軸線Y−Yに直交する方位軸線周
りに回転可能に支持する基台3と、仰角軸線Y−Yに平
行な入力軸線を有し支持部材41に固定された第1のジ
ャイロ44と、中心軸線X−Xと仰角軸線Y−Yの両者
に直交する入力軸線を有し支持部材41に固定された第
2のジャイロ45と、水平面に対する中心軸線X−Xの
傾斜角を指示する信号を出力する第1の加速度計46
と、水平面に対する仰角軸線Y−Yの傾斜角を指示する
信号を出力する第2の加速度計47と、方位ジンバル4
0の方位軸線Z−Z周りの回転角を指示する信号を出力
する方位発信器24と、方位ジンバル40に対する仰角
軸線Y−Y周りのアンテナ14の回転角を指示する信号
を出力する仰角発信器34と、基台3に取り付けられ入
力軸線に対応して方位ジンバル40を回転させる方位サ
ーボモータ23と、方位ジンバル40に取り付けられ入
力軸線に対応してアンテナ14を仰角軸線Y−Y周りに
回転させる仰角サーボモータ33と、方位ジンバル40
が基台3に対して所定の回転角度を越えて回転したとき
方位ジンバル40を反対方向に回転させるリワインド装
置71、72と、を有し、アンテナ14の中心軸線X−
Xを衛星に指向させるように構成されたアンテナ指向装
置において、更に、低高度モード演算部204−2と中
高度モード演算部204−2と高高度モード演算部20
4−4とを含むモード演算部204と、モード演算部2
04にモード選択信号を出力するモード設定部203
と、を有し、衛星高度が低い低高度モードでは低高度モ
ード演算部204−2が作動され衛星高度が中位の中高
度モードでは中高度モード演算部204−3が作動され
衛星高度が天頂付近である高高度モードでは高高度モー
ド演算部204−4が作動されるように構成されてい
る。
図1及び図2に示すように、中心軸線X−Xを有し支持
部材41に支持されたアンテナ14と、アンテナ14及
び支持部材41を中心軸線X−Xに直交する仰角軸線Y
−Y周りに回転可能に支持する方位ジンバル40と、方
位ジンバル40を仰角軸線Y−Yに直交する方位軸線周
りに回転可能に支持する基台3と、仰角軸線Y−Yに平
行な入力軸線を有し支持部材41に固定された第1のジ
ャイロ44と、中心軸線X−Xと仰角軸線Y−Yの両者
に直交する入力軸線を有し支持部材41に固定された第
2のジャイロ45と、水平面に対する中心軸線X−Xの
傾斜角を指示する信号を出力する第1の加速度計46
と、水平面に対する仰角軸線Y−Yの傾斜角を指示する
信号を出力する第2の加速度計47と、方位ジンバル4
0の方位軸線Z−Z周りの回転角を指示する信号を出力
する方位発信器24と、方位ジンバル40に対する仰角
軸線Y−Y周りのアンテナ14の回転角を指示する信号
を出力する仰角発信器34と、基台3に取り付けられ入
力軸線に対応して方位ジンバル40を回転させる方位サ
ーボモータ23と、方位ジンバル40に取り付けられ入
力軸線に対応してアンテナ14を仰角軸線Y−Y周りに
回転させる仰角サーボモータ33と、方位ジンバル40
が基台3に対して所定の回転角度を越えて回転したとき
方位ジンバル40を反対方向に回転させるリワインド装
置71、72と、を有し、アンテナ14の中心軸線X−
Xを衛星に指向させるように構成されたアンテナ指向装
置において、更に、低高度モード演算部204−2と中
高度モード演算部204−2と高高度モード演算部20
4−4とを含むモード演算部204と、モード演算部2
04にモード選択信号を出力するモード設定部203
と、を有し、衛星高度が低い低高度モードでは低高度モ
ード演算部204−2が作動され衛星高度が中位の中高
度モードでは中高度モード演算部204−3が作動され
衛星高度が天頂付近である高高度モードでは高高度モー
ド演算部204−4が作動されるように構成されてい
る。
【0027】本発明によれば、アンテナ指向装置におい
て、低高度モードでは、第1のジャイロ44の出力は仰
角サーボモータ33に供給され第2のジャイロ45の出
力は方位サーボモータ23に供給されリワインド装置7
1、72は巻き戻し角360°にて巻き戻し動作をする
ことを特徴とする。
て、低高度モードでは、第1のジャイロ44の出力は仰
角サーボモータ33に供給され第2のジャイロ45の出
力は方位サーボモータ23に供給されリワインド装置7
1、72は巻き戻し角360°にて巻き戻し動作をする
ことを特徴とする。
【0028】本発明によれば、アンテナ指向装置におい
て、中高度モードでは、第1のジャイロ44の出力は仰
角サーボモータ33に供給され第2のジャイロ45の出
力は方位サーボモータ23に供給されリワインド装置7
1、72は巻き戻し角180°にて巻き戻し動作をする
ことを特徴とする。
て、中高度モードでは、第1のジャイロ44の出力は仰
角サーボモータ33に供給され第2のジャイロ45の出
力は方位サーボモータ23に供給されリワインド装置7
1、72は巻き戻し角180°にて巻き戻し動作をする
ことを特徴とする。
【0029】本発明によれば、アンテナ指向装置におい
て、高高度モードでは、仰角軸線Y−Yが船体の傾斜軸
線方位に整合するように方位ジンバル40の方位が制御
され、リワインド装置71、72は巻き戻し角180°
にて巻き戻し動作をすることを特徴とする。
て、高高度モードでは、仰角軸線Y−Yが船体の傾斜軸
線方位に整合するように方位ジンバル40の方位が制御
され、リワインド装置71、72は巻き戻し角180°
にて巻き戻し動作をすることを特徴とする。
【0030】本発明によれば、アンテナ指向装置におい
て、モード演算部204は更にアンテナ装置の起動時に
作動する起動モード演算部204−1を含むことを特徴
とする。
て、モード演算部204は更にアンテナ装置の起動時に
作動する起動モード演算部204−1を含むことを特徴
とする。
【0031】
【作用】起動モード演算部204−1と低高度モード演
算部204−2と中高度モード演算部204−3と高高
度モード演算部204−4との4つの演算部を含むモー
ド演算部204を設け、衛星高度が低い低高度モードで
は低高度モード演算部204−2が作動され衛星高度が
中位の中高度モードでは中高度モード演算部204−3
が作動され衛星高度が天頂付近である高高度モードでは
高高度モード演算部204−4が作動されるように構成
されているから、衛星高度がどのような高さであっても
指向誤差が少ないアンテナ指向装置を提供することがで
きる。
算部204−2と中高度モード演算部204−3と高高
度モード演算部204−4との4つの演算部を含むモー
ド演算部204を設け、衛星高度が低い低高度モードで
は低高度モード演算部204−2が作動され衛星高度が
中位の中高度モードでは中高度モード演算部204−3
が作動され衛星高度が天頂付近である高高度モードでは
高高度モード演算部204−4が作動されるように構成
されているから、衛星高度がどのような高さであっても
指向誤差が少ないアンテナ指向装置を提供することがで
きる。
【0032】
【実施例】以下に図1〜図4を参照して本発明の実施例
について説明する。尚図1〜図4において図5の対応す
る部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明は省
略する。
について説明する。尚図1〜図4において図5の対応す
る部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明は省
略する。
【0033】図1は、本発明のアンテナ指向装置の1例
を示しており、アンテナ指向装置は機構部100と制御
演算部200とを有する。同図において、制御演算部2
00は2点鎖線A−Aより左側に示され、機構部100
は2点鎖線A−Aより右側に示されている。
を示しており、アンテナ指向装置は機構部100と制御
演算部200とを有する。同図において、制御演算部2
00は2点鎖線A−Aより左側に示され、機構部100
は2点鎖線A−Aより右側に示されている。
【0034】本例によると、制御演算部200は衛星方
位/高度演算部201と衛星情報記憶部202とモード
設定部203とモード演算部204と方位/仰角ステッ
プモータ制御部205とを有する。
位/高度演算部201と衛星情報記憶部202とモード
設定部203とモード演算部204と方位/仰角ステッ
プモータ制御部205とを有する。
【0035】モード演算部204は起動モード演算部2
04−1と低高度モード演算部204−2と中高度モー
ド演算部204−3と高高度モード演算部204−4と
を有する。方位/仰角ステップモータ制御部205は方
