JP2005181149A - 衛星追尾用アンテナ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 航空機上に設置された衛星追尾用アンテナは、機体の前部に搭載された慣性参照ユニット(IRU)が計測した位置、姿勢データにもとづいて制御される。しかし、機体の曲がりやねじれにより、アンテナが正確に制御されないという課題があった。また、IRUには不規則な応答遅れがあり、これも正確に制御できない一因であった。
【解決手段】 機体1上に設置されたアンテナ架台3に、機体の曲がりや振動の周波数より高速応答性わ有する角速度センサ6をとりつける。IRU2の測定した航空機1の位置、姿勢データに加えて、角速度センサ6で得た角度データ、角速度データを加えて機体1の曲げ、ねじれによる制御誤差を修正する。また、IRU2の出力は時間平均して不規則応答遅れを取り除いた後、角速度センサ6のデータにより修正して高速応答性をもつデータに補正した。
【選択図】図1

Description

この発明は、航空機に搭載して衛星を追尾するアンテナの制御装置に関する。
航空機等の移動体に搭載され通信衛星と通信する設備には、この航空機の位置や機首方向の変化があっても、常に通信衛星を追尾するアンテナが用いられている。通信設備の感度を上げるためにはアンテナのビームをより鋭く(狭く)絞ることが必要であるが、この場合、追尾の方向精度をあげなければならないことは当然である。即ち、追尾の精度を向上することは通信設備の感度の向上のため必須の技術である。
このような衛星追尾用アンテナ制御装置の追尾の高精度化に関し、従来の衛星追尾制御装置では,例えば特許文献1(公報中の図1)に示されるように、移動体固定座標系とアンテナのジンバル座標系との間の軸ずれ量を算出し変更することによって高精度なアンテナの衛星追尾制御を行うことができるとしたものがある。
また、例えば特許文献2(公報中の図1)に示されるように、移動体の絶対姿勢および絶対方位を推定する姿勢方位推定手段と、衛星の方位角および仰角を算出する衛星絶対方向算出手段と、移動体に対する衛星の方位角および仰角を算出する衛星相対方向算出手段と、衛星から送信される信号の受信レベルを用いて衛星相対方向を探索する衛星相対方向探索手段と、衛星相対方向算出手段から得られた衛星相対方向に衛星相対方向探索手段から得られた衛星相対方向を重畳した方向にアンテナあるいはアンテナビームを駆動して衛星を指向し、その際の移動体に対するアンテナあるいはアンテナビームの方位角および仰角を姿勢方位推定手段1へ入力するアンテナ駆動装置とを備えることで、長時間にわたり高精度にアンテナを制御して衛星を追尾することができるとしている。
また、例えば特許文献3(公報中の図1)に示されるように制御対象装置であるアンテナのベースに3軸レートジャイロを置くことで船体が動揺しても基準速度信号に一致させてアンテナを空間安定することができるとするものがある。
特開2003−37424号公報(公報中の図1) 特開2002−158525号公報(公報中の図1) 特開昭50−61589号公報(公報中の図1)
このような衛星追尾制御装置をもちいて、大型の移動体(例えば長さ50mの航空機)に衛星を追尾するアンテナを搭載する場合、次の問題点があった。
(1)航空機に搭載された慣性航法装置(INS)に含まれ、位置(緯度、経度、高度)と姿勢(ロール、ピッチ、ヘディング角)を高精度に計測するIRU(慣性参照ユニット)の搭載位置は、一般的に航空機の前頭部(パイロットが操縦する位置)に搭載されるが、衛星を追尾するアンテナは、種々の理由からこの位置からかなり離れた(例えば20m位)航空機の胴体中央部の機体上側に搭載されることが多い。このためアンテナ位置とIRUの間には相対角度誤差があり、さらに機体には振動や曲がりなど、1度、数Hz程度の相対変位が発生し、アンテナの追尾精度が低下するという問題があった。
(2)航空機に搭載されたIRU(慣性参照ユニット)から出力された位置(緯度、経度、高度)と姿勢(ロール、ピッチ、ヘディング角)の信号には、アンテナの角度制御上、無視できないランダムな時間遅れとランダムな更新レート変更(データの更新時間間隔の変更)が大きい場合もあり、この時間遅れを含んだままアンテナの姿勢制御を行うと、飛行機が連続して旋回運動をする場合などに追尾角度誤差が大きくなる問題があった。
(3)航空機の機体の改造を極力せずにアンテナを搭載しようとすると、航空機の空力特性に与える影響を小さくする(空力抵抗を大きくしない)ために、アンテナの高さを極力低くする必要がある。アンテナの自由度は航空機の運動と同様に3つの回転自由度があることが望ましいが、3自由度設けるとアンテナ高さを低くすることが構造上難しくなる。アンテナ自由度を方位角と仰角の2自由度で構成するとアンテナ高さを低くすることが可能となるが、幾何学的関係から仰角が高くなったときに方位角が定まらなくなる特異点(キーホール)が発生し、この範囲でのアンテナの衛星追尾が不能となる問題があった。
(4)前述の特異点(キーホール)近傍(例えば、仰角が80度以上)において、機体振動などの外乱が発生すると、衛星を追尾するアンテナの方位角が大きく揺れて追尾精度が著しく低下する問題があった。
(5)IRUから出力される姿勢角であるロール軸(X)、ピッチ軸(Y)、ヨー軸(真方位軸,Z)の3軸の信号は±180度の値を出力する。したがって+180度から−180度へ(あるいはその逆)の通過において出力値は不連続な値となるため、制御装置においてこの信号をフィルタリング処理する場合、このことを考慮しないと正常な制御ができず例えば追尾が外れるという問題があった。
この発明に係る衛星追尾用アンテナ制御装置は、航空機に搭載され自身の位置と姿勢とを計測する慣性参照ユニット、
前記慣性参照ユニットから離れた前記航空機上に搭載されたアンテナ架台、
前記アンテナ架台上に設置され任意の方向に指向駆動されて通信衛星と通信するアンテナ、
前記アンテナ架台の近傍に設置され前記アンテナ架台の少なくとも2次元の角速度を計測する角速度センサ、
前記慣性参照ユニットの計測した位置信号と姿勢信号を、前記角速度センサの角速度信号を用いて補正した位置信号と姿勢信号とにもとづき前記アンテナを制御することにより、前記航空機の機体のゆがみと前記慣性参照ユニットの計測遅れを補正するものである。
慣性参照ユニット(IRU)の信号の一定の時間遅れを補正することができ、時間平均で見た追尾精度を向上することができる。また、機体振動などの高周波の外乱に対してもアンテナベース近傍に設置した角速度センサで高い周波数まで計測できるため、すばやい応答ができ、高精度なアンテナ追尾制御を実現できる。