位ステップモータ制御部205−1と仰角ステップモー
タ制御部205−2と方位角発信部205−3と仰角発
信部205−4とを有する。
04−1と低高度モード演算部204−2と中高度モー
ド演算部204−3と高高度モード演算部204−4と
を有する。方位/仰角ステップモータ制御部205は方
位ステップモータ制御部205−1と仰角ステップモー
タ制御部205−2と方位角発信部205−3と仰角発
信部205−4とを有する。
【0036】図2は本発明のアンテナ指向装置の機構部
100の1例を示しており、アンテナ指向装置の機構部
100は基台3と斯かる基台3に装着された方位ジンバ
ル40と方位ジンバル40の上端部のU字形部材に装着
された取り付け金具41と斯かる取り付け金具41に取
り付けられたアンテナ14とを有する。
100の1例を示しており、アンテナ指向装置の機構部
100は基台3と斯かる基台3に装着された方位ジンバ
ル40と方位ジンバル40の上端部のU字形部材に装着
された取り付け金具41と斯かる取り付け金具41に取
り付けられたアンテナ14とを有する。
【0037】アンテナ14は中心軸線X−Xを有してお
り、アンテナ14と斯かるアンテナ14に装着された取
り付け金具41とからなる組立体は中心軸線X−Xに直
交する仰角軸線Y−Yの周りに回転可能に支持されてい
る。方位ジンバル40は仰角軸線Y−Yと直交する方位
軸線周りに回転可能に基台3に支持されている。こうし
て、2軸に回転可能な支持機構が構成され、斯かる支持
機構はアンテナ14の中心軸線X−Xが衛星を指向する
ように制御される。
り、アンテナ14と斯かるアンテナ14に装着された取
り付け金具41とからなる組立体は中心軸線X−Xに直
交する仰角軸線Y−Yの周りに回転可能に支持されてい
る。方位ジンバル40は仰角軸線Y−Yと直交する方位
軸線周りに回転可能に基台3に支持されている。こうし
て、2軸に回転可能な支持機構が構成され、斯かる支持
機構はアンテナ14の中心軸線X−Xが衛星を指向する
ように制御される。
【0038】取り付け金具41には、仰角ジャイロ44
と方位ジャイロ45と第1の加速度計46及び第2の加
速度計47とが装着されている。仰角ジャイロ44によ
って仰角軸線Y−Y周りを回転するアンテナ14の回転
角速度が検出され、方位ジャイロ45によって仰角軸線
Y−Y及びアンテナ14の中心軸線X−Xの双方に直交
する軸線周りのアンテナ14の回転角速度が検出され、
第1の加速度計46によってアンテナ14の仰角軸線Y
−Y周りの傾斜角度が検出され、第2の加速度計47に
よってアンテナ14の中心軸線X−X周りの傾斜角度が
検出される。
と方位ジャイロ45と第1の加速度計46及び第2の加
速度計47とが装着されている。仰角ジャイロ44によ
って仰角軸線Y−Y周りを回転するアンテナ14の回転
角速度が検出され、方位ジャイロ45によって仰角軸線
Y−Y及びアンテナ14の中心軸線X−Xの双方に直交
する軸線周りのアンテナ14の回転角速度が検出され、
第1の加速度計46によってアンテナ14の仰角軸線Y
−Y周りの傾斜角度が検出され、第2の加速度計47に
よってアンテナ14の中心軸線X−X周りの傾斜角度が
検出される。
【0039】仰角ジャイロ44と方位ジャイロ45は例
えば振動ジャイロ、レートジャイロ等の角速度検出型ジ
ャイロであってよい。
えば振動ジャイロ、レートジャイロ等の角速度検出型ジ
ャイロであってよい。
【0040】本例では方位サーボモータ23及び仰角サ
ーボモータ33にステップモータが使用されている。ス
テップモータを用いる場合には、方位ジンバル40のU
字形部40−2の一方の脚部には仰角ゼロクロスピック
アップ36が装着され、基台3のブリッジ部3−1には
方位ゼロクロスピックアップ26が装着される。方位ゼ
ロクロスピックアップ26の出力信号は方位角発信部2
05−3に入力され、仰角ゼロクロスピックアップ36
の出力信号は仰角発信部205−4に入力されるように
接続されている。
ーボモータ33にステップモータが使用されている。ス
テップモータを用いる場合には、方位ジンバル40のU
字形部40−2の一方の脚部には仰角ゼロクロスピック
アップ36が装着され、基台3のブリッジ部3−1には
方位ゼロクロスピックアップ26が装着される。方位ゼ
ロクロスピックアップ26の出力信号は方位角発信部2
05−3に入力され、仰角ゼロクロスピックアップ36
の出力信号は仰角発信部205−4に入力されるように
接続されている。
【0041】方位角発信部205−3は、方位ジンバル
40の方位軸線Z−Z周りの回転角φを指示する信号を
出力し、仰角発信部205−4はアンテナ14の仰角軸
線Y−Y周りの回転角θを指示する信号を出力する。本
例では、従来例にて使用されていた方位発信器24及び
仰角発信器34を省略することができる。
40の方位軸線Z−Z周りの回転角φを指示する信号を
出力し、仰角発信部205−4はアンテナ14の仰角軸
線Y−Y周りの回転角θを指示する信号を出力する。本
例では、従来例にて使用されていた方位発信器24及び
仰角発信器34を省略することができる。
【0042】本例のアンテナ指向装置は、図5の従来例
と同様な仰角制御ループと方位角制御ループとを有す
る。尚、アンテナ14の中心軸線X−Xが水平面となす
角をアンテナの仰角θA とし、アンテナ14の中心軸線
X−Xが水平面上で子午線Nとなす角をアンテナの方位
角φA とする。
と同様な仰角制御ループと方位角制御ループとを有す
る。尚、アンテナ14の中心軸線X−Xが水平面となす
角をアンテナの仰角θA とし、アンテナ14の中心軸線
X−Xが水平面上で子午線Nとなす角をアンテナの方位
角φA とする。
【0043】仰角制御ループはアンテナの仰角θA が衛
星高度角θS に一致するようにアンテナ14を仰角軸線
Y−Y周りに回転させるよう構成されており、第1の及
び第2のループを含む。第1のループにおいて、仰角ジ
ャイロ44の出力は積分器54及び増幅器55を介して
仰角サーボモータ33にフィードバックされる。それに
よって船体が動揺しても慣性空間に対するアンテナ14
の仰角軸線Y−Y周りの角速度は常にゼロに保持され
る。
星高度角θS に一致するようにアンテナ14を仰角軸線
Y−Y周りに回転させるよう構成されており、第1の及
び第2のループを含む。第1のループにおいて、仰角ジ
ャイロ44の出力は積分器54及び増幅器55を介して
仰角サーボモータ33にフィードバックされる。それに
よって船体が動揺しても慣性空間に対するアンテナ14
の仰角軸線Y−Y周りの角速度は常にゼロに保持され
る。
【0044】第2のループにおいて、第1の加速度計4
6からの出力信号は、アークサイン演算器57を経由し
た後、例えば手動設定された衛星高度角θS を指示する
信号によって減ぜられ、更に、減衰器56を経由して積
分器54及び増幅器55に入力される。このループは、
アンテナ14の仰角θA を衛星高度角θS に一致させる
ための適当な時定数を有する。尚、減衰器56に仰角ジ
ャイロ44のドリフト変動を補償させるために積分特性
を具備させることも可能である。
6からの出力信号は、アークサイン演算器57を経由し
た後、例えば手動設定された衛星高度角θS を指示する
信号によって減ぜられ、更に、減衰器56を経由して積
分器54及び増幅器55に入力される。このループは、
アンテナ14の仰角θA を衛星高度角θS に一致させる
ための適当な時定数を有する。尚、減衰器56に仰角ジ
ャイロ44のドリフト変動を補償させるために積分特性
を具備させることも可能である。
【0045】方位角制御ループは4つの機能を有する。
第1の機能は衛星高度角θS が低高度又は中高度のとき
にアンテナ14の方位角φA が衛星方位角φS に一致す
るように方位ジンバル40の方位を制御するものであ
る。これは方位角制御ループの通常の機能であり、ジン
バルロック現象が生ずる可能性が少ない低高度又は中高
度モードにて作動する。
第1の機能は衛星高度角θS が低高度又は中高度のとき
にアンテナ14の方位角φA が衛星方位角φS に一致す
るように方位ジンバル40の方位を制御するものであ
る。これは方位角制御ループの通常の機能であり、ジン
バルロック現象が生ずる可能性が少ない低高度又は中高
度モードにて作動する。
【0046】第2の機能は中高度モードにて船体の動揺
角が大きい時に発生するジンバルロック現象を防止する
ために備えられている。第3の機能は衛星高度角θS が
90°付近の高高度のときにアンテナ14の仰角軸線Y
−Yが船体の傾斜軸線方位に整合するように方位ジンバ
ル40の方位を制御するものであり、第4の機能はリワ
インド機能であり、方位ジンバル40が所定の方位を越
えて回転したとき方位ジンバル40を反対方向に例えば
180°又は360°回転させるものである。
角が大きい時に発生するジンバルロック現象を防止する
ために備えられている。第3の機能は衛星高度角θS が
90°付近の高高度のときにアンテナ14の仰角軸線Y
−Yが船体の傾斜軸線方位に整合するように方位ジンバ
ル40の方位を制御するものであり、第4の機能はリワ
インド機能であり、方位ジンバル40が所定の方位を越
えて回転したとき方位ジンバル40を反対方向に例えば
180°又は360°回転させるものである。
【0047】こうして、仰角制御ループと方位角制御ル
ープとによってアンテナ14はその中心軸線X−Xが衛
星方向に指向するように構成されている。
ープとによってアンテナ14はその中心軸線X−Xが衛
星方向に指向するように構成されている。
【0048】次に、本発明のアンテナ指向装置の動作を
説明する。アンテナ指向装置は4つのモードにより作動
し、斯かるモードはアンテナ指向装置を起動するための
起動モードと衛星高度角が低高度にあるときの低高度モ
ードと衛星高度角が中高度にあるときの中高度モードと
衛星高度角が高高度にあるときの高高度モードとを含
む。
説明する。アンテナ指向装置は4つのモードにより作動
し、斯かるモードはアンテナ指向装置を起動するための
起動モードと衛星高度角が低高度にあるときの低高度モ
ードと衛星高度角が中高度にあるときの中高度モードと
衛星高度角が高高度にあるときの高高度モードとを含
む。
【0049】衛星方位/高度演算部201は、衛星情報
記憶部202から供給された指向すべき衛星の高度及び
位置情報と、更に、自船の位置情報とに基づいて、自船
から観測した衛星の高度及び方位角を演算して、それを
示す信号をモード設定部203及びモード演算部204
に出力する。
記憶部202から供給された指向すべき衛星の高度及び
位置情報と、更に、自船の位置情報とに基づいて、自船
から観測した衛星の高度及び方位角を演算して、それを
示す信号をモード設定部203及びモード演算部204
に出力する。
【0050】モード設定部203は、パワーオン信号と
衛星情報記憶部202から供給された信号とに基づいて
4つのモードより1つのモードを選択するモード選択信
号を出力する。モード演算部204はモード選択信号に
基づいて、4つのモード演算部204−1〜204−4
のうち選択された1つのモード演算部を作動させる。以
下に4つのモードについて説明する。
衛星情報記憶部202から供給された信号とに基づいて
4つのモードより1つのモードを選択するモード選択信
号を出力する。モード演算部204はモード選択信号に
基づいて、4つのモード演算部204−1〜204−4
のうち選択された1つのモード演算部を作動させる。以
下に4つのモードについて説明する。
【0051】(A)起動モード 起動モードはアンテナ指向装置を起動させるときのモー
ドであり、斯かるモードでは起動モード演算部204−
1がパワーオン信号の入力より所定時間作動される。方
位サーボモータ23及び仰角サーボモータ33が制御さ
れ、方位ジンバル40の方位φとアンテナ14の仰角θ
が調節される。尚、本例によれば、方位サーボモータ2
3及び仰角サーボモータ33はステップモータである。
ドであり、斯かるモードでは起動モード演算部204−
1がパワーオン信号の入力より所定時間作動される。方
位サーボモータ23及び仰角サーボモータ33が制御さ
れ、方位ジンバル40の方位φとアンテナ14の仰角θ
が調節される。尚、本例によれば、方位サーボモータ2
3及び仰角サーボモータ33はステップモータである。
【0052】このとき、仰角ゼロクロスピックアップ3
6及び方位ゼロクロスピックアップ26よりパルス信号
が出力され、方位角発信部205−3及び仰角発信部2
05−4からの出力信号がリセットされる。所定時間経
過後、モード選択信号によって他の3つのモード演算部
204−2〜204−4のうち選択された1つのモード
演算部が作動する。
6及び方位ゼロクロスピックアップ26よりパルス信号
が出力され、方位角発信部205−3及び仰角発信部2
05−4からの出力信号がリセットされる。所定時間経
過後、モード選択信号によって他の3つのモード演算部
204−2〜204−4のうち選択された1つのモード
演算部が作動する。
【0053】(B)低高度モード 低高度モードは衛星高度角が0°(水平)〜約60°の
ときのモードであり、方位制御ループの第1の機能と第
4の機能即ちリワインド機能が作動する。斯かる第1の
機能は、図5を参照して従来例にて説明した如き通常の
方位角制御ループの有する機能である。このモードで
は、船体が最大動揺角(通常20°〜30°)にて動揺
しても、アンテナ14の中心軸線X−Xが方位軸線Z−
Zと平行となるジンバルロック現象は生じない。尚、詳
細は例えば本願の出願人と同一の出願人による特願昭6
0−153044号を参照されたい。
ときのモードであり、方位制御ループの第1の機能と第
4の機能即ちリワインド機能が作動する。斯かる第1の
機能は、図5を参照して従来例にて説明した如き通常の
方位角制御ループの有する機能である。このモードで
は、船体が最大動揺角(通常20°〜30°)にて動揺
しても、アンテナ14の中心軸線X−Xが方位軸線Z−
Zと平行となるジンバルロック現象は生じない。尚、詳
細は例えば本願の出願人と同一の出願人による特願昭6
0−153044号を参照されたい。
【0054】仰角ジャイロ44の出力は積分器54及び
増幅器55を介して仰角サーボモータ33にフィードバ
ックされ、それによって船体が動揺しても慣性空間に対
するアンテナ14の仰角軸線Y−Y周りの角速度は常に
ゼロに保持される。
増幅器55を介して仰角サーボモータ33にフィードバ
ックされ、それによって船体が動揺しても慣性空間に対
するアンテナ14の仰角軸線Y−Y周りの角速度は常に
ゼロに保持される。
【0055】方位ジャイロ45の出力信号は積分器58
(図5参照)及び増幅器59を介して方位サーボモータ
23にフィードバックされ、それによって船体がアンテ
ナ14の中心軸線X−X及び仰角軸線Y−Yの両者に直
交する軸線周りに回転運動しても慣性空間に対するアン
テナ14の斯かる軸線周りの角速度は常にゼロに保持さ
れる。
(図5参照)及び増幅器59を介して方位サーボモータ
23にフィードバックされ、それによって船体がアンテ
ナ14の中心軸線X−X及び仰角軸線Y−Yの両者に直
交する軸線周りに回転運動しても慣性空間に対するアン
テナ14の斯かる軸線周りの角速度は常にゼロに保持さ
れる。
【0056】次に、方位制御ループの第4の機能即ちリ
ワインド機能について説明する。リワインド機能は、方
位角制御ループの方位角発信部205−3とリワインド
制御器71とゲイン切替え回路72とを含むリワインド
機構によって提供される。
ワインド機能について説明する。リワインド機能は、方
位角制御ループの方位角発信部205−3とリワインド
制御器71とゲイン切替え回路72とを含むリワインド
機構によって提供される。
【0057】方位角発信部205−3によって方位軸線
Z−Z周りのアンテナ14の回転角が所定の回転角度、
例えば、船体の首尾線方位に対して±270度以上回転
したことが検出されると、リワインド機構が作動され
る。斯かるリワインド機構は360°リワインド方式で
あり、アンテナ14は方位軸線Z−Z周りに360°反
対方向に回転され、従ってリワインド後のアンテナ14
はリワインド直前と同一方位に配置される。
Z−Z周りのアンテナ14の回転角が所定の回転角度、
例えば、船体の首尾線方位に対して±270度以上回転
したことが検出されると、リワインド機構が作動され
る。斯かるリワインド機構は360°リワインド方式で
あり、アンテナ14は方位軸線Z−Z周りに360°反
対方向に回転され、従ってリワインド後のアンテナ14
はリワインド直前と同一方位に配置される。
【0058】360°リワインド方式は後に説明する1
80°リワインド方式と比較して、180°リワインド
方式の場合に必要な仰角誤差の補正機構を供えない点が
異なるがそれ以外は同一であってよい。従って、360
°リワインド方式の詳細は、以下の(C)中高度モード
の項を参照されたい。
80°リワインド方式と比較して、180°リワインド
方式の場合に必要な仰角誤差の補正機構を供えない点が
異なるがそれ以外は同一であってよい。従って、360
°リワインド方式の詳細は、以下の(C)中高度モード