また、高仰角のアンテナ姿勢に於いても衛星を精度良く追尾するキーホールフィルタを設けたので、従来に無い高い制御精度を得ることが出来る。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1による衛星追尾用アンテナ制御装置を説明するため、特にセンサやアンテナの配置について説明し、又、以後に説明する各部の角度等についての定義を示す図である。航空機1(機体という場合もある)の前頭部に航空機1の位置(緯度、経度、高度)と姿勢角(ロール、ピッチ、ヘディング角度)を高精度に計測する慣性参照ユニット(IRU)2が設置されている。IRU2は図に示した地表面8(航空機の角度の基準となる局所水平面座標系8は、地球を楕円体とみなして求めた理論的地表面であり、実際の山や海の表面ではない、例えば測地基準系1980(GRS80楕円体)などで定義される地球楕円体を基準にしている。)に対する機体の上記データを計測する。
航空機1は、これらのIRUの信号を基に地球上空を飛行する際の位置と姿勢角を得て、目的の航路における飛行を実現している。航空機1の中央部の機体上側には通信衛星と電波の送受信を行うアンテナ5のアンテナベース3が航空機1の機体と構造的に接続、固定されている。
アンテナベース3の上部にはアンテナ5を支持するアンテナ支持機構(ジンバル機構を含む)4が設けられ、アンテナベース3に対しアンテナ5を2自由度、あるいは、3自由度の回転が可能なように支持している。アンテナベース3にはアンテナベースの回転角速度を計測する角速度センサ6が固定されている。この角速度センサ6は3自由度の回転角速度を計測することができる。なお、この角速度センサ6は角速度のみを測定可能なセンサにかぎらず、たとえば角速度センサと加速度センサあるいは方位センサ(磁気コンパス)あるいはGPSなどの位置センサを組み合わせた簡易慣性参照装置でもよい。
アンテナベース3とアンテナ5の相対角度を計測する相対角度センサ7がアンテナ支持機構4に取り付けてあり、この相対角度センサ7は、エンコーダやレゾルバなどを用いることができ、さらに、この角度信号を電気的あるいはソフトウェア的に微分して相対角速度を計測することが可能である。なお、ここでは図示していないが、アンテナの駆動機構の自由度が2自由度の場合2個の相対角度センサ7、3自由度の場合は3個の相対角度センサ7が設置される。
一般に、大型機ではエアポケットなどの空力的な外乱が発生することで、機体に大きな曲げ振動またはねじれ振動を生じる。その周波数は数Hzの曲げねじり振動を生じ、アンテナベース3と慣性参照ユニット(IRU)2との相対角度も1度程度の変動を生じる。これに対し、航空機1の位置と姿勢角を高精度に計測する慣性参照ユニット(IRU)2の出力信号は、精度は高いが、出力される信号のサンプリングレートや周波数応答特性がアンテナ5の要求される角度精度に比して十分には短くも高くもない。さらに、大型の航空機の場合アンテナ5と慣性参照ユニット(IRU)2は互いにかなり離れた位置(ときには50m以上)に設置される可能性があるため、慣性参照ユニット(IRU)2だけではアンテナベース3の位置における位置と姿勢の情報を正確に計測できない。
図1に示したアンテナ周りの各センサの精度はアンテナの要求精度を満たすものを用いる。また、その応答速度は機体の曲げねじれ周波数より速いものを用いる。アンテナベース3に設けた角速度あるいは角度を高サンプリングレートで、かつ、高い周波数応答まで計測できるセンサ6を設けることで、機体振動などの外乱が機体1に生じても、慣性参照ユニット(IRU)2の信号とセンサ6の信号を後述するように組み合わせることで、アンテナベース3の箇所の角度が高精度で求められる。さらに、アンテナベース3とアンテナ5の相対角度はアンテナ支持機構に設けた相対角度センサ7により高精度かつ高周波数応答で計測できるため、アンテナ5を常に通信衛星の方向に高精度に追尾させることができる。
図1における各角度(ここではまず仰角のみ)の定義について説明する。
θ :理論地表面8に対するアンテナ5の指向角度(仰角)。
Δθ:アンテナ仰角θの目標からの指向誤差。
θ:地表8に対するアンテナベース3の角度。
θ:アンテナベース3に対するジンバル角度。
θ:目標指向角度(衛星の仰角)。
θ:地表8に対する航空機1の角度。
次に、上記に説明したセンサの信号を処理する手段について説明する。
図2は衛星追尾用アンテナ制御装置の制御系全体を示すブロック図である。
航空機の前部に設置された慣性参照ユニット(IRU)2からは、機体1のロール、ピッチ、ヘディング角度を示す姿勢角度信号(〜Φ,〜Θ,〜Ψ)10が出力される。
この各信号には前述したとおりランダムな時間遅れが含まれるている。これらの姿勢角度信号(〜Φ,〜Θ,〜Ψ)10は姿勢推定フィルタ12に入力される。機体1のIRUから離れた位置のアンテナベース3に設置された角速度センサ(レートジャイロとも言う)6の出力電圧は電圧から角速度へ変換され、また取り付け角度補正器9により変換されてレートジャイロの角速度信号(ωBX,ωBY,ωBZ)11を出力する。ここでωBX,ωBY,ωBZはそれぞれ機体1のX,Y,Z軸回りレートジャイロ角速度である。
例えば、一例として、V Gをジャイロ出力(V), Voffをオフセット電源電圧(V), ωGを角速度(deg/s), SFを感度(V/(deg/s))とすると、レートジャイロはX(ロール)軸、Y(ピッチ)軸、Z(ヨー)軸の3軸あるのでジャイロ出力電圧VGから角速度ωGへの変換は次式のようになる。
Figure 2005181149
レートジャイロ6を取り付けた面の座標系(アンテナベース3の座標系)から、機体1の座標系への変換(アンテナベースを傾けて設置した場合)は、例えば、次式により算出できる。すなわち、機体座標系をX軸回りにΦ G回転した後、Y軸回りにΘG回転し、更にZ軸回りにΨG回転することで得られる。
Figure 2005181149
以上の式(1)と式(2)を組み合わせたものが図2に示す電圧から角速度への変換および取り付け角度補正器9の一例となる。
図3は図2の姿勢推定フィルタ12の内部構成を示したブロック図である。IRU2の角度信号(〜Φ,〜Θ,〜Ψ)10はそれぞれロール角度、ピッチ角度、ヘディング角度を示すが、いずれの信号にもランダムな時間遅れが含まれている。これらのIRU2の角度信号(〜Φ,〜Θ,〜Ψ)10は各々IRU遅れ時間補正器27、28、29の出力との差分を計算した後にロール軸信号用フィルタ20、ピッチ軸信号用フィルタ21、ヨー軸信号用フィルタ22に入力される。各フィルタ20、21、22のブロック図に示されるωFpは比例ゲイン(rad/s)、ωFiは積分ゲイン、sはラプラス演算子である。また、時間遅れ補正器27,28,29のブロック図に示されるe-tXs,e-tYs,e-tZsはアンテナ部へ出力する推定姿勢角度(^Φ,^Θ,^Ψ)13の信号をそれぞれ時間tX ,tY ,tZ 遅らすことを意味している。