の項を参照されたい。
【0059】(C)中高度モード 中高度モードは衛星高度角θS が約60°〜約85°の
ときのモードであり、方位制御ループの第2の機能と第
4の機能即ちリワインド機能が作動する。先ず、第2の
機能を簡単に説明するが、詳細は例えば本願の出願人と
同一の出願人による特願平4−255056号を参照さ
れたい。
ときのモードであり、方位制御ループの第2の機能と第
4の機能即ちリワインド機能が作動する。先ず、第2の
機能を簡単に説明するが、詳細は例えば本願の出願人と
同一の出願人による特願平4−255056号を参照さ
れたい。
【0060】斯かる第2の機能はアンテナの回転角θ
(船体面に対するアンテナ14の仰角軸線Y−Y周りの
傾斜角度)が大きいときにアンテナの指向精度が低下す
ることを防止するように働く。斯かる機能は仰角発信部
205−4の出力側に設けられたsecθ演算器76と
ON/OFF器78によって提供される。尚、secθ
演算器76とON/OFF器78は図2にて仮想線にて
示す。
(船体面に対するアンテナ14の仰角軸線Y−Y周りの
傾斜角度)が大きいときにアンテナの指向精度が低下す
ることを防止するように働く。斯かる機能は仰角発信部
205−4の出力側に設けられたsecθ演算器76と
ON/OFF器78によって提供される。尚、secθ
演算器76とON/OFF器78は図2にて仮想線にて
示す。
【0061】ラプラス変換した後のアンテナの回転角φ
を示す伝達関数は、分母に係数としてKcosθを有す
る項を含むから、アンテナの回転角θが大きいときは方
位制御ループの周波数特性が悪くなりアンテナの指向精
度が低下する。従って、仰角発信部205−4の出力側
にsecθ演算器76を設け、仰角発信部205−4よ
り供給された仰角軸線Y−Y周りのアンテナの傾斜角度
θを用いてsecθ値を計算し、斯かるsecθ値を方
位ジャイロ45より供給された(dφ/dt)・cos
θに乗算するように構成されている。
を示す伝達関数は、分母に係数としてKcosθを有す
る項を含むから、アンテナの回転角θが大きいときは方
位制御ループの周波数特性が悪くなりアンテナの指向精
度が低下する。従って、仰角発信部205−4の出力側
にsecθ演算器76を設け、仰角発信部205−4よ
り供給された仰角軸線Y−Y周りのアンテナの傾斜角度
θを用いてsecθ値を計算し、斯かるsecθ値を方
位ジャイロ45より供給された(dφ/dt)・cos
θに乗算するように構成されている。
【0062】こうして、ラプラス変換した後のアンテナ
の回転角φを示す伝達関数は、分母に係数としてcos
θを有する項を含まないから、アンテナの回転角θが大
きいときでも方位制御ループの周波数特性が悪くなるこ
とはない。
の回転角φを示す伝達関数は、分母に係数としてcos
θを有する項を含まないから、アンテナの回転角θが大
きいときでも方位制御ループの周波数特性が悪くなるこ
とはない。
【0063】衛星高度角θS が高高度でなく中高度であ
っても、ジンバルロック現象が生ずることがある。ジン
バルロック現象はアンテナ14の中心軸線X−Xが方位
軸線Z−Zと平行となる現象だから、衛星高度角θS が
中高度であっても船体の動揺が大きく、アンテナ14が
船体に対して相対的に仰角軸線Y−Y周りに大きく回転
すると瞬間的にアンテナ14の中心軸線X−Xが方位軸
線Z−Zと平行となることがある。
っても、ジンバルロック現象が生ずることがある。ジン
バルロック現象はアンテナ14の中心軸線X−Xが方位
軸線Z−Zと平行となる現象だから、衛星高度角θS が
中高度であっても船体の動揺が大きく、アンテナ14が
船体に対して相対的に仰角軸線Y−Y周りに大きく回転
すると瞬間的にアンテナ14の中心軸線X−Xが方位軸
線Z−Zと平行となることがある。
【0064】斯かる瞬間に、アンテナ14の中心軸線X
−Xと仰角軸線Y−Yの双方に直交する軸線周りに角速
度が発生すると、斯かる角速度は方位ジャイロ45によ
って検出され、方位サーボモータ23に命令信号が送ら
れる。こうしてアンテナ14は方位軸線Z−Z周りに回
転される。方位制御ループによって、上述のように、方
位サーボモータ23の回転角度は方位ジャイロ45にフ
ィードバックされ、アンテナ14の中心軸線X−Xと仰
角軸線Y−Yの双方に直交する軸線周りに角速度がゼロ
となるように構成されている。
−Xと仰角軸線Y−Yの双方に直交する軸線周りに角速
度が発生すると、斯かる角速度は方位ジャイロ45によ
って検出され、方位サーボモータ23に命令信号が送ら
れる。こうしてアンテナ14は方位軸線Z−Z周りに回
転される。方位制御ループによって、上述のように、方
位サーボモータ23の回転角度は方位ジャイロ45にフ
ィードバックされ、アンテナ14の中心軸線X−Xと仰
角軸線Y−Yの双方に直交する軸線周りに角速度がゼロ
となるように構成されている。
【0065】しかしながら、斯かる状態では中心軸線X
−Xと仰角軸線Y−Yの双方に直交する軸線は方位軸線
Z−Zに略直交しているため、アンテナ14を方位軸線
Z−Z周りに回転させても、アンテナ14の中心軸線X
−Xと仰角軸線Y−Yの双方に直交する軸線周りの角速
度がゼロとならない。従って、方位制御ループは作動し
続け、方位ジャイロ45から方位サーボモータ23に命
令信号が送られ続ける。こうして、ジンバルロック現象
が生じ、方位サーボモータ23は一種の暴走状態とな
る。
−Xと仰角軸線Y−Yの双方に直交する軸線は方位軸線
Z−Zに略直交しているため、アンテナ14を方位軸線
Z−Z周りに回転させても、アンテナ14の中心軸線X
−Xと仰角軸線Y−Yの双方に直交する軸線周りの角速
度がゼロとならない。従って、方位制御ループは作動し
続け、方位ジャイロ45から方位サーボモータ23に命
令信号が送られ続ける。こうして、ジンバルロック現象
が生じ、方位サーボモータ23は一種の暴走状態とな
る。
【0066】従って、方位ジャイロ45の出力側にON
/OFF器78を設け、ジンバルロック現象が起きる可
能性が高いときには斯かるON/OFF器78が作動し
て、方位ジャイロ45から方位サーボモータ23に命令
信号が供給されることが一時的に停止されるように構成
されている。こうして、方位ジャイロ45からの命令信
号が遮断されるから、アンテナ14の中心軸線X−Xが
方位軸線Z−Zと平行となっても、方位サーボモータ2
3が暴走状態となることはない。
/OFF器78を設け、ジンバルロック現象が起きる可
能性が高いときには斯かるON/OFF器78が作動し
て、方位ジャイロ45から方位サーボモータ23に命令
信号が供給されることが一時的に停止されるように構成
されている。こうして、方位ジャイロ45からの命令信
号が遮断されるから、アンテナ14の中心軸線X−Xが
方位軸線Z−Zと平行となっても、方位サーボモータ2
3が暴走状態となることはない。
【0067】つぎに、方位制御ループの第4の機能即ち
リワインド機能に付いて説明する。低高度モードではリ
ワインド機構によってアンテナ14は方位軸線Z−Z周
りに反対方向に360°回転されるように構成されてい
たが、中高度モードではリワインド機構によってアンテ
ナ14は方位軸線Z−Z周りに反対方向に180°回転
されるように構成されている。180°リワインド方式
は360°リワインド方式に比べて、リワインド時間が
短く従ってリワインド中の制御ループの停止時間を短く
することができる利点がある。しかしながら、リワイン
ドによって仰角誤差が生ずる欠点があり、斯かる仰角誤
差を補正する機能が必要となる。
リワインド機能に付いて説明する。低高度モードではリ
ワインド機構によってアンテナ14は方位軸線Z−Z周
りに反対方向に360°回転されるように構成されてい
たが、中高度モードではリワインド機構によってアンテ
ナ14は方位軸線Z−Z周りに反対方向に180°回転
されるように構成されている。180°リワインド方式
は360°リワインド方式に比べて、リワインド時間が
短く従ってリワインド中の制御ループの停止時間を短く
することができる利点がある。しかしながら、リワイン
ドによって仰角誤差が生ずる欠点があり、斯かる仰角誤
差を補正する機能が必要となる。
【0068】図3を参照して、180°リワインド方式
に於ける仰角誤差の発生機構とそれを補正する方法を説
明する。図3Aは船体面に垂直な方位軸線Z−Zと斯か
る方位軸線Z−Zに直交する仰角軸線Y−Yの関係を示
す。アンテナ14の中心軸線X−Xは衛星方向を指向し
ているものとする。船体面が水平面に平行な状態から水
平面に対して仰角軸線Y−Y周りに回転角度ξ0 だけ回
転したとする。簡単のため、仰角軸線Y−Yは水平面上
にあるものとする。すると船体面に垂直な方位軸線Z−
Zも仰角軸線Y−Y周りに回転角度ξ0 だけ回転する。
に於ける仰角誤差の発生機構とそれを補正する方法を説
明する。図3Aは船体面に垂直な方位軸線Z−Zと斯か
る方位軸線Z−Zに直交する仰角軸線Y−Yの関係を示
す。アンテナ14の中心軸線X−Xは衛星方向を指向し
ているものとする。船体面が水平面に平行な状態から水
平面に対して仰角軸線Y−Y周りに回転角度ξ0 だけ回
転したとする。簡単のため、仰角軸線Y−Yは水平面上
にあるものとする。すると船体面に垂直な方位軸線Z−
Zも仰角軸線Y−Y周りに回転角度ξ0 だけ回転する。
【0069】図3Bは図3Aの状態にて、方位軸線Z−
Zを含み船体面に垂直な面で切断した断面図である。船
体面に垂直な方位軸線Z−Zがリワインド軸線である。
アンテナ14がリワインド軸線周りに180°回転する
と、アンテナ14の中心軸線X−Xは、X’−X’に移
動する。リワインド前のアンテナ14の中心軸線X−X
とリワインド後のアンテナ14の中心軸線X’−X’の
なす角が仰角誤差θEである。図3Bより斯かる仰角誤
差θE は容易に求められ、次の数1の式によって表され
る。
Zを含み船体面に垂直な面で切断した断面図である。船
体面に垂直な方位軸線Z−Zがリワインド軸線である。
アンテナ14がリワインド軸線周りに180°回転する
と、アンテナ14の中心軸線X−Xは、X’−X’に移
動する。リワインド前のアンテナ14の中心軸線X−X
とリワインド後のアンテナ14の中心軸線X’−X’の
なす角が仰角誤差θEである。図3Bより斯かる仰角誤
差θE は容易に求められ、次の数1の式によって表され
る。
【0070】
【数1】 θE =2{π/2−(θS −ξ0 )}=2(π/2−θ)=π−2θ
【0071】ここに、θS は衛星の高度角、ξ0 は仰角
軸線Y−Y周りの船体の回転角度、θは船体面に対する
仰角軸線Y−Y周りのアンテナ14の回転角度である。
軸線Y−Y周りの船体の回転角度、θは船体面に対する
仰角軸線Y−Y周りのアンテナ14の回転角度である。
【0072】尚、衛星の高度角θS が90°のときは数
1の式にθS =π/2を代入して、仰角誤差はθE =2
ξ0 である。
1の式にθS =π/2を代入して、仰角誤差はθE =2
ξ0 である。
【0073】リワインド機構には斯かる仰角誤差θE を
修正する機能が備えられており、仰角誤差θE に相当す
る角度だけアンテナ14は仰角軸線Y−Y周りに反対方
向に回転される。斯かるアンテナ14は仰角軸線Y−Y
周りの回転は、好ましくは、リワインド中になされる。
リワインド時間をTRとすれば、仰角軸線Y−Y周りの
アンテナ14の回転角速度を(π−2θ)/TRとすれ
ば、リワインド終了時点で仰角誤差θE が修正される。
修正する機能が備えられており、仰角誤差θE に相当す
る角度だけアンテナ14は仰角軸線Y−Y周りに反対方
向に回転される。斯かるアンテナ14は仰角軸線Y−Y
周りの回転は、好ましくは、リワインド中になされる。
リワインド時間をTRとすれば、仰角軸線Y−Y周りの
アンテナ14の回転角速度を(π−2θ)/TRとすれ
ば、リワインド終了時点で仰角誤差θE が修正される。
【0074】仰角誤差θE の修正のための命令信号及び
回転角速度(π−2θ)/TRを指示する信号は、図示
しないが、リワインド機構より仰角制御ループに供給さ
れる。例えば、斯かる命令信号及び回転角速度信号は積
分器54に入力するように構成してよい。
回転角速度(π−2θ)/TRを指示する信号は、図示
しないが、リワインド機構より仰角制御ループに供給さ
れる。例えば、斯かる命令信号及び回転角速度信号は積
分器54に入力するように構成してよい。
【0075】こうして、本例では、180°リワインド
にて生ずる仰角誤差θE は、リワインド中に補正される
ように構成されているため、リワインド終了時点でアン
テナ14の指向誤差が生ずることはない。
にて生ずる仰角誤差θE は、リワインド中に補正される
ように構成されているため、リワインド終了時点でアン
テナ14の指向誤差が生ずることはない。
【0076】尚、上述の例では、リワインド終了時点で
仰角誤差θE が修正されるように、アンテナ14の回転
角速度を(π−2θ)/TRとしたが、回転角速度の代
わりに、リワインド角に対するアンテナ14の回転角を
制御するように構成してもよい。斯かる場合、リワイン
ドに対するアンテナ14の仰角軸線Y−Y周りの修正回
転角を(π−2θ)とすればよい。
仰角誤差θE が修正されるように、アンテナ14の回転
角速度を(π−2θ)/TRとしたが、回転角速度の代
わりに、リワインド角に対するアンテナ14の回転角を
制御するように構成してもよい。斯かる場合、リワイン
ドに対するアンテナ14の仰角軸線Y−Y周りの修正回
転角を(π−2θ)とすればよい。
【0077】図4に180°リワインド方式の構成を示
す。図4と図2との関係について説明すると、図2にお
ける方位サーボモータ(ステップモータ)23が図4に
おける電圧−周波数変換器23−1と1/N歯車列23
−2に相当し、図2における方位角発信部205−3が
図4における1/NS分周器24−1に相当する。
す。図4と図2との関係について説明すると、図2にお
ける方位サーボモータ(ステップモータ)23が図4に
おける電圧−周波数変換器23−1と1/N歯車列23
−2に相当し、図2における方位角発信部205−3が
図4における1/NS分周器24−1に相当する。
【0078】電圧−周波数変換器23−1より方位サー
ボモータ(ステップモータ)23を回転させるためのパ
ルスレートNdφ/dtが出力され、1/N歯車列23
−2より方位サーボモータ(ステップモータ)23の回
転速度dφ/dtが出力される。電圧−周波数変換器2
3−1より出力されたパルスレートNdφ/dtは1/
NS分周器24−1に供給され、斯かる1/NS分周器
24−1より方位ジンバル40の回転角φが出力され
る。1/NS分周器(Sはラプラス演算子)24−1は
カウンタより構成されている。
ボモータ(ステップモータ)23を回転させるためのパ
ルスレートNdφ/dtが出力され、1/N歯車列23
−2より方位サーボモータ(ステップモータ)23の回
転速度dφ/dtが出力される。電圧−周波数変換器2
3−1より出力されたパルスレートNdφ/dtは1/
NS分周器24−1に供給され、斯かる1/NS分周器
24−1より方位ジンバル40の回転角φが出力され
る。1/NS分周器(Sはラプラス演算子)24−1は
カウンタより構成されている。
【0079】方位ジャイロ45には、方位サーボモータ
(ステップモータ)23によって得られた回転角速度d
φ/dtのcos成分と船体の方位運動による角速度成
分が入力される。方位ジャイロ45の出力信号は積分器
58と増幅器59を経由して方位サーボモータ(ステッ
プモータ)23にフィードバックされる。こうして、ア
ンテナ14はアンテナ14の中心軸線X−X及び仰角軸
線Y−Yの双方に直交する軸線周りの船体の角運動に対
して安定化される。
(ステップモータ)23によって得られた回転角速度d
φ/dtのcos成分と船体の方位運動による角速度成
分が入力される。方位ジャイロ45の出力信号は積分器
58と増幅器59を経由して方位サーボモータ(ステッ
プモータ)23にフィードバックされる。こうして、ア
ンテナ14はアンテナ14の中心軸線X−X及び仰角軸
線Y−Yの双方に直交する軸線周りの船体の角運動に対
して安定化される。
【0080】尚、アンテナ14の方位角φA を衛星の方
位角φS に一致させるための方位制御ループが示されて
おり、斯かる方位制御ループは1/NS分周器24−1
と加算器61と減衰器60と積分器58よりなり、所定
の時定数を有する。加算器61では、船首方位角φC と
船首方位に対する方位ジンバル40の回転角度φとの和
に衛星の方位角φS が減算される。斯かる値が零となる
まで方位ジンバル40は回転するように制御される。
位角φS に一致させるための方位制御ループが示されて
おり、斯かる方位制御ループは1/NS分周器24−1
と加算器61と減衰器60と積分器58よりなり、所定
の時定数を有する。加算器61では、船首方位角φC と
船首方位に対する方位ジンバル40の回転角度φとの和
に衛星の方位角φS が減算される。斯かる値が零となる
まで方位ジンバル40は回転するように制御される。
【0081】