各フィルタ20、21、22の出力であるドリフト推定値^dx,^dy,^dzはアンテナベース3に設けた角速度センサ6の3軸の出力信号を電圧から角速度への変換をし、更に取り付け角度補正器9により変換したレートジャイロの角速度信号(ωBx,ωBy,ωBz)11との差分を計算し角速度推定値(^ωBx^ωBy^ωBz)16を算出する。さらに、これらの角速度推定値16は機体角速度からオイラー角時間微分に変換する座標変換器23に入力される。さらに、座標変換器23にはロール角の推定値^Φとピッチ角の推定値^Eが入力される。座標変換器23からは、オイラー角時間微分推定値(d^Φ/dt,d^Θ/dt,d^Ψ/dt)が出力され、これを積分器24、25、26で積分することで、アンテナ部の推定姿勢角度(^Φ,^Θ,^Ψ)13が出力される、これとともにアンテナ部の機体角速度推定値(^ωBX^ωBY^ωBZ)16も出力として得られる。
図4は機体1に取り付けたレートジャイロ6により計測される角速度を電圧から角速度へ変換し、更に取り付け角度補正器9により変換した角速度信号(ωBx,ωBy,ωBz)11とIRU2により計測されるオイラー角(Φ、Θ、Ψ)およびオイラー角時間微分(dΦ/dt,dΘ/dt,dΨ/dt)の関係を示す。なお、オイラー角時間微分は姿勢レートとも呼ぶ。この関係は以下の式で記述できる。図3に示すように以下の式のΦ、Θは推定値13の^Φ,^Θを用いる。
Figure 2005181149
式(3)はΘ=90degで特異点となり、解が求まらなくなるので、Θ=90degの近傍では数式(図示しない)条件式で判別して別処理(エラー処理、または90degに近い範囲のみの特別処理等)を行う。
ここで、各変数をより正しい名称で定義すると次のようになる。
Φ:LLN (Local-Level-north)座標系から機体座標系に(3−2−1)変換する際のロール角
Θ:LLN 座標系から機体座標系に(3−2−1)変換する際のピッチ角
Ψ:LLN座標系から機体座標系に(3−2−1)変換する際のヘッディング角(真方位)
上記 Φ Θ Ψ はIRU出力である。
また、オイラー角時間微分(姿勢レート)は、
d^Φ/dt:上記ロール角の時間微分、
d^Θ/dt:上記ピッチ角の時間微分、
d^Ψ/dt:上記ヘッディング角(真方位)の時間微分、
また、 機体座標系における角速度は、
ωBx:機体座標系におけるロール角速度、
ωBy:機体座標系におけるピッチ角速度、
ωBz:機体座標系におけるヨー角速度、
ωBx 、ωBy 、ωBz はレートジャイロ出力である。
なお、オイラー角時間微分(=姿勢レート)から機体角速度への変換は次式で示される。
Figure 2005181149
図5は、図3の姿勢推定フィルタ12における、IRUの姿勢角度センサ10の信号とアンテナ部のレートジャイロ信号11の周波数を横軸にとり、縦軸にゲインをとったときの、各々が受け持つ周波数帯域の関係を示した図である。IRU2の姿勢角度信号10は0Hzからロール、ピッチ、ヨー軸信号用フィルタ20、21、22に設定される比例ゲインωFp (rad/s)42の周波数帯域までを受け持ち(図示線40)、その周波数からωg43まで(図では仮に10Hzとしている)はレートジャイロ信号11が受け持つことになる(図示線41)。
このような構成とすることで、機体振動が生じてアンテナベース3とIRU2との間に相対的に角度変動が生じても、この角度変動を打ち消すようにアンテナ5を制御することができるので、高精度にアンテナ5を衛星の方向に追尾制御することができる。
さらに、IRU2の遅れ時間の平均値を予め求めて(後述する方法でもよいし、IRUの設計仕様としてわかっている値をもちいてもよい)これを遅れ時間補正器27、28、29に設定することで、ランダムな遅れ時間の影響を小さくして、時間平均的な追尾精度を高精度に保つことができる。
図6に示す姿勢推定フィルタ12’は図3の姿勢推定フィルタ12をさらに高精度にするために座標変換23’を追加した場合の構成例である。図3の姿勢推定フィルタ12では、計算を高速化するため座標変換の一部を省略している。
例えば、ロール軸信号用フィルタ20にIRUの角度信号(〜Φ)10とIRU遅れ時間補正器27の出力の差分値が入力され、出力としてドリフト推定値^dxが得られ、このドリフト推定値^dxとレートジャイロの角速度信号(ωBx)11の差分を座標変換器23に入力している。この際、ドリフト推定値^dxとレートジャイロの角速度信号(ωBx)11の座標系が完全に一致していないため、例えば、航空機が80deg程度傾いたままの状態を保持し続けると、誤差が増大しアンテナ部の推定姿勢角度(^Φ,^Θ,^Ψ)13が発散する現象が起きる。ただし、通常の飛行に於いて大きい傾斜角を、ロール、ピッチ、ヨーの3軸いずれに於いても保持し続けることは無いので図3に示した座標変換を一部省いた姿勢推定フィルタ12でも出力値は発散することは無い。
一方、図6に示した構成の姿勢推定フィルタ12’は図3の姿勢推定フィルタ12で演算の高速化のために一部省略していた座標変換を加えたものである。レートジャイロの角速度信号(ωBx,ωBy,ωBz)11は座標変換器23により機体角速度からオイラー角時間微分への変換が行われる。これらの(dΦ/dt,dΘ/dt,dΨ/dt)は、ドリフト推定値^dx,^dy,^dzとの差分演算に用いられる。そして、積分器24,25,26およびIRU遅れ時間補正器27,28,29のフィードバックループにより推定されるオイラー角時間微分推定値(d^Φ/dt,d^Θ/dt,d^Ψ/dt)の信号を取り出し、座標変換器23’に入力しオイラー角時間微分から機体角速度への変換を行い角速度推定値(^ωBx^ωBy^ωBz)16の出力が得られる。同様に、オイラー角時間微分推定値(d^Φ/dt,d^Θ/dt,d^Ψ/dt)を積分した値がアンテナ部の推定姿勢角度(^Φ,^Θ,^Ψ)13として出力される。
以上のように構成した姿勢推定フィルタ12’は、例えばロール軸が89degの状態を保持し続けても出力は発散しない。これによりアンテナの追尾制御をより安定に高精度に行うことが可能である。搭載する計算機に演算能力が十分ある場合は、図3の構成の変わりに図6の構成の姿勢推定フィルタ12’を用いることが有効である。
なお、図3の姿勢推定フィルタ12および図6の姿勢推定フィルタ12’共に宙返りなどを行いロール角度Θが90degになると(実際の装置では90度にきわめて近くなると)座標変換器23の演算が不定となるため、この場合は別処理が必要となるがこれについては後述する。