【数2】 φ+φC −φS =0 ∴ φ=φS −φC
【0082】こうして、斯かる数2の式の第1式の左辺
が0となったとき、方位ジンバル40は静止し、このと
きアンテナ14の中心軸線X−Xは衛星方位φS に指向
している。
が0となったとき、方位ジンバル40は静止し、このと
きアンテナ14の中心軸線X−Xは衛星方位φS に指向
している。
【0083】斯かる方位制御ループに付属してリワイン
ド機構が設けられている。リワインド機構はリワインド
制御器71とゲイン切替え回路72とを有する。1/N
S分周器24−1より得られた方位ジンバル40の回転
角φはリワインド制御器71に入力され、斯かるリワイ
ンド制御器71は方位ジンバル40の回転角φが基準方
位より例えば±270°を越えたか否かを判断する。方
位ジンバル40の回転角φが基準方位より例えば±27
0°を越えた場合には、リワインド制御器71は加算器
61に+π信号又は−π信号を供給する。
ド機構が設けられている。リワインド機構はリワインド
制御器71とゲイン切替え回路72とを有する。1/N
S分周器24−1より得られた方位ジンバル40の回転
角φはリワインド制御器71に入力され、斯かるリワイ
ンド制御器71は方位ジンバル40の回転角φが基準方
位より例えば±270°を越えたか否かを判断する。方
位ジンバル40の回転角φが基準方位より例えば±27
0°を越えた場合には、リワインド制御器71は加算器
61に+π信号又は−π信号を供給する。
【0084】加算器61は1/NS分周器24−1より
得られた方位ジンバル40の回転角φとリワインド制御
器71より得られた+π信号又は−π信号と更に船首方
位φ C 及び衛星方位φS とを加算する。こうしてリワイ
ンド制御器71より出力された+π信号又は−π信号は
方位制御ループに供給され、アンテナ14は方位軸線Z
−Z周りに±180°回転し、ケーブル70の捩じれが
解かれる。
得られた方位ジンバル40の回転角φとリワインド制御
器71より得られた+π信号又は−π信号と更に船首方
位φ C 及び衛星方位φS とを加算する。こうしてリワイ
ンド制御器71より出力された+π信号又は−π信号は
方位制御ループに供給され、アンテナ14は方位軸線Z
−Z周りに±180°回転し、ケーブル70の捩じれが
解かれる。
【0085】このとき、加算器61では数2の式と同様
に次の数3の式が演算される。
に次の数3の式が演算される。
【0086】
【数3】 φ+φC −φS ±π=0 ∴ φ=φS −φC ±π
【0087】尚、ゲイン切替え回路72にはリワインド
制御器71より出力された+π信号又は−π信号と加算
器61より出力された回転角信号が入力される。ゲイン
切替え回路72は、リワインド制御器71より+π信号
又は−π信号が供給された場合にはゲインを変化させる
ための命令信号を減衰器60に供給する。減衰器60は
斯かるゲイン切替え回路72から供給された命令信号に
基づいてそのゲインを数10〜数1000倍に増加させ
る。従って、リワインド中は方位ジンバル40は通常の
制御状態の場合より早い回転速度で方位軸線Z−Z周り
を回転する。
制御器71より出力された+π信号又は−π信号と加算
器61より出力された回転角信号が入力される。ゲイン
切替え回路72は、リワインド制御器71より+π信号
又は−π信号が供給された場合にはゲインを変化させる
ための命令信号を減衰器60に供給する。減衰器60は
斯かるゲイン切替え回路72から供給された命令信号に
基づいてそのゲインを数10〜数1000倍に増加させ
る。従って、リワインド中は方位ジンバル40は通常の
制御状態の場合より早い回転速度で方位軸線Z−Z周り
を回転する。
【0088】ゲイン切替え回路72は、加算器61より
供給された回転角信号が所定値より小さくなったとき例
えば零となったとき、ゲインを元の値に変化させるため
の命令信号を減衰器60に供給する。減衰器60は斯か
るゲイン切替え回路72から供給された命令信号に基づ
いてそのゲインを元の値に戻す。
供給された回転角信号が所定値より小さくなったとき例
えば零となったとき、ゲインを元の値に変化させるため
の命令信号を減衰器60に供給する。減衰器60は斯か
るゲイン切替え回路72から供給された命令信号に基づ
いてそのゲインを元の値に戻す。
【0089】(D)高高度モード 高高度モードは衛星高度角θS が約85°〜90°のと
きのモードであり、方位制御ループの第3の機能と第4
の機能即ちリワインド機能が作動する。先ず、第3の機
能を簡単に説明するが、詳細は例えば本願の出願人と同
一の出願人による特願平4−51907号を参照された
い。
きのモードであり、方位制御ループの第3の機能と第4
の機能即ちリワインド機能が作動する。先ず、第3の機
能を簡単に説明するが、詳細は例えば本願の出願人と同
一の出願人による特願平4−51907号を参照された
い。
【0090】衛星高度角θS が約85°〜90°のとき
は船体の動揺の大きさに関係なく常にアンテナ14の中
心軸線X−Xが方位軸線Z−Zに平行となるジンバルロ
ック現象が起きる可能性がある。従って、本例による
と、衛星高度角θS が約85°〜90°のときにジンバ
ルロック現象が生じないように構成されている。
は船体の動揺の大きさに関係なく常にアンテナ14の中
心軸線X−Xが方位軸線Z−Zに平行となるジンバルロ
ック現象が起きる可能性がある。従って、本例による
と、衛星高度角θS が約85°〜90°のときにジンバ
ルロック現象が生じないように構成されている。
【0091】この第3の機能は次の原理に基づいてい
る。即ち、船体の動揺は必ず水平面内の1つの回転軸線
(船体の傾斜軸線)周りの回転運動であると考えること
ができる、従って、仰角軸線Y−Yが常にこの回転軸線
の方位φT に整合するように方位ジンバル40の方位を
制御すれば、衛星高度角が高いときでも常にアンテナ1
4の中心軸線X−Xを天頂方向に指向させることができ
る。
る。即ち、船体の動揺は必ず水平面内の1つの回転軸線
(船体の傾斜軸線)周りの回転運動であると考えること
ができる、従って、仰角軸線Y−Yが常にこの回転軸線
の方位φT に整合するように方位ジンバル40の方位を
制御すれば、衛星高度角が高いときでも常にアンテナ1
4の中心軸線X−Xを天頂方向に指向させることができ
る。
【0092】斯かる第3の機能は、方位角制御ループの
方位ジャイロ45及び第2の加速度計47と仰角発信部
205−4と仰角軸線傾斜演算器80と傾斜軸線方位演
算器85と増幅器59とによって提供される。
方位ジャイロ45及び第2の加速度計47と仰角発信部
205−4と仰角軸線傾斜演算器80と傾斜軸線方位演
算器85と増幅器59とによって提供される。
【0093】方位ジャイロ45によって出力された仰角
軸線Y−Y及びアンテナ14の中心軸線X−Xの双方に
直交する軸線周りのアンテナ14の回転角速度ωP と第
2の加速度計47によって出力されたアンテナ14の中
心軸線X−X周りの傾斜角度η’を表す信号はそれぞれ
仰角軸線傾斜演算器80に入力され、斯かる仰角軸線傾
斜演算器80によって仰角軸線Y−Yの水平面に対する
傾斜角ηが求められる。
軸線Y−Y及びアンテナ14の中心軸線X−Xの双方に
直交する軸線周りのアンテナ14の回転角速度ωP と第
2の加速度計47によって出力されたアンテナ14の中
心軸線X−X周りの傾斜角度η’を表す信号はそれぞれ
仰角軸線傾斜演算器80に入力され、斯かる仰角軸線傾
斜演算器80によって仰角軸線Y−Yの水平面に対する
傾斜角ηが求められる。
【0094】仰角発信部205−4からアンテナ14の
仰角軸線Y−Y周りの回転角度θが出力され、次に適当
な減算器にて斯かる回転角度θより衛星高度角θS が減
算されて水平面に対するアンテナ14の仰角軸線Y−Y
周りの回転角度ξ(=θS −θ)が求められる。尚、斯
かる水平面に対するアンテナ14の仰角軸線Y−Y周り
の回転角度ξは アンテナ14の仰角軸線Y−Y周りの
回転角度θよりアンテナの仰角θA を減算して(=θA
−θ)求めてもよい。
仰角軸線Y−Y周りの回転角度θが出力され、次に適当
な減算器にて斯かる回転角度θより衛星高度角θS が減
算されて水平面に対するアンテナ14の仰角軸線Y−Y
周りの回転角度ξ(=θS −θ)が求められる。尚、斯
かる水平面に対するアンテナ14の仰角軸線Y−Y周り
の回転角度ξは アンテナ14の仰角軸線Y−Y周りの
回転角度θよりアンテナの仰角θA を減算して(=θA
−θ)求めてもよい。
【0095】傾斜軸線方位演算器85には、仰角軸線傾
斜演算器80から出力された仰角軸線Y−Yの水平面に
対する傾斜角ηと仰角発信部205−4から出力された
水平面に対するアンテナ14の仰角軸線Y−Y周りの回
転角度ξと方位発信部205−3から得られたアンテナ
14の回転角φとをそれぞれ表す信号が供給される。
斜演算器80から出力された仰角軸線Y−Yの水平面に
対する傾斜角ηと仰角発信部205−4から出力された
水平面に対するアンテナ14の仰角軸線Y−Y周りの回
転角度ξと方位発信部205−3から得られたアンテナ
14の回転角φとをそれぞれ表す信号が供給される。
【0096】傾斜軸線方位演算器85では、仰角軸線Y
−Yの傾斜角ηとアンテナ14の回転角度ξとから傾斜
軸線方位φT が演算され、斯かる傾斜軸線方位φT は方
位角発信部205−3から得られたアンテナの回転角φ
と比較されて方位偏差信号ΔφT が演算される。
−Yの傾斜角ηとアンテナ14の回転角度ξとから傾斜
軸線方位φT が演算され、斯かる傾斜軸線方位φT は方
位角発信部205−3から得られたアンテナの回転角φ
と比較されて方位偏差信号ΔφT が演算される。
【0097】傾斜軸線方位φT とアンテナの回転角φと
の差を示す方位偏差信号ΔφT は傾斜軸線方位演算器8
5より増幅器59に出力され、増幅器59より更に方位
サーボモータ23に供給される。こうして、方位偏差Δ
φT が零となるように、即ち、仰角軸線Y−Yの方位が
傾斜軸線方位φT に整合するように、方位ジンバル40
が制御される。
の差を示す方位偏差信号ΔφT は傾斜軸線方位演算器8
5より増幅器59に出力され、増幅器59より更に方位
サーボモータ23に供給される。こうして、方位偏差Δ
φT が零となるように、即ち、仰角軸線Y−Yの方位が
傾斜軸線方位φT に整合するように、方位ジンバル40
が制御される。
【0098】次に、第4の機能即ちリワインド機能を説
明する。高高度モードでは、リワインド機能は中高度モ
ードと同様に180°リワインド方式によってなされ
る。
明する。高高度モードでは、リワインド機能は中高度モ
ードと同様に180°リワインド方式によってなされ
る。
【0099】リワインド機構が作動するのはアンテナ1
4が方位軸線Z−Z周りに大きく回転したときである
が、それは船体が旋回したときと船体が動揺してその傾
斜軸線方位が変化したときの2つ場合である。衛星(及
びアンテナ14)の高度角が高くなると、斯かる2つの
場合のうち、後者の船体の動揺に起因してリワインド機
構が作動する場合が多い。
4が方位軸線Z−Z周りに大きく回転したときである
が、それは船体が旋回したときと船体が動揺してその傾
斜軸線方位が変化したときの2つ場合である。衛星(及
びアンテナ14)の高度角が高くなると、斯かる2つの
場合のうち、後者の船体の動揺に起因してリワインド機
構が作動する場合が多い。
【0100】船体が旋回することなく一直線に沿って航
行している場合でも、船体が動揺するとき、特に、船体
の動揺がロール運動ばかりでなくピッチ運動が伴う場合
には船体の傾斜軸線方位は垂直軸線周りに回転する。従
って、アンテナ14を仰角軸線Y−Yが傾斜軸線方位に
整合するように回転制御するように構成されている場合
には、船体が動揺して傾斜軸線方位が変化する度にアン
テナ14は方位軸線Z−Z周りに回転する。
行している場合でも、船体が動揺するとき、特に、船体
の動揺がロール運動ばかりでなくピッチ運動が伴う場合
には船体の傾斜軸線方位は垂直軸線周りに回転する。従
って、アンテナ14を仰角軸線Y−Yが傾斜軸線方位に
整合するように回転制御するように構成されている場合
には、船体が動揺して傾斜軸線方位が変化する度にアン
テナ14は方位軸線Z−Z周りに回転する。
【0101】この高高度モードでは、こうしてリワイン
ド機構が作動する頻度が高く、リワインド時間の短縮化
はアンテナの通信時間を確保するために特に必要であ
る。本例では180°リワインド方式によってリワイン
ド時間の短縮化が達成されることができる。
ド機構が作動する頻度が高く、リワインド時間の短縮化
はアンテナの通信時間を確保するために特に必要であ
る。本例では180°リワインド方式によってリワイン
ド時間の短縮化が達成されることができる。
【0102】以上本発明の実施例について詳細に説明し
てきたが、本発明は上述の実施例に限ることなく本発明
の要旨を逸脱することなく他の種々の構成が採り得るこ
とは当業者にとって容易に理解されよう。
てきたが、本発明は上述の実施例に限ることなく本発明
の要旨を逸脱することなく他の種々の構成が採り得るこ
とは当業者にとって容易に理解されよう。
【0103】
【発明の効果】本発明に依れば、方位−エレベーション
方式のジンバル方式のアンテナ指向装置において、衛星
の高度角が低高度、中高度又は高高度のいずれの高度に
あるときでも、アンテナの中心軸線を衛星方向に指向さ
せることができるから、船舶が地球上のどのような海域
にあっても高い指向精度を提供することができる利点が
ある。
方式のジンバル方式のアンテナ指向装置において、衛星
の高度角が低高度、中高度又は高高度のいずれの高度に
あるときでも、アンテナの中心軸線を衛星方向に指向さ
せることができるから、船舶が地球上のどのような海域
にあっても高い指向精度を提供することができる利点が
ある。
【0104】本発明に依れば、アンテナの支持機構とし
て方位軸線と仰角軸線の2つの回転軸線を有するジンバ
ルを使用しており、従来の4ジンバル、5ジンバルの支
持機構を使用していないこと、及び水平儀の如き外部セ
ンサを設ける必要がないこと、のため小型化、軽量化及
び低コスト化をすることができる利点がある。
て方位軸線と仰角軸線の2つの回転軸線を有するジンバ
ルを使用しており、従来の4ジンバル、5ジンバルの支
持機構を使用していないこと、及び水平儀の如き外部セ
ンサを設ける必要がないこと、のため小型化、軽量化及
び低コスト化をすることができる利点がある。
【0105】本発明に依れば、方位サーボモータ及び仰
角サーボモータとしてステップモータが使用され、それ
ぞれゼロクロスピックアップより出力されたゼロクロス
信号によって方位角発信部からの方位角出力値及び仰角
発信部からの仰角出力値とがリセットされるから、通常
の方位サーボモータ及び仰角サーボモータとシンクロ又
はレゾルバ等の発信器とを組合せた構成と比較して、よ
り簡単で寿命が長く且つ低価格のアンテナ指向装置を提
供することができる利点がある。
角サーボモータとしてステップモータが使用され、それ
ぞれゼロクロスピックアップより出力されたゼロクロス
信号によって方位角発信部からの方位角出力値及び仰角
発信部からの仰角出力値とがリセットされるから、通常
の方位サーボモータ及び仰角サーボモータとシンクロ又
はレゾルバ等の発信器とを組合せた構成と比較して、よ
り簡単で寿命が長く且つ低価格のアンテナ指向装置を提
供することができる利点がある。
【0106】本発明に依れば、中高度モードでは、船体
の動揺が大きいときにジンバルロック現象が起きること
を回避し、指向精度の高いアンテナ指向装置を提供する
ことができる利点がある。
の動揺が大きいときにジンバルロック現象が起きること
を回避し、指向精度の高いアンテナ指向装置を提供する
ことができる利点がある。
【0107】本発明に依れば、中高度モード及び高高度
モードでは、180°リワインド方式によってアンテナ
が方位軸線周りに180°リワインドされるから、リワ
インド時間を短縮することができる利点がある。
モードでは、180°リワインド方式によってアンテナ
が方位軸線周りに180°リワインドされるから、リワ
インド時間を短縮することができる利点がある。
【0108】本発明に依れば、中高度モード及び高高度
モードでは、180°リワインド方式における仰角誤差
を修正する機能が備えられ、リワインド中に斯かる仰角
誤差が修正されるから、リワインド時間を短縮し且つア
ンテナによる通信不能時間を短縮することができる利点
がある。
モードでは、180°リワインド方式における仰角誤差
を修正する機能が備えられ、リワインド中に斯かる仰角
誤差が修正されるから、リワインド時間を短縮し且つア
ンテナによる通信不能時間を短縮することができる利点
がある。
【0109】本発明に依れば、高高度モードでは、仰角
軸線Y−Yを船体の傾斜軸線に整合させるように構成さ
れているから、ジンバルロック現象が生ずるのを回避す
ることができ、更に、180°リワインド方式が採用さ
れているからリワインド時間を短縮することができる利
点がある。
軸線Y−Yを船体の傾斜軸線に整合させるように構成さ
れているから、ジンバルロック現象が生ずるのを回避す