再び、図2の全体のブロック図に戻る。姿勢推定フィルタ12の出力である推定姿勢角度(^Φ,^Θ,^Ψ)13は座標変換器15に入力される。さらに、座標変換器15にはIRU2の出力である航空機の緯度、経度、高度などの信号、および、ここには図示していないが航空機の指令装置から衛星の緯度、経度などの信号が入力される。座標変換器15は以上の入力に基づきアンテナの仰角指令値^θELと方位角指令値^θAZを算出する。その計算方法の一例を手順に従って示すと以下のようになる。
(手順1)
航空機の緯度における卯酉(ボウユウ)線の曲率半径RAの計算
Figure 2005181149
ここで、Re:赤道半径、e2:楕円体の離心率、ψA:航空機の緯度 である。
(手順2)
衛星の緯度における卯酉(ボウユウ)線の曲率半径RSの計算
Figure 2005181149
ここで、ψS:衛星の緯度 である。
(手順3)
地球固定座標系における航空機位置の算出、
地球固定座標系における直交座標と測地座標の関係式。
Figure 2005181149
ここで、
(ExA , EyA , EzA ):地球固定座標系における航空機の質量中心の座標位置
A , λA , hA ):地球固定座標系における航空機の質量中心の測地座標位置
ψA :航空機の緯度、λA :航空機の経度、hA:航空機の高度
(手順4)
地球固定座標系における衛星位置の算出、
地球固定座標系と測地座標系の間の関係式。
Figure 2005181149
ここで、
(ExS , E yS , EzS ):地球固定座標系における衛星の質量中心の座標位置、
S, λS , hS ):地球固定座標系における衛星の質量中心の測地座標位置、
ψS :衛星の緯度、λS :衛星の経度、hS :衛星の高度 である。
(手順5)
地球固定座標系における航空機と衛星の相対位置の算出(航空機から見た衛星の指向方向)
Figure 2005181149
(手順6)
LLN座標系における航空機と衛星の相対位置の算出(航空機から見た衛星の指向方向)
地球固定座標系からLLN座標系への変換は、地球固定座標系をZ軸回りにλA回転した後、Y軸回りに-π/2-ψA 回転することで得られる。
Figure 2005181149
(手順7)
機体座標系における航空機と衛星の相対位置の算出(航空機から見た衛星の指向方向)
LLN座標系をZ軸回りにΨ回転した後、Y軸回りにΘ回転した後、X軸回りにΦ 回転することで得られる。
なお、機体座標系でXB軸回り:ロール角Φ、YB軸周り:ピッチ角Θ、ZB軸回り:ヘッディング角Ψである。
Figure 2005181149
(手順8)
アンテナ座標系における航空機と衛星の相対位置の算出(航空機から見た衛星の指向方向)
および、取付面補正、さらに、アンテナベース3と慣性参照ユニット(IRU)2の間の取り付け補正角度ΔΨ、ΔΘ、ΔΦの取り付け面補正を行う。
Figure 2005181149
(手順9)
アンテナ座標系における航空機のロール、ピッチ、ヘディング回転のAZ,EL角への変換、(航空機搭載のAZ−ELアンテナから見た衛星の指向角度)
注意:AZ軸回りは機首方向(AX軸)を0degとしてBZ軸に逆回転を正方向としてqAZ角を定義している。その角度範囲は−180〜+180degである。EL軸角度はAX- AY平面を0degとしてAZ軸に向けて正方向としている。角度範囲は0〜90degである。
Figure 2005181149
以上の式(13)と(14)に示すAθAZAθELが図2の方位角指令値(^θAZ)120と仰角指令値(^θEL)122にあたる。
座標変換器17は以上の計算により求まった方位角指令値(^θAZ)120と、仰角指令値(^θEL)122の入力に基づき、角速度推定値(^ωBx^ωBy^ωBz)16をアンテナの仰角角速度指令値(^ωEL)127と方位角角速度指令値(^θAZ)124とを算出する。計算式は次のようになる。
Figure 2005181149
以上のように座標変換器15で求まる仰角、方位角度指令値(AθAZ)120と(AθEL)122と座標変換器17で求まる角速度(^ωAZ,)124,(^ωEL)127を仰角ジンバルサーボ制御器18および方位角ジンバルサーボ制御器19の空間安定入力として用いることができる。なお、式(15)において^θEL=90degの場合tan^θELの解が求まらないので別処理が必要である。
このように、姿勢推定フィルタ12を構成することで慣性参照ユニット(IRU)2の信号の一定の時間遅れを補正することができ、時間平均で見た追尾精度を向上することができる。また、機体振動などの高周波の外乱に対してもアンテナベース3近傍に設置した角速度センサ6で高い周波数まで計測できるため、すばやい応答ができ、高精度なアンテナ追尾制御を実現できる。
なお、図1において角速度センサ6はアンテナベース3に設けるとしているが、各速度センサ6をアンテナ5の上に設けることでも同様に高精度なアンテナの追尾制御が可能である。
実施の形態2.
図7は本発明の実施の形態2による衛星追尾用アンテナの受信する電波の強度分布を示す概念図である。アンテナの自由度は2自由度あるが、ここでは1軸のアンテナを衛星指向方向に微小にΔθ振った場合の電波強度の分布を示している。現時点での受信強度の分布は角度X2を頂点とした2次曲線で示し、+Δθ角度を変更した場合はX3を頂点とした2次曲線、−Δθ角度を変更した場合はX1を頂点とした2次曲線を示している。各々のアンテナ角度における電波の受信強度はY2,Y3,Y1である。このX1,X2,X3の角度と電波強度Y1,Y2,Y3を計測することで、これらを元に、最も電波強度が強くなる真の衛星方向を算出することができる。一例として次の計算を行うことで現在のX2角度から真の衛星方向との角度誤差Errが求まる。
Figure 2005181149
アンテナの指向方向に微小変位±Δθを与え、このときの通信衛星からの受信電波の強度変化にもとづいて、上記のようにアンテナの指向方向の誤差を求め、この誤差を修正する手段を、電波強度にもとづくアンテナ指向方向制御手段という。
このようにして、必要に応じてより精度の高い衛星指向方向を受信電波の強度分布を利用して計測することで、この方向を基準として、アンテナの追尾制御をより高精度に行うことができる。アンテナを微小角度Δθ振っている間は電波強度が低下するため通信量が低下する、このためアンテナ強度の分布計測はある一定時間間隔以上、あるいは、外乱で衛星方向を見失ったときなどに行い、それ以外の時間は前述の姿勢推定フィルタの出力で衛星追尾することで、長時間に渡り高精度にアンテナの追尾制御が可能である。
実施の形態3.
図8は本発明の実施の形態3による衛星追尾用アンテナのベース部に傾斜角度センサ9を設けた場合の俯瞰図である。アンテナベース3には角速度センサ6が設けられているが、この角速度センサ6と航空機1の前部に設置される慣性参照ユニット2の相対的な3軸の角度関係は追尾精度に大きく影響する。その関係は前述の式(12)に示される。アンテナベース6と慣性参照ユニット(IRU)2の間の取り付け補正角度ΔΨ、ΔΘ、ΔΦの取り付け面補正のうち、ロール角度ΔΨとピッチ角度ΔΘはアンテナベース部3に傾斜角度センサ9を設けることで高精度に計測可能である。例えば、直流成分から計測可能なサーボ式加速度計などを傾斜角度センサ9に用いると、重力加速度を規範に傾斜角度が高精度に計測可能である。また、ヘディング角度ΔΦは重力を用いる傾斜角度センサでは計測できないので、精度が低い場合は磁気センサなどが利用できるが、より高精度なアンテナベース3の航空機1への取り付けは、幾何学的あるいは光学的な位置計測センサを用いて慣性参照ユニット(IRU)2とアンテナベース3の相対的な位置関係を高精度に計測し、アンテナベース3を航空機1に設置する必要がある。
このように、アンテナベース3に傾斜角度センサを設けることで少なくとも2軸(ロール、ピッチ軸)の航空機への取り付けを容易にすることが出来ると共に、アンテナを高精度に追尾することができる。
実施の形態4.
図9は本発明の実施の形態4による衛星追尾用アンテナ制御装置における慣性参照ユニット(IRU)2の角度出力信号と姿勢推定フィルタの出力角度信号の一例を示す時刻歴応答波形である。IRU出力ヘディング角度信号の一例80は、航空機1が旋回を続けると+180deg以上になったとき−180degに値が不連続に切り替わる。同様に−180deg以下になったときは不連続に+180degに値が切り替わる。IRUの角度信号(〜Φ,〜Θ,〜Ψ)10はいずれの値も角度信号であるため±180degの値を出力する。この不連続な±180degの切り替えを有する信号を姿勢推定フィルタ12に入力すると、例えば図9(a)の姿勢推定フィルタ出力ヘディング角度信号81のように衛星追尾用アンテナ制御装置の起動時にいきなりIRUのヘディング角度信号(〜Ψ)が−180degなどの値を持つと、ローパスフィルタに対するステップ入力の応答となり低周波の振動を生じる。さらに、IRUのヘディング角度信号(〜Ψ)の±180degの折返しで生じてはいけない振動波形を出力する。
図10は本実施の形態による衛星追尾用アンテナ制御装置における姿勢推定フィルタ12に対し、初期化処理と±180deg折返し処理を追加したブロック図を示したものである。この図では例えばIRUのヘディング角度信号(〜Ψ)が±180degの折返しを生じる場合を示している。一般の旅客機では、旋回によりヘディング角度(〜Ψ)は180deg以上連続で回転するが、ロール(〜Φ)とピッチ(〜Θ)は宙返りなどの特殊な飛行を行なわない限り±90deg以下であり、不連続点は生じない。
例えば、IRUのヘディング角度信号(〜Ψ)10を±180deg折返し検出器90により±180degの折返しが生じたか検出する。例えば、ヘディング角度信号(〜Ψ)の差分値をモニタすることで、急に360deg相当の値の変化を検出すれば±180degの折返しが検出できる。±180deg折返し検出器90の検出信号により、ヨー軸信号用フィルタ14’の±180deg初期化処理、積分器21’の±180deg初期化処理、およびIRU遅れ時間補正器24’の±180deg初期化処理を行う。具体的には、これらのフィルタがデジタルフィルタで構成される場合は、±180degの折返しが生じた時点で前の値を記憶する各バッファの値に対し±360degの値を増減することで対処できる。さらに、衛星追尾用アンテナ制御装置が起動された場合、あるいは初期化動作が行われたときは、初期化信号91によりロール軸信号用フィルタ12’, ピッチ軸信号用フィルタ13’, ヨー軸信号用フィルタ14’,および、積分器19’,20’,21’,および、IRU時間遅れ補正器22’,23’,24’の初期化処理を行う。より具体的には、例えばこれらのフィルタ、積分器、遅れ時間補正器がデジタルフィルタで構成される場合、前の値を記憶するバッファの値を入力値に一致するように値を設定することに相当する。
なお、図10において±180deg折返し処理はIRUのヘディング角度信号(〜Ψ)のみに行っているが、同様に、ロール角度、ピッチ角度についても±180deg処理が可能である。
以上のような初期化処理と±180deg処理を追加することで図9(b)の姿勢推定フィルタ出力ヘディング角度信号の一例(±180deg折返し処理あり)82のように、初期状態でも±180degの折返しが生じても正しい出力角度信号が得られ、高精度なアンテナ追尾制御が可能となる。
実施の形態5.
図11は本発明の実施の形態5による衛星追尾用アンテナ制御装置における慣性参照ユニット(IRU)の遅れ時間を推定する手法の概念を示すブロック図である。
航空機1が旋回運動100をロール、ピッチ、ヘディングの3軸の角度に対し繰り返し行うと、これらの運動にIRU部(機体前部)の機体振動101が加算され慣性参照ユニット(IRU)102が各角度を計測しIRU角度103を出力する。しかし、この信号にはランダムな時間遅れが含まれる。一方アンテナ部(機体中央部)の機体振動104が加算された角速度信号は角速度センサ(レートジャイロ)105で計測される。レートジャイロ105とアンテナベース部3の位置関係および慣性参照ユニット(IRU)2とアンテナベース3の相対角度関係に基づく座標変換106によりこの信号は変換されレートジャイロ角速度107を得る。IRU遅れ時間推定器108にこれらの二種類の信号IRU角度103とレートジャイロ角速度107が入力され、遅れ時間推定値(τ)109を出力する。
より具体的には、例えばIRU角度103を時間微分するとIRU角速度が得られる。機体旋回運動として正弦波状の旋回を繰り返し行えば、IRU角度および角速度は正弦波状の信号となる。これとレートジャイロ角速度107の信号を比較すると、信号がゼロクロスする時間の差が遅れ時間(τ)109に相当する。実際にはフィルタを組み合わせたより高度なアルゴリズムで遅れ時間を推定することが可能である。
以上のように遅れ時間推定器108を設けることで、姿勢推定フィルタに設定する遅れ時間の値をより高精度に与えることが可能となるので、より高精度なアンテナ追尾制御が可能となる。
実施の形態6.
図12は本発明の実施の形態6による2自由度構成とした衛星追尾用アンテナの俯瞰図である。アンテナは水平回転する方位角軸とアンテナの仰角を上下動する仰角軸の2自由度を有している。方位角回転アクチュエータ110の固定軸は図示しないアンテナベース3に固定され、回転軸にはアンテナ支持機構とジンバル4が連結されている。アンテナ支持機構とジンバル4には仰角回転アクチュエータ111の固定側が取り付けてあり、回転側はアンテナ5が取り付けてある。このような構成とすることで、方位角アクチュエータ110と仰角回転アクチュエータ111の2自由度のアクチュエータを回転することで、アンテナを衛星のある任意の方向に向けることが出来る。
旅客機の機体変更を極力少なくしてアンテナを搭載するためには、航空機の空力特性を極力変化させない(空力抵抗を大きくしない)ように、アンテナの高さを極力低くする必要がある。アンテナの自由度は航空機の姿勢角運動と同じ3つの回転自由度があることが望ましいが、3自由度あるとアンテナ高さを低くすることが構造上難しくなる。そこでアンテナ自由度を方位角と仰角の2自由度で構成するとアンテナ高さを低くすることが可能となるが、仰角が高くなったときに方位角が定まらなくなる特異点(キーホール)が幾何学的関係から発生し、アンテナの衛星追尾が不能となる問題がある。2自由度アンテナの制御則の一例は前述の式(15)に示したが、方位角の角速度指令値^ωAZについて書き改めると次のようになる。
Figure 2005181149
例えば、ここで、^ωBZ =0と仮定して、航空機の機体がX軸回り(ロール軸回り)に角速度^ωBXで旋回運動を続ける場合、アンテナの方位角の角速度指令値はtan^θELの関数となる。アンテナの仰角が^θEL=0deg,45deg,80deg,89deg,90degの場合についてtan^θELの値を求めると次のようになる。

tan(0deg)=0
tan(45deg)=1
tan(80deg)=5.67
tan(89deg)=57.29
tan(90deg)=∞ (18)
これから分かるように、アンテナの仰角が90degに近づくに従い急激に係数が大きくなることが分かる。特に^θEL90degの場合は無限大となりアンテナの方位角の角速度指令値^ωAZが定まらなくなる。式(17)から分かるようにロール方向とピッチ方向の機体回転あるいは振動(^ωBX,^ωBY)が生じると、仰角が89degの場合約57倍の速い角速度でアンテナの方位角を動かす必要が生じる。
しかし、このように高速で方位角を回転させることは方位角用アクチュエータ110の出力トルクの制限から困難であり、また、機体振動で常に大きく方位角アクチュエータ110を動かすと消費電力も大きくなり実用上困る。
図13は上記のような、アンテナが高仰角のときに機体振動などの外乱が生じてもアンテナの方位角を大きく動かさずに制御するキーホールフィルタに関するブロック図である。図13(a)は前述の制御系のブロック図にキーホールフィルタ128を追加した状態を示すブロック線図である。
図13(b)はこのキーホールフィルタ128の内部構成を示す詳細なブロック図である。座標変換器15の出力である方位角指令値(^θAZ)120と仰角指令値(^θEL)122はそれぞれキーホールフィルタ128に入力される。さらに、座標変換器17の出力である方位角角速度指令値(^ωAZ)124もキーホールフィルタ128に入力される。方位角指令値(^θAZ)120は仰角指令値(^θEL)122に従ってカットオフ周波数を可変するローパスフィルタ121に入力され、方位角指令値(^θAZ)123を出力する。同じように、方位角角速度指令値(^ωAZ)124は仰角指令値(^θEL)122に従ってカットオフ周波数を可変するローパスフィルタ125に入力され、方位角角速度指令値(^ωAZ)126を出力する。
これらの出力123と126は図13(a)に示されるようにそれぞれ方位角のサーボモータ制御器19に入力されアンテナの方位角を高精度に衛星に指向制御することができる。
ローパスフィルタによりアンテナの仰角(^θEL)122が大きい場合、ローパスフィルタ121、125のカットオフ周波数を低くすることで、機体振動が高周波数で発生した場合、通常発生する角速度が大きくなるが、これらのキーホールフィルタによるローパスフィルタにより高域の振動は低減されるため、方位角の角速度ωAZに急激な変化を生じないようにすることができる。これにより消費電力の急激な増加も防ぐことが出来る。
実施の形態7.
図14は本発明の実施の形態7による衛星追尾用アンテナ制御装置のキーホールフィルタの特性を示す関数の一例である。
例えば、図14に示す仰角θELに応じて連続歴に変化するキーホールフィルタのカットオフ周波数曲線130に3次関数を用いた場合は次式で与えることが出来る。
Figure 2005181149
アンテナ仰角θEL=0[deg]からθEL=θEL_key[deg]まで高いカットオフ周波数fc3[Hz]に設定されているが、θEL=θEL_key[deg]以上では、式(19)の3次関数に示すように90degに近づくにつれ急激にカットオフ周波数は低くなり、90degのときにfc1[Hz]に設定される。
図15は上記のカットオフ周波数を実現するローパスフィルタの一例を示すボード線図である。図15のローパスフィルタは例えば次式で与えられる。
Figure 2005181149
ここで、fC:カットオフ周波数である。 fC=0.5Hzとした場合の伝達特性の一例を図15に示している。
双一次s-z変換により変換する。はじめに式(21)、(22)を以下のように書き改める。
Figure 2005181149
ここで、Ts:サンプリング時間[sec]である。
上記の伝達関数を直列結合することでローパスフィルタが構成される。 これを、ブロック図で記述すると図16となる。このブロック図のa01、a11、b11、a02、a12、b12、a03、a13、b13をアンテナ仰角(θEL)150に従い式(19)と式(22)の関係式を元に可変する。
以上のように前述の請求項7の「キーホールフィルタ」において,高域遮断フィルタのカットオフ周波数を高次関数などで与え仰角の変化に応じて連続的に変化することで、高仰角近傍の仰角の連続的変化に対しても、高精度なアンテナ追尾制御を実現できる。
実施の形態8.
図17は本発明の実施の形態8による衛星追尾用アンテナ制御装置の高仰角時における方位角の停止条件を示す仰角の時刻歴波形の一例である。
アンテナの仰角指令値の時間軌跡161は時間の経過と共に90degに近づき、方位角(θAZ)の固定開始点(P1)162においてアンテナの方位角の指令値(^θAZ)は停止して、アンテナのサーボ制御は方位角を固定する。固定開始点(P1)162における仰角θELの角度は(90-ε1)degに設定されている。ε1は微小な角度例えば、0.3deg程度に設定される。ここで、さらにアンテナの仰角指令値の時間軌跡161は増加し、ある一定時間後に角度減少を開始する、しかし、(90-ε1)degを通過しても方位角(θAZ)は固定したままであり、方位角(θAZ)の固定終了点(P2)163を超えて初めて方位角(θAZ)の駆動を始める。ここで、固定終了点(P2)162における仰角θELの角度は(90-ε2)degに設定されており、ε1<ε2の関係があり、例えば、ε2=0.5deg程度に設定される。このような設定とすることで、仰角θEL=90deg〜(90-ε1)degの範囲を方位角(θAZ)固定ゾーン164、仰角θEL=(90-ε1)deg〜(90-ε2)degの範囲をヒステリシスゾーン165に設定呼ぶことが出来る。
もし、ヒステリシスゾーン165が無い場合、図17における曲線161が(90-ε1)degを横切るたびにばたばたと方位角が±180deg動くなどして非常に不安定である。このように、前述の請求項7の「キーホールフィルタ」に加え,ヒステリシスゾーンと固定ゾーンを設けることで、仰角が天頂90degの最近傍(例えば,90deg〜89.5deg)になった場合でも(方位角が90degの特異点の場合でも)安定した方位角の追尾運動が実現できる。
実施の形態9.
図18は本発明の実施の形態9による衛星追尾用アンテナの方位角の最大速度制限による効果を示すための、方位角、仰角の高仰角近傍に於ける時刻歴応答の一例である。
ここで、図18は最大仰角θEL=88degの場合の時刻歴応答、図19は最大仰角θEL=89degの場合の時刻歴応答、図20は最大仰角θEL=90degの場合の時刻歴応答を示している。
図18の曲線170は方位角(指令値,実角度)の時間変化の一例[最大仰角θEL=88deg],171は方位角角速度の時間変化の一例[最大仰角θEL=88deg],172は仰角(指令値,実角度)の時間変化の一例[最大仰角θEL=88deg],173は仰角角速度の時間変化の一例[最大仰角θEL=88deg],174は衛星指向誤差の時間変化の一例[最大仰角θEL=88deg]である。この場合、曲線171の方位角の角速度に速度制限は発生していない。
図19の曲線180は方位角(指令値,実角度)の時間変化の一例[最大仰角θEL=89deg],181は方位角角速度の時間変化の一例[最大仰角θEL=89deg],182は仰角(指令値,実角度)の時間変化の一例[最大仰角θEL=89deg],183は仰角角速度の時間変化の一例[最大仰角θEL=89deg],184は衛星指向誤差の時間変化の一例[最大仰角θEL=89deg]である。ここでは、曲線181の方位角の角速度に約40deg/s速度制限を設け、これ以上の速度で方位角を回転しないようにしている。
図20の曲線190は方位角(指令値,実角度)の時間変化の一例[最大仰角θEL=90deg],191は方位角角速度の時間変化の一例[最大仰角θEL=90deg],192は仰角(指令値,実角度)の時間変化の一例 [最大仰角θEL=90deg],193は仰角角速度の時間変化の一例[最大仰角θEL=90deg],194は衛星指向誤差の時間変化の一例[最大仰角θEL=90deg],195は方位角理論値の時間変化の一例[最大仰角θEL=90deg]である。ここでも、曲線191の方位角の角速度に約40deg/s速度制限を設け、これ以上の速度で方位角を回転しないようにしている。
前述の実施の形態6と同様の2自由度アンテナ構成の場合,例えば,航空機が赤道直下をゆっくりと通過し,仰角が90degになった場合,方位角が瞬時に180deg回転しないと衛星を追尾できない.さらに,機体振動などが加わると,方位角は±180degの回転を繰り返すといった問題を生じることがある.この問題に対し,以上のように方位角の最大速度を一定値に制限する制御則を加えた構成とすることで、方位角の特異点通過時においても,モータトルクの急激な上昇を生じない安定した追尾運動を実現できる。
実施の形態10.
図21は本発明の実施の形態10による衛星追尾用アンテナ制御装置のキーホールフィルタにおける方位角の±180deg処理とアンテナ起動時の初期化処理を示すブロック図である。
方位角指令値120の信号が±180degで折返したか否かを±180deg折返し検出器200で判定する。この判定に基づきローパスフィルタ202の±180deg処理を行う。さらに、アンテナ起動時の初期化信号202の入力があると、ローパスフィルタ202と203の初期化処理を行う。これらにより出力123と126が得られる。なお、これらの処理内容は図10に示した姿勢推定フィルタの±180deg処理と初期化処理と同等である。
前述の実施の形態6における「キーホールフィルタ」はアンテナの方位角と方位角速度の2つの信号に対し適用される。しかし、方位角は360deg連続回転するため、実際の信号は±180degの不連続な信号となる。(一方、方位角速度は不連続にはならない)この不連続な方位角を「キーホールフィルタ」に入力すると不連続点で所望の出力を得られない。そこで、前述の請求項7と同様に、180deg通過の不連続性を考慮したキーホールフィルタを以上のように設けることで、アンテナの方位角が360deg連続で回転し続けても、高精度な追尾制御を実現できる。
この発明による衛星追尾用アンテナ制御装置は、追尾対象が通信衛星に限らず例えば他の天体から飛来する電波信号を追尾するものや、他の航空機の電波の追尾にも使用できる。
本発明の実施の形態1による衛星追尾用アンテナ制御装置のセンサやアンテナの配置と、各部の角度等についての定義を示す図である 図1の衛星追尾用アンテナ制御装置の制御系を示すブロック図である。 図2の姿勢推定フィルタの内部構成を示したブロック図である。 機体に取り付けたレートジャイロにより計測される角速度信号と、IRU2により計測されるオイラー角およびオイラー角時間微分の関係を示す。 図3の姿勢推定フィルタにおける、周波数を横軸にとり、縦軸にゲインをとったときの制御周波数帯域を説明する図である。 図2の姿勢推定フィルタに座標変換23’を追加した場合の構成例である。 本発明の実施の形態2による衛星追尾用アンテナの受信する電波の強度分布を示す概念図である。 本発明の実施の形態3による衛星追尾用アンテナのベース部に傾斜角度センサを設けた場合の俯瞰図である。 本発明の実施の形態4による衛星追尾用アンテナ制御装置における慣性参照ユニット(IRU)の角度出力信号と姿勢推定フィルタの出力角度信号の一例を示す時刻歴応答波形である。 本発明の実施の形態5による衛星追尾用アンテナ制御装置における姿勢推定フィルタに対し、初期化処理と±180deg折返し処理を追加したブロック図を示したものである。 本発明の実施の形態5による衛星追尾用アンテナ制御装置における慣性参照ユニット(IRU)の遅れ時間を推定する手法の概念を示すブロック図である。 本発明の実施の形態6による2自由度構成とした衛星追尾用アンテナの俯瞰図である。 キーホールフィルタを説明するブロック図である。 図13(a)のキーホールフィルタの内部構成を示す詳細なブロック図である。 本発明の実施の形態7による衛星追尾用アンテナ制御装置のキーホールフィルタの特性を示す関数の一例である。 カットオフ周波数を実現するローパスフィルタの一例を示すボード線図である。 アンテナ仰角に応じてカットオフ周波数を可変する図15に示す伝達関数をディジタルフィルタで構成した一例を示すブロック図である。 本発明の実施の形態8による衛星追尾用アンテナ制御装置の高仰角時における方位角の停止条件を示す仰角の時刻歴波形の一例である。 本発明の実施の形態9による衛星追尾用アンテナの方位角の最大速度制限による効果を示すための、方位角、仰角の高仰角近傍に於ける時刻歴応答の一例で、最大仰角θEL=88degの場合の時刻歴応答である。 図18の最大仰角θEL=89degの場合の時刻歴応答である。 図18の最大仰角θEL=90degの場合の時刻歴応答である。 本発明の実施の形態10による衛星追尾用アンテナ制御装置のキーホールフィルタにおける方位角の±180deg処理とアンテナ起動時の初期化処理を示すブロック図である。
符号の説明
1 航空機(機体)、 2 慣性参照ユニット(IRU)、 3 アンテナベース、
4 アンテナ指示機構(ジンバル)、 5 アンテナ、 6 角速度センサ、
7 相対角度センサ、 8 地表面、
9 取り付け角度補正器(電圧/角度変換)、
10 姿勢角度センサ、 11 レートジャイロ信号、 12 姿勢推定フィルタ、
13 推定姿勢角度、 15 座標変換器、 16、17 角速度推定値、
20 ロール軸信号用フィルタ、 21 ピッチ軸信号用フィルタ、
22ヨー軸信号用フィルタ、 23 座標変換器、
24,25,26 積分器、 27、28,29 IRU遅れ時間補正器、
110 方位角回転アクチュエータ、 111 仰角回転アクチュエータ、
128 キーホールフィルタ、 165 ヒステリシスゾーン、
202、203 ローパスフィルタ、
航空機の緯度における卯酉線の曲率半径、
Rs 衛星の緯度における卯酉線の曲率半径、
Re 赤道半径、
地球(楕円体)の離心率、
ψS 衛星の緯度、 λS 衛星の経度、 hS 衛星の高度、
ψA 航空機の緯度、 λA 航空機の経度、 hA 航空機の高度。

Claims (12)

  1. 航空機に搭載され自身の位置と姿勢とを計測する慣性参照ユニット、
    前記慣性参照ユニットから離れた前記航空機上に搭載されたアンテナ架台、
    前記アンテナ架台上に設置され任意の方向に指向駆動されて通信衛星と通信するアンテナ、
    前記アンテナ架台の近傍に設置され前記アンテナ架台の少なくとも2次元の角速度を計測する角速度センサ、
    前記慣性参照ユニットの計測した位置信号と姿勢信号を、前記角速度センサの角速度信号を用いて補正した位置信号と姿勢信号とにもとづき前記アンテナを制御することにより、前記航空機の機体のゆがみと前記慣性参照ユニットの計測遅れを補正することを特徴とする衛星追尾用のアンテナ制御装置。
  2. 予め定めた所定周波数のローパスフィルターを介して出力した前記慣性参照ユニットの計測した前記位置信号と前記姿勢信号と、前記所定周波数以上のハイパスフィルターを介して出力した前記角速度センサの角速度信号とを加算して前記アンテナ架台の現在位置と現在姿勢とを推定する姿勢推定フィルターを用いたことを特徴とする請求項1に記載の衛星追尾用のアンテナ制御装置。
  3. 前記アンテナの指向方向に微小変位を与え、このときの通信衛星からの受信電波の強度変化にもとづいて、前記アンテナの指向方向を求める電波強度にもとづくアンテナ指向方向制御手段を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の衛星追尾用のアンテナ制御装置。
  4. 前記アンテナ架台の近傍に前記慣性参照ユニットとの相対傾斜角度差を計測する傾斜角度センサを設けたことを特徴とする請求項1に記載の衛星追尾用のアンテナ制御装置。
  5. 前記姿勢推定フィルターは前記慣性参照ユニットから出力されるロール軸、ピッチ軸、ヨー軸の各姿勢角信号のいずれかが±180degを通過したか否かを判定して、前記通過した信号の種類とその通過とを通知する±180度折り返し検出器、
    前記±180度折り返し検出器が前記通知した前記姿勢角信号用のフィルタ、積分器、またはIRU遅れ時間補正器を初期化する初期化信号発生器を備えたことを特徴とする請求項2に記載の衛星追尾用のアンテナ制御装置。
  6. 前記姿勢推定フィルタは、前記航空機の旋回運動時の前記慣性参照ユニットの出力と、同時刻に前記アンテナ近傍に設けた前記角速度センサで計測した姿勢角速度変動出力との差から、前記慣性参照ユニットの時間遅れを推定する時間遅れ推定器を備えたことを特徴とする請求項2に記載の衛星追尾用のアンテナ制御装置。
  7. 前記アンテナ架台は垂直軸まわりに方位角を制御する1自由度と、前記垂直軸に直交する1つの水平軸周りに仰角を制御する1自由度とを含む2自由度の回転角を有し、
    前記アンテナ架台の近傍に設置された前記角速度センサの信号は,前記仰角の値に応じて遮断周波数を可変するキーホールフィルタを介して出力されることを特徴とする請求項1または2に記載の衛星追尾用のアンテナ制御装置。
  8. 前記キーホールフィルタの前記遮断周波数は、前記仰角の値の変化に応じて連続的に変化するよう構成されたことを特徴とする請求項7に記載の衛星追尾用のアンテナ制御装置。
  9. 前記仰角の値があらかじめ定めた所定の角度よりも天頂に近いときには、前記方位角を固定することを特徴とする請求項7に記載の衛星追尾用のアンテナ制御装置。
  10. 前記あらかじめ定めた所定の角度はヒステリシス特性を備え、前記仰角が前記天頂へと近づくときの前記所定の角度は、前記仰角が前記天頂から離れるときの前記所定の角度より大であることを特徴とする請求項9に記載の衛星追尾用のアンテナ制御装置。
  11. 前記仰角の値があらかじめ定めた所定の角度よりも天頂に近いときには、前記方位角の制御はその最大速度をあらかじめ定めた一定値に制限する制御則を備えたことを特徴とする請求項9に記載の衛星追尾用のアンテナ制御装置。
  12. 前記キーホールフィルタは、前記方位角が±180度の不連続点を通過したか否かを判定して、その通過を通知する±180度折り返し検出器、
    前記通知にもとづき方位軸角度用フィルタと、方位軸角速度用フィルタとを初期化する初期化信号発生器を備えたものであることを特徴とする請求項7に記載の衛星追尾用のアンテナ制御装置。
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