ることができ、更に、180°リワインド方式が採用さ
れているからリワインド時間を短縮することができる利
点がある。
【図1】本発明のアンテナ指向装置の例を示す図であ
る。
る。
【図2】本発明のアンテナ指向装置の機構部の例を示す
図である。
図である。
【図3】180°リワインドによる仰角誤差の発生機構
を説明する図である。
を説明する図である。
【図4】180°リワインド機構の構成例を示す図であ
る。
る。
【図5】従来のアンテナ指向装置の例を示す図である。
3 基台 3−1 ブリッジ部 11 円筒部 13 アーム 14 アンテナ 20 方位軸 21−1、21−2 軸受 22 方位歯車 23 方位サーボモータ 23−1 電圧−周波数変換器 23−2 1/N歯車列 24 方位発信器 24−1 1/NS分周器 26 方位ゼロクロスピックアップ 30−1、30−2 仰角軸 31−1、31−2 軸受 32 仰角歯車 33 仰角サーボモータ 34 仰角発信器 35 ピニオン 36 仰角ゼロクロスピックアップ 40 方位ジンバル 40−1 支持軸部 40−2 U字形部 41 取り付け金具 41−1、41−2 脚部 44 仰角ジャイロ 45 方位ジャイロ 46、47 加速度計 54 積分器 55 増幅器 56 減衰器 57 アークサイン演算器 58 積分器 59 増幅器 60 減衰器 61 加算器 70 ケーブル 71 リワインド制御器 72 ゲイン切替え回路 73 切替え回路 76 secθ演算器 78 ON/OFF器 85 傾斜軸線方位演算器 100 機構部 200 制御演算部 201 衛星方位/高度演算部 202 衛星情報記憶部 203 モード設定部 204 モード演算部 204−1 起動モード演算部 204−2 低高度モード演算部 204−3 中高度モード演算部 204−4 高高度モード演算部 205 方位/仰角モータ制御部 205−1 方位ステップモータ制御部 205−2 仰角ステップモータ制御部 205−3 方位角発信部 205−4 仰角発信部 X−X アンテナ中心軸線 Y−Y 仰角軸線 Z−Z 方位軸線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小斉 弥祐 東京都大田区南蒲田2丁目16番46号 株 式会社トキメック内 (72)発明者 高橋 睦 東京都大田区南蒲田2丁目16番46号 株 式会社トキメック内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01Q 3/00 - 3/10 H01Q 1/34 G01S 3/42
Claims (5)
- 【請求項1】 中心軸線を有し支持部材に支持されたア
ンテナと、該アンテナ及び支持部材を上記中心軸線に直
交する仰角軸線周りに回転可能に支持する方位ジンバル
と、該方位ジンバルを上記仰角軸線に直交する方位軸線
周りに回転可能に支持する基台と、上記仰角軸線に平行
な入力軸線を有し上記支持部材に固定された第1のジャ
イロと、上記中心軸線と仰角軸線の両者に直交する入力
軸線を有し上記支持部材に固定された第2のジャイロ
と、水平面に対する上記中心軸線の傾斜角を指示する信
号を出力する第1の加速度計と、水平面に対する上記仰
角軸線の傾斜角を指示する信号を出力する第2の加速度
計と、上記方位ジンバルの上記方位軸線周りの回転角を
指示する信号を出力する方位発信器と、上記方位ジンバ
ルに対する上記仰角軸線周りの上記アンテナの回転角を
指示する信号を出力する仰角発信器と、上記基台に取り
付けられ入力軸線に対応して上記方位ジンバルを回転さ
せる方位サーボモータと、上記方位ジンバルに取り付け
られ入力軸線に対応して上記アンテナを上記仰角軸線周
りに回転させる仰角サーボモータと、上記方位ジンバル
が上記基台に対して所定の回転角度を越えて回転したと
き上記方位ジンバルを反対方向に回転させるリワインド
装置と、を有し、上記アンテナの中心軸線を上記衛星に
指向させるように構成されたアンテナ指向装置におい
て、 更に、低高度モード演算部と中高度モード演算部と高高
度モード演算部とを含むモード演算部と、該モード演算
部にモード選択信号を出力するモード設定部と、を有
し、衛星高度が低い低高度モードでは上記低高度モード
演算部が作動され衛星高度が中位の中高度モードでは上
記中高度モード演算部が作動され衛星高度が天頂付近で
ある高高度モードでは上記高高度モード演算部が作動さ
れるように構成されていることを特徴とするアンテナ指
向装置。 - 【請求項2】 請求項1記載のアンテナ指向装置におい
て、上記低高度モードでは、上記第1のジャイロの出力
は上記仰角サーボモータに供給され上記第2のジャイロ
の出力は上記方位サーボモータに供給され上記リワイン
ド装置は巻き戻し角360°にて巻き戻し動作をするこ
とを特徴とするアンテナ指向装置。 - 【請求項3】 請求項1記載のアンテナ指向装置におい
て、上記中高度モードでは、上記第1のジャイロの出力
は上記仰角サーボモータに供給され上記第2のジャイロ
の出力は上記方位サーボモータに供給され上記リワイン
ド装置は巻き戻し角180°にて巻き戻し動作をするこ
とを特徴とするアンテナ指向装置。 - 【請求項4】 請求項1記載のアンテナ指向装置におい
て、上記高高度モードでは、上記仰角軸線が船体の傾斜
軸線方位に整合するように上記方位ジンバルの方位が制
御され、上記リワインド装置は巻き戻し角180°にて
巻き戻し動作をすることを特徴とするアンテナ指向装
置。 - 【請求項5】 請求項1記載のアンテナ指向装置におい
て、上記モード演算部は更にアンテナ装置の起動時に作
動する起動モード演算部を含むことを特徴とするアンテ
ナ指向装置。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34896992A JP3146394B2 (ja) | 1992-12-28 | 1992-12-28 | アンテナ指向装置 |
US08/027,224 US5517204A (en) | 1992-03-10 | 1993-03-05 | Antenna directing apparatus |
GB9304916A GB2266164B (en) | 1992-03-10 | 1993-03-10 | Antenna directing apparatus |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34896992A JP3146394B2 (ja) | 1992-12-28 | 1992-12-28 | アンテナ指向装置 |
US08/027,224 US5517204A (en) | 1992-03-10 | 1993-03-05 | Antenna directing apparatus |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06204730A JPH06204730A (ja) | 1994-07-22 |
JP3146394B2 true JP3146394B2 (ja) | 2001-03-12 |
Family
ID=26578857
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34896992A Expired - Fee Related JP3146394B2 (ja) | 1992-03-10 | 1992-12-28 | アンテナ指向装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3146394B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5223788B2 (ja) * | 2009-06-19 | 2013-06-26 | 富士通株式会社 | ジンバル装置 |
CN112416024B (zh) * | 2020-11-06 | 2022-09-02 | 中国电子科技集团公司第五十四研究所 | 一种动载体上方位转动范围受限的天线自适应解绕方法 |
-
1992
- 1992-12-28 JP JP34896992A patent/JP3146394B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06204730A (ja) | 1994-07-22 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